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カテゴリ「ワイン フランス シャンパーニュ」の82件の記事 Feed

2015年12月31日 (木)

シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・サンタンヌ ブリュットNV メルフィ(モンターニュ・ド・ランス)

151228chartognetailletジャック・セロス、その名は現代のシャンパーニュ界にあって最高峰の座を占めていることに異論はないだろう。そして、数多くの造り手がセロスの当主、「アンセルムの教え子」という修飾語付きで語られる。

若干32歳、アレクサンドル・シャルトーニュもまた、アンセルム・セロスに師事した造り手の一人だ。シャルトーニュ家の歴史は16世紀にまで遡り、メルフィもまたかつてはグラン・クリュに匹敵する産地であった。その名声を復活させるため、アレクサンドルは土壌、ひいてはテロワールにこだわり、徹底的な分析によって畑に最適なブドウを選び、今は単一区画・単一品種によるリューディ・シリーズを世に送っている。このオーソドックスなキュヴェは、シャルドネ50%、ピノ・ノワール50%により、ドサージュは5g/l。

色はややピンクグレーがかった、薄めのイエロー。泡は優しくゆっくりと立ち上がる。香りはライム、青リンゴ、はちみつ、ヨード、ややスモークの香りも感じられる。

口に含むと細かな泡の優しさとともに、ドライでピュアな果実味がストレートに迫ってくる。酸は柔らかく穏やかで、かつボディの膨らみは中程度なので、ややこじんまりとした感じは否めないものの、均整よくまとまり素朴さも感じさせる味わいは、負担感なく自然と体に染みわたってくる感覚。中盤から後半にかけて苦みがベースとなり、安定感をもたらす。

余韻は穏やかな甘さが口の中を薄皮で包むように広がり、最後までバランスの良さを保ちながらさわやかな柑橘の旨味を残してフィニッシュする。

均整の取れた味わいながら、アクセントとしてやや土っぽいニュアンスを残しているところが、テロワールを重視する彼なりのこだわりなのかもしれない。リューディ・シリーズもぜひ試しておきたいところ。

【wineshop recork(フィラディス)6,000円?】

2015年12月27日 (日)

シャルル・デュフール ビュル・ド・コントワール #3 エクストラ・ブリュットNV ランドルヴィーユ(コート・ド・バール)

151227charlesdufortシャンパーニュの3大産地はモンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランであり、この3地域はシャンパーニュの中心都市であるエペルネ周辺に広がっている。しかし、昨今注目を浴びている第4の産地、コート・デ・バールは南に約100km離れ、そのすぐ南はシャブリが控えている。土壌も同じキンメリジャン、石灰岩土壌となる。

このコート・デ・バール、全体ではピノ・ノワールが優勢だが、ブルゴーニュに比べてやや寒冷な気候のため、シャルドネの栽培が難しいようだ。しかし、それでも造り手によっては白ブドウに果敢に挑戦しており、このシャルル・デュフールもその一人で、しかもピノ・ブランによるシャンパーニュを世に送って定評を得ている。

ビュル・ド・コントワール とは「カウンターの泡」という意味で、美味しさや快楽を皆で分かち合いたい、という思いが込められている。セパージュはピノ・ノワール55%、シャルドネ35%、ピノ・ブランが10%であり、2011年産のブドウを使用するが、2010年産の#2というキュヴェを40%ブレンドしている。マロラクティック発酵の後、澱引きをせずにそのままシュール・リー環境で9ヵ月間熟成、無清澄・ノンフィルターでビン詰めし、ドサージュは濃縮ブドウ果汁で5g/l。

色はややこもった感じのあるゴールドを帯びた濃い目のイエロー。泡は柔らかくゆっくりと立ち上る。香りは黄桃、カリンジャム、蜜、トースト、ブリオッシュ、シナモン、胡椒も感じられる。

アタックから充実感のある果実味とシナモン、酸化熟成のニュアンスをはっきりと感じる。泡はきめ細かく、濃い目の味わいに優しさと膨らみを与え、全体を調和する役割を果たしている。中盤から後半はややドライな味わいへと変化、その中でしっかりした苦み、ミネラル感が広がり、複雑さを表現する。

余韻は香ばしさと、すっきりした果実味がミネラル感とともに持続し、それらが自然に昇華して品の高いフィニッシュへと至る。

前半は充実の果実味で見せるが、中盤には苦み、ミネラルの印象がはっきりと感じられ、シャブリとの共通点を思わせる。これがテロワールというものの為せる業だろうか。フィニッシュの透明感ある味わいも素敵で、それぞれに豊かな表現力を示す。最近飲んだシャンパーニュでは出色の出来かも?Good JOB!

【今井商店(ヌーヴェル・セレクション)6,053円】

2015年12月20日 (日)

シャルル・エルナー セドゥクシオン2002 エペルネイ(ヴァレ・ド・ラ・マルヌ)

151220ellnerseduction2002シャンパーニュといえば、小規模なブドウ栽培者兼醸造者でもあるRM、レコルタン・マニピュランが脚光を浴び続けているが、当然シャンパーニュの歴史を作ってきた大手もまた、自社畑でのブドウ栽培によってRMのコンセプトを取り入れてきた。ネゴシアン・マニピュラン、NMは元々外部のブドウ栽培者からブドウを買い付けて醸造していた会社を指したが、最近はその定義もブドウ買いプラス自社栽培ということになっている。

このシャルル・エルナーもNMだが、その規模は大手に比べればかなり小さいものの、それでも年産約100万本だから、クリュッグ(約50万本)よりも大きい。エペルネィ近郊でシャルドネが50%、残りピノ・ノワールとピノ・ムニエを栽培し、フレッシュさを残すためマロラクティック発酵はせず、ヴァン・ド・レゼルヴは樽で熟成させる。ワイン自体魅力的だが、それを更に増すのは乾杯の気分を煽る、素敵なエティケット。華やかさの観点ではペリエ・ジュエのベル・エポックに勝るとも劣らないと思っているのだが?

色は全体に濃い目の色調で、茶色がかったゴールドイエロー。泡はやや弱めながら、可憐にゆっくりと立ち上る。香りは変色しかけたリンゴ、カラメル、幸水梨、焦がしバター、カカオ、枯葉のような土っぽさのニュアンスも感じられる。

口にすると、細かな泡の感覚とともに、熟成した果実味が細かな酸に包まれ、穏やかに、しかし力強く迫ってくる。スタートからの滑らかさが絶妙で、均整の取れたバランスは年月を経て余計なものを削ぎ落してきた故のものだろう。ボリューム感、グリップは中程度ながら、中盤から後半にかけて感じられるスパイシーさ、渋みが複雑さをもたらし、表現力を豊かなものにしている。

余韻はやや全体に濃い目の味わいがナチュラルに昇華して、予想外に優しく温和。程よい甘みが優しい浮遊感を醸しつつ、柔らかに長い斜面を下るように収束していく。

前半は濃い味わいだが、後半はそれが自然に解けていくような感覚で、後味もすっきりして何杯でもいけそうなシャンパーニュ。ヴィンテージの楽しさと熟成感がこの値段で楽しめるのはありがたい限り。

【フランスワイン専門店ラ・ヴィネ 7,500円】

2015年12月16日 (水)

ステファン・コキエット ラ・キュヴェ・デ・クレ ブラン・ド・ノワール ブリュト グラン・クリュNV シュイイ(コート・ド・ブラン) 

151213coquietteblancdenoirシャンパーニュの中では、ブラン・ド・ノワールもしくは黒ブドウ、すなわちピノ・ノワールかピノ・ムニエ主体のものが好みなので、白主体の造り手が時としてこうしたブドウで挑戦しているキュヴェがあると、思わず手を伸ばしてしまう。このシャンパーニュはまさにそうした挑戦の一つだろう。

シュイイはシャルドネ主体の生産地であり、このステファン・コキエットも父の時代はシャルドネのみで勝負していた。しかしステファンの代になってからピノ・ノワールに挑戦、このシャルドネはアイ村のピノ・ノワール100%によるものだから、グラン・クリュを名乗る。

色はややグレーがかったゴールドイエロー。泡は細かでひそやかに優しく立ち上る。香りは焦がしバター、茶色くなりかけたリンゴ、ブリオッシュ、カカオといった甘みと熟成を感じさせる香りが顕著。

口に含むと柔らかだが快活な泡が弾け、その直後にしっかりしたカカオのような苦みを伴う太めの果実味が迫ってくる。特徴的な苦みがベースに座り、味わいに安定感と複雑さをもたらし、中盤から後半にかけては凝縮感が適度にほどけて安らぎを感じる甘みのニュアンスが広がり、リッチな心地を演出する。

余韻は黒い果実のじっとりした甘みが細く長く広がり、そしてその旨味がゆっくりと自然に昇華していく。

ブラン・ド・ノワールらしい骨太の味わいを持ちながら、それに叶う酸味によって決して鈍重に陥らないバランス感覚が素敵。日本ではまだ広く名が知られていない生産者かもしれないが、注目度大。

【ワインハピネスコレクション(i-wine Happiness)7,000円?】

2015年12月13日 (日)

ステファン・コキエット カルト・ドール ブリュットNV シュイイ(コート・ド・ブラン)

151212coquiettecartedorシャンパーニュは大好きだが、やはり高価なものなので、選ぶ際には価格を第一に考えてしまう。その価格にしろ、安ければいいというわけではなく、定評のある造り手を中心にそのオーソドックスなキュヴェを普段は選んでいくことになる。

低価格帯のシャンパーニュでも品質の高い造り手は多いが、このステファン・コキエットもその一人だろう。エペルネに隣接し、グラン・クリュと評価されるシュイイを本拠にしており、当初は父の会社でワインを製造していたがm、1993年から瓶詰めを開始、今でも年産約5万本の小規模なRMだ。ブドウはシャルドネとピノ・ノワールのみを栽培し、このスタンダード・キュヴェであるカルト・ドールもアイおよびマロイ・シュル・アイ地区のピノ・ノワール67%、そしてシュイイ地区のシャルドネ33%によるもの。樹齢は45年、ドサージュは5g/l。

色は照りのある明るめのレモンイエロー。泡は細かに柔らかく立ち上る。香りは青リンゴ、ドライフルーツ、白桃、やや苦みを予感させるハーブ香、カモミール。

口に含むとクリーミーな泡が舌先で弾け、その直後溌溂としたストレートな酸が飛び込んでくる。充実度のある果実味は安定感をもたらし、穏やかな甘さで口の中を満たす。構造はややフラットで、膨らみも中程度だが、質感は十分あり、後半に向けてはピュアで透明度の高い味わいが程よいミネラル感のグリップによって優しく、しかし鮮明に浮かび上がる。

余韻はややドライな渇きを覚えつつ、落ち着きのある柔らかな甘みと細めの酸が螺旋を描くように流れ、クリアな後味に収斂していく。

スケール感は価格帯を考えればやや小ぶりではあるが、それゆえに負担感のない味わいが心地よく、果実味の凝縮感と品格、独特のシルキーさも印象深い。食事を通して使うよりも、アペリティフとしてその能力を十二分に発揮してくれるであろう、珠玉の一品というところかな。

【ワインハピネスコレクション(i-wine Happiness) 6,200円】

2015年11月15日 (日)

ローズ・ド・ジャンヌ コート・ド・ヴァル・ヴィレーヌNV コート・デ・バール

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コート・デ・バール、シャンパーニュでは一段低く見られがちなこの地域は、シャンパーニュの畑の約5分の1を占めるほどの生産地でもある。そのすぐ南にはシャブリも控えており、したがって地質も同じくキンメリジャン、貝の化石を多く含む表土が覆う石灰岩土壌となる。この地のポテンシャルを疑うべくもないが、そこに集中する生産者は長く現れなかった。そして、昨今その先駆者、代表選手として取り上げる生産者の筆頭にセドリック・ブシャールを挙げることに関して異論はないだろう。

初リリースは2000年、「オートクチュールのシャンパーニュ」を唱えて単一区画、単一品種、単一収穫年のシャンパーニュのみを生産している造り手で、自社畑はわずか3.7haだが、個人の目が行き届く範囲としてはこれでも多いくらいなのだろう。ブドウは農薬を抑えたリュット・レゾネ、収量を抑えた上に選果し、圧搾は最初のテート・ド・キュヴェのみ。その後は自然酵母による発酵を経てステンレスタンクで熟成、ノン・ドサージュで瓶詰めし世に送り出す。このシャンパーニュは表面上NVだが、やはり単一年のピノ・ノワール100%によるもの。

色はやや浅くグリーンのニュアンスを帯びつつも、温かみのあるくすみを感じさせるゴールドイエロー。泡は力強く細かに全体から立ち上る。香りはブリオッシュ、クロワッサンに加えて、焦がしたフルーツ、リンゴ、カスタード、バックにやや土、鉄のニュアンスも感じる。

口に含むと優しい細やかな泡の歓迎が収まった後は、意外に静かな展開で戸惑う。自然すぎて物足りなさも一瞬感じるが、それが誤りであったことはその直後に判る。罪人を救うため釈迦が投げた蜘蛛の糸に似た細めの酸に導かれて、中盤は自然かつふくよかな果実の甘さ、豊かさが、ベートーベン交響曲9番第3楽章の導入部のような至福の平穏を奏でる。重厚さとは無縁の極上の浮遊感は、他のシャンパーニュとは一線を画す個性。泡、酸味、果実味、すべてが温かさ、ふくよかさを備えている以上、全体のバランスがどうしてとれないはずがあろうか。

余韻も後半からの豊かなバランス感覚から転じ、その味わいが扇を返すようになだらかに大きく展開して、最後に優しい苦みのアクセントを残して昇華するように散じる。

シャンパーニュを飲んでいるとどこかに技巧、それ故であろうかやや刺々しさをかんじていたのだが、彼のシャンパーニュに関してはそうした印象は皆無すぎて逆に物足りなさ感じたのだが、その直後の芳醇な味わいに逆に圧倒されてしまった。この味わいをノン・ドサージュで作り出すことに脱帽です。Good JOB!

【エノテカ(エノテカ) 9,000円】

2015年10月23日 (金)

ペリエ・ジュエ グラン・ブリュットNV エペルネィ

151023perrierjouetgrandbrutシャンパーニュは好きだけど、恥ずかしながらいわゆるトップ・キュヴェといったものを殆ど飲んだことがないという弱点がある。ボトルに直接描かれた花で印象的なペリエ・ジュエのベル・エポックもその1本。ボトルで買えば2万円を超すので、おいそれとは手を出せない。

それでも飲みたいとなれば、普通のキュヴェで我慢するしかないので、これを選んでみた。

アッサンブラージュはピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ40%、シャルドネ20%。ピノノワールが力強さを与え、ピノ・ムニエがそれをやや緩和しつつフルーティーさを加え、そしてシャルドネで溌剌とした酸でアクセントをもたらす、そんなコンセプトのようだ。

色は清々しいほのかに新緑のニュアンスを感じさせるレモンイエロー。泡は細かに優しくゆっくりと立ち上る。香りは黄桃、バニラ、焦がしバター、ブリオッシュ、ヘーゼルナッツ。

口に含むと柔らかく繊細な泡が舌先をくすぐるように弾け、その直後から若々しい酸味を伴った厚みのある果実味が押し寄せる。味わいは均整でバランスがとれており、甘みは個人的にはやや強く感じるものの、その調和を崩すまでには至らないギリギリの構成の妙を感じる。後半からは芯のある酸に支えられた豊かな甘み中心のまろやかさが口の中に広がり、膨らみと穏やかさをもたらす。

余韻は後半からのふくよかさを伴いつつ、繊細な甘さと細かな酸が交錯し、螺旋を描くように長い軌道を描いていく。

第一印象では、全体の調和が取れた非常に良くできたシャンパーニュだと感じた。通常のキュヴェでこれだから、旗艦のベル・エポックではどうなんだろう?飲む機会が訪れることを期待しつつ...

【成城石井(ペルノ・リカール・ジャパン) 6,900円】

2015年10月18日 (日)

ジャクソン キュヴェNo.737 エクストラ・ブリュットNV ディジー(ヴァレ・ド・ラ・マルヌ) 

151018jacquesson737安定、とは時と場合によって良い印象と悪い印象の双方を表現する可能性があるが、シャンパーニュにとって安定とはまさにその存在価値、raison d'etreであるように思う。通常はノン・ヴィンテージとして世に送り出されるこの稀有のワインは、その歴史故に許されたassembrageの技術によって、北方の変転極まりない気候をもってしても揺るがない品質を保ってきた。そして今のシャンパーニュの隆盛を確固としたのである。

しかし、それだけでは多くのワイン愛好家を魅了し続ける事は出来ない。それぞれの造り手が工夫を凝らして独自色を打ち出し、固定のファンを獲得してきた。その意味でジャクソンはあえてシャンパーニュの伝統とは一定の距離を置いた、ヴィンテージの変化に重きを置いた造りを志向しているようだ。

エティケットに示された独特の番号は異なるアッサンブラージュを示しており、これが737回目という意味。この時は主として2009年のブドウを用いつつ、2008年のヴァン・ド・レゼルヴを30%使うことで厚みを加えている。シャルドネ43%、ピノ・ノワール27%、ピノ・ムニエ20%。

色はややグリーンがかった張りのあるゴールドイエロー。泡は細かく優しく穏やかに品よく立ち上る。香りは鉄っぽさ、鉱物質のミネラル感とともに、リンゴ、焦がしバター、蜂蜜、シナモンを感じる。

口に含むと熟成感のある落ち着いた果実味の厚み、その厚みを優しくカバーするように柔らかで繊細な泡が包み込む構成を感じる。やや酸化のニュアンスは帯びつつも、全体のフォルムに凹凸がなくバランスのとれた味わいは、体に素直に浸透する心地よさで、熟成感を帯びたシャンパーニュにありがちな押しつけがましさを全く感じさせない。後半に広がる抑制の効いたボリューム感に、ミッドから現れるほのかな苦みがアクセントとなって、ふくよかな味わいを奏でる。

余韻は焦がしたリッチな香りが柔らかに口の中に広がり、その中を滑るように若々しい酸とピュアな果実味がきりっと潔く切れ上がる。

重厚さと繊細さをいとも簡単に同居させているように見せるところが、歴史ある造り手の技といえるだろう。しかし、キュヴェごとに味わいを試してみたい、と思わせる愛好家の好奇心をくすぐることも忘れない憎らしい戦略。ジャクソン、恐るべし。

【Cave de Terre淡路町店(ヴァン・パシオン) 7,000円?】

2015年9月 5日 (土)

ジャニソン・バラドン ヴァンドヴィル ロゼNV エペルネィ(ヴァレ・ド・ラ・マルヌ)

150905vendeville個人的な事だが、通勤場所がかなり遠くなったのと仕事の内容が変わったこともあり、ここしばらく週末の土曜日はだいたい家でのんびりと過ごすことが多い。月一度の海外出張も収まり、エコノミークラスで硬直した体もようやくほぐれてきて、体調は良くなったような気がする。

外出を手控える代わりに、週末は少し贅沢をして泡を。この日もしっかりした泡を、ということでロゼ・シャンパーニュでゆったりと構える。

ジャニソン・バラドンは現在の当主、シリル・ジャニソンで5代目、畑をエペルネィに所有し、現在はネゴシアン・マニピュランとして自社畑だけでなく、買いブドウからもシャンパーニュを生産している。ブルゴーニュのワインを愛するシリルは、古木、低収量、樽発酵、マロラクティック発酵を志向している。このロゼはピノ・ノワール、シャルドネ各50%による異なる年代のブドウによるシャンパーニュをブレンド、その88%にピノ・ムニエ12%を加えている。

色は明るく華やかで、ややオレンジのニュアンスを感じる艶やかなサーモンピンク。泡は繊細で細やか。香りはチャーミングな野イチゴ、ブリオッシュ、鉱物的なミネラル、湿り土もバックに感じられる。

口に含むと力強いがはじける瞬間のとても繊細な泡のクリーミーさを感じ、その直後からストレートな酸を保った赤いピュアな果実が迫ってくる。ボディはやや細身ながら、雑味のない率直な味わいが好ましい。ミドルに広がる節度を保ったふくよかさ、凹凸のないバランス感が口の中を幸福に満たし、後半に向かうなだらかな鳥瞰へと誘う。

余韻は程よい果実の甘さの感覚が満ちつつ、穏やかさを残しながら優しく控えめな味わいを徐々に収束させていく。

フルーティーでチャーミングな感覚は、万人に好まれる味わい。鷲掴みにするような印象はないものの、落ち着きとふくよかな空気は週末の憩いに相応しいシャンパーニュだった。

【ルクア大阪イセタン(ヌーヴェル・セレクション) 7,000円?】

2015年8月11日 (火)

ルイナール ブラン・ド・ブラン ブリュットNV

150811ruinartblancdeblancbrut小規模醸造家、レコルタン・マニピュラン(RM)のシャンパーニュも好きだけど、やはり大手の実力も素晴らしいと思う。長年研さんを重ねて高い品質を保ちつつ、納得性のある価格で安定供給を果たしてきた伝統はなかなか崩すことはできない。

その大手の中でもルイナールはさらに高いランク付けがなされる作り手といってもいいだろう。2013年のLa Revue de Vin de la France誌では20位にランクされ、年産2.5百万本を世に送っている。今はLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)傘下だが、シャンパーニュは独立して生産、シャルドネ・ハウスと呼ばれた伝統を保っている。

このブラン・ド・ブランは勿論シャルドネによるものだが、モンターニュ・ド・ランスとコート・ド・ブラン、2つの産地のシャルドネを用いている。マロラクティック発酵を行い、やや酸を和らげる造り。

色は清々しい若草のようなグリーンを帯びたレモンイエロー。香りは若めの色調とは対照的に落ち着いた熟成香があり、焦がしバター、熟成を始めたチーズ、カラメルに加えて、湿った石灰、海藻、後半にはややスパイシーさも感じさせる。

口に含むと、直後からしっかりした苦みをベースにした酸味と果実味が幾重に折り重なるストラクチャーを感じる。味わいの輪郭が明確に感じられ、そのフォルムに包まれたミネラリーな果実味はふくよかでリッチ。そして上品さという形容が見事に当てはまる味わいの芯を成すのはシャープで緻密な酸。考えつくされた緻密な構成に息を飲む瞬間が後半に訪れる。

余韻は最後までベースに座る骨太の渋みがさらに懐を広げ、その中でフレッシュな酸が再び躍動し、観客からアンコールを欲するかのような想像を抱かせながらフィニッシュに至る。

重厚でありながら繊細、その矛盾しそうな特徴を1本のシャンパーニュに的確に表現するところは、大手の伝統と余裕の為せる業だろうか。暑い夏の休日を共にする相手としてこれほど相応しいシャンパーニュはないかもしれない。

【エノテカ グランフロント大阪店(エノテカ) 10,000円】

2015年7月 4日 (土)

エミーユ・ルクレール ブラン・ド・ブラン ブリュットNV マルドゥイユ(ヴァレ・ド・ラ・マルヌ)

150704emileleclerebrut長年勤めていた職場から異動することになり、通勤距離も長くなった。時間も相応にかかるので、以前に比べて寄り道することはかなり少なくなった。

休日も土曜日は疲れがたまっているせいか、家でゆっくり過ごして外出は日曜日、というパターンになりつつある。そして土曜日のお供は泡の傾向が強まった。この日は普段飲みにはちょうど良さそうな、価格も手ごろなシャンパーニュ。

ブラン・ド・ブランなのでシャルドネ100%によるもの。このメゾンはシャンパーニュの中心都市、エペルネィから2km、ヴァレ・ド・ラ・マルヌの中にあるマルドゥイユ村に本拠を置き、1832年に設立以来5世代を経る小規模生産者。12haの畑では70%のムニエ、6%のピノ・ノワール、24%のシャルドネを栽培している。

色はふくよかさを感じさせるゴールドイエロー。泡は細かでゆっくりと立ち上がる。香りはアップルパイ、カスタードクリーム、パイナップルなど、甘さを感じさせる香りが強い。

アタックからボリューム感のある味わいで、舌先で弾ける泡も豊かだが質感が優しいので、刺激は少ない。とろみのある序盤から果実味の強い骨太な中盤へと流れるが、やや甘みが強く感じるのはドサージュの影響か。ただし、しっかりした酸味が保たれているので、全体のフォルムは大きく崩れず、後半には苦みが現れて複雑さをもたらす。

余韻は全体に強めの味わいがあっさりと解けるように静謐さが現れ、伸びのある細身の酸が舌の表面に軽く残り、適度なフレッシュさと浮遊感を残しながら収束する。

ブラン・ド・ブランとしてはかなりボリュームのある味わいなのだが、案外飲み飽きしないのはしっかりした酸が活きているからだろう。なかなか存在感のあるシャンパーニュだったな。

【Cave de Terre淡路町店(いろはわいん) 5,000円?】

2015年2月16日 (月)

L&Sシュルラン ブリュット・トラディシオンNV オーブ(コート・デ・バール)

150215cheurlinシャンパーニュと言えば、モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブラン、この3地域こそが重要というのが常識だった時代は既に過去のもの。今やシャンパーニュの南端、ブルゴーニュの北端に接するコート・デ・バールは最も注目される地となった。

コート・デ・バールのことを、オーブとも言う。オーブ県という行政区域に広がるブドウ栽培面積は今ではシャンパーニュの全栽培面積の4分の1にもなる。ここを本拠とするのはローズ・ド・ジャンヌ、ドラピエが著名だが、このL&Sシュルランもその一角に加わりそうだ。

この地域では古くからブドウ栽培を手掛けるシュルラン家、その一員でまだ30代のセバスティアン、ルーシー兄妹がビオロジックを推進しているのがこのドメーヌ。オーブはシャンパーニュでは南だがピノ・ノワール主体地域となっているものの、このドメーヌではフレッシュさを引き出すためにシャルドネの比率を増やしつつある。このシャンパーニュはピノ・ノワール70%、シャルドネ30%で、ドサージュは9g/l。

色はややグリーンを感じさせる、明るさを帯びた薄めのゴールドイエロー。泡は快活で、勢いよく立ち上る。レモン、ライム、グレープフルーツのフレッシュな柑橘の香りに加えて、ブルーチーズ、セルロイド、湿った石灰も感じられる。

口に含むと快活な泡が舌先を弾く。その直後からフレッシュな青さを感じさせる直線的な酸がすくっと伸びるように迫り、その後にドライな柑橘の果実味が広がってくる。そして中盤からはベースとなるしっかりしたほろ苦さ、ミネラル感が座ってくる。複雑さ、ふくよかさは中程度ながらストレートに迫ってくるピュアな味わい、すがすがしさが心地よく、後半に向けてもその印象を譲らない。

余韻はドライな果実味をキープしつつ、スマートかつバランスの良いボディ感を残しながら爽やかに昇華していく。

複雑さ、重厚さとは違った個性を表現しつつ、ブドウのフレッシュさでストレートに迫ってくる潔さが気持ちよいくらいに伝わってくる。若い世代が目指す真っ直ぐなシャンパーニュ、そのフレッシュ感はコース料理の幕開けには相応しい一本だな。

【Wineshop FUJIMARU天満橋店(ラシーヌ) 4,500円?】

2015年2月11日 (水)

アンドレ・ボーフォール ブリュット・レゼルヴNV アンボネィ(モンターニュ・ド・ランス)

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フランスで最も伝統を守っている、という勝手な印象を持っているシャンパーニュだが、勿論そうした先入観は禁物となっているほどに新しい造り手、自然派というやや大くくりのカテゴリーで呼ばれる造り手も徐々に頭角を現しつつある。

その先駆者して、アンドレ・ボーフォールを挙げる人は多いのだろう。ビオディナミを厳格に取り入れ、うどん粉病、ベトカビ病のために用いられる硫黄、硫酸銅さえも使用することがない。薬の代わりにアロマテラピーに用いられるオイルを使用するという彼の農法は、自らの体調に照らして体に悪いものを排除するという徹底ぶりだ。このブリュット・レゼルヴはピノ・ノワール主体。

張りのあるゴールドの色合い。泡はしっかりした粒が快活に立ち上る。漢方薬のような不思議な香りを伴いつつ、肉厚の果実、ミント、シナモン、洋ナシのコンポート、マロングラッセ。

アタックから甘みを感じる、太めの果実味に勢いの良い泡の体感が絡み、シャンパーニュとしてはややとまどうボリューミーな展開。しかし放埓さはなく、角を立てない酸味がうまく果実味をまとめ、品性を与えつつ穏やかな中盤へと流麗なフォルムを見せながら導く。後半にやや甘みの強さを感じるものの、全体を崩すほどの印象は与えない。むしろ他にない個性としてみれば好ましく、後半のデザート感覚に似た甘みの広がりへとつなげていく。

余韻は後半の甘みがそのまま残り、個体の果実をほうばるような実体感を演出しながら、飲みごたえを実感させつつ収束していく。

他に比べて一段上を行くボリューミーさだが、それがけっしてくどさにならない一線を保っているところに秀逸さを感じさせる。ぐいっと飲み干すことがなかなかできない質感だけに、ゆっくりした時間で向き合う余裕も必要なシャンパーニュだな。

【ワインショップ・リコルク(ジャパンインポートシステム) 6,500円?】

2015年2月 7日 (土)

ラエルト・フレール レ・ボーディエール ロゼ・ド・セニエNV シャヴォ(ヴァレ・ド・ラ・マルヌ) 

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年末はかなりシャンパーニュを飲む機会があった。シャンパーニュのティスティングは他のワインよりも色、味、香りの要素をとる場合に集中力が必要になってくる。それは使われるブドウが主にシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの組合せという限られたものであり、そこからさまざまな造り手のさまざまな手法の手がかりを探っていくところにあると思っている。しかし、それ故に知的好奇心も湧いてくる。

色々試す場合でも同じ造り手が様々な手法を試している場合の方が比較はしやすい。そのニーズに応えてくれているのが、ラエルト・フレール。手ごろな価格も魅力なので、最近自宅では最も消費度の高い造り手になっている。このロゼは樹齢50年以上の古木、ピノ・ムニエからセニエ法により造られ、最低4年間の熟成を経てから出荷されている。

色は濃いめの若干オレンジを帯びたサーモンピンク。泡は開けた直後はしっかり出るが、その後は弱めで、微かに細々と立ち上る。イチゴの熟した香りが顕著で、それに続くようにバラ、キャンディー、紅茶の甘い香りに誘われる。

アタックはしっかりかつ柔らかく発する泡から、残糖の少ないドライな果実味とベースの低い渋みの印象で、ピノ・ムニエの印象を裏切るような展開に戸惑う。中盤はセニエ法からは想像しづらい濃い色調から納得させられる太い印象のタンニンがどっしりと座り、やや軽快感、フルーティーさがもう少し欲しいと感じるところはあるが、要素は稠密で複雑、後半に至っても安定したくどさのない自然な味わいを展開していく。

余韻は赤い果実の味わいが自然で切れ良く流れていくが、しっかりした渋みがアクセントとなりつつ、重厚感を演出しながら引いていく。

もう少しムニエらしいかろやかさ、ふくよかさが引き出されてもいいかな、という印象はあるものの、単に色付けだけではなくブドウの旨味がたっぷりと感じられるところはさすがだ。ロゼというよりも赤に近いシャンパーニュといったところかな。

【ワインハウスタカムラ(ラシーヌ) 6,500円?】

2014年12月31日 (水)

パスカル・ドケ プルミエ・クリュ・ド・ラ・コート・ド・ブランNV ヴェルテュ(コート・ド・ブラン)

141230pascal_doquet最近のワインの傾向として、自らのワインにこだわりを持つ小さい造り手により注目が集まっている。シャンパーニュのレコルタン・マニピュラン(RM)への関心もその一環であるのだろう。

パスカル・ドケは今でこそ著名な造り手だけれども、その歴史は彼が独立した2004年以来だからわずか10年だ。それ以前も家族がワイナリーを経営していたが、化学肥料を用い量産主義であった手法に反感を覚えていたのだという。そして今や完全ビオロジックを実践、コート・ド・ブランでは主流のシャルドネにこだわることなく、粘土質の畑に適していると信じるピノ・ノワールも植えている。ただし、このプルミエ・クリュ・ド・ラ・コート・ド・ブランは、シャルドネ100%によるブラン・ド・ブラン。2002年と2004年に収穫されたブドウを用い自然酵母で発酵、2005年5月からの瓶熟を経て2010年7月19日に澱抜き、ドサージュは7g/l。

色はほんのりとグリーンがかった、張りのあるやや薄めのゴールドイエロー。泡は細かく全体から優しく立ち上る。香りはリンゴ、白い花、ホイップクリームのミルキーな感覚に加えて、クロワッサンの香ばしさも感じる。

アタックは柔らかく細かな質感の泡が舌先をくすぐり、その直後からストレートな柑橘系の酸が伸びてくる。ドライな果実味が直線的に迫り、切れの良さ、メリハリの効いた味わいの印象。熟成感、複雑さは中程度だが、シャンパーニュに求める特質をきっちりと備えており、冷やし加減では感じるドライさも、やや温度が上がってくるとよりクリーミーな印象が引き出され、後半を豊かに楽しむことができる。

余韻はしっかりしたほろ苦さがベースとなり、その上を滑るようにフレッシュな柑橘系の果実味が走りながら味わいを収束していく。

シャルドネ100%だがふくよかさを兼ね備えている柔らかい味わいに意外な印象をを受けた。最近の人気で普段は目にすることも少ない造り手となったが、機会があればもっと試してみたい。

【Wineshop FUJIMARU(アカデミー・デュ・ヴァン) 5,240円】

2014年12月25日 (木)

マリー・セシル リナトンデュ エクストラ・ブリュットNV ヴァレ・ド・ラ・マルヌ

141223marysessilelinattendue天の邪鬼的な性格が災いするのか、ワイン選択においても全うな道には行かず、少し変わった品種の方に魅かれる性向は変わることがない。こと、シャンパーニュに関してもその傾向はある。試飲会で数あるシャンパーニュの中で最も興味を惹いたのがこの一本。

全く知らない造り手で、インポーターも正直知らなかった。そうしたシャンパーニュで、ピノ・ムニエ100%であるから、いったいどういう事だろう?好奇心のみで試飲敷いた結果、購入まで導かれた理由はムニエらしからぬ酸の明瞭さだった。

ピノ・ムニエは今でこそ単一で用いられることも多くなったが、シャンパーニュにおいてはピノ・ノワール、シャルドネの補助品種的な立場に甘んじることが多かった。それはひとえに控えめな酸というこのブドウの特性が、単独で用いられる場合にシャンパーニュに対して求められるものを表現しきれなかったという事にあるのだろう。

しかしこのシャンパーニュに関しては全くそうした印象はなく、むしろ明瞭な酸がシャルドネによるブラン・ド・ブランに近かった。収穫は2008年から2009年に行われたブドウによるエクストラ・ブリュットでドサージュはわずか2g/l。女性の手による年産5,000本のシャンパーニュ。

色は張りのある艶やかなゴールドイエロー。泡は細かく快活に全体から立ち上る。香りは焼きリンゴ、ブリオッシュ、カスタードに加えて、ナッツ、トーストを感じる。

口に含むとシャープな酸が突き進み、快活な泡が弾けるストレートなアタックにたじろぐ瞬間を待たず、ドライな引き締まった若い柑橘の果実味へとつながる。のどが渇くような印象があり、次の一杯を促すような展開。やや硬さも感じさせるが、全体の率直な味わいはそれさえも好印象に変えていく。終盤のミネラル感とライム的酸の絡みもvividで頼もしい。

余韻はやや乾いた味わいを保ちつつ、そこを潤すような薄皮一枚のしなやかな旨味も残しながら、爽やかなフィニッシュに至る。

ピノ・ムニエ主体でここまで快活なシャンパーニュに出会ったのは、フランソワーズ・ヴェデル以来かもしれない。オーレリアン・ラエルトでさえも、ここまでドライな味わいには仕上げなかった。いや、ムニエ100%でこの味わいを仕上げるのは一体どういうことなのか。味わうごとに謎は深まる。

【阪急のワインフェア(アンディゴ) 4,900円】

2014年5月31日 (土)

ヤン・アレクサンドル ブリュット・セレクシオンNV シャンパーニュ(モンターニュ・ド・ランス)

140531yannalexandreもう5月も終わりというのだから、月並みだけれど早いものだ。外は一挙に夏の気配を感じるようになってきた。その前には鬱陶しい梅雨もやってくる。ただ、この時期に適度に雨が降ってくれないと、農作物にも影響が出てくる。ブドウにとっても大事な時期がやってくるのだ。

今週1週間は個人的にしんどい週だったので、せめて週末の憩いにとシャンパーニュを。初めて飲む作り手だったが、決め手はこのシャンパーニュがピノ・ムニエであったこと。

ピノ・ムニエというブドウは幸せなブドウかもしれない。シャンパーニュではシャルドネ、ピノ・ノワールと肩を並べるが、スティルワインでは殆どその作品を目にすることはない。シャンパーニュという地でのみ、その真価を発揮するのだ。

ヤン・アレクサンドルが率いるアレクサンドル家は18世紀初めから19世紀中ごろまでは大手メゾンにブドウを卸していたが、1933年に自家醸造を開始、ヤン氏はその3代目にあたる。モンターニュ・ド・ランス地区の村、クールマにある畑は平均樹齢25年、ピノ・ムニエ45%、シャルドネ35%、ピノ・ノワール20%を栽培する。

このシャンパーニュ、ブリュット・セレクシオンNVはピノ・ムニエ65%、シャルドネ25%、ピノ・ノワール10%で造られ、リュットレゾネにより栽培されたブドウを手摘み、一番搾りのテート・ド・キュヴェのみを用いてステンレスタンクで発酵、複雑さを出すために一部古樽発酵のワインをブレンドしている。ドサージュは10g/lで、5年間の瓶熟の後出荷となる。

色はほんのりグレーがかった柔らかな印象のゴールドイエロー。泡は細かに繊細に立ち上がる。香りはタルト、バター、ピスタチオ、マッシュルーム、カマンベールのような白カビを思わせる香りも感じられる。

口に含むと柔らかいが筋の通った酸味と細かな泡が弾けるのをまず感じ、その後程よい甘さとドライな果実味が上品に口の中に座る。バランスの良い味わいの中に、かすかな苦みを伴ったアクセントのつけ方が突出せずに巧さを感じる。ピノ・ムニエらしい大らかさの全体像に、シャルドネの酸、ピノ・ノワールの深さを巧みに加えた、わかりやすく、かつ良く落としどころをとらた構成の印象。

余韻はしっかりした苦みの懐に抱かれながら、ドライな果実味がさっと昇華していくような感覚で、切れの良いフィニッシュに至る。

ボリューミーではないけれど、小品ながら味の勘所を良くとらえた愛すべき一品と言ったところだろうか。アッサンブラージュをすることの意味がよく理解できる、お手本的シャンパーニュだった。

【Cave de Terre淡路町店 4,380円】

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2014年5月10日 (土)

ドメーヌ・ミシェル・アルノー シャンパーニュ グラン・クリュ ブリュット・ロゼNV ヴェルズネィ

140510arnouldroseお祝い事とか、転機にあたってシャンパンを飲みたくなるのは、華やかさにあやかっての景気づけという気持ちが多分にあるのだろう。この日も難関を控えて1か月を切ろうとする、自分への奮起のきっかけとして、この1本を開けることにした。

シャンパーニュにあってヴェルズネィはグラン・クリュに位置する村の中でもひときわ思い入れが深い。この村の8割以上はピノ・ノワールが栽培され、本来不利な北東斜面の畑でありながら、温暖な気候によってかえって酸のバランスが保たれた繊細な味わいを産み出す。

ドメーヌ・ミシェル・アルノーはそのヴェルズネィに本拠を置くRMで、このシャンパーニュもピノ・ノワール100%でありながら、あえてブラン・ド・ノワールとしない。それはヴェルズネィにあって「それは当然」とする矜持故だ。

このロゼは、瓶内二次発酵前に赤ワインと白ワインをブレンドする、アッサンブラージュ法によるもの。つまり、本来黒ブドウであるピノ・ノワールからあえて白ワインを作り、それを本来の赤ワインとブレンドすることによって生み出される。黒ブドウ100%であれば、圧搾によって色付けする直接圧搾法、果皮との接触期間を長めに保つセニエ法を採った方が楽なはずがだが、より手間がかかる手法をあえて採るところにこの作り手のこだわりがわかる。果皮からの抽出が強ければ、それだけ味わいに強さの印象が加わるはずだが、それをしないということは繊細な味わいを表現したいという事だと思われるが、さて?

色は明るく輝きのあるサーモンピンク。泡は細かで快活に立ち上る。香りはイチゴ、フランボワーズが顕著だが、果実というよりジャムの印象で、バックには紅茶のニュアンスも感じられる。

口に含むと細かな泡が心地よく、その直後に芯のあるシャープな酸味が走り、そしてピュアな若いベリーの果実が颯爽と導かれる。ピノ・ノワール100%から印象されるボリューム感は抑制気味であるが、その分質が豊かで緻密。酸、果実味、渋味のバランスが細めでありながら整い、中盤から後半にかけても一糸乱れず安定感のある味わいを奏でる。

余韻はかすかな渋味をアクセントとしつつ、最後まで息を切らさないスマートな酸味が口の中をリセットして、ふくよかな果実味の浮遊感を保たせつつ、暖かいエンディングへと導く。

ピノ・ノワール100%となると甘みの強い味わいになりがちだが、それを防いでフィネスを保つのはさすが土地を知り尽くした造り手の技によるものだろう。ついつい杯を重ねて我を忘れそうな一品だ。Good JOB!

【Cave de Terre淡路町店 6,800円?】

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2014年3月31日 (月)

マリー・ノエル・レドリュ グラン・クリュ エクストラ・ブリュットNV アンボネイ

140330marienoeeleledruもう3月も終わりで、仕事で言えば期末の日。4月からはまた新しい1年が仕事の上ではやってくる。1月1日よりもむしろ4月1日に期するところを感じるのは、社会人の習慣だろうか。

来期は勤続〇〇年の節目の年でもあるので、ここは自分への慰労をこめて好きなシャンパーニュを。この日はモンターニュ・ド・ランスの南部、アンボネイ産のマリー・ノエル・レドリュ。

アンボネイは作付け面積の85%がピノ・ノワールで、東南斜面の畑は日当たりがよく、ピノ・ノワールが良く熟し、ボリューミーな味わいになるとされる。このマリー・ノエル・レドリュは年産3万本に満たない小さなRMで、作り手は女性だが、収穫から醸造まで厳格に管理されている。

色は張りのある金属的なゴールドイエロー。香りはブリオッシュ、酸化したリンゴ、大判焼、ナッツ。酸化熟成のニュアンスが強く出た香り。

口に含むと快活で力のある泡が弾け、その直後にボリューム感ある果実味が広がるが、残糖分はなくドライな味わい。やや酸化のニュアンスが強い感じに戸惑いもあるが、複雑さがあり、するりとは飲みこませない説得力が感じられる。中盤から後半にかけて戻ってくるピュアな酸味が味わいを引き締め、厚みと重心の低さを保ちつつ、過度な重さに流れないバランスを感じさせる。

余韻はやや乾く印象を持ちながら、繊細かつ細長い伸びを見せてフィニッシュに至る。

前半はピノ・ノワールらしいボリューム感を見せながら、後半はややドライながら繊細な切れの良い味わいを見せる。もうすこししっとり感があったほうがいいようにも思うが、これも最近のシャンパーニュにみられる一つの表現型なのかもしれない。

【JR三越伊勢丹大阪店 6,000円?】 

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2014年3月 1日 (土)

グロンニェ ブラン・ド・ノワール ブリュットNV エトージュ(コート・ド・セザンヌ)

140228grongnetブラン・ド・ノワールと聞くと、ピノ・ノワール1種だけと思い込んでしまいがちだが、当然ピノ・ムニエを加えてもよい。要は黒ブドウのみで仕込んだシャンパーニュのことを、ブラン・ド・ノワールと称する。

ピノ・ノワールだけだと濃くて厚ぼったい味わいになることもあるが、そこにピノ・ムニエが加わることでふくよかさ、軽やかさのニュアンスが加わってくる。このグロンニェのブラン・ド・ノワールも、ピノ・ノワールとピノ・ムニエのアッサンブラージュによるもので、その比率は年ごとに変えているようだ。

グロンニェはシャンパーニュでは最も南のコート・ド・セザンヌのレコルタン・マニュピランで女性醸造家のセシル・グロンニェが醸す。ドサージュは少ない。

色はほんのりグレーがかったゴールドイエロー。泡は細かで、繊細かつ軽快に凛として立ち上る。香りは十円玉のような金属香を感じ、青りんご、ヨーグルト、青いハーブの香りも感じられ、全体的にはやや青めの溌剌とした印象を受ける。

アタックは控えめな印象だが、そこからアクセルを踏むように果実味が太さを増して鮮烈に立ち上がってくる。穏やかな甘味もピュアな酸味と物量、質ともにバランスよくまとまる。果実味のバランスも、やや渋みを伴うボリューム感のあるピノ・ノワールの味わいと、それを穏やかに包むようなピノ・ムニエの調和が手に取るようにわかる味わい。そして一本、すくっと芯を通す酸が全体のフォルムに安定感をもたらしている。

余韻は中心をなす酸のフレッシュ感とともに、穏やかな甘さが口の中にふわりとした浮力をもたらしながら、ふくよかな後味を残しつつ引いていく。

アッサンブラージュの妙をストレートに感じるおいしさ。ボリューム感と繊細さを両立させた味わいは、女性ゆえに成し遂げられる完成の賜物かもしれない。Good JOB!

【JR三越伊勢丹大阪店 5,800円】

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2014年2月25日 (火)

ダヴィド・クートラ シャンパーニュ キュヴェ・プレステージ ブリュットNV ヴィレ・スー・シャティヨン(ヴァレ・ド・ラ・マルヌ) 

140223davidcoutelasシャンパーニュは非常に難しいカテゴリーだ。造り手によってセパージュは勿論、醸造、樽使い、ドサージュの有無、そこに最近はビオの選択も加わってきた。

このダヴィド・クートラはその造りからするとかなりのこだわりの持ち主だろう。マロラクティック発酵をしないことはシャンパーニュの伝統を堅持することだろうが、5年から20年を経た樽を使うことで酸化熟成の味わいを持ち込み、シュル・リー、ノン・フィルター、そして畑はビオに移行中だという。その理念は昔ながらのシャンパーニュを造るという一点に集中される。

セパージュはシャルドネ59% ピノ・ノワール26% ピノ・ムニエ15% 。酸を活かすためにマロラクティック発酵はせず、最低5年の熟成。デゴルジュマン後は4~6ヶ月間ワインを休息させてから出荷 する。ドザージュは7~8g/L。

色は張りのあるやや濃いめのゴールドイエロー。香りはカラメル、アーモンド、カスタードクリーム、焦がしバター。

アタックから苦みの伴った重めの味わいと、その中心に位置する凛とした酸を感じる。泡は繊細で舌先でほどけるように柔らかく弾ける。中盤でも強靭な酸がすっくと立ち上がるように一本の芯を成し、その周りに集うように凝縮感のあるリースリングに似た味わいがやや緊張感と重みを感じさせるが、後半は徐々にそれも溶けつつ、柔らかな甘みの印象へとつながる。

余韻は強靭な酸が昇華した後に残る穏やかな甘みの心地よさをたたえながら、締まりのある味わいを締めくくる。

ボリューム感のある力強いシャンパーニュ。今はやや樽の強さが勝っているようにも思えるが、これからそれぞれの要素がこなれてくれば、楽しみな造り手になるに違いない。

【Cave de Terre淡路町店 6,000円?】

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2014年1月 1日 (水)

ヴァルニエ・ファニエール グラン・クリュ キュヴェ・サン・ドニNV シャンパーニュ(アヴィーズ)

131231varnierfannier新年の風物詩である福袋、自分はこれが苦手。好きなものを選んで買うのが好きなので、たとえ全体でお得と言われても、もし自分が嫌いなものが入っていたらと思うとどうしても手が出ない。生来のネガティヴ志向のせいなのかもしれないなぁ。

このシャンパーニュ、実は福袋ということで購入したのだが、中身は既にわかっていた。しかも、この生産者のシャンパーニュが飲んでみたかったので買ったという次第。

ヴァルニエ・ファニエールはシャルドネによるシャンパーニュで秀でたコート・ド・ブラン地区の生産者。アヴィーズ村はシャルドネ特級畑にランクされ、濃密な果実味と鮮烈な酸、ミネラル感を調和させた太い味わいのシャンパーニュを作ると言われ、ジャック・セロスもここを本拠とする。ヴァルニエ・ファニエールがこの村の最良の区画で醸すキュヴェ・サン・ドニは、樹齢60年以上の古木のシャルドネで造られる、彼が祖父に捧げるオマージュ。

色は緊張感のある薄めのゴールドイエロー 香りは青リンゴ、フレッシュチーズ、マッシュルームの香り。快活で繊細な泡が全体から勢いよく立ち上る。

アタックから乾いた残糖分の少ない味わいながらも、凝縮感のある力強い果実味を感じる。酸はアタックこそ鮮烈でタイトだが、ソフトさも兼ね備えてメリハリを利かせる。そしてベースに座るほろ苦さが全体をグリップし、舌の横を引き締めるようなミネラル感と共に中盤をコントロール。複雑さよりも軸のぶれないスマートでクリアな味わいが透徹している。

余韻は一転、ふわりとした浮遊感を伴う温かみのある味わいが漂いつつ、切れの良い後味を細く長く残しながら引いていく。

シャルドネ100%ということで厳しめの味わいを想像したが、鮮烈でありつつ柔らかさも表現するバランスの妙味を表現している。また一つ好きな作り手が増えたという実感。

【Cave de Terre淡路町店 福袋(他店通常価格10,000円)】

2013年12月25日 (水)

ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエNV シャンパーニュ(ランス)

131224louisroedererクリスマスということでもあり、前回に引き続きシャンパーニュ。そして今回は大手メゾン、しかもフランスのワイン雑誌、La Revue du Vin de Franceでシャンパーニュのメゾン第一位に選ばれたルイ・ロデレールを。

ルイ・ロデレールは年産300万本、214ヘクタールの自社畑を所有し、その70%がグラン・クリュに格付けされている。そのうち15%でビオロジックあるいはビオディナミを導入している。大手メゾンがこれだけ栽培にも力を入れているのだから、その品質の高さがうかがえる。このブリュット・プルミエはルイ・ロデレールのスタンダード・キュヴェで、ピノ・ノワール40%、シャルドネ40%、ピノ・ムニエ20%によるもの。

色はうっすらとグレーがかった薄めのゴールドイエロー。泡は繊細だが全体からゆっくりと気品を保った間を保ちつつ、間断なく立ち上る。香りは焼きリンゴ、タルト、カスタードの甘めの香りがあり、時と共に紅茶を注いだときの香り、ナッツの香りも感じられるようになる。

アタックは繊細な泡が舌先で細かく柔らかに弾ける感覚と、それに続く清廉な酸、やや酸化したニュアンスのあるリンゴの果実味がバランスよく繋がるように現れる。序盤から現れる苦みがグリップを利かせ、味わいに深みをもたらし、後半から戻ってくる酸がやや甘さに流れそうになる味わいを引き締める。

余韻は息の長い酸が最後までタイトなボディを印象づけつつ、口の中に雑味を残さないフレッシュさを保ちながら、長い旨味をたたえつつ引いていく。

酸と果実味、渋みのバランスを保ち、そして味わいに深みを演出して飲み飽きさせないのは、さすが大手の熟練の技と言えようか。最高峰のクリスタルは未だ試したことさえないけれど、さぞかし素晴らしいシャンパーニュであろうことは想像に難くない。いつか試したい一品だ。

【エノテカ グランフロント店 6,900円?】

2013年12月23日 (月)

ブルーノ・パイヤール プルミエ・キュヴェ ブリュットNV シャンパーニュ(ランス)

131222bruno_paillardシャンパーニュと言うと、最近は小規模醸造家であるレコルタン・マニピュラン(RM)がもてはやされている。かつてに比べると、そうした個性的な作り手のものが手ごろに入るようになったことも大きな要因だと思うが、やはり大手の品質というものはさすが、と思う機会があった。

あるイベントでそうしたRMを飲み続けて、その後で飲んだドン・ペリニョンの余韻のしなやかさと深さに改めて驚きを感じた。ドン・ペリという名があまりにも有名になり過ぎて、バブルな印象を持ってしまったが、その質はさすがというものだった。やはりこういうオーソドックスなシャンパーニュを味わってこそRMの多様な魅力も理解できるのだな、と改めて考えされられた。

ブルーノ・パイヤールは創立1981年で、年産50万本の中堅的作り手だ。モエ・エ・シャンドンで3,200万本、ドン・ペリニョンで6百万本だから、その規模はそれほど大きくはない。このプルミエ・キュヴェはシャルドネ33%、ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ22%をバランスよく配し、最初に絞られた果汁のみから造られるので、プルミエ・キュヴェの名がついている。

色はグリーンがかった薄めのゴールドイエロー。泡は細かく快活で、全体から万遍なく立ち上る。香りはクリーンで青リンゴ、サワークリームがやや閉じ気味に放たれる。その後グラスを回すとリンゴの蜜のような甘めの香り、が顔を出す。

アタックは青リンゴのフレッシュな酸を感じ、その後クリーンかつ繊細な果実味がボリューム感を抑えつつ広がってくる。全体にフレッシュさとフィネス重視で、中盤のふくらみ、複雑さのニュアンスが欲しいところ。中盤から後半はバランスのとれた旨味にかすかな苦みがアクセントとなり、穏やかな味わいを形作る。

余韻は酸のフレッシュさが再び現れ口の中をリフレッシュしつつ、清涼な青い柑橘の味わいを残しながらさっぱりとした心地を残して引いていく。

バランスとフレッシュさを貫徹するようなシャンパーニュ。濃い、クセのある味わいを好む向きにはあっさりしすぎていると思うのかもしれないが、これもまたシャンパーニュの表現の一つには違いない。

【Wassy's中之島店 5,800円?】

2013年12月21日 (土)

シャンパーニュ ラミアブル グラン・クリュ キュヴェ・レ・メレーヌ ブラン・ド・ノワール ブリュット 2006 トゥール・シュル・マルヌ(モンターニュ・ド・ランス)

131221amiable早いもので、もう新年に向けてのカウントダウン。その最後の3連休、家でゆっくり過ごすのであれば、好きなシャンパーニュを開けつつ、本でも読もうかと思った次第。

この日のシャンパーニュは、アミアブルのミレジム2006。シャンパーニュでグラン・クリュを名乗ることが許された17村のうち、北部モンターニュ・ド・ランスに属するドゥール・シュル・マルヌ村から産するピノ・ノワール100%によるブラン・ド・ノワール。この村はなだらかな丘陵地帯で、その北に位置するブジー、アンボネィに比べると知名度、評価は低いことは事実だが、ラミアブル家はこの地でピノ・ノワールを中心に、少量の優れたシャンパーニュを生産している。

 

色は表面に張りのある、艶やかなゴールドイエロー。香りは乳酸、サワークリーム、酸化し始めたリンゴをまず感じ、その後マッシュルームのようなキノコの香り、焦がしバター、ブリオッシュの甘い香りを感じる。

口に含むと繊細、かつ快活な泡が舌先をくすぐる。その泡に導かれる酸は清涼でミネラリー、かつシャープ。果実味は細身でドライだが、凝縮感があり、ベースの苦みと深みのある甘さが徐々に押し出すように広がる。後半は穏やかな甘みの広がりが心地よい。

余韻は金属的なミネラル香が広がりつつ、ブリュットとは思えないドライな感覚を残しつつ、清廉な旨味を徐々に減じながら、自然に柔らかく引いていく。

ヴィンテージ・シャンパーニュの秩序を保ちつつ、フレッシュさを失っていないところが魅力的。一日ゆっくりと向き合うには格好の泡と言えそうだ。

【Cave d'Orange 5,000円?】

2013年11月14日 (木)

ロベール・バルビション ブラン・ド・ノワール ブリュットNV シャンパーニュ(ギエ・シュル・セーヌ)

131109robert_barbichon_2円安の関係で、外国の通貨が高くなって海外出張の多い身としては生活費がかさんでいささかしんどい状況。輸出企業的には競争力が上がるので、マクロ的にはいいのだけれど。。。

ユーロも相対的に上がって、徐々にフランスワインもその影響を受けているようだ。シャンパーニュも価格は上昇気味。なかなか辛い。しかし、そういう時期だからこそ、お得お値打ちなものを見つけたい。

ロベール・シバルビションは日本ではあまり聞かない名前だが、シャンパーニュ地方の南、コート・ド・バール地区の造り手だ。シャンパーニュ地域の1/5を占めるこの地域では、ピノ・ノワールが植えられている。このブリュットも、ピノ・ノワール100%。瓶詰(ティラージュ)は2010年9月10日、そこからゆっくり瓶熟させ澱抜き(デゴルジュ)は2012年11月27日、ブリュットの糖分添加は8~12g/lだが、このシャンパーニュのドサージュは9g/l。

色はゴールドを帯びた、やや濃いめのイエロー。香りは焼きリンゴ、焼きバターの焦がした印象が感じられ、ナッツ、キノコの土っぽい香りも感じられる。

口に含んだ瞬間からボリューム感ある果実味が感じられ、それに添うように張りのあるしっかりした酸味が広がる。味わいは少し焦がした感覚があり、渋みがアクセントとなって複雑さを演出する。中盤から後半にかけて豊かな膨らみと、土っぽいキノコの香りがふくよかに広がる。

余韻はほのかな苦みをベースに、コクのある味わいが落ち着きをもたらしつつ、力強さを残しながら長くなだらかに引いていく。

土っぽさを強く感じる、不思議なシャンパーニュ。しかし、こうした個性的なシャンパーニュが比較的安価に楽しめることは歓迎したい。シャンパーニュの多様性を改めて認識させてくれた。

【Cave de Terre淡路町店 4,900円?】

2013年9月21日 (土)

エドモン・ブルドラ シャンパーニュ ブリュット・レゼルヴNV コトー・シュド・デペルネ

130921edmond3連休の最初のイベントは、難波でのビールイベント。クラフト・ビールと呼ばれる小規模な醸造所のビールが最近はいろいろな場所で飲めるようにはなったが、それでも少しずつ多くのビールを楽しめるこうしたイベントは本当に楽しい。暑さもあって、余計にビールがすすんでしまった。

でも、やっぱり暑いときにはスパークリングワインも飲みたいもので、たまたま近くのワインショップで目にしたこのシャンパーニュを速攻で開けてしまった。

シャンパーニュの中心地、エペルネから少し南に下がったところにあるこのワイナリーで作られるブリュット・レゼルブは、ピノ・ムニエ80%、シャルドネ20%による。ピノ・ムニエのうち35%は出来の良かったワインをストックしておくヴァン・ド・レゼルヴによる。ヴァン・ド・レゼルヴを加えることで、北寄りの土地で気候に左右される品質を均等に保たせようとしたシャンパーニュならではの知恵だ。

色はグリーンがかったゴールドイエロー。泡は大きめの粒が勢いよく立ち上る。香りは洋ナシ、青リンゴ、フルーツキャンディ、ミントの香りもバックに感じられる。

口に含むと快活な泡が舌先で弾け、穏和な酸はそれを宥めるように柔らかに広がる。果実味はややドライだが、まろやかさがあり、コンパクトな中にしっかりした旨味を感じさせる。全体にはバランスの良さ、後半には辛さのミネラル感を感じ、味わいを引き締める。

余韻はしっかりした樽を感じさせる苦みが現れ、爽やかさと渋さのある重心の低い味わいの調和が広がり、切れの良さを展開させながらさっぱりと引いていく。

ピノ・ムニエの優しさに、シャルドネでエッジを効かせた、というアッサンブラージュの妙が明確に表れているシャンパーニュ。それでいて、苦みのアクセントが更に深みを与えているのは、造り手の意思の表れだろう。切れの良い味わいは何杯飲んでも飲み疲れしないから、ついついグラスが進んでしまう。困ったシャンパーニュだ。Good JOB!

【パピーユ・ジャポネーズ 5,000円?】

2013年9月 8日 (日)

ドビ シャンパーニュ ブラン・ド・ノワール プルミエクリュ ブリュットNV

130907daubyようやく暑い夏も終わりを迎え、ジョギングには最も快適な秋の気配が高まってきた。それでもまだまだワインは白、泡中心。赤に移行するのは少し先のようだ。

週末の家呑みはゆっくりシャンパーニュということで、今日のお供は、ブラン・ド・ノワール。しっかりした黒ブドウのシャンパーニュを飲んでみたかった、というか、手元にノワール系しかなかっただけなのだが。

シャンパーニュの三大地域といえば、北からモンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランとなるが、中央部のヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区はよりリッチな果実味のあるシャンパーニュが造られる。その中心地、アイ村はピノ・ノワールの作付が9割を超えていて、マルヌ川の反射光によってさらに日照を浴びたブドウは完熟し、ボリューム感のあるシャンパーニュとなる。

このドビは、母フランシーヌと娘フロールによるRM(レコルタン・マニュピラン)で、リュット・レゾネ栽培、化学肥料は使わず、樽熟成したヴァン・ド・レゼルヴを使うことでより深みのある味わいを生み出そうとしているようだ。

色は若いグリーンの色合いがかった、張りのある薄めのゴールドイエロー。香りは青リンゴ、ライム、ジンジャー、徐々にカスタードクリームのような甘めの香りも広がり、鉱物的なミネラル香りも感じられる。

口に含むときめ細かい泡が舌先を優しく弾くようで、その直後から繊細で芯のある、それでいて角の取れた柔らかでフレッシュな酸が舌の表面を撫でるかのように広がる。そしてその酸に導かれて、ボリューム感はあるが、甘みのキレがある果実味が座る。ふくよかな果実味は酸味と調和し上品さを保ち、後半の程よい渋みがアクセントとなり、穏やかだが複雑な飲み心地を形成する。

余韻は最後まで力強い味わいを残しながら、緻密な酸が全体の統率を緩めず、最後まで綿密な構成を展開しつつゆっくりと引いていく。

ブラン・ド・ノワールらしいボリューム感を持ちつつ、きめ細かな泡が時に放埓に広がりそうな味わいを引き締めて、まとまりのある味わいを展開する。料理に合うことは勿論だが、これだけでも十分楽しめる一品。週末の午後を楽しむには最高の一本と言えそうだ。Good JOB!

【Cave de Terre淡路町店 5,800円】

2013年7月 9日 (火)

ドメーヌ・アンリエ・バザン ブラン・ド・ノワール グラン・クリュNV

130708bazinシャンパーニュ好き、なんだけど、本当に好きな人は詳しすぎるくらい詳しいので、とても太刀打ちできず、あまり無理に語らないようにしています。でも、やはりこの時期のシャンパーニュは美味しいので、語りたくなってしまう。

自分は全体的に味わいがしっかりしたものが好みなので、シャンパーニュもピノ・ノワールの比率が多い方が好きで、特にピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールはそれだけで惹かれてしまう。

ドメーヌ・アンリエ・バザンは小規模なドメーヌだが、このシャンパーニュはモンターニュ・ド・ランス地区の特級畑、ヴェルズネィとヴェルジィで栽培されるピノ・ノワールから造られる。ドサージュは8g/l。

色は艶やかで、ほのかにピンクを帯びたゴールドイエロー。細かな泡が力強く立ち上る。香りは蜂蜜、いちじく、ドライフルーツ。

口に含むとクリーミーな泡が舌先をくすぐるように弾け、その直後濃密な熟した果実味と、芯のあるスレンダーな酸味が広がる。味わいは稠密で、力強さに満ちており、ベリーの果実味がしっかりと中盤に座る。緻密な泡が、時として濃密さに走りそうな味わいを和らげ、バランスを保っている。

余韻は若干終盤の甘さに粘りのようなものは感じるものの、最後まで息を切らさない酸と泡がリセットして、リッチな味わいを長く残しつつ引いていく。

味わいは濃密でリッチ、ブラン・ド・ブランらしい濃密な旨味をしっかり持っている。暑い夏にはもう少し軽やかな感じがいいかもしれないが、しっかりと向き合って飲みたくなるシャンパーニュと言えそうだ。

【JR大阪三越伊勢丹 ?】

2013年2月16日 (土)

ヴァルニエ・ファニエール グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン ブリュット・ゼロNV

130213varnierzeroシャンパーニュも最近は多様化しているようで、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ以外の品種に着目したものが徐々に市場にも出てきている。しかし、やはり主力がこの3種であることは間違いない。

自分は以前はシャルドネだけで作られるブラン・ド・ブランは苦手だと思って敬遠していたのだけれど、最近はそうでもない。そうした苦手意識が徐々に変わってきたのは、シャルドネによるふくよかさというものがようやく理解できるようになったからかもしれない。やはり味覚は時に応じて変わるものだと思う。そんな自分が今日選んだのは、以前であればまず選ばないであろう、ブラン・ド・ブランのドサージュゼロ。

ヴァルニエ・ファニエールは堅牢なミネラル感を産み出すアヴィーズ村の作り手。このシャンパーニュはシャルドネのみで作られ、糖分添加を行わないドサージュ・ゼロによるもの。

色は張りのある硬質なゴールドイエロー。泡は底全体から勢いよく立ち上る。香りはライム、クロワッサン、リンゴのタルト、ビスケット。

口に含むと、小粒だが勢いのいい泡の体感と、残糖分をほとんど感じない乾いた味わい。雑味は全く感じずクリアな酒質は個性的で、その序盤の張りつめた印象に戸惑いさえ覚える。ただそのドライな味わいを裏打ちする果実味は厚みがあり、安定しているので感じられ、中盤はふくよかさが広がる。ただし、ドサージュのない味わいは渇きが過ぎて、もう少し柔らかみがあったほうがより複雑さを増すようにも思う。

余韻は乾いた味わいの緊張感を残しながら、最後に現れる苦みを伴ったミネラル感がしっかりと座り全体のボリューム感を減じつていく。

ベースとなる果実味のふくよかさと、後味のキレの良さはさすがにドサージュゼロらしい味わいのシャンパーニュではあるが、これだけドライで緊張感が走ってくると、飲む方に対しても相応の疲れを感じさせることになるかもしれない。シャンパーニュにおけるドサージュという過程の意味も改めて考えさせられる体験だった。

【カーヴ・ド・テール淡路町店 4,980円】

2013年1月 3日 (木)

フランソワ・スコンデ クラヴィエール ブリュットNV (シルリー)

121230klavier音楽でもジャケ買いというのはあるけど、ワインも同様にそういうことがある。このシャンパーニュもまさにエティケットのピアノをあしらった感覚に魅かれてしまった。その名もクラヴィエール(ピアノ)。

しかし、実はこの音楽的なネーミングには秘められた意味があった。生産者の娘さん、Claire と、事故で亡くなった息子 Xavier にちなんだ名前だという。

フランソワ・スコンデは、シャンパーニュのグラン・クリュでも最北端、シルリーを本拠とする。フランス革命直前の時期にあってはフランス最高のワイン産地とされたが、革命による混乱によってその名声は失われた。シルリーはグランクリュではあるが、最高の畑とされるヴェルゥネィの斜面の下に位置し、評価はそれほど高くない。シャルドネ、ピノ・ノワールが多く、わずかにピノ・ムニエも栽培されている。このクラヴィエールはシャルドネ2/3、ピノ・ノワール1/3によるもの。

色は張りのあるつややかな光沢を持ったゴールドイエロー。香りは青リンゴ、白菜、ハーブ、ヨーグルトと、青さと甘さが同居する力強い香りが感じられる。泡も力強く、比較的粒の大きめの泡が勢いよく立ち上る。

口に含むと柔らかだが密のある泡の勢いが感じられ、その直後から強い甘みを伴った果実味を感じる。酸味は穏やかで、むしろこの強めの甘さを和らげるように働く。序盤にしては若干強いかと思わせる甘みの印象だが、後半は穏やかに、粘らずに引くので、不自然には感じない。

余韻はデザート感覚の優しい甘さがふくよかに広がり、穏やかな心地を演出しつつなだらかに引いていく。

シャルドネ主体だが、全体のバランスはむしろ黒ブドウという印象だ。エチケットも素敵で価格もリーズナブル、ちょっとした場所には映えるシャンパーニュといえそうだ。

【Wineshop FUJIMARU 4,500円?】

2012年8月25日 (土)

ラエルト・フレール レ・クロ エクストラ・ブリュットNV

120825leclos暑い夏が続いております。まだまだ赤ワインという気分にはなれない。白か泡を体が欲してしまう。だから平日は缶ビールでも、ゆったりした休日はシャンパーニュでゆっくりと過ごしたい。

このラエルト・フレールは最近好きな作り手で、よく手にする。保守的な印象の強いシャンパーニュだが、最近は若い作り手が今までは評価が高くなかった地域で、ポテンシャルの高いシャンパーニュを造っている。このオーレリアン・ラエルトもその一人だと思う。

ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区の中心都市であるエペルネの南、旧格付けではプルミエ・クリュに入らないシャボー村に本拠を置くラエルト・エ・フレールの当主、オーレリアンは、父の代から既に除草剤を使わず鍬を使った耕作を始めていたが、それでは物足らずビオ・ディナミを導入した。それに加えて、シャンパーニュの主要品種であるシャルドネ、ピノ・ムニエ、ピノ・ノワールに加えて、今も使用が認められているアルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリも栽培している。その結果が7種類で醸したこの「レ・クロ」。今では名前も「レ・セット(7)」に改めている。

このワインはフロモントー(ピノ・グリ)10%、アルバンヌ8%、シャルドネ18%、ピノ・ノワール14%、ピノ・ムニエ18%、ピノ・ブラン17%、プティ・メリエ15%によるもの。バリックでの自然発酵で6か月間は澱と接触させての熟成、マロラクティック発酵は行わず、2/3はその年のワイン、1/3はシェリーと同様のソレラで2005年以来継ぎ足しのワインを使っている。

色は少しオレンジがかった明るいゴールド。力強く、しかし繊細な泡が穏やかに立ち上る。香りは少し酸化したリンゴ、シナモン、ナッツ、クロワッサン、土っぽい香りも感じられる。

入りは予想外に穏やかだが、その直後勢いのある泡が舌先ではじける感覚と、伸びのある細身の酸が入ってくる。酸は鮮烈だが、角が取れていて刺激は少なく自然な感覚。豊かな果実味はまろやかで、細かな酸とうまく調和し、バランスの妙を感じさせる。中盤から後半にかけて膨らむ果実味は、残糖分は少ないものの味わい深く、落ち着きのある旨味が心地よく座る。

余韻はスマートでフレッシュな酸味が残りながら、切れの良い旨味の後のほのかな甘さが口の中に浮揚感を伴って漂い、優しく爽やかに引いていく。

7種のブドウを使っているというから、個性がぶつかって角がある味わいになっているのかと思ったが、想像以上にバランスがよく、後半に膨らむ旨味は複雑さがあって充実感がある。作り手のバランス感覚の妙が十二分に出たシャンパーニュだった。Good JOB!

【Wineshop FUJIMARU 7,000円?】

2012年6月16日 (土)

エグリ・ウーリエ レ・ヴィーニュ・ド・ヴリニィ プルミエ・クリュNV (アンボネィ)

120616eglyジメジメとした梅雨真っ盛りの最近は、休日も外出がおっくうになりがち。しかもEURO2012が始まってしまったので、平日に撮りだめしておいたサッカーの試合観戦に時間を費やしてしまう。

一試合2時間はかかる長丁場にゆっくりと向き合うには、この季節泡物についつい目が向いてしまう。それもゆったりした気分に合わせるには、どちらかというと酸よりもやわらかな果実味を試したい。

言わずもがなのシャンパーニュ名手、エグリ・ウーリエのピノ・ムニエ100%によるシャンパーニュ。ピノ・ムニエはシャルドネ、ピノ・ノワールに比べて後手に回っていた品種という印象が強かったが、最近はむしろシャルドネの酸、ピノ・ノワールの果実味の両方を持ちつつ、それをさらに掘り下げた味わいと、特徴的な柔らかさが心地よく、お気に入りのシャンパーニュになっている。

色は輝きのあるつややかなゴールドイエロー。泡は力づよく、大きめで勢いよく立ち上る。香りは黄色く熟した果実、リンゴ、焼き菓子、カラメルの香り。

口に含むと舌先をくすぐり、ほどける優しい泡の感覚があり、そして丸みのある穏やかな酸が感じられ、その後豊かな果実味がふくよかに広がるが、程よい渋みによって引き締められ、味わいに抑制をもたらす。酸、果実味のバランスは良く、味わいの厚みがあり、ボリューム感豊。ただ、若干最後に残る甘さの感覚にくどさが感じられ、中盤から後半にかけての抜けに僅かなもたつき感が残る。

余韻は穏やかな酸味が最後まで残り、口の中をリフレッシュしつつ、甘さを伴った果実味の豊かさが膨らみ、ボリューム感の印象を最後まで漂わせながら長い時間をかけて残りながら引いていく。

ピノ・ムニエ100%とは思えないボリューム感に驚かされた。最初はドサージュ(加糖)が多いのかと思ったが、果実本来の力だという。ムニエでこれだけ厚みのあるシャンパーニュを作るとはさすがのエグリ・ウーリエ。休日をゆったりと過ごすには文句なしの一本でした。

【Cave de Terre淡路町店 5,980円?】

2012年6月 2日 (土)

サディ・マロ シャンパーニュ プルミエ・クリュ ブラン・ド・ブラン ヴィエイユ・レゼルヴ ブリュットNV (マルヌ)

120602malot徐々に気温上昇して、通勤スタイルは今週はついにジャケットも放棄してクールビズ満開になった。真夏に向けて少しでも負担を軽くすべく久々にダイエット、2か月でなんとか6キロの減量にも成功し、もうちょっと頑張ってみようと思う。

そんな季節感を反映してか、飲むワインも赤から白、泡物へと確実に移行中。そしてこの日は安くカニが手に入ったので、そのお供にシャンパーニュを。

サディ・マロは4世代続くマロ家による家族経営のワイナリーで、農薬の使用を抑えたリュット・レゾネ農法によりブドウを栽培している。このシャンパーニュは2007年産のブドウを80%用い、残りはアッサンブラージュ用に各年のブドウで醸したワインを残したヴァン・ド・レゼルヴを用いている、シャルドネ100%のブラン・ド・ブラン。

色はすがすがしいグリーンを帯びた薄めのゴールドイエロー。泡は繊細で、細いがはっきりと立ち上る。

香りはライム、青リンゴのクリーンな青さを感じさせる香りが立ち上がる。やがてヨーグルト、サワークリームのような乳製品の香りも出てくるが、全体には青い柑橘系の香りが支配的に力強く出ている。

口に含むとアタックはまろやかだが徐々にアクセルを踏むように勢いを増す力強い酸。新鮮でフレッシュな味わいで、直線的だが質感もしっかり感じられる酸が前半の味わいを形作る。中盤にかけての膨らみはほどほどだが、しっかりした骨格と稠密な果実味がまとまりのある味わいをもたらす。全般に行き渡る酸味がもたらすグリップも効いていて、心地よい。願わくばもう少しのミネラル感、舌に染み込むような浸透力が加味されればいいのだが。

余韻は少し酸の粘りが気にかかるものの、厚みある果実味がしっかりと座りつつ、フレッシュさを口の中に残しながらゆっくりと引いていく。

ブラン・ド・ブランは実は自分は少々苦手の範疇なのだけれど、酸は角が取れて柔らかくなっているし、果実味の充実感もあるからこのシャンパーニュは抵抗感なくいただけた。最近はブラン・ド・ブランでもノワール的な味わいの物も多いし、カテゴリーで分けること自体にあまり意味がなくなっているのかもしれないな。

【Cave d'Orange 北新地店 4,870円】

2012年5月15日 (火)

エリック・ロデズ ブラン・ド・ブランNV アンボネイ

120513ericrodezここしばらくは、マラソン大会に向けてのダイエットのため酒量を控えていたけど、タイムは悪かったが完走できたので、この日ばかりはリミットをとっぱらっての晩酌。乾いた体にはやはり泡物、ワインであればシャンパーニュということで、好きな作り手のエリック・ロデズを開けることにした。

ピノ・ノワール主体のシャンパーニュを作るアンボネイで村長も務めたエリック・ロデズは、手作業による丁寧なシャンパーニュを造る。農法はリュットレゾネで農薬を抑え、醸造は木樽とステンレスタンクを併用することで、造り手による多様な表現を可能にする。このブラン・ド・ノワールはピノ・ノワール100%によるもの。

色はほんのりグレーがかった濃いゴールドイエロー。泡は少なめだが、しなやかに立ち上る。香りはリンゴ、ドライマンゴー、バニラ、バックにはジンジャーの香りが感じられる。

口に含むと柔らかな泡が舌先でほろほろと崩れるような感覚。酸は穏やかで丸みを持っている。ベースにはしっかりした渋みがあり、ドライな味わいの中に重心をもたらす。中盤にかけてのボリューム感、複雑さは中庸でもう少しふくらみが欲しい感じ。

余韻はドライな味わいが最後まで続き、心地よい酸味を渋みがうまく包み込みながら、抜けの良い味わいを残しつつあっさりと引いていく。

酸味もあり、渋みもあり、ブラン・ド・ノワールの特質をきっちりと抑えたシャンパーニュ。疲れた体をしっかり癒してくれる味わいだったな。

【Cave de Terre淡路町店 5,800円?】

2012年4月23日 (月)

ブノワ・ライエ シャンパーニュ グラン・クリュ ブリュット・エッセンシエルNV

120424benoitlahaye自分は飲む立場なので、ビオディナミという栽培法でもあり、思想でもあるこの手法は殆ど無知に近い。占星術と栽培のかかわりがどれほどのものなのかは知るよしもなく、また知る必要もさほど感じてはいないのだが、それでもビオディナミを実践するところのワインがまた質のよいものが多いのも事実だ。それが生み出されるのは畑に対する集中度、細やかな気配りによるところなのではないかと自分なりには理解している。

まだまだビオディナミ生産者と呼ばれる人が少数派であるシャンパーニュで、代表格と語られることの多いブノワ・ライエ。シャンパーニュでもピノ・ノワールで名高いブジーの生産者である彼の作るシャンパーニュは、厚みがあるもののそれがことさらに重くはならず、シャンパーニュの特質でもある繊細さを兼ね備えているところにある。大好きな生産者の一人だ。

このエッセンシエルはピノ・ノワール90%、シャルドネ10%によるもの。2008年のブドウを主体に造られており、ドサージュ(糖分添加)は6g/Lと少なめ。このようなデータをラベルに表記してくれる良心的な態度も好ましい。80%樽発酵もさせているそうだ。

色はグレーがかって、ピンクのニュアンスも感じさせるゴールドイエロー。香りはカラメル、焦がしバター、鉄分、ミネラル、焼きリンゴの香ばしい香りも感じられる。全体に焦がしたニュアンスが強く感じられる。

口に含むと細やかで繊細な泡の感覚と、細めだがスピードに乗って突き進んでくる酸が爽やかに広がる。複雑さはそれほどではないが、伸びやかでかつ柔らかい果実味が軽快で心地よい。しかし中盤にかけてじっとりした旨味が広がり、ブドウの質の高さが感じられる。黒ブドウ由来のタンニンもきめ細かだがボリュームも感じられる。ただし、中盤から余韻にかけては案外あっさりしていて、もう少しグリップ感が欲しいとも思う。

余韻は繊細で、ほどよい苦みが味わいに深みを深みを与えつつ、優しくほろほろと消えゆく泡のように爽やかに引いていく。

無理のない味わいは体にやさしく染みてきて、これだけでゆったりとした時間を過ごせる癒しのシャンパーニュだ。食前酒でもこうした抵抗感のないシャンパーニュで始められたら、食事も美味しく進むこと間違いなしだね。

【ワインショップ リヴ・ゴーシュ 6,000円?】

2012年2月15日 (水)

アラン・ベルナール ブラン・ド・ノワール グラン・クリュ ブリュット・ゼロNV (アイ) 

120214arainbernard最近かなりシャンパーニュにはまっているのだが、テイスティングの対象としてはかなり難しくて、香りの要素、色合い、味わいの表現、いずれも違いを表現する語彙というものが限られてくる。しかしだからこそ、好奇心というか、挑戦のしがいがあるというものだろうか。

シャンパーニュの中でもブラン・ド・ブランというカテゴリーは少しマイナーかもしれない。シャンパーニュには鮮烈さ、エッジの効いた味わいを期待する人が多いような気がするし、そうした方にはシャルドネによるブラン・ド・ブランこそがシャンパーニュの特質を表現しているのかもしれないし、売れる対象かもしれない。でも自分にはベース、グリップ感の効いたブラン・ド・ノワールがより好ましく感じる。

このアラン・ベルナールという作り手は1912年から始まる家族経営の作り手で、かつては大手のメゾン向けに卸していたが、今は全ての工程を直の責任で手掛けるレコルタン・マニュピラン。薬品系の除草剤を一切使わず、普通は蔗糖を使う味わい調整のための門出のリキュールに果汁由来の糖質を使うこだわりを見せる。

色はピンクの色合いが強く出ているゴールドイエロー。香りは桃、焼きリンゴ、キャラメル、焼き立てのクロワッサン。泡は細かく、全体からゆっくりと立ち上る。

口にしたとき、柔らかでソフトな泡の感覚に驚く。酸味は細かでしっかり芯の通った存在感があり、その酸味が展開した直後に膨らみと余裕のある果実味がゆったりと座る。ブラン・ド・ノワールに期待するグリップ感は少ないが、それを補う予想外の穏やかさ、優しさが、今までのブラン・ド・ノワールに対する先入観を覆すように心地よく感じられる。そしてその優しい味わいの中でも、中盤の終わりにしっかりと感じられる苦みが味わいの複雑さを演出し、ボリューム感を再確認させてくれる。

余韻は棘のない自然な甘みとふくらみが口の中に広がり、浮揚感を感じさせながら、程よい苦みが締めくくりの味わいとなり、優しくゆっくりと引いていく。

ブランド・ド・ノワールなんだけど、予想を超えた優しいふんわりとした味わい。黒ブドウということでしっかりしたアクセントのある味わいを想像したけれど、これもいい方向で裏切られた。やはりワイン、シャンパーニュは一言では表現できない、複雑な代物だと改めて実感。Good JOB!

【Wineshop FUJIMARU 6,000円?】

2011年12月26日 (月)

ベレシュ・エ・フィス エクストラ・ブリュット・レゼルヴNV

111223bereche_3スパークリングワインもいいんだけど、やっぱりシャンパーニュが素敵と思う時が多い。泡の細かさ、酸の繊細さ、余韻のふくよかさがいずれも一日の長がある。ま、わかってるから言えるところもあるとは思うんだけど。

そのシャンパーニュも昔から考えると絶対覚えられないくらいの生産者の味わいを気軽に楽しめるようになったものだと思う。だから最近大手メゾンの品もほとんど飲んでないので、逆にそういうラインナップも飲みたくなってしまう。

このベレシュもまだまだ若いメゾンだけど、最近は若手の代表のように取り上げられている有望株の一人。ラファエル・ベレシュが家業を継いだのは2004年、そこから極力農薬を抑えるリュット・レゾネを実践し、最近は馬での耕作も始めたというから、かなりビオ・ディナミに近い農法を取り入れているようだ。

セパージュはシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエをほぼ等分使っている。このエクストラ・ブリュットは瓶内二次発酵後の糖分添加を全く行わない、いわゆる「ノン・ドサージュ」。かなり辛口に仕上がっていそうだが、さて?

色は張りのある硬質なゴールドイエロー。香りは蜂蜜、ライム、白コショウ、サラミのような肉の香りも感じられる。

口にすると塩辛いほどのドライな印象が直接的にやってきて、口の中がすぼまるほど。泡は繊細だが張りのある細かさ。ライムのような青さのある柑橘類を口に頬張った直後の印象に似ている。硬質な味わいは透徹し、それは個性なのかもしれないがもうすこし柔らかさがあってもいいと思う。飲んでいてゆったりさせる余裕が今少し足りない気がする。研ぎ澄まされたような味わいすぎて、飲む者に緊張感を与えすぎてしまっているような感じがしてならない。

余韻はミネラル感、苦みが腰を据えて、最後まで息を切らさない酸味主体の味わいにアクセントを与えつつドライな味わいを貫徹していく。飲みきった後の乾いた味わいは他にない個性だろうか。

しかし、ここまでドライなシャンパーニュはお目にかかったことがなかった。この味わいにもう少しふくよかさを加味することができればと思うのだけれど、それにはもう少し時間が必要なのかもしれないな。

【創酒タカムラ 4,800円?】

2011年12月25日 (日)

ラエルト・フレール ブリュット・トラディシオン NV

111224laherte最近のシャンパーニュの楽しみは、大手でない造り手のいろいろなシャンパーニュを飲むこと。スタンダードなものであれば4千円台で楽しめるし、さすがにユーロ安の影響も出てきて相対的にお得感も出てきた。

シャンパーニュではちょうど真ん中地域にあたるヴァレ・ド・ラ・マルヌとコート・ド・ブランの間、シャヴォに本拠を置くラエルト・フレールは、シャンパーニュの有力な若手生産者に数えられるオーレリアン・ラエルトが率いている。

シャンパーニュは主にピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネから造られるが、その他にもアルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリからも造ることが認められており、オーレリアン氏はこの古典的な品種にも興味を持っている。これらから造られるシャンパーニュもいつかは飲んでみたいが、このシャンパーニュはオーソドックスに彼が所有する8つの村にわたる畑で栽培されるピノ・ムニエ60%、シャルドネ30%、ピノ・ノワール10%から造られる。このうち40%は小樽で熟成させたヴァン・ド・レゼルヴを使用している。

色はややグレーがかった黄金色。泡は中心から細かく勢いよく立ち上る。香りはリンゴ、ヨーグルト、八朔、ミネラルの香り。

口に含むと柔らかな酸味と細かな泡が感じられ、柑橘系の優しい果実味が徐々にほどけるように広がってくる。渋みは優しく、ソフトな印象。グリップはそれほど強くないが、果実の充実した旨味が中盤にかけてゆったりと広がる。もう少し酸味に深みがあると、味わいにメリハリがついていいのだが。

余韻は最後に現れる甘みが穏やかな心地を演出し、息の長いスマートな味わいを残しつつゆっくり引いていく。

果実味の充実感がありつつ、優しい味わいはピノ・ムニエの特徴がよく出ているのかもしれない。とてもバランスの良いシャンパーニュだったな。

【パピーユ・ジャポネーズ 4,000円?】

2011年12月21日 (水)

ピエール・モンキュイ ユーグ・ド・クルメ ブラン・ド・ブラン ブリュットNV 

111219moncuit_2ワインに関しては酸がしっかりあるものが好きなのに、シャンパーニュに関してはブラン・ド・ブラン、白ブドウによるものがつい最近まで苦手だった。だからシャンパーニュを選ぶときには「ピノ・ノワール主体のものはありますか?」と聞くことが常だった。最近はそうでもなくなっているのは、ようやく自分の舌がシャンパーニュに慣れ始めた?

このピエール・モンキュイはシャンパーニュ地方でもコート・ド・ブラン地域、その名のとおりシャルドネ主体のシャンパーニュを生産する地域でもル・メニル・シュル・オジェ村を本拠としている。超高級のシャンパーニュ「サロン」を生み出すこの村だが、むしろその鮮烈な酸とミネラル的味わいゆえに、大手生産者のシャンパーニュにアクセントをもたらすブレンド用として重宝されてきた。それだけに自分にとってはかなり鬼門の村のようだが?

全体にグリーンの色調を帯びた明るい薄めのイエロー。金属的な表面の張りが感じられる。香りは甘くグレープフルーツ、カスタードクリーム、アップルパイ、ドライフルーツ、カマンベールチーズ。

口に含むと鮮烈な酸と細かく勢いのいい泡が舌を突く。勢いのよい酸が口の中に広がり、少し厳しめの収斂感があるものの、その直後に広がる青い柑橘系の果実味はふくよかなボリュームを持っていて、酸で引き締められた口の中をほっこりと和らげるように広がる。中盤以降広がるミネラル感、ほろ苦さが味わいの重心を低く保ち、複雑さをもたらす。

余韻は最後まで手綱を緩めない酸が再び戻り、口の中をリフレッシュするように清涼感を漂わせながら、ドライな味わいで締めくくる。

かなり攻めの強い酸が印象的なシャンパーニュだったが、その中にくるまれた果実味が厚みを持たせてバランスを保っている。ブラン・ド・ブランらしい特徴と、土地の個性を色濃く表したシャンパーニュと言っていいんだろうね。

【Cave de Terre 淡路町店 4,800円?】

2011年11月20日 (日)

ペルソン シャンパーニュ ローダスィウーズ ブリュット NV

111119personさいきんアーセナル快調です。一時はどうなることかと思ったけど、神がかりてきな新キャプテン、ロビン・ファン・ペルシーのすさまじい決定力に引きずられて、それぞれの選手も乗ってきた感じ。このまま負けずに勝ち点を積んで、まずは4位以内に食い込んでもらいたい!

そんな調子に合わせて、こちらも勢いよくシャンパーニュを開けてしまいました。この日は自分の好きなインポーター「W」さんが入れているだけで選んだシャンパーニュで、しかも自分は少し苦手感のあるブラン・ド・ブランを。

難解な単語、L'audacieuseとは大胆不敵、無謀、勇敢という意味なんだそうだ。コート・ド・ブラン地区はシャンパーニュでも南で、シャルドネ主体。白亜質の土壌に石灰質が混ざる畑は、シャルドネに酸味と豊かな果実味、そしてミネラル感を与える。この地域でもペルソンが本拠を置くヴェルトゥス村は南に位置しているから、厚みのある味わいが期待できそうだ。

色は輝きのある華やかなゴールドイエロー。泡は繊細にゆったりと立ち上る。香りはハチミツ、トロピカルフルーツ、カスタードクリーム、クッキー、焦がしたバターの香り。

口に含むと繊細な泡が下の先端をくすぐるように弾く。濃厚な果実味としっかりした酸味が一度に感じられ、そのボリューム感に一瞬たじろぐ。ベースに広がる豊かな渋味。それぞれの要素が力強く、堂々とした主張をなし、骨太で肉付きのいい味わいを作り上げる。ただし強い甘さはもう少し抜けがいいと後味の心地が良くなるのだが。

余韻は濃厚な果実味を下支えする渋さが引き締め、最後まで豊かでボリュームのある味わいを残しつつ、ゆっくりとひいていく。

ブラン・ド・ブランとは思えない肉付きのある味わい。飲む前の予想とは全く違う感覚で、さすが曲者インポーターのお取扱いだと思わずにはいられませんでした。

【Cave de Terre淡路町店 5,000円?】

2011年8月22日 (月)

ゴセ・ブラバン レゼルヴ・グラン・クリュ ブリュットNV

110821gossetbrabantブルゴーニュ好き、シャンパーニュ好きの方は多いが、自分はとてもその方々とお付きい出来るだけの知識も財力もないので、比較的お手頃なシャンパーニュをチビチビとやらせてもらうのが性にあっていると思う。

そんなお手頃価格のシャンパーニュも、今では結構な種類が手に入るようになったので、全然飽きない。これとチーズや生ハム、時には鮨と合わせて楽しめれば最高だな。

この日のシャンパーニュはアイ村で伝統的な造り手のゴセ・ブラバンのブリュット。シャンパーニュでは中部、ヴァレ・ド・ラ・マルヌに位置するアイでは、白亜質の土壌でピノ・ノワール主体のシャンパーニュが作られる。このレゼルヴはピノ・ノワールにシャルドネもアッサンブラージュされる。このアイ村で造られたシャルドネはボリュームも豊かで、生産者いわくシャンパーニュに醸すとピノ・ノワールと見分けがつかなくなるのだとか。

色は全体に艶感のある濃い目のゴールドイエロー。香りはリンゴ、ライム、バタークリーム、ブリオッシュ、バックに鉱物的な香りを感じる。泡は勢いが良く、全体から力強く立ち昇ってくる。

口に含むとまず泡のふくよかさ、力強さを感じる。酸は穏やかだが、果実味のふくよかさ、ボリューム感に加えて、しっかりしたタンニンの渋みと、日本酒に似たキレのある後味を感じる。 全体に力強いボリュームのある味わいで、重心の低い渋みとミネラル分が豊かな味わいが複雑さをもたらしている。

余韻は残糖の少ないドライな後味で口の中が渇くような印象。次の一杯を欲するような気持ちにさせられる。

泡の力強さ、しっかりした渋み、そこに加わる日本酒的なキレのある味わい。ボリューム観がありながら、味わいの要素はそれぞれが繊細に重なり合って複雑さをもたらしている。そして余韻のドライさ。乾いた者が水を欲するように、次の一杯を欲してしまう、不思議な魅力を持ったシャンパーニュだったな。

【レ・パピーユ・ジャポネーズ 5,350円】

2011年8月17日 (水)

ラミアブル ブリュット グランクリュ NV

110812lamiable暑い、たまらなく暑い。寒いのは耐えられるけど、暑いのは全くダメという自分にとって、この季節は完全に野外活動縮小。最低限体重を維持するためのスポーツ、ジョギング以外は屋内引きこもりが常態。

そして節電のために、勢い体感上涼しくなる泡物の消費が増えてくるのはやむを得ない。ファーストチョイスは勿論ビールだけど、一日ゆっくりの時はやはりシャンパーニュがいいかな。

最近はシャンパーニュもお手頃価格で色々なものが楽しめるし、シャンパーニュの味わいを吟味することは、他のワインよりもより繊細な要素を嗅ぎ取ることになり、ティスティングの格好の勉強にもなる。

このシャンパーニュは、いつものカーヴ・ド・テール淡路町店で購入したもの。ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地域のトゥール・シュル・マルヌ村にあり、マルヌ川に広がるこの地域は川面から反射する太陽光の影響もうけて色の濃いボリューム感のあるシャンパーニュの産地として定評がある。石灰質土壌の畑から、ピノ・ノワール主体のシャンパーニュが作られる。ラミアブルはこの村でも特筆される生産者で、大きくはないがピノ主体のシャンパーニュを家族経営で作っている。

色は艶やかで張りがある、ピンクのニュアンスが全体に出たゴールドイエロー。泡はやや大粒で、ゆっくりと力強く立ち昇る。香りは金属的な香りが強く出ており、金属の削りかす、ビスケット、アップルパイ、茶色くなりつつあるリンゴの香り。

口に含むと芯のある酸味としっかり質感のある酸が舌先を突く。最初は締まった味わいだが直後にどっしりした渋みを伴った、凝縮感のある果実味がボリューム豊かに現れる。中盤は渋みがベースとなった太い味わい。少し重たさを感じそうになるが、伸びのあるくっきりした酸味がそれを引きとめ、味わいをまとめている。

余韻は若干酸味の強さを感じるものの、ボリューム感のある果実味がしっかりと居座り、そして旨みを残しつつゆっくり引いていく。

ピノ・ノワール主体だけど、シャルドネのような酸味が感じられる面白いシャンパーニュ。酸味と果実実、ミネラル感がうまくバランスして一つの個性的な味わいが造られるお手本のようなシャンパーニュ。こんなの開けちゃうと、ついついグビグビいっちゃうよーな、夏好みのシャンパーニュだったな。

【Cave de Terre淡路町店 3,980円】

2011年8月 7日 (日)

ジャン・ヴェッセル ブリュット ロゼ・ド・セニエNV

110805hanabi1110805hanabi2110805hanabi3毎年8月第1週の土曜日は、淀川花火大会。

家から毎年観ることはできるものの、小部屋のベランダからアパート越しという、あまり見栄えの良くない感じなので、少しでも打ち上げ場所が変わると見えなくなりそうなのが不安なのだが、今年もちゃんと見ることができた。真夏の大イベントを涼しい環境で鑑賞できることは、この地に住んでいるものの数少ない役得、というべきか?

110805shampangeその華やかな花火大会に相応しいワインと言えば、やはり弾けるシャンパーニュ、という発想になるだろうか。このブジー村で作られるロゼシャンパーニュは、ピノ・ノワール100%。その名前の通り、セニエ(瀉血)法で作られている。

セニエ法はかつての外科手術法で静脈から悪い血を抜き取る方法に似て、赤ワインを作る手法の過程で破砕後、醸し状態であまり色がつかない早い段階で果汁を抜き取ることにより、ロゼに仕立てることからこのように呼ばれている。シャンパーニュでは直接圧搾法(圧搾状態で果皮接触を行う)、アッサンブラージュ法(赤ワインと白ワインのブレンド)があるが、セニエ法だと種子や果皮の味わいがワインに移りよりしっかりした味わいとなる。

ジャン・ヴェッセルはこの地で10haの畑を所有する小規模な造り手だが、当主のデルフィーヌ夫人によりピノ・ノワールの個性を重視したシャンパーニュを作っている。

色は暗めで赤の色調が濃く出たピンク色。泡は細かく、全体に力強く立ち上る。香りはラズベリーの甘い香りが強く出ており、その中にミント、シナモンといったハーブ、スパイスの香りが感じられる複雑さを持っている。

口に含むと細かな泡と共にまずはっきり現れる強いタンニン。どっしりした渋みが口の中を引き締める。ミドルに進むにつれてこの渋みが大きく広がり、重厚な味わいを形成する。酸味と果実味がバランスよくマッチし、爽やかさと重厚さがうまく重なりあい、凹凸を感じさせない。

余韻は最後まで力のある渋さが口の中に残り、戻ってくるピュアな酸味がリセットの役割を果たしながら、 ゆっくりと引いていく。

ロゼ・シャンパーニュでもこれほどタンニンの強い味わいも珍しい。同じ造り手の違うロゼを飲んだことがあるが、それはこれほどの渋さを感じなかった。シャンパーニュも造り方によって全然味わいが違ってくることの好例。シャンパーニュもやはり奥が深いです。。。

【Cave de Terre淡路町店 6,000円?】

2011年7月 6日 (水)

ローズ・ド・ジャンヌ シャンパーニュ アンフロレッサンス ブラン・ド・ノワール ブリュットNV

110314florescence 夏はどうしても泡物が飲みたくなる。でも、まず第一の選択はビールだな。ビールの爽快感はこの時期、暑い時期だからこそ味わえるってところもある。何より量も楽しみたいし、スプマンテ、そしてシャンパーニュはその次かな。

この時期にシャンパーニュを開けちゃうとあれよあれよで一本飲みきっちゃうから悩みどころ。このシャンパーニュもそんな感じで飲みきってしまった一本。

ローズ・ド・ジャンヌは最近好きになった造り手で、新進気鋭の若手醸造家、セドリック・ブシャールがシャンパーニュではメインとは言えない地域で、単一の区画から単一品種、単一収穫年のブドウからシャンパーニュを醸している。低収量でビオロジック農法を実践、発酵も天然酵母を用いている。 

色は輝きのあるゴールドがかった明るいイエロー。泡は細かで緩やかに優しく立ち昇る。

香りは甘いキャンディー、リンゴの蜜、乳清、ハーブの香り。重くはないが、柔らかな甘さを感じさせる香りが全面に放たれる。

口に含むと柔らかく繊細な泡が舌先をくすぐり、その直後直線的なイチゴの酸味と味わいが舌を突き進む。芯のしっかりした筋の通った味わい、その周りにスレンダーだけど実の伴った清々しい果実味が寄り添う。展開自身は複雑さよりも、素直な旨さ、酸味の清々しさの心地よさ。中盤も若干内向きな印象だが、密度の濃さがそれをカバーする。

余韻も最後まで勢いを落とさない酸味が味わいを引き締め、透明感のある硬質な旨みを感じさせつつ、ゆっくりと引いていく。

鮮烈な酸味の中にジューシーな旨みが閉じ込められていて、味わいは凄くピュアで清々しい。夏の涼しい料理と合わせて楽しいマリアージュが期待できる、そんなきれいなシャンパーニュだったな。

【創酒タカムラ 6,600円?】 

2011年6月27日 (月)

ルノーブル シャンパーニュ ブリュット・ナチュレ ドサージュ・ゼロ

110626lenoble土曜日から日差しが一挙に変わって、まさに夏本番。日課のジョギングも水分補給なしにはしんどいので、この日からはペットボトルの水をかならず携帯して、熱中症にならないよう無理せずゆっくりペースに切り替えた。

それでもいつものコース10キロ余りを走り終える頃には、かなりの疲労モード。こんな場合はミネラル分補給も兼ねての昼シャンの誘惑に駆られるわけで。 。。

この日の昼シャンはルノーブルのシャンパンで、補糖なしのドサージュ・ゼロ。醸造過程においてワインに糖分を添加するタイミングは、発酵前のブドウ果汁自体へアルコール発酵を促すために糖分を添加するシャプタリザシオン、瓶内二次発酵前に泡を産み出すアルコール発酵を促すために添加するリキュール・ド・ティラージュ、そして最後に二次発酵を終えたシャンパーニュの味を整えるために転嫁するリキュール・デクスペディシオンの3つがあるが、普通ノン・ドセ(ノン・ドサージュ)となると、最後の時に糖分を転嫁しないことを指す。

色は硬質で張りのある黄金色。香りはブリオッシュ、焦がしたバター、カスタード、ナッツ、白桃の香り。甘い香りが前面に強く押し出てくる。泡は繊細で細やかに立ち上ってくる。

泡は細かで力があり、舌先を強く弾く勢いがある。最初の味わいはドライだが、徐々にしっかりした甘みと硬質のミネラル感が広がり、口の中を引き締める。シャープなボディで、後半は喉の奥が締まって渇くような印象。ベースに力強い苦みがあり、口の中をさらに引き絞るかのようにどっしりした印象を与える。

余韻もシャープで残糖分をほとんど感じさせない。ミネラル感とほろ苦さを残しつつ、潔く引いていく。

甘みはしっかり感じられるんだけど、後味はシャープでドライ。渇きを覚える余韻が再びグラスを傾けるようにしむけるなどは、小憎らしい演出。暑い夏に楽しむには格好のシャンパーニュと言えるだろうな。

【Cave de Terre 淡路町店 4,000円?】

2011年2月27日 (日)

ニコラ・フィアット シャンパーニュ グラン・クリュ ブリュット・ミレジメ1996

110227feuillatte シャンパーニュを選ぶときの自分の基準としては、やはりピノ・ノワールというか、黒ブドウ系の比率が多いものを選ぶことが多い。泡物とはいえ、好み的には味わいに落ち着き、力強さが感じられるものが好きなようだ。シャルドネ単一のブラン・ド・ブランも嫌いではないが、やはりピノ系の方が安心して楽しめる。

今回選んだシャンパーニュもブラン・ド・ノワールとは書いていないが、モノ・セパージュとあるのでピノ・ノワール100%ということだろう。ニコラ・フィアットは1970年代創立の若い生産者だが、今や世界7位にまで生産量を急激に伸ばした。このシャンパーニュの生まれるヴェルズネー村はシャンパーニュ地方北部、モンターニュ・ド・ランス地域に位置し、この村では約85%でピノ・ノワールが栽培されている。北東向きの畑は日照的には不利な条件だが、この村は気候が温暖なためバランスの良さの中に繊細な酸を備えたシャンパーニュが作られる。

色は少し焼けた印象のある濃い目の黄金色。香りは焼きたてのアップルパイ、プディング、カリンの甘い香りのバックに鉄のような金属香、そして酸化熟成の香りも感じられる。泡立ちは細かく、ゆっくりと静かに立ち上る。

口に含むと細かで張りのある泡、そして伸びのある鮮烈な酸に凝縮感のある豊かな渋みを含んだ果実味が感じられる。泡がほどけるように口の中に広がると、その直後にしっかりした渋さの感覚がどっしりと口の中に座り、その中でレモンのような活きのいい酸が清涼感をもたらす。中盤にかけても息を切らさない鮮烈な酸が力強い。

終盤もこの酸が最後まで力を緩めず、旨みのある果実味を引っ張っりながら長い余韻を保って緩やかに引いていく。

最初から最後まで息を切らさない酸が予想を裏切る展開だった。ピノ・ノワール主体でありながら軽やかさを持ちつつ、ベースの力強さも失っていない。両者のバランスを保ちつつ、うまく熟成のニュアンスも手に入れた、とても複雑なシャンパーニュだなと感じた。

【創酒タカムラ 7,000円】

2011年2月22日 (火)

ローズ・ド・ジャンヌ シャンパーニュ レ・ウルシュル ブラン・ド・ノワール ブリュットNV

110220roseschampagneチャンピオンズ・リーグのアーセナルvsバルセロナ戦見た?いい試合だったな。去年はセスク、ソングの欠場で敵地カンプノウでボコボコにやられて悔しい思いをしたが、その借りを返すホームでの逆転勝利だった。カンプノウでも去年のような事には絶対にならない!

その勝利を記念してのシャンパーニュ。この日は最近知名度の上がってきたローズ・ド・ジャンヌのブラン・ド・ノワール。

1976年生まれ、セドリック・ブシャールはシャンパーニュでは中心から外れた南端のセル・シュール・ウールス村で2000年からワインを作り始めた新興の醸造家。このシャンパーニュはステンレスタンクで天然酵母を用いて発酵、乳酸発酵を経て澱と長時間接触させたままにし、収穫翌年に瓶詰、ドサージュは一切行わない。

色は全体にグレーがかかったうすいイエロー。香りはナシ、レモンスカッシュ、アップルパイ、バックにジンジャーの香りも感じられる。泡は比較的大粒の泡が中心から3条、勢いよくテンポよく立ち上る。

口に含むと力は弱めだが、繊細で細かな泡が優しく舌先をくすぐる。その泡が舌先から柔らかく舌を包み込むように広がり、その直後に爽やかで冴えた酸が、そして次に重心の低い濃い果実味が現れる。中盤からは黒ブドウらしい渋みが広がり、味わいに安定感をもたらす。

余韻はベースの渋みがしっかり感じられ、ピュアな果実味が力強く残りつつ、長い時間をかけて引いていく。

まず一番に驚かされたのは優しくクリーミーな泡の感覚。しかし味わいは軽いだけではなくしっかりした渋みを伴う複雑さを持っている。シャンパーニュでは辺境的な土地からこれだけしっかりして、かつ繊細さを兼ね備えたものができるんだから面白いもんだねぇ。Good JOB!

【創酒タカムラ 8,500円】

2011年2月11日 (金)

シャンパーニュ グロンニェ ブラン・ド・ノワール ブリュット NV

110210gronget今日はひさびさにジムに行って2時間以上たっぷりと運動。やっぱり体を動かすのは気持ちいいもんです。仕事で残業が多かったので頻度も減ったけど、時間を見つけて行くようにしないと。運動はリフレッシュには最高の手段だし、飲み続けるには必須のカロリー消費手段だしね。

で、スカッと気持ちいい夜の晩酌にはシャンパーニュ。必ず冷蔵庫には一本は備えているけど、それもやはりピノ・ノワール主体のしっかりしたボディのある一本がいい。今日開けたのはブラン・ド・ノワール。

女性醸造家セシル・グロンニェがシャンパーニュの80%を生産するマルヌ県の最南端に位置するコート・ド・セザンヌ地区の村、エトージュで醸すピノ・ノワール50%、ピノ・ムニエ50%によるブラン・ド・ノワール。白亜質の土壌に粘土質の土壌が混ざることから、この地方は活きのいい酸と深いコクの味わいを併せ持ったシャンパーニュが生まれるという。ブドウは農薬を極力抑えたリュットレゾネ。

少し枯れた感じのするイエロー。泡立ちは勢いよく、しっかりと登ってくる。香りは鉄っぽさ、鉱物質をまず感じ、焼きたてのパン、カスタード、ナッツ、リンゴの香りが出てくる。

口に含むと快活な泡が舌先をくすぐる。酸は勢いがあり直線的。その中に苦みがしっかりと感じられ、酸と共に広がる穏やかな果実味をくるみ、そして押し下げるように働き、味わいを腰の低いものにしている。若干渋みの出過ぎを感じなくはないが、全体にはどっしりとした深みを感じる味わい。

余韻はコクのある味わいと、最後まで残る渋みがフィニッシュを引き締めて締めくくる。

ブラン・ド・ノワールに求めるどっしりした旨みを持ちつつ、そこにフレッシュな酸が絡んで立体的な味わいを形作っている。荒っぽさも感じるけれど、これくらいの力強さがあった方がブラン・ド・ノワールらしいし、個性的で好きだな。荒削りな所も含めてGood JOB!

【Cave de Terre淡路町店 4,500円?】

2010年12月29日 (水)

ミシェル・ゴネ シャンパーニュ ブリュット グラン・クリュ ミレジメ1998 ブラン・ド・ブラン

101225michelgonetクリスマス寒波、一気に冷え込んでさすがに今日は出歩くのが億劫に。すき焼きを食して帰ってきた後は、ゆっくりと画集でも見ながらシャンパーニュ。

このシャンパーニュ、去る日にカーヴ・ド・テール淡路町店でグラスのシャンパーニュを嗜んでいる時に店長のY場氏がいきなりボトルを持ってきて薦めたいわくつきのシャンパーニュ。昔飲んで感動したボトルに最近思わず再開したとかで、そこまで彼に薦められては飲まずばなるまい。ブラン・ド・ブランは若干苦手な領域ではあるが、ヴィンテージで1998年は秀逸年でもあるし、申し分ないし。

ミシェル・ゴネはコート・ド・ブランの特級畑であるアヴィーズ村を本拠としている。この地域で植えられているのはシャルドネで、白亜質の土壌に石灰質が混ざっているということで、シャブリに近いが、シャブリの土壌はジュラ紀に堆積したもの、シャンパーニュはそれよりは早い白亜紀という違いはある。しかし石灰質土壌であれば共通しており、ミネラル豊かなその土に育まれたワインは、滋味の豊かなものになる。ミシェル・ゴネはこの地で6代目になる古い造り手。

色は少し熟成感のある枯れた感じの麦藁色。香りはタルト、アーモンド、ナッツ、シナモン、カスタードの大判焼のような香りも感じられる。

口に含むと鮮烈な酸の印象と共に強いアタック。少し酸化したリンゴの味わいが濃く現れ、酸はレモンのように瑞々しく、口の中を引き締めるように働く。この酸味が味わいの中核を成し、それを支えるように働く濃い果実味のボリューム。味わいの要素が非常に強く、若干戸惑いも感じさせるが、全体の調和を乱すまでの放埓さはない。これだけ個性的なのに、不思議と着地点に収まっていく中盤から後半にかけての収束が面白い。

味わいの個性が強力な、パワフルシャンパーニュ。ブラン・ド・ブランらしい酸の鮮烈さが中心ではあるが、それだけではない豊潤な旨みが詰まっていた。今まで飲んだシャンパーニュでは一番濃い~味だったかも?

【Cave de Terre淡路町店 5,980円】

余韻は最後まで主役をを譲らない酸に寄り添うように現れる乾いた旨みが口の中を優しく撫でるように労りつつ、力強い味わいを残しながらゆっくりと引いていく。