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カテゴリ「ワイン イタリア 南部」の44件の記事 Feed

2014年8月 9日 (土)

アジエンダ・アグリコーラ・チレッリ ヴィノ・ロザート2012 アブルッツォ(イタリア)

140809cirellivinorosato台風直撃の恐れで、外出を控えざるを得なくなった週末は、おとなしく普段通りの家呑みタイム。昨日作った山椒をたっぷり効かせたかなりピリ辛風味の麻婆豆腐がまだ残っていたので、それに合わせる形で選んだのはロゼワイン。

イタリア、アブルッツォ州のブドウと言えば、白はトレッビアーノで、赤はモンテプルチアーノが代表格。このロゼもモンテプルチアーノ種によるものだが、造り方が凝っている。

チレッリは最近トレッビアーノの方を飲んで好きになった造り手。ラベルにもあるようにアンフォラ熟成を特徴としているが、それだけでなく、ブドウは厳格なビオロジック、野生酵母を使っているが、白を試した時の飲み口は至ってスムースで、通常のトレッビアーノ・ダブルッツォとは異なる濃いエキス分と滑らかな酒質が印象的だった。

色はクリアでやや濃いめの色調のオニオンスキン。香りはラズベリー、スミレ、鉄のような金属的香りも感じられる。

アタックは落ち着いた酸味と、しっかりしたエキス分を感じ、その後やや甘みを伴ったベリーの果実感がふくらむように広がってくる。大きな味わいではないが、コンパクトにまとまったチャーミングかつ雑味のないすっきりした飲み心地は、中盤から後半にかけても柔らかさを感じさせ、程よいタンニン感が複雑さと味わいに締まりをもたらす。

終盤は細身だが綺麗に伸びるベリーのジューシーさが残りつつ、切れの良いさっぱりした余韻へとつながっていく。

南のロザートらしい甘みもあるが、その甘みがくどすぎず、ピュアさを保って最後まで飲み飽きしない。そして全体を包み込む大らかな空気、雑味感のない自然な飲み心地がゆっくりした休日には相応しい。たまのロゼだが、これはストックに入れてもいいかな。

【エーテルヴァイン岡崎店 2,800円?】

2014年6月21日 (土)

カーサ・ダンブラ ペッレ・パルンモ2011 DOCイスキア(カンパーニャ州)

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イタリアに限ったことではないが、同じブドウが地方では異なる名称で呼ばれることは良くあることで、このブドウもまたその一つと言える。Per'e Palummo、綴りも難しいが、ペッレ・パルンモと呼ばれるこのブドウ、実はカンパーニャの主要品種、ピエディ・ロッソのこと。ピエディ・ロッソはカンパーニャ州の古い土着品種で、1世紀には既に文献に登場する。「赤い脚」と呼ばれるこのブドウは、黒ブドウ品種としてアリアニコに次ぐ栽培量をこの州では誇っている。アロマティックな香りの特徴から、よくブレンド用として用いられていたが、最近は単一でも目にするようになった。

DOCイスキアは島独特の個性を重んじ、赤はグアルナシア40~50%、ペッレ・パルンモ40~50%、その他品種を15%まで混醸できる。しかし、イスキア島の盟主、カーサ・ダンブラが醸すこのワインはペッレ・パルンモ、つまりピエディロッソ100%によるもの。

色は赤みの強い、ビロードのような質感を感じさせるルビー色。香りは花のエッセンス、ザクロ、アセロラ、ラベンダーのようなアロマティックさが前面に出ている。

口に含むと落ち着いた果実味の中に、紫蘇のような味わいが感じられる。タンニンは少なく、飲んでいて負担感のないおおらかな味わい。整えられたボディは凹凸が少なく、するりとのど元を流れる感覚が心地よい。複雑さは感じられないが、ストレートで雑味のない優しさが後半まで満ちている。

余韻は熟したベリーの甘みがほどけるように散じつつ、最後まですっきりした軽やかな味わいを保っていく。

南イタリアの赤に時としてあるような押しの強さは全く感じられず、するするとジュース感覚で飲めてしまう、気軽な赤ワイン。重いワインの合間にちょっとした息抜きにこういうワインが出てくると、変化がついて面白いだろう。変化球的な使い方ができそうなワインだな。

【タカムラ 2,200円?】

2014年5月 4日 (日)

ナンニ・コペ テッレ・デル・ヴォルトゥルノ2010 IGTカンパーニャ

140501nannicope2010これから暑くなると、南イタリアの赤ワインを飲む機会は自然と減るかもしれない。シチリアのネレッロ・マスカレーゼはその酸とスマートな果実味で別格だが、やはり南の赤は夏に飲むには力が強すぎる。

という思い込みもあって、夏になる前に飲もうと思ったカンパーニャの赤ワイン。ただし、品種はカンパーニャ州でも土着の中の土着と言える、パラグレッロ・ネーロとカーサベッキア。

カンパーニャ州の北部、カセルタで土着品種の可能性に着目して、この2品種によるワイン、ただ1種類のみを世に送り出しているナンニ・コペ。作物なら何でも栽培できそうなほどの温暖な気候と肥沃な大地に恵まれるこの地では、大量生産できる品種で手っ取り早いワインが作られ北へと送られていたが、その流れは今や大きく変わり、今やナンニ・コペの思想、土地に根付いた品種を尊重することがイタリアワイン造りの主流の一つとなっている。

パラグレッロ・ネーロとカーサ・ベッキアは遺伝子的に関係がある品種のようだが、この2種類のうち前者を主体とする。温度を抑えてステンレスタンクで発酵、その後はフレンチオークの大樽で熟成させる。

色は深い赤をたたえた、落ち着きのあるダークルビー。香りはフランボワーズ、ブラックチェリー、黒胡椒、ローズマリー。

口に含むとジューシーでストレートな赤いベリーの酸が滑り込んでくる。その酸に導かれた果実味は熟しながら、柔らかさ軽やかさを失わない。そしてその果実味に寄り添うような控えめながら細かで密なタンニンがワインを軽やかなだけでない、奥深いものにしている。中盤から後半にかけて、酸と果実味、タンニンが一体になった味わいが整然と座って、エレガントな味わいを演出する。

余韻は後半からのエレガントさをたたえつつ、雑味のないクリアなベリーの後味を残しながら、最後まで流麗さを尽くしてフィニッシュに至る。

南のワインでありながらフレッシュで軽快な味わい、しかし軽薄には陥らない質を十二分に備えている。カンパーニャの新たな魅力を発揮しているワインと言って差し支えはないだろうな。Good JOB!

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 3,800円?】

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2014年2月22日 (土)

マセッリア・スタルナリ コンテ・ディ・ガッルッチョ アリアニコ2009 DOCガッルッチョ

140222contedigalluccioイタリアワインは好きでもどちらかと言えば北派で、酸味が主体となって構成される味わいの方が好みだ。比べると南は果実味、熟したブドウの重量感が感じられる味わいの方が多い。それは品種によっても左右されるのだろう。

その南にあって最も重要で高く評価されている品種と言えば、第一にアリアニコが思い浮かぶ。この品種は南を感じさせる果実味と豊富なタンニンが印象的だが、銘酒タウラージでは両者の個性が均整なバランスを保ちつつ、豊かなフィネスも加えてくるポテンシャルを有する。

しかし、このガッルッチョというDOCは初めての体験だ。カンパーニャ州とラツィオ州の境に位置し内陸、赤ワインはアリアニコ70%以上を要件とする。このワイナリーは2000年から家族経営の有機栽培を行っている。このワインはステンレス発酵、400リットルの比較的大きな樽で12か月の熟成を経ている。生産は全体で14,000本、このワインは4,000本と少ない。

色は深く暗めの濃密なダークルビー。香りは赤いバラの香りをまず感じ、その後にプルーン、カカオ、バニラ、革といった重めの香りが絡むように感じられる。

アタックはなめらかだが、やや冷涼な酸を感じ、その後にボリューム感を抑えた果実味とともに迫ってくる豊富なタンニンがしっかりした骨格を感じさせる。中盤の味わいは細い路地を抜けて視界が広がった時に感じるような、緊張感から解き放たれた伸びの良い黒いベリーの旨味が広がる。序盤は少し粗いと思ったタンニンも程よく昇華し、タイトなボディと調和しつつ、後半の落ち着いた味わいを奏でる。

余韻は均整のとれたタンニンと細めの果実味が密に絡みつつ、穏やかな弧を描くようにゆるやかに散じていく。

アリアニコと聞いて感じた印象よりもやや硬質で、しっかりした酸味を持っているが、やはりベースには濃密な果実味を持っている。それは内陸故に生み出される気候の影響であろうか。ガッルッチョ、発音はしづらいが覚えておいて損はないDOC。

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 3,200円?】

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2013年9月18日 (水)

ベニト・フェラーラ グレコ・カンパーニャ ドゥエ・キッキ IGT(カンパーニャ州)

130911greco白ワインが好きだけど、好みは酸がしっかり乗っていて、フォルムが感じられる硬質なものだ。その点で、南の白ワインはその大らかな果実味ゆえに選択に困る場合が個人的には多い。難しいジャンルだ。

その中でもグレコという品種は一つの手がかりになる。南イタリア固有の品種だが、全体に感じる閉じた感じと、粘質の弱さが、トロピカルフルーツのような濃厚さが出ている南のワインとは一線を画すからだ。

このカンパーニャの作り手、ベニート・フェラーラはそのグレコを85%、そこにやはり土着品種コーダ・ディ・ヴォルペを15%混醸させた。。この地域のグレーコはミネラルが強すぎるので、普段の食事には合い難いからコーダ・ディ・ヴォルペを15%ブレンドして柔らかく仕上げた、とは生産者の談。ドゥエ・キッキとは2粒という意味で、グレーコとコーダ・ディ・ヴォルペのことを象徴させている。

色はきらびやかなゴールドイエロー。香りはグレープフルーツ、ビワ、バックにミント、少し人工的なセルロイドの香りも感じられる。

アタックは締まった酸味がしっかりした輪郭を感じさせる。粘性はそれほど感じられず、残糖の少ないドライな果実味はすっきりした味わいを形作り、ミネラルも繊細で柔らかい。中盤からは堅固な外郭の中で伸びのある優しい酸味と、流れるような旨味が綺麗に絡み合う。

余韻は明確なフォルムが最後まで残りながら、すっきりした旨味が程よい苦みと共に潔く昇華していく。

南イタリアの白に比べると、明確に輪郭を感じさせる味わいは自分にはとても好ましい。造り手の意図が伝わる、個性的なワインと言えそうだ。

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 2,500円?】

2013年3月19日 (火)

ロベルト・ルカレッリ ロコ2010 DOCビアンケッロ・デル・メタウロ

130316bianchello以前ほど熱狂的ではなくなったのかもしれないが、それでも「土着」は自分にとっての主要な探究項目だ。しかしブドウ品種は世界的にざっと数えても1万種類は超すそうで、それを全部飲み尽くすのは不可能に近い。最近出版されて、自分のガイドでもあるワイン品種の泰斗、ジャンシス・ロビンソン著「WIne Grapes」でも、そのうち商業的に一定量のワインを作っているとして1,368種を扱っているに過ぎない。

珍しい土着品種を手っ取り早く探そうと思えば、やはりイタリアになるだろう。このワインもマルケ州の州都であり港町、アンコーナ周辺で作られるビアンカーメ(ビアンケッロ)種によるもの。

ロベルト・ルカレッリはこの地でビアンカーメ種とサンジョヴェーゼに集約した生産を行っており、畑は石灰を含む粘土質だという。マルケ州などアドリア海沿岸は石灰質の土壌が広がり、海側から内陸に少し入ると粘土質の土壌が広がるから、ちょうどその中間といったところだろうか。彼がこの希少品種に賭ける情熱は並大抵のものではないようで、その特質を活かすため、発酵は大樽をつかうものの、熟成はステンレスタンクで行っている。

色はオイリーな質感のあるゴールドイエロー。ディスクも厚い。香りは華やかでオレンジ、アプリコット、黄桃、バニラ、キンモクセイ、鉄粉のような金属的香りもバックに感じられる。

アタックは柔らかで熟れた温かみのある酸と、グレープフルーツのような果実味がボリューム豊かに迫ってくる。果実味はボリュームがあるものの放埓に弾けず、程よい苦みが相まってバランスの良い味わいへと昇華していく。ある程度の粘性は感じられるが、キレの良さと旨味のクリアさが中盤にかけて広がり、落ち着いた豊かな旨味を形作る。後半に広がる苦みのミネラル感が最終盤の味わいを引き締め、複雑さを与える。

余韻はオレンジの甘さをゆったりとたたえつつ、ほのかな苦みがアクセントとなり、クリアな後味を残しながら、さらっと引いていく。

香りと色合いのボリューム感の印象からすれば、味わいは予想外に引き締まって硬質な感じだった。イタリア南部の白にありがちな、後味の引きのもたつきも全く感じず、爽やかな後味が印象的。この品種をこの地で作り続ける生産者の探究の成果をひしひしと感じる味わいだった。

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 2,800円?】

2013年1月22日 (火)

エレアーノ アリアニコ・デル・ヴェルトゥーレ2006 DOCアリアニコ・デル・ヴェルトゥーレ

130120eleano誰にでも好き嫌いはあるはずだけど、ブドウ品種にもそれはあって当然だろう。自分にとって必ずしも好きと言えない品種は、南部系のぽてっとした印象のする、酸味よりも果実味が立った傾向の品種だ。その流れで言えば、フランスではグルナッシュ、イタリアではアリアニコはどちらかと言えば苦手な品種だ。

ただし、品種によってそうした印象が覆る場合があり、その時こそワインがテロワールの影響を色濃く受けている証明と言える。だからこそ、苦手な品種だからと言って門戸を閉ざすわけにはいかない。

アリアニコでもこのDOC、アリアニコ・デル・ヴェルトゥーレは例外的に好きなワインだ。バジリカータ州はイタリア半島の「土踏まず」的場所に位置し、このDOCは地中海とアドリア海の中間点に位置する内陸部にある。南イタリアでありながら季節の寒暖の差が激しいことから、きれいな酸が生まれる素地がある。このワインもその酸を活かすため発酵はステンレスタンクで行い、その後の熟成は木樽で2年、瓶熟半年を経て世に出る。

色は凝縮した煮詰めた感じの暗いブラックルビー。香りは赤い花、カシス、紫キャベツ、ラベンダー、黒胡椒。

アタックで広がるしっかりした酸の中に、細かなタンニンが詰まっている。抜けの良い酸からバトンタッチするように広がる熟しているが節度ある果実味が優しい。角の取れた優しい味わいが透徹し、ボリューム感も中盤から後半にかけて急ぐことなくゆっくりと増して、穏やかな味わいを構成する。

余韻は安定した味わいが最後まで持続し、エレガントな旨味を残しながらゆっくりと引いていく。

南イタリアの赤ワインに欠けがちのきれいで芯のある酸味が、このワインにはしっかりと感じられる。やはり自分は酸味の活きたワインが好きなんだな、と改めて実感。

【Wineshop FUJIMARU 4,000円?】

2012年6月23日 (土)

フェッロチント カベルネ・ソーヴィニヨン2009 IGP(カラブリア州)

120623ferrocinto知名度調査をすれば、ワインの中で白品種といえば、シャルドネ。赤と言えばカベルネ・ソーヴィニヨン、という結果になるのは自明だろう。ただ、白は文句なし、といえ赤については異論が出るかもしれない。しかし、世界中に植えられて、ポテンシャルを持ったワインをその土地、その造りなりに生み出すポテンシャルはこのブドウ以外にありえない。

そのポピュラーさによってついつい敬遠してしまいがちだが、決してそうでもなく、特に重厚で深みのあるワインを飲みたいときには普通にこの品種主体のワインを選択する。しかしイタリアにあってはそれを躊躇する時も往々にしてあった。イタリアでは、そうした品種の先入観を時にして裏切る場合もあったからだ。品種よりも土地の力が強いのか、と思う場合が。

イタリア半島のつま先に位置するカラブリア州はワインは殆ど自己消費的な産地。わずかにガリオッポという土着品種によるチロという赤ワインを生産しているが、このワインはそんな風潮とは違う国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨン。カラブリア州とバジリカータ州の間に位置する山脈のふもとにあるワイナリーではぐくまれるワインは、その地形ゆえに寒暖の差が激しく、南イタリアと異なり雨量も豊富な場所だという。

色は黒味の強いどっしりした重みのある濃縮したルビー色。香りは黒胡椒、黒オリーブ、粘土、カカオ、鉛筆削りかす、バックに樟脳の香りも感じられる、重ための香り。

口に含むと最初はまろやかだが、徐々に押しを強めてくる果実味とアルコール感。しかしボリューム感は南の産地の印象ほどには攻めてこない、程よいまとまりのある味わい。そこにカベルネ・ソーヴィニヨンというよりもカベルネ・フラン的な青さが全体を覆うかのように広がってきて、中盤から後半にかけてのイタリアらしからぬ、不思議な青さが感じられる。

余韻はしまった果実味と、少し青さが感じられる香りと細かで中庸なタンニンがバランスを保ちつつ、南イタリアらしからぬ繊細さと控えめなボリューム感を残しながら、柔らかく優しく引いていく。

南イタリアのワインはどの品種でも濃厚で果実味の乗ったワインになるという印象だが、こちらはボリューム感を削いで、その分品種の個性を前面に出した味わいになっている。ステンレスタンクでの発酵、熟成100%を経ていることが、その味わいに大きな影響を与えているのだろう。予想を裏切ってくれたこのワイン、やはり飲んでみないと何事もわからないということかな?

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 2,000円?】

2010年5月 6日 (木)

ペルティカイア トレッビアーノ・スポレティーノ2008 IGTウンブリア

100505trebbiano大阪のイタリアワインファンでは恐らく知らぬものはないであろうニシノ酒店にこの間初めてお邪魔した。面白そうなイタリアワインの数々の中からチョイスしたのは最近少しはまりつつある、トレッビアーノの白ワイン。

ペルティカイアとは「鋤」という意味だそうだ。中部イタリア、ウンブリア州でワインを生産しているこのワイナリーだが、2000年がを初ヴィンテージというからまだ若いワイナリーだ。ここで醸す白ワインはトレッビアーノ・スポレティーノ。トレッビアーノはフランスで言うとユニ・ブランという蒸留酒向けに造る大量生産用の品種、というように書かれているが、どうやらいろいろな亜種があり、一概には言えないようだ。トレッビアーノ最高のワインと称されるヴァレンテイーニも、品種はボンビーノ・ビアンコというし。

色は輝きのある麦藁色。香りはヨーグルト、青いバナナ、白ネギ、フルーツの砂糖漬のような甘い香りもある。

口に含むと穏やかで丸みを帯びた酸が舌先に優しい。膨らみのあるボディの中に金属的な硬質の酸も備わっており、しっかりした骨格を感じる。ほのかな苦みがアクセントとなって、このワインの味わいを豊かなものにしている。中盤の膨らみは中程度だが、口の中を柔らかくくすぐる酒質の優しさがとても印象的で、角が取れた味わいが飲み疲れさせない。

余韻はすっきりしているが、程よく塩っぽさ、ミネラル感もあり、このワインの複雑さを最後まで保っている。

旨みもしっかりあるトレッビアーノ。この品種もいろいろ亜種があるようなので、一くくりにはできない難しさがあるようだ。ま、なんでも飲んでこそ解るものがあるから、品種ってのはあくまで手がかりに過ぎない事は忘れちゃいけないとは思っているつもり。

【ニシノ酒店 2,580円】

2010年4月21日 (水)

アグリコーラ・プーニカ バッルーア2003 IGT(サルディーニャ)

100418barrua_2土着品種にこだわっているつもりはないけど、イタリアワインの魅力の大部分が、他では真似できないこうした品種の表現力、多様さに負っていることは確かだと思う。

全てを飲みつくすことは無理だけど、せめて主要品種は飲んでみたいと思うのだが、それでさえ至難の業。そしてそうした至難さの理由はサルディーニャという島の存在にある。

現在のイタリアを形成する上で島と言う地形的理由では両極と言っていいシチリアとサルディーニャ。しかし歴史的に後者は前者に全く太刀打ちできない。今でさえ観光的な評価はシチリアが話題に上がっても、サルディーニャは単なる他にあるようなリゾート地のそれでしかない。そしてワインでも同じような評価がされつつある。しかし気候面からすれば、サルディーニャもまたシチリアに負けるとも劣らない潜在力はあるはずだ。

このワインはフランスではあまり評価されないカリニャン、イタリアではカリニャーノを主体としたもので、サッシカイアの醸造家、ジャコモ・タスキとサルディーニャのワイナリーのコラボレーション。カリニャーノ85%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、メルロー5%。

色はエッジにオレンジが入りつつあるが、まだ沈着したガーネット色。香りは干しブドウ、卵焼きの焦げたところ、カラメル、黒糖、醤油煎餅、八ツ橋のような香りもバックに感じられる。

口に含むと、案外滑らかで刺激の少ない味わい。酸は丸く穏やかで、その直後に重量感のあるまとまったタンニンがどっしりとやってくる。若干荒々しさも残るが、バランスをキープしようとする努力がこのワインには強く感じられる。そして終盤に表れるほろ苦さと甘さが同居する味わい、まさにビターチョコを食べている時のような心地が穏やかに現れてくる展開が心憎い。

余韻は稠密で、しかしでしゃばらないタンニンをベースにした、程よい甘みが気持ちよく伸びて、やさしくゆったりと引いていく。

カリニャーノ、或いはカリニャンという決して力のあるブドウではないかもしれないところからこれだけの要素を引き出す醸造家のインスピレーション。そこに加味されるイタリアという世界最高の豊潤な大地の力。そのコラボレーションの成果は十分魅力あるものだったな。

【Cave d'Orange 5,500円?(割引中)】

2010年3月25日 (木)

マシャレッリ トレッビアーノ・ダブルッツォ カステッロ・ディ・セミヴィコリ2006 

100324castelloトレッビアーノという品種は有名だけど、敬意は払われていない品種のような気がする。フランスではユニ・ブランとして収穫量の多いブドウ品種として、ワインよりもコニャック用の蒸留向けに造られていて、「質より量」的な扱いを受ける。

フランスではこの品種から驚くようなワインは生まれないが、イタリアではそうとは限らない。確かに大量消費用のゴクゴクいけるワインの方が多いのかもしれないが、中には価格も相応するワインも存在する。このマシャレッリのワインもトレッビアーノとしては高価な部類に入る。

イタリア中部でアドリア海に面するアブルッツォ州。ここでは赤ならモンテプルチアーノ、白ならこのトレッビアーノ(ボンビーノ・ビアンコ)から造られるワインが有名だ。マシャレッリはアブルッツォ州の代表的生産者。このワインはステンレスタンクで発酵させ、瓶熟1年を経て出荷される。

落ち着きのある枯れた麦藁色。洋ナシ、セメダイン、缶詰シロップ、柑橘の皮、砂糖漬けの果物の甘い香り。

口に含むとほろ苦さと重量感のあるがっちりした熟れた酸を感じたと思ったら、直後に中から飛び出してくるように鮮烈な推進力のある酸が突き進んでくる。酸が収束すると、そこに熟れた旨みが穏やかに広がり、ふっくらしたボディを形成する。重々しくはないが、存在感のある旨みが安定感を形成する。

余韻はほんの少し感じる酸の収斂感から来る苦みがほどよく感じられ、ふんわりとした旨みの心地と共にゆったりと引いていく。

昔はこういう品種の高いワインはあまり関心がなかったけど、最近は逆に関心がある。先入観を覆した時の印象はまた格別だし、このワインの持つゆったりとした雰囲気もまた、この品種に対して持っていたイメージとは全く違うものだった。この造り手のリーズナブルなトレッビアーノも試してみたいな。

【ワイン・グロッサリー 4,150円くらい】

2009年10月13日 (火)

カンティナ・ノヴェッリ トレッビアーノ・スポレティーノ ウンブリア2008 IGT

091012このところクロアチアとかスロヴェニアにはまっていたので、こうしたイタリアの白を飲むのも久しぶりのような気がする。ウンブリア州、イタリアの中部に位置するこの小さな州は、海に面していない内陸の州だ。今でこそイタリアワインの中で決して知名度が高いとはいえないが、古い歴史を持っている。

この地域の土着品種であるトレッビアーノ・スポレンティーノはいわゆるトレッビアーノと起源を同じくしているが、最近はこの地の固有品種として生産者の注目を集めいている。この地で生産されている品種は従来トスカーナとほぼ同一だったが、これからはこうした独特の品種によるワインが増えてくるのかもしれない。

色はうっすらと黄緑を帯びた若い麦藁色。香りはオレンジピール、青いバナナ、カルピス、消しゴムの香り。

口に含むと鮮烈な青い柑橘系の酸と、その皮にあるようなほろ苦さが一体となって上がってくる。残糖は殆ど感じられず、ドライな味わいだが、刺激はやわらげられ、ゆったりとしたふくよかさを持っている。そして中盤以降は塩っぽいミネラル感がベースに残る。

余韻はそのミネラル感と最初に感じたほろ苦さがしっかり舌の上に残り、ほっこりした優しさを感じさせながらゆっくりと引いていく。

引き締まった酸と、程よいミネラル感がきっちりと感じられるワイン。ウンブリアのワインはまだまだ飲む事が稀なのでその特徴をはっきり表現することはできないが、少なくともこのワインに関しては気取りも押しつけがましさもない、要素をストレートに感じることができる実直なワインということが言えそうだ。

【Cave de Vin 3,000円?】

2009年5月 9日 (土)

カンティーナ・ジャルディーノ ソフィア2006 カンパーニャ・ビアンコ IGT

090501 暖かくなってきたので、徐々にではあるが嗜好も白ワインにシフト中。ただし、そこはまだまだギンギンに冷やすまでしなくてもいい季節なので、どぶろく系の濃~い白?というか褐色ワインが丁度いいかもしれない。

このワインも輸入元はヴィナイオータだから、まずそうしたワインに違いないし、以前同じ作り手のパスキというワインも飲んだ。

http://cesc22.blog.eonet.jp/default/2009/03/2007-e048.html

コーダ・ディ・ヴォルペという土着品種100%のワインで、ブドウの皮の下についている一番旨みのある部分を凝縮したような味わいがとても面白かった。今回のワインは品種は違ってグレコ40 %、フィアーノ30%、コーダ・ディヴォルペ30%によるもの。6ヶ月間アンフォラで皮ごと発酵、熟成させた後に1年間古樽で再び熟成、瓶詰時の二酸化硫黄は無添加だ。筋金入りの自然派ワインといえそうだが、さて味は?

色は時を置いたリンゴ果汁、梅酒のような赤味のある褐色。エッジは中くらい。香りは砂鉄、キャラメル、ニッキ、合成のり、梅酒。有機的な香りをとても強く感じる。

アタックは酸が来るかと思いきや、いきなり収斂感のある苦味と硫黄的な香りが口の中に広がる。この苦味はかなり強力で、漢方薬を飲んでいるかのようだ。味わいは硬質で、青っぽさ、ブドウの枝を噛んだ時のような味わいが強く出ている。旨み成分はあるのだが細めのため、どうしてもえぐみを強く感じてしまう。全体にギスギスした感じが否めない。

余韻もザラツキのようなものが残り、後味に最後まで青い収斂感を感じてしまう。口の中に残る酵母の香りもあまり心地いいとは思えない。

ワインというよりも薬品的な感覚ばかりが残ってしまった。このワインと合う料理は果たして何か、と考えても戸惑ってしまう。ただ、料理と合わせるといいよりも再びこのワインを飲みたいかと問われれば、今の時点でそうした気持ちは起きないだろうな。

【LIQUAR WORLD 2,980円】

2009年5月 6日 (水)

マカリコ マカリ アリアニコ・デル・ヴルトゥレ2005 アリアニコ・デル・ヴルトゥレDOC

090426_3偏見はない(つもり)とはいうものの、好き嫌いはあるもので、やはり南や熱い地域の濃い系、たっぷり果実味系はファーストチョイスとしては自然と少なくなっているようだ。品種で言うとフランスならグルナッシュ、カリフォルニアのジンファンデル、そして南イタリアならこのアリア二コか。

勿論絶対ダメというわけじゃなく、飲めば素晴らしいワインも数々あるのは知っている。でもそれを他の人と共有できるかというと、これはなかなか難しいと思う。だからボトルで頼む時の選択としてはなかなか選びにくいのが正直なところだ。

でもやはりたまにはそうした自分にとっての難敵とも勝負してみたい。ということで今回はこのデイリー的なアリアニコを。

以前はこのDOCしかなかったバジリカータ州だが、今では3つに増えたとか。イタリアのDOCは昨今代わりすぎてもう覚える気もしない。そんなワインにあってはマイナーなバジリカータ州だが、アリアニコを語る上では絶対に外せない。そして自分にとってはこのヴルトゥーレこそ最良の品質の目印になっている。

このマカリコは2003年が初ヴィンテージという若いワイナリーだが、有機栽培、発行は野生酵母を使用し、圧搾も自然な手動式の昔ながらの器具を用いているそうだ。このワインはステンレスタンクで発酵、熟成は70%を新樽、30%をステンレスタンクで12ヶ月熟成、瓶熟6か月を経て出荷されるとのこと。

色は濃厚で底が見えないほど凝縮感が詰まったルビー色。ディスクは中くらいで、周縁部まで緊密に色素が入っている。香りはブラックチェリー、なつめやし、皮、少しミント的な香りも感じる。

アタックは滑らかだが、直後にどっしりした重心の低いタンニンが現われ、そしてそれにくるまれていたかのように意外に線の細い軽やかなベリーの果実味が表に出てくる。タンニンはベースとして広がるものの厚みはそれほどではなく、意外に軽快な味わいをバランスよく下支えし、このワインに深さを与えている。そして最初はさほど感じなかった酸が中盤に戻ってきて、このワインに抑制を利かせているようだ。

余韻は少しざらつきも残るが、引き締まったタイトな印象を感じさせつつ、最後までゆるみのない味わいを展開して、穏やかな甘さを残しつつゆっくりと引いていく。

ボリュームも感じさせつつ、ちゃんと節度のある範囲で全体の味わいをまとめている。この抑制をうまく効かせるのが生産車の腕の見せ所だと常々思っているのだが、このワインは確かにそうした一つであるようだ。アリアニコの個性、甘い香り、果実味、タンニンの強さをバランスよくまとめている良くできたワインだと思った。

【LIQUAR WORLD 3,680円】

2009年3月25日 (水)

フォンタナ・カンディダ シロエ2007 ラツィオIGT

090322ディリーワインを探す場合は、価格帯は1~2千円くらいが目安になる。このあたりで面白いワインをあれこれ探すのが、実は一番楽しいし、以外にいいワインに出会ったりすると後々まで印象に残りやすい。高いワインは美味しくて当たり前だから、その場は感動しても、結構忘れちゃったりする事もあったりする。

このワインもそんな価格帯で見つけてきたワイン。作り手はイタリアワイン有数の大手、フォンタナ・カンディダ社。ローマ近辺のラツィオ州のワインだが、品種はシラーとチェザネーゼ。ローマ南部の火山土壌から生まれたシラーと、ラツィオ州の土着品種チェザネーゼのコラボレーションのワインは、熟したブドウを10~12日間ゆっくりマセラシオンした後で1/4を小樽、残りをステンレスタンクで熟成させている。果たしてお味は?

色はねっとりとした質感を持った暗い黒がかったルビー色。香りはプルーン、濃縮還元の葡萄ジュース、ドロップ、バラの香り。甘い香りが立ち上ってくる。

アタックはどっしりした果実味と太めで落ち着きのある酸。包容力のある酸に、ブドウの旨みがしっとりと溶け込んでおり、甘味も豊かに感じさせるが、もたつきがなく抑制が効いている。最初のインパクトほどに甘ったるさを感じさせない所が意外。それぞれの味わいはそこそこにしっかりとしているもののバランスが良く配分されているので、飲んでいても疲れを感じさせない。タンニンも細かで、このワインのバランスを壊さない程よい力量を備えている。

余韻はブドウ本来の旨みを感じさせる果実味主体。柔らかい甘みを感じさせながら、長さは中程度で程よいまろやかさを口の中に残しつつ消えていく。

果実味の旨み主体の味わいだが、飲んでいても疲れないのがとても気持ちいい。グルナッシュによく似た味わい、南フランスのワインに共通する特徴を備えつつも、ありがちな重たさ、もたつきを感じさせない造りはさすが、大手の底力と伝統のなせる業か?ディリーとしては申し分ないレベルで、棘のない味わいは結構みんなに受けやすいかも?

【創酒タカムラ 1,500円?】

2009年3月20日 (金)

コルペトローネ モンテファルコ・ロッソ2004 DOCモンテファルコ・ロッソ 

090319_2 今日仕事帰りにサントリー本社のカーヴ・ド・ヴァンに寄ったら、気分的には金曜日だったのだけど、実は木曜日だったことに気がついた。そう、木曜日はここでは試飲会の日。そして今日はいつもよりグレードが高い、ボルドーのヴァランドローの白のセカンド、そしてプリューレ・ロックのニュイ2006を無料で楽しめた。これはいい日に寄ったもんだ、ラッキー!

そしてその後この店で買った20%割引の内の1本がこれ。ウンブリア州のモンテファルコ・ロッソ。モンテプルチアーノ、モンタルチーノやら似たような名前が多いから間違えやすい。本人もその昔見事に間違えて赤っ恥をかいた経験あり。

このワインはサンジョヴェーゼ70%、メルロー15%、サグランティーノ15%のアッサンブラージュだが、やはりこの地域ではサグランティーノが魅力的なブドウといえるだろう。自分もイタリアの土着品種にあっては、好きな品種の5本に入ってくる。

このワインは若い樹齢の木によるブドウを用いているが、ステンレスタンクで発酵、その後低温でマセラシオンさせた後、小樽で熟成、瓶熟をさせている。実は以前も飲んだことがあって、そのタンニンも充実したボリューム感ある味わいに魅かれたのだが、今飲むとどうだろうか?

色は凝縮感のある深さ、落ち着きを持った黒のかかったルビー色。香りはアメリカンチェリー、セルロイド、風船を漢字、甘いベリーの熟した香りと有機的な香りが混合している。

口に含むと濃密で甘さも感じる果実味、その中に幅があり、かつ深さ、坐りの良さがありタンニンがぐっとせり出し、そして遅れてアメリカンチェリーのような少し苦さをたたえた甘い味わいが膨らんでくる。しかし野放図には膨らまず、口の中で一段階控えるような、収拾のつく上品な旨みを保つことができる。酸、果実味、タンニンといった要素がうまくバランスしている。サンジョベーゼらしい伸びのある活きのいい酸、果実味を持ちつつ、底に一段幅広に構えるベース的存在の旨みがあり、複雑さを演出しているようだ。

余韻は熟したベリーが持っている甘みとほろ苦さが前面に出てきて、少しタンニンの硬さ、抜けの悪さも感じられるが、ボリュームも豊かに充実した果実の旨さを思い出させつつ、やがてゆっくりと引いていく。

依然飲んだ時も旨い、と思ったが、こうして再び飲んでみると確かに旨い。3,000円台でこれだけ表現させてもらえるのだから、ありがたいワイン。さて、家のセラーにもストックがあるけど、何かいいことあるようだったら開けちゃうかも。

Cave de Vin 2,800円?の2割引】

2009年3月13日 (金)

カンティーナ・ジャルディーノ パスキ2007 カンパーニャ・ビアンコIGT

090312 外で飲むときはフランス、スペインといった国が多いけど、家飲みは圧倒的にイタリアが多い。リーズナブルな価格に加えて、その多様な世界を楽しむにはお店のストックだけじゃ満足できなくなってしまう。かくしてインターネットのショップのリストとにらめっこする日々が。。。

このワインもそうした中で到達した1本の一つ。自分はあまり知らないのだが、能力ある醸造家たちが集まって作ったワイナリーによるものだという。信頼できる農家から、無肥料生産のブドウを買い付けて醸造したこのワインはフィルター清澄なし、亜硫酸無添加で、品種はコーダ・ディ・ヴォルペ。カンパーニャ州でしか栽培されていない土着品種だ。その土着品種も樹齢60年以上で、醸造前に2日間マセレーションで旨みを抽出、その後は3割をを栗製の小樽、残りをステンレスタンクで発酵させるということだが、栗の樽ってどんな効果を生み出すんだろう?奥が深すぎてついていけない。。。

色は少し薄濁り、花梨ジャムのような甘さを感じさせる山吹色、無ろ過らしく細かな澱が表面に浮かんでくる。香りはカスタード、花火、ママレード、セルロイド、花梨ジャムの香り。

アタックは少々硬質だが、刺激の少ない丸みのある酸。かすかにチクチクとしたガス感を感じる。その後で香りに比べると抑制の利いた甘みが現われ、直後にはそれを包み込むような厚みのあるほろ苦さが現われる。しばらくはそうした苦みが主勢だが、やがて熟した果実の味わいが戻ってきて、口の中にもそうしたカリン系のふわりとした香りが膨らみ、余韻へと繋がっていく。

その余韻もべたつくような甘さはなくスマートで、最後まで気を緩めないほろ苦さが全ての味わいの要素をまとめつつ、南イタリアらしいほっこりとした感覚を繋ぎながらゆっくりと引いていく。

インポーターはヴィナイオータで、たしかにオータ社長好みのワインらしい特徴をきっちり備えているが、出色なのは北だと飛び出がちな酸が抑えられて、かつそれでいて南にありがちな甘味の重さも抑制されている点。だからブドウの旨みが素直に表現されている。子供の頃はブドウの皮の直下の果肉が大好きで、親に叱られながらも最後まで舐めていた思い出があるが、そうした記憶の味わいを再現してくれているワインだった。Good JOB!

【LIQUAR WORLD 2,800円】

2008年12月17日 (水)

デューヴァ ティンティリア 2004 AOCティンティリア・デル・モリーゼ

081215 忘年会もようやく終盤戦。今週は一服といった感じで、最終週にかけてまたひと山。飲み会ではひたすらビール一本で通す。焼酎とか飲みだすとしんどいもんで。

なるたけ無難にこなした後はやっぱり好きなワインで締めくくりたい。そんな気分だから、重厚なものよりも素直に旨みのありそうなワインを選びたい。

このワインはイタリア南部モリーゼ州で殆ど生産されるティンティリア種によるもの。ティンティリアのティントはスペイン語で「赤」という意味だから、元々はスペイン由来の品種と考えられている。おそらくはかつてこの地を支配したスペイン王家が持ち込んだのではないだろうか。かつてはモリーゼ州でも盛んに生産されていたようだが、今再びその力を見直されている土着品種。

色は墨汁のような沈着した黒身の強いルビー色。エッジまで重厚な色が入っている。香りは固型墨、ブラックカラント、鰹節、栗の渋皮、黒胡椒、干し芋の皮の香り。

アタックは滑らかで、酸は穏やかで緩やかだが重量感がある。タンニンもそうした酸にしっとり溶け込みつつ、稠密で粗さがなく、落ち着いた果実の甘さと相まってボリュームが豊か。そしてベースにある鰹節から取ったダシのような旨みが印象的で、スモークの香りとともに口の中を低く潜行する。ただし深みはあまり感じず、どちらかというと舌の表面に広がるような幅広さが支配的。

余韻には若干の鉄っぽさ、黒糖の甘みを感じさせつつ、案外潔い感じで口の中に広がった果実味が収束していく。

南イタリアのワインらしく甘味の印象が強いワインだが、複雑な要素が絡んでいて、なかなか表現が難しいワインだった。この州でしか生産されない土着品種、そのパワーを引き出す生産者に出会えたことがとても嬉しい。

【東急百貨店渋谷本店 3,000円?】

2008年9月14日 (日)

モナステーロ・ディ・ヴィトルキアーノ コエノビウム2006 ラツィオIGT 

080914 今年も来ました、修道女ワイン。おそらくこのブログでヴィンテージ違いで同じワインを掲載するのはレア、もしかして初めて?かもしれない。書いている本人も最近把握できていないので、間違っていたらごカンベンを。このくらいいいかげんでないと続けられないもので...

品種はヴェルディッキオ35%、トレッビアーノ35%、マルヴァジア10%、グレケット10%、ロセット10%という組み合わせ。この複雑なブドウの組み合わせを神に仕える修道女が収穫してこの値段で届けてくれるのだから、イタリアという国は本当にありがたい国だ。

色合いはアップルジュース、少し枯れ始めた葉を思わせるような淡々とした麦わら色。香りはビワ、アプリコット、シナモン、伊予棺、ビニルのような有機的な香りもあり、甘さを感じさせつつも複雑な構成。

口に含んだ直後は自然で水のようだが、そのすぐ後ではっきりした硬質の苦味と共に、木なりの果実の味わい、ビワや柿のような自然でほっこりとした甘さがやってくる。大きな膨らみといった変化はないが、それを持たなくても十分に魅力ある繊細なふくよかさ。そして余韻に繋がる優しい甘さの感覚が心地いい。すべてが出過ぎない、すこし遠慮がちな表現ではあるが、それでも充実した旨みを感じさせてくれる。

終盤は木なりの果実を食べたときのようなふんわりとした甘さの感覚がゆっくりと流れる。べたつきはいささかも感じられず、本当に優しさに満ち溢れた旨さが最後まで続いていく。

ラツィオの白ワイン、特にマルヴァジアを使ったワインは同じ系統の味わいを感じるけれど、これほど角が取れた、自然な優しさを感じるワインは他に例えようがない。日々のイライラも解消されて満ち足りた感覚に誘ってくれる、魅力に溢れたワインだ。罰当たりも少しは敬虔な気持ちにさせてくれますです。Great JOB!

【Wineshop FUJIMARU 3,000円?】

2008年8月18日 (月)

アンドレ・マルキ オブラダス モニカ・ディ・サルディーニャ2004

080818 イタリアワインを探す楽しみの一つは、今まで出遭ったことのない品種を探すこと。土着品種は2千種類と言われているが、こうした品種が残ったのも歴史的に小国家が分立した時代が長かったことが理由に挙げられるだろう。

サルディーニャ島もまた、そうした地域性を保って多くの土着品種を有している。しかし少し違うのはイタリア本土がギリシア由来の品種を育んできたのに比べて、サルディーニャはスペインの影響を受けた。主要品種であるカンノナウはスペイン系のガルナッチャだし、このワインのメイン品種であるモニカもまたスペイン、もしくはアラブ由来の品種だ。

モニカはサルディーニャ全島で栽培されている。品質的な評価はカンノナウに譲るところがあるが、早く飲める軽快なワインを作るブドウして今もサルディーニャを代表する品種だ。このワインではそのモニカを85%、残り15%をシラーで作っているが、さて?

色は暗く落ち着きのあるルビー色、エッジまで色素が入って厚みがある。香りはドロップ、ビターチョコ、火薬、マッチ箱といった薬品系の香りが強い。

口に含むと甘みをまず感じ、その直後柔らかく幅広な酸をしっかりと感じる。甘みは熟した山葡萄のようで、甘みのボリュームの割には切れがいい。タンニンはあまり強くなく、おっとりとした感じの味わいだ。口の中に残る青さが人によって好き嫌いを分ける要因になるだろうか?味わいの複雑さには欠けるが、最後にやさしい果実の旨みが再び広がって、心地よい気分にさせてくれる。

最後はベリーの甘さが程よく残り、やがてその甘みも長くは留まることなく蒸発するかのように消えていく。

飲んでいて感じる青さが気にならないわけではないが、それも品種の個性と思えばそれほど嫌な印象も起きない。香りも味もなかなかはっきりした個性がある。バラエティ豊かなイタリアにあってもしっかりとしたキャラクターを主張できるワインといえそうだ。

【ノール ワインウエアハウス 2,500円?】

2008年8月16日 (土)

ファットリア・ラ・リヴォルタ サンニオ・フィアーノ2005

080816_2 今日からいよいよプレミアが開幕。シーズンオフはサッカーネタも滞り気味だったが、あくまでこのブログは「ファブレガスとワインに酔う」なので、ワインとアーセナル2本立てでこれからも続けていきたい。

今日の夕方からは開幕戦、相手は今季昇格してきたウェスト・ブロム。この試合、開幕直前に太ももを痛めたセスク・ファブレガスは欠場となっただけに若干不安もあるが、アデバヨールもいることだし、普通に戦えば勝てるはず。去年の雪辱を果たすためにも開幕ダッシュで大量得点を期待したい。

さて、ワインはカンパーニャ州で土着品種を武器に「革命」を起こす、ファットリア・ラ・リヴォルタによるフィアーノ種のワイン。この生産者は有機農法で自然な作り方を志向し、畑は粘土質とあって、かなりミネラル度の高いワインが想像される。以前飲んだソーニョ・ディ・リヴォルタはグレコ、フィアーノ、ファンランギーナの混醸だったhttp://cesc22.blog.eonet.jp/default/2007/07/post-e9f5.html

が、このサンニオはフィオーナ単一品種によるものだがさて?

色はふくよかさを感じさせる濃い目の黄色。香りはアーモンド、バニラ、栗といった樽に由来する香りをまず感じ、その後で白い花、洋ナシのような香りを感じた。

アタックは柔らかく攻撃性の少ない酸。口に入ってくる質感は滑らかでオイリー。酸は鈍角で口を広がってくる感じで、やがてほんのりした甘さが、かすかに隠し味程度で感じる苦味を保ちつつゆっくりと酸からバトンタッチしてくる。味わいの移りがステップ的でなく、時系列でなめらかに交代していくように感じられる。この滑らかな移行がこのワインの特徴といえるだろうか。それともフィアーノ由来のものだろうか。

中盤の膨らみはやや小さい。アタックから繋がってきた味わいは大きく変化することなく、そのまま収束、終焉に向かってフェードアウトしていく。最後に残るのは、やさしさを感じさせる塩っぽさと繊細な酸の味わい。

よく言えば優しいふくよかなワイン、少し斜めに構えればインパクトに欠ける、メリハリの小さなワイン。これをどう受け止めるかは飲む人によるんだろうけど、かなりインパクト系に偏っている自分にとっては若干優しすぎて、掴みどころがないかな、というのが正直なところだった。

【ノール ワインウエアハウス茶屋町店 2,500円?】

2008年7月21日 (月)

トッファリ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ エンメエンメ 200? 

080719_2 とある日所用で珍しく南に出て、ふと今日一日マトモに食事してないことに気が付いた。出張から帰って胃も疲れていたためか、全く気が付かず。それでもコッテリ系の食事をする気にはならなかったので、さっぱりしたパスタ画いいかなと思い、南船場のBABBI BABBIへ。

ここはイタリアンだけど、ワインはそれにこだわらない選択が魅力。たしかに地の料理に地のワインは鉄板的な選択だけど、それじゃ面白くないのも事実。この料理にあの国のワインを合わせてみたいと思うことも多いから、そうした望みをかなえてくれる数少ないイタリア料理の店だと思う。でもたまたまこの日は結果としてイタリアワインを選択。もっと疲れてなければローヌワインも視野に入ってはいたんだけどね。

まずはビールから始まってグレコ・ディ・トゥーフォを飲んだ後、最後の赤ワインに薦めてもらったのはこのモンテプルチアーノ・ダブルッツォ。

リーズナブルなイタリアワインの代名詞ともいえるモンテプルチアーノ・ダブルッツォ。だからこそある程度イタリアワインを飲んでくると、このカテゴリーを軽視してしまう傾向にあると思う。自分もそうした気持ちをもってしまっているのは事実。しかし経験的に安さと濃さだけで売って来るワインも多いカテゴリーでもある。

この店の店員さん(金子さんだったかな?)のお気に入りだそうなので、間違いはないだろうとチョイス。さて実際にはどうか?

香りは若いラズベリー、巨峰、バラのような甘さを感じさせる香り。色は少し紫を帯びたルビー色。

アタックは柔らかで乳酸的な丸みのある酸。穏やかで突き刺すような感覚はないが、マロラクティック発酵によるものだろうか?そしてその酸に包まれるおだやかなタンニンとデラウェアを皮ごと口に含んで噛んだだときのような甘さ、旨みと渋さがないまぜとなった若い果実味。

酸は抜けが良く、中盤の果実味主体となった味わいがしばし口の中に留め置かれて、そして甘みの余韻を残しつつ時間と共におだやかに引いていく。

熟した果実の味わいと調和する穏やかな酸とタンニン。決して強いワインではないが、ブドウの旨みをふんだんに持っている。飲み初めから終盤までに劇的な変化があるわけではないが、この価格帯のワインにありがちな平板なワインとは一線を画す味の輪郭が感じ取れた。

デイリーに使うには申し分ない味と価格。少し冷やして飲んでも結構いけそうだ。モンテプルチアーノ、旨いです。見直しました。

【BABBI BABBI グラスワイン ?円】

2008年6月22日 (日)

ポデリ・フォッリア コンカビアンコ2005

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このところのワイン、ブログで振り返ってみるとますますフェチ的な嗜好を強めているような気が...ありきたりの品種じゃ物足りなく感じてしまう自分が恐ろしい。たまにはまとも(?)なモノも飲まないと。

でもストックの中はやはり変わり者ばかり。この白もカンパーニャ州のワインで、やはりこの州の土着品種パラグレッロ・ビアンコとファランギーナによるもの。

パラグレッロ・ビアンコはカンパーニャでもナポリの北の内陸部、カイアッツォという地方にしか見られない極めて稀な品種。あの名著「土着品種で知るイタリアワイン」にも記載がないほど。絶滅しかかったこの品種だが、有能な地方の醸造家によって再興の道にある。

色は輝きのある湿った麦わら色。香りは色と比べておとなしく、グレープフルーツ、白い花、チューインガム、生クリームの香り。

口に含むとほどよい甘さと密度を持った果実味を感じ、酸はそれ下支えする感じで幅広い包容力を持つ。飲みきったときに感じる苦味はファランギーナの特徴だろうか。ボリューム感は中程度で、すっきりした味わいとなっている。さっと抜けていく感じが心地よい。南の白ワインにありがちなもたつき感を殆ど感じさせない。

余韻は柑橘系の酸の後味と、うっすらした甘さの感覚が口の中に留まるが、若干弱く短い印象。

目だった特徴があるわけではないが、上品で質の良いワインになっている。おそらくはステンレス発酵によるものではないだろうか。熱さに参り気味の体には、これくらいの負担のないボリューム感がかえっていいのかもしれない。

【Wineshop FUJIMARU 3,600円?】

2008年6月 5日 (木)

ポッジョ・レ・ヴォルピ サリーチェ・サレンティーノ・リセルヴァ2003

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南イタリアにあって、まさに長靴のかかとの州、プーリア州。この地はワイン以外でもオリーブ、アンティチョーク、トマトといったイタリアを代表する農作物も多く生産されていて、今も農業が主要産業である土地柄だ。

プーリア州はイタリアでシチリアに次いで第2位のワイン生産量を誇る州であることはあまり知られていない。そのプーリア州を代表する土着品種はネグロ・アマーロであり、それを体現したDOCがサリーチェ・サレンティーノ。

このDOCではネグロ・アマーロを80%以上使うことが号率で義務付けられ、このポッジョ・レ・ヴォルピによるワインではネグロアマーロ80%、マルヴァジア・ネーラ20%が用いられている。ネグロ・アマーロはその名の通り「甘くて苦い」ボリューム感が信条だが、さて?

色は凝縮した色合い、煮詰めたジャムのような感じを受け赤みの強いルビー色。香りは干しイチジク、タバコ、丁子、クレヨンのような脂っこさも感じさせる。

アタックから炸裂する果実実、シロップのような甘みの強さが口の中一杯に広がる。それに比べると酸は穏やかだが、、ボリューム感もあり、力強い果実味を下支えするには十分。渋さは果皮のほろ苦さを素直に感じ、まさに巨峰の皮をかじった時のような感覚に似ている。そのタンニンもなかなかに繊細で、最初のボリューム感に比べると、中盤から余韻は若くジューシーな味わい。終盤に向けてもほろ苦さと甘さがうまく絡み合っていくが、やがて甘みが勝ち残り口の中をなかなか離れない。

この作り手は以前プリミティーヴォも試したが、味わいの構成はやはり良く似ている。酸を活かしつつ、南イタリアらしいボリューム感を全面に出す、確かにこれは日本人が抱いている南のワインのイメージにふさわしいかもしれない。

【伊勢丹京都店 1,400円?】

2008年4月13日 (日)

アントネッリ サグランティーノ・ディ・モンテファルコ2001

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イタリアワインの品種の中でも、なかなか飲む機会がなかった品種、それがこのサグランティーノ。結構前から探してて、酒屋さんにも「なんでサグランティーノなんですか?」っていぶかしがられてしまった。しかし、サグランティーノ、あるにはあるが値段が高い...

サグランティーノの本拠、ウンブリア州。イタリア中部にあるこの州は海に面していない。そしてそこを流れるテヴェレ川の影響を受けて貴腐が発生しやすい地形を生かして、元々は甘口ワインの生産が伝統的だった。このサグランティーノも甘口、パッシートがメインだった歴史を持つ。

そんな中でこのワイナリー、アントネッリは土地の協会会長を務めるオーナーが率い、「パワーの強いだけのワインではなく、自然でハーモニーのあるエレガントなワイン」を目指したワイン造りを目指しているそうだ。ワインは長めのマセラシオン、ステンレスタンクでの発酵の後は大樽で熟成させている。

ウンブリアの土着品種、地元に愛されるサグランティーノ。サグラとは聖なる、という意味があるが、愛されてきた理由は何なのだろうか?

色合いは黒味の強い、深み、落ち着きのあるルビー色。エッジは割りに明るめで、ほんのりとオレンジを帯びている。香りは巨峰、プラム、墨、ゴム、黒胡椒の香り。

アタックはなめらかで、凝縮した果実ときめは細かいがボリュームの大きなタンニン。押しの強いタンニンが印象的。口の中を収斂感が支配する。そのタンニンがようやく治まった後は、果実のほんのりとした上品な甘さが漂う。タンニンがまだまだ堅いが、酸も伸びやかでしっかりしており、うまく口の中をリフレッシュさせてくれる。

余韻はベースにしっかりと感じられる苦味と柔らかい果実味、巨峰のような大粒のブドウの皮をかじった感覚によく似ている。

アタック、ミッド、バック、アフター、すべてに個性が感じられる。高貴なサンジョベーゼ、スーパータスカンと印象的にはよく似ているが、それプラス野性味を感じさせてくれる、そんなワインでありブドウ。確かに愛すべき理由を感じさせてくれる、イタリア土着品種の魅力+高貴な味わいを備えたワインだった。

【Cave de Terre 淡路町店 4,000円?】

2008年3月 8日 (土)

ポッジョ・レ・ヴォルピ プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア2005

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プリミティヴ、その言葉の響き自体になにか神秘的なものを感じる。美術の世界でもその言葉は美の根源、人々が美しいと感じ始めたものが発するものを率直に形容する時に使われるようだ。

ワインの世界でこの言葉を冠せられるブドウは南イタリアに存在する。今ではアメリカのジンファンデルと同じ品種と判明しているが、そのときもある学者がカリフォルニア産のジンファンデルを飲んで同じ味だと直感し、科学的に調べて同じDNAを持っていると判明したのだそうだ。すごい科学者がいたものだ!

プーリア州はイタリアでは2位のワイン生産量を誇るが、以前は北のワインの強化用に使われているなど、単体で評価されることが少なかった。しかしこのワインを作るポッジョ・レ・ヴォルピのような意欲的生産者が数多く現れ、今では質の向上も目覚しい。

色は濃厚で底が見えないほどの凝縮した黒紫。煮詰めたジャムのようだ。香りはチョコレート、バニラ、黒糖、甘草、アーモンド、干しイチジク。

アタックはなめらかな酸と爆発するかのような濃い果実味。甘さのボリュームも大きく、ポートワインのような強力さ。少しむせ返るような感じだ。しかしタンニンは案外細かく、緻密。粗さを感じさせない。

最初のボリュームが大きい割りには中盤は細い。収束は早いが、このボリューム感が続いたらきっと辟易としてしまうだろう。中盤から余韻に向かうほど良い甘さ、甘いお菓子を食べた後の雰囲気に似ていて心地よい。

甘いお菓子をつまんだときの味わいの展開に良く似ている。ただ甘さの後にやってくる余韻は案外繊細できれい。後味もさわやかなので、何杯か飲み続けることが可能になる。この構成は見事。

この価格帯でこれだけの味わいを作ってくるのだから、プーリアの大地の力と生産者の力量、お見事。Good JOB!

【LIQUAR WORLD 1,340円】

2008年3月 6日 (木)

ディ・マーヨ・ノランテ アリアニコ・コンタド2004

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週末の南イタリアワイン会、そのワインを選んでいる中で自分も飲んでみたかったワインを多めに買って一足先に賞味。今日は前から一番興味があったモリーゼ州のアリアニコ。

モリーゼ州で最も有名な生産者、ディ・マーヨ・ノランテ。イタリアでフランスの品種がもてはやされるようになった頃、1960年代後半になってもモリーゼ由来の土着品種にこだわり続けた。そして化学肥料を使わず、収穫量を減らし果実を厳しく選別し、最新技術を用いたワインを作っている。

このワインは南イタリアの高貴品種と称えられるアリアニーコ100%から作られるリーズナブルな価格のワイン。さてどうか?

色は深みのある凝縮したルビー色。香りは干しプラム、クレヨン、スミレ、カカオの香り。甘く華やかな香りだ。

アタックは濃密な果実の甘みと、まろやかだが重みのある酸、しかし中に溶け込んだタンニンは緻密だ。十分な旨みがあり、中盤に向けてのボリュームも豊か。甘さはしっかりしているが、苦味はあまりなく穏やか。

ボリューム感が収まった後にはほどよい甘さの余韻がゆっくりと引いていく。全体では肉付きの良い素直な果実の甘さが豊かに感じられる。

単に甘いだけではない、酸もきっちり入っていて熟した大粒のブドウをかじりつくような感覚のワイン。それでいて品のよさも感じられる。スケールの大きさを感じるワインで、確かに評判に偽りなしでした。

【LIQUOR WORLD 2,180円】

2008年3月 2日 (日)

”セルパーラ アリアニコ・デル・ヴルトゥレ2001 ズヴェーヴィ

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南イタリア最高の品種といっても過言ではないアリアニコ。濃密なタンニンを有し、長期熟成も可能だがその代表格はタウラージ。カンパーニャ州の濃厚なワインだ。

しかしこのブドウから作られるワインはかなり糖度もあってかなり強力。アルコールも強いから無骨なワインにもなりやすい。そういうワインも多いから敬遠していた面もあるのだが、このワインは由来から少し違っている。

あまりメジャーではないバジリカータ州はイタリアの土踏まずの場所にある。海に面しているこの州だが、このワインの産地は内陸部、ヴルトゥレという場所で、ワイナリーのテッレ・デッリ・ズヴェーヴィは1995年に創立されたまだ若い生産者だ。

香りはヨード、バラ、カカオ、ドライフラワーの香り。アリアニコと聞くと思い出す濃密なジャムのような香りは少ない。色は黒味が強く、落ち着きのあるルビー色。

アタックは穏やかな酸と、やわらかい果実の甘み。そして細かだがしっかり主張のあるタンニンがすぐ後にやってくる。品のある酸が外郭をまとめているので、凝縮した果実味が野放図に展開することはない。終始落ち着いた味わいを保つ。

余韻は甘いブドウジュースの味わいと、口の奥に残るカカオのような苦味のハーモニー。

一言で言うなら落ち着いたアリアニコ。甘さ、凝縮感は品種の特質を十分感じさせるが、それが奔放にいかない、抑制の効いた味わいになっているのは産地の影響によるものなのだろう。産地、テロワール、確かにワインへの影響を感じさせてくれるものだった。

【LIRUOR WORLD(枚方) 3,120円】

2008年2月27日 (水)

サリーチェ・サレンティーノ2005 フェウド・モナチ

Czuuhnns
月曜の夜、残業終了後新幹線に飛び乗って東京へ...そして今日は一日セミナーで缶詰状態。ほとんどトンボ帰り状態で何もお楽しみはありませんでした。せちがないなぁ...

そんな強行軍から帰ってきて、ゆったりくつろいだ一杯は南イタリア、プーリアのワインで。

サリーチェ・サレンティーノはプーリア州で最も著名なDOC。イタリアのかかとに位置し、アドリア海とタラント湾を擁するこの州にあって、サリンチェ・サレンティーノはタラント湾を臨む位置にある。ここの主要品種はネグロ・アマーロ。このワインもネグロ・アマーロとマルヴァシア・ネーラとのアッサンブラージュ。

マルヴァシアは最古の品種とも言われるが、そうした品種の後裔がイタリアにはいくつか残っている。そしてネグロ・アマーろはネグロが「黒」、アマーロが「苦い」という意味だが、ここからもかなり色の強い甘苦的、良くも悪くも南伊らしいワインを想像させる。果たしてどうか?

色は黒味の強い深みのあるルビー色。香りはカカオ、ブルーベリー、干しイチジク、ドライトマトのオイル漬のような熟した香り。

アタックの酸は穏やかだが、一瞬おいて若いベリーの皮を噛んだときのような酸と渋さが口の中に広がる。そのあとは薬草系のはっきりした苦味を感じる。苦さのボリューム感はそれほどではない。比較的軽く、インパクトはあるが深みは感じさせない直線的な渋さ。

果実の甘さと渋さのバランスは悪くない。ただし、全ては舌の表面で勝負する感じで、ヴァーティカルな深さを感じさせるというものではないか。余韻は甘苦さの流れの中で、次第に苦さの成分が勝ってくる。これがネグロ・アマーロの個性というものだろうか。

香りのインパクトのわりに、味わいはコンパクトな印象。ただそこに収まらない苦さがこのワインの主張となっている。少しクセはあるけど、このクセがやはり南伊のワインに求めるものだと思うから、それもまた愛嬌?

【伊勢丹京都店 1,000円】

2008年2月21日 (木)

テッレラーレ・リゼルヴァ2003 DOCカリニャーノ・デル・スルチス

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帰りがけに寄った阪神百貨店で見つけたこのワイン。サルディーニャのカリニャーノから作られるこのワインは以前2000年のヴィンテージを飲んだことがあり、南イタリアらしくない滑らかで抑制の効いた味わいがとても素敵だった。
http://blog.kansai.com/cesc22/154

今度目にしたのは2003年のヴィンテージ。大きく「当たり年」と書いてあったが、さてどうか?

香りは甘く黒糖、カカオ、ベリージャムの香り。色合いは褐色味を帯びた明るめのルビー色。

アタックはなめらかで、甘みも感じさせるやわらかいアルコール感。酸もはっきりしていて、その中にきめ細かいタンニンが溶け込んでいる。中盤は品のいいアルコールの甘さが口の中に広がり、コクのある旨みが感じられる。

余韻は程よい甘さが口の中に残り、やさしい旨みと共にゆっくりと消えていく。

ボリューム感も十分だが、旨みもしっかりあって、しかも繊細。これが2千円以下で手に入るんだから、コストパフォーマンス抜群。サルディーニャ、恐るべし。超オススメワインです。

【阪神百貨店 1,900円】

2008年2月 9日 (土)

カーサ・ダンブラ2006 DOCイスキア・ビアンコ

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まだ行ったことはないけど、ナポリにはあこがれる。南イタリアの魅力が全てここにありそうだから。南国の日射し、市場に溢れる農作物、底抜けに明るい現地の人達...

そんなナポリの風景に欠かせないものはベスビオ山、そして海に浮かぶ火山の島、イスキア島。この島には温泉が多く、リゾートや湯治の旅行客が集まる。そうした人達の喉を潤すためにあるようなワインまで日本に届くのだから、たしかにインポーターの努力はすごいものだ。

しかしこのワインはそうしたワインとは一線を画す。イスキア島にあって100年以上の歴史を誇るワイナリー、カーサ・ダンブラ。島全体が火山で急勾配の地形、標高600mに開いたワイナリーでは樹齢も古い土着品種から質の高いワインを作っている。このワインはフォラステーラ60%とビアンコレッラ40%。

色合いは濃い目の黄色でしっとり感がある。香りは桃缶、パパイヤ、ドロップで甘さを感じさせる香り。

アタックはなめらかな甘さで、酸はまろやかで強くはない。そしてやさしく広がるオレンジのようなやさしい甘さがやってくる。質感は少々オイリー、ねっとりとした感覚があるが、重くはない。バックにはほろ苦さを伴う塩っぽい旨み。

ボリューム感は大きくないが、まとまっていて旨みもある。よく観光地にありがちな「飲みやすいワイン」とは違う、口の中で含ませるパワーをしっかり持っている。余韻は強くはないが繊細で心地よく、後味を残さずにいさぎよく消えていく。

パワー、特徴といった点では少し弱いか、とも思うが飲めばこのオイリーさと繊細な味わいのアンバランスさが妙に面白い。島育ちのワイン、期待にたがわぬ出来でした。

【Cave de Vin 2,200円?】

2008年1月27日 (日)

ルイジーノ ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ2003 ジュースティ・ピエロジョヴァンニ 

6lpeihhd 「香水のような香りを放つワインです。」そう薦められたワインだが、なんとも紛らわしい名前。

ラクリマ、と言えば有名なのは「ラクリマ・クリスティ(キリストの涙)」だが、こちらは南イタリア、ナポリのヴェスビオ近くで生産されるワイン。このワインのラベルにある「ラクリマ」は品種の名前で、生産地もイタリア中部、アドリア海に面したマルケ州だ。アルバとあるからピエモンテ州とも誤解されそうで、なんとも難しい。

マルケ州はヴェルディッキオから作られる白ワインが主体の産地で、赤ワインは少ない。そんな土地で細々と生産されてきたラクリマ。35haの小さな面積ながら、今マルケ州で注目を浴びつつある。かつてこの地を支配した神聖ローマ皇帝にしてシチリア王、フリードリッヒ2世もこのワインを愛したとか。

開栓と同時に華やかな甘い香りが放たれる。確かに香水のような香りという言葉がピタリと当てはまる。スパイス、チョコレート、黒糖の香りが強い。ベリーも煮詰めたジャムのような香りとなっている。

口に含むと細かいが渋みの強いタンニン、丸みのある酸が同時にやって来て、そして華やかな香りが口の中に広がる。インパクトの味わいに比べると中盤は軽やか。ベリーの甘酸っぱさが心地よい。

余韻は細い印象だが、口の中に収斂感を残しつつ、最後には紫色の花の香りが包み込む。

このワインの命は独特の華やかな香り。そしてそれにふさわしいタンニン、酸、旨みの調和。複雑さとは違う形で、ワインを飲む楽しさを演出してくれる。記憶に残るワインだといえようか。

【Cave de Terre 淡路町店 2,800円?】 

2007年12月30日 (日)

イルピニア2004 サルヴァトーレ・モレッティエーリ

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今日は年越し用のワインを買いにデパートやワインショップを巡る。いろいろ見ててつくづく思ったのは、有名どころのワインが急激に高くなっていること。ボルドーなんか、3級クラスでも1万円近くなった。1級なんかとてもとても。ブルゴーニュも昔は買えた有名ドメーヌの特級ワインが軒並み3万円後半。結局ブルゴーニュもボルドーも外した選択に。

どんどん主流から外れていくワイン道。今日もまた南イタリアの赤を。

サルヴァトーレ・モレッティエーリはカンパーニア州の第一人者。そしてカンパーニア州で並ぶものなき銘酒、タウラージの生産者だ。父親から受け継いだ「チンクエ・クエルチェ」という畑で品質本位の妥協なき生産を決意、全ての畑を念入りに選択した品種に植え替えた。当初は樹勢が若く強すぎて思ったものが得られなかったが、歳を経て次第に落ち着いた満足できるワインができるようになったという。

タウラージを作るアリアーニコは土着品種の中でもイタリアでは有名品種。深みがある色調と、ボリューム感の強い果実味、そして甘苦いタンニン味が特徴的だが、安ワインの中にはそうした特長が出すぎて鈍重で飲むのがつらくなるワインも多い。だから自分は苦手、飲まず嫌いの品種だったが、このワインは違うぞという評判を聞いた。さていかに?

色合いは黒味の強いルビー色。エッジは紫の色調が細密に深くまで入っている。香りはスミレ、干しイチジク、インク、ミント、華やかで勢いのある香りが立つ。

アタックは最初はやさしげな酸かと思ったが、舌の先端を突くようなストレートな酸が姿を現す。そしてボリューム感は
大きくなく、小振りの果実をほおばった時の心地よい甘酸っぱさでとてもジューシー。タンニンはまだこなれた感じではないが、緊密で思いのほか繊細。際限なく膨らんでいくのではなく、口の中に十分とどめておける範囲で味わいを引き締める役割を果たしている。

余韻は細いが長く、旨みを十分に保ってやさしく引いて行く。安ワインのアリアニコにありがちなしつこさは全く感じさせない。良質のガメイによくあるピュアさとの共通点を感じた。

飲んで思ったのは「これがアリアニコ?」だった。エレガントさを十分秘めたジューシーなワイン、端的にはそんな表現がピッタリあてはまるワイン。アリアニコへの先入観、拒否反応を覆してくれる、コストパフォーマンス大のお値打ちワインだった。ボルドー、ブルゴーニュじゃなくてもいいさ、自分には南イタリアワインがあるさ?

【増村商店(cantina VINOVINO) 2,580円】

2007年12月15日 (土)

トレッビアーノ・ダブルッツォ(?) ヴァレンティーニ

Boyhey9a 理由はわからないけど、伝説的なワインというものがたまにある。ボルドーやブルゴーニュはいざしらず、その土地、そしてそれほど高貴な品種と思われていないブドウで何故か高価だけれど引く手あまたのワインを作る作り手の存在。

トレッビアーノ・ダブルツォ。比較的安価なワインが多い中でこの生産者のものは別格だ。とにかく高い。ボトルだと1万円近くになる。

作り手のエドアルド・ヴァレンティーニは殆ど雑誌にも登場することはない。そのワインは土地、アブルッツォ州の気候風土の中から自然に味わいを引き出す。そして生産したブドウの中から最高品質の10〜15%のみを用い、残りは組合に売ってしまうのだそうだ。

そのエドアルド氏は2006年に亡くなった。人がワインを作るのであれば、今後このワインがどうなっていくのか、注目されるべきだろう。

品種はトレッビアーノだと思っていたが、「土着品種で知るイタリアワインガイド」によれば、ボンビーノ・ビアンコとされている。

色合いはすこしこもったような麦わら色。香りはマロングラッセ、クルミ、少し酸化の度合いを増したリンゴ、セルロイドのような有機的香り。

アタックは舌をチリチリと刺すかのような刺激のある細かな酸。その後にオレンジのようなプルーティさと、ほんのりとした苦さをベースに感じる。ただパワーのあるワインと聞いていたが、それほど大仰なものは正直感じなかった。どちらかというと繊細、柔らかさを感じたのは、既にこれ以前に酒を飲みすぎて感覚が麻痺していたからか?

余韻は華やかで甘いマロングラッセの香りが口の中、鼻腔に広がり、滑らかでほどよい甘さを残しつつ引いて行く。

この日はこのワインを飲むまでに既にかなり飲んでいたので、雑誌で見かけるような強烈な個性は見出しえなかった。もっと熟成しないと本領を発揮しないのかもしれないし、このワインと出会うには自分のコンディションも、シチュエーションもよくなかったといえるのかも。

結論、良いワインを飲む時は自分の体と肝臓にも相談すべし。

【PINCO PALLINIグラスワイン 4,000円?】

2007年10月26日 (金)

ファレルノ・デル・マッシコ ロッソ2003 マッセリア・フェリチア

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最近ようやく注目され始めた南伊のワイン。その中でもカンパーニャ州は州都ナポリを擁する。この地で優勢なブドウ品種はアリアーニコ。

最近はあまり話題にならなくなったが、ポリフェノールの含有量が多いブドウで、タンニンの詰まった濃厚な味わいになるという。だから裏を返すと鈍重でパワーで押すだけのワインになりやすい。事実何度もそういうワインに出会ってめげてしまった。

このワインはカンパーニャ州でもファレルノという海岸地帯で生産されている。土壌は火山灰主体で、ミネラル分を多く含んでいる。そこでアリアニコ80%、ピエディロッソ20%のワインを造っているが、さてどんな味わいか?

色合いは深く暗いルビー色だが周縁部の色は薄め。香りはインク、ヨード、黒胡椒、火薬の香り。

アタックは瞬時穏やかなように思うが、その後突然荒くパワフルなタンニンが口の中に広がる。その後はほのかな甘さを感じさせるやさしい果実味から、思いのほかマイルドな余韻へと続いていく。最初のタンニンから考えると、後半の穏やかさ、しなやかさは意外なほどだ。南伊のワインにありがちな酸の欠如も感じられず、強くはないが伸びやかな酸が前半のタンニンを洗い流して、味わいの転調を演出する。

タンニンはやはり強いが、まとまりのある味わいで好感が持てる。繊細さも感じさせるので、南伊ワインとしては珍しい個性ではないだろうか。ピエディロッソという品種がアリアニコの強さをうまく柔らげているのかもしれない。こういうのがブレンドの妙なのかも?

【mAAn 2,500円?】

2007年9月15日 (土)

チロ・ロッソ・クラッシコ2005 サンタ・ヴェネーレ

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ラベルを見ると、ある程度は味わいの予想をする。そして実際に飲んでみてその想像がうまく裏切られたとき、そのワインが印象深いものになる。

しかし全く想像できないものもある。このワインもそうだ。カラブリア州は南イタリアだから割合甘さを感じるゆったりした味わいのワインであると予想する。しかし次、品種はガリオッポ、全く聞いた事も飲んだこともない品種だからそれ以上の想像はつかない。だったら飲んで試すしかない。

カラブリア州はギリシャ時代からワイン作りをしていたといわれている。そしてこのガリオッポもギリシャ由来の世界でも最古のブドウ品種だそうだ。さて味わいは。

色合いは明るめのルビー色で、グラスを傾けたときの周縁部は若干薄め。香りはブラックチェリー、甘草、カラメル、湿り土、ユーカリの香り。

アタックは程よい甘さを感じ、酸は控えめだが、その後渋さとともにジャープな酸が広がる。深さを感じる渋さではなく、苦さという表現のほうが近い。薬の苦さに近いか?

ベースの果実実はまずまず。程よい甘みと明確な酸がこのワインの味わいの骨格を形作る。そしてタンニンの渋みはこのワインでは味わいのベースとして働くのではなく、いわゆるアクセントとして機能している。ボルドーワインはタンニンが下支えとなって、酸味や果実の旨みを押し上げる格好になっていると思うけど、このワインはそうじゃない。酸、旨み、渋みが並列して存在しているような感覚だ。

だから余韻も非常に軽やかで、ほんのりした甘さの余韻が比較的長く続く。渋みの収斂感が強すぎるきらいはあるが。

なかなか野性味のある面白い味わいだった。普段のワインの味になれたときの隠し玉として出すと結構受けるかも。でも飲み続けるにはこの苦さ、結構つらいかな。

【グラシアス(大阪空港店) 2,100円】

2007年8月25日 (土)

カザル・ディ・セッラ・クラッシコ・スペリオーレ2005 ウマニ・ロンキ

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いろんなワイン店を廻ると、一時どの店にも山積みになっているワインに気づくことがある。最近このワインがやたら目に付いた。何故か、と思ってたらどうやらワインを扱った漫画「神の雫」に最近取り上げられたからのようだ。

ワインは中央イタリアの雄、ウマニ・ロンキの手によるもの。
http://blog.kansai.com/cesc22/383
それならば確かに信用できるワインのようだ。ローマの北東にあるマルケ州、アドリア海に面したこの温暖な地域で生産される白ワインの主力品種はヴェルディッキオ。

このワインはやや遅摘みのブドウをマロラクティック発酵させ、3〜4%を小樽で発酵させているとのこと。

ワインの色は若干緑の印象がある薄めの黄色。ヴェルディッキオの前半、Verdeは緑という意味だから、昔からこうした印象が人々を惹き付けたのだろう。香りは思いの外ミルキーで、ヤクルト、オレンジ、ジャスミン、甘い香りが華やかだ。ヤクルト的な甘い香りは、マロラクティック発酵、強い酸であるリンゴ酸をまろやかな乳酸に変える発酵から由来する香りなのだろう。

最初のアタックはまろやかで、しばらくすると苦味とともにボリューム感のある果実味が口の中に広がってくる。直線的というよりも、末広がり的な感じで、若干の時間差で展開していく味わいだ。

酸が柔らかく滑らかだ。柔らかな粘りもあり、緻密な酒質。安いワインにありがちなぶっきらぼうさを殆ど感じない。そして余韻にあるほのかな苦味。これがこのワインの外郭をキッチリと形作っている。

骨格がしっかりしたワインで、この価格帯であれば素晴らしい出来だと思う。正直雑誌で取り上げられるワインって、なんか反感を覚えてしまうんだけど、このワインは確かにいいワインだと思いました。

【カーヴ・ド・ヴァン 1,800円?】

2007年7月28日 (土)

ラディチ タウラージ1998 マストロベラルディーノ

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イタリア土着品種の北の横綱、ネッビオーロにタメを張れるのは南の横綱アリアニコ。でもそのあまりに果実味タップリのパワフルさにはちょっと敬遠したい気もする。事実あまり自分からは手に取ることは少ない。厚ぼったい重たさがどうも正直興味をそそらないのだ。

でも、たまに飲みたくなることはある。このワインも茶屋町NUの地下一階ノールワインウエアハウスで安売りしていた。それならたまに飲んでみてもいいだろ、ってことで購入。

ラディチはカンパーニャ州のパイオニア的存在であるマストロベラルディーノ社によるDOCタウラージにおけるブランド。量産タイプのアリアニコを良質ワインとして世界に認めさせてきた。

色はしっとり落ち着いた黒味の強いルビー色。エッジは熟成を現す褐色味を帯びている。香りはチョコレート、黒すぐり、干しイチジク、甘い香りが満開だ。

酸はしっかりしており、その中に滑らかだが力強いタンニンがくるまれて、渾然一体として口の中に広がってくる。「おしつけがましさ」は全くなく、アルコールの甘さ豊かなボリューム感が心地よい。

中盤の膨らみはそれほど強くはない。10年を経てそうした押しの強さはなくなったのだろうか。アリアニコとわかって飲んでいるが、ブラインドならばネッビオーロと答えてしまうだろう。酸とチョコレートの印象が、まさにバルバレスコ、バローロに近い。

余韻はタンニンの渋みが舌を引き絞るかのような収斂感にとらわれ、そしてそれが収まった後もカカオティックな旨みが舌の表面に長い間残る。

アリアニコに持っていた印象を裏切り続ける繊細かつ上品な味わいには正直驚かされた。10年を経て余分なものをそぎ落とし、旨さを磨いた南の銘酒、まさにそんな表現がピッタリなワインでありました。

【ノールワインウエアハウス(茶屋町NU地下1階) 2,980円(特価)】


2007年7月15日 (日)

コエノビウム モナステーロ・ディ・ヴィトルキアーノ

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ラベルだけ見て何かいわくありげなワインに出会うことがある。中島誠之助じゃないけど「いい仕事してそうだね〜」って感じのワインだ。このワインもその一つ。

手書き風のラベルで、正直美しさ、洗練さは全く感じない。ぶっきらぼうで、朴訥と言ってしまうにはあまりにも短絡過ぎるような、飾り気のないラベルだ。

後から聞くとこのワインはヴィトルキアーノにある修道院で、修道女たちが厳粛な戒律の下に作ったワインで、ある酒商の勧めで、量り売りしかしてなかったワインの一部ボトリングしたものだそうだ。

畑ではボルドー液以外の農薬は一切使わない有機農法を実践し、ニ酸化硫黄も最小限に抑え、温度管理も行わず醗酵熟成させ、ノンフィルターでボトリングしたもの。セパージュはヴェルディッキオ35%、トレッビアーノ35%、グレケット10%、マルヴァジア10%にロッセット10%。

ノンフィルターだそうだが、それほど色の濁りはない。むしろ清澄した色合いで、レモン果汁のような若々しい薄めの黄色だ。香りはミント、鉄のような硬質の香りをまず感じた。その後マンゴーの甘いやわらかな香りが広がる。清涼感のある香りだ。

アタックは穏やかで、その後ゆっくりと穏やかな酸とあいまって苦味を伴ったやわらかな甘さが広がる。ゆっくりとした広がりだ。舌の表面に染み渡る旨みが心地よい。雑なところ、刺激が殆どない。インパクトは少ないが、しみこんでくるような旨みにしばし酔いしれる。

塩っぽさと酸の収斂感を残しつつ、ゆっくりと消えていく余韻もまた、上品さとは少し違う、やさしさに満ちた味わいだ。

こういうワインはガブガブ飲むものではない。時間をかけてじっくりあい対するものだと思う。でもうまいし、つい入っちゃうからグビグビいっちゃうんだけどね。

【WINESHOP FUJIMARU 2,300円】

2007年7月10日 (火)

レ・ブスケ2004 ウマニ・ロンキ

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マルケ州のワインです。さて、マルケ州とはどこか?自分もわからない...昔勉強したはずなのに。

マルケ州はトスカーナとほぼ同緯度にあるが、違うのはトスカーナはティレニア海に面し、マルケ州はアドリア海に面するということ。トスカーナがワインにとって花形の地位を保ってきたのに比べると、やはりマルケは影が薄い。

このワインはそのマルケ州でも有数の作り手、ウマニ・ロンキの手になる。品種研究には執念というべきほどのものがあり、畑の一角にわざわざ実験畑を設けて、そこで大学と提携した研究を進めているほどだ。

マルケ州の主要品種はヴェルディッキオ。生産面積はそれほどではないが、州を代表する白ワインを造ると定評がある。ただしこのワインはヴェルディッキオ50%、シャルドネ50%。フランス産の小樽で発酵させ、マロラクティック発酵で酸を抑え、熟成に時間をかけたこだわりのワインだ。

色は黄色ワインといってもよいくらいの濃厚でねっとりした色合いの麦わら色。ねっとりとした質感はあるが、決して濁っているわけではない。清澄なのだが、色合いの雰囲気がそう感じさせるのだ。

香りはヨーグルト、乳酸の香りが顕著だ。バニラ、マンゴー、ドライフル−ツ、パイナップル缶詰のような甘い香り。これはかなり甘ったるいのか?

しかしアタックにそういうしつこさは全く感じなかった。目立つ酸ではないが、そのあとのトロピカルな味わいとのつながりは自然。そしてそれもしつこさはなく、ベースにある苦さ、これはおそらくヴェルデッキオ由来のものだろうが、その苦味が味わいの骨格をまとめている。

トロピカルな味わいと苦味、味わいの二層構造がこのワインの複雑さを演出している。味わい的にはブルゴーニュのシャルドネ、それもムルソーのようなこってりした作りにかなり近い。ブラインドなら確実にムルソーと答えただろう。

余韻は中盤のふくらみほどには豊かとはいえない。割合あっさりとした引き際だ。しかし苦味の余韻は着実に口の中に残る。

全体には複雑さも備えた非常に好感の持てるワインだ。マルケ、正直注目もしなかったが、こんなワインを生み出すポテンシャルがあるとは、やはりワインは奥が深い。奥を覗かないうちに退散するのが身のためかも?もう遅いか...

【購入データ不明】

2007年7月 7日 (土)

ソニョ・ディ・リヴォルタ2004 ファットリア・ラ・リヴォルタ

Oyswi0cl 南イタリアのワイン、そこには謎めいた魅力がある。情報の少なさ、陽光あふれる大地、純朴な人達の熱意、そこから生まれるワインの中には、今までであったことのない味わいもあるはず。

このワインもカンパーニャ州という南イタリアのワイン。州都はナポリ。イメージだけなら天真爛漫、果実味満開のボリューム感タップリワインだが、いかに?ブドウ品種はファランギーナ、フィアーノ、グレコという土着品種。

『リヴォルタ』はイタリア語で革命という意味。この地域で昔農民が地主との戦いに勝利したという歴史があり、そのことがエチケットにも表現されている。それは主流の北のワインに対抗する作り手の気概の表れだろう。オーナーのパオロ・コトロネーオ氏、醸造者アンジェロ・ピッツィ氏は土着品種へのこだわり、かつ無農薬有機栽培でのワイン作りを行っている。

色は濃い目の麦わら色。香りはオレンジ、ヤクルト、マンゴー、甘いトロピカルフルーツの香り。やはりべったりとした甘ったるいだけのワインなのか?

しかしそうではなかった。柔らかな酸が自然と口の中に入ってきて、その後でかなちキッチリとした苦味をベースに持ったふくらみのある味わいが口の中に広がる。繊細な味わいでミネラル、塩味、コクのバランスが素晴らしい。この中盤の苦味がこのワインを特徴づけている。すばらしいワインでは、必ずこのえもいわれぬ微妙な苦味が多様な味わいをつなぎとめる役割を果たしていると思うが、このワインもまたその一つであるようだ。

余韻は果実の甘い味わいからやさしいコクへとしなやかに続いていく。確かに甘さ、トロピカルな味わいはこのワインの特徴だが、そこには甘ったるさ、えぐさは微塵もない。抑制を効かせつつ、甘い果実の味わいを同居させる、このテクニックには感嘆せざるを得ない。

カンパーニャのワイン、白ワインのこの価格帯でのインパクト、いやはや南伊のワインには恐ろしいものがまだまだ潜んでいるようだ。Great JOB!

【阪神百貨店 3,500円?】

2007年4月20日 (金)

ロッソ・コーネロ サン・ロレンツォ2003

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イタリア・マルケ州はイタリア中部でアドリア海に面している。ローマよりも北東で、あまり有名ではないが最近注目の産地。このワインのDOC(原産地呼称統制)であるロッソ・コーネロに優良な作り手が集まっている。

この州でも「イタリアワインの優」サンジョヴェーゼが人気だが、ロッソ・コーネロに関してはモンテプルチアーノが優勢。モンテプルチアーノはサンジョヴェーゼに比べると若干酸はおとなしいが、若干タンニン、収斂性のある渋みが強いのが特徴。

そしてマルケ州でもこのウマニ・ロンキは有数の作り手だ。モンテプルチアーノ種に対して並々ならぬ思い入れ、いや執念といったほうがいいかもしれないほどの情熱を持っているようだ。

このサン・ロレンツォ、本来ならばモンテプルチアーノに15%のサンジョヴェーゼを混ぜてもいいのだが、彼はそうしていない。真っ向モンテプルチアーノで勝負している。

香りはおとなしめで、イチゴ、干しブドウ、カシスの香りで、甘いジャムの香りが支配的だ。スーッとしたミント的香りも持っていて、非常に若くてすがすがしい気分にさせてくれる。

アタックは柔らかいが、あまり強くはないがほどほどの酸と、細かくやさしめのタンニンがなかなかうまく調和している。未だ熟してないなそれぞれをお互いがうまく支えている印象だ。

南イタリアにあるようなべったりした感覚はないので、何杯もするっといけるワインだ。余韻は長くはなく、飲み干した直後はゴツっとしたタンニンが口の中に残るが、それも去れば最後には優しい果実味が口の中に軽やかに広がってくる。

ミディアムと紹介されたが、なかなか骨のあるワインだ。それでいてしつこさは全くないので、使い勝手のいいワインだと思う。

【阪神百貨店 2,000円?】

2007年3月23日 (金)

コペルティーノ・ロッソ2003 レオーネ・デ・カストリス

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南イタリアのワインというと思い出すのはタウラージかな。暑い気候で糖度も高く、アルコール度も上がるのか、パワフルでこれでもかっていうワインが多かったので、「飲まず嫌い」していたが、最近はそうでもないらしいんで見かけたら飲んでみる。

このワインはそんなに重くないんで、というオススメの言葉もあって購入。プーリア州でネグロアマーロ、マルヴァジア・ネーラという品種から作ったワインだそうだ。どっちもぜんぜんなじみのない品種。イタリアってどのくらい土着品種があるんだろうか。こんなの覚えているワイン屋さんも、ソムリエさんも凄い。

ネグロアマーロはプーリアのワインの8割を占める品種らしい。タンニンが強く色も黒いらしいがさてどうか?

確かに色は濃い。周縁まできっちり色が入っている。黒味の強いルビー色だ。香りはブラックベリー、ダークチョコの甘い香りの中に、ミント的なハーブ香もする。

酸はやはり穏やかで、アルコールからくる甘さのほうが目立つ。タンニンはあるが、思ったほど強くなく繊細。甘苦いという表現が適当だろうか。そして茎をかじったような苦さがある。

口に含んだときは果実味を感じるが、そこからの広がりはあまり大きくない。舌から喉へ縦に上がっていくような間隔で横への広がりには欠ける。余韻もさほど残らない。南イタリアと聞かなければたぶんわかんないだろう。

南イタリアの果実味どっしりのジャム的なワインとは一線を画したい、すっきりした造りを志向しているんだと思う。これはこれでいいけど、やはり土地の気候を反映したパワフルさ、奔放さを感じさせてくれた方がうれしかったかも?地域を考えないなら、ディリーワインとしてはよくできていると思います。

【橘田酒店 1,800円】

2007年3月 7日 (水)

テッレラーレ・リゼルヴァ2000 DOCカリニャーノ・デル・スルチス

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シチリアに比べて影が薄いサルディーニャ島。地中海ではシチリア島に次いで大きさ2位である。

どちらも王国ながらシチリア王国の成立は12世紀、シチリア王であり神聖ローマ皇帝であるフェデリーコ(フリードリッピ)2世によってノルマン、アラブ、ビザンツ文化が融合した独自の宮廷文化を花咲かせたシチリア島に比べると、サルディーニャ王国の成立は18世紀。しかも当時のサヴォア公、ヴィットーリオ・アメーデオ2世はスペイン継承戦争の「論功」で核の高いシチリア島を断念する代わりにこの島を与えられた。その代わり王号を名乗ることは許され、これが後のイタリア王国の元となる。

そんなサルディーニャ島も開発が遅れ、やはり現代でも取り残された存在となっているようだ。しかしワインでは最近注目も集まりつつある地域の一つだ。

このワインはカリニャーノ種主体。フランス語では「愛好家の嫌われ者」カリニャンだ。サルディーニャではスペイン側の西部で栽培されている。もともとカリニャン自体はスペインが起源ということだ。

2000年と言うことで、ヨーロッパ全体がいい年だったビンテージ。でもカリニャンが7年の熟成に耐えうるのか?心もとなかったが、開けてみると思いのほか香りが開いている。甘いポートワインの香り、カカオ、シナモン等香辛料的な香りが顕著だ。色はまだ熟成感はない。オレンジをわずかに帯びつつあるかと言う程度の赤紫色だ。

アタックは滑らか。最初はマルサラのような甘みを感じたがその後酸がスーッとやって来て、酸に包まれていた少し荒めのタンニンが口の中に広がる。余韻は短めだが、口の中に含んだ後にカカオの香りが鼻腔をフワッと上がってくる感覚が心地いい。

フランスのカリニャンとはぜんぜん違う。これほどまろやかなワインに仕上がるとは少し驚きだ。酸とタンニンがうまくバランスしている。上品と言う感じではないが、「ウマミ」にあふれたワインで7年の熟成がこのこなれた感じを生み出したのだろうか。

何度かカリニャーノ・デル・スルチスは飲んだが、ここまで評価できるのは初めてだ。阪神で試飲販売していたが、結構売れていた。一杯飲んでもっと飲みたくなる、そんなワインだと思うし、実際売り場でもそうだった。旨いワインはやはり正直に売れるものです。しかも2千円以下だし。今年最高の「GOOD JOB」!

【阪神百貨店 1,800円?】