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カテゴリ「ワイン 日本 北海道」の11件の記事 Feed

2015年10月 4日 (日)

農楽蔵 ラロ スプマンテ アロマティコ2013 北海道函館市

010日本ワインのトップ生産地を挙げろ、と言われればまずは山梨、長野というところに異論はなさそうだが、その次となると意見は分かれるだろう。その候補として北海道はまず最有力に違いない。冷涼な気候と広大かつ比較的安価であろう土地は、新たなブドウ畑の開拓地としてのポテンシャルを十分備えている。

その冷涼な気候を活かしてか、現在の北海道においてワインは白が優勢の様だ。そしてその白も、やや香りを効かせてアロマティックに仕上げる造り手が多い。品種もケルナー、シャルドネ、ミュラー・トゥルガウ、ナイアガラに加えて、最近はゲヴュルツ・トラミネール、ソーヴィニヨン・ブランも見られるようになってきた。

函館で自然なワインを造り続ける農楽蔵も、この2013のスパークリングにはナイアガラに加えてケルナーを混醸した。ケルナーはドイツ発祥の品種で、スキアーヴァ・グロッサとリースリングを交配させることで1929年に産まれた。ドイツでは栽培量では5指に入るほどの隆盛を誇っている。リースリングに比べて酸は少ないが香りが強いので、冷涼な北海道には適しているのか最近日本ではポピュラーな品種となってきた。

色はややうす濁りのレモンイエロー。泡は弱めで優しく全体から仄かに立ち上る。香りは食用ブドウ、ライム、浅葱、チューインガム、ビニル。

口に含むと軽やかな泡が弾け、その直後から残糖の少ないドライかつピュアな果実味が、舌を薄皮で包むように優しく広がる。ナイアガラ由来の香りが口腔にふくよかに広がり、その下で展開する味わいは細身で膨らみは小さいながらもしっかりした旨味があり、バランスよくまとまる感覚が好ましい。

終盤は味わいよりも香りの余韻で魅せ、涼風の如く爽やかな酸味が最後まで切れずに柔らかな果実味との螺旋を描きつつ、フィニッシュする。

アルコール9%の軽やかさも手伝って、アロマティックだけども繊細な味わいに仕上がっている。ブドウが育った土地を想像させるには十分のニュアンスに富んだ、心地よいスプマンテだった。

【Wineshop FUJIMARU 2,000円?】

2015年9月20日 (日)

ドメーヌ・タカヒコ ヨイチノボリ パストゥグラン2012 余市郡余市町

150919yoichinoboriシルバーウィークの5連休。こういう長い休暇の最初は、ゆったり楽しめるワインで幕を開けたいもの。そこで、久々にドメーヌ・タカヒコのワインを開けることにした。

日本ワインにおいて曽我という苗字を忘れることはまず不可能だろう。その先鞭をつけて長野小布施にワイナリーを開いた彰彦氏の弟、孝彦氏が独立して余市にドメーヌ・タカヒコを設立したのは2010年。生産量は少ないが自社醸造でピノ・ノワール、ツヴァイゲルトレーベによる赤ワインを生産している。特にピノ・ノワールの思い入れが強い。このパストゥグランはブルゴーニュにおけるガメイをツヴァイゲルトレーベに見立て、ピノ・ノワールとのアッサンブラージュ。

色はやや暗めで、紫がかったしとやかなルビー色。エッジは薄め。漢方薬、ハーブ的な香りが強く放たれる。甘草、スミレ、ザクロ、黒胡椒、バックに燻香も感じられる。

アタックから涼やかでまとまりのあるピュアな酸味と、熟したエキスが凹凸なくスムースに口の中に浸透していく。全体の調和の中に複雑な要素が絡まり、やがてベースとなる渋みが緊密に現れ、全体のトーンをゆっくりと鎮静させていく。中盤から後半に広がる落ち着き、ふくよかさの中に抱かれる心地は第9の第3楽章を思わせる安らぎに似た心地。

余韻はタンニンの渋みが昇華した後に広がる、ブドウのストレートな甘み、エキスの滋味が長く穏やかなフィニッシュに導く。

パストゥグランという命名からすれば、気軽に飲めるワインとしてのコンセプトをもとに造られたワインなのだろうが、口にした瞬間それを喉元に一気に落とす勇気を失わせるほどに複雑な要素に満ちている。生産数が少なく、目にするのも困難になったほどの人気だが、やはりそれには十分すぎる理由がある、と言わずにはいられない。Good JOB!

【Wineshop FUJIMARU 3,600円?】

2014年2月 1日 (土)

山崎ワイナリー ケルナー・ドライ シュル・リー2011 北海道三笠市

140201yamazakikerner日本ワインはまだまだ飲む機会も少ないので、まずは手当たり次第という感じで飲んでいるのだが、その中でも好みのワイナリーは徐々にできつつある。北海道で言えばこの山崎ワイナリーをまずは筆頭に挙げたい。

人気の高まりか、以前に比べると入手も難しくなってきたようだが、それでも店頭に並べばついつい手に取ってしまうその魅力は、やや強い感じはするが他とは一線を画す冷涼でクリアな、北海道の大地を思い起こさせる酸味のキャラクターにある。

このワインはドイツの品種ケルナーを用い、発酵後に醸造過程で生じた澱とともにしばらくの間静置させるシュルリーの手法によって仕上げる。シュルリーは最近では甲州種でも良く用いられており、澱に含まれる成分が分解し旨味を与えることから、ワインに深みをもたらす。

色は緊張感のある、やや黄緑がかった澄んだレモンイエロー。香りはライム、ミント、フレッシュハーブ、浅葱、パッションフルーツ、鮮烈な酸を思わせる柑橘のストレートな香が放たれる。

口に含むと冷涼でやや刺激のある鋭い酸味が舌先を突き、その後でスレンダーな青い柑橘の果実味が広がる。豊かな酸味が口の中を引き締めるが、中盤は繊細な旨味とほろ苦いミネラル感の緊密な調和が感じられる。やや酸が立った感じはあるものの、全般を通して味わいはクリアで、ブドウの味わいがストレートに伝わってくる印象。

余韻は最後まで透徹するクールな酸味が中盤の味わいの終焉と共に再び口中をリセットし、ミンティーな清涼感を残しながら引いていく。

ケルナーはややもするとくどさを感じることもあるが、このワイナリーの特色である酸と、シュルリーによる程よい旨味によって、ワインは繊細さを保ちながら程よいふくよかさを表現している。この品種の特質をよく研究しつくした生産者の新たな表現といえるだろうな。

【東急百貨店渋谷本店 2,730円】

2013年12月17日 (火)

宝水ワイナリー シャルドネ2012 北海道岩見沢市

131216houeichardonnay日本ワインの一番困ったところは、それぞれのボトルの生産量が少ないことで、飲みたいと思っても入手方法が限られているので、思ったように手に入らない。

この宝水ワイナリーも最近評価が上がって、手に入りにくくなってきた。北海道岩見沢市、冬は雪深いこの地で雪解け水をたっぷり吸い上げたブドウによるワインは、味わいがとてもクリアで、その鮮烈さには時々戸惑うほどの力が備わっている。このシャルドネは自社畑で栽培されるブドウによって造られる。

色は澄んだ色調で張りのある薄めのレモンイエロー。香りはライム、レモン、ハッカキャンディー、杏仁豆腐。

口に含むとクリアで冷涼な酸がしっかりと感じられる。青い柑橘の味わいが支配的で、酸もやや強めで刺激もあるが、果実味は透明感に溢れ、雑味がまったくない。素直な旨味がストレートに伝わってきて、レモネードの味わいに近い。中盤から後半にかけても勢いの衰えない酸がタイトなボディを保ち、舌の側面を絞るような感覚を残すのが特徴的。

終盤はクリアな果実味が口の中をリフレッシュし、レモネードを飲んだあとのドライな感覚と爽快感を残して引いていく。

シャルドネでこれほど酸のしっかりしたワインは、今まで飲んだことがないように思う。このワイナリーが造るとシャルドネもこうなりそう、そうした予感を裏切らない、北の大地が育てたシャルドネの個性的な表現、といえるだろう。

【パピーユ・ジャポネーズ 2,100円?】

2013年6月17日 (月)

農楽蔵 ノラポン・エフェルヴェサン2012 北海道函館市

130616norapon今月のワイナートは自然派ワイン特集で、その中で生産者11人が語る自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)という一節があり、ラピエールやピュズラの中にあってただ一人の日本人が採り上げられていた。それが佐々木賢氏で、北海道函館市で農楽蔵(のらくら)というワイナリーを立ち上げている生産者だ。http://www.nora-kura.jp/norakura.html

実は正直なところこの本を読むまで僕はその存在さえ知らなかった。ただ、偶然か彼の醸したワインを単にラベル買いのような状況で手にしていた。そこでこの日は彼のワインとはどういうものなのか、空けて試してみることにした。

自然派ワインは一時大きくもてはやされたが、その時もはっきりした定義はなく、自分も有機農法、農薬最小限、亜硫酸最小限、無添加無濾過といったくらいの漠然としたイメージしか持っていなかった。佐々木氏自身、自分の造るワインは自然派ワインというカテゴリーでは考えておらず、それを作るという事も目標には置いていないという。畑では多品目、多品種を植え、ワインのラベルにはその品種を表記しない。より自由に、先入観なくワインを飲んでもらうためのものだという。

このノラポン・エフェルヴェサンはザラジェンジェというブドウを使用し、野生酵母で発酵させている。シャンパーニュと同様の製法で作られるスパークリングワイン。

色は緑がかった柔らかい質感のあるゴールドイエロー。泡はしっかりと立ち上がりボリュームも感じられる。軽いマスカット香、オリーブオイル、パンケーキ、浅葱の香り。

口に含むと溌剌とした力強い発泡を感じる。酸味は丸みを帯びて柔らかく、それに寄り添う果実味はドライで、プロセッコに似た感覚を覚える。中盤は口の中いっぱいに広がるアロマティックな香りとともに、乳酸飲料的な甘みを中心とし、そこにエッセンス的に効いたほのかな苦みが隠し味となり、豊かな味わいを形作る。

後半は乳酸のまろやかな旨味が収束しながら、口の中に乾いた感覚を残しつつ切れの良い余韻を展開する。

サラジェンジェという品種はここ以外に用いている例を知らないが、このワインではとても豊かな表現力を示していると思う。確かに生産者の意図として品種ではない、ワイン自体を評価して欲しいという思いが込められた一本というべきだろう。

【パピーユ・ジャポネーズ 3,000円?】

2013年3月 2日 (土)

山崎ワイナリー ツヴァイゲルト2011 北海道三笠市

130301yamazaki品種改良はワインにおいて必ずしも質を高める、という意味では受け取られていないのかもしれない。それは多くの場合、気候ゆえの病害に耐えるため、より生産量を挙げるための努力の一つとして用いられてきたことは否めない。異なるブドウを掛け合わせた品種が主にドイツで開発されてきたことは、その事を物語る。

ツヴァイゲルト。名前もドイツ語的なこの品種はオーストリアで開発された品種で、ブラオフレンキッシュとザンクト・ローレン(サン・ローラン)を交配することによって、1922年にフリッツ・ツヴァイゲルト氏が産み出した。ザンクト・ローレンはピノ・ノワールと関係があるとされているが、最近はそれを否定する遺伝子学的な主張もあるようで、話は複雑だ。

出自はさておき、この品種自体はオーストリア以外では、最近北海道でその活躍の場を広げつつあるようだ。このワインも北海道では著名な家族経営ワイナリー、山崎ワイナリーによるもの。樽熟成のものもあるようだが、品種の個性を測るうえでも今回はこちらを。全体の一部を除梗破砕するのみで、残りは粒のままステンレスタンクで発酵させている。

色は赤みの強い若々しいルビー色。ディスクは薄め。粘性はさほど強くない。アルコール感はあまり強くない印象。香りはカシス、ダークベリー、インク、黒胡椒、粘土。甘い香りの中に、少し青みのある香りが混じり、後半重い土っぽさのある香りが広がる。

口に含むと熟した丸みのあるエキスを感じ、その直後に柔らかだが芯のある中程度の酸がじわりと進んでくる。導かれる果実味は均整がとれて素直な旨味を伴うが、ボリューム感は意外にあり、肉厚な味わい。その厚みに調和したタンニンは細かだが密で存在感があり、中盤から後半への安定感を演出するが、まだ若い故か、ややえぐみも残る。複雑さはそれほど感じないが、ストレートな果実の旨味、クリアな味わい、そこに落ち着いたタンニンが加わり、しっかりした骨格のワインとなっている。

余韻はピュアなベリーのジャムのような後味が残り、その甘さのキレの良さを感じさせながら爽やかに引いていく。

北海道のワインとわかって飲んでいるから言えるのだが、もし知らなければまずわからないくらいに凝縮した果実味のワイン。タンニンの予想外の強さからも、多分ブラインドだったら日本とは絶対に思わないだろう。ツヴァイゲルトが北海道で最近広まりつつあるのも、そうした個性が日本ワインの多様性に必要だと思われているからなのだろうな。

【パピーユ・ジャポネーズ 3,150円】

2012年2月20日 (月)

宝水ワイナリー デラウェア2009 北海道岩見沢市

120218houeidelaware子供のころ食べたブドウは誰だって圧倒的にデラウェア。それに続いてマスカット、時々巨峰っていう感じだったが、それは今でも同じなんだろうか。最近実生活で生ブドウを買ってくる機会が少ない。そりゃ、これだけワインで摂取しているから当たり前かな、という気もします。

そんな思い出のある気さくなブドウ、デラウェアだけれどもワインの世界となると全くの少数派だ。むしろブドウ品種としては認知されていないといっていいだろう。元々はカナダのオハイオ州のデラウェアというところで発見され、日本には明治初期に導入された。今や日本のブドウの主力、だと思っていたが実は作付面積自体は巨峰の方が多いそうだ。

そして日本ワインが一般になるにつれて、このデラウェアによるワインもふつうにみられるようになってきた。今回のデラウェアは岩見沢市の宝水ワイナリーによるもの。

色はつややかで金属的な光沢を感じさせるクリアなゴールドイエロー。香りはまさにデラウェア、桃、パッションフルーツ、消しゴム、セロリ、浅葱のような香りも感じさせる。

口に含むと穏やかでしっとりした酸を感じ、その後でブドウの果肉をほうばった時の甘みがやってくる。刺激のない優しい味わいで、ストレートなブドウの旨味が生きている。思ったよりも甘みがあり、酸も刺々しくない抵抗のない果実味がじわじわと浸透し、子供の頃の思い出を引き出すかのようなノスタルジックな感覚も覚える。

余韻は柔らかなブドウの甘みが長く残り、最後まで清涼な川の流れのごとくさっぱりとした味わいを残しながら引いていく。

何度かデラウェアのワインは飲んだことがあるんだけど、いずれも酸の印象が強すぎて、刺々しさが残り、決して美味しいとは感じなかったが、こちらのデラウェアは酸もまろやかで、優しいブドウの本来の味を残したワインになっていた。久々に生食ブドウも買ってみようかな?

【パピーユ・ジャポネーズ 1,500円?】

2012年1月21日 (土)

ドメーヌ・タカヒコ ヨイチノボリ キュムラ ピノ・ノワール2009 北海道余市郡余市町

120121kyumura今年も日本ワインからは目が離せない。ここ1、2年で完全に定着したといってもいいほど、どんなショップでも何らかの日本ワインがストックされるようになった。そして普通にイベントなども開かれるようになって、いろんな種類のワインを楽しめるようになったことはありがたい限り。

それにしても、こんなに多くのワイナリーがあったことに今更ながら驚くばかりだ。悩みの種は、それぞれの生産量が少ないため、飲みたいワインがあってもよほどタイミングが合わないと飲めないことだろう。

このドメーヌ・タカヒコもそうしたワイナリーの一つだろう。かつて白ワインを飲んだことがあるが、生産者の曽我貴彦氏はむしろ赤ワイン、ピノ・ノワールに情熱を燃やしている。

http://cesc22.blog.eonet.jp/default/2011/08/2010-98bb.html (ケルナー)

樹齢25年のピノ・ノワールが栽培されるキュムラという区画のみで作られたピノ・ノワールを自然発酵で無濾過瓶詰という手法で生産している。

色は少しうす濁り、曇った感じの明るいガーネット色。香りはアメリカンチェリー、フランボワーズ、紫蘇、スパイスの香り。

口に含むとすがすがしい鮮烈な酸味が直線的に広がり、その直後に角度を広げていく繊細なタンニンを伴った熟した赤い果実の旨味が感じられる。若々しいが、タンニンの存在感があるので、重心が低い落ち着きのある味わいになっている。中盤も穏やかで果実味のゆったりした存在感が備わり、自然な浸透力と相まって優しい心地を感じさせてくれる。

余韻は少し硬さも残るものの、最初から最後まで透徹する若いベリーの酸味が、程よい甘みとともに口の中にゆったりと広がり、好ましい味わいを残しつつ、優しくなだらかに引いていく。

もう少しとげとげしさがあるのかと思っていたが、予想とは違った穏やかな味わい。この地のピノ・ノワールに惚れた生産者が醸したことが納得できる、今までの日本のピノ・ノワールとは少し違いを感じさせてくれたワインだったな。

【3,500円? パピーユ・ジャポネーズ】

2011年8月25日 (木)

ドメーヌ・タカヒコ ヨイチノボリ ナカイブラン2010 ミュラー

110821yoichinoboriカリスマ、と呼ばれる人たちがどの業界にもいるが、最近はこの表現があまりにも一般的になり過ぎて、本来の人を引き付ける魅力、の他に若干の否定的なニュアンス、実のない表現しがたいものを指すような意味合いも感じられる。だから、あまり使いたくない表現だが、もし正当な意味のみで用いるのであれば、日本ワインにおいて小布施ワイナリーの曽我彰彦氏はその代表格だろう。

その弟さんである曽我貴彦氏は、実家の長野ではなく、あえて北海道、ウィスキーで知られた余市でワインを造り始めた。2010年に醸造を開始し、自らのドメーヌを「醸造所を持った農園」と呼んでいる。あくまで農民としての自分を大切にしている気持ちが現れている。

一人で栽培から醸造を手掛けるため、将来はピノ・ノワールに絞っていくようだが、白ワインであるこのミュラーは、契約農家が栽培する古木、樹齢26年のミュラー・トゥルガウから産まれたブドウ果汁を無ろ過、自然酵母発酵で醸し、出来るだけ手を加えない自然な醸造を行っている。

色はピンクがかった麦藁色。香りはニッキ、糠漬け、セルロイドのような工業系の香り、バックにミント。細かな泡がグラスの表面に現れ、若干の発泡性を有する。

口に含むとまずは鮮烈な酸が感じられ、その周りにしっかりコクのあるブドウの旨みが感じられる。この時鼻腔に上ってくる還元香が少し癖を感じる。味わいに若干のえぐみが伴うが、中盤の膨らみは柔らかく穏やか。アルコール度は低いものの、果汁の凝縮感からボリュームを豊かに感じる。

余韻は最後まで息を切らさない酸味と穏やかな甘さが残り、最後まで味わいの主役を譲らない酸味が口の中を引き締めつつ、意外に長いパワーに驚かされつつ、引いていく。

還元香と鋭い酸の感覚は、決して万人受けするとは言えないが、そこをくぐり抜けると予想外に穏やかな世界が広がっている、そんな不思議で個性的なワイン。自分はこういうやんちゃな酸のワインが結構好きなので、ピノ・ノワールだけ、と言わずに造り続けてもらいたいものだと思うんだけど?

【ネット通販 2,500円?】

2011年2月19日 (土)

宝水ワイナリー RICCA ケルナー2008 北海道岩見沢市

110214housuikerner_2 日本ワインの中でも今最も新規参入の多い地域は北海道なんだそうな。その理由はまず第一に地価の安さ。まずはブドウの栽培に力を注ごうとする作り手にとって、初期投資をいかに抑えるかは第一命題。

そして次には梅雨がないので、生育期間は短いものの湿潤によるブドウの病害から守られる。しかし冬の豪雪期間からブドウの木を守るために、わざわざブドウを雪の中に寝かせなければならない。零下20度にも下がる大気中では生きていけないが、雪の中は0度でありこれならばブドウは耐えられる。しかし、そのストレスで北海道のブドウの木は樹齢30年程度が最大なのだそうだ。

そんな決してやさしくはない地域でブドウを作っている醸造家は20代の若い世代が多い。この宝水ワイナリーもその一つで、このRICCAと言う名前も「六花」、つまり雪の結晶から取られたものだそうだ。ラベルもその名前にちなんだ愛らしいデザイン。

色は透明感のある、表面に硬質な張りを感じさせる薄いレモンイエロー。香りは白い花、乳酸飲料、ライム、チューインガムのような甘い香りを感じる。

口に含むとまろやかだが張りのある内に詰まった酸が感じられ、その直後にふわりとした甘さが広がる。味わいがピュアで混じり気を殆ど感じさせない。ストレートな果汁のうまさがそのまま残っているが、バックには程よいミネラル感、苦みが甘みだけでは終わらせない複雑さのエッセンスを加えている。膨らみは中程度で、中盤まで程よい甘みが持続する。

余韻は戻りの酸と繊細な苦みが果実味に上手く絡みつつ、心地よい甘みを残しながらゆっくりと引いていく。

雪解け水で醸したような味わいは日本酒にも通じるところがある。ここまでピュアに作られたワインもそうそうないのではないか、と思うくらい自然に体に染みてくる。アロマティックなケルナーを嫌味なく作り上げるところが素晴らしいと思った。Good JOB!

【虎屋リカー 2,415円】

2010年12月30日 (木)

ヤマザキ・ワイナリー シャルドネ2008 北海道三笠市

101226yamazakichardonnay最近は時流に流され(笑)日本ワインがマイブームになっているかもしれない。全然知らなかっただけに、好奇心をくすぐられるエリアだし、そしてそれを裏切らない結果を見せてくれる。価格的には少し高めだけど、それも仕方ない。日本でワインを作る難しさはこれまで幾度も語られてきたことだから。

北海道は昔からワインを生産してきたけど、それも一部の生産者による土産物目的程度の薄いワインが多かった。今もワイン用ブドウの生産は日本一だが、既に多くのエリアで単に土産物じゃない本物志向のワインが登場しつつある。

山崎ワイナリーは北海道中部、札幌からは東の内陸に位置し、4代にわたって農業を営んできた一家による家族経営のワイナリー。7haの畑から少量でも高品質のワイン造りを志向し、除草剤、化学肥料は使わず、葡萄のストレスを和らげるため畑にクラシック音楽を流しているという。シャルドネは樽発酵のものもあるが、このワインはステンレスタンクで発酵させている。

緊張感のある薄いレモンイエロー。香りはライム、レモン、乳清、若草のような香りがある。

口にすると鮮烈なレモンのような酸がまず伸びてくる。舌先に感じる軽いガス感。その後に広がるクリーンな青い柑橘の果実味。ただ青いだけでなく、後味に広がるしっかりした旨み。若々しく爽快な味わいで、ストレートに迫ってくる。

余韻はクリアな酸味が口の中を引き締め、レモンスカッシュを飲んだ後に感じるような清涼感が支配しつつ、さっと引く。

クリアでストレートだけど、それを支える果実味にしっかりした厚みが感じられた。昔は薄っぺらいと思った日本ワインだが、今ではそれさえも信じられないくらいのこの酒質の厚み。本当に素晴らしく期待を裏切ってくれます。このワイナリー、ケルナーの評価が高いらしいので、そちらも後日確かめないと。

【les Papilles Japonaises 3,510円】