フォトアルバム

カテゴリ

最近のトラックバック

お気に入りリンク

カテゴリ「紀行文」の3件の記事 Feed

2007年9月15日 (土)

淀川お散歩ガイド 淀川かわあるき

Fianeor5
自宅が淀川沿いなもんで、よく自転車やジョギングで河川敷を通るんだけれど、いろんな石碑やら、橋やら、興味を惹かれる場所がある。そんな時のうってつけのおトモになるのがこのガイドブック、「淀川かわあるき」

淀川、と呼ばれるのは今の淀のあたりで桂川、宇治川、木津川の三川が合流するから。北陸の産物が琵琶湖を経由し、淀川から大阪の地にもたらされ、古来から関西発展の大動脈として機能したこの川だが、幾たびも氾濫し多くの人の命や財産も飲み込んできたことだろう。川のあちこちに「..切れ」「..改修碑」といった石碑があるのも、そんな治水に苦闘した昔の人達の労苦を忍ばせる。

この本では淀川流域を河口から中流の枚方、そして三川合流の地淀、宇治川の上流までを10ポイントに分けてそれぞれ約20のポイントを簡潔な解説付きで紹介。後ろには川の用語解説も載っている。パーツパーツに分けて歩いて訪ねるもよし、自転車に乗ってザーッと行くもよし。ただ景色を見るだけじゃない淀川の楽しみ方がこの本にあると思う。

淀川かわあるき(淀川ガイドマップ)
淀川ガイドブック編集委員会編
廣済堂出版刊
112p
700円(税別)

2007年8月 4日 (土)

サンティヤーゴの巡礼路 柳宗玄著作集6

4xjfaet4
久しぶりに西長堀の市立図書館に行った。府立図書館は東大阪市で地下鉄中央線から近鉄に乗り入れるため、ボッタクリのような高い運賃を払わせられてしかも駅から距離がある。その点ココは駅直結なのが至極便利。本の数も不足は無い。

そこで借りたこの本。サンティアーゴへの巡礼路に関する紀行文で、文章よりも中の写真類の美しさに引かれて借り出した。著者の柳宗玄(むねもと)は名前からも察せられるように、あの民芸運動を起こした柳宗悦(むねよし)の次男にして、デザイナー柳 宗理(むねみち)は兄。

サンティアーゴへの巡礼路に関する本は多くあるが、写真は白黒、といったものが多い中でこの本はカラー写真を多く掲載しているのがうれしい。それでけに高価で4,800円するから、さすがに買うのには勇気がいる。

特筆すべきは、当時の巡礼書の全訳が掲載されている点。旅が命がけであった時代に、その危険を冒してでも聖地に向かおうとした人達、彼らがなぜそこに向かおうとしたのかを追体験するには、当時の手引書に触れるのが今となっては一番の近道なのかもしれない。

写真が多いのであまり苦労なく読み進められます。あまり借りる人もいないのか、非常に本の状態がいい。中には化学室の薬品庫みたいなにおいのする本があり、読んでて気分悪くなってしまう本もあるから。

サンティヤーゴの巡礼路 柳宗玄著作集6
柳宗玄著
八坂書房刊
324p 4,800円(外税)

2007年2月17日 (土)

世界屠畜紀行

7rnwr629
ショッキングな題名だが、けしてキワモノではない。自分達が普段何気に食べている肉まんや、焼肉といった食材としての肉がどのようにして出来ているのか、まったく目に触れることはない、というか日本では触れさせないような場所に追いやられている実態をはっきりと知らせてくれるのだ。

肉が元はといえば生命を持った豚や牛であったことを、自分達は頭では理解している。しかし、そこの課程である生命を奪う行為については理解しようとはしない。「かわいそうな行為」「避けたい行為」「残酷な行為」という感情が張り付いてしまっているのだ。そしてそれらを行う人たちを蔑視する感情が生まれてくる。

日本では仏教の殺生戒と結びついて、こうした動物の処理や皮革処理に携わる人々の差別が歴史的に行われてきた。普通に肉を食べるようになった明治時代以降でさえも残り、差別問題の一角となっている。そういう知識は知っていた。知っていただけなのだが。

この本ではそうした業務に携わる人たちに対する差別の問題についても、訪れた土地土地で触れている。しかし、それをことさらに非難する視点はこの本にはない。

この本は一つの「職業賛歌」なのだと思う。生物としての家畜を製品としての肉に仕上げていく技術、作業者のプロ意識、その手際はイラストと共にわかりやすく描かれ、読んでいて本当に感心する。「実際にナマの映像じゃないから、そんな感想が出るんだ」といわれるかもしれないが、たとえそうだとしても、それは僕達が肉を食するために、そしてそのために犠牲となる家畜たちを最大限に生かすために生み出された業であり、フツーの自動車生産工場と何一つかわらないはずだ。

「動物が肉になるまで」という興味からだけでも読んでみると、その過程、各国の文化(特にイスラムでのシーア派の場合は牛を屠る時、足を4本メッカに向けないといけない、なんてのは驚きだった)、動物愛護、差別など考えさせられることが多く含まれている。類書がない、非常に優れた「職業ルポ」だと思う。

360ページ、2日で一気に読んだが、しかし電車の中で読んでたときには隣の人は気味悪がってたかもしれないなぁ。shock

【内澤旬子著 解放出版社刊 2,200円】