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カテゴリ「ワイン 日本 長野」の3件の記事 Feed

2015年9月26日 (土)

ファンキー・シャトー ピノ・ノワール ブラック・ラベル2013 小県郡青木村(長野県)

150926funkychateaupinotnoir最近最も驚かされたワインを挙げろと言われれば、まずこの一本を推そう。日本のピノ・ノワールがここまで来るとは思っていなかっただけに初めて口にしたときは衝撃的だった。

ファンキー・シャトー、名前からすれば弾けたワインの印象だが、実はすごくクラシックな造りで、ここのシャルドネもブルゴーニュタイプの落ち着いた風格、バター、蜜のニュアンスをしっかりまとった高級感も併せ持つ本格的な造りが背反し、忘れられない個性を記憶の中に植え付けてくれる数少ない日本のワイナリーの一つだ。ただし、自分の中ではその最高峰と思っている。ファンキー・シャトー、セイズ・ファーム、山崎ワイナリー、この3つが今の自分の中でのトップ3。

さて、このピノ・ノワールは生産1,384本。標高750mの畑で完熟したブドウをコールドマセラシオン後ステンレスタンクで約2週間自然発酵させたのち、18か月間バリックで熟成、無濾過無清澄で瓶詰めされる。

色はやや濁りのある、赤い果実のピュアな果汁を思わせる明るいルビー色。香りはストロベリージャム、カシスの甘い香りに加えて、バニラ、オイリーな樹脂系の香りも感じられる。

口に含むと濃密なベリーの果実味が重量感を伴って押し寄せるが、その中に溶け込んだやや野性味に勝つタンニンも決して粗くなく細やかで、クリアでストレートな酸味と不思議な調和を保っており、中盤は一転して酸、タンニン、果実味のスレンダーな三重奏が繰り広げられる。自然な凝縮感を保った味わいにくどさは全く感じられず、後半に進むほどにきれいな甘さが豊かに広がり、味わいの純度の高さをひしひしと感じさせられる。

余韻はおしゃれなデザートを口にしたときの満足感が広がりつつ、爽やかな甘さと酸の螺旋階段を下りていくような立体感を描いていく。

正直なところ日本でピノ・ノワールの複雑さを再現することは困難、とつい最近までは思っていたのだが、今ではそんな事が無知だったと懺悔せずにはいられないほどに嬉しいほどの表現力。これからこのワイナリーがどの境地に向かっていくか、ますます目が離せない。このまま行くと今年のベスト1になりそうな予感。Great JOB!

【R -the wine shop- 5,000円?】

2013年8月26日 (月)

ファンキー・シャトー シャルドネ2012 長野県小県郡

130825funkychateauchardonnay以前は日本ワインを「日本ワイン」というカテゴリーで一括していたが、最近は山梨、長野、近畿など、多様な地域のワインが簡単に、かつ手ごろに手に入るようになってきたので、ディリーワインに登場することが多くなってきた。そろそろカテゴリーを分割しないと、後の整理が面倒になりそうだ。

このワインは長野県、日本でいち早くAOC制度を取り入れたことでも一時話題に上った。このファンキー・シャトーは名前はかなり際っぽいが、ワインはいたって正統で2012年に初出荷を果たした新しいワイナリー。

完熟したブドウを選果、自然発酵、無濾過、無清澄でワインに仕上げることをモットーとしており、このシャルドネも生産はわずかに571本、除梗破砕の後に数時間コールドマセラシオンさせ、ステンレスタンクで3週間の自然発酵の後に新樽で6か月の発酵熟成を行っている。

色はねっとりした質感を感じさせる、柔らかなゴールドイエロー。香りはカシューナッツ、バター、栗、蜂蜜と、ほのかにマンゴーの香りも感じられる。

トップには凝縮したトロピカルフルーツの甘みと、繊細で細かな酸が緊密に絡み合う。甘みの予想外の強さに驚くが、粘りのない磨かれたクリーミーな味わいは雑なところがない。甘みが収まった後に広がるほのかな苦みのアクセント。全体的にはコンパクトで、もう一段の膨らみ、複雑さが加わるとより素晴らしいものになる予感を感じさせる。熟成を経ると、さらなる変化が期待できるだろう。

余韻はすっきりした甘味の心地が滑らかに広がり、穏やかなフィニッシュに導いていく。

ポテンシャルは素晴らしく、日本のシャルドネの品質の高さを十分世界に訴えかけるだけの力が備わっていると思う。これが初リリースという事で、今後の深化に期待したいところだ。

【パピーユ・ジャポネーズ 4,500円?】

2013年4月29日 (月)

ヴィラ・デスト プリマヴェーラ シャルドネ2010

130414viladest日本ワインのブーム、とまでは言わないが、最近は飲食店でも日本ワインの果たす役割が広がってきたように思う。むしろ、日本ワインを置いている、という事を前面に出している店も出てきていることは、その質の急速な高まりを物語っている。

日本ワインの最近の特徴として、各生産者の規模は小さいものの、それぞれの土地に中心となる生産者がいて、その周りで生産者が互いに切磋琢磨し質を高めてきたところにあると思う。その代表、リーダー的存在がこのヴィラ・デストだろう。

エッセイストとしても知られる玉村豊男さんが始めたこのワイナリーは長野県東御市にあり、ブルゴーニュタイプのワインを日本で再現するべく、早くから取り組んできた。そして、この地区はRue De Vin、はすみふぁーむ、そしてメルシャンの椀子(まりこ)ワイナリーも連なる一大ワイン激戦区に成長している。そのあたりの経緯は、玉村氏の著書「千曲川ワインバレー 新しい農業への視点」(集英社新書)に詳しい。

色はクリアで張りをもった、緑がかった薄めのゴールドイエロー。香りはライム、梨、後半に栗、焦がしバター、ビスケットの香りも上がってくる。

口に含むと、緻密で優しい酸と共に、穏やかだがしっかりした甘みを感じる。太い旨味が中盤からしっかりと座り、ほのかな苦み、貝類から感じられるミネラルがアクセントとなって現れる。後半はきれいな樽の香りが漂い、ブルゴーニュのシャルドネを感じさせるが、ボリューム感は抑えて、繊細な余韻へとつなげる。

余韻は樽の甘い香りが口の中にふくよかに広がり、塩味のミネラル、苦みがしっかりとした主張をしつつ、心地よい後味を長く残しつつ引いていく。

驚いたのは、ブラインドで飲んだ場合にはブルゴーニュの白、と言ってしまいそうなほど、見事に作り手の意図を表現している質の高さだった。安いとは言わないが、その価値は十分に詰まっていて、酸の透明度、樽のかかり具合はむしろ日本人の好みに合って、さらに食事には合いやすい印象を受けた。先駆者の面目躍如といったところかな。

【パピーユ・ジャポネーズ 3,500円?】