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カテゴリ「ワイン 日本 その他」の7件の記事 Feed

2014年12月17日 (水)

フェルミエ カベルネ・フラン2011 新潟県新潟市

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ワインは農作物、それを作る者は農民。そうした思いがストレートに伝わってくる名前としてフェルミエは相応しい。フランス語で農民という意味のこの名を冠するワイナリーを新潟に開いたのは、しかしかつては証券会社で働いていた方だという。そのギャップもまた、このワイナリーの無二の個性を導いているのだろう。日本ワインにおいて、自分が最も愛するワイナリーの一つだ。

新潟のワイナリーと言えば、カーヴ・ドッチが先鞭であろうが、フェルミエを起こした本多氏もそこから学び、カーヴ・ドッチに隣接する場所に畑を開いた。越前浜と呼ばれるその地は佐渡島の対岸で、砂利質の水はけのよい土壌は降雨量の多い新潟でブドウを栽培するには適しているだろう。そしてその地で植え始めたブドウはカベルネ・フランとアルバリーニョというこだわり。

全体に紫を帯びた、なめらかな色調のルビー色。香りはフランの特徴と言えるやや青さを感じさせる香りが全面に立ちつつ、スミレ、ブルーベリー、鉛筆の削りかす、ミント、新緑のすがすがしさ。

アタックはピュアですっくと立ち上がるクリアな赤い果実の酸味、その後細身だがしっかりした密度を感じさせる果実味が、繊細なタンニンとともにゆっくりと広がってくる。タンニンは細かだがボリューム感があり、中盤からはしっかりしたベースを形作る。その上にビロードのクロスのように流麗な旨味が広がり、穏やかで心地よい終盤へと導く。

余韻は渋みと旨味の綺麗な絡み合いが演じられる間にフレッシュな酸が再び戻ってきて、クリアな後味を残しつつフィニッシュに至る。

教科書で習うようなカベルネ・フランの特質がここまで日本の地で明瞭に表現できるということに今更ながら驚かされる。いや、どのヴィンテージでも最初にこのフランを飲んだ時の印象は覆らない。価格は高めだがその理由と価値がある、日本において世界に誇ることのできる、ヨーロッパ系ブドウ品種の赤ワインに違いない。Good JOB!

【Wineshop FUJIMARU 4,800円?】 

2014年8月11日 (月)

奥出雲葡萄園 奥出雲ワイン シャルドネアンウッディッド2013 島根県雲南市 

140810okuizumochardonnayunwood今でこそ日本ワインは数多く目にするようになり、選ぶのにも苦労する状況だけれども、3,4年前はまだまだ一般のワイン売り場に並ぶことは少なかった。

だから昔から好きだといえるような日本ワインは正直少ないのだけれど、この奥出雲ワインのシャルドネ、アンウッディッドはその数少ないうちの1本だ。アンウッディッドとあるように、樽を使わずにステンレスタンクで発酵させている。

日本ワインのシャルドネも樽を使う派、使わない派が両立しているが、自分の好みとしては使わない派に挙げる。その分味わいはクリアかつシャープで、やや青さも感じるが、それが他の国のシャルドネにはない個性に感じられるからだ。

色は全体にグリーンを帯びた、若い麦わらを思わせる薄めのイエロー。香りはライム、青リンゴ、バナナ、青い若さを感じさせる香りが顕著。

口に含むとすがすがしいさを感じさせつつ、丸みを帯びた豊かな酸を感じ、その後残糖感は少ないが、エキス分の濃い太さのあるグレープフルーツのような果実味が座る。均整のとれたボディは上品さを演出し、中盤からは落ち着いた味わいの中で口の中に強いハーブの芳香が放たれる。

終盤はしっかりした旨味の余韻が残りつつ、最後までフレッシュな感覚を切らさずになだらかな収束に至る。

ステンレスタンク発酵らしい若い特徴を備えつつ、しっかりした果実味で厚みを演出するところがこの奥出雲アンウッディッドの持ち味。いつ飲んでも変わらぬ充実感がうれしい1本。

【Wineshop FUJIMARU 2,800円?】

2014年1月29日 (水)

朝日町ワイン ソーヴィニヨン・ブラン2012 山形県朝日町

140126asahimachi日本ワインの白ブドウ品種と言えば甲州、その後に続くのはデラウェア、ナイアガラが頭に浮かぶが、その他シャルドネも勢力を強めつつある。しかし、自分としてはソーヴィニヨン・ブランもまた適しているのではないかと常々思っていたが、やはり徐々にそうしたワインが出回るようになってきた。

朝日山ワインの創業は昭和19年。しかし、元々はワイン醸造時に生成される酒石酸をレーダーに用いる部材の代替品として生産することが目的だった。その後昭和54年に今のワイン生産を始めて、このソーヴィニヨン・ブランは山形県で栽培されたブドウを用いて、スキンコンタクトを数時間行うことで旨味を引き出している。

色は薄めの張りがある澄んだレモンイエロー。香りはライムの柑橘系の香りに、シロップ、チューインガムの甘いニュアンスの香りが寄り添う。

アタックは滑らかなだが芯のある細めの酸味と、柑橘の青い、やや苦みの伴う果実味がバランスよく迫る。青い柑橘系の果実味は充実しており、旨味もきれいに乗って心地よい。ややキャンディのような味わいが平易に流れる感じは残るが、ソーヴィニヨン・ブランらしい青い香りがフレッシュ感を引き出し、後半にかけて全体の味わいをクリーンな印象に保つ。

余韻はクリーンなライムの甘みと共に、ハーブの清涼感漂う香りが爽やかに広がりつつ、きれいな後口を残して引いていく。

爽やかな香りとクリーンな旨味で、気軽に飲めつつ品種の個性もしっかり感じさせる味わいに仕上がっている。ソーヴィニヨン・ブランは冷涼な場所ではハーブ的、温暖な場所ではトロピカルな味わいになるというが、その中間を保っているところがこの品種の日本での相性を予感させているように思えるのだが、このワインを飲んで今後の展開がますます楽しみだ。

【酒商熊澤 2,000円?】

 

2014年1月 2日 (木)

ココファーム 月を待つ2011 栃木県足利市(ブドウ:北海道余市)

130922tshukiomatsu去年は一挙にクラフトビールの店が多くなった印象があるが、クラフトビールと一緒に日本ワインも置く店も増えたので、日本ワインをグラスで楽しむことが気軽にできるようになったことは嬉しい。今後はレストランでもそういうケースが多くなってくるようであれば、日本ワインの裾野も広がったといえるんだろう。

日本ワインも最近一挙に広がったような印象を持つが、じつはその歴史は古い。このココファームも開業は1980年と、既に30年の歴史がある。

ココファームは障害者支援施設が開いたワイナリーで、開業以前から栃木の地で障害者自立のために畑を開墾し始めたのが1958年という。今では年産12万本までに拡大し、日本ワインの作り手としては比較的大きなワイナリーに成長した。このワイナリーは栃木以外の買いブドウでもワインを作ることで、このブドウは北海道余市で栽培されたケルナー種によるもの。

色は硬質なゴールドイエロー。香りは白い花、青めのバナナ、栗、ハーブ、灯油、スパイシーなカレーの香りも感じられる。

アタックは細かな泡の感覚が舌先をくすぐり、その直後ドライな果実味と真っ直ぐな鋭角の酸が疾走するように口の中に広がる。残糖分は殆ど感じない。中盤から後半はドライで、ふくよかな香りとは対象に、タイトな味わいを形作る。

余韻はナッツの香ばしい香りが広がりつつ、しっかりした苦みが引き締めつつ、締まった味わいを収束させていく。

ケルナーの香り高さとタイトナなボディを活かしつつ、すっきりした味わいに仕上げている。その土地で特性を表すブドウを使って自分の造りたいワインを表現する、自家栽培にこだわらない手法も十分ありかな、と思うな。

【パピーユ・ジャポネーズ 3,000円?】

2013年3月16日 (土)

奥出雲葡萄園 奥出雲ワイン ソーヴィニヨン・ブラン2012 島根県雲南市

130316izumo日本ワインを飲み始めたころ、一番最初に魅かれたワインというと、この奥出雲ワインを挙げることになる。島根県で元々は乳業を営んでいた会社がワイン業を始めたのが1990年というが、自分が出合ったのはそれよりずっと後、2009年頃のはず。日本ワインというものに自分がいかに無関心だったかが改めて思い返される。

この葡萄園は山ぶどうを栽培していた人たちによってワインを醸すために起こされたワイナリーだが、今でも「小公子」という品種のワインが看板商品になっており、少数生産であっという間に売れてしまう。しかし、自分が一番好きなのは「シャルドネ・アンウッデッド」、ステンレスタンクで醸した品種そのものの味わいがクリアに迫ってくる味わいが印象的だった。

その奥出雲葡萄園が自社畑で畝数4列だけ栽培したソーヴィニヨン・ブランを初めて目にした。ソーヴィニヨン・ブランはまだまだ日本では少数のワイナリーでしか生産されていないが、その鮮烈な個性は日本で十分活躍できる素地があると思っているが、どうだろうか。

色は透明に近い、澄んだ張りのある薄いイエロー。青リンゴ、二十一世紀梨、プリンスメロン、ビニルの香り。

口に含むと穏やかな酸はボリュームも控えめで、するりと舌を滑るように入ってくる。口の中に広がる青リンゴの香りが涼しげで、その香りに導かれるように穏やかで清らかな滋味がじんわりと広がる。ボリューム感、複雑さを強くは感じないが、それ故にストレートな果汁の持つ旨味、余計なものを捨てた潔い味わいを感じる。

中盤から後半にかけて、雑味を残さぬ綺麗な味わいが広がり、かすかな苦みが穏やかな旨味をまとめ上げて、柔らかな余韻を形作る。

いわゆるソーヴィニヨン・ブランの鮮烈なハーブ的な個性は若干控えめに、代わりに青い果実の旨味を活かしているといった印象を受けた。これも日本におけるソーヴィニヨン・ブランの可能性の一面なのだろう。欲を言えばもう少し最終盤に切れ上がるグリップ感が欲しいと思うが、まだまだ試行錯誤の過程と思えば、これからの発展形に期待。

【パピーユ・ジャポネーズ 2,500円?】

2013年1月13日 (日)

セイズファーム シャルドネ セカンド2011 富山県氷見市

130113saysfarmブームというほどの急激な盛り上がりは感じなかったが、昨年は日本ワインが完全に定着した1年だった。それまでは目立たなかったデパートの売り場でも、堂々と目につきやすい場所に日本ワインが置かれるようになった。

しかし、それでもまだまだ知られていないワイナリーは多いことだろう。このセイズファームというワイナリーも正直つい最近まで知らなかった。そして場所が富山県氷見市ということでさらに驚いた。

このワイナリーのプロジェクトが始まったのは日も浅く2008年。休耕田として放置されていた土地に10haの農園を開き、そこでシャルドネなど国際品種ブドウをはじめ、生食ブドウ、洋ナシなどの果実も栽培している。2010年までは長野で醸造していたそうだが、この2011年から氷見産のブドウを氷見で醸造する、本当の地産ワインが出来上がった。

色は粘性の感じられる柔らかなゴールドイエロー。ディスクは厚め。香りはオレンジ、ママレード、乾燥マンゴー、ナッツ、白コショウ。

口に含むと柔らかな粘性の膜のような舌触りを感じ、その膜の中から攻撃性はないが、純度の高い酸が放たれる。フォルムの締まったボディは、ワインというよりも吟醸の日本酒のような味わいを感じさせる。後半の硬質なミネラル感、アクセントとなる苦みが複雑さを与え、ワインに安定感を与える。中盤から後半にかけての抜けも心地よく、口の中に雑味を一切残さない。

余韻は軽やかな苦みがしっかり残り、穏やかな酸味も最後まで残る息の長さを感じさせつつ、淡雪が解けるような心地を醸し出しながら引いていく。

酸の穏やかさからくるのだろうか、飲み心地はワインというよりも日本酒に近いこと驚かされた。今まで飲んだ日本のシャルドネの中でも、これは際立った個性といえるだろう。富山で始まったこの試みはまだまだ知名度は低いかもしれないが、必ず成功するはず。この不思議なシャルドネには正直かなりはまった。ちなみに、この日合わせた氷見の寒ブリ、アルゼンチン産の赤エビ、インドマグロの中トロ刺身ともなかなかの相性でした。Good JOB!

【Wineshop FUJIMARU 3,500円?】

2011年12月 2日 (金)

カーブ・ドッチ サンジョヴェーゼ2010 新潟県(新潟市) 

111130sangiovese_2最近新潟ワインにはまっております。ここだけで品種の博覧会ができるほどのヴァラエティ。白はシャルドネ、セミヨン、アルバリーニョ、マスカット、赤はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、そしてここに紹介するサンジョヴェーゼ。

自分が今年であったワインで最高に印象深かったのも新潟県の小さなワイナリー、カベルネ・フラン2008。フランらしいインク、ピーマンの香りも持ちながら、独特の酸と豊かな果実味、柔らかなタンニンはフランスよりも特徴をはっきりたたえたワインだった。

その新潟県で同じくワイナリーを営むカーブ・ドッチが2000年に初めて植えたサンジョヴェーゼはわずかに500本。そのブドウも樹齢10年を経てようやく落ち着いてきたという。まだまだ若いワイナリーが醸すイタリアの横綱級ブドウとは?

色は明るめの柔らかい質感をたたえたルビー色。香りはデラウェアのブドウ、キャンディー、ハッカ、木苺といた若く酸味のありそうな果実の香り。

口に含むとジューシーで素直な酸味が口の中にストレートに広がる。甘さも感じさせ、口の中にグミキャンディーをほおばっているかのよう。複雑さはなく、軽やかで若いベリーの旨味を閉じ込めたようなわかりやすい味わい。タンニンは少なく、中盤以降も爽やかな甘さとともにジューシーなブドウの旨味が広がってくる。

余韻はデザート系の軽い甘さが口の中にふんわりと漂い、まろやかな後味を残しながら優しく優しく引いていく。

果実の旨味、甘みを表現したストレートで優しく軽快なワイン。サンジョヴェーゼとしてどう?と問われるとイタリアとは確かに違うとは思うが、これも日本という土地で生まれた個性と思えば納得できる。別に本国を模倣するために作っているわけじゃないんだろうしね。

【パピーユ・ジャポネーズ 2,800円】