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カテゴリ「ワイン イタリア トスカーナ」の43件の記事 Feed

2015年11月17日 (火)

イル・マッロネート ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2008 DOCGブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

151115ilmarronetobrunello今週は特に予定がなかったので、久々に自宅でワインの飲み比べ、というかティスティングの練習。こういう場合は違うものよりも同じ種類のものを比較するほうが、より細かな違いを感じ取るという意味で勉強になる。この日は奮発してブルネッロ2連発。

イル・マッロネートの当主、アレッサンドロ・モーリ氏は元々法曹界の出身で、その父も弁護士のかたわらワイン造りに興味を示したことからこの道に入り、今ではすっかりワイン造りに専念することとなった。その主義はサンジョヴェーゼ1本集中、畑は自然に任せて除草剤の類は一切使用しない。ブドウは圧搾後ステンレスタンクで発酵、その後は2,500リットルの大樽で36か月熟成ののち、瓶熟10か月。

色はやや湿った感じのあるダークルビー。香りは木苺ジャム、カシス、干しブドウの甘さを呼び覚ます香りに加えて、ロシアンティー、ミント、ドライハーブの香りも感じられる。

アタックは瑞々しいストレートなベリーの酸に導かれて、細かなタンニンに満ちた果実味が口の中を弾むように入ってくる。角が取れた純度の高い酸が味わいの中核を成し、その周りに適度な旨み、膨らみが寄り添うように中盤の安定を形作る。濃密だがドライな果実味、滑らかな舌触りの体感が心地よく、全体にバランスの妙を感じさせながら後半の落ち着いたブルネッロらしい余裕の展開へと誘われる。

余韻は凝縮感と甘い果実のデュエットが細く長く続き、次の1杯を躊躇する気持ちにさせるほどの安寧を奏でていく。

前半の抑制を利かせた凝縮感、そこから昇華して後半の長い余韻の安らぎをもたらす展開、ブルネッロに期待する特質を的確に備えたワイン。やっぱブルネッロ、美味しいわー。

【Wineshop FUJIMARU(ラシーヌ)9,000円?】

2015年11月16日 (月)

イル・ボッロ アルパ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2007 DOCGブルネッロ・モンタルチーノ

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人には「サンジョヴェーゼはやや苦手」という割に、結構家では飲んだりしている。その場合は自分が好きそうな感じのものを選んで、1本ゆっくり愉しむ時が多い。そして、その時には勢いブルネッロを選らんだりしてしまう。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、サンジョヴェーゼの最高峰と言えるこのワインの特色は、生き生きとした酸味としっかりした酒質が両立しているところにある。上質のキャンティも同様に言えるが、ブルネッロはより安定感、重量感を伴っているところに自然と惹かれてしまうのだろう。

イル・ボッロはイタリアファッション界の雄、フェラガモ資本によるワイナリー。というか、フェラガモがイル・ボッロ村を含む地域を買収、リゾート地として開発した場所に新たに開いたワイナリーということで、その財力にも驚くが、そこから産み出すワインが軽くブルネッロとして世に出されることにも恐れ入る。ワイナリーとしての初リリースは1999年。

色は深みのあるやや黒味がかったルビー・ルージュ。香りは熟したストロベリー、赤い花、いちじく、ビターチョコ、バックにやや金属的香りも感じられる。

口に含むと熟したベリーの美味しい果実味がストレートに解き放たれる。快活だがしなやかさもある酸味の中庸さが好ましく、優しい序盤から中盤のブルネッロ独特の細かな渋みを伴った厚みのあるボディへと無理なくつながっていく構成が感じられる。中盤の落ち着き、バランス感覚は異論のないところだが、やや巧く流れすぎる感じが否めず、無理をしない安全運転といったところか。後半に至ってもその流れを崩さず、穏やかな時間が過ぎていく印象。

余韻はきびきびした酸味に彩られたしなやかで穏やかな甘さの果実感が舌を薄くくるむように広がり、そして適度な浮遊感とともに昇華していく。

ブルネッロに期待する特徴のすべてを過不足なく備えており、大手が財力をバックに短期間に開発したということを考えると十分な内容だと思う。ただ贅沢な要求だろうか、美味しいのだがやや個性に欠ける面は否めない。流麗すぎて、心に引っかかるもの、後に残るものというところが少ないのが正直なところではある。ワインとしては完成形に近いのだが、難しいところだ。

【エノテカ グランフロント店(エノテカ)6,000円】

2014年5月14日 (水)

イル・モリーノ・ディ・グラーチェ キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ2005 DOCGキャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ

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イタリアワイン好きを自称しつつ、サンジョヴェーゼ派ではなかった自分だが、最近はこの品種に開眼しつつあるように思う。造り方によっては軽いワインにも重厚なワインにもなるニュートラルさはあるが、共通するのは透明な酸味とスムースなストラクチャー、その流れに身を任せれば素直に楽しめるイタリアらしいブドウだ。

このブドウが本領を発揮するのはやはりトスカーナ州であろう。トスカーナにあってキャンティ・クラッシコは古くからサンジョヴェーゼを栽培してきた地域にのみ許されるDOCGだが、その中でリゼルヴァはアルコール度が通常のクラッシコより高い12.5%が必要になる。

このワインは100%サンジョヴェーゼで、海抜300mから400mの丘にある畑から、1haあたり37hlに収量を抑えたブドウを手摘みで収穫する。その後27~28℃に保ちつつ20日の醸し発酵を経て、スロヴェニア産オーク樽と、1,2回使用したフランス産の小樽で11か月の熟成させる。

色は深みのある濃密なダークルビー。香りはプラム、カシスリキュール、ビターチョコ、ヴァニラで、甘みの印象を強く引き出す香り。

アタックは瑞々しい真っ直ぐな酸味が徐々に力を増し、その後こなれたタンニンを備えた純度の高いベリーの果実味が豊かに広がる。酸味、果実味共にピュアで透明度が高く、雑味を感じさせない。中盤は細かなタンニンが受け皿のように果実味を優しく支え、ふくよかなボリューム感を表現する。全体のバランスも整っており、乱れぬ構成は後半まで緩まない。

余韻は熟したブドウの甘みが適度な浮力を伴いつつ広がり、やがて空中で昇華するように自然なフィニッシュに至る。

整然とした味わいが印象的な緻密な構成のワインだが、気難しいところはなく、ストレートに楽しめるところがトスカーナ、イタリアワインたるゆえんだろう。これがサンジョヴェーゼに備わった魅力ということなんだろうな。

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 2,800円?】

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2014年4月30日 (水)

テヌータ・グアド・アル・タッソ イル・ブルチャート2011 DOCボルゲリ

140429ilbruciatoボルゲリという土地は不思議な場所だ。イタリア、トスカーナのDOCで、白ワインよりも赤ワインで有名な産地には違いないが、その品種はカヴェルネ・ソーヴィニヨン、メルロー100%が許され、シラー、そしてトスカーナの雄であるサンジョヴェーゼは50%まで認められている。ここでは国際品種が優位なのである。

フィレンツェの南、ティレニア海沿岸の斜面に広がる畑からは、スーパータスカンの元祖であるサッシカイアが生み出され、イタリアワインの潮流の一つを作ったこの地で、テヌータ・グアド・アル・タッソは温暖な気候を利用し、ボルドー品種を中心に栽培している。旗艦ワインのグアド・デル・タッソはカベルネ・ソーヴィニヨン主体で、そのセカンドであるこのイル・ブルチャートはカベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロ30%にシラー他20%を加えている。

色は濃密で黒味の強いダークルビー。香りは濃厚なカシスを感じ、その後黒胡椒、墨汁、アニス。

口に含むと良く熟したとろみのある果実味に、繊細な酸味が緊密に寄り添う。序盤から均衡した構成を感じ、揺るぎのない味わい。少し硬さと、やや凝縮感に物足りなさを感じないではないが、緻密なタンニンと繊細な酸は今後成熟していくであろうポテンシャルを備えている。中盤から後半も静謐でデリケートさは乱れず、精緻な味わいを貫く。

余韻は絹のようなシルキーさを最後まで保って、育まれた斜面の畑を想像させるような景色を思い起こさせるように、穏やかに幅広に果実味が去っていく。

カベルネ・ソーヴィニヨンのワインを飲むことが少ない自分だが、その質と懐の深さを感じさせてくれた。ボルドー的なセパージュだが、さらに果実味を親しみやすく、そしてより構成を緊密にした印象。国際品種でありながら、イタリアらしさを表現した一品といえるだろう。

【エノテカ グランフロント大阪店 4,200円】

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2014年4月24日 (木)

ピーレ・エ・ラモレ キャンティ・クラッシコ ラモーレ・ラモーレ2010 DOCGキャンティ・クラッシコ

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こんなに連続でトスカーナ、サンジョヴェーゼを飲むのも不思議なものだが、凝ってしまったので再びキャンティ。

キャンティと聞くと、敬遠してしまうのはまだまだワインが一般的でなかった頃、カジュアルなイタリアンに置いてあった酸っぱいだけの薄っぺらいキャンティの記憶があるからなのだろう。当時のDOCに依れば、キャンティは白ブドウ、酸味の強いトレッビアーノを混ぜることが許されていたから、今思えばその影響もあったのかもしれない。

しかしキャンティ・クラッシコはサンジョヴェーゼを80%以上、その他黒ブドウを混醸することが許され、そしてその生産地は9つの村に分かれている。このピーレ・エ・ラモーレが本拠とする村はグレーヴェ・イン・キャンティで、クラッシコを名乗れる村々でも北、標高は350mから500mの丘に位置し、南西向けの畑で樹齢約20年、中には70年を超える樹齢の古木で栽培されたブドウから造られる。6日間のマセラシオンの後、発酵はステンレスタンクで26度以下で8~10日、その後大樽で12か月熟成の後、6か月の瓶熟を経る。

色は凝縮感のある、山葡萄的な色合いの暗いルビー色。香りはブルーベリー、カシスの甘い香りが強く放たれ、ヴァニラ、カカオ、干しイチヂク、黒胡椒の香りも感じられる。

アタックは整った瑞々しい清涼感のある酸味が初めは遠慮がちに広がり始め、その後涼しげな赤い果実の旨味がきれいに乗ってくる。ボディは細めだが、繊細なタンニンとピュアな果実の旨味が密に絡み、左右の対称を崩さない絶妙のバランスを提示する。凝縮感はそこそこだが、隙のない味わいが後半まで保たれ、後半までクールな現代的味わいを演出する。

余韻は最後まで調和する酸と果実のピュアな旨味がほっそりと残り、ゆったりした心地を保ちつつ、爽やかなフィニッシュに至る。

複雑さよりも、サンジョヴェーゼのピュアな酸味と若いベリーの味わいの個性をストレートに表現したワインと言えるだろう。飲んでいて負担感のない、素直にブドウの旨味が感じられる、これぞサンジョヴェーゼのイメージといったところかな。

【? 2,800円】

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2014年4月23日 (水)

チャッチ・ピッコロミーニ・ダラゴーナ ロッソ・ディ・モンタルチーノ2009 DOCロッソ・ディ・モンタルチーノ

140420ciaccipiccolominidaragonaなかなか生産者の名前が覚えられない自分だが、この生産者は即座に覚えてしまった。長いが印象強い名前、チャッチ・ピッコロミーニ・ダラゴーナ。

モンタルチーノの東南、カステルヌォーヴォにある名門は、17世紀には法王も輩出した伯爵家で、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノでは代表的な生産者として定評を持つ。そのワインはブルネッロから想像するイメージを良く表現したビターチョコの味わいを持った重厚な味わいだ。そのロッソはどうだろうか?

色はやや曇った色合いのダークルビー。香りはザクロ、プラムの果実香に加え、錆釘、血のような香りも感じられる複雑さ。

アタックは甘口のワインと見紛えるくらいの濃密な黒いベリーの果実味。その濃厚さをしっとりと抱えるまろやかな酸味がバランスを取っている。細かなタンニンはやや粗さも伴うが、酒質を下支えしつつ、抑揚を抑えるグリップ力を表現する。後半はビターチョコのような甘みが顔を出し、甘みと酸味が密接に絡んで風格を感じさせる。

余韻は柔らかに熟したベリーの甘みが程よく広がりつつ、滑らかなフォルムを描いて収束していく。

かつて飲んだブルネッロの味わいに負けないくらいの濃密な味わいは、さすが名手の表現力と言えるだろう。名手の味わいを気軽に楽しめるロッソ・ディ・モンタルチーノというカテゴリーに感謝したい。

【Wineshop FUJIMARU 3,500円?】

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2014年4月22日 (火)

ポデーレ・サリクッティ ロッソ・ディ・モンタルチーノ ソルジェンテ2010 DOCロッソ・ディ・モンタルチーノ

140420salicutti引き続きサンジョヴェーゼ強化月間。たまたま阪神百貨店の血かワイン売り場でモトックスフェアを開催していて、そこでトスカーナワインの特集コーナーがあり、店員さんに勧められて買ってきたものの一本がこれ。コロッセオのようなものを描いたエチケットも素敵だったのも、これを選んだ理由の一つだった。

モンタルチーノはサンジョヴェーゼでも特別な街に違いない。しかしその歴史はそう古くはない。ブルネッロ(サンジョヴェーゼ・グロッソ)100%で大樽熟成4年を経て作り上げる製法は、ビオンディ・サンティによって1888年に始められたもので、その後1967にDOC、1980年にDOCGへとブルネッロ・ディ・モンタルチーノが昇格するにつれて広まっていったものらしい。

モンタルチーノの街から南東の地に畑を持つポデーリ・サリクッティは、11haのブドウ畑の他に1haのオリーヴ畑、3haの林を所有している。オーナーのフランチェスコ・レアンツァ氏は真摯にワイン造りに取り組んでいるようで、HPにも詳細なデータを開示している。このロッソは自然酵母を用い、ステンレスタンクで発酵、その後はアリエ産のオーク樽で18か月熟成、清澄濾過は行わない。

色は紫がかったダークルビー。香りはストロベリージャム、カシスに加えてスミレ、タバコ、ミントが感じられる。特にミントの香りが顕著。

口に含むと軽やかな果実味とピュアな酸味がすっきりと広がり、その後やや硬質なタンニンを伴ったフォルムが連なる。全体の酒質はバランスよくまとまり、よく躾けられたワイン。凝縮感は中程度ながら、酸とタンニンのコントラストが明瞭で、気持ちよく喉を通る。中盤から後半のシルキーで抵抗感のないベリーの旨味も心地よい。

余韻は中程度でやや渋みも残るが、清廉な味わいを最後まで透徹して締めくくる。

ボリューム感はロッソ・ディ・モンタルチーノなので中程度ではありつつも、抵抗感のない清潔な味わいに満ちており、心地よく飲み干せるワイン。サンジョヴェーゼの特性を良く引き出したワインと言えるだろう。

【阪神百貨店 梅田本店 3,500円?】

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2014年4月15日 (火)

ラ・ブラッチェスカ ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ リゼルヴァ サンタ・ピア2006 DOCGヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ

140413vinonobilesantapiaイタリア好きと言いつつも、トスカーナという王道をあまりにも知らなさすぎるので、今年はトスカーナ、サンジョヴェーゼ強化年という事に自称しているので、この日はサンジョヴェーゼにしたものの、やや主流ではないかもしれないヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノを。

モンテプルチアーノで栽培されているサンジョヴェーゼは、プルニョーロ・ジョンテーレと呼ばれるクローンで、一口にサンジョヴェーゼと言っても厳密には遺伝学的にはピコロ、グロッソ、ロマーノの3系に区別されている。このブルニョーロ・ジョンティーレはグロッソに属しているブドウで、皮が厚くタニックでフルボディなワインに仕上がる。

ラ・ブラッチェスカは1990年にアンティノリが購入した。このワインはサンタ・ピアの畑で栽培されているプルニョッロ・ジェンティーレ100%によるもの。

色は濃密なダークルビー。香りはプルーン、カカオ、黒蜜、ブリュレ、ややなめし革の香りも感じられる。

序盤はボリュームのある黒味のベリーの果実味と、太めのおおらかな酸が調和し、インパクトのある味わいを押し出してくる。しかし中盤はやや控えめにスレンダーなボディの中に詰まった要素がしっかりした構成力を感じさせる。タンニンはまだこなれず粗めで、口の中にゴツゴツした感じを残すが、時と共に和らぎを見出すであろう。後半は繊細でソフトなベリーの果実味がなだらかにふくよかに広がる。

余韻はややタンニンの粗さが残りつつも、純度の高い熟したベリーの旨味で口の中を満たしながら、静かに、しかし重厚に引いていく。

非常に重厚なワインで、タンニンの粗さから言えば2006年とは言えまだまだ熟成を経る必要があるワインだろう。そしてブドウ品種的にも同じサンジョヴェーゼながらキャンティのジューシーさ、ブルネッロの奥深さとは違う、中間のバランスをとったワインと言えるのではないだろうか。やや狭間の地区のワインだけに見つめるのは難しいが、まだまだ面白いワインに出会えそうな地域のようだ。

【エノテカ難波店 4,500円?】

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2014年4月 9日 (水)

テヌータ・セッテ・ポンティ クロニョーロ2005 IGTトスカーナ 

140409tenutaseteponteその時は興味があって買い置いたワイン、そのまましまっておいて飲むのを忘れていたなんてことはよくあること。ワインには申し訳ないのだけれどこれもその一つ。

このワイン自体は雑誌などで目にする機会も多い。トスカーナのお得ワインとして、価格以上の品質を褒める記事を読んだことがある。

テヌータ・サンテ・ポンティからこのクロニョーロが初めてリリースされたのは1998年というから、それほど古い話ではない。トスカーナ州の東、標高約1,000mのファヴァルト山の山裾に位置するアレッツォを本拠とし、この他に海沿いの同州南部マレンマ、そして新たにシチリアに畑を有している。このクロニョーロ2005はサンジョヴェーゼ90%、メルロー10%による。

しっとりした重みの感じられる、黒味の強いダークルビー。カシス、プラムのベリーの香りに加えて鉄、ビターチョコ、中国茶も感じられる。

口に含むと瑞々しいベリーのピュアな酸味が伸びるように広がるが、刺激の少ないまろやかなフォルムで、内包された熟した果実の旨味とこなれたタンニンの調和が品格をより高めている。味わいのボリューム感はかなりあるのだが、滑らかなフォルムと伸びやかかつ穏やかな酸が隙間を埋めるかのように働き、全体で厚みのある均整のとれた味わいを形成している。この調和はサンジョヴェーゼとメルローによるアッサンブラージュを納得させる。

余韻は全体が昇華していくように、自然な流れの中で優しいベリーの甘みが穏やかに優しく収束していく。

このコメント、実は二日目の味わいによるもので、初日も美味しかったもののやや角が感じられたのだが、次の日にはそれも取れて非常にまろやかな味わいに深化していた。確かに2千円台でこれだけの厚みと調和のバランスが取れたものであれば、高評価されているのも頷ける。美味しいサンジョヴェーゼワインに違いない。

追記 このワイン、セラーにも入れずほっといてこの美味しさを保っているのであれば、あんまりセラーセラーと神経質になるのもどうなんだろう?とは思ってしまう。あまり窮屈に考えるのもどうなのか。セラーがないときは当たり前だったのだから。

【Cave de Terre淡路町店 2,800円?】

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2013年12月14日 (土)

バローネ・リカーゾリ キャンティ・クラッシコ ブローリオ2010 DOCGキャンティ・クラッシコ 

131215brolioイタリアワイン好きと言いながら、トスカーナ、特にサンジョヴェーゼに疎い、というのは致命的な欠陥かもしれない。

トスカーナ、ピエモンテというイタリアワインの2台巨頭に関して、自分としてはよりピエモンテの他に例えようのない個性に魅かれてしまう。トスカーナは悪く言えばまとまり過ぎて、ここで飲まなくても、という感じがあったのだ。

しかし、最近はそうでもなくなってきた。サンジョヴェーゼとようやく向き合うだけのベースができてきたということだろうか?今日のグラスは王道、キャンティ・クラッシコの名門、バローネ・リカーゾリ。

一時は質の低下を嘆かれていたというリカーゾリ社。そして、キャンティという名称も日本でイタリアンが一挙に知名度を上げた当時は、ただ酸っぱく薄っぺらいワインの印象を受けて低迷した。しかし、今では両者ともその評判を立て直し、イタリアの名門としての誇りを取り戻した感がある。リカーゾリ社の現オーナーはその名に由来するリカーゾリ男爵家で、まさに家名の誇りを賭けてワイン造りに取り組んでいる。ブローリオの名を冠したキャンティ・クラッシコはサンジョヴェーセ主体で、樽は大樽とバリックを併用、9か月の樽熟成を経ている。

色は濃密でボリューム感のあるダークルビー。香りはブルーベリー、カシス、スミレ、マロン、ビターチョコ、しっとり落ち着いた香りに満ちている。

アタックは冷涼な酸をまず感じ、その直後から濃密な熟したベリーの果実味と、隙間を埋めるような渋みのインパクトが広がる。その果実味と相まって放たれる樽由来の香ばしさが、酒質と調和するようにふくよかに感じられる。ボリューム感は中程度で若干の青さも感じられるが、無駄な甘さをそぎ落とした緊張感を伴う味わいが心地よい。全体を計算しつくして、余計なものをそぎ落としたようなボディの洗練さが伝わる中盤。

余韻は適度な濃密さを保ちつつ、その主体を成す甘みの強さが自然にほどけていく感覚を感じさせながら、最後まで品格を保ったままフィニッシュに至る。

かつて市場を席巻した安いキャンティとは全く次元の違う、濃密かつエレガントな味わい。若さと老成さが調和して複雑さと歴史を感じさせるワインに仕上がっている。この価格でこれだけの質を持っているワインもそうないだろうな。Good JOB!

【阪急百貨店梅田店 2,800円?】

2013年12月 8日 (日)

ヴァルデッレコルティ キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ2007 DOCGキャンティ・クラッシコ

131207valdellecorti今更、というお叱りを受けるかもしれないが、最近になってサンジョヴェーゼの良さが理解できるようになってきた気がする。以前は整然として全方位的、澄ました感じの味わいが、飲んでいても突き放されているようで好きではなかったのだが、じっくりと向き合えば緻密な構成、穏やかさの中に深みを持った独特の豊かな味わいが見えてくるようになった。しかし未だこの方面は未開の領域ゆえに、ガイド役が必要ではあるのだが。

ヴァルデッレコルティという造り手のワインも、そうしたガイド役に導かれて出会った。拡大したキャンテぃ地区にあって古くからの地域がクラッシコとして独立のDOCGに指定され、サンジョヴェーゼ80%以上の黒ブドウからワインが造られるが、このリゼルヴァはサンジョヴェーゼ100%。

色は黒味が強く、凝縮感のあるダークルビー。香りは若干閉じ気味だが、ブルーベリー、スミレを感じ、その中にインク、鉛筆の芯、樽由来だろうか甘栗の皮のような焦がした香りも感じられる。

口に含むと冷涼で緻密な酸が舌先からすっと伸びてくる浸透力を感じる。若いベリーの果実味は熟しつつも過度に甘からず、節度を保ってフレッシュ。果実味も均整を保って凹凸の少ない滑らかな味わい。タンニンは中程度で、繊細な果実味をまとめあげるには十分な力量。全体にはきれいにまとまりすぎている感じがなきにしもあらずだが、これがキャンティ・クラッシコの矜持であれば受け入れられる。中盤から後半に広がるミネラリーな苦みが、穏やかな果実味に複雑さを演出していく。

余韻は穏やかなベリーの甘みの記憶が心地よく、口の中にほのかな温かみを残しながらゆるやかに引いていく。

全体のバランスを保ちつつ、何層にも折り重ねた緊密な構成を感じさせる味わい。クラッシコの伝統と誇りを内に秘めた故の成せる業なのかもしれない。

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 3,500円?】

2013年10月26日 (土)

テヌータ・イル・パラッジオ キャンティ フェン・ウィー・ダンス2011 DOCGキャンティ

131026whenwedanceこと食品に関しては殆どブランドを信用しないので、最近の阪急阪神の「誤表示」騒ぎにはあまり驚かない。メニューにやたら産地を誇るような表記があると、「ホンマか?」と疑ってかかってしまう。という人間なので、正直このワインに関しても若干の不安視があるのだが。。。

キャンティにしては凄く違和感のあるエティケットなのだが、実はこのワイン、スティングがトスカーナで開いたワイナリーのものだという。そういえば、このワインの名前もスティングの1994年のベストアルバム、Fields of Goldの巻頭を飾っていた曲だ。スティングもポリス解散直後、The Dream of the Blue Turtle、Nothing Like the Sun、Ten Summoners' Talesあたりまでは聴いていたのだが、それ以降は瞑想的な楽曲が多くなり、聴いていても辛くなる感じが深まったので、離れてしまった。彼がワインを作るのであれば、妥協を許さず真剣に向き合ったものを作るはずなのだが、さて?

色は濃厚で湿り気のある、やや暗めのルビー色。香りはプラム、カシスジャムの甘い香りが前面に立ち、ガトーショコラ、ドライトマト、バックに少し山椒のような青いスパイス感も感じられる。

アタックは酸味と果実味のバランスのとれた優しい味わい。主張し過ぎず、さりとて中身はしっかりと感じられる抑制のとれた序盤は好感が持てる。果実味の凝縮感は中程度で、小振りな印象ではあるが、角の取れた静謐な味わいは飲み疲れせず、体に素直に浸透していく。中盤から後半にかけて、穏やかなベリーの旨味が細くなだらかに広がり、素直に美味しい。もう少し締まり、メリハリがあると自分の好みに合うのだが、スティングの音楽を思えばこれもまた造り手の主張によるものか。

余韻はシルキーな舌触り、なだらかに坂道を下るような自然さを感じながら、最後まで穏やかな味わいを残しつつ柔らかく軽やかにフィニッシュする。

スティングの音楽らしく、派手な抑揚を利かさず内に内にとエネルギーを集中させているような感覚のワイン。彼のネームヴァリューなくしても、この穏やかさと静謐さは好感のもてる味わいだった。

【Cave d'Orange 2,500円?】

2013年6月30日 (日)

アルジャーノ ロッソ・ディ・モンタルチーノ2010 DOCロッソ・ディ・モンタルチーノ

130630argianoあまりトスカーナ、というかサンジョヴェーゼを飲まない自分だが、ロッソ・ディ・モンタルチーノは好きなカテゴリーだ。ブルネッロは高くて頻繁には飲めないけども、ロッソなら同じ雰囲気を安く楽しめる。むしろ早飲みで楽しめるので、ブルネッロよりもこちらの方が好きかもしれない。これは痩せ我慢?

アルジャーノはトスカーナでも有数の作り手で、ブルネッロは勿論だが、カヴェルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラー、プティ・ヴェルドーによるソレンゴで新たなスーパータスカンの形を示した。このロッソは勿論サンジョヴェーゼ100%だが、手摘みのブドウをステンレスタンクで発酵させる。

色は黒味の強い、しっとりしたダークルビー。香りはスミレ、ミント、ザクロ、ドライフラワー、バックにはビターチョコの香りが感じられる。

口に含むと落ち着いた酸味にくるまれた、密度の濃いベリーの果実味が豊かに広がる。酸味は柔らかいが冷涼で、緻密なタンニンとの相性がよく、クールで洗練された味わい。中盤のふくらみは中程度だが、厚みはしっかり感じられる。後半にかけては酸味から主導権をバトンタッチしたタンニンが存在感を増してくる。

余韻はソフトで優しい果実の甘みを残しつつ、最後まで柔らかで心地よい飲み心地を演出しながらゆったりと引いていく。

酸味とタンニンのバランスが良く、ワインとして良くできている。少しおとなしい感じがなくはないが、どの料理にも調和しつつ豊かな飲み心地を演出させるワインを作り上げる、作り手の力量を感じさせるワインと言えそうだ。

【Cave de Terre淡路町店 3,000円?】

2013年1月15日 (火)

カンピ・ディ・フォンティレンツァ ペッティ・ロッソ2010 ヴァン・ド・ターブル(モンタルチーノ)

130113pettirosso何を選ぼうか困ったとき、結局はジャケットなどの見栄えで決めてしまうことは結構あって、ことワインに関してもそうした場合がままある。そして、そのラベル買いの結果が思った以上に当たることが多い。

このワインもそうしたラベル買いの一つ。自分は何故かサンジョヴェーゼはあまりボトル買いしない(どちらかというと、ネッビオーロ派)のだが、この小枝に留まった小太り雀のようなほのぼのとした雰囲気につい惹かれてしまった。

元々はミラノ生まれの双子の姉妹、マルゲリータとフランチェスカ・マドヴァーニが、両親の別荘のあるモンタルチーノに移って始めたのがこのワイナリー。1999年から森の開墾を始め、2004年からブルネッロをリリース。伝統を踏まえながら、独自のスタイルを追及しており、2007年からはヴィオディナミを実践している。

このペッティ・ロッソは元々はサンジョヴェーゼIGTで出していたものを、さらに格下げして出した。マセラシオンを短くし、より軽やかな仕上げを目指したという。

色は落ち着いた紫ルビー色。香りはブラックベリー、スミレ、ザクロといったチャーミングな香りに、黒胡椒、スモークの香りも寄り添う。

口に含むとベリーの瑞々しい鮮烈な酸味が突き通り、その後に旨味のしっかり感じられる果実味が座る。決して濃すぎず、さりとて軽すぎず、バランスの良い味わい。タンニンもこの軽快な味わいに適するようにこなれており、全体はこじんまりした印象ではあるが、中身が密で、なにより雑味のないクリアな味わいが好ましい。中盤から後半は、一転穏やかな水平線を眺めるかのように広がる透明度の高い果実味の純なうまさが、自然に体に優しく染みてくる感覚。

余韻はベリーの純な甘さが程よく広がり、最後までピュアな味わいをたたえながら優しく引いていく。

ピュアな酸味と、クリアな旨味が調和した、自然体で肩ひじ張らずに楽しめる。女性が作ったと聞けばなるほど、とうなずける味わいだろう。サンジョヴェーゼを普段飲まない自分でも、この自然な味わいは抵抗なく受け入れられるな。

【エーテルヴァイン岡崎店 2,500円?】

2012年11月24日 (土)

アジエンダ・ヴィティヴィニコラ・ドゥエマーニ チフラ2010 トスカーナIGT

121117cifraイタリアワインは土着品種が満載なので、ブドウの力を感じることの方が多いように一見思うのだが、実際飲んでみると気候、土壌の力の方を強く感じることの方が多い。すなわち同じ品種、特に国際品種をフランス、イタリアで飲み比べてみると、その印象は強くなる。

フランスではロワール、ボルドーで使われるカベルネ・フラン。大まかな特徴としてはカベルネ・ソーヴィニヨンよりも青み、酸味を感じると言われる。しかしイタリア、トスカーナに転じると、そうした印象は影をひそめ、サンジョヴェーゼに近い味わいに感じられるのだから不思議なものだ。これはひょっとして僕だけの感想なのだろうか?

ドゥエマーニは、カベルネ・フラン100%から造られるワインとして有名。トスカーナでこのブドウの可能性を証明したこのワイナリーから新たに「チフラ」と名付けられたこのワインは、そのカベルネ・フランでも若木から造られるブドウで造られる。だからといって、セカンドワイン的な位置づけではない。「チフラ」という名前も、「カベルネフランはここにあり!」的な意味から名付けられた造語であることから、確信犯的なワインであることがわかる。

色は濃密な黒味の強いダークルビー。香りはカシス、ドライフラワー、黒オリーブ、根昆布、みたらし団子、バックに黒ゴムの香りも感じられる。

口に含むとピュアな完熟ベリーの酸味と、弾力感のある果実味を感じる。タンニンは強すぎず、それでいて密。その直後にストレートな熟した果実の甘さを感じ、複雑さを払いのけた素直かつ潔さが伝わってくるような味わいの展開。ボディの膨らみは中程度だが、味わいの要素が細かく、かつタンニンもカベルネ・ソーヴィニヨンのように鷲掴みにするような大柄なものではないが、細かでじわじわと引き絞るように展開する所が品種の個性であろうか。

余韻は素直でフレッシュなベリーの甘みが口の中に均一にかつ優しく広がり、程よい滑らかさを残しつつ、柔らかなフィニッシュに導かれる。

ドゥエマーニのワインは何度も飲んできたけど、第一印象で言えばこのワインを筆頭に挙げてもいいと思えるほどの、ストレートで素直な美味しさを感じさせてくれるワイン。カベルネ・フランだからこそ、イタリア、トスカーナの地力を蓄えつつ、濃すぎないレベル感で留まっているのかもしれない。その意味では、土地とブドウ、双方の力をバランスよく表現したワインなのかもしれないな。Good JOB!

【伊勢丹大阪店 2,500円?】

2012年9月17日 (月)

テレンズオーラ ロザート・トスカーナ カナイオーロ メルラ・ローザ2010 IGT(トスカーナ)

120914canaioloようやく暑さも収まってきたので、徐々に赤ワイン側にシフトしようかと思いつつ、ウォーミングアップも兼ねてのイタリア、ロゼワイン。この日は自分には珍しく王道、トスカーナのロゼ。しかし、惹かれたのはこのワイン、サンジョヴェーゼではなく、メルラ、すなわちカナイオーロ・ロッソ主体で作られている点。

カナイオーロはイタリアの土着品種だが、脇役的存在に甘んじている。キャンティなどサンジョヴェーゼ主体のワインに柔らかさを加える目的で補助品種として用いられていることは多いが、単一、主体的に使われることは極めて稀な品種だ。

このテレンズオーラというワイナリーは、ルイジ・ジュリアーニという人がが大恐慌のさなか、ニューヨークから戻ってこの地に畑を購入したのが始まりだが、その甥にあたるイヴァンがワイン造りを本格化させたのは1993年とのこと。このワインのインポーターも後から見れば「W」。こことはどうも自分の好みの感覚が合っているようだ。

色は赤みの強い暗めの色調のロゼ。香りはプラム、いちじく、ラヴェンダー、鉄さび、濡れた革のしっとりした香りをバックに感じる。全体に落ち着いた湿った感じのある香りが感じられる。

口に含むと湿った安定感のある酸味が感じられ、徐々に細かだが重みのあるタンニンを伴った果実味が存在感を増し、中盤に広がってくる。味わいの外郭がはっきりしており、より赤ワインに近い。滑らかで弾力感のある味わいが中盤から終盤にかけて心地よく座り、充実感を感じさせる。

余韻は果実味とタンニンのバランスが調和し、浸透力のある旨味が行き渡った絶頂を過ぎても最後まで息を抜かない渋さを残しながら、口の中に力づよい膨らみの感覚を残しながら、やさしく穏やかに引いていく。

カナイオーロという品種の特徴がどこにあるのかは未消化だが、ロゼワインとして旨味もしっかり感じられ、より赤ワインに近い存在感が感じられた。しっかりした、充実感のあるロゼというところかな。

【Wineshop FUJIMARU 2,500円?】

2012年3月20日 (火)

パーチナ ラ・マレーナ2007 IGT 

120320pacinasyrah好きなワインは?と聞かれれば「ローヌ」、好きな品種はと聞かれれば「シラー」。これだけは譲れません。これだけは絶対。両方揃えば文句なしだけど、どちらか一方でもOKですが、どちらかと言えば世界各国、意外な地域で「シラー」の文字を目にしたときの方が食いつきがいいです。

イタリア、トスカーナは勿論サンジョヴェーゼの王国だけど、シラーも作られている。しかし、いずれもローヌのシラーよりはサンジョヴェーゼに近い味わいに感じられるのは土地の力ゆえだろうか。そんなシラーをトスカーナでも今や安旨信頼感ナンバーワンのパーチナが作るとあればどうなるか?

色は黒味の強いどっしりした質感のあるルビー色。香りはブラックベリー、カカオ、黒オリーブ、粒胡椒、ヴァニラ香が感じられる。

口に含むとまろやかな酸味にくるまれた詰まった果実味がグミキャンディーを口に入れたときのように転がる。滑らかな質感が口の粘膜を撫でさするようで心地よい。タンニンは細かで豊富。若干ざらつき感は残るが、若さゆえだろうか。バックにパウダー状の胡椒から発散されるようなスパイシー感が感じられる。

余韻はビターチョコのような苦みが口の中にどっしりと広がり、そこに戻ってきたベリーの酸味と果実の旨味が重なり、複雑な旨味を残しながら、長くゆっくりと引いていく。

ローヌとは違ったイタリア、トスカーナ的なシラーではあるけれど、バックにはしっかり品種の個性と言えるスパイシーさも感じさせつつ、全体をきれいにまとめ上げる。ニューワールドにありがちなボリューム感で押された後の疲労感がないところが、このワインの魅力に違いないな。

【Wineshop FUJIMARU 3,000円?】

2011年5月 6日 (金)

チェルバイオーナ ロッソ・ディ・モンタルチーノ2007 DOCロッソ・ディ・モンタルチーノ

110502rossoここのところ、サンジョヴェーゼに興味が向いている。今まであまり興味の対象に上がってこなかったというか、他のブドウに興味が向き過ぎていたということで、嫌いという訳ではなかった。でもイタリア好きなのにこのブドウについて何も知らないのでは少々恥ずかしいこともあって最近は機会があれば積極的に楽しみたいと思っている。

でもいいワインは高いので、気軽に飲めるタイプのワインを。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのワイナリー、チェルバイオーナは1977年に設立され、1981年が初ヴィンテージ。不作の年のブドウは自家元詰をあっさり諦めてネゴシアンに売却するほど品質にこだわっているそうだ。

色は暗めの凝縮感のある濃いルビー色。香りはブラックベリー、錆びた鉄、スパイス、ローズマリー、果実香よりも湿った木のような香りが強く出ている。

口に含むとビターチョコののような甘みと苦みが同居した重めの味わいが広がる。タンニンも密だがボリュームがあり、味わいに重みを与える。酸味は温かでまろやか。舌触りは若干粗さを感じるが、それも個性としてであり気になるものではない。中盤に広がるパワーある太めの味わい。

余韻は最後までタンニンの渋みが息を切らさず広がりつつ、熟したベリージャムのようなリッチな味わいが膨らみ、そして穏やかにボリュームダウンしていく。

同じロッソ・ディ・モンタルチーノでも作り手で全然違う味わい。当たり前のことだけど、こうして比べて飲んでみるとその個性、味わいの要素、組み立てがよく理解できる。今まであまり向きあってこなかったこのブドウも、こうして味わってみると好奇心をかきたてさせてくれる魅力にあふれていることがよく理解できる。

【ENOTECA大阪店 5,500円】

2011年5月 3日 (火)

ファットリーア・ポッジョ・ディ・ソット ロッソ・ディ・モンタルチーノ2006 DOCロッソ・ディ・モンタルチーノ

110502poggio品種的にはなるべく満遍なく呑もうと思ってるんだけど、やはり偏りというのは生じる。どうしてもメジャー品種よりは、若干マイナー品種の方が好奇心がくすぐられるもので。。。

イタリア好き(でも、第一はローヌ好き!)を自称しつつも、あまりプライオリティがなかったサンジョヴェーゼ。しかし、いいサンジョヴェーゼの若さを保ちつつ、それでいて深みのある味わいは他に形容しがたい。

ファットーリア・ポッジョ・ディ・ソットは1988年に創設された比較的若いワイナリー。世界各国で仕事をしてきたピエロ・パルムッチが引退後に選んだのが、この地でワインを作ることだった。畑は無農薬で、機会を極力排除した栽培。 2006年はトスカーナの当たり年だし、ロッソとはいえ、充分ブルネッロクラスの味わいが期待できると思うのだが?

色は瑞々しい華やかな明るいルビー色。香りは熟したイチゴ、ラズベリー、干しイチジク、バルサミコ、なめし革。

口に含むと若々しいイチゴの熟した甘さ、酸味が一気にやってくる。しかしとげとげしさはなく、丸みを帯びた優しい旨みが口の中に穏やかに広がる。タンニンは粒子が細かく、ベースのしっかりした渋みが若々しさを補うように隙間を埋めていく。深淵ではないが、今後のポテンシャルを十二分に感じる味わい。

余韻はビターチョコのような甘苦さが口の中にどっしりと座り、デザートワインを飲んだ時のようなしっかりした甘みを感じさせながら、長い旨みを残しつつ時間をかけて引いていく。

一段下のロッソでこれだけのポテンシャルがあるんだから、ブルネロクラスだとさぞかし重厚な味わいなんだろうな。でも、ロッソ・クラス故の若々しい魅力の方が魅かれることもあるはずだから、あまりクラスにこだわらない方がいいのかもしれないね。

【ENOTECA大阪店 7,500円?】

2011年4月23日 (土)

アジエンダ・アグリーコラ・イル・パラディーソ・ディ・マンフレディ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2002 DOCGブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

110425brunello友人の中ではサンジョヴェーゼ嫌いということになっているようだけど、別に嫌いじゃない。ただ、イタリアワインの中であまりにもメジャー品種だし、自分よりも知っている人が多いので、あえて興味が向かなかっただけ。でも、ブルネッロは結構魅かれる。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはサンジョヴェーゼで作られる最高峰のワインと言っても過言じゃない。しかし決して歴史ある産地ではなく、1967年にDOCGに昇格してから40年超の間にイタリアワインの最良の生産地としての評価を得るまでになった。

このワイナリーは小規模生産で年産はロッソと合わせても約9,000本。除草剤殺虫剤を一切使わずに、土地のエネルギー、ニュアンスを反映したワインを作り続けている。

色は黒みの強い湿った感じの暗いルビー色。香りはラズベリー、干しプラム、鉄、革、古木の香り。

口に含むとチャーミングな完熟ベリーの酸味と旨みが同時に押し寄せる。しっかりしたフォルムが感じられ、力はあるがそれが一方的に外に向かうことはない。滑らかな果実味が中心だった味わいは、中盤から塩っぽさ、ミネラル感に転じる。下支えする密で細かなタンニンがその繊細な味わいをしっかり受け止め、隙間を埋めるかのように緊密なストラクチャーを構築する。全体のフォルムが非常に滑らかで、均整がとれた味わいが印象的。

余韻は塩っぽい味わいを残しつつ、完熟ベリーの甘みが心地よく広がり、複雑な味わいの印象を持たせながらゆっくりと長く引いていく。

自分がサンジョヴェーゼを苦手とするならば、突出した時に攻撃的に感じる酸味に原因があるのかもしれないが、このワインはそれぞれの味わいの要素が強くても、全体の構成にまとまりが感じられる。これは美味しい、と素直に言えるワインだな。Good JOB!

【パピーユ・ジャポネーズ 7,200円?】

2009年12月25日 (金)

カサ・エンマ キャンティ・クラッシコ2006 DOCGキャンティ・クラッシコ

091223chianti年の瀬も迫ってきて、振り返ってみるとイタリアワイン好きと言いながらトスカーナの比率が少ないなぁ。サンジョヴェーゼの品種に対して、あまりにメジャーだし他がありすぎるので、自分のような偏屈な好奇心が向かないってのもあるんだけど。特にキャンティって、そうかもしれない。

でもイタリアを代表するワインだし、満遍なく飲むってのが信条なので足りない分は補足しましょう。ということで、久々にキャンティを。

キャンティ・クラッシコはサンジョヴェーゼ品種によるワインという印象だが、サンジョヴェーゼは80%以上で、あとの20%は法律上許される地場品種を混醸してもよいことになっている。このワインはサンジョヴェーゼとカナイオーロ、マルヴァジア・ネッラによるもの。

色は黒みがかったルージュの色調。しっとりと湿った感じがあり、粘性も感じられる。香りは紫のプラム、湿った樹皮、ココア、鉄分の香りもある。

口に含むと生き生きとしたピュアな果実味と伸びやかな酸味がうまく絡んで舌を刺激する。果実味主体で、旨みもあり、タンニンも細かくそれぞれの味わいの隙間を埋めるようにうまく働いている。タンニンが落ち着いた後、中盤から余韻にかけての味わいにかすかにえぐみが残るが、まだ若い故だろう。

余韻はピュアなベリーの甘さと、最後まで伸びのある酸が協調しつつ、きれいでチャーミングな味わいを残しながらゆっくりと引いていく。

果実味が前面に出たとてもチャーミングなワインだった。サンジョヴェーゼは最後まで残る息の長い酸が特徴だと思っているけど、その特性もよく保たれていたと思う。こういう果物、大地の賜物の本質を表現できるワインがトスカーナ、サンジョヴェーゼの魅力なのかもしれないな。

【成城石井三番街店 3,290円】

2009年6月 8日 (月)

サン・ジュゼッペ ロッソ・ディ・ステラ2005 IGT

090521_2 イタリアワインが好きなわりに、偏っていて「トスカーナは嫌いなんですか?」と聞かれることもあるけど、嫌いじゃない。でも、いいのは高すぎるし、他の地域の変なワイン探す方が性に合っている感じはしている。

それでも、やはりトスカーナのワインは素晴らしいと思っている。そしてこの造り手も好きな一人だ。サン・ジュゼッペ、オーナーは女性でステッラ・ディ・カンパールト女史。以前ここのロッソ・ディ・モンタルチーノを飲んでからファンになった。

このワインはなんとセパージュが明らかでない。フランス品種をつかっているらしく、メルローが25%使われているということだが、他は秘密だそうだ。ブドウの栽培はビオロジック、オーク樽で31カ月の長期熟成の後で、6ヶ月の瓶熟の後に出荷される。

色は濃く深みのあるルビー色で、周縁部まで稠密に色素が入っている。まだ褐色の熟成を感じさせる色合いは感じられない。凝縮感はあるが、まだそれほど年を経ていないという感覚。香りは巨峰、カシスジャム、ゴム風船、黒コショウ、ローズマリーとった熟れた果実とハーブの香りが交錯する。

口に含むと若く新鮮な果実の酸。そこに詰まっている果実味が豊かで、タンニンも細かだがボリューム感がある。詰まった感じで、甘さを感じるが充実したタンニンがその甘みを引き締めるような感じ。まだ硬さもあるが、ボリューム豊かな味わいはその硬さを圧倒するように口の中に広がり、中盤にビターチョコのような甘さの感覚を残す。

余韻も若干収斂感のあるタンニンはあるが、そこに覆いかぶさるように広がる熟したブドウの甘さが程よく相まって、長いコクのある旨みを残しつつ引いていく。

複雑さよりもストレートに果実のボリューム感を感じさせる。まだ少しほぐれない所は感じるが、それは若さゆえのことだろう。これが時を経て角が取れて、さらに熟成を経たならばどのようなワインになるんだろうか?長期熟成のポテンシャルを十二分に感じさせてくれたワイン。しかし残念ながら自分はそこまでの忍耐力はないな。。。

【酒喜屋 4,880円】

2009年5月14日 (木)

モンテヴェルテイーネ モンテヴェルティーネ2004 トスカーナIGT

090513montevertine自称イタリアワイン好きであるにもかかわらず、トスカーナ、そしてサンジョヴェーゼをネタにすることが極端に少ないというのが、致命傷かも。

サンジョヴェーゼは確かに苦手な品種かもしれない。酸もあるし、果実味もあるし、自分が嫌いな要素はないんだけど、あまりアペタイトを感じない。ま、これは他の人の方が断然詳しいし、同じ価格を払って飲むなら他の地域を探す方が量、質的にもヴァラエティがあるので単に興味が向かないだけかもしれない。

でも、たまにはやはり王道に敬意を払って飲まなくては。このワインはトスカーナの雄の一つ、モンテヴェルティーネによるサンジョヴェーゼ、カナイオーロ、そしてコロリーノによるワイン。

モンテヴェルティーネはトスカーナのキャンティ中心部にありながら、キャンティを名乗らない。両年のみ生産される「イル・ソダッチオ」、看板商品でパステル調の女性をラベルにあしらった「レ・ペルゴレ・トルテ」はトスカーナ最高のワインに数えられながら、あえてDOCを捨ててIGTに甘んじている。この地域のスーパータスカンにあるカヴェルネ混醸はせず、あえてイタリア品種のみにこだわっているようだ。このワイン、ヴィンテージは違うかもしれないが京都三条新町のオステリア・コチネッラの森山シェフと話をした時にすすめられたもの。さて味は?

色は少し曇り、湿り気のある質感を伴った暗めのルビー色。エッジまで稠密に色素が入っているが、一様なグラデーション。香りはミント、丁子、赤い花、粒コショウ、ドライフラワーのような枯れた香りも感じられる。

口に含むと冷たさを感じる透きとおった酸を感じ、その後でまだ硬いタンニンを伴いつつも、ピュアな若いイチゴの甘味も乗った活き活きした果実味がやってくる。それぞれに個性、若い印象の味わいだが、それらが一緒になると不思議とバランスを示して後半はビターチョコのようなうま苦い味わいを口に広げながら、ボリューム豊かな味わいを展開する。

余韻は少しこなれないタンニンの苦味もあるが、きれいな果実味が張りのある味わいを作り、やがてそうした味わいが後に譲ろうとするものの、強靭な酸と果実味が一旦口に広がるとなかなか離れない。強靭な粘り腰のある味わいだ。

最初口にしたとき、予想外に甘さを感じた。サンジョヴェーゼでは酸の方が立つのであまり感じなかったが、この印象が少し驚きも感じた。イタリアンシェフお薦めのイタリ王道ワイン。この価格帯であれば十二分に満足できる質の高さを堪能できた。

【エノテカ ハービス店 4,800円?】

2009年4月 8日 (水)

マッサ・ベッキア ビアンコ2004 ビアンコ・ディ・マレンマ・トスカーナIGT

090405 イタリア好きを自称しながら、本場トスカーナのワインを飲む機会が圧倒的に少ないのはどういう訳だろう?そういうつもりはないんだけど、ただサンジョベーゼ中心の重厚なワインよりは、地方の造り手のキャラクターがはっきり出た「クサクサ」系のワインの方に惹かれるのも事実。要はバカ舌なんで、上品なワインの区別が分かんないんだよな~

で、今回のワインはトスカーナだけれど、いわゆるトスカーナ的なワインではない白。ビオワイン好きな人の中ではおそらく知らない人はいないんじゃないか、というくらいの造り手。化学肥料は一切使わず、自然酵母での発酵、それも昔ながらの木製の桶で皮ごと発酵させるという手法を用いている。この白ワインはヴィンテージごとにセパージュを変えているが、この年はヴェルメンティーノ、マルヴァジーア、ソーヴィニヨン・ブラン、トレッビアーノ、アンソニカもブレンドされているようだ。

色は驚くくらい橙の濃い、柿の果肉のようなうっすらと濁りのあるオレンジ色。香りは湿った硬貨、10円玉、ビニル、放っておいて色の変わったリンゴ、キンモクセイ、伊予棺といった香りが複雑に絡み合う。この香りにはさすがに面食らう人も多いんじゃないだろうか?

口に含むと意外にも静かで優しい酸と、浸透力のある旨みが舌の表面を撫でるかのように広がっていく。皮の直下にある旨みが最大限に引き出されたのだろうか、昔大粒のブドウを食べたとき、いやしくも皮の下の部分の果肉を歯でこじって食べた、あの時の記憶がよみがえってくるような旨みが口の中に広がってくる。渋さは色合いに比べると中庸だが、この旨みの深さ、浸透力の豊かさは確かに素晴らしい。金属的な香りが若干抵抗感を感じないわけではないが、それも慣れていれば苦にはならず、かえってキャラクターと思えてしまう。ただ、万人受けする香り、味わいとはいえないのかもしれないが。

しかし色合いから感じさせる荒々しさと、実際の味わいのバランスの良さといった意外さがこのワインを印象深いものにしている。余韻もまた柔らかい木なりの果実の甘さ、ふんわりとした木なりのの花の香りを保ちつつ、なかなか消え去らない持続力を発揮しつつ、徐々にゆっくりとフェードアウトしていく。

このワインが白ワインの典型とは思わない。だから最初にこのワインを飲んだときに受け入れるか、受け入れることができないかは正直、人によって判断が分かれることだろう。だが、この旨みの力強さは他に比べられないキャラクターだと思う。これも一つのワインの形には違いないし、この力強い後味、旨みの感覚に自分は結構はまってしまっているのは間違いない。

【Wineshop FUJIMARU 5,000円?】

2008年11月20日 (木)

マキャヴェッリ フォンタッレ キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ2003

081119_2 もう今日はボジョレー解禁日。今頃一斉に乾杯してるのかもしれないな。でもその一杯は今晩にとっておいて、今夜は珍しくトスカーナのサンジョヴェーゼ。

サンジョヴェーゼには大きく分けてトスカーナ型とロマーニョ型に分かれ、そのトスカーナ型も粒の小さいピッコロと大きいグロッソの2つに分けられる。普通キャンティはピッコロ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはグロッソから作られるが、このワイナリーはグロッソからこのキャンティを作っているという。

濃く暗いルビー色で、薄にごりを感じる色合い。香りはプルーン、黒コショウ、トマトのオイル漬、鉄分の香りを感じる。

口に含むとストレートに染みあがってくる若くピュアなベリーの酸。しかしやがて丸みを帯びて、口の中にイチゴの甘い旨みが広がる。タンニンも酸とのバランスがよく、重さを感じさせない。角のないまろやかな味が口の中に収まり、流れるようにゆったりとしたテンポで余韻へとつながっていく。

余韻は嫌みのない、程よい繊細な甘さが心地よく、強靭なわけではないがそれでも細く長く、きれいな酸の後味も感じさせながら弾いていく。

キャンティらしいイチゴをほうばった時に感じるピュアな果実感がよく詰まって、それでいてまろやかさ、落ち着きも感じさせる。とてもチャーミングなワイン。たまにはトスカーナもいいですね~

【大丸梅田店 3,500円?】

2008年11月 2日 (日)

ポデリ・サングイネート ヴィノ・ダ・ターヴォラ・ビアンコ NV(2007)

081102 ヴェトナムから無事に帰国。気温も予測より低く、それほど苦にならない程度だったが、今まで訪れたアジアの中では一番のパワフルさに圧倒された1週間だった。道を支配するバイク、至る所で声をかけてくる売り子、市場に溢れる人の波、そんなエネルギーにあてられて疲れた体を癒してくれたのは、日本料理に近い味付けのベトナム料理の数々。1週間の滞在でも中国ほどに疲労を感じなかったが、その変わりに2キロの体重増。。。

少しダイエットモードに入りつつも、やっぱりワインは飲みたくなるもので、まずはおとなしめのところからイタリア・トスカーナの白を。

モンテプルチアーノで1997年からワイン造りにたずさわっているフォルソーニ姉妹によるワイナリー。以前にも赤ワインであるロッソ・ディ・モンタルチーノを飲んだ事があるが、果実味の中にしっかりした旨みがのりつつ、強靭な味わいが印象的だった。ブドウは有機栽培、発酵は天然酵母のみという醸造を実践しているそうだが、そのワイナリーから生み出される白ワインははイタリアでの代表的な品種でもあるトレッビアーノによるもの。

色は少し枯れた黄土色で、アップルジュースのような印象。かすかではあるが薄濁りという感じを受ける。香りはアプリコット、焼きリンゴ、カスタード、青いバナナ。甘い香りのバックには少し青さを感じさせる香りが潜んでいる。

アタックの酸は柔らかいが、幅の広く力のある酸。そこにボリューム感は少ないが、程よい旨みを感じる。滑らかな酒質で、舌の表面を滑るように入り込んできて心地よい。そして最後に感じるかちっとした苦味が味わいを引き締めている。

余韻は微妙だが優しさを感じるコクのような旨み、その旨みが口の中に薄く膜を作るように広がり、焼きリンゴの甘い香りが戻ってきてやがてゆっくりと引いて行く。

トレッビアーノは酸が強くて旨みに乏しい品種だと思っていたけれど、やはり造り手次第なんだと改めて思った。決して強靭なワインではないけれど、いろいろな味わいの要素が含まれている複雑さを備えている。何よりもこの優しい伸びやかな酸が体に入り込むときの感覚がチャーミングだ。品種にこだわることも大事だが、それをあまりに妄信してしまって先入観を持てば楽しみの幅を狭めてしまいかねないことを確認させてくれるワインだった。

【Wineshop FUJIMARU 2,360円】

2008年7月 6日 (日)

チャッチ・ピッコロミニ・ダラゴーナ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ2001

Xohwbzqj アンフォラを出たのが1時過ぎ、そのあとめったに行かないというか1回しか行った事のないダイガクに行ってみようと思ったが営業終了直前でアウト。営業時間知らなかったんだけど、どうも以前からこの店と自分、相性悪いみたい。前は満員で断られたし...

で、トボトボ歩いて帰っているうちに2時廻って、アルコールも切れかかってきたので、そうだ「ピンコ姐さん」があるじゃないか、と思いついて再び黄泉の国へと突入。そこで2杯目に飲んだのがこの特上ブルネッロ。

チャッチ・ピッコロミニ・ダラゴーナ、今ブルネロで5本の指に入るといわれている評価の高い生産者。ここのロッソ・ディ・モンタルチーノは価格が安いのに旨み十分で、最上キュヴェのブルネロ以上に人気がある。

色は濃厚で深みのあるルビー色。沼のような沈着性を感じる。香りはゴボウ、紅茶、鉄クギ、ビターチョコ、黒すぐりの複雑な香り。果実香よりも有機的な香りの方が強く感じた。

口に含むと繊細で稠密な果実の旨みと、それを支えるやわらかだがしっかりした輪郭を感じさせる酸。そのあとで少しまだ堅さが残るが、幅広で包容力のあるタンニンがボディを形作る。口の中に収まる旨さ、味わいの骨格をきっちりと感じさせてくれる。後半の香りの膨らみ、味わいのまろやかさも一定の法を超えず、その中で十二分に展開していく。こういうワインは飲み下さず、少しずつ口に含んで楽しむ時間と余裕、そして自分への問いかけが必要だ。

余韻はカカオのような甘さがほんのりと残るが、ボディほどには強くない。強くはないが、安定した品格を保ちつつ、ゆっくりと引いていく。

こういうワインを飲むときは本来はゴタクは要らない。かえってヤボだとは思うんだけど、それでも語らずにはいられないのが困った所。ま、こういう場所で語る分には人の迷惑にもならないし、いいでしょう。それにしても今週は散財しすぎかな?ま、そんなにない機会だし後で後悔するのもね〜

【PINCO PALLINO グラス4,500円?】

2008年6月27日 (金)

カンポ・ディ・サッソ インソリオ・デル・チンギアーレ2006

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トスカーナ産、セパージュはメルロー50%、シラー20%、カベルネ・フラン15%、カベルネ・ソーヴィニヨン11%、プティ・ヴェルドー4%、生産者はあのオルネライアを興したアンティノリ、醸造担当はミシェル・ロラン...

このワインを説明するための修飾語はおそらく事欠かないだろう。スーパー・タスカンの条件を全て満たしている。しかし価格は安く抑えられているのだ。ここにこのワインの心意気を感じることはないだろうか?

トスカーナでも最上級のワインを生み出すボルゲリ地方。その北、ビッボーナで始められた冒険。その結晶がこのワインだ。チンギアーレとはイタリア語で「いのしし」。人気のワイン漫画「神の雫」にも取り上げられたそうだが、本人見てないのでこれはなんとも...

香りは根昆布、胡椒、ドライフラワー、干しわら、インクといった複雑な香りの絡み合い。色合いはねっとりとした濃厚な黒味の強いルビー色。エッジまで濃密に色素が入っている。

味わいはまずボリュームある凝縮した果実味。そしてまだいささか堅さは残るが稠密なタンニンと、若々しくキリっとした酸が相まってワインの厚みを感じさせてくれる。果実の程よい甘さもあって、中盤にかけての膨らみが豊か。それでいてあつかましさはなく、口の中で納まる範囲で安定した展開を演じていく。

最後に残るのはカカオのような重厚な甘さと、口を引き絞るかのような酸の共演。そしてそれを下支えするタンニンの渋み。味わいの構造は最後まで堅牢で厚みを感じさせる。

終始感じさせる堅い印象はあるが、このワインから抽出できる味わいの要素は確かに広く深い。この複雑さが次も飲みたくさせるんだろう。悔しいがたしかに魅力ある、懐の深さも感じさせるワインであるようだ。

【LIQUOR WORLD 3,200円】

2008年5月13日 (火)

テヌータ・モライア ナウーレ・ビアンコ2006 IGT

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だんだん気温も上がってくると、冷蔵庫で冷やせる白ワインの方が重宝になってくる。今までは常温で放っておいても大丈夫だった赤ワイン、さすがに冷蔵庫では冷えすぎて渋くなっちゃうし。

冷やすのなら、あまり繊細なワインよりもガンガン冷やせるドライで軽快なものか、甘めのものの方がおいしくいただけると思う。それとあまり酸が強くない方がいい。

そう考えると、トスカーナの白も選択肢に入ってくる。トスカーナの白の主力品種はトレッビアーノ。しかしトレッビアーノはイタリアにおけるDOCクラスの白の生産量の3割を占めるものの一般的な評価は低く、酸がきつくて味わいに特徴がないワインになると言われることが多い。そんなブドウがなぜ幅を利かせるかというと、土地を選ばす放っておいても高収量が期待できるから。農家にとっては手っ取り早くお手軽に量をかせげるからだ。

そんなトレッビアーノだから、安い価格帯ではやはり酸の強い味わいの薄いワインになりがち。いわゆるイタリアレストランで出てくる「のみやすい」としか形容されないワイン。だからこそこうした安い価格帯を選ぶ場合は、トレッビアーノ単一よりも他品種とブレンドしたものを選ぶ方がいいように思う。

このナウーレはトスカーナの大規模生産者、ピッチーニ社が手がけるワイン。トレビアーノ、ヴェルメンティーノ、マルヴァジアが各30%、シャルドネ10%のセパージュ。

香りはオレンジの皮、カモミーユ、ミント、ライムの若い柑橘系の香り。色合いは薄めの緑がかった黄色。

アタックはやはり柑橘系、ライムのような青く若い直線的な酸。その中にほろ苦さがあり、それがアクセントとなってふくよかさを感じさせてくれる。残糖分は感じず、厚みもそれほどではないが、比較的しっかりとしたこの苦さがワインに落ち着きを与え、このワインの味の骨格をしっかりと形作っている。この手のワインの後味にありがちな強い酸の収斂感は感じない。

余韻も決して強いものではないが、若い果実のさわやかさを感じさせてくれる。そして最後に残るこのほろ苦さ。これがなければ平板なワインに堕してしまうだろう。

酸が穏やかなので、多少冷やしても苦にならない。それでいて味わいも割りにしっかりしている。値段も安いのであまり気を使わなくていいから、これからはこういう「お手軽」ワインが重宝します。

【成城石井三番街店 1,380円】

2008年4月 1日 (火)

ラ・スピネッタ イル・ネッロ・ディ・カサノヴァ2006 IGTトスカーナ

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ある土地で名声を得た生産者が違う土地で挑戦する、それがトスカーナでは?

ピエモンテで「サイのマーク」で有名なラ・スピネッタ。バルバレスコで有名な生産者で120haの畑から生み出す数々のワインは、いずれも異なる土地の性格をくっきりと表現しているとの定評がある。

そんなピエモンテの雄が、もう一方の横綱的生産地、トスカーナでサンジョヴェーゼのワインを産み出し始めた。2005年が初ヴィンテージで、このワインは2006年。

色は濃く凝縮感のあるルビー色。エッジまで深く色素が詰った稠密な色あいだ。香りも甘く、濃さを感じさせてくれる。カシスリキュール、チョコレート、ゴム、干しプラムの香り。

アタックはまだ堅さの感じられるタンニンと鮮烈な酸。飲み下すのに少し一苦労する粗さ。しかしタンニンは細かで、緻密。時と共に練れた味わいになってくるポテンシャルを感じさせる。

ミッドは粗い味わいが治まったときに広がる繊細かつ穏やかな旨み。嵐を切り抜けた船の航海のように、そこにはやさしい落ち着いた世界が展開する。この上品さはこの価格帯のトスカーナにはあまり感じられない。さすが名手は場所を選ばずといったところか。

余韻はほのかな甘さが広がり、心地よい旨みがきれいな後味を形作る。その後味も長く続く。

まだまだ堅さ、粗さは感じられるが、それとタメを張る品格への期待感。若いだけに将来を期待させてくれる味わい、さすがスピネッタ。サイのマークは信頼感の現れ?

【阪神百貨店梅田店 3,200円】

2008年2月24日 (日)

ペルブルーノ2005 イ・ジュスティ・エ・ザンツァ

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このワインもそうした一つだった。無造作で朴訥な天使の羽の絵柄、そしてトスカーナにあってシラー100%のワイン。この2つが自分の心の琴線にズカンと響いてしまった。

このワインはまだ歴史は浅いが、注目を集めつつある造り手、イ・ジュスティ・エ・ザンツァのワイン。それぞれのワインにドニゼッティの名作オペラ「愛の妙薬」に由来するタイトルを付けている。しかしこのワインには例外でそうした名前を付けなかった。亡くなった父、ブルーノ氏に捧げる意味で「PER BRUNO」。

この作り手も除草剤など化学薬品は極力使わない。それでいて畑には1haあたり1万本と密植して、ブドウにわざとストレスを与えている。収穫は全て手摘み、イタリア国内のレストランからの人気も高い。

色は濃い紫。凝縮した果汁で、底は全く見えな深い沼のようだ。香りはチョコレート、黒糖、ヴァニラ、マデイラ酒、ミントのようなハーブの清涼感も感じさせる。

最初にやってくるのは甘さをたたえた濃い果実の味わい。その後はカカオの苦味と、伸びやかだが幅広な酸、そして収斂感のある苦味。この苦味がかなり強く突出。

苦味がこなれておらず、渋みが勝っている印象は否めない。しかしこの甘苦さ、実はなかなか癖になるのだ。現時点でも決して悪くはないのだが、もう少し年月を経れば、酸とタンニンがお互い歩みよって、それこそ「妙薬」といえる調和を勝ち取るポテンシャルを秘めている。

余韻はまだ粗さが取れないタンニン由来の渋さもあるが、アモンティリャードのシェリーに似た甘さとドライさを兼ね備えた懐の深い味わいが長く続いていく。

ボリューム感はたっぷり。まだ感じられる粗さは、2005年というビンテージだから承知の上なのでそれほど気にはならない。それよりも年月を経て旨みと力強さがかみ合えば、さらなる感動を呼び起こすことだろう。そんな期待を抱かせてくれる凝縮した旨み、さっすがトスカーナ。ポテンシャル高いです。

【阪神百貨店 4,500円?】

2008年1月 2日 (水)

フラッチャネッロ・デッラ・ピエーヴェ2003 フォントディ

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新年一発目のワインはあまり飲まない、というか苦手なトスカーナで。今年も高級感あふれるワインは身につかないようです。

フォントディのオーナー、マネッティ家は代々キアンティ地区で焼き物を作ってきたが、1968年にワイナリーを購入し、そこから伝統的なキャンティの復活に向けた努力を続けてきた。

そして当主ジョバンニ・マネッティはサンジョヴェーゼの可能性を信じ、トスカーナの力を表現したワインを作り上げようとしてきた。

このフラッチャネッロはサンジョヴェーゼ100%のワイン。標高400Mで南西向きの日当たりの良い畑で、樹齢20年と比較的若いブドウから得られる果汁を低温で15日間醸す。そして小樽で18ヶ月熟成、12ヶ月瓶熟させている。

色合いは赤みの強い明るく華やかなルビー色。エッジまでのグラデーションが鮮やかで、濃淡がくっきりしている。

香りはヴァニラ、黒すぐりジャム、カカオ、干しブドウ、湿った土の香り。

アタックは最初からインパクトのある鮮烈な酸と濃密なタンニン、凝縮した果実の旨みがいっぺんにやってくる。しかし押しつけがましさはみじんもない。酸は強いが、それを十分受け止めるタンニンの強さがワインのスケールを大きなものにしている。口の中に溢れる果実の力強さが印象深い。少し若さゆえの堅さもあるが、年月を経れば練れてくるものなのだろう。

余韻は果実の甘さが程よく、旨みと共に口の中に長く漂う。

若さと熟成感が同居し、渾然一体となったワイン。サンジョヴェーゼの魅力が詰まったワインだと思う。やっぱトスカーナってすごいもんだ、と改めて感じさせる力強いワインだ。新年の幕開けにふさわしい、華やかなワイン。でもあんまり似合わないな〜、こういう高級感のあるワイン。で、今年も泥臭いワインを追及していきます。

【阪神百貨店 6,500円?】

2007年12月27日 (木)

ボルゲリ・ロッソ2005 レ・マッキオーレ

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今年はイタリアを試す機会が多かったが、それでもトスカーナが少ないことに気がつく。いいものは高いし、気軽に楽しめて旨そうなものがなかなか見つからないんだよね。

そんな中でもこれはスーパータスカンを手がける、レ・マッキオーレのリーズナブルな赤ワイン。セパージュはメルロー50%、カベルネ・フラン30%、サンジョベーゼ15%、シラー5%。比較的サンジョゼーゼの比率が少ないことが意外。カベルネ・ソーヴィニヨンではなくて、あえてフランを使っているところも面白い。醸造家の強い思いが伝わってくるようだ。

色は濃厚で深みのあるルビー色。煮詰めたジャムのような感じだ。香りは梅酒、プラム、ユーカリ、ビターチョコ、ヴァニラの香り。甘く芳香で重めの香りだ。

最初から凝縮した果実味でズドン、とくる。その中に伸びやかな酸、酒精強化したかのような充実した甘さ、幅広でかつ細かなタンニンが溶け込んでいる。少し堅さも感じるが、決してジャマにはならない。ボリューム感、肉厚感と、味わいのスケールの大きさに驚く。

余韻は最初に若干甘みの執着を感じさせるが、それが落ち着けば旨みとボリューム感が自然に収束していく。鼻腔に残るカカオの香りも印象的。

スケールの大きなワインだ。ボリュームある中身の詰まった果実をかじったとき、同じような心地になるだろうか。メルロー、カベルネ・フランという比較的タンニン軽めのブドウを使ってもこれだけのボリューム感を演出するトスカーナの力、それがこのワインには詰まっていると思う。お見事です。

【創酒タカムラ 2,500円?】

2007年12月24日 (月)

ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ2006 テヌータ・レ・カルチナイエ(シモーネ・サンティーニ)

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イタリアの白、正直なかなか難しいです。自分も結構苦手。特にトスカーナあたりの白、すっきり系の作りで飲みやすいワインは多いけど、きっちりした違いって見出しづらい。

そんなトスカーナにあって独特の個性を表現するブドウ、ベルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ。ルネサンス都市、サンジミニャーノで栽培されている土着品種だ。

このブドウに可能性を見出したのは若き醸造家、シモーネ・サンティーニ。サンジミニャーノ育ちの彼は一人でワイナリーを切り盛りし、評価の高いワインを産み出している。しかも価格はリーズナブル、今後も注目の作り手だ。

ワインの色合いは黄緑の色彩を帯びた麦わら色。香りは乳酸、ギンモクセイ、金柑、ミントの香り。

アタックは舌先をくすぐる微妙なガスを含んだ鮮烈な酸。しかしその酸は案外まろやかで、突き刺すほどではない。その後にしっかりした苦味を伴った旨みがやって来て、そしてそれが収束すると再びシャープな酸が舌の中心を駆け上ってくる。この二段階攻撃はちょっと衝撃的だ。あまり経験のない味わい。

余韻は舌の横を引き締める収斂感を伴った苦味。酸っぱいだけでない、骨格とメリハリのある味わいが面白い。

ドライながらもしっかりし酸、旨み、苦味と、味わいの要素が複雑に絡みあって個性的なワインとなっている。手間ひまかけた分、ワインの中にその努力が確実に表現できていると思う。しかも価格はリーズナブル。いいですね、サンティーニ、これからも頑張ってくれよ。Good JOB!

【Wineshop FUJIMARU 2,300円】


2007年12月 9日 (日)

キャンティ・コッリ・セネージ 2003 パーチナ

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さすがに更新サボってしまった。部署を異動となり1週間で引継ぎ、その最中レクイエムの本番、そして送別会...と正直疲労感ただよう1週間だった。海外部署に異動して、金曜日は初めて電話ながら英語での会議に参加。頭も飽和して、土曜日がこんなに待ち遠しいことは無かった。

送別会の飲み疲れもあったけど、今日はようやく落ち着いたので、珍しくイタリアの王道キャンティ。しかしこのキャンティはその後にコッリ・セネージと付いている。

キャンティ・コッリ・セネージはいわゆるキャンティより若干南、古都シェナ周囲に広がる地域。ブドウはサンジョゼーゼ中心。

作り手のパーチナ、その畑は貝の化石も混じる石灰質の強い土壌、そこで植物由来の肥料を用いた有機栽培を行っている。特色は同じ畑での栽培を嫌って植え替えを行っている点。古木崇拝の最近のトレンドとは一線を画す。そして天然酵母で温度管理をせず自然発酵、とおおらかな作りだ。

色は濃い黒味のあるルビー色。エッジまで細かく色素が入っている。香りはプラム、黒すぐりジャム、葉巻、ヨーグルトと甘めの香りが強い。

アタックは穏やかな酸と甘さを伴ったストレートな果実感。乳酸的な味わいが強い。タンニンも力強くベースとなって支えてくる。若干こなれない荒さも感じはするが。

中盤はコク、旨みとミネラル的な味わいが強く現れる。普通のキャンティでは感じないこのミネラル感は印象的。キャンティらしからぬ味わいになっている。

余韻は乳清のようなミルキーさと果実の程よい甘さが相まって、ソフトな味わいを残していく。

キャンティと聞いて思い出すような上品さとは違うかもしれないが、ストレートな果実のうまさと強いコク、旨みを感じさせてくれる。サンジョベーゼは確かにイタリア、トスカーナに愛された品種なんだな、と感じずにはいられない。

【Wineshop FUJIMARU 2,830円】

2007年11月18日 (日)

アルトロヴィーノ2005 ドゥエマーニ

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もう1本イタリアワインのご紹介。久々にトスカーナのワインを。トスカーナが少ないのは嫌いなわけではなく、安くていいのがなかなか見つけられないからです...

イタリアワインで「スクリオ」「メッソーニ」と言えばなく子も黙るスーパーワイン。そのワインを手がけた醸造家ルカ・ダットーマ氏が所有するワイナリー、ドゥエマーニから出たワインのようだけど、最初は単にこのカラフルなラベルで選んでしまった。知識は後づけです...でもやっぱラベルからピンと来るものって結構重要で、そうしたワインは当たりのことが多い。このワインはどうか?

このアルトロヴィーノはメルロー50%、カベルネ・フラン50%のセパージュ。フランスで言えばサンテミリオン、ポムロール的なワインを思わせるものだが、果たしてどうか。

色は凄く黒味の強い、深さというか凝縮感満載の濃いルビー色。香りは山椒、昆布の佃煮、ビターカカオ、葉巻、ターメリックと複雑な香りの要素がふんだんにある。香辛料的な香りが強い。

アタックは滑らかな酸と甘苦い果実味、そしてベースを作る懐の深いタンニン。タンニンは力強く、まだキメは粗いが寝かせることでまろやかな味わいに変わってくるだろう。

このワインの味わいを形作るのは甘さも感じさせる凝縮したプラム的果実の味わいとパワフルなタンニンの調和だろう。中盤に大きく膨らむ味わいには圧倒させられる。フランス的なメルロー、カベルネ・フランの持ち味とは全く違う。やはりワインは品種よりも土地からの影響の方が強い、と確信させられる。

余韻は荒々しく振舞ったタンニンの名残と共に、デザートを食べたときのようにはっきりとした果物の甘さが、ふくよかな香りと共に口の中に漂い離れない。この余韻の長さがワインの力強さを何よりも証明している。

このワインはビオ・ディナミ農法で作ったとのことだが、そうしたことはさておき、このボリューム感、内に秘めた力が爆発するような味わいの展開には感心させられる。このワインに関してはラベルからのインスピレーションで選んだ自分の感覚に自画自賛。

【阪神百貨店 4,000円?】

2007年11月 3日 (土)

アンブラエ 2006 ポリツィアーノ 

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今日は自宅でゴロゴロ。特に出かけることもなく、なんと怠惰な一日だっただろう。でも久々に寝た〜という気がする。こんな日もいいか。

昼食はパスタだったので、またしてもイタリアを1本。ポリツィアーノが初めてリリースした白。このワイナリーは「ブランカイア」も手がけたコンサルタント、カルロ・フェッリーニが参加しており、モンテプルチアーノで著名な作り手。元々はサンジョゼーゼをメインとした赤ワインを創っていたが今回初めて白をリリース。ステンレスタンクを使用し、シャルドネ(50%)とソーヴィニョン・ブラン(35%)がメインとなっている。

色は緑のニュアンスを帯びている、薄めの黄色でレモネードのような色。香りは甘くヨーグルト、オレンジ、チューインガムの香り。トロピカルな印象を受ける。

アタックは優しいまろやかな酸と、甘さを持った果実味が同時にやってくる。そのベースにはほのかだが広がりのある苦味があり、けっして平坦な甘さではない。

口いっぱいに広がる膨らみはないが、舌の表面を薄くなぞっていくような感覚で味わいが広がる。余韻もさわやかで、かすかに残る苦味が心地よい。

トロピカルな香り、甘さをたたえた果実味、そしてそれをひきしめるほどよい酸と苦味、バランスがいいワインだ。この価格帯のイタリアの白では最近になくおいしいと感じたワインだった。

【ワイングロッサリー 2,300円】

2007年9月12日 (水)

マッサ・ヴェッキア ヴィノ・ダ・ターヴォラ・ロッソ(NV)

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最近イタリアワイン、ミョ〜に手書きラベルが多い。でもこれがクセモノ、凄いワインが多いんだな。

マッサ・ヴェッキア、ここのワインも目にすることはあったんだけど、なかなか買うまでには至らなかった。というか少量生産で、殆ど出回ることが無いというか、あっても目ざといツワモノさんが押さえてしまって、自分の様な無節操愛好家には廻ってこなかったのだ。たまたま今回は手に入れることが出来たというだけの話。

マッサ・ヴェッキア、自然に任せたワイン作りをつめようとする生産者。ビオ農法は勿論、昔ながらの木製発酵樽、野生酵母で醸造するその姿勢は言葉は悪いが「狂信的」といえるかもしれない。このワインはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローを50:50でブレンドしたものだそうだが、果たしてそこから生み出されるワインは?

香りはカカオ、プラム、くろすぐりジャム、ゴム、ユーカリ、甘草、コショウといろいろな香りが感じ取れる。色合いは深みのあるルビー色で、エッジまでしっかりと色が入っている。

味わいはシャープな酸に一瞬驚かされる。その後に凝縮した果実の味わいとボリューム感のある酸、キメは粗いが決して暴力的ではない力強いタンニンが同時にズカン、とやってくる。そして凝縮していた果実のパワーがその酸とタンニンに下支えされてドカンと破裂する。ミッドの膨らみ、ボリューム感にしばし圧倒される。

しかし余韻はなぜかしなやか、いさぎよい引き際を心得ているかのようにスーっと引いて行く。しかし後に残るコク、ポートワインを飲んだときのような心地よい甘さの感覚は長く残り、しばし次の一杯を口に運ぶのをためらわせる。

感傷的な表現だが、圧倒的なこのパワーは一瓶にこめた作り手の想いの結晶なのだろう。こうしたワインを産み出すイタリアという土地、そしてそれを引き出すのはやはり人間の力ということを改めて感じさせてくれるワイン。もうカンベンしてください...

【Wineshop FUJIMARU 4,200円】

2007年9月10日 (月)

IGT コッリ・デラ・トスカーナ・チェントラーレ2005ラ・サーラ

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アリゴテに続いて苦手な品種に挑戦します。生産量から言えばフランス第1位だっただろうか?フランスではユニ・ブラン、イタリアではトレッビアーノ。

イタリアでは広く栽培されており、ドライで水のようにガブガブ飲める、あまり個性のないワインを造る、という定評(?)があるようだ。確かに旨みに乏しい、いわゆる「飲みやすい」イタリアワインって呼ばれるワインには、ほぼこのトレッビアーノ種によるものであることが多い。ワインに関して「飲みやすい」というのは褒め言葉になってないと自分は思ってます。

このラ・サーラ社はキャンティ・クラッシコ地区、つまり古くからあるキャンティの畑を所有しており古くからの生産者だという。地域名、コッリ・デラ・トスカーナ・チェントラーレは「中央トスカーナの丘陵地帯」といった意味だ。

色は緑がかった薄い黄色。黄緑といったほうがいいかもしれない。香りは控えめであまり強くない。オレンジ、乳酸飲料、白い花の香り。

アタックは割合なめらかで酸のインパクトは控えめ。その後やはりシャープな酸が伸びてきて、若干の苦味をたたえつつ、口の中にライムのような味わいが広がる。ボディの膨らみは小さい。ボディが弱いのか、少し水っぽさも感じる。

余韻はやはり短めで、飲んだ後に収斂感が残る。しっかりめの料理を食べた後に口の中を洗い流すには格好のワインかもしれないが、単独で飲んだ場合はパワー不足感は否めない。

それでもなぜかこの季節に飲むには案外気持ちいいワインなのでは、という気がする。味わいを気にせず、思い切り冷やして渇きを癒すには複雑さはかえって不要かも?事実冷蔵庫でギンギンに冷やしたときの爽快さはなかなか快感でした。

【阪神百貨店 1,500円?】

2007年7月 7日 (土)

チェライア1998 ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ

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トスカーナはイタリアワインでも最も豪華なワインに彩られた地域だ。でも自分はなぜか飲む機会が少ない。意図的ではないのだが、結果的に少ない。なんでだろう?と思ったが、まずはいいワインは多いが高いという点。そしてサンジョヴェーゼというブドウの特徴。

サンジョヴェーゼは果実味としなやかな酸、やわらかいタンニンが特徴だと思う。だから非常に上品なワインになるが、どちらかというと「暴れん坊」的なワインが好きな自分にはどうも中庸に思えてしまう。それもトップクラスのサンジョヴェーゼを飲んでいないからかもしれないが...

このワインはサンジョヴェーゼから造られる銘酒を産むヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノのワイン。ジェオグラフィコという生産者名を名乗っているが、土地の220軒の農協が集まった組合。組合のワインには安かろう、悪かろうという印象があるが、ここではよいブドウを作った際には通常の価格に上乗せがあるそうで、農家は切磋琢磨してよいブドウの生産に努力しているという。

色は深みのあるルビー色で、エッジは若干オレンジの色合いを帯びている。香りはプラム、チョコレート、干しイチジクの甘い香りだが、非常に繊細。

アタックはとてもおとなしい。サンジョヴェーゼの特徴である酸もやわらかく、中盤にかけてはやはりきれいな伸びが出てくる。そしてそれに率いられるようにやってくる穏やかなタンニン。まろやかさは10年間を経た熟成によるものだろうか。

余韻にかけてのコクは若干弱い。短めの余韻のあとで、口を閉めるかのように若干の収斂感が残る。全体のまとまりはいいし、おだやかで上品な味わいは心地よいのだが、凝縮した旨みの感覚に乏しいのだ。

決して悪いワインではなく、むしろおいしいワインなのだ。ただ、あともう一つ、心に残るものがない、その物足りなさが残ることも否定できなかった。

【橘田酒店 3,465円】

2007年3月25日 (日)

ロッソ・ディ・モンテプルチアーノ2004 ポデリ・サングイネート

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モンタルチーノ、モンテプルチアーノ、紛らわしい地名だ。たまに間違えてしまう。これも買ったとき「ロッソ・ディ・モンタルチーノ」と勘違いしてました。

それぞれの土地に「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」と「ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ」の超メジャー銘酒があるように、それぞれにセカンド的な「ロッソ・ディ・○○○」がある。これは後者のほう。

裏面のラベルによると、品種はプルニョロ・ジェンティーレ、カナイオロ・ネッロとマッモーロ種だそうで、どれも殆ど聞かない。プルニョロはブルネッロの品種であるサンジョヴェーゼ・グロッソ種らしい。そういえば「プルニョロ」と「ブルネッロ」、PとBの違いだけで語源は同じのようだ。ブルネッロはこの品種100%だが、モンテプルチアーノの銘酒にはカナイオロ・ネッロ種他のブレンドが認められているのが違い。

キャンティもサンジョベーゼのワインということになっているが、実はこのカナイオーロ・ネッロや白ワイン品種を少量混醸してもいいことになっている。だからイタリアワインに造詣の深い方には常識の品種だそうだ。おお勉強不足、すいませんでした。ただし地元品種のマッモーロより特徴に乏しく、かつサンジョベーゼよりもタンニンと酸に乏しいこのカナイオーロはトスカーナでは退潮気味だそうだ。

色は明るいルビー色。深みはあまり感じないが、健康的でつややかだ。香りはベリージャムの甘い香り、スミレの花の香りがする。

アタックは予想外のタニックさに少し驚く。その後でやわらかな酸も感じるが、やはり荒々しい収縮感を伴うタンニンが強い。口の中がすぼまる感覚だ。この少々荒っぽいタンニンをうまく酸が持ち上げてくる。ボディの広がりはそれほど大きくないが、骨格はしっかりしているし、ジューシーな凝縮感がある。

余韻は口の中の収斂感が結構長く続く。荒っぽいところはあるが、それでも面白い特徴を備えたワインで好感が持てる。飲んだ後にスーッとしたミントのような感覚も残るので、気持ちがいい。こういう作り手の上級版ってどんな感じだろうか。ヴィノ・ノーヴィレ版も飲んでみたいと思えるワインだった。

【Wineshop FUJIMARU 2,620円】


2007年3月11日 (日)

キャンティ・クラッシコ レ・トラーメ2002 ポデーレ・レ・ボンチェ

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イタリアワイン定番のキャンティ。偏屈な自分としてはどうしても珍しもの好きのため、あえて自分から手を出さないきらいがある。キャンティ自体は酸と果実味にあふれた素晴らしいワインで自分も好みのタイプなんだが、いかんせんあまりにも鉄板なんで...でも反省してチョイス。

なかなか愛らしいラベルで好感を持った。こういう入り口も結構大事。香りはビオらしい還元香が非常に強い。この香りが嫌いな人はここでダメかも?開けてから時間が経つと変わってくるのかもしれないが、開けた時点ではかなり「うっ」とくる香りがする。そしてやはり時間と共にベリー、ヨード、ミントの香りが取れるようになってきた。色調は若干明るめのルビー色。そんなに古くはないはずなんだが、縁のほうは少し褐色味も帯びている。

アタックの瞬間は丸いが、すぐにシャープな酸が襲ってきた。そしてそれに引き続くかのようにまだ荒いタンニンがやってくる。味わいは果実実にあふれており、噛み締めるワインだ。しかし良くも悪くも非常にストレート、スポーツカーのように通り過ぎていく。もう少し熟成させると、単に走り抜けるだけでなく、熟成の感覚も味わえたのかも知れない。

荒削りな感じをまだまだ残したキャンティ。まだまだ開けるのは早すぎたのか?熟成のためにいま少し残しておきたいようなワインだった。

【WINESHOP FUJIMARU 3,670円】 

2007年2月27日 (火)

アヴィニョネージ ソーヴィニヨン・ブラン コルトーナ 2005

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ソーヴィニヨン・ブランもトスカーナ、しかも作り手がアヴィニョネージとなればそこそこ期待してもいいんじゃないか、と思って手を伸ばした。

色は薄い黄色で緑がかっている。みずみずしい感じだ。さて香りは、と思ったら意外にもライムや青い草の香りはしてこない。変わりにどうも化粧品のような人為的香りがする。よく言えば白い花の香りか。

そして口に含む。硬い。酸が鋭い。予想していたふくらみがやってこない。鋭い酸が次のボリュームに繋がらないのでやたらめだつ。一本調子で、予想していた要素がなかなかつかめない。

こういうフレッシュな作り方を志向しているのかもしれないが、それにしてもこれほど鋭いと飲んでいて口の中が締まってしまう。トスカーナなんだから、もっと落ち着いたつくりにしたほうがいいんじゃないかと思えるのだが、たまたま自分の調子が悪かったからか?アヴィニョネージだけに、自分の味覚をついつい疑ってしまう...

【購入データ 2,200円 阪神百貨店】