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カテゴリ「ワイン イタリア 中部」の4件の記事 Feed

2014年10月 4日 (土)

コッレカプレッタ ヴィーニャ・ヴェッキア2012 IGTウンブリア

141004vignavecchia2012トレッビアーノというブドウは有名ではあるが、過小評価されているブドウとも言える。それはおそらく、フランスのユニ・ブラン、今でもコニャックなどの蒸留酒用にフランスで大量生産され、かつては安い酸のきついワインの代名詞のように言われたブドウのイタリアにおけるブドウ名、というところから来ているに違いない。

フランスのユニ・ブランは、イタリアにおけるトレッビアーノ・トスカーノのことであり、トスカーナ原産のこのブドウがイタリアからフランスに移植されて、ユニ・ブランとなって広まっていった。しかし、イタリアに広がるトレッビアーノの名を冠したブドウのそれぞれが必ずしも同族という事ではないようだ。実際、イタリアにはトレッビアといった名を持つ地名が散見され、そうした土地の名前に由来した名前がブドウにつけられていったのだという。

このブドウ、トレッビアーノ・スポレティーノはウンブリア原産の地ブドウで、一旦絶滅しかけたが、ウンブリア州で上質のワインを産みだすポテンシャルのあるブドウとしての注目を集めつつある。そして、ウンブリア注目の造り手、コッレカプレッタもこの品種で白を醸している。以前飲んだ赤は素晴らしい出来だった。

http://cesc22.blog.eonet.jp/default/2014/03/nv2012-e24a.html

コッレカプレッタは自然なワインの造りを志向し、このワインも特別なことはせず、ブドウの完熟を待ち、手作業で選果し腐敗果を取り除き、10日間のマセラシオンを経て自然酵母で発酵させていく。

色はややうす濁りの感があるしっとりした山吹色。粘性は中程度でディスクは白としてはやや厚めの印象。香りは黄桃、乾燥マンゴー、焼芋、マロングラッセ、蜂蜜、焼きリンゴと、炙ったような香ばしさと甘さを感じさせる香り。

口に含むと熟した木なりの柔らかな果実の甘さに、丸みのある細かな質感の酸が後を追うように寄り添う感覚。全体のフォルムが整い、程よい甘さの中に包含されつつしっかりとした芯のある酸が心地よく感じられる。ボリューム感は大きくないが、親しみのもてる穏やかな味わいが素直に体に染みてきて、しかしただ優しいだけに流れず、中盤から現れる程よい苦みが複雑さと重心の低さを与え、深みのある味わいを展開していく。

余韻も柔らかな苦みの印象が安定感をもたらしつつ、切れの良い優しい甘みが長く続き、最後まで穏やかかだが躍動感も見せつつ、フィニッシュに至る。

自然派というカテゴリーには曖昧さもあるものの、このワインに関しては自然派という表現が何より相応しく思える。余計なものを乗せない、それでいて味わいにしっかりとした主張と意味があり、それがなんの負担なく感じられるところに、この造り手の非凡さがあると思う。白もGood JOB!

【エーテルヴァイン岡崎店(テラヴェール) 4,000円?】

2014年4月 5日 (土)

ジョヴァンニ・テレンツィ チェザネーゼ・ディ・オレヴァノ・ロマーノ コッレ・サン・クイリコ2011 DOCチェザネーゼ・ディ・オレヴァノ・ロマーノ

140405cesanese

イタリアワインにおける中部、ラツィオの位置づけは高いとは言えない。永遠の都ローマを擁し、ブドウ栽培も古来から盛んであった土地柄であるから、ワイン自体を目にすることはあっても多くはカジュアルなワインで、フラスカーティのようにやや甘みもある飲みやすい白ワインの産地という印象だ。

しかし、最近この地方でも徐々に赤ワインに目覚ましいものが出てきているという。その代表格がラツィオ南部を中心に栽培されているチェザネーゼによる赤ワインだ。

チェザネーゼは主にラツィオ州で栽培されてきたブドウで、チェザネーゼ・コムーネとチェザネーゼ・ダッフィーレの2種があり、前者はボンビーノ・ネーロとも呼ばれる。柔らかな酒質と繊細なタンニンが特徴。このカンティーナはローマの南東50kmにあり、12haの畑を4人の家族で経営し、チェザネーゼによるブドウのポテンシャル向上に早くから貢献してきた。このワインはチェザネーゼ2種をブレンドしている。

色はやや暗めの赤みの強く感じられるルビー色。香りはクランベリー、イチゴシロップ、花のエッセンス、バックにややミントの香りも感じられる。

口に含むと冷涼で穏やかな赤い小粒なベリーの酸味を感じ、その酸味に導かれた細身の果実味に溶け込んだ繊細で小粒なタンニンが軽やかに踊る。小ぶりだが要素は緊密で、全てが掌中に収まっているような小気味いい感覚。中盤から後半にかけても荒ぶることなく、安定したピュアな果実味を押し出す姿勢を崩さない。

余韻は細かなタンニンが細めの果実味を支えるように押し上げ、そして一気に引くような流れを見せて昇華していく。

トスカーナやピエモンテのワインに比べるとボリューム感、押しの強さという意味では一歩譲るだろうが、それでも果実味の柔らかさ、繊細さ、そして後半にやや押し戻す構成の巧みさは、その展開が解りやすく好ましい故に印象に残るだろう。これからのラツィオ州のポテンシャルを垣間見せてくれるワインだった。

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 2,500円?】

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2014年3月15日 (土)

コッレカプレッタ ヴィノ・ロッソ・ダ・ターヴォラNV(2012) ウンブリア

140315collecapretta酸化防止剤、この存在はワインにとって善か悪なのか。

亜硫酸塩はワインにとって重要な役割を果たしてきた。その酸化抑制と抗菌性によってワインの品質に安定をもたらすとして、通常は術他のワインに添加された。添加されないまでも、醸造中に微量の亜硫酸も発生し、自然とワインに含まれた。

しかし、人体に影響がある亜硫酸を忌避する動きの中亜硫酸無添加ワインも登場したが、その味わいは劣ったものだった。中には亜硫酸を摂取すると頭が痛くなるという人がいるらしい。しかし自分は亜硫酸による体の影響を感じないので、そこに重きを置いてこなかったし、今もそうだ。亜硫酸の添加有無は一定の考慮判断にはなるが、絶対条件ではない。少ないに越したことはない、という程度だ。

この日試したコッレカプレッタは完全に酸化防止剤である亜硫酸無添加であるという。イタリアのワイン雑誌で自然なワイン造りについて長くコラムを書いてきたダニッロ氏が、地元ウンブリアでその実践を開始したワインだという。サンジョヴェーゼ100%のワインは亜硫酸無添加だけでなく、栽培でも化学薬品を使わず、共に飼育されている家畜の糞などによる自家製肥料を使用しているという徹底ぶりだ。

色はかなり濃密な黒味の強いルビー色。香りはイチゴ、カシスジャム、スミレ、粘土っぽい香りもバックに感じられるが、色とは対照的なチャーミングな香りが活き活きと立ち上がる。

アタックは硬質で、ボリューム感のある渋みと、やや金属的な冷たさを感じるがそこから熟したベリーの果実味と、透明感のある伸びやかな酸が染み出るように現れ、やがてアクセルを踏むように大きな広がりを見せる。余計な肉をそぎ落としたフォルムは抵抗感なく口の中に納まり、その中で密に絡んだ要素が一体となって中盤の厚みあるボディを形成する。細かなタンニンが味わいの隙間を埋めるように働き、アクセントとなってワインに後半の深みと落ち着きを与える。

余韻は優しい果実の甘みが昇華するようにほどけつつ、爽やかな後味を残して引いていく。

亜硫酸無添加のワインと聞いて極端な味わいを想像したが、実際には不自然さは微塵もなく完成度の高い味わい。重厚な構成と自然な味わいを両立させた、最近味わったワインの中でも質の高さが際立ったワインであった。Great JOB!

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ(テラヴェール) 4,000円?】

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2014年1月10日 (金)

レ・コステ ビアンコ2008 ヴァン・ド・ターブル(イタリア ラツィオ州)

140106lecoste自然派ワインとよく表現されるが、実際には千差万別の感があり、それを標榜する造り手それぞれの考え方に依るのでワインのカテゴリーとしては捉えにくい。一言で言うとすれば、栽培から醸造まで極力人の介入を抑えたワインというところであろうか。

その端緒はフランス、有名なボジョレーの作り手であるマルセル・ラピエールであるだろうが、最近はイタリアでもスローフードの流れを反映してか自然派の勢いが止まらない。このレ・コステ、ジャン・マルコ・アントヌーツィもその一人だろう。

イタリア中部ラツィオ州のこのワイナリーでは、火山土壌の畑に土着品種を栽培し、栽培はビオディナミ、醸造も化学薬品を用いず短期のマセラシオンを経て、洞窟の中の木樽でアルコール発酵、1年の熟成を行う。この白はプロカニコ主体で、プロカニコはトレッビアーノ・トスカーノの別称であり、フランスではコニャックの原料として用いられるユニ・ブランと同一遺伝子型になる。

色は少しうす濁りの麦わら色。香りはドライフラワー、リンゴミツ、アプリコットジャム、セメダイン、ニッキ水。

アタックは鮮烈な酸の刺激が舌先を突くが、密で熟したアプリコットのような果実味が染み出てくるように広がる。高めの酸は、やや硬質な果実味に浮力をもたらし、無駄のないピュアな中盤の味わいをそこから支える。中盤から後半はミネラル感と、オロロソに似た酸化のニュアンスを伴ったふくよかな旨味が、穏やかな膨らみを伴って裾野を広げるように展開する。

余韻は雑味のないピュアな甘みが心地よく座り、意外に飲み飽きしないさらりとしたキレの良さを感じさせながら引いていく。

色からしてかなりビオ的なワインだと思ったが、飲み心地はありがちな還元香もあまりなく、味わいも高い酸によって軽快かつピュアなワインに仕上がっている。久々にこういう「濁り系」の白を飲んだけど、なかなか新鮮な感じのするワインだったな。

【エーテルヴァイン岡崎店 4,000円?】 

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