フォトアルバム

カテゴリ

最近のトラックバック

お気に入りリンク

カテゴリ「ワイン イタリア シチリア」の31件の記事 Feed

2015年8月30日 (日)

ムルゴ ブリュット メトード・クラッシコ2009 シチリア

150830murgo2009一つのワインを集中的に飲むよりは、数を試す方が好みなので、ワインを買う時も複数買うような事は多くないのだが、それでも定番的なワインはある。このムルゴもその一つ。

イタリアのスプマンテとしては質の高さ、コストパフォーマンスでは一押しの部類に入るこの泡は、シチリア特有の土着品種、ネレッロ・マスカレーゼによる。いわば、ブラン・ド・ノワール。黒ブドウ系の泡が好きな自分にとっては、それだけでも魅力的なスパークリング・ワインだ。

エトナ山の麓でワイナリーを営むムルゴ、このスプマンテは温度調節可能なステンレスタンクで16℃で20日間発酵させた後、ステンレスタンクで8~9ヶ月間保管、その後18~26ヶ月間瓶内二次発酵が行われる。

色は輝きと張りのあるゴールドイエロー。泡は勢いよく、ボリューム感がある。ブリオッシュ、焦がしバター、クッキーの焼き菓子的香りに加えて、ナッツ、ホイップクリーム、キノコも感じられる。

アタックは泡のきめ細かさが舌先に感じられ、その後滑らかな酸味が柔らかく包むように広がる。その酸に抱かれる果実味はフレッシュで、ほのかな苦みはシチリアン・オレンジを連想させる。酸と果実味のバランスを保ちながら、後半は南のワインらしいおおらかさを表現して、ゆっくりと余韻につなげていく。

余韻はふくよかさ、浮遊感を残しつつ、少しコーヒーのようなビター感、焦がしたニュアンスを漂わせながらフィニッシュに至る。

南の黒ブドウの泡、と聞いたときに感じさせるような重さを全く感じさせず、酸味と果実味のバランスを保つところが素晴らしい。この価格でこの質、安心安定のお味、といったところかな。

【R-the wine shop- (ファインズ) 2,500円?】

2014年8月13日 (水)

ベナンティ イル・モノヴィティーニョ ネレッロ・カップッチョ 2006 シチリアIGT

140810benantinerellocappuccio最近シチリアの黒ブドウ品種となると、ネレッロ・マスカレーゼが優勢の様だが、このネレッロ・カップッチョは単一で使われることの少ない品種として、むしろネレッロ・マスカレーゼと共にその勢いを和らげるような目的で使われることが多いようだ。

その名前はネッロ(黒)とカップッチョ(頭巾)から成り、カップッチョはカプチーノと同じ語源で、多くの葉によって果実が見えない状況を頭巾のようだ、と形容したものだという。ブドウはネレッロ・マスカレーゼに比べてソフトな味わいで、あるシチリアの醸造家はマスカレーゼとカップッチョの関係を、ボルドーにおけるカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローの関係と表現している。ベナンティは言わずと知れたエトナの造り手。

色は黒味を帯びたやや暗めのルビー色でディスクは薄め。香りはプラム、ザクロ、スモーク香、胡椒、湿った革。

口に含むと柔らかな果実味と穏やかだが若さを失わない酸が同時に迫り、鷹揚で滑らかなフォルムを感じさせる。角の取れた味わいは品格があり、安定感を持っているが、ともすると流麗過ぎてやや刺激に少ない印象。中盤は熟成感のある香りと味わいが座り、優しく細かなタンニンと共に旨味も広がりながら、口の中をなでるような質感を伴いつつ終盤へと走る。

余韻は柔らかいベリーの甘みが均質に広がりつつ、全体のボリュームを減じるように自然な感覚で収束していく。

ネレッロ・マスカレーゼに比べると軽快で優しい印象だが、単一で用いても品格のあるワインに仕上げるところが、土地に根付いた醸造家の腕の見せ所なのだろう。なかなか出会えないワインだけに、ゆっくりと楽しみたい1本。

【Wineshop FUJIMARU 4,200円?】

2014年6月19日 (木)

ベナンティ ノブレッセ メトード・クラッシコ ブリュット シチリア

140619benantiこのところ仕事が山場だったので、ゆっくりとワインに向き合う時間が取れなかったのだが、ようやく大きな山を越えたように感じたので、休日の一杯はイタリア、シチリアの泡とすることにした。

ベナンティはシチリアでも好きな造り手の一人だ。気候に任せると厚みの勝ったワインになりがちのシチリアにあって、フィネスの表現をよく心得た造り手だと思う。

シチリアの土着品種カッリカンテは主にエトナ地方で栽培され、この地を本拠とするベナンティも白ワインの主要品種としているが、この泡はカッリカンテから始めて作られた泡だという。90%によるもの。樹齢80年以上の古木から年間約4,500本の少量生産で、伝統的な瓶内二次発酵によるもの。

色は輝きのある、やや黄緑がかったゴールドイエロー。泡はやや大粒で、力強く立ち上る。白桃、オレンジ、レモンドロップ、ヨーグルトの甘さを感じさせる香り。

口に含むと細かな泡が優しく舌先を突き、そして砕ける感覚が官能的。繊細で柔らかな酸と、程よい果実味のバランスが良く、豊かな味わいを中盤に広げていく。香りから連想した甘さの印象は、その本質のドライさによって覆され、後半に感じられるシャンパーニュとは異なる温かみのある旨味によって再び産地の個性が想起される。

後半から続いた膨らみのある味わいが終盤の締まった味わいにつながる連携に無駄がなく、長く繊細な余韻を伴って心地よい収束に至る。

当たり前だがシャンパーニュとは異なった味わいの展開を描きつつ、そしてフィニッシュまでにはそれに劣らない構成の妙を表現するところが憎い。シチリアの底力を表現しうる泡と言えようか。

【Wineshop FUJIMARU 4,000円?】

2014年5月 8日 (木)

ジローラモ・ルッソ エトナ・ビアンコ ネリーナ2012 DOCエトナ

140505girolamorussobianco_2

このところヘビー・ローテンション気味のジローラモ・ルッソだが、白は初めて。ネレッロ・マスカレーゼが好きなので、シチリアワインに関しては自然と選択は赤に偏りがちだが、白も試してみたいと思っている。

DOCエトナの白は、カリカンテ60%以上であることが法で定められており、カリカンテはシチリア固有の葡萄品種ではあるが、栽培地域は島の東部、カターニャ周辺に集中している。かつては収量も多かったが、徐々に減少傾向にあるとのこと。

このネリーナは単一のサン・ロレンツォ地区で栽培されたブドウを用い、カリカンテ70%、その他カタラット、ミネッラ、インソリア、グレカニコ、コーダ・ディ・ヴォルペで30%による。

色はやや黄緑がかった麦わら色。グレープフルーツ、ジャスミン、アプリコットの甘い香り。

口に含むとしっとりした質感の冷涼な丸い酸を感じるが、ボリュームは控えめ。酒質はおとなしく、優しい味わい。果実味はよくこなれて刺激が少なく、乱れのないフォルムが中盤にゆったりと構えて広がりを見せる。やや落ち着き過ぎの感があるが、後半は繊細なミネラル感が感じられる。

余韻は最後まで穏やかな味わいが透徹し、ふっくらとした甘みの体感を残しつつ、ゆっくりと引いていく。

落ちついた味わいは南のワインらしく、終盤にきっちりと感じられるやや苦みのミネラル感はエトナのテロワールも感じさせる。あまり複雑な感じではないが、素直においしいと感じられるワインには違いない。

【Wineshop FUJIMARU 4,000円?】

続きを読む »

2014年4月 8日 (火)

ジローラモ・ルッソ エトナ・ロッソ アリナ2011 DOCエトナ

140406girolamorussoarina普段ワインは1本から、なるべく多く楽しみたい自分だけど、最近久々にハマって複数本購入してしまったのが、このジローラモ・ルッソ。イタリア、シチリアの作り手で、最近ではエトナ・ボーイズの第二世代なんて呼ばれ方もされているようだ。

2003年にカンティーナを引きついだときには、シチリアに大きなムーブメントが起こっていた。それを引っ張ったのはフランク・コーネリッセン、フランケッティで彼らの影響を大きく受けたとジローラモ氏も言う。しかし、ジローラモ氏のワインは、コーネリッセンやフランケッティのそれに比べるとやや控えめ、抑制のきいた味わいになっている。元々ピアノを学んでいた彼のセンスの為せる業であろうか、自分としてはその抑制の中にこそ気品と沸々とした情熱が感じられるような気がして、何故か無性に魅かれている。

畑による個性の違いも重要視する彼は、サン・ロレンツォとフェウドという標高650m超、樹齢60~100年の畑から単一のワインを産みだしているが、このアリナはそれに加えてカルデラーラ・ソッターナ、フェウド・ディ・メッツォからのブドウによって造られる。

色は落ち着いた赤みが艶やかなルビー色。香りはイチゴ、プラム、線香といった甘さを感じさせる印象に加えて、バックには胡椒も感じられる。

口に含むと酸、甘みがバランスよくまとまった熟した果実味をストレートに感じる。酸味とボリューム感は抑えつつ、優しさと滑らかなフォルムをより重視しているかのような落ち着いた中盤の味わい。やや凝縮感には欠けるものの、緻密で結束したタンニンがボディに深みと骨格を与え、単に繊細さだけのワインに陥らせない。中盤から後半にかけてピュアなベリーの旨味がふくよかに広がる。

余韻は純で透明感のあるベリーの甘みがほろほろとほどけるように昇華し、エレガントな味わいを最後まで透徹して締めくくる。

エトナ・ロッソは今では自分の最も愛すべきワインの一つとなったが、ジローラモ・ルッソはまさにその中でも落ち着きと情熱の二つをストレートに感じさせてくれる、まさに真の友人と呼ぶにふさわしい。このワインに出会えた事を素直に感謝したい。

【カーヴ・ド・リラックス 3,000円?】

続きを読む »

2014年2月 3日 (月)

イ・ヴィニエーリ イ・ヴィニエーリ ロッソ2011 IGT(シチリア州エトナ)

140201ivigneri多様なイタリアワインを彩る土着品種たち。その中で自分が最も愛する葡萄を挙げろと言われれば、まずはネッビオーロなのだが、それに伍して劣らざるものはネレッロ・マスカレーゼ。

シチリアを代表する葡萄の座の首位、と言ってもいいくらいの昨今だが、このブドウの魅力はシチリアという南イタリアの日差し厳しい地にあって、エトナという傑出した火山性土壌の助けを借りつつも、決して失われない純真な赤い果実の酸味にあると思う。それが時としてピノ・ノワールとともに語られる理由なのだろう。

そしてネレッロ・マスカレーゼがその特質を最大限に発揮する唯一の地、エトナにあってこの 葡萄の魅力を最大限に表現すべく努力してきた一人が、サルヴォ・フォーティ。コンサルタントとしてエトナのワイナリーを指導する傍ら、自らが主宰する集団、イ・ヴィニエーリを率いてワインを作り始めた。それは伝統に根差した造りで、エトナに伝わるパルメントと呼ばれる、多層構造の上から破砕、発酵、熟成を一気に行うシステムを用いることで、EUの規制に触れようともそのコンセプトを堅持する姿勢にも表れる。

色は凝縮感に満ちた、濃密なダークルビー。香りはラズベリー、革、湿り土、漢方薬のような香りも感じられる。

口に含むと密でジューシーな酸味と、しっかりしたフォルムのあるやや硬めの果実味が絡み合う。若さ故の粗さはありつつ、同時に重心の低い存在感のあるタンニンが安定感をもたらして、全体の味わいを落ち着かせている。中盤は最初の圧倒されるボリューム感とは対照的に、細かなタンニンと絡みながら繊細な甘さが顔を出し、綺麗な甘みと共に穏やかな味わいを展開していく。

余韻は熟したベリーのデザートを食しているようなチャーミングな甘さがすっきりと昇華しつつ、安定感を保ちながら長い後味を残してゆるやかに収束していく。

最初のインパクトを思うと最後までボリューム感で押すのか、と思いきや、終盤は果実味が溶けて解けていく繊細さを実感させる複雑な構成。その主体を担うのはやはりネレッロ・マスカレーゼという稀有なシチリア固有の葡萄のポテンシャルだろう。葡萄と生産者の幸せなマリアージュが産み出した個性的なワインというべきか。

【エーテルヴァイン岡崎店 4,500円?】

2014年1月11日 (土)

ジローラモ・ルッソ エトナ・ロッソ サン・ロレンツォ2010 DOCエトナ・ロッソ

140110gorolamorussoイタリアワインの品種で三つ好きなものを挙げろ、と云われればネッビオーロ、ドルチェット、そしてネレッロ・マスカレーゼとなるに違いない。前者2種はピエモンテ、そして後者はシチリアと南北両極ではあるが、ネッビオーロとネレッロ・マスカレーゼには共通するものがあると思う。それははっきりした酸味と、ボディを形作る骨格の明瞭さだ。

かつてシチリアと言えばネロ・ダヴォーラだったが、今はネレッロ・マスカレーゼが凌駕したと行っても言い過ぎではないだろう。シチリアにどっかと座るエトナ火山、その周りに広がるブドウ畑には火山性土壌に適したネレッロ・マスカレーゼが適しているとされている。エトナが注目されるにつれて、ネレッロ・マスカレーゼというブドウにも注目が集まることは自明だった。

ジローラモ・ルッソは今のオーナー、ジュゼッペ・ロッソが2003年に父の跡を継いでワイナリーを継承してから評価を上げてきた。この当時からフランケッティ、フランク・コーネリッセンといった生産者のネレッロによるワインが世に出て、そして遅れてきたジローラモ・ロッソもようやく日の目を浴びるようになってきた。

サン・ロレンツォは標高750mのコントラーダ(クリュ:畑)から生み出されるワインで、樹齢60~100年の古木から収量を抑えたブドウを栽培している。

色は黒味がかった落ち着いた色調のルビー色。香りはフランボワーズ、ザクロ、巨峰の皮、漢方薬の香りも感じられる。

口に含むと穏やかで低めの酸と、やや粗いタンニンの渋みを伴った果実味が同時に迫ってくる。果実味は細身だが安定しており、タンニンによる堅固な骨格に包まれた中に流麗な質感が感じられる。中盤にやや乳酸の印象が過度に立つ感じはするが、後半には土っぽさのニュアンスも訪れ、重心の低い落ち着いた味わいをが品格を保つ。

余韻は綺麗な熟したベリーのような甘みが薄くなだらかに広がり、最後まで刺激の少ない穏やかな安らぎを感じさせる。

抑揚は少ないが、安定感に満ちて、かつ浸透力がある。まだ若干こなれないところはあるけれど、今後が楽しみなワインだな。

【Wineshop FUJIMARU 4,000円?】

 

2013年12月16日 (月)

パッソピッシャーロ グアルディオラ2010 IGT(シチリア)

131214guardiolaイタリア旅行の際に初めて行った場所がシチリアだった。それももう7年前のことになる。街を歩けば痛いくらいに照りつける太陽に体力を削がれ、そんな時口にしたオレンジの瑞々しい酸と甘みの濃さが思い出される。シチリアの歴史が民族の交錯によって語られるのは、そうした豊かな産物を生み出す土地であったからだろう。

そのシチリアにおけるワインの名手と問われれば、パッソピッシャーロを率いるアンドレ・フランケッティを挙げる人は少なくないだろう。エトナからネレッロ・マスカレーゼ主体によるミネラル感あふれる赤ワインは多くのファンを魅了する。その彼が満を持して白ワイン、シャルドネによるワインを2007年から世に問うたのがこのグアルディオラ。標高1,000mを超えるエトナ山北面の斜面から生み出されるシャルドネによる白ワインだ。

色はやや黄金色がかった、澄んだレモンイエロー。香りは黄色く熟した果物、アプリコット、ヨーグルト、キャラメル、ニッキ水、銅貨のような香りも感じられる。

アタックは穏やかな丸みのある酸がしとやかに広がり、その直後に苦みのミネラルを含んだ熟した柑橘の果実味が球体のようなふくよかな広がりを伴って広がる。中盤にはとろみのある密のような甘みも感じられるが、繊細な酸が酒質を均整にまとめ、締まった味わいに保つ。

終盤はしっかりと残る苦みが支えとなって、伸びのあるジューシーな果実味を滑らせるように長く柔らかな余韻へと導いていく。

パッソピッシャーロの白ワインと聞いて、飲む前はさぞかし暴れん坊的なわいんではないか、との印象を持ったのだが、飲んでみれば予想に反して静謐な中に活力が感じられる、抑制の効いたワインだった。シチリアの土地に任せれば奔放に過ぎるところを、人がコントロールしてそれを更に表現力豊かに仕上げる、生産者の力量が感じられるワインだった。

【創酒タカムラ 4,000円?】

2012年4月15日 (日)

バローネ・ディ・ヴィラグランデ エトナ・ロッソ2009 DOCエトナ・ロッソ

120414nerello昨日の土曜日、摂津富田で広東省出身の中国人の方が開いている餃子専門店でのワイン会に誘っていただいた。その時の条件、ワイン一本持ち込みが結構大変で、餃子にワインという普段は考えない相性をどう結び付けるかにかなり最後まで悩んだ。しかし土壇場で思いついたのが、このワイン。

シチリアで最もファッショナブルな品種であろうネレッロ・マスカレーゼ。以前はシチリアと言えばネロ・ダーヴォラだったけど、最近はこちらも頻繁に見かけるまでになった。シチリアのピノ・ノワールなどとも呼ばれることがあるが、確かにしっかりした赤い果実の酸は、ピノ・ノワールと通じるところがある。

このワインを餃子に合わせてみようと思ったのは、餃子が肉料理であり、それでいてさほど味わい的には強いものではないことから、ロゼ寄りの赤ワインにしようと思い至ったこと。そして以前に飲んでいたので知っていた繊細な余韻が合いそうだと思ったからだ。

バローネ・ディ・ヴィラグランデはエトナ山のふもとのワイナリーで、18世紀に男爵位を授けられた歴史を持つ。このワインはネレッロ・マスカレーゼ80%、ネレッロ・カプッチョ20%から造られ、ステンレスタンクで発酵、栗(カスターニャ)のボッテで1年熟成させる。密植栽培で、一本からの収穫量を落として、品質の向上を図っているという。

色は明るい紅茶のようなルビー色。香りはスミレ、ブドウの皮、クレヨン、甘草、湿った犬の毛のような獣的な香りも感じる。

口に入れるとまろやかで刺激の少ない若いベリーの酸が優しく広がる。しっとりした甘みのある果実味は柔らかく、口の中で納まるくらいのボリューム感が心地よい。深さよりも横に広がる包容力を感じ、ベースとなるタンニンも程よく熟れてこなれている。中盤から終盤への味わいに劇的な変化はないが、穏やかに染み入る滋味、ミネラル感に引き込まれる。

余韻は穏やかで透明感のあるすっきりした旨味が薄く広く口の中に広がり、温かみを残しつつ優しく緩やかに引いていく。

鷲掴みにするような力強さには欠けるかもしれないが、それを補って余りある優しさ、質感、温かみ、そして余韻の穏やかさが心地よい。シチリアの人々の純朴さが透けて見えるような、誰も傷つけない優しさに満ちたワインだったな。Good JOB!

【エノテカ イル・ソッフィオーネ 2,800円?】

2011年2月16日 (水)

スパダフォーラ ソーレ・ディ・パドリ2005 IGT(シチリア)

110211sole好きなブドウ品種はシラー、これは一貫してる。ブルゴーニュも、シャンパーニュも好きだけど、やっぱり魅かれるのは洗練されていてもその中に少し武骨さを感じるシラーの複雑さにある。

そんなシラーは全世界にその勢力を広げていて、ついには決してフィットしないと思われていた日本でさえもシラーに魅せられて試験的に栽培するワイナリーも見られるようになった。しかしそのシラーはいわゆる「シラー」とは少し違う「日本のシラー」であるように、この品種もまた育った地域によって融通無碍に変化する。

その産地の中でシチリアはシラーにとって理想的な気候であるように思える。熱い気候、乾燥して焼けた大地、熟したシラーが最大限そのポテンシャルを発揮しそうな場所だ。スパダフォーラはこの地に古くから勢力を持っていた貴族であり、イタリア土着品種よりもフランス系の国際品種を主に栽培している。そしてこのワイナリーが特に力を入れているのがシラー。

色は黒みの強い、色素の詰まった凝縮感のあるガーネット色。香りはブラックチェリー、黒オリーブ、鉄、スモーク香、チョコレートの香りも感じられる。

口に含むと落ち着いているがじっとりと染みてくる酸、そしてそのすぐあとからスパイシーな香り、凝縮した果実味、ボリューム感のある甘さが押し寄せる。しかしボリューム感はあるが決して野放図に広がる訳ではなく、しっかりした輪郭のなかに収まる抑制力が働いている。果実味に溶け込んだタンニンは力強く、まだ若干粗さは否めないが、味わいに安定感をもたらす。中盤はタンニンの渋みとスパイスの感覚がより現れる。

余韻にはしっかりした苦みが味わいを引き締め、ビターチョコの食後感のようなリッチな感覚とふくよかな甘みを残しながら長い時間をかけつつ引いていく。

シラーだが、系統的にはオーストラリアのシラーズに近い味わい。しかし味わいはしっかり抑制が効いていて、決してボリューム感だけで嫌気を起させないところが作り手のさじ加減といったところだろうか。僕の好きなシラーとは若干違うんだけど、イタリアワインらしい凝縮感あふれるワインといったところかな。

【酒喜屋 7,380円】

2010年10月23日 (土)

シチリアのピノ・ノワール? ネレッロ・マスカレーゼの魅力

101017hansin1101017hansin3先週阪神百貨店で開催されていたイタリアフェア。お目当ては勿論ワインだったけど、無料試飲よりも有料試飲のカウンターにいつも魅かれる。普段はボトルで飲みづらいものも、少量だけれども数多く試せるからね。

この日もトスカーナ、ピエモンテの名だたるワインが開いていたが、偏っている自分が注目したのはシチリアの赤、テヌータ・デッレ・テッレ・ネーレの5種飲み比べ。

シチリア島北東部に位置する標高約3,340mの火山、エトナ山。このワイナリーはそのエトナ山北斜面の標高700~800mに位置する。暑いと思われるシチリアもこの高さともなれば気候は思いのほか冷涼でワインに強い酸をもたらし、かつ北部一帯の畑はエトナ山がもたらした火山性の土壌で、溶岩のミネラルがブドウに複雑さを与える。そしてこの土地の特性を表現するのに選ばれた品種がネレッロ・マスカレーゼだ。

ネレッロ・マスカレーゼの特徴を概して言うなら、刺激は少ないが伸びやかできめ細かい酸、これを僕は透明度の高い酸と表現するが、まさにその酸を表現しつつ、フレッシュな果実味と安定感のあるタンニンがうまく絡んでいる。誰かが「ネレッロはシチリアのピノ・ノワール」と表現していて安直な表現と思っていたが、最近はその表現が納得できるようになった。

さてこの5種、左端はオーソドックスなエトナ・ロッソだが、残りの4種、サントスピリト、カルデラーラ・ソッターナ、フェゥード・ディ・メッツォ、グァルディオーラは畑違いによるもの。しかし予想以上に明瞭な違いが現れていた。

エトナ・ロッソは酸が前面に出ていて、若いベリーの果実味。サント・スピリトはおり奥行きのある太い酸と黒い果実味、カルデラーラはボトルの質が良くなかったので割愛、フェゥードはボリューム感とミネラル分の複雑味が強く出ていて、最後のグァルディオーラはより重心の低い安定感が感じられた。自分の好みはサント・スピリトかな。

101017hansin2シチリアの魅力を堪能した後は、せっかくなんでピエモンテのネッビオーロを。ルチアーノ・サンドローネ、パオロ・スカヴィーノのバローロと、ブリッコ・アジリのバルバレスコを。イタリアの南と北をしっかり堪能させていただきました。。。

2010年6月 1日 (火)

テヌータ・デッレ・テッレ・ネーレ グァルディオラ エトナ・ロッソ2007 DOCエトナ・ロッソ 

100530etonalosso シチリアのワインと言えば、つい最近までは比較的安価な赤のネロ・ダヴォーラと決まっていたんだけど、最近は色々なタイプのワインが入ってきた。赤でいえばネレッロ・マスカレーゼ、フラッパート、白ならカタラット、グリッロといった土着品種もよく見かけるようになった。

そのせいか、ネロ・ダヴォーラの人気がイマイチらしい。最初に出てきた安くて濃い、重ためのワインと言う印象が定着しすぎて、質のいい若干高めのワインを仕入れても売れないんだとか。それはとても残念。

で、このワインもエトナ・ロッソということで、ネレッロ・マスカレーゼ主体。造り手のテヌータ・デッレ・テッレ・ネーレはこの地の代表的生産者だが、その中でも区画名「グァルディオラ」が付いているところが興味を引いた。なんでも、この区画はエトナの畑でも標高の高い場所のようで、そこに植えられた樹齢の高いブドウで造られたワインとのこと。

香りはエッセンスのように凝縮した香りで、イチゴジャム、バラ、消しゴム、バックには黒コショウも感じられ、全体的に甘さを感じさせる香りが既に開いている。

口に含むと充実したベリーの甘さがじっとりと浸透し、その直後、活きのいい芯のある若いベリーの酸が舌先から突き進んでくる。全体には熟した果実本来の甘みを伴った味わいで、どことなくラングドックのグルナッシュ的なニュアンスを感じさせるが、全く違うのは果実味を引っ張る酸の存在感。この酸も突出するでなく、果実味主体の味わいを引き締めるように作用する。おそらくは、熟成するともっとポテンシャルを表してくることだろう。

余韻も酸に引き締められた後の柔らかいベリーの甘さが心地よく、優しい味わいを残しながらゆっくりと引いていく。

最近、ネレッロ・マスカレーゼをピノ・ノワールに例える向きもあるけど、確かにこの酸と甘みのバランス、そこから生まれる深みのニュアンスは共通するものがあると思う。しかし、ピノ・ノワールよりもさらに土地のパワーを感じさせてくれるこの品種は、イタリアワインでもなかなかない個性だと思う。でも。ネロ・ダヴォーラも好きですけどね。。。

【ニシノ酒店 3,980円】

2009年10月15日 (木)

フェウド・アランチオ シラー2008 シチリア IGT

090925

阪神魚崎駅を降りて海側に歩き、高架沿いを左折したところにある酒屋、濱田屋はまさに安ウマワインの宝庫だ。初めて行った時も3千円以下のワインの品揃えに驚いた。そしていくつか自分が旨いと思ったワインも置いてある。しかも300円台のグラスワインに、安くて旨いアテもその場で楽しめる。こんな楽園そうそうない?

そこでみつけたシチリアのシラー。シチリアの気候からすれば、シラーはとても合っていると思うんだけど、土地が肥沃な事が災いするのかキャラクターがしっかり出たワインにはお目にかからない。だからこの価格帯で出ているシラーは敬遠していたけど、ここが置いてるワインなら大丈夫?と思って試してみた。果たしてトラウマは治るか?

色は濃厚で煮詰めたような凝縮感のある、黒色がかった暗めのルビー色。香りはシロップ、くろすぐりのジャム、ミルクチョコレート、チューインガム、パームオイル、バックにゴムのような香り。スパイシーさよりも、トロピカルな香りが強い。

口に含むと丸みのある酸の中から、凝縮したパワーのある甘さを伴った果実味が放たれる。その果実味があまり放埓に過ぎないようにブレーキをかけるように、再びまろやかだが芯の通った酸が広がる。味わい自体に複雑さはあまり感じないが、うまくバランスが取れている。味もしっかりあるが、決してしつこくない。南国のワインにありがちな甘ったるさをうまく抑えているので、飲んでいて疲れない所は好感が持てる。ただし、シラーの個性と思えるスパイシーさは若干控え目。ただし、これはイタリアのシラー全般に感じられることではあるが。

余韻は少し粗さも感じられるが、息の長い酸が口の中を洗いつつ、ふんわりとした甘さも残して、やさしい後味を感じさせつつ引いていく。

シラーらしさというよりも、果実味に溢れた旨みが詰まっていて、シチリアのポテンシャルの高さを改めて感じさせてくれた。何よりこの価格でこれだけ楽しませてくれるんだから、別にグダグダ文句言う必要はないね。これからのデイリーとしては文句なし。Good JOB!

【濱田屋 1,200円】

2009年5月 4日 (月)

グラーチ クオータ600 2006 DOCエトナ・ロッソ

090430_2 シチリアの土着赤ワイン品種といえば、ネロ・ダーヴォラとネレッロ・マスカレーゼだろう。前者の方が有名だし、リーズナブルな価格帯のワインも多く出ている。しかし自分の好みとしては明らかに後者だ。果実味に裏打ちされつつも、シチリアらしからぬ透きとおったアクティブな酸が、テロワールに打ち勝つだけのブドウのポテンシャルを感じさせる。

テロワール、気候の影響だけを考えれば、シチリアのワインが濃密でアルコールのボリューム感あるワインになりそうだが、ネレッロはそうならない偏屈さと矜持、そしてブドウの強靭さがあるように思える。

このワイナリー、エトナ火山に抱かれた火山質の土壌、そしてこのワインの名前でもある「標高600m」のとおり、高地の寒暖激しい畑ではぐくまれたブドウを用いている。発酵は自然酵母、ステンレスタンクで発酵熟成させていりようだが、そうした作りがネレッロ・マスカレーゼにどのような個性を与えているのか?

色は薄めで明るい紅茶のようなルビー色。エッジはやや薄め。香りはザクロ、野イチゴ、巨峰の皮、ミントのようなすがすがしい清涼感も感じる。全体は若さ、青さを感じさせる印象だ。

口に含むと最初は思いのほか控え目な印象だが、すこし時間をおいて助走を置いていたかのように伸びのある繊細な活きのいい酸が細く素早く伸びてくる。その酸のベースには太くはないが若々しい果実味と、太くはないが繊細な粒子の細かい密度のあるタンニンが感じられる。

余韻はタンニンも収まり、若いピュアなベリーの果実実。少し細さも感じさせるが、その中に詰まった旨みが十分感じられ、このワインのクールな印象を最後まで形作る。

幅広で重厚な味わいとは違う、線は細い印象だが、決して弱くはない。細いなりにその中に詰まった旨みがこのワインに質の高さ、深さをもたらしている。かつて文明の交差路と言われたシチリア、その風土が生み出した複雑さをこのワインも兼ね備えているといえそうだ。

【酒喜屋 5,100円】

2009年3月19日 (木)

カンティーナ・コローシ ネロ・ダーヴォラ2007 シチリアIGT

090313_2 シチリアの土着品種の一がネロ・ダーヴォラである事に異論はないはず。シチリア好きとしては絶対に無視できない品種。でも実はこの品種の特徴をきっちりとは捉えられずにいるのも事実だ。作り手、作り方次第でいろいろな姿を見せ、最上のものは凝縮した味わいが楽しめるが、いい加減なものは薄っぺらな還元果汁ジュースのような味わいに終始する。あまりごまかしが効かないという点では、サンジョベーゼと双璧だろうか。

このネロ・ダーヴォラ、価格は千円台とかなりお手頃なワインの範疇に入る。しかし古くからあるワイナリーで作られるこのワインは、低価格帯ながら高い評価を得ているようだ。近代的な生産施設のステンレスタンクで発酵、その後マロラクティック発酵、ステンレスタンクで5か月の間熟成させた後に、3か月の瓶熟成を経て出荷される。

色は深みと落ち着きをたたえた、濃く黒味の強いルビー色。香りはブルーベリージャム、干しブドウ、黒コショウ、湿った墨、ザクロ、全体的には甘みの強さを感じさせる香り。

アタックは比較的穏やかだが、ブルーベリージュースのような若く甘酸っぱい果実の酸味がすぐに走り出し、そしてやはりベリーの旨み、熟れた甘さが広がってくる。しかし、その広がりは広角的ではなく、酸のシャープさとバランスを保ちつつ、スレンダーで緻密な味わいになっている。全体のボリューム感はさほどではないが、味わいが舌の中心で低く展開するような安定感を持っている。

余韻はきれいな酸が最後まで保たれて、少し黒糖のようなほろ苦さを伴う甘味も感じさせつつ、ゆっくりと引いていく。

この価格帯にありがちな薄っぺらさは全く感じず、それでいてシチリアワインにありがちな手に余るほどの荒々しいボリューム感は影を潜めている。その範囲の中で、しっかりした旨みも十分詰まっているのがこのワインの奥ゆかしい魅力を形作っているんだと思う。デイリーには丁度いいサイズだと言えそうだ。

【LIQUAR WORLD 1,680円】

2009年2月 8日 (日)

ドゥーカ・ディ・サルパルータ カドス2007 シチリア グリッロIGT

090206_4 最近ややフランスに戻った感じはあるものの、やはりイタリアワインは大好き。このヴァラエティの豊かさは他の国にはない魅力。それを形作っているのは言うまでもなくイタリアでしか栽培されていない土着品種の数々。ここに足を踏み入れるときりがなさ過ぎて、楽しいくらいだ。

そしてこの品種も白ワインとしては初めて飲む品種で、シチリアでも西部でしか栽培されていない白ブドウ品種、グリッロ。シチリアではもっぱら酒精強化ワインでもあるマルサラの主要品種として用いられているが、白のスティルは初めて見た。生産者はシチリア有数の名手、「コルヴォ」でも有名なサルパルータ公爵家。そしてカドスとは、かつてフェニキア人がワインの熟成用に使用したテラコッタ製のアンフォラ(酒壺)という意味。このワインはそうした伝統を受け継いで、新樽で発酵させた後にセメント製の小さな桶で熟成させている。

色は金属的で若干冷たさを感じる、薄く緑がかったレモンイエロー。香りはバター、白桃、栗、甘い香りのバックに白菜、ポワロ葱のような青さも感じる。

口に含んだときにまずしっかりした酸を感じ、若干の青さ、刺激もあるがその酸が羽を広げるかのように口の中に力強く放たれていく。そしてその酸に溶け込んでいたほろ苦さを伴ったミネラルの旨みがじっくりと染み込んでくる。樽もバランスよく馴染んでいて、本来なら酸が立っていたかもしれないこのワインにまろやかさを与えているようだ。

余韻も最後までへたらない酸がベースとなり、潮のイメージを感じさせるコクと旨みが心地よく最後まで長く続いていく。

南イタリアのワインとしては力強い酸がインパクトとなっている珍しいワイン。その中にしっかりとした海を感じさせる味わいが溶け込んでいる。飲んでいると熱せられた乾いた大地の向こうに真っ青なシチリアの海が広がる、そんな情景が浮かんでくるようなワインだった。

【Cave de Liga 3,200円?】

2008年9月30日 (火)

パッソピッシャーロ2006 シチリアIGT

080930_3 土曜日曜と飲みまくったので、昨日はおとなしく一滴もたしなまなかった。肝臓もたまにはやすませないと。でも一日おいたからまた働いてね。そんな肝臓さんに、すこし上等のシチリアワインを供給。

ワイナートのシチリア特集で表紙を飾ったパッソピッシャーロ、その意味は「魚屋への道」だという。当時は日本でお目にかかることは殆どなく、わざわざシチリアに行ったときに探したけどなし、そしてローマのテルミニ駅裏の酒屋で見つけて購入、トランクに入れて持ち込もうとしたらオーバーラゲージでしっかり追徴金を取られた苦い記憶も。そのアリタリア航空も破綻だもんな。ま、サービスはよくなかったから仕方ないと思うけど。

エトナ火山の斜面に広がる溶岩性の土壌、黒い石ころが広がる1000mの標高の畑にアンドレア・フランケッティが惚れこんで、この地に土着品種のネレッロ・マスカレーゼを植えた。その当時は評価が低かったネレッロ・マスカレーゼを今やシチリアで最もファッショナブルなブドウ品種に高めたのは彼の功績大きなものがあるだろう。そして品種だけでなく、収穫量を落とした凝縮を高めたワインだからこそ、今の評価があるのだろう。

色は明るめだが深さ、沈着性のあるルビー色。エッジまで均一に色素が入り、稠密な色調。香りはクレヨン、粘土、プラム、鉄サビ、線香花火の香り。

口に含むとまずは若い果実のジューシーな酸だが、刺すような感じはなく深みと落ち着きを感じる。ベースには皮の厚いブドウを噛んだ時のようなしっかりしたタンニンが広がり、その外枠を豊かな旨みが包み込む。味わいの層がしっかり感じられ、酸、タンニン、旨みがうまくグラデーションを造りつつ、支配権を譲りながら口の中に広がっていく。若干タンニンがまだこなれておらず粗さ、収斂感を感じるが、それも味わいの骨格を崩すまでには至らない程度。

余韻はほどよい昆布茶のようなミネラル分と、幅広な旨み成分が絡み合いつつ、強靭で長い残り香りを口の中に残しながらゆっくりじっくりと引いて行く。

懐の深さはシチリアだけに言うまでもないが、酸も活かしつつ、旨みも程よい強さをキープしてそれでいて弱くはない。全てが節制しながら主張することを忘れない、そんな味わいを持ったワインだと思う。ネレッロ・マスカレーゼの魅力全開、表現力に溢れたワインだ。Good JOB!

【Wine酒屋 mista 4,500円】

2008年6月21日 (土)

モルガンテ ドン・アントニオ2004

Umr91ptd
昨日は送別会で12時近くまで梅田近辺で飲んでました。最近飲むと眠くなる、というか今週はEUROでかなり寝不足だったので今日の朝も久々に10時近くまでグッスリ。起き抜けにちょっと1杯だけ朝酒を。

このシチリアワインは、土着品種とは言え、イタリアワインでもメジャーな品種になっているネロ・ダヴォーラ100%。有名な醸造家によるコンサルを受けて近年評価が大きく高まっている。品質プラスリーズナブルな価格が人気の原因だとか?

色は落ち着いた深みのあるルビー色。エッジまで稠密に色素が入っている。香りは黒糖、カカオ、黒すぐりジャム、プラムの甘い系統の香りが顕著。

アタックは柔らかく、果実の甘みとうまみが最初から前面に押し出してくる。それを支える上品で伸びのある酸は刺激を感じさせず、乳酸系のやわらかさを感じる。ボリューム感はそれほど大きなものではないが、舌の表面に染み渡る味わいは十分に幅広。懐の深さを感じさせてくれる。タンニンも細かく、酸に溶け込んで口の中に程よい収斂感を感じさせる。

アフターフレーヴァーはタバコのような香りを残して、ほのかな甘さをたたえつつ、じっくりと穏やかに引いていく。

シチリアワインにありがちな角が全くなく、しなやかかつ繊細。言われなかったらこのワインをシチリア産とは気づかないのではないだろうか?こんな繊細なシチリアワインがあったとは、心地よい昼酒となりました。

【LIQUAR WORLD 3,780円】

2008年2月 5日 (火)

メガラ2004 ドゥーカ・ディ・サルパルータ

Qesdgvoq
穀倉地帯シチリア。かつてはローマ対カルタゴの争いの場となったほど肥沃な大地は今でもワインに関してイタリア最大の栽培面積を誇っている。従来はアルコール分が高いだけのテーブルワインを大量に生産し、北の薄いワインとのブレンドも行われてきた。しかし今は元来のポテンシャルに見合った質の高いワインが多く生産されている。

そんな中でも伝統を誇る造り手はドゥーカ・ディ・サルパルータ、サルパルータ公爵家。1824年以来シチリアでワインを作り続け、シチリアワインというかイタリアワインとしても有名なディリー的「コルボ」を世に送り出している名門だ。その公爵家がシチリア土着品種とフランス品種のブレンドによるリーズナブルな価格帯のワインを生み出した。その一つがフラッパートとシラーによるこのワイン。

フラッパートはシチリアでもアフリカ寄りの南部で栽培されており、タンニンは控えめで若い果実の軽やかな酸味が特徴。そんなフラッパートとスパイシーなシラーの相性はよさげだが、さて?

色は明るいルビー色。エッジの色は薄め。香りはラズベリー、バラ、胡椒の香り。

最初にやってくるのは伸びやかで細かなタンニンが溶け込んだ酸。タンニンはそれほど主張するものではないが、この爽やかな酸に適した程よさ。酸がとてもきれいで、若いベリー系の果実味によくマッチしている。雑な所は感じさせない。ミッドの膨らみには欠けるが、心地よいのみ心地。シチリアと聞いて想像させるような重さ、しつこさはこのワインに関しては皆無。むしろ北の産地のワインのようにも思える。

こなれた味わいだが、余韻は少し短め。ボリューム感に少し乏しく少量まとまりすぎている感は否めない。

シチリアらしからぬとてもおとなしい、品のあるワイン。フラッパートらしい伸びやかでピュアな酸にシラーのスパイシーさがアクセントを加えている。でも微妙なところで、たぶん知ってるからこそ言えるんだろうな。ブラインドならおそらくシチリアだなんて絶対当てられない自信はある、そんな繊細なワイン。

【Cave de Vin 2,500円?】

2007年11月29日 (木)

アルモニウム ネロ・ダヴォーラ2004 フィッリアート

X67lkeuy
イタリアでもフランスでも、今日本で手に入らないワインはないような気がする。このワインもまさか日本で飲めるとは...

シチリアからローマに入ったとき、ホテル近くの酒屋で目にしたワインがこれだった。シチリア産で、中世的なラベルに惹かれてすぐ買い求めて、一人ホテルで飲んだ。驚くべき凝縮した味わいに忘れられないイタリアでの思い出となった。そんなワインに日本で出会えるとは。

そんな出会いを演出してくれた酒屋さんは増村酒店。群馬高崎の酒屋さんで、ミクシィのコミュニティに書き込んだ記事にコメントしてくれた縁でお店のHPをのぞいた。そしてそこで出会ってしまった。
http://www.rakuten.co.jp/cantinavinovino/index.html

シチリアの大手、フィッリアート社。生産は年産4百万本と驚くべき規模。ローマ帝国時代以来、穀倉地帯として各国の争奪の的となったシチリアという土地の肥沃さを実感させる。そのフィッリアート社が生産するシチリア土着品種の横綱ネロ・ダヴォーラによるワイン。

色合いは濃く黒々としたルビー色。底が見えず、周縁までしっかり色素が入っている。香りはカカオ、ゴム、ブラックペッパー、スモーク香、甘いが重い落ち着いた香り。

アタックから詰まった果実の味わいにガツンとやられる。がっちりした肉付きで、揺るぎのないボリューム感だ。濃密な味わいだが決して鈍重ではない。フレッシュな酸もあり、若いベリーの味わいも兼ね備え、ベースのタンニンも緻密。複雑な味わいの展開に戸惑う。

余韻もしっかりしたベリーの甘み、果皮の苦さを感じさせながら、口の中に収斂感を残しつつ引いていく。

中から湧き上がるパワー、しかし決して爆発させず寸前で踏みとどまるまとまりのある味わい。矛盾した表現だと思うけど、そんな言葉しか思いつかない。あのときの記憶が蘇る、思い入れにたがわぬワインだった。

【増村酒店(cantina Vino Vino) 3,980円】

2007年10月20日 (土)

ラモレスカ IGT シチリア・ロッソ2005 フランク・コーネリッセン

Opmjfwhd
評判を聞いていつかは飲んでみたいと思っていたフランク・コーネリッセン。シチリアで自然派ワインを作っているが、そのワインは誰のものとも違う、独特の味わいだという。しかもその味わいは賛否両論。いったいどんな味わいだろうか、興味津々。

もともとベルギーのワイン商だったフランク・コーネリッセンが理想のワインを造るべくシチリアのエトナ山にやって来て2001年からワインの生産を始めた。シチリアの土着品種、ネロ・ダーヴォラ100%で、何故か屋外で醸造し圧搾後は1年間セラーで熟成させたものがこのラモレスカ。

しばらくセラーにおいていたが、瓶の横側に澱がタップリたまっていた。しばし縦にしておいた後で開栓。さてどうか?

飲んでみてこのワイン、コメントに困った。時間を経て香りも味わいもすごく変わってくるのだ。

最初開けたときの香りは顔をそむけるくらいの、鉄サビのような堅い香り。味わいも口の中に含むと細かいガスのようなものを感じて、刺激が強すぎて飲み込むのに苦労した。正直「なんだこりゃ?」「痛んでるんじゃないの?」って思った。

しかし30分くらい置いておくと、香りが凄くこなれてきた。山葡萄、黒胡椒、アニスの香りがあり、香辛料的な香りが強い。色合いは赤みの強いルビー色で、絞りたてジュースで清澄度は低い。濃厚な果汁のようだ。

アタックは凝縮した果実の甘さ、伸びのある酸と、詰まったタンニンが一挙に襲ってくる。それが一段落すると口の中にはタンニンの収斂感とブドウの甘さが残る。そしてその味わいが長く続いていく。

味わい自体は堅くて、確かに賛否両論ありそうだ。でもインパクトは大。最初はあまりにも奔放すぎてこれはアカン、と思ったが時間と共に落ち着いていく変化、そしてそこに現れていく果実の底力を楽しむことができる。なるほど、これはハマるとハマってしまうワインなのかもしれないな。

【Wineshop FUJIMARU 3,500円?】

2007年10月 6日 (土)

エトナ・ロッソ1999 カラブレッタ

W2xvnmmm
イギリス・プレミアシップでは前半不調が伝えられたマンチェスター・ユナイテッドが徐々に調子を上げてきた。ルーニーとC・ロナウドがいるんだから、まぁいずれとは思ってたけど、やはり強豪が上がってきた。我らがアーセナルは明日いかに?

そんなMUのチームカラー赤にあやかるわけではないけど、シチリアの赤も久々に行ってみようということで、エトナ山の贈り物をチョイス。

エトナ・ロッソはまさにエトナ山が産んだワインだ。土は溶岩によるもので、ミネラルが豊富で肥沃。しかも標高が高く、傾斜の強い地域では十分な日照と、それを冷ます夜の冷涼な気流によりブドウが引き締まった味になる、理想的な栽培地域だ。

このワインはネレッロ・マスカレーゼ100%。シチリアワインで有名なのはまずはネロ・ダーヴォラだが、最近はネレッロ・マスカレーゼに挑戦する栽培家が増えている。

色は明るいルビー色。レンガ色のような色調を帯び、紅茶のような印象だ。エッジはやや薄い。香りはプラム、干しイチジク、甘草、クレヨンのような香りもある。

アタックは際立つ酸、その中に溶け込むきめ細かいタンニンが口の中に短時間に広がる。鼻腔に上がってくるのはチョコレート、葉巻のような甘い香り。ふくらみが大きい。前半の膨張に比べれば、後半の味わいの収束が早い感じはするが、後に残るやわらかく程よい甘さの余韻が心地よい。この旨みは細く長く、きれいに口の中に残る。

1999年で8年を経過し、酸の攻撃性が薄れ味わいが練れてきているのだろう、シチリアとは思えない繊細さを表現していると思う。前半は怒涛の攻撃、後半は少し引いて旨さを見せる、まさに十年選手の味わいだ。

【ワインショップ・ラテール 3,600円】

テッレ・ディ・ジネストラ シチリア カタラット2002 カラトラージ

B2vdzgnt
今週の水曜から金曜はなんか暑さがぶり返したような感じで、すこしバテ気味。クールビズが終って、背広の季節が戻ってきたことも体感温度を上げている要因なのかもしれない。

まだまだ今年は白ワインの需要のほうが多い。その中でも今日は比較的濃いか?と思われるシチリア産の白を。

シチリアは南でアフリカに近く熱いので、酸がボケて鈍重なワインになり勝ちという印象があるが必ずしもそうではない。島には火山で有名なエトナ山を擁しており、標高の高い斜面では昼間は十分な日照、夜間は吹き降ろしの冷気によってブドウが過熟せず引き締まった味わいになる。

このワインはそうした標高の高い場所に多くの畑を持つカトラージ社の一般的なワイン。品種のカタラットはシチリア土着の品種だが、収量が多いためイタリアではトレッビアーノに次いで栽培されている。こういう高収量ブドウはかつては「高収量→低品質」で嫌われていたが、さてどうか。

色は緑がかった麦わら色。香りはパイナップル、ドロップキャンディ、チューインガムで甘く人為的な香り。

アタックは穏やかだが、ベースの酸はきっちりとしている。果実味もしっかりしており、ほどよい甘さを持っていて、中盤への移行もスムース。ほんのりと苦味も含んでいて、自然な味わいで、強めの香りとは裏腹に味わいはすっきりしたものだ。

中盤のふくらみは少なく、余韻も強い味わいとはいえない。しかし飲んだときから、ノドを通り過ぎるまでの素直さ、自然な味わいは好感が持てる。悪く言えば「当たり障りが無い」ということだが。

シチリアの白、と重いながら飲めば、あまりにスルッといくので拍子抜けするかもしれないが、普通に飲むのは問題ない。カルボナーラとかクリーミーな料理にはこのくらいのワインが口を洗い流してくれていいのかも。

【大丸梅田店 1,500円?】

2007年9月 8日 (土)

チェラズオーロ・ディ・ヴィットーリア2004 ヴァッレ・デッラカーテ

Xdrpd46i
今、イタリアワインの最高ランクDOCG(統制保証付原産地呼称ワイン)っていくつぐらいあるんだろう?雑誌なんかを見ているとどんどん増えてきているようだ。これは品質向上というよりも、政治力のようなものの影響によるもののようだが、昔は皆無だったシチリアにも新たにDOCGが生まれている。

それがこのチェラズオーロ・ディ・ヴィットーリア。いずれも地場品種のフラッパートを40%以上、ネロ・ダヴォーラを60%以下使用しなければならない。

一般的にネロ・ダヴォーラは肉付きよくスパイシー、フラッパートは酸がある軽快な味わいに特色があるという。それぞれを補うかのようなブレンドになるはずだがどうか。

造り手のヴァッレ・デッラカーテはこのDOCGを造るワイナリーの組合長であり、シチリアでも有数の造り手と評判が高い。

色は明るめのルビー色。エッジは若干薄め。香りはカカオ、ブラックベリー、黒コショウ、アニス、丁子の香り。スパイシーな香りが開いており、若干獣的な香りも感じられる。

アタックはやわらかな酸とともに、果実の甘さ、そしてその後にスモーキーかつスパイシーな香りがふんわりと口中に広がっていく。最初感じた甘さほどにミッドの果実味は強くない。酸と茎をかじったような苦さが程よく味わいを引き締めており、シチリアワインによくある野放図な味になっていない。口の中に納まりのよい味わいのレベルに留まっている。

余韻は中くらいで、案外繊細できめ細やかな旨さが残る。そしてビターチョコのような後口が印象的だ。しつこさが全く無く、次の1杯に心地よくいけるのはシチリアワインらしからぬキレのよさというか、いさぎよさだ。

味わいのバランスもさることながら、いろいろな表情が読み取れる、複雑さを兼ね備えている。味わいに個性があるので、フツーでは飽き足らない人には結構インパクトがあるかもしれない。これで2千円以下なんだから、コスト・パフォーマンスは絶大。よくできてます、脱帽。

【紀の国屋(吹田・豊津) 2,000円】

2007年6月24日 (日)

クッリーヴ シチリア グレカニコ2005

Spveahl1
土着品種が山ほどあるイタリアワイン。その道に足を踏み入れたらなかなか抜け出せない。ワインショップで珍しいものに会うとついつい手にとってしまう。これも珍し物好きのサガか?

このワインもそうしたものの一つ。シチリアの西部で栽培されているグレカニコ種100%。名前からしてグレカ、つまりギリシアだから、ギリシア由来ということでその歴史は古いことがわかる。もともとシチリアはギリシア人の植民地として歴史に登場した。アグリジェントのギリシア遺跡はよく保存されていて本当に素晴らしかったのを思い出す。2年前訪れたとき、その荒れた表面、赤茶けた色合いに触れたとき、本当に2千年以上の歴史を体験して非常に感銘を受けたものだ。

このワインは究極の自然派醸造家、フランク・コーネリッセンが安くてうまいワインを作ろうと、全量日本輸入というプロジェクトの元で作り上げたワインだそうだ。ブドウを皮と種をそのままの状態でつぶして、自然酵母で発酵、ステンレスタンクで1週間発酵させる。二酸化硫黄は勿論無添加。

さて、このワイン、グラスに注いだとき「なんじゃこりゃ?」と思ってしまった。濃いリンゴジュースのようで、濁りといってもいいほど透明感がない。香りも酸化したような独特な香り、時間のたったリンゴ、八朔の皮、青草を折ったときのような青い香りがある。

酸は穏やかだが、ミディアムボディが苦さを伴ってこれもまた独特。しかしくどくはない。軽やかで、やはりリンゴジュース、それもじかに絞ったジュースが時間を置いて若干すっぱくなったような感じに似ている。ジューシーながら少しひねた感覚は好き嫌いはあるだろうが、僕には結構いい感じだ。

余韻はそれほど強くないが、繊細な旨みはふんわりと口の中に残る。シチリアワインだが、アルコール度は11%と低めに抑えられている。本来ならもっと強くなるはずだが、これはたぶん醸造者の意図があってのことだろう。

好き者にはわかってもらえるだろうけど、あんまり一般的ではないな。でもいいや、僕は好きです。でもこのワイン全量日本輸入らしいが、日本人買うだろうか?そっちのほうが心配だけど...

【ワインショップ ベリエ 約2,000円?】

2007年5月18日 (金)

テヌータ・デッレ・テッレ・ネ−レ エトナ・ロッソ2004

Dego6guw
またシチリアワインです。シチリアのブドウといえば、ネロ・ダヴォラだが、もう一つ、最近流行のブドウはネレッロ・マスカレーゼ。

ネレッロ・マスカレーゼは肉付きの良いネロ・ダヴォーラに比べると酸が強い。だから肥沃な土地で安易に作ると酸の強い薄っぺらなワインになってしまうという。

しかし最近は優秀な作り手がこのブドウですばらしいワインを産み出している。代表的なものはアンドリア・フランケッティの「パッソ・ピッシャーロ」。そしてこのマルク・デ・グラツィアのワインもまたその一つだ。

火山で有名なエトナ地区はギリシア時代にさかのぼるワイン産地だ。もともとシチリアはギリシア人の植民地として歴史に登場してきた。このあたりにワインを植えつけたギリシア人だが、その眼鏡にかなったこの地域の溶岩土壌は土に気泡を多く含み、地下深くの根まで酸素が供給されることがワインの深い豊穣な味わいをもたらすのだそうだ。

色は深みのある濃いルビー色。黒味が強い。香りはプラム、チョコレート、カラメル、焦げた香り、紹興酒の香りがする。甘いニュアンスの香りが中心にある。

アタックの酸は結構強い。酸のあとにやってくるタンニンはまだこなれていない。とげとげしさがあり、調和しているとはいいがたい。口の中にほろ苦さが大きく広がっていく。上品さには欠けるが、旨みのポテンシャルは豊かだ。ボリューム感も豊富で、力強さにみなぎっている。

余韻も旨みが長く続く。しなやかな余韻ではなく、キレは悪いかもしれないが、この甘めのコクは決してキライではない。

確かにポテンシャルのあるワインだと思う。シチリアのような肥沃な土地であれば、酸のあるブドウのほうがより上品なワインになりうる可能性はあるのかもしれない。しかし悪く言えばアンバランスなこのワインを飲むと、それを成し遂げるにはよほどの努力と才能を必要とするように思えた。

【グラシアス大阪空港店 3,990円】

2007年4月27日 (金)

ヤレ2005 クスマノ

Yfct3f9r
シチリアの市場にあふれる色濃い農産物、こんな農産物を産む肥沃な大地であれば、当然ブドウも力強いものになるはず。地場の品種ならいざしらず、それがシャルドネであればどうなるのか?

色は少し焼けた印象のある麦わら色。照りがあり健康的だ。アルコールのボリュームは14%と普通のワインより若干高め。しかし思っていたほどワイン自体の粘着性はない。グラスを傾けたときに下がってくる液の落ち方は早く、サラットしている感じだ。

香りはママレード、マロングラッセ、酸化熟成のひねた香りもある。非常にトロピカルな感覚が強い。

アタックはボリューム、酸もしっかりしている。そのあと無骨というか、しっかりした苦味がやってくる。シチリアながらブルゴーニュタイプを志向しているようだ、ムルソー的な感覚に近い。ブラインドで飲めば、ブルゴーニュの白といってしまうだろう。

ただ全体的に硬い。まろやかさに欠ける。苦味も少しえぐいところがあるので、まだまだこなれていない印象だ。でも余韻は悪くない。そんなにしつこくはないし、口の中に広がるフレーバーは香りも甘く心地よい。

シチリアのシャルドネなので、最悪ベターッとした感じなのかと思っていたが、なかなかどうして、品のよさも帯びつつある発展途上のワインだと思う。こなれてない感じはぬぐえないが、この価格帯のワインであれば、少々上品になりきれないガサツさがあったほうが印象深いし、シチリアらしい味があっていいんじゃない?

【阪神百貨店 3,800円?】


2007年3月29日 (木)

パッソ・デッレ・ムーレ2004

Cykvosbz
またしてもシチリアのネロ・ダヴォラです。イタリアも王道トスカーナが少なくて、シチリアばかり紹介するのが多くなるのもどうかと思ってしまう自己嫌悪。

今日のシチリアは「サラパルータ公爵」の定番品、「ラバの通り道」。シチリアワインの定番、CORVOシリーズもここから出ている。CORVOも価格を低く抑えた品質の高いワインとしては定評があるので、このワインも安いが若干期待。

香りは非常に甘い。プラム、きいちごジャム、葉巻の香りだ。色はねっとりした色調のあるルビー色。黒味が強い。

アタックは一瞬甘さを感じるが、その後かなり強く収斂性のあるタンニンがやって来て、そして鋭い酸がタンニンを押し流すかのように怒涛の如くやってくる。この鮮烈な酸がタンニンの後に遅れてやってくる感覚が珍しかった。

酸がこの荒っぽいタンニンを包もうとするのだが、このタンニン自身は若い木の茎をかじったとき(実際昔自分、よくかじってた)のような渋さもあり、包みきれない。やはり土地のパワーなのか、おさまりがつかないのだ。キライじゃないけど、バランスしているかと問われれば、少し偏りがあるのは否めない。余韻は果実味の甘さが口の中に残り、長く残るけど重めかな、と思う。

公爵家の誇りを胸に、上質かつ重厚なワインを嗜好しているのかな。かなり濃密なネロ・ダヴォッラながら価格は低めというところは好感が持てる。飲む人によっては重たい、と感じる人もあるだろうが、シチリアなんだから少々重たいくらいが愛嬌があっていいのではないかと思う。

【阪急百貨店 2,500円】

2007年3月22日 (木)

ロッソイブレオ2005 グルフィ

Fjgjq1bz
自分のワイン嗜好ってあまり偏りがないと思ってるんだが、こうして記録してきてみるとやはり偏ってるなぁと思う。ピエモンテはバルベーラばっかだし、イタリアワインでもやっぱりシチリアが増えてる。貧乏性なので価格的に高いワインを飲まないんで仕方ないのもあるが。

南のワインが多くなっているのは最近非常に面白いワインが増えてきて、興味をそそる事が多いからでもある。シチリアワインもやはり店頭に出てくる頻度が多くなってきた。乾燥地帯で、火山の影響を受けた土壌でもあるから、もともといいワインを産むベースにあると思う。

このワインはシチリアの地場品種で最も著名なネロ・ダーヴォラ。色は深い黒味のあるルビー色。香りは鉄、カシス、チョコレートと甘めの香りがする。

アタックはやわらかいポッテリとした酸で、そしてそこにくるまれたタンニンがパッと口に広がっていく。タンニンは少々荒い。果実的な甘さが心地よいが、余韻は短め。最後に口の中をゴツゴツとした渋さが残る。ミディアムなボディの割に若干最後の力不足な点は否めない。全体的には味の深み、コクというものはないかな、という感じだ。

ネロ・ダヴォーラにあるベタベタっとしたところはないので、飲んでいて軽快なワインだ。物足りない面もあるが、価格対品質の点で不満と言うわけではない。ゴツゴツも自分は結構好きなタイプだ。サラッとしたワインよりはそういう荒々しいタイプのほうが印象に引っかかるから。

【橘田酒店 2,000円】

2007年1月13日 (土)

テッレ・ダガラ2002

_ztimnhg
イタリアワインになぜシチリアを別カテゴリーに設けるのか?それは単なる思い入れだけの問題。

シチリアの品種といえば、ネロ・ダヴォラ。パワフルで果実実あふれるいかにも南国産といったワインが出来るが、ともすると硬くて鈍重なワインにもなりやすい。

最近はネロ・ダヴォラとは違う品種のワインも入ってきている。このワインもそのうちの一つで、ネレッロ・マスカレーゼとメルローの混醸。

ネレッロ・マスカレーゼは酸が強く、色調もネッロ・ダヴォラより淡い。酸っぱいワインになりやすいというが、さてさて。

香りは八角のような香辛料の香り。ミント香、木を折ったときの切り口、ブドウを食べた後に残った茎のような香りがある。

最初飲んだときのインパクトはあまり感じないが、しばらくするとシャープな酸が口の中を包む。タンニンは弱い。酸が消えると、舌の横側をくすぐるかのような微妙な収斂性を感じる。余韻も微妙。上品ではあるし、するする飲める心地よさは感じるが、印象に残らない。

シチリアワインの重々しさとは一線を画す作りを狙っているのかもしれない。メルローと合わせてるのもそのせいか。しかしこれをシチリアで作る意味があまり感じられない。土地のパワーを殺すくらいなら、重々しい鈍重なワインのほうにかえって魅力を感じてしまう。

【購入データ 1,800円? 京都大丸】

マンドラロッサ・シラー2004

Csnxheae
シラーは南フランスで最も実力を発揮するスパイシーなブドウ品種。そして最も愛すべき品種。シラーと聞けば飲まずにはいられないのだ。

以前シチリアを旅行したとき、この乾燥した大地、そして太陽の光があまねく降り注ぐこの地はシラーにうってつけじゃないのか、と思った。しかし最近までシチリア産のシラーにはお目にかかったことがなかった。そして、ふと立ち寄った京都の明治屋で目に付いたのが、このリーズナブルな価格のシラー。

香りはベリージャム、コショウの香りがある。シラーらしい特徴は備えていた。しかしボディが思いのほか弱い。鋭角な酸のわりにタンニンのインパクトが細いのでどうにもバランスが悪い。余韻もスーッと消えていく。

土地のポテンシャルはあるのだから、たとえ千円台のデイリーでももう少し期待にこたえてもらえたら、と思うのだが、そこまではないものねだりなのか?うぅーん、もうちょっとさがしてみよーっか。

【購入データ】1,575円 京都明治屋