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2010年12月17日 (金)

日本ワインの革命児たち ウスケボーイズ

101127usuke正直に言うならば、つい最近まで僕は日本のワインに否定的だった。値段の高さと昔の記憶に惑わされ、試す価値がそれほどない、と思っていた。

しかし、最近はそうした考えは全く根拠がないと思っている。試飲会などで何度かその味を試した際に、日本ワインの質が以前とは比べられないくらいに素晴らしく上がっていることを確信できたし、より多くの造り手によるより多くのワインが市場に出てきたことで、その豊潤な世界がさらに身近に体験できるようにもなった。そして、その世界の中で独自の世界を切り開き、描こうとする造り手が現れ始めたのが良く理解できるのがこのルポルタージュ本。

日本ワインをけん引する岡本氏、城戸氏、曽我氏。山梨大学で集った彼らがいかに自分独自のワインを造り、そして表現するに至ったかを長年にわたり丹念に取材したのが本書。この本が興味深いのは三氏が決して同じ思想の下でワインを造っていない点。師と仰ぐ人は同じでも、彼らは三者三様に自らの信念に従ってワインを造る。ワイン造りに一つの答えはない、それぞれが信じた造り方を経て、そして結果がおいしければそれでいい、そうした考えは潔さを感じるし、AOCといったもののない日本ゆえに与えられた利点なのかもしれない。

この本を読めば、三人のワインが飲みたくて仕方がなくなる。しかし残念なことに彼らは商業的でないゆえに、ワインは高くないが品数が希少。確かに飲めないのが不幸だけど、それもいたしかたない、と思えるくらい読んだ後に潔よい気持ちにさせられる本だった。

(でも後日、なんとか城戸ワイン メルロー・リザーブだけは入手できました。)

ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち

河合香織著

小学館刊

1,600円(税別)