フォトアルバム

カテゴリ

最近のトラックバック

お気に入りリンク

カテゴリ「ワイン スペイン」の28件の記事 Feed

2015年10月15日 (木)

アルタ・アレーリャ ブルエル ブルット・ナトゥーレ2013 DOカヴァ(カタルーニャ州)

151014bruel正直に告白するならば、自分にとってカヴァはティスティングの真剣な対象としては向き合ってこなかった。手っ取り早く泡が楽しみたいときに気が向いたら買う、その程度でしか考えてこなかった。それが昨年スペイン、カタルーニャを旅行したころからやや変化し、色々なカヴァを楽しむようになった。ただし、その時もややシャルドネ、ピノといった国際品種の多いものだったように思う。

スペインワインにあって、日本人に最も知られたワインでリオハに伍するものはカヴァ以外にはないだろう。そして、その品種はマカベオ(ビウラ)、シャレロ、パレリャーダが主力だが、それぞれのブドウの個性はそれほど強くない。これらの単一、もしくはそれに近い品種構成のスティルワインを飲んだ時も、顕著な違いを感じることは稀だ。敢えて言えば酸のシャレロ、旨味のマカベオ、それを中和させる柔らかみのパレリャーダと言ったところか。

このカヴァはシャレロ100%で亜硫酸無添加、ドサージュ無し。バルセロナから北に20kmのアレーリャ村の高地にある、という意味だろうか、アルタ・アレーリャという1991年設立の比較的若いワイナリーによる野心的なスパークリング。そして製法は瓶内二次ではなく、メトッド・アンセストラル、タンクで出来たワインを酵母と砂糖と一緒に瓶詰めし、酵母と糖を加えることなく瓶の中で発酵をが終了させる。自然な造りを推し進めた末の彼らなりの結論と言えるだろう。

色はほんのりとグリーンがかかった張りのある健康的なレモンイエロー。泡は細かで力強く全体から沸き立つように立ち上る。香りは青リンゴ、ライム、やや鉄っぽさ、錆を感じ、後半はすりおろしリンゴ、花梨も感じられる。

口に含むと柔らかでクリーミーな泡、そしてしっかりした酸味とふくよかさと若さを兼ね備えた青い柑橘の果実味を同時に感じる。泡のふくよかさが残糖の少なさからくるドライ感を和らげ、全体のバランスを保つ。常にフレッシュさを演出する酸のキレの良さは中盤からも飲み飽きを感じさせず、後半に顔を出す苦みのアクセントが複雑味を加えてくる構成が巧み。

余韻は苦みが収まった後のやや乾いた印象が次の一杯を欲するように広がり、薄皮のような旨味をたたえつつ切れ良く締めあがる。

ノン・ドサージュから来る渇きの印象をクリーミーな泡でカバーすることで、全体にくどさのないシンプルさ、それでいて複雑さも加わる多層的味わいを巧みに表現している。カヴァの中では決して安くないカヴァではあるが、それに見合うだけの質感を備えていると言える。

【Wineshop FUJIMARU(ラヴニール) 3,500円?】

2014年11月29日 (土)

エミリオ・ルスタウ パロ・コルタド VORS 30Years Old ヘレス(シェリー)

141129lustaupalocrtado頻繁に飲むわけではないが、シェリーは大好きなワインの一つだ。年月を経ることで醸しだされる旨味、収束に向かう際の馥郁とした香りは、他のどのワインにもない個性と言ってもいい。

先月休暇を取って訪れた国、スペイン。その中で最も行きたかったワイナリー、スペイン語のボデガと言う方が相応しいだろうか、それがエミリオ・ルスタウだった。

エミリオ・ルスタウの設立は1896年、最初は貯蔵熟成だけを行い、出荷はしないアルマセニスタだった。出荷を行わないので商業主義というよりも品質重視、大手のボデガの中にはアルマセニスタのシェリーをブレンドしているところもあるという。ルスタウは今では出荷も行うが、伝統を受け継いで未だにアルマセニスタとして熟成した人の名前を冠したシリーズを販売している。

141129lustau_2

141129lustau2_2

パロ・コルタドは「切られた棒線」という意味で、熟成責任者が樽の中のシェリーを味見し、特に繊細さを有したこれこそ、と思ったものにその印をしたことに由来する。オロロソのボディにアモンティリャードの香りを持っている、と形容されるが、その味わいを明確に表現することは難しい。このボトルはそのパロ・コルタドを30年間熟成させたものだという。

色はやや薄曇りで湿った感じのある暗い琥珀色。香りはフレッシュさと古さが同居するような感覚で、やや青さを感じさせる香りの中に焼きリンゴ、ナッツ、スコッチウィスキーの香りがふくよかに広がる。

口に含むとすくっと直線的だが角の取れた酸が走る。鮮烈な酸ゆえに最初に感じるボディはやや細めのように思うが、間髪を入れずにその懐を見せるように膨らみを増していく。そしてその旨味を支えるエッジは厚めの苦みが担い、堂々たる落ち着きを見せたうえで、やがて再び繊細な酸味が顔を出しながら、終盤のリッチな味わいへと導かれる。

余韻は繊細な酸を芯とし、その周りを優しく包むナッティーな味わいが心地よく口の中に漂い、その底力を自ら収めるような気配を見せないほどに力強い印象を残す。

シェリーの豊かな余韻は知っていたつもりだが、それを覆すほどに強い、決して息を切らさない余韻に驚愕。30年の歳月の重さというものを改めて感じさせる体験だった。Great JOB!

【Emilio Lustau(Jerez de la Frontera)】40Euro(500ml)

2014年9月27日 (土)

カ・サ・パドリナ モンテネグロ2011 DOビニサレム・マヨルカ

140927binissalemmallorcaスペインワインはやはりどこかに「重い」という印象があって、赤ワインを家飲み用に買うことは稀なのだが、このワインに関してはその先入観よりも好奇心が勝った例だろう。

ワインはマヨルカ島のDO、ビニサレム・マヨルカで、ワイナリーの名前も方言で「おばあさんの家」なのだそうだ。島ワインの傾向としては、暑い気候においても常に海風にさらされつつ、熱しにくく冷めにくい海に守られた比較的穏やかな気候になり、その気候から生まれるワインも温かみのあるワインになるようだ。さて、このワインはどうだろう?

このワインの品種はマヨルカ島の地ブドウであるマント・ネグロを中心に、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラー、そしてカジェット。最後のカジェットもマヨルカの方言で「黒」を意味する地ブドウのようだ。

色は赤みの強い柔らかさとしっとしした緞帳のような質感を思わせるルビー色。粘性はそれほど強くなく、ディスクも薄め。香りはアメリカンチェリー、ザクロのような赤い果実の香りに、鉄の香り、スパイスの香りが連なる。香りのボリューム感は控えめ。

口に含むと赤い果実のピュアな酸味が立ち上がり、その直後から熟しつつも重すぎない果実味がややスローペースでじっくりとせり上がってくる。ボディは重すぎず均整なフォルムを保っており、切れの良い糖分の感覚が飲み飽きない味わいを形作る。タンニンもやや少な目で複雑さはそれほど感じないが、南の陽光で熟したであろう果実の美味しさがストレートに伝わり、冷涼さを残した酸味のクリアさと素直な味わいが終盤まで徹底し、潔い。

余韻もきれいに昇華する糖分の感覚が心地よく、爽やかに昇華し後に雑味を残さない。

スペインワインの先入観からすると、良い意味で裏切られた非常に個性的なワイン。南国、海の気候を思い浮かべるには相応しい冷涼な酸が最後まで感じられるところが特徴といえる、島ワインの魅力にあふれた新発見といえそうだ。Good JOB!

【カーブ・ド・テール淡路町店(仙石) 2,500円?】

2014年8月18日 (月)

フランク・マサール フィンカ・エル・ロメロ2011 DOマンサン(カタルーニャ州)

140817fincaelromero

店でワインを買いに行くときは、漠然として「今日はこんなワイン」といったものはある事の方が多い。しかし、時として結果が違うことはよくあることだ。普段なら絶対に買わないであろう所に気がいく場合もある。このワインもそうした一本に違いない。

スペイン、カタルーニャのワイン。スペイン好きではあるが、家でスペインワインを嗜むことは少ない自分がこのワインを手に取ったのは、カリニャン100%の自然派というフレーズに興味が湧いたからだった。

フランク・マサールは元々ソムリエ出身で、2004年から自家畑でのワイン造りを開始した。この地では赤ワインと言えばガルナッチャ(グルナッシュ)主体だが、彼のワインは比較的カリニャンのパーセンテージが多い。カリニャンは元来は量主体で栽培されて、低品質の烙印を押されてきたが、最近の自然派による再評価によってその地位は改善されてきている。このワインも珍しくカリニャン100%で、低収量、ステンレスタンクでの自然発酵を経て、樽熟成を行っている。

色は濃密な赤みの強いルビー色。カシス、ベリージャム、バニラの甘い香りが中心で、バックにはローズマリー、ミントのようなハーブ感も漂う。

口に含むと整った熟したベリーの甘みと、その甘みに溶け込んだ柔らかい小ぶりな酸味を感じる。こじんまりとしながら密にまとまった味わいは不思議な内向性を伴い、内へ内へと溶けいるような感覚を覚える。大ぶりではないが、熟した果実味、隙間を埋める酸、細やかなタンニンが調和を成して、丸みのある穏やかな味わいへと昇華していく過程が好ましい。

余韻はタンニンが浮き上がるようにインパクトとなり、それに支えられたベリーの細い甘さが薄い膜を張るように伸びていき、やがて自然と消えていく感覚。

スペインワイン、しかもカリニャンと思って飲むと予想を嬉しい感覚で裏切るほどの品の良さと、しとやかさ。こういうワインもあるのだから、好みばかりに走るという事はかえって自分の視野を狭めることにもなるのだ、と改めて実感。Good JOB!

【エーテルヴァイン岡崎店(ヴァンクール) 2,800円?】

2014年1月27日 (月)

ボデガス・ブレカ ブレカ2011 DOカラタユド(スペイン・アラゴン州)

140126brecaスペインワインは重い、そんな印象が強かったが、最近は世界的な潮流に合わせてバランスの良さを重視し、果実味と酸味のきれいなワインが多くなりつつあるようだ。

重いワインといえば、果実味に凝縮感があり、甘みも感じられる赤ワインという印象だが、かつてはそうしたワインを重んじた傾向がアメリカの雑誌の評価にも表れ、著名なロバート・パーカーの評価を得るために好みに合うようなワインを作る生産者も多くなった。

このスペインワインもパーカーが2010年ヴィンテージに94点という高評価を付けたそうだ。スペインの北東、アラゴン州で知名度も高くないDOカラタユドは大陸性気候で標高500-800mの高地で栽培されるブドウは主にガルナッチャ、昼夜の寒暖が激しいので酸味が保たれる素地がある。この地で栽培されるブドウは古木が多く、このワインも樹齢60年以上の古木から造られる。

色は濃密な紫ルビー色。香りはチョコレート、ダークチェリー、黒オリーブ、肉のような生っぽい香りも感じられる。

口に含むと濃密な完熟ベリーの果実味が一挙に押し寄せるように感じ、上顎に張り付くようなインパクトがあるが、やがてその果実味は細かな酸味が柔らかく包み込む。フルーティな果実味はストレートに迫り、複雑さよりも素直さを感じさせる。中盤に座るタンニンは細かだが量があり、やや口の中にゴツゴツした感じが残るが、後半は意外に抑制とバランスのとれた果実味が広がる。

余韻は熟したベリーの甘みが太いタンニンと共に広がりつつ、旨味の豊かな味わいを感じさせながら引いていく。

ガルナッチャらしいベリーの旨味がしっかり乗りつつ、それを引き締めるに相応しいタンニンも感じられた。美味しいとは思うけど、94点の評価を得るほどの凄味があるかというと、そこは疑問点。雑誌の評価と個人の感じ方は当たり前だけどなかなか一致しないな、というのが素直な感想かな。

【東急百貨店渋谷本店 2,400円】

2013年7月 7日 (日)

ボデガス・イ・ビニェードス・メンゴーバ ブレゾ・ビアンコ2011 DOビエルソ

130707brezoどうやら梅雨が明けて夏本番の日差しが外に満ちてきたようだ。こうなればワインは完全に白モード。それも酸味があってすっきりしたワインが冷蔵庫に常備するにはもってこいだろう。

最近はスペインの白ワインに興味が向いているので、この週末も1本開けて試してみた。品種は最近好みのゴデージョと、もう一種類はドナ・ブランカ。後者は初めて耳にする品種だ。

このワインのDO、ビエルソも初めてかもしれないが、スペイン北西部のカステーリャ・イ・レオン州のそのまた北西部、ポルトガル国境の北近くに位置する。小規模なワイナリーが多く、最近スペインでも注目されている産地で、元来メンシア種による赤が中心だったが、最近は白隣接するガリシア州の土着品種、ゴデージョも栽培されているようだ。

色は少し緑がかった張りのあるレモンイエロー。香りはライム、青リンゴ、金属的なミネラルの香りも感じられる。

アタックは程よく丸みを帯びたフレッシュな柑橘の酸味がゆったりと広がり、瑞々しい青みの果実味が口の中を引き締める。ボディは中程度で複雑ではないが、芯のある果実味は伸びやかですっきりした飲み心地。後味に程よく残る苦みがアクセントとなり、適度に引き締まる。

余韻は最後まで残る爽やかな酸味が口をリフレッシュしつつ、雑味のないクリアな後味を形作りながらさっぱりと引いていく。

スペインの白というとシェリーのような酸化熟成タイプと、こうしたフレッシュなタイプに分かれる感じだが、フレッシュでありつつ後味にミネラル感を感じさせてくれるのはゴデージョという品種の特性なのかもしれない。まだまだスペインの白は飲んでみる価値がありそうだ。

【Cave de Terre淡路町店 2,200円】

2013年5月 2日 (木)

マルケス・デ・ムリエタ カペッラニア2007 DOCリオハ

130501riojaサッカー、文化、絵画、いろいろな面でスペインは大好きな国の一つだけど、ことワインに関しては最近まで全く無関心だった。元々ブドウ品種の違いにこだわっていたせいもあり、イタリアほどは品種の数が多くないと思っていたこともあって、あまり興味が向かなかったが、ようやく先入観の呪縛から逃れたという事だろうか?

そのスペインワインでも、赤より今は白に興味が向いている。だから、今日のワインはリオハでもテンプラニージョではない、ビウラによる白ワインを。

リオハではビウラ(Viura)だが、広くはマカベオの名で呼ばれている。元々はカタルーニャ地方のブドウで、その後はピレネーを超えてフランス・ルーション地方でも栽培されるようになった。

マルケス・デ・ムリエタは創立1852年というから、既に150年を超えたリオハ有数の作り手で、創立者は元々スペイン系ボリビア人であったが、軍人の道を歩み功を立て侯爵位を得、その後ワイン生産を始めた。。現在の所有者は別の家系だが、伝統を守りつつ、広大な300haに及ぶ自社畑による自社栽培のブドウから肉付きのよいアルコール豊かなワインを産みだすことで定評がある。このカペッラニアはビウラ100%で、オークの古樽による18か月の熟成を経たもの。

色は輝きのある水飴のようなねっとりした質感を帯びた黄金色。香りはシェリーでもアモンティリャード、マロングラッセ、セメダイン、木材。

口に含むと角が取れているが推進力のある酸が飛び込んできて、その直後にふくよかなシェリー香とともに、落ち着きのある酸化熟成の味わいが懐深く、じわじわと押し込むように広がる。複雑味が豊かで、口の中で変化する趣きが楽しい。後半にかけての低い重心を保つように働く苦みがより味わいのふくよかさを演出する。

余韻はシェリー酒の甘みと爽やかな酸味が緊密に絡み合って調和した味わいをもたらし、強い香ばしさを残しつつ長い後味を形作る。

酸味と酸化熟成の味わいは不思議なくらいシェリーと酒質を同じくするものだが、アルコール度が低い分だけより丸みを帯びた豊かな雰囲気を醸し出す。リオハ最良の白の個性が十分に感じられるワインに違いないな。

【エノテカ グランフロント大阪店 3,500円】

2013年4月 8日 (月)

エデタリア エデターナ2010 DOテラ・アルタ

130407edetanaこのブログでも扱う機会が少ないスペインワインだが、自分にとっては苦手な領域だったからに他ならない。しかし、最近その傾向が少し変わってきて、スペインワインに興味が向くようになってきた。それは味わいの傾向が変わってきているからだ。

少し前の傾向として、質が高い=濃いという感覚があり、果実味がたっぷり乗った凝縮感のある赤がよく売り出されていた。特にスペインではそれが顕著で、どのワインを飲んでもそうした感じから抜け出せなかった。そしていつしか興味が薄れていた。

しかし、最近は重量感よりもバランスを重視し、より土地の風土を生かしたワイン、そしてイタリアなどのように土着品種の再発見も行われている。スペインワインはまだまだ自分にとって未開ゆえに、飲むたびに発見がありそうな分野だ。

この白ワインはバルセロナからは西の内陸部、カタルーニャ州、アラゴン州の州境に位置するDO、テラ・アルタから産出されている。この地は標高約350~500mで、地中海性気候で雨が少なく夏は暑いが、標高差から昼夜の寒暖が激しい。粘土質、石灰岩中心の土壌で、主なワインはガルナッチャ・ブランによる白が主体となる。

エデタリアの当主、ジョアン・アンジェル氏はブルゴーニュとローヌでワインを学び、この地では最良の作り手と評価されてる。このエデタナはガルナッチャ・ブラン70%に、ヴィオニエ30%をブレンド、ステンレスタンクで発酵の後、300リットルのオーク樽およびステンレスタンク半々で澱と共に熟成させる。

色は緑がかった清々しい薄めのレモンイエロー。香りはライム、カモミール、キャンディ、浅葱。甘い香りのバックに、緑のニュアンスを感じる。

口に含むとボリュームは控えめだが、柔らかい湿った酸を感じ、その直後からほのかな苦みを伴った優しい旨味のある果実味が広がってくる。ボリュームは中程度で、複雑さは少ないが、果実味がストレートに迫ってきて流れるような旋律が心地よい。中盤から後半にかけて軽いミネラル感が現れ、落ち着きのある味わいにアクセントをもたらす。

余韻は最後まで柔らかさと優しさを保った果実味が口全体に浮遊感ともたらしつつ、さわやかな清涼感を漂わせながら、雑味を一片も残さない潔さを示しつつ引いていく。

スペインの白ワインも酸味の少ない厚っぽいお化粧的なワインが多かったけど、このワインは清々しい味わいを前面に出しつつ、しっかりした味の個性も引き出すことに成功している。スペインにはDO(生産地統制呼称)が現在69あるそうだけど、飲んでいるのは一けたに満たなさそうだ。まだまだ面白いものがありそうな予感がする。

【創酒タカムラ 2,500円?】

2012年11月17日 (土)

ボデガス・ヴァルドゥエロ ヴィアデロ2010 DOカスティージャ・イ・レオン(リベラ・デル・ドゥエロ)

121117albillo飽きっぽい自分がこれだけ飽きずに向き合えるワインというお酒は、本当に凄いものだと思う。どのお酒でもそれぞれに深い世界が広がっているが、ワインほどその事を感じるお酒は他にない。

その場所に集中して興味を覚える場所も、時として変わったりする。振り返ると最初はボルドー、その後ブルゴーニュ、イタリア、ニューワールドと移動しつつ、今自分の中で一番興味を感じている地域は実はスペイン。

スペインワイン自体が今までティスティングの対象としては向き合うことが少なかった。赤はテンプラニージョが主力で変化に乏しく、白は赤に比べると違いが少ない軽快なワインが多いという印象があるので、深く掘り下げるべきものとは感じてこなかったが、今になって逆にそれ故に違いが感じられた時の面白さがある。

リベラ・デル・ドゥエロは、テンプラニージョで作った赤が圧倒的に有名だが、この白はスペインでも珍しいアルビジョという品種を100%用いたワイン。このワイナリーでは海抜829mの高地にある畑から、樹齢12年という若い木のブドウを用いて造られており、収穫は手摘み、発酵は低温でコントロールされる。

色はねっとりした質感のある、輝きを持ったやや濃いめのレモンイエロー。香りは甘めでキャンディー、シロップ漬けの黄桃、ドライマンゴー、バニラ香、白菜漬のような香りも感じられる。

アタックはまろやかで攻撃性の少ない酸がじっくりと広がり、その直後から特徴的な苦みの印象が走る。外観と香りの印象とは異なり、意外に残糖分の少ない味わいだが、エキス分はしっかりと感じられる。ボディは立体的な膨らみは中程度ながら、おおらかに横に広がる懐の深さを感じさせる。安逸に流れそうな味わいをしっかり引き締める、特徴的な鉱物的ミネラル分の苦みがしっかり座り、このワインをまとめ上げる。

余韻はドライフルーツの食後感のような甘みの印象が優しく広がり、最後まで残る苦みが口の中を引き締めつつ、すっきりしたハッカのような揮発の印象を残しながら引いていく。

スペインの白ワインとしては不思議に最初からミネラル感を強く感じるワイン。これが品種によるものなのかは、このアルビジョという品種を経験したことが他にないのでわからないが、最近飲んだ白ワインの中でも明確なキャラクターを主張するワインだった。アルビジョという品種は覚えておく価値がありそうだね。

【阪急百貨店 2,500円?】

2012年10月 9日 (火)

アデガス・バルミニョール アルバリーニョ2011 DOリアス・バイシャス

121009arbarinno_2最近は安さ、手軽さもあってスペインバル全盛という感じで、ある店がいつの間にかスペインバルに代わっているという事も多い。

スペイン料理自体嫌いではないが、それにしてもこれだけ店が多くなると少々食傷ぎみではある。その割に、実は本当のスペイン料理、スペインワインを食する機会はそうそう多くないことにも気づかされる。

ワインに関してもイタリア、フランスほどに安い価格帯でヴァリエーションに欠けるところが、自分の中でデイリー的に使うワインが少なくなっている理由かもしれない。実は安く楽しめるワインはあるけれど、それを固定して使ってしまう。

この日はそういう気分もあって、初めて試すスペインの白ワイン。場所はポルトガルに近いリアス・バイシャス、そこで作られているアルバリーニョのワイン。

ガリシア地方は大西洋に面したスペイン最北の自治州であり、温暖な地域だが乾いたマドリードとは異なり1年中雨が降る。その緑豊かな風景と、リアス式の複雑な入り江が連なる地形は、いわゆるスペインとは異なる風景で、訪れた人は一様に驚くという。

そのガリシアの一地域、リアス・バイシャスで1997年からワイナリーを開くアデガス・バルミニョールは、最新鋭の醸造施設とともに、契約農家とともに作るブドウは手摘み収穫と、伝統と新たな技術を融合させる造りを志向している。ここの醸造家も女性で、女性の進出はこの業界でもはや当たり前なのだろう。

色は緑がかった艶やかな照りのあるレモンイエロー。香りは青リンゴ、ライム、白い花、ドロップ、バックには根昆布、ヨード香。フレッシュで鮮烈な酸を思わせる香りが前面に立つ。

口に含むと、まずは若干細かなガスを舌先に感じ、その直後に細く締まった硬質の直線的な酸が入ってくる。残糖分は殆ど感じず、青い柑橘をかじった時のような酸味とドライな乾いた味わいが展開する。クリアな味わいで、余分なものはそぎ落としたスレンダーな中盤だが、、後半にはかすかな青野菜的な苦みが感じられ、それがアクセントとなって程よい膨らみを残す。

余韻は苦みの印象と、軽快でフレッシュな酸をが絡みつつ、ピュアで海水からとった塩の味わいを含んだ旨味を残しながら引いていく。

ぽってりしたスペインの白ワインとは異なり、フレッシュでほのかな苦みを保った味わいは、むしろポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデに近い。後味のにがりに似たミネラル感も、普通のスペインワインとは異なる個性だし、スペインのワインも探せばいろいろ面白そうだな。

【大丸梅田店 2,450円】

2009年6月23日 (火)

ミゲル・トーレス マス・ボラス ピノ・ノワール2006 DOペネデス

090531ピノ・ノワール、これほどワイン好きを惹きつけるブドウ品種は他にないように思う。ワイン好きなら誰しも一度はこのブドウの魔力に取りつかれて、特にブルゴーニュの赤にハマってしまう時期がある。

ブルゴーニュをある程度飲めば、その次にはロワール、アルザス、カリフォルニア、ニュージーランド、最近ではチリ、オレゴンといった世界のピノ・ノワールをも試したくなるはず。しかし、そうした国々にあっても、あのワイン大国ではこの品種の評判をほとんど聞かない。それこそがスペイン。ただ、比較的冷涼な気候で本領を発揮するピノ・ノワールにとっては、夏は暑く乾燥する気候は決して好ましいものではないかもしれない。

しかしやはりそれでも造る生産者はいるものだ。それもスペイン有数の大規模生産者、ミゲル・トーレスだからうなづける。

ペネデスはバルセロナの南西に広がる地域だが、その中でも高地で海抜500メートル以上のこのマス・ボラスという畑は気温も低くピノ・ノワールを栽培するに適した場所になるのだという。しかし条件も厳しく10haの畑からは年産2万本しか生産されない。初めて体験するスペインのピノだが、さて?

色は華やかさのある艶やかなルビー色。香りはカシスジャム、黒蜜、ゴム風船、粘土、スモークチップの香り。

口に含むと若さのある爽やかな酸味を感じ、そしてそこに溶け込んだきめの細かいタンニンがあり、それを支える果実味がある。暑い土地とは対照的な、冷涼な地域の酸が活きた果実の味を感じる。ボリューム感は大きくないものの、爽やかでさらりとした旨みが心地よい。

余韻は柔らかくきれいなベリーの甘さがふんわりと広がり、バランスのよい印象を最後まで保っていく。

もっと厚ぼったいワインになっているのかと思いきや、予想外に涼しげで繊細なワインだった。物凄いパワーを感じるというわけではないけど、気候と土地をうまくコントロールした生産者の努力、技をうまく活かしたワインだった。スペインのピノもなかなかやるもんだ。

【Cave de Vin 4,500円?】

2008年12月23日 (火)

アルヴェアール C.B. フィノ

081223 最近いろいろな店を試している。バーしかり、レストラン(どっちかというとビストロ系)しかり、そしてワインショップしかり。

このシェリーもそんな中で見つけてきた一品。芦屋のセンチュリーさんは阪急芦屋川駅と夙川駅の間に位置していた。芦屋川駅からは歩いて15分くらいだろうか。

このお店はなかなかリーズナブルな品を多く扱っていて、特にイタリアの気軽に飲めるワインが充実していた。それに負けずブルゴーニュも有名メゾンが並んでいる。

しかし、実はそんな中で目を引いたのはシェリーの豊富な品揃え。そしえこれもまたその中から興味を引いたシェリー。なぜかと言えばペドロ・ヒメネス100%によるフィノだったから。

普通辛口と呼ばれるシェリーは圧倒的にパロミノから作られ、ペドロ・ヒメネスは甘口に用いられている。甘口専用ブドウから造られる辛口シェリーとは果たしてどうなのか?

色は金属質な印象を受ける薄めの黄金色。香りは青く、水草、エシャロット、昆虫系、水茄子の香り。鼻を突くフィノらしいイースト香も直線的に立ち上がる。

口に含むと怒涛のごとく押し寄せる塩味。こんなに塩味インパクトの強いフィノは初めてだ。ただし、ただ塩が強いというわけでなく、旨みも乗っている。少し青い香りが鼻につく感じはあるが、それも慣れるとこの青さとシャープな塩味、そしてバックに潜む苦味も加えた旨みが結構癖になってくる。このニュアンスはかなり海水に近いといえようか。

余韻は舌全体に残る塩の後味と、若くても芳醇ななんとも言えないシェリー香に口中が包まれて、独特の雰囲気を漂わせつつ、長い心地よさを演出していく。

甘みが強いのかと思いきや、普通のフィノよりもかなり塩味が強いのにはびっくり。深みには若干欠けるかもしれないけど、熟成2~3年だというし、それを補って余りある鮮烈さ、そして旨みの繊細かつ幅広い力を感じることができる。これは焼き魚系には抜群、サンマもびったり合いそうだ。豊潤なシェリーの世界、さすがにこの楽しみお子様にはわかるまい?

【Winehouse CENTURY 1,800円】 

2008年5月17日 (土)

トーレス ヴィニャ・エスメラルダ2007 DOカタルーニャ

Shtp0i2i 堂島サントリー本社の1階にあるワインショップは、平日のみ開店で、しかも閉まるのが18:30と少し使いづらい。ただし結構掘り出し物なんかが多く、たまに早く帰れた日には覗く事がある。

そして木曜日は試飲会があって、数は多くない2、3点ほどだけど、無料で飲ませてくれる。このワインは今週の木曜日に出されていたワインの一つ。

スペインワインの最大手かつ最も優秀な造り手として、おそらく日本でも知名度ナンバーワンのトーレス社。カタルーニャの近郊、ぺネデスを本拠とし、低価格のリーズナブルワインから、高級ワインまで幅広く展開している。そして扱うブドウ品種も多様、スペイン土着品種にこだわらず、フランス系のブドウも畑、気候を考えつつ積極的に栽培している。

そんな中でこの白ワインは、スペインでは殆ど聞かないゲビュルツ・トラミネールとモスカテル、つまりミュスカによるワイン。アルザスタイプのワインをスペインで作ったわけだが果たして?

香りはミルキーで、ミュスカの香りが華やか。白い花、ドロップ、オレンジ、ママレードの香り。色は薄めのほんのり緑を感じさせる若い麦わら色。

アタックに感じるのは伸びやかで透明感のある酸。直線的でなく、広角的にじんわりと広がるまろやかさがある。その酸が去った後には若干のほろ苦さ、そして微かな甘みをたたえた若い柑橘系の味わい。すっきりしていて、引き締まった味だ。中盤の膨らみも感じられ、詰った果実の旨さがある。

余韻は爽やかな果実実とほろ苦さ、そして酸が絡みつつ、ゆっくりと引いていく。

ゲヴュルツとか、ミュスカといった特徴がしっかりある品種は温暖な気候の土地で作るとえてして鈍重でキレのないワインになることがあるが、さすが名手はそうした危険を冒さず、あくまですっきりした酸をたたえた活きのいいワインに仕上げている。しかもスペインの白ワインにはなかなかない、しっかりした旨みと甘い香り、さすがという感じです。
Good JOB!

【Cave de Vin 1,800円】

2008年4月23日 (水)

タライ・ベッリ チャコリ・デ・ゲタリア2006

Osomgfgf
仕事帰りに立ち寄る阪神百貨店、最近はあまり掘り出し物というか、興味を引くのがなかったんだけど、フツーのスペインワインの棚にあったこのワインが目に付いた。

ラベルを見るが、なんだこれ?読めない...何語かわからない。ローマ字読みすれば「タライ・ベッリ」?後ろのラベルに至ってはなんのことやら???

このワインはバスクワイン。バスクといえば大西洋岸のフランス、スペイン国境の地区。スペインでは独立派がテロを行っていたいわくつきの地域。かつてはナヴァール王国として、フランス、スペインにも属さない王国として存立していたが、16世紀にブルボン家のアンリ・ド・ナヴァールがフランス王アンリ4世として断絶したヴァロア家を継承して、やがて一部はフランス領へと編入されていった。

独自の歴史を誇る地域ゆえに、スペインにあってもスペインに同化することをいさぎよしとしない気風が脈々と受け継がれてきた。今ではカタルーニャのように独自の文化を受け継ぐためのバスク語の教育も行われているという。

このワインも品種はオンダリビ・ズリ90%、オンダリビ・ベルザ10%という聞いた事のない土着品種。こういった美発泡の辛口ワインを現地では「チャコリ」と呼んでいてまさにバスクの地酒存在、現地のバルでは気軽にコップ酒のように飲まれるんだそうだ。底が平たいチャコリ用のグラスもあるんだとか。

色はごく薄い黄緑色。微発泡で、注いだときに細かな泡がかすかに立つが、すぐに消えていく。香りはミルキー、そして青い柑橘系の果実、ライム、セロリ、ミント、白いネギの香り。

アタックは舌先をつつくガスの刺激、そして軽快で舌の周りをうっすらと包んでいく酸。フレッシュで活きのいい味わい。

ミッドはほとんど残糖を感じさせず、ライムの食後感のような感覚に似ている。それが収まると口の中にほんのりとした甘さも残り、最初は感じなかった旨みもきっちりと備わっていることがわかる。

余韻は長くはないが、口の中に清涼感漂う感覚が心地よい。

パワフルではなくて、あくまでフレッシュさを感じさせるワインだと思う。特にインパクト、強い印象を残すものではないが、それよりも普段というかまずは行くことはない異国、しかも隔絶された地域からこうしてやってきたワインと出会えたことに対する感慨、そしてそのワインの持つ安心感が価格以上のものを演出してくれる。

コスパ、コスパばかり言ってワインを飲むのはせちがないと思う。その地域の風土、伝統を味わうことがワインを楽しむ大きな要素でもあり、そしてそれがワインは決して高貴な嗜好品でもなくて、あくまで単なる「農産物」だと確認することになるはずだから。

【阪神百貨店梅田店 2,700円】

2008年3月25日 (火)

カプサネス マスドニス2005 DOモンサン

Bptf7qct
一つの国、一つの言語。日本にいると当たり前の事が、世界では殆どの場合当てはまらないことを知る時がある。歴史があり諸民族が交錯した国ならなおの事。アメリカだって歴史は浅いが、今やヒスパニックの台頭と共にスペイン語しかしらない住民が住む地域が存在する。

フランスも南部にはオック語と呼ばれる言語が存在するし、スペインもまたフランコ時代に抑圧されたが、カタルーニャ語やバスク語といった言葉が民族のアイデンティティーと共に再び力を増しつつある。

そんな背景をワインに感じる場合だってある。このワインの裏ラベルにはスペイン語と共にカタルーニャ語が併記されている。そんな地中海、カタルーニャ地方で生まれたガルナッチャ80%、シラー20%のワイン。

かのパーカー氏が高評価をつけたワインといういわくもあったそうだが、カプサネスはモンサンという地区の協同組合。バルセロナの南西130キロにあり、そこでは人口400人の村で80人が働いているのだそうだ。まさに村をあげてのワイン作り、そうした努力が実ってこの村独自のDCを手中にした。そんな背景を思えば確かに旨いワインを作っているに違いないが、さて期待どおりか?

色は落ち着いてどっしりした重量感のある黒紫。グラスの側壁に垂れる足も太く、アルコールの豊かさを感じさせる。香りは干しプラム、黒糖、ユーカリの香り。

アタックはほろ苦さと熟したベリーの甘さ、そしてアルコールのボリューム。少し際どさも感じるが、口の中に納まる範囲で味わいが展開する。酸も感じられ、豊かな果実の甘さを引き締める役割を果たす。

タンニンも細かくこなれている。ただ最初に感じられる甘さ、アルコールのボリュームが中盤に大きく膨らんではこない。初動形のワイン、中盤は思いのほか繊細でもう少し複雑さ、変化の予兆を感じさせてくれる要素があってもいいかと思った。

余韻も最初の味わいが素直に消えていく、そんな感じ。背の高い二等辺三角形を横に倒した、そんな味わいの骨格。あまり凹凸が感じられないのは自分だけだろうか。

評価が高いワインだし、確かにパワフルかつ上品なんだけど、後に残るものはあまり感じられなかった。決して悪いワインじゃないけど、記憶に残るワインではないかな?価格を考えればあまり贅沢言えないんだけど...

【Cave de Terre 淡路町店 2,100円】

2008年3月23日 (日)

アトリウム メルロー2005 ミゲル・トーレス

Djpokgdj とかく強烈、パワフルな印象のスペインワイン。最近は濃厚、強いワインがもてはやされる傾向もあり、その流れに乗っているという見方も出来るが、「一杯目はいいけど、次は」って感じは否めない。そのスペインワイン最大手、ミゲル・トーレスのリーズナブルワインとあれば...

ただこのワイン、少し見た目が違った。品種は100%メルロー、これってスペインワインには珍しい。メルローはカベルネ・ソーヴィニヨンに比べて渋みも控えめで、タンニンもなめらか。

スペインという土地はブドウと相性がいいのか、どんな品種を作っても「スペインらしさ」、重厚さ、悪く言い換えると厚ぼったさが出てしまう。それを考えるとメルローはスペインとの相性もよさそうだが、あまり多くは作られていない。

今日はCasa Milaに持ち込んでの試飲。香りは控えめながらプラムのような熟れたベリー系の香り強い。色は濃い紫。やはり力強さを思わせる。

アタックは柔らかな酸があり、そこに細かでまろやかなタンニンがうまく溶け込んでいる。口の中に納まる品のよさ、スペインらしからぬ控えめな味わいは好感。余韻は繊細で後口を邪魔しない。

料理を楽しむにはこれ位がちょうどいいと思う。やはりメルローはスペインに合うんだと実感。これからはもっと増えてくればいいんだけど、今後に期待。

【創酒タカムラ 1,980円】

2008年1月13日 (日)

カヴァ・ブリュット1998 アルタディ

Iza9dbay
カヴァもいろいろあると思ってたけど、ヴィンテージ・カヴァってのもあるんだ。カヴァは若いうちに楽しむ、活きのいいところが魅力だと思ってたけど、1998年のヴィンテージ、10年を経ようとしているカヴァってのはどんなんだろう?

一人で飲むのはなんかコワい。巻き込んだろうと思って10時半過ぎてから近くのスペインBar、casa milaに持ち込んで賞味。

アルタディはリオハの作り手。リオハと一口で言っても、実はリオハ・アルタ、リオハ・アラベサ、リオハ・バハの3箇所に分類される。アルタ、バハはスペイン語で「高い」「低い」の意味で、アラベサはその中間に位置する。気候はスペインとして冷涼で石灰岩を多く含んだ土地で、複雑実を伴うリオハ最良の産地という評判だ。品種はヴィウラ70%、マルバシア30%ということだが?

正直飲んだときは物足りなかった。一緒に飲んだシェフ、マスターも「?」、かなり長い間言葉に苦しむ。最初にやってくるかと期待した酸とほろ苦さのボリューム感に乏しい。若いカヴァにある刺激的な味わいもなく。広がりもそれほどかんじられなかった。たぶん皆何を言っていいのかわかんなかったんだろう。

しかし中盤に至ると味わいもこなれてきた。スペインのチーズとあわせて楽しむ。チーズはトーム・カタラーヌ・ウルゲリア。表面は堅い褐色のチーズだが、味わいは芳醇でスモークの香りがふんだん。カヴァもチーズと出会ってようやく味わいの膨らみが感じられるようになった。ただ線の細さ、泡立ちの弱さは否めない。

最後はどちらかというとスティルの白ワインという感じになった。まぁこんなもんか。トゲが取れてまろやかな味にはなってるとは思うけど、もう少し個性をみせてほしかった。やっぱカヴァは若いうちに飲んだほうが楽しいかな?

【WINESHOP Cave de Terre淡路町店 3,500円?】

2007年9月20日 (木)

ラ・ゴヤ マンサニーリャ デルガド・スレタ

Yewghxm1
辛口ワインで過小評価されている観のあるシェリー。一口にシェリーと言ってもいろいろあって、フィノ、マンサニーリャ、アモンティリャード、オロロソ、パロ・コルタドとある。

フィノは最も繊細なシェリー、そしてそのフィノと作り方は同じだが熟成される場所が違うのがマンサニーリャ。

マンサニーリャはシェリーの主生産地ヘレス・デ・ラ・フロンテーラから北東の海岸部、サンルカ・デ・バラメーダで作られる。海の影響を受けて若干の酸っぱさ、潮の香りがすると言われている。

このデルガド・ルスタ社のマンサニーリャは、一般のものが3〜4年の熟成なのに対し、7〜8年の長期熟成になっているというが、はたしてどうか?

色は淡く薄い黄色。かすかな緑を感じる。香りは芝、白菜、若く青い草の香り、ミントの香りも感じる。

味わいはふくよかな苦味、その後で塩っぽさとかすかな苦さを感じ、それに続いてふくよかな香りが口いっぱいに広がる。中盤の味わいは塩味とアルコール分のボリューム感だ。

余韻はなんといっても華やかで鼻腔いっぱいに広がる若々しい芝草のような清冽な香りを伴う塩味だ。

長い熟成の割には重厚な味わい、厚みというものはあまり感じなかった。しかし香りの広がり、塩味の深さは十分感じることができた。暑い時期にはミネラル、塩分を体が欲するように、たしかに今の時期こういうワインが自然に体に入ってくる気がする。

【グラシアス(大阪空港店) 2,800円?】

2007年8月30日 (木)

サルヴァドール・ポヴェダ トスカール・シラー2004 DCアリカンテ

X_ittiln
最近スペインワインの徴候が変わってきたように思える。以前は果実味というより濃縮ジュースのような重苦しい甘さに一種のくどさを覚えることが多かった。

しかし近年各地で味わい繊細で気品のあるワインが増えている。以前は若干敬遠気味だったスペインワインに手が伸びるようになってきた。

このワインは「かなりどっしりしている」と言われて買ったワインだが、実はスペインのシラーということで気になっていたので購入。しかも1,200円と価格もリーズナブル。

シラーはフランス南部のローヌ地方で最も真価を発揮する。乾燥し日照も多い地帯で真価を発揮するならば、スペインは格好のステージのはずだ。

アリカンテは地中海沿いのバレンシア州、州都バレンシアの南約100キロほどに位置する。造り手であるサルヴァドール・ポヴェダは標高600メートルの畑を所有している。寒暖の差が激しい土地だということだ。

色合いは濃厚で、黒味の強い紫。香りは鉄サビ、プラム、ハッカのような香りがある。甘いが清涼感のある香りで、吸い込むとノドがスーットする感覚がある。

最初に感じる酸はおとなしいが、その後にやってくるのはやはり甘さを十分感じる味わいだ。ジューシーでボリューム感が豊か。時がたつとカカオのような風味も出てくる。しかし味わっていると、意外に酸があることに気がつく。この酸が甘さを洗い去るので、最初感じた重さほどにはしつこさを感じない。むしろ中盤から余韻は若干物足りなさを感じるほどあっさり引いて行く。余韻は短め。

いわゆるローヌのシラーとも、オーストラリアのシラーズとも違う。果実味と酸味のバランスは軽快、スペインのシラーとはこうしたものなのか?

価格的には非常によく出来たワイン。言われたほど重厚なワインとは思わないが、それでもしっかりしたワインには違いない。なかなかのパフォーマンスなワインだった。

【mAAn 1,200円】

2007年8月25日 (土)

ドニャ・フランシスキータ リベラ・デル・グアディアーナ2006

3xxug68b
暑い季節、敬遠したくなるのはコッテリ系の赤ワイン?

さにあらず。こうした暑い季節だからこそ骨太のワインに出会いたいという思いも反面あるのだ。さしずめ暑い季節にエスニックな辛〜い料理が食べたくなるのと共通項があるのかも。

安くてコッテリ系ならスペインワイン、というのも実は最近当てはまらなくなってきて、非常に繊細でやさしい味わい、しかも上質のワインが多く出てきている。スペインワインブームが来てもおかしくないんだが、なかなかそうならないのはどうした訳か?

リベラ・デル・グアディアーナはスペインでもポルトガル国境沿いの地域で、地中海に面した地域。そこで長くワインを作り続けるバイパ家が生産するこのワインは標高400mの高地で雨も少ない乾燥した土地、ブドウの生産には適した畑から産み出される。

ドニャ・フランシスキータはスペイン版オペラ、サルスエラから取ったのかな?この地区ではガルナッチャ、テンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニヨンといった多くの品種が使われている。

香りは結構獣っぽい。プラムジャム、鉄サビ、ユーカリの香り。色合いは濃いが比較的明るめの赤紫といった感じだ。

アタックはやさしい酸とパワフルなブドウの甘さを感じる。果実の甘さが前面に出てくるが、押し付けがましいというか、決してしつこさは感じない。ピュアな果汁のおいしさが心地よい。

最初のパンチに比べると、中盤の膨らみはさほど大きくない。タンニンも粗く、口の中を収斂感が広がる。余韻も若干の甘ったるさを残す。

重厚なワインではないが、果実のおいしさ、それは収穫したときのもぎたてのブドウを食べるかのような清冽な味わいを持っている。あまり手を下さずに、どちらかというとブドウのリキュール的な感覚だ。

重厚さと対極にあるワイン。こんなワインもスペインワインの特色だ。何よりも安くてこれだけ味わいのあるワインを作ってくれるんだから、このユーロ高のご時勢、あまり文句は言えません。

【成城石井梅田三番街店 1,300円?】

2007年7月19日 (木)

アレクサンダー・ゴードン パロ・コルタド

7mpdafvs
京都に出かけた帰りに、久々に四条大宮のワイングロッサリーに。その日はロワール・フェアをやっていて、2、3本購入してレジで会計をしたさいにふと後ろを見るとシェリーの棚が。そしてそのシェリーのラベル「Palo Cortado」の文字が。おお、ついに見つけた、と以上に興奮。

辛口のシェリーは大別して5種。ティオ・ペペに代表される若々しく、フロールという酵母の影響を受けた「フィノ」、フィノの中でもサン・ルカールの街で生産され塩味のニュアンスがある「マンサニージャ」、フィノがフロールを失った結果酸化熟成を帯びた「アモンティジャード」、フロールなしで熟成した「オロロソ」、そして今回紹介する「パロ・コルタド」だ。

パロ・コルタドはアモンティジャード、オロロソのような酸化熟成の風味を持ちつつ、オロロソの風味とアモンティジャードの香りを偶然備えたものだという。その判定はシェリーの職人「カパタス」が樽の中のシェリーを試飲して判断する。現れる機会も少ない。

色は褐色、なめらかな琥珀色で深い色合いだ。香りは青い若草の香り、芝、カラメル、紹興酒の香り。

アタック、最初の口当たりは滑らかだが、その後で若々しいフィノのような酸、塩っぽさ、そしてベースにある豊かな程よい甘さ、アルコール感がバランスよく口の中で膨らむ。このふくらみの豊かさがシェリーの素晴らしさだ。

このじんわりとした塩っぽさ、マンサニージャにもあるがそこに深さと繊細さを加えたえもいわれぬ味わいだ。馥郁という表現がこれほどあてはまる酒も珍しい。豊かなふくらみが鼻腔の全体までをくすぐる。この感覚もシェリーならではだが、このシェリーは特にその感覚が強い。

若さ、繊細さ、ボディの豊かさ深さ、これが絶妙なバランスを持っているワイン。これはクセになるぞ。まいったな、またえらいワインに出会ってしまった...

【ワイン・グロッサリー 3,780円】

2007年6月19日 (火)

ティント ヴァルブエナ 5アニョ 1998 ヴェガ・シシリア

K3hslycv
スペインワインの最高峰といえば、まず「ウニコ」という評価が一般的だろう。その飛び抜けた価格ゆえにまだ飲んだことはない。

このヴァルブエナはそのウニコのセカンドワイン的な存在だ。ただし、作り手のヴェガシシリアにとっては、このヴァルブエナがスタンダードで、ウニコはその言葉通り「唯一」、特別な存在ということのようだ。セパージュは主にテンプラニーリョ、メルロー、マルベックがブレンドされているとの事。

樹齢20年から25年のブドウを使用し、2000Lの大樽で6から12ヶ月、新樽225Lで6から8ヶ月、古樽で16〜24ヶ月の熟成を経て、さらに瓶内熟成が約2年。5年の後にリリースされるという。

それにしても色が濃い。赤みがかかった黒色だったが、樽の香りもどっしり乗っている。バニラ、キャラメルの香りがふんだん。黒すぐりジャムのような甘い香りもある。スコッチのような香りもしたかな?

飲むと最初からガツンとやられる。予想以上にパワフル。かなり骨格の強い酸とタンニンが一度にドシンと口に中に突き刺さってくる。最初は若干酸が勝ち気味だと感じたが、後にやってくる果実味ふんだんなボディの膨らみはすごい。

旨みも十分乗っている。強力なワインだが、酸、タンニン、旨みそれぞれが力強さを持っているので、バランスがいい。どれか一つが欠けていたら、印象が変わっていただろう。ただし、それを繋ぐ自然な滑らかさというものがもう少しあれば、という気はしたが。

余韻も強力で長く続く。それでいてしつこさは殆ど感じない。しかし口の中にあった他の余韻を全て流し去ってしまうほどの強力さには唖然としてしまう。

ワイン会最後のワインに持ってきたが、これは正解だった。こんなの途中で飲んだら、後のワインが物足りなくなってしまったことだろう。スペイン、リベラ・デル・ドゥエロの銘酒、いや、すごいワインでした。今度はどこかでぜひウニコをいただきたいもんです。グラスで出ないかな〜?何杯もは飲めそうにないので...

【H19.6.16ワイン会にて A.Mさん持ち寄り】

2007年6月12日 (火)

デュラトン2000 リベラ・デル・デュルトン

Sfvnucxv
10時半過ぎて、またカサ・ミラにお邪魔した。いつもの通り小皿2皿、イワシの酢漬けと手羽を頼んだが、席の隣にあった生ハムがうまそうだったのでそれもチョイス。この生ハムが足1本丸出しになっているところから削いでいく。これが迫力。生ハムはあまり塩が強くないので、まろやかで熟成加減もちょうどいい。シェリーの塩っぽさとも合ってうまかった〜

「おもしろい赤ワインが入ったんです」とのオススメ。そう言われたら飲まなアカン。出てきたのはリベラ・デル・デュルトンというところのワイン。デュルトンは初めて聞く産地だ。

カスティーリャ・レオン地方ということで、スペインでも北の地域。裏のラベルを見ると900m級の高地だ。こういう涼しい産地のほうが、ただでさえパワフルなスペインワインの特徴がうまくやわらげられそうで、期待大。

セパージュはテンプラニーリョ、メルロー、シラー、カベルネ・ソーヴィニョン。香りは控えめながら甘いベリーの香りと、スパイス、バニラの香りがある。

飲んでみるとやはりやさしいタッチ。酸がしっかりあるのに驚いた。パワー全開で迫ってくるようなことはなく、酸とタンニンがうまくバランスを保って口の中に広がる。果実味が豊かで、緻密な味わいだ。シラーの特徴がうまく出ているワインだと思う。

非常においしいグラスワインだ。まだまだ名の知れていない北の産地のポテンシャルを感じさせられた。いいグラスワイン入れますね。相変わらず期待に反しません。最近いつ行っても繁盛しているようで、これも嬉しい。

【CASA MILA グラス700円?】

2007年6月11日 (月)

サクラ・ナトゥーラ2005 セリェール・ピニョール

Ktdhtph8
近くにあるカサ・ミラで飲ませてもらったDOテッラ・アルタが非常においしかった。
http://blog.kansai.com/cesc22/317

馴染みのない産地ながら、非常にポテンシャルを感じた。で、同じ生産者の上位銘柄が阪神百貨店でも売られていたので試しに購入。

カリニェナ35%、メルロ30%、シラー20%、テンプラニーリョ15%というセパージュ。以前はミゲル・トーレスに樽売りをしていた生産者が自らワインの醸造を開始したのが1995年。有機栽培を実践し、フランス材の小樽で熟成させている。

香りは干しプラム、ブラックベリー、完熟した果実の香りだ。チョコレートの香りもある。

飲むとやはり甘くジューシーな味わいだ。酸もしっかしているが、やはり熟した果実味のパワー全開だ。このワインも1日目よりも2日目のほうがこなれてきておいしくなった。タンニンも荒々しくパワフル。凝縮したボリューム感が口の中をなかなか離れない。

かなり収斂性があり、飲み干した後も口の中に渋みが残る。あまり何杯も一気に飲めるタイプではない。これだけ力強いと料理と合わせるのには注意がいるかも。

まぁパワフル。これだけ強いワインを飲むと、後のワインは軽く感じてしまうだろう。このパワーに付き合うには、飲み手もかなりの根性がないと挫折してしまうかも?スペインの底力を見たワインでした。

【阪神百貨店 2,500円?】

2007年6月 5日 (火)

アルマセニスタ・アモンティリャード・デル・プエルト

U__ywbha
一日の疲れに一杯のシェリー。芳醇な香り、飲む前も飲んだ後も、独特の香りに酔いしれる。

日本におけるシェリーの代名詞となっているティオ・ペペはシェリーのカテゴリー上は「フィノ」に分類される。フィノにはツンとした刺激的な香りがある。それも熟成の過程上、液面に繁殖した酵母、「フロール」の影響を受けるからだそうだ。

そしてこの「アモンティリャード」は、通常は繁殖するはずのフロールが消えてしまったために、空気と触れて酸化の影響を受けたものだ。色はフィノとは全く違う琥珀色、ウィスキーに近い。しかし味わいはフィノの若々しさを保っている。刺激と熟成を併せ持ったワインだ。

このシェリーに冠せられる「アルマセニスタ」は、シェリーを造って貯蔵熟成をしても出荷をしないメーカのことを言う。このシェリーを販売しているルスタウ社では、そのアルマセニスタのシェリーをそのまま瓶詰めして出荷している。従ってラベルにも生産者の名前、生産地、そして樽の数が明示されている。

色は琥珀色。紹興酒のような香りがする。フィノにある青い香り、白菜をちぎったときのような香りもある。カラメル香、金属香、古さと若さが同居している香りだ。

味はまろやかだが、酸も鋭い。口の中で鋭い酸とまろやかなアルコールの甘さが格闘する。ボリュームは豊かで、余韻に塩っぽい味わいが残る。

飲んだ後に長く残る芳香、余韻の力強さ、これがシェリーの醍醐味だ。これだけボリューム感あふれるワインだが、惜しむらくはあまり多くの種類にめぐり合うことはない。日本人の嗜好には若干合わないともおもえる酸化熟成的な味わいがこのワインを遠い存在にしている。はなはだ残念...

【ワインショップ ベリエ(神戸店) 4,500円】

2007年4月28日 (土)

NPU(ノン・プリュ・ウルトラ) アモンティリャード

Rksgzgpu
品質の割に人気のないワイン、その代表格がシェリー。酸化熟成の味わいが日本人向きでないのかもしれないが、一度はまると抜け出せない滋味がある。

そのシェリー、独特のソレラ・システムで新しいシェリーと古いシェリーをブレンドしており、だからヴィンテージ表示はなく、いつも均一かつ良質な品質を保っている。そしてその作りから由来する若さと古さが調和する二層の味わいがこのワインの魅力だと思う。

シェリーにもいろんなタイプがある。オーソドックスなのはティオ・ペペに代表されるフィノだが、海岸沿いで作られ潮、いや塩のニュアンスがあるマンサニーリャ、フィノよりも熟成感のあるアモンティリャード、カラメルの深さを伴うオロロソがある。

どれも魅力があるが今日はアモンティリャード。シェリーは発酵の過程でフロールと呼ばれる酵母がワインの表面に上がってきて膜を作り、この産膜酵母がシェリーに独特のナッツの香りや味わいを与える。

フィノはこの産膜酵母に守られるため、熟成を経ても酸化の影響を受けず非常にフレッシュな風味を保つが、アモンティリャードは途中で自然または人為的にフロールを消してしまうので、酸化熟成の影響を受けてイーストやナッツの落ち着いた香りを帯びてくる。

このNPU、「この世の果て」という意味だが、これ以上何もないという意味から転じて「最高」という意味で使われるようになった。

香りは非常に強力。ナッツ、干しブドウ、紹興酒、カラメル、甘い香りが鼻腔を突き上げてくる。色はアンバー、琥珀色でねっとりとした質感で熟成を感じさせる。

アタックは塩っぽさ、その後アルコールのボリュームとしっかりした酸が口の中に爆発するかのように広がる。塩っぽさが非常に顕著だ。旨みも強力、複雑な味の要素が絡み合っている。

余韻もふくよかなイースト香、ナッツ香が口の中に広がり、容易に消えていかない。後味は紹興酒と共通するが、甘ったるさがない分、コチラの方が心地よい。

シェリー、この愛すべき酒はこれほどの安価で複雑な感慨を与えてくれる。この芳醇という言葉がふさわしいワインの世界に触れてしまうと、他のワインが物足りなくなってしまう危険性も帯びてしまいそうで、なかなか正直コワイ存在だ。

【創酒タカムラ 1,960円】

2007年4月 3日 (火)

マンサニーリャ ボデガ・トーマス・アバド

Obdgoxhw
日本でもとみに評価が高まっているスペインワイン、しかしシェリーに関してはそんな気がしない。一部のファン、もちろん僕もそうなのだが、そのファンを除けばシェリー酒はまだまだ知名度を得ているとはいいがたい。

なぜなんだろう?一つにはシェリー以外もそうなんだけど、ちょっとヒネた、酸化熟成の味ってのは日本人の味覚にあいにくいことが大きな理由だろうか。

でもシェリーって安いから、はまるといろいろ気軽に楽しめる。ティオペペに代表されるフィノ、マンサニーリャ、オロロソ、クリーム、いろんな種類があるのも面白い。

ここに紹介するマンサニーリャはフィノと同様にデリケートだが潮の香りがするワインと言われる。造られる場所がそうさせるらしいが果たして?

色は薄く緑が勝った麦わら色。透明感があり、健康的だ。香りはツンとくる刺激的な香りが特徴的。栗の花、ヨードの香りもする。

アタックはシャープな酸味。そしてすぐ後から口の中に広がる塩っぽさを伴ったコク。プワーッと鼻腔にもハーブ的な香りが広がる。ボリュームが豊かだ。この塩っぽい感覚はフィノよりも多い。たしかに海水、にがりのイメージ、ニュアンスがあるから不思議だ。

余韻も繊細なうまみが心地よい。それでいて切れもよく、何杯か飲み進んでしまう。

シェリーを飲むと本当に心地よい気分になる。最近はシェリーを数多く飲ませてくれるバーも増えているようだ。でも価格自体が安いし、もともと酸化熟成的な味だから、少々ほっといても冷蔵庫保管なら結構味も変わらず楽しめる。ズボラな自分にはピッタリだから、勢い家で楽しむほうが多い。

おそらくは今、日本で最も過小評価されているといっても間違いではないシェリー。この愛すべきワインを一緒に楽しんでくれるような人がもっといれば楽しいんだけどなぁ〜

2007年2月16日 (金)

モナステリオ・サンタ・アナ・シラー2005

Slwyir_t
シラー好きにとっては、フランス・ローヌ以外に旨くて安いシラーがないか、と探しているがこれはなかなか至難の業だ。特にヨーロッパが難しい。

イタリアではデイリー的なシラーが少ない。あったとしても酸が強い「サンジョベーゼ」的なシラーになって、ちょっと求めている感じと違う。

フランスのヴァン・ド・ペイもたまに良いものはあるが、薄いワインも多く難しい。

そしてスペインこそが暑い気候と乾燥した大地を思えばそういう欲求を満たしてくれる国なんじゃないか、と常々思うんだが、ここもシラーはそれほど多くはない。でもその中で非常にいいシラーも生まれていると思う。

スペインのフミーリャという地方は

飲んでみて、このワインこそその一つだと思った。色は粘着性を強く感じる濃厚な赤。そして香りは凝縮した黒スグリジャム、コショウがグラスからプヮーっと広がる。

アタックは思いのほかジューシー。酸もあり鈍重でない。儀凝縮性を感じ、口の中をなめらかなタンニンが包み込む。するすると飲み下していくのではなく、噛み込むような感覚を強いられるパワーのあるワインだ。

余韻も滑らか。低価格のワインだが全体のボディ、骨格がしっかりしている。スパイシーさよりも果実の力が前面に出たジューシーなワインだ。

ただし、僕は好きなんだがジュース的な感覚と、このパワーは万人向けというわけではないかもしれない。

しかしこういうワインが低価格で楽しめることは非常にありがたい。やはりスペインとシラーの相性はいいんだ、ということは実証されている。

【購入データ 1,200円? 大丸梅田店】