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カテゴリ「ワイン フランス アルザス」の29件の記事 Feed

2014年7月13日 (日)

セッピ・ランドマン クレマン・ダルザス ブリュット1994 AOCクレマン・ダルザス

140713andamannseppi勢いで買ってみたものの、いざ開けるのを躊躇してしまうワインもある。このワインもその一つだった。クレマン・ダルザスの20年熟成が果たしてどのような味わいなのか?自分にとっても未体験ゾーン故に開ける瞬間は興味と裏腹だった。

このクレマン・ダルザスはピノ・ブランとオーセロワ種によるもの。ピノ・ブランは有名だが、それに比べるとオーセロワはアルザスで栽培されている白ブドウ品種ではリースリングに次ぐ第2位の割に知られていない。Auxxeroisと綴られる名前から発音のしづらさもあるのだろうが、このブドウが単一品種で用いられることが少なく、アルザスワインでもラベルに現れることが殆ど無いことが原因だろう。

セッピ・ランドマンという造り手のワインを飲むのはこれが初めてだろう。アルザスの奇才と呼ばれているようで、しかしながら1994年のこのクレマンは想像では味わいも泡も弱めを想像したが、実際はどうだろうか?

色は濃い目のゴールドイエローで張りと輝きを感じさせる。香りは乾燥マンゴー、黄桃、カスタードクリーム、シナモンのような酸化熟成的香りをバックに感じる。泡は細かいものの全体から柔らかく立ち上がる。

口に含むと細かな泡が全体に溶け込んでいるのを感じ、それに続いてしっかりした苦みを伴うやや乾いた味わいが広がる。全体のバランスが整い、大きな味わいではないものの求心力のある酒質を繊細な泡が包み込み、クリーミーで滑るように後半へと誘われ、そして酸化のニュアンスの香りの中に抱かれながら、やがて明瞭な細身の酸と程よい苦みのフォルムが明確に現れ、底力のように前半には感じなかったボリューム感を表現する。

余韻は雑味のないクリアな味わいが溶けるように散じていきつつも、苦みの印象がしっかりと座り、長い後味を残していく。

20年も経ったとは思えないピュアさを残しつつ、しっかりした苦みと熟成感を保った味わいは、予想とは全く異なるものだった。クレマン・ダルザスのポテンシャルと呼ぶべきか、それとも作り手のポテンシャルと呼ぶべきか。Good JOB!

【Cave de Terre淡路町店 4,000円?】

2014年3月16日 (日)

ドメーヌ・ヴァインバック リースリング キュヴェ・テオ2012 AOCアルザス

140316weinbach屈託なく楽しめるフランスの白と言えば、アルザスの白ワインを挙げたい。品種を前面に出しているから、味わいにある程度の察しがつくのだが、その後は勿論造り手によって明瞭な違いが出てくる。

アルザスの名手としてまず名が挙がるのはマルセル・ダイス、その次はジェラール・シュレール、トリンバック、そしてこのヴァインバックも必ず五指には入るところだろう。この中ではヴァインバックはやや硬質、残糖分のすくないきりっとした辛口のワインに仕上げる印象を持っている。

2005年からビオディナミに移行したヴァインバックは17世紀初めに設立された歴史の長いドメーヌで、アルザスで初めてグランクリュに指定されたシュロスベルクとともに、このリースリングを産み出すクロ・デ・キャプサンを単独所有している。ワインは天然酵母を用い、アルザス伝統の1,500リットル超のオーク古樽で発酵させる。

色は黄金がかったレモンイエロー。香りはオレンジ、キンモクセイの甘い香りに、缶詰の黄桃、シロップが感じられ、バックには控えめながらリースリングらしい重めの油脂香もある。

口に含むと冷涼でスマートな酸がすくっと伸び、刺激の少ない角の取れたフォルムが清々しい。残糖分は少ないが、酸のまろやかさと柔らかな質感がふくよかさとボリューミーさを感じさせる。中盤からはほのかな苦みと塩っぽさのミネラル感が味わいに複雑さをもたらしつつ、後半の繊細な甘み主体の安らぎへとバトンタッチする。

余韻はふくよかな浮揚感とともに漂う優しく繊細な甘みが心地よく残り、その甘みが淡雪のようにほどけるように昇華していく。

リースリングとしての品種の個性はやや抑えつつ、白ワインとしての完成形を目指したワインといえるだろうか。このワインであればどの料理と合わせても、決して料理も殺さず自分を見失うこともないだろう。Good JOB!

【カーブ・ド・リラックス 3,500円?】

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2014年3月 8日 (土)

ジョスメイヤー アルザス ピノ・ブラン AOCアルザス

140308josmeyerpinot_blanc少しづつだが春の訪れを感じるようになってきた。冬の間は赤の比率が多かったが、徐々に白へとシフトしていきそうな家呑みのワイン。

週末に開けたワインは久々のジョスメイヤー。東京出張の折に、支店近くのワインショップに入って目についたので買って帰った。以前は近くに高島屋があったので、取り扱いが多くよく買っていた。この日はピノ・ブランを選ぶことにした。

ピノ・ブランはピノ・ノワールの突然変異で生まれた品種だが、19世紀まではシャルドネと混同されていて、はっきりと別の品種とされたのは1868年という。印象ではくせのない、さりとてはっきりした特徴のない、白い花のニュアンスがあるすっきりしたワインを作る品種だと思っている。

ジョスメイヤーはアルザスで1854年に創設され、自社畑の葡萄は100%ビオディナミ栽培になっている。ワインは料理と共に、をモットーにし、レストラン販売を重視しているそうだ。

色は粘質をうかがわせる、やや薄めのゴールドイエロー。香りはアプリコット、乳酸飲料、キャラメル、白い花。

口に含むときれいな甘さを伴た凝縮感のある果実味が感じられる。酸は控えめで、滑らかかつすっきりした味わいを調和させるには適切な量を持っている。他の生産者のピノ・ブランと比べると甘みと凝縮感の強さを感じ、やがて時間と共にだしのような旨味の優しさが、中盤から伸びてきて豊かに広がってくる。後半は起伏の少ないなだらかな斜面を見下ろすかのような、平穏な心地を感じさせる落ち着き。

余韻は序盤は凝縮感を感じた甘みが潔く抜け、すっきりした後味を残してさっぱりと締めくくる。

序盤の濃さの印象と、最後のすっきり感が対照的で、メリハリの利いた良くできた白ワイン。酸もまろやかでやや甘感は、万人に好まれる味わいと言えるだろう。

【カーヴ・ド・リラックス 2,200円】

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2013年12月30日 (月)

ドメーヌ・リエッシュ アルザス・シルヴァネール ニ・ヴュ ニ・コニュ2007 AOCアルザス

131230nivuniconnu以前は色の濃いワイン、濁り系のワインに興味があったけど、最近は特にこだわりがない。ヴァン・ナチュールと呼ばれる自然派ワインも興味はあるが、味わい的に好まない場合も多い。くどすぎて、料理と一緒に楽しむ場合が想像できないケースもある。ヴァン・ナチュールがワインのみを扱われて、合わせる料理と語られる場面が少ないのは、そうした一面があるのではないかと思う。

このアルザスの作り手、ドメーヌ・リエッシュは自然派志向の作り手だと思うが、行き過ぎたところがないのがいいと思っている。アルザスの主要都市、ストラスブルクとコルマールの中間にあるミッテルベルカイム村に本拠を置く家族経営のワイナリーで、このシルヴァネールは「Ni vue ni connu(見たこともなく、聞いたこともなく)」と名付けられ、3年7か月の間酸化熟成させることで作られる。

色は柔らかでかすかな粘性を感じさせるやや薄めの山吹色。香りはアプリコット、缶詰フルーツのシロップ、マーマレード、ドライイチジクの、全体に甘めの香りがふわりと立つ。

口に含むとシルキーでやや粘性のあるエキス分がゆるやかに入って来て、その後穏やかでまろやかな柿のような旨味がじわじわと浮き上がってくる。木なりの果実の旨味は凝縮感があるが、けっしてくどさはなく柔らかさと弾力性を伴う。温度が上がるにつれ、綺麗な酸味が現れて主張を強める。雑味もなくクリアな味わいはほのかな苦みと節度ある酸化のニュアンスと調和し、終盤まで肩の力を抜いて楽しめる。

余韻はシルヴァネールらしいやや塩っぽさを感じさせながら、重すぎず優しすぎない素朴でっlクリアな旨味を残しつつ引いていく。

厳密にヴァン・ナチュールと言われるワインではないのかもしれないが、自然で抵抗感なく入ってくる味わいは久しぶりに自分の好みドンピシャリだった。ビオ・ディナミ転換中ということだが、無理に入り込んでこのふくよかな味わいを壊すことがないことを願いたい。Good JOB!

【パピーユ・ジャポネーズ 3,500円?】

2012年3月16日 (金)

ジェラール・シュレール リースリング ゼロ・デフォルト2005 AOCアルザス

120311riesling最初にワインを飲み始めたとき、アルザスワインの不思議さに惹かれた記憶が今も印象に残っている。それまで飲んでいた白ワインのどれとも違う個性、それは後から考えると品種の個性、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、リースリング、シルヴァネールなどの品種が持つ味わいの違いだったかもしれない。

それ以来、アルザスワインには興味を持ち続けているが、単に品種だけでない、造り手、造り方の違いが幾重にも広がっていることを知って、未だにその全貌は明らかにならない。まだまだ知らない造り手も多くいるだろう。本当に不思議な地域だ。

その地域にあってジェラール・シュレールはぞれまでのアルザスワインのカテゴリーに収まらない革新的な生産者だ。その姿勢はAOC、原産地統制呼称制度を守る規制当局にとっては相いれないものかもしれない。この「ゼロ・デフォルト」はグラン・クリュで栽培したブドウを使いながら、その味わいが所謂グラン・クリュらしからず、と判断され、グラン・クリュを名乗ることができなかったワイン。

色はグリーンがかった淹れたての新茶のような若々しいゴールドイエロー。香りはリースリングらしいオイリーな香りが開き、その中にミント、若木、ライムといった爽やかな香りが感じられる。

口に含むとじっとりした質感をまず感じ、その直後に青みを伴った直線的な酸がさっと潔くふ駆け抜ける。外郭を形作るフォルムが堅牢だが、その内側は柔らかで、酸味と果実味由来の繊細な旨味が程よく絡みあう。残糖分は殆どない乾いた味わいだが、それでも果実味がしっかりしているので充分な厚みが感じられる。

余韻はドライな中盤とは違い、ミネラル感とほっこりした旨味が現れ、繊細かつふくらみのある味わいを形作りつつ、優しく軽やかに引いていく。

辛口ワインという表現はありふれているが、まさにそうした表現にふさわしい乾いた味わいのワインなんだけど、その中に質感、しっとりした味わいも含んでいるという矛盾した表現に至らざるを得ない複雑な味わいを持ったワインと言えるかもしれないな。

【Wineshop FUJIMARU 5,000円?】

2010年9月25日 (土)

ドメーヌ・バルメ・ブシェール アルザス ピノ・ノワール ヴィエイュ・ヴィーニュ2004 AOCアルザス

100922alsaceいろんなワインを飲んだけど、ピノ・ノワールって品種には魅かれるなぁ。チャーミングな若々しい透徹とした酸がありながら、その奥にひろがる豊かな渋み、懐の深い味わい、味の多層構造がこれでもか、と言うくらいに広がるところが他のブドウとは一線を画している気がする。

そのピノ・ノワール、酸の要素が強いだけに北に行くとそれが目立ってしまうという傾向がつい昔まではあった気がする。しかし、最近のワインはそうした傾向が必ずしもあてはまらなくなってきた。それは単に温暖化のせいと言ってしまう事が出来ないほどに。

このアルザスの造り手、ドメーヌ・バルメ・ブーシェはビオ・ディナミ農法を実践、すべての化学農薬を排除し、醸造の過程においても自然酵母を用い、かつ補糖といった手段はとらない。このキュヴェは、標高380mに広がる特級畑ヘングストの樹齢50年以上のピノ・ノワールを使用し、収量も15ha程度に抑えている。

色合いは深く沈着した暗めのルビー色。アルザスのピノ・ノワールと思って見ると、その色素の稠密さに意外な感を受ける。香りは巨峰、紫蘇、胡椒。

口に含むと、まず充実した濃密な果実味。アルザスにありがちな酸の突出はなく、丸さを帯びて、自然なベリーの甘みと共に充実した凹凸のない滑らかな果実味がゆったりと舌の表面に広がり、口の中を満たしていく。タンニンのボリュームは予想外よりもあり、この果実味とバランスがとれている。全てにボリューム感を感じ、アルザスを飲むときに感じる儚さ、細さの印象はない。しかしボリューム感を感じさせながら、はっきりした輪郭、内から出るエネルギーをしっかりとまとめあげるコントロールを意識させる。

余韻はがっしりしたタンニンが現れ、豊かな果実味をたたえつつ、長く心地よい味わいを続けていく。

アルザスのピノ・ノワールに対する先入観からは大きく裏切られる力強さを備えたワイン。このボリューム感が造り手の意図する濃密な空間の中で演じられているとしたら、これは素晴らしいといわざるを得ないな。連発ぎみかもしれないけれど、Great JOB!

【ラ・ヴィネ 5,800円】

2010年4月27日 (火)

ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト ツィント2007 ヴァン・ド・ターブル

100427zind テーブルワインはどの国でも最も低いカテゴリーのワイン。しかしイタリアではこのカテゴリーから多くのすぐれたワインが生まれている。法律の規制に制約されることなくワインを作れるからだ。でも、フランスでもごくたまーに、そうした意図を感じさせるテーブルワインを見るようになってきた。

このワインはアルザス最高の造り手の一つ、フンブレヒトによるもので、決して安くはないがおーセロワ種35%とアルザス地方では法律上は認められていないシャルドネ種を65%用いているために、ヴァン・ド・ターブルのカテゴリーに甘んじている。辛口の印象のアルザスだが、味わいにいろいろあるのは当たり前。そしてこの造り手はその味わいを甘辛5段階に分けて、ボトルの左下に書いてくれている。数が多いほど甘くなり、このワインは「2」ということでほんのり甘口ということだ。さて、どうか?

色は艶やかで表面に張りを感じる薄黄色。ディスクに厚みがあり、粘性も感じられる。香りは熟した果実、花梨、オレンジ、焼きリンゴの香り。

口に含むと、熟した黄色い果実の味わいが広がる。糖分も豊かだが、滑らかだが芯のある酸が全体の味わいを引き締める。中盤は穏やかな甘さが口の中に広がり、柔らかなボールを口の中に入れたような膨らみの心地が感じられる。

余韻も爽やかで優しい甘さ、ミネラル感が薄く平たく広がり、線は細いが息の長い旨みが伸びやかに続いていく。

甘みは最初思いのほか強く感じるが、後半は繊細。酸が味わいを引き締めるところがアルザスワインらしく、さすがは名手が醸すワインと言ったところかな?

【ワイン・グロッサリー 3,429円】

2010年2月24日 (水)

ジェラール・シュレール アルザス ピノ・ノワール2007 ACアルザス

100215pinot 理屈で言えば、同じ価格を出すのであれば濃く旨みのあるワインを選んだほうが正解だろう。ピノ・ノワールのように場所を選ぶ品種であればなおさらだ。良いヴィンテージ、良い場所、良い造り手を選んでいくほうが満足度がある。まして大勢と楽しむ場であればなおさらだ。

でも、そう割り切れないところがワインにはある。だから自分で飲む時はそうした理屈を抜きしたワインを味わいたいと思う事が往々にしてあるのだ。このワインもそうした一つ。

アルザスで唯一の赤と言ってもいいピノ・ノワール。北の産地だから、ブルゴーニュのような味わいを期待することはできない。でも、だからこそ、この品種の違った一面、それを表現する造り手の熱い思いを感じることができる。アルザスのビオの名手、ジェラール・シュレールもまさにそうした造り手に違いないだろう。

色はロゼを濃くした、アセロラのような薄めのルビー色。香りはビオらしい重めの香りがまず感じられ、そのバックにクレヨン、アセロラ、しば漬けの香りがある。

口に含むと細い鋭角的な酸が舌先から力強く、速攻で広がっていく。果実味は若く未熟のストロベリー、しかし後半は意外なほど落ち着いた甘みを感じる。そのギャップにいささか驚く。いずれの要素も直線的で、お互いに調和しようという趣きは感じない。これをおいしい、素敵と感じる向きはあまりないかもしれない。

余韻も鋭い酸が口の中を刺激する感覚が残る。そこに紫蘇のような味わい、ほどよい甘さという要素が感じられ、それぞれのはっきりした主張に戸惑いを覚えつつ、予想外に長く続く後味にこれも意表を突かれる。

かなり鋭さを持ったワインで、これが旨いと思う人はそう多くないだろう。ワインとして完成されたものではないのかもしれないが、でもこれほど産地、造り手の意図を感じさせるワインもないに違いない。この淡い色に注がれた味わいの要素の濃さ、そこにこそこのワインの存在価値があると思う。

【ワインショップ リヴ・ゴーシュ 3,500円?】

2010年2月17日 (水)

ドメーヌ・ヴァインバック シルヴァネール・レゼルヴ クロ・デ・キャプサン2006 ACアルザス

100207weinback 今回のヴィーニ・ジャポン京都でも生産者が集ったが、やはり知名度ではシチリアの「暴れん坊(?)」フランク・コーネリッセンに注目が集まっていた。見た目は優しそうで驚いたけど。

でも自分が一番合いたかったのは、このアルザスの生産者だった。残念ながら京都には来なかったので、興味も半減したのが事実。今やアルザス最高の造り手に数えられるまでになったこのワイナリーは、夫君を亡くされたコレット夫人と娘のカトリーヌ、ローランスによって守られている。

このワインはクロ・デ・キャプサンという一区画の畑で生産されたシルヴァネール種から造られたシルヴァネール。2005年から完全ビオ・ディナミに移行し、収穫量を抑えて遅摘みのブドウには一部貴腐も付くのだそうだ。シルヴァネールはおとなしいブドウ品種だが、だからこそ生産者の力量が最も出やすい品種だと思うが、さて?

色は落ち着いた印象の黄金色がかった黄色。香りは若干控えめだが白い花、アプリコット、黄桃、ビワの香り。

口に含むと滑らかなアタックを感じ、その中に直線的で浸透力のある酸、ミネラルがしっかりあり、舌の表面から中心にと勢いよく吸収されているのを感じる。ボディは大きくないが、木なりの果実のような程よい甘さを感じる。振幅は少ないけれども、度量のある落ち着きのある味わいだ。

余韻は最後まで残るミネラル感、そして細長く続いた酸の心地よさも残しつつ、細く緩やかにに引いていく。

シルヴァネールの良い意味でのおとなしさを残しつつ、そこに酸とミネラルの深みをうまく強調させた、チャーミングだけど深さも感じさせるワインだ。女性3人が求めるワインとはなんだったのか、これを飲むにつけぜひとも聞いてみたかった、と残念感が再び沸いてくるワインだった。

【Cave d'Orange 3,500円?】

2009年8月 6日 (木)

ドメーヌ・ロウ ヴェリテ・ドゥ・シルヴァネール バリック2003 AOCアルザス

090801sylvanerシルヴァネール、控え目なブドウ。決して力強く主張の強いワインにはならない。本領を発揮するドイツ、フランケンのワインにしても、それは外に発散するようなパワフルさではなく、むしろ内側に引き入れられる吸引力にその魅力があるように思う。

そんなシルヴァネールに樽のニュアンスを加えることはあまり得策ではないように思えるのだが、生産者の中にはそうした手法を試しているところもあるようだ。しかもラベルに堂々と表現しているのだから、よほど自信があるんだろう。「シルヴァネールの真実」とは...ドメーヌ・ロウは18世紀からアルザスでワインを手掛けている造り手のようだが、さて?

色はやや曇った落ち着きのあるイエロー。しっとりした粘性を感じさせる。香りは甘く、缶詰の桃、シロップ、花梨、ビワ、チューインガムの香り。

口に含むと柔らかく丸みのある味わいを感じ、穏やかな酸、ほろ苦さ、程よい桃のような甘さがうまくバランスしている。通常のシルヴァネールよりも厚み、酒質の充実さを感じる。樽の要素はあまり強くは感じないが、ベースにある程よい苦味にそのニュアンスがあるだろうか。中盤は柔らかな甘さが広がってくる。

余韻は最後まで程よい甘さが繋がり、そしてその甘さがゆっくりと収束していく。

起伏のある味わいではないが、全体の味わいはうまく調和している。強い酒質ではないので、あまり冷やすことなく常温に近いくらいの方が楽しめるんじゃないだろうか。シルヴァネールのまた違った一面を体験できる面白いワインといえそうだ。

【Wine&Deli VinThique 3,400円】

2009年7月13日 (月)

ジェラール・シュレール ヴァン・ド・ターブル PG・デ・ターブル2006(ピノ・グリ)

090713 夏は生野菜がうまい。これをストレートに食べるようなメニューと、それに合うワインがあれば最高だ。

この日は自分が大好きなアボカドをメインにしたサラダを作ってみた。アボカドとクレソン、そして生で食べられる彩り豊かなパプリカのサラダ。ドレッシングはバジルペーストにアンチョビペースト、そして若干オリーブオイルを加えて塩味を整えた。そして仕上げはシチリア産のレモン果汁と、パルミジャーノ・レッジャーノを削ったものと短冊状に切ったものを添えて出来上がり。

ワインはまたしてもアルザス・ピノ・グリ。しかし造り手はアルザスのビオで今や第一人者の評価が高いジェラール・シュレール。そして何故かこのワインはヴァン・ド・ターブルのカテゴリーで出されている不思議なワインだ。

色は日で焼けたようなニュアンスのある藁半紙にも似た枯れた黄金色。香りはシェリーにも似た酸化熟成の香りが顕著。そしてシナモン、銅、焼きたてバタール、アップルパイ、少し焦がした香りが濃厚だ。この若いヴィンテージでこれだけ熟成香が出てくるのは、おそらく樽を使っているからだろう。VDTにカテゴライズされるのもうなずける。一般的なアルザスワインの印象にはない要素だ。

口に含むとまさにシェリーのような酸化熟成の香りが大きく広がってくる。そして香にあった焦がしたアップルの味わいが豊かな甘みを舌の上に堂々と展開してくる。第一印象に感じる甘さはボリューム感を感じさせるが、そのバックにしっかり一本通った酸があるので引き締まった味わいになっている、中盤も熟成香、焦げたニュアンスを持った苦味、煮詰めたジャム、アップルパイといった要素が絡みながら複雑な味わいを形作る。

余韻もふくよかな香りと酸で引き締められた程よい甘さの頻度を保った旨みがバランスを保って、薫り高い味わいを保ちながらゆっくりとフェードアウトしていく。

同じピノ・グリでもこれだけ違うんだから、ブラインドで品種なんか当てられるのはレアケース。それにしてもこんなワインをこの価格で出してしまうんだから、ジェラール・シュレール、まさに良心的な造り手だ。

【創酒タカムラ 2,500円?】

2009年7月12日 (日)

ドメーヌ・メルシオル アルザス・ピノ・グリ2006 AOCアルザス

090711 最近は白ワインばかり飲んでいる。余ったワインの保存はヴァキュバンという瓶の中の空気を抜いておける栓を使って、白は冷蔵庫、赤は台所の下といったところに置いているのだが、この時期は赤ワインは常温だと温まり過ぎるし、冷蔵庫だと冷えすぎてしまう。そうなると、扱いが楽な白ワインの方にどうしてもシフトしてしまう。ま、夏に赤ワインって感じでもないしね。

白ワインで好きな産地はまずアルザス。ワイン飲み始めの頃はここのワインにとても御世話になったものだ。品種別にワインを作っているので、ブドウの違いによる味、香りの違いを認識するのにとても役立った。

このワインはピノ・グリ種によるもの。その当時ピノグリの特徴はオイリーで粘性があり、香りは控え目だが飲んだ時のアルコールのボリュームがしっかりある、と教わった。この造り手の事は一切知らなかった。たまたま価格が安かったから買ってきただけなのだが、さて?

色は少し茶色がかったレモンイエロー。デイスクは中程度。それほど粘性を感じない。香りは控え目で、杏、パイナップル、桃の缶詰、キンモクセイの花の香りをわずかに感じる。

口に含むと酸はまろやか。そして熟したビワ系の甘味が口の中にほどよく広がる。強い甘みではなく、その中にしっかりした苦味が感じられる。よく締まった味わいになっている。ただしボリューム感は強くなく控え目。前半の印象の割には、中盤以降にふくよかさ、味わいが立ちあがってこない。

余韻も序盤の味わいをそのまま減衰させたかのような印象で、ふんわりとした木なりの果実の甘さが中程度の長さで消えていく。

ピノ・グリは「噛むワイン」とも言われるけど、そんな印象はあまり感じられない、とてもさらりとしたワインだった。でも合わせて食べたモッツアレラチーズとの相性はとても良く、甘味が深さを増してとてもおいしくいただけた。アルザスとモッツァレラ、結構合いますのでお試しを。。。

【創酒タカムラ 1,500円?】

2009年5月 8日 (金)

ジャン・ギングリンガー レザマンディエール ヴァン・ド・ターブル(アルザス)

090506_2アルザス、白ワイン中心のこの産地のブドウ品種はゲヴュルツ・トラミネール、ピノ・グリ、リースリング、シルヴァネール、ミュスカ、ピノ・ブラン、少し譲ってシャスラー、これ以外はないと思っていた。しかしやはりどこにでも例外はあるものだ。

このワインはノン・ヴィンテージでしかもカテゴリーがヴァン・ド・ターブル。ということは、アルザスにおける原産地統制呼称法、AOCの規定に合わないワインということだ。で、何が合わないのかと思ったらやはりブドウ品種が違っていた。実はシャルドネによるワインだという。

アルザスでシャルドネを作ること自体に奇異感はない。やはり同じようなフランス北部シャンパーニュの主要品種としてシャルドネは栽培されている。しかし、アルザスのようなところでわざわざシャルドネでワインを作ろうという生産者は何を目指しているんだろうか。

ジャン・フランソワ・ギングリンガーはアルザスのビオ生産者、ジェラール・シュレールのブルーノ氏の従兄弟にあたる。ギングリンガー家の歴史は古く17世紀からワイン作りに携わり、フランソワ氏が家業を継いだ1998年からビオに移行した。彼のワインはビオディナミ農法によるものとして正式に認証団体デメテルの認証を受けている。

色合いは輝きのある黄金色。ディスクは薄め。黄色が強く、色調からは濃縮感を感じるが、粘性は高くない。香りは青リンゴ、青ネギ、芝草、銅貨といった青さ、金属的な香りを強く感じる。

アタックは鋭角的なリンゴ酸が舌先から中心を一直線に駆け上がるような感覚。青い酸からくる収斂感による苦味が舌の奥に広がる。序盤の鋭い酸が収まった後は、薄く広がるミネラル感、ハーブの香り。全体の酒質は酸以外は控えめな印象でまとまっている。

最後は舌の横側に少し痛さもある酸の感覚を残しつつ、ほのかなミネラルの味わいを感じさせる。余韻の長さとしては中程度。酸っぱめのレモン水を飲んだ後の感覚に似ている。

鮮烈な酸が印象のワイン。感じとしてはピュズラの作るシュナン・ブランに似ていたが、シュナン・ブランにある粘性、アプリコットのような熟した要素を感じさせないのが区別される点だろうか。シャルドネは土地や作り方など外部の影響を受けやすい品種ということが言われているが、このワインを飲むと確かにそうした事を理解できる。これがシャルドネ、とはおそらく思わないだろうなぁ。面白い事は面白いけど、舌の横側が痛い。。。

【カーヴ・デ・パピーユ(Wineshop FUJIMARU) 2,800円?】

2009年4月29日 (水)

ドメーヌ・ミットナハト・フレール ゲヴュルツ・トラミネール2007 AOCアルザス

090418 数ある白ワインの中でも最も特徴が際立つといっても過言ではなさそうなゲヴュルツ・トラミネール。ワインを飲み始めの頃にこのブドウに出会った時はかなりショッキングだったことを覚えている。このブドウの代名詞とも言えるライチの香り、ほろ苦さを伴ったトロピカルな甘さ、ワインといえばシャブリのような辛口しかないと思っていた頃にはこの味わいは革新的だった。

そして今でもこのブドウには魅了され続けている。甘い香り、そしてそれに釣り合うだけのボリューム感、飲んだ後に感じられる充足感がなんとも言えない。お子様と思われるかもしれないが、今もこのブドウには特別な思い入れがある。

そんなゲヴュルツの故郷は北イタリアのようだが、ホームグラウンドはやはりアルザス。そしてそんなアルザスは今生産者の多くがビオに取り組む土地となりつつある。

「真夜中」という神秘的な姓を持つドメーヌ・ミットナハト・フレール。完熟したブドウを使いつつも、味わいはドライなものを志向する造りだという。ワイナリーを運営するクリストフ氏の奥さんは渡仏した日本人女性だとか。さてそのワインとは?

色は透明感のあるくっきりした黄色。硬質で金属的な照りを感じる。グラスの内側に細かな泡が付いて、少しガスを含んでいるようだ。香りは特徴的なライチの他にジャスミンティー、ハチミツ、アップルパイ、百合の花といった、やはり甘さを予感させる華やかな香りが支配的だ。

口に含むとガス感は殆どなく、むしろゆったりした粘性とふくらみのある果実味、幅の広い酸味、そしてベースにある舌を引き締める感覚のあるほろ苦さがバランスよくやってくる。大柄ではないが、内に詰まった充実感と棘のないまとまりの良さを感じる。甘さを伴った果実味が収束すると、きっちりと現れてくるほろ苦い感覚。そして舌の表面に薄く広がってくるミネラル的な旨みの味わい。

余韻は中程度だが、少し力を緩めた程良い苦味の感覚と戻ってきた酸の余力が口の中を引き締め、このブドウにありがちな放埓な甘さの余韻とは一線を画す余韻を形作っていく。

ゲヴュルツの個性を生かしながら、全体を引き締めるきれいな味わいのワインと言えるだろうか。内向的なこの味わいを物足りないと感じる人もいるかもしれないが、静かな真夜中にグラスを傾けるのに厚化粧的ワインは必要ない。物思う夜に相応しく酔わせる甘さ、そしてそれをふと醒めさせる苦味を共に備えた深みのあるワインと感じた。

【大丸ワイン祭にて 3,528円】

2008年12月13日 (土)

マルク・テンペ アルザス・ピノノワール アルテンブール2004 AOCアルザス

081212_2  忘年会も少し一段落。飲むのは嫌いじゃないんだけど、それでも遅くまで二次会、三次会までってのはあまり好きじゃない。早く帰らせてもらえないかなぁと思うことも多々。

先々週、淡路町のラ・テールさんにアルザスの生産者、その人ありと知られたマルク・テンペ氏がやってくるとあって速攻で予約したにもかかわらず、会社の忘年会がその日しか都合がつかず、幹事の身としては避けるわけにもいかず、泣く泣く断念。。。仕方なくワインだけ購入して我慢することに。毎年この時期は予定を入れてもキャンセル、って事が多い。それにしても残念。

そんなマルク・テンペ、言わずと知れたアルザスのビオ生産者のトップ。ビオの手法自体自分はそんなに信用しているわけではないが、その過程で周囲環境、土壌の状態、ブドウへのいたわりといった心配り、配慮によって、そこで育ったブドウがすぐれたものになることには納得するものがある。彼もまた、そうした畑の土壌への配慮から機械での耕作は行わず、あくまでブドウの質を向上させることに意を用いている。

そんな彼のピノ・ノワール、白は今までも多数飲んできているが、果たして赤ではどうか。普通のアルザス・ピノ・ノワールは儚げな印象もあるのだが、彼の手にかかると?

色は若干明るめだが、落ち着きを保った湿り気のあるルビー色。香りはクランベリー、土、サクマドロップ、若干のスモークチップ、ビニル袋のような香りもある。

口に含んだときの酸はおとなしい。しかし、直後に少しづつアクセルを踏むかのように刺激は少ないが伸びのあるきれいな酸が走り出し、その中に含まれていた熟したイチゴの甘酸っぱい果実味が現われ、おさまりの良い範囲で膨らんでくる。グミキャンディをほおばったような感じで、口の粘膜を突き刺すのではなく、なでていくような柔らかいボリューム感覚。そしてそのボリュームにちょうど見合ったような強靭ではないが、軽やかなタッチで支えるだけの力はあるタンニンがベースを担う。

余韻は果実味が収まった後に主張を始める繊細なタンニンの渋みと、イチゴの食後感のようなさわやかさ、そしてきれいな旨みが節度を保ちつつ交錯し、ゆっくりと引いていく。

他のアルザス・ピノ・ノワールと比べると、味わいの主張はしっかりしていると思う。しかしあくまでアルザスらしい特徴は崩さずに、バランスを保って果実の旨みを濃くした感じ。ブルゴーニュよりもドイツのシュペート・ブルグンダーと骨格は似ているが、あれほど残糖分が強くないのでグラスを重ねても負担を感じない。

疲れている時に、酸とミネラルを補給したい、そんな気分のときには格好のワインになるんじゃないだろうか。内から徐々に染みてくる、そんなワイン。

【La Terre淡路町店 3,500円?】

2008年10月21日 (火)

マルク・テンペ アルザス・シルヴァネール ツェレンベルグ2005

081021 アルザスワイン、フランスにあって品種を全面に出す土地柄。アルザスという土地はかつて教科書に載っていた「最後の授業」に描かれたドイツとの領土争いの歴史もあるように、隣国ドイツの影響を抜きには語れない。

アルザスで栽培される品種の中で主要なもの、ゲヴュルツ・トラミネール、ピノ・ノワール、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、いずれもドイツにおいても栽培されている。そしてここに紹介するシルヴァネールはフランケン地帯で独特の瓶の形をしたワインの品種としても有名だ。

マルク・テンペはアルザスのビオ生産者。ブドウも丁寧に造り、そしてワイン造りにあっても手摘み、ゆっくりとしたプレス(圧搾)、そして負荷をかけない醸造、濾過も行わない。それでいて価格は未だにリーズナブルさを保っている。このワインは2001年のヴィンテージも飲んで、繊細な味わいだったと記憶しているが、2005年はどうか?

http://cesc22.blog.eonet.jp/default/2007/09/post-16ce.html(2001年)

香りはとても甘いパッションフルーツ、マンゴー、白い花、ハーブオイルのような香りが強く放たれる。色もすこしにごりを感じさせる黄色。

アタックは鮮烈なリンゴ果汁のような酸。その酸をすぐに追いかけてやってくる熱帯系フルーツの甘みが強靭。その甘みがようやく収まった頃に、シルヴァネールらしいベースの塩っぽさをかじるようになってくる。旨み成分がしっかりしており、甘みのボリュームも豊か。中盤は口の中に塩味、フルーティな甘さ、そして幅広な酸が絡み合いつつ、最後には甘みが勝ち残って軽いデザートワインのような味わいを展開していく。

シルヴァネールにはなかなかない甘さのボリュームには驚いた。最初このワインを「甘口」と売っていたとき、そんな馬鹿な、と思ったが確かにこれは甘口以外の何者でもない。こんなワインが平然と出来てしまう2005年、やはり温暖化の影響がやってきているのだろうか。そうだとしたらせっかくの地域性も失われていってしまうのか。そんな不安も感じさせるほどアルザスには規格外のボリュームあるシルヴァネールだった。

【大丸梅田店 2,500円?】

2008年8月10日 (日)

ジェラール・シュレール アルザス・ピノ・ブラン2006

080810 昨日の夕方は淀川花火大会。自宅は川沿いなので、ここに引っ越すときも「これは見放題では?」と期待していたのだが、角度がきつくて見るには見えるけどアパート越しのあまり迫力のない光景。で、今年はどうでもいいかと思いつつ、他の飲み会に参入。ミラノからやってきたイタリア人ペアとイタリア好きの女性方と一緒に居酒屋→カラオケへ。

しかしイタリア人をはじめヨーロッパ人は日本アニメに恐ろしいほど詳しい。なんで自分も知らない「バビルニ世」を知っているのか?今度来るフランス系カナダ人もアニメオタク一歩手前だし。

で、疲れた体に癒しの一本は、普段はアルザスでもあまり飲まないピノ・ブランを。ピノ・ブランってどうもゲヴュルツやピノ・グリ、リースリングなどから見るとどうも一歩低い位置に見られている。シルヴァネールも同じような位置にあるが、こちらはドイツ、フランケン地方で確固たる地位を築いているから、やはりピノ・ブランは寂しい状況だ。

しかしアルザスでビオの第一人者、ジェラール・シュレールが作ったらどうなるか?シュレールの作るアルザスワインは他とは一線を隠すほどの味わいの深み、幅広い旨みを感じる。そしてするっと体に染みてくる自然さ、ビオだからなのかどうかはわからないが、確かに体に対する負担感がないことは体感的に事実だ。さて、ピノ・ブランはどうか?

色も深い色調で、蜂蜜、ベッコウ飴を思わせるネットリ感がある黄色。香りはやはり蜂蜜、シロップ、ギンモクセイ、洋ナシ、杏を思わせる濃すぎず程よい甘さを思わせる。

口に含むと、最初はいたって穏やかで水を含んだときのよう。その後一呼吸遅れて少し苦味を伴ったリンゴジュースのような味わいがやってくる。ベースにある苦味が強くはないものの、しっかりと広がって味わいの輪郭を形作る。酸はやはり少ない。これはピノ・ブランの特徴とは言えない特徴、味わいは深いのに少しアンバランスを感じるのは、やはりこの酸の欠如だ。どことなく締まりに欠けるのだ。ボディもそれほど大きな膨らみはない。前半の果実味を引っ張りつつ、そこから自然に減衰していく感じで終盤へと下っていく。

劇的なワインではない。でも鮮烈な酸がキライな人にとっては、やさしく染みわたる穏やかなワインなので好感が持てると思う。いつもはトゲのあるクセっぽいワインが好き(というか、体が受け付けなくなっている?)な自分だけど、たまにはこういうのもいいかと思わせてくれるのだから。

あまり白を好まない人に飲んでもらうには一番いいんじゃないだろうか。夏よりもどちらかというと寒さが増してきた晩秋にぴったりくるワインといえるような気がする。あと2ヶ月、葦も黄色く色づいてきた淀川河畔で月夜に楽しむ、そんな雰囲気を持ったワインかも。

【Wineshop FUJIMARU 3,200円?】

2008年5月24日 (土)

ドメーヌ・アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムール ア・リゴテ2006 AOCブルゴーニュ・アリゴテ

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ブルゴーニュワイン高騰のせいか、シャルドネに大きく遅れをとっていた2番手、アリゴテのワインもよく目にするようになった。以前はカクテルのキールに使うくらいで、酸がきついボディの薄いワインと思っていたけど、最近はそんな先入観を覆すワインが多い。

このワインもラベルはよく見かけていたんだけど、やっぱ「アリゴテ」っていうことで二の足を踏んでいた。でもこのグラスを引っ張る可愛いイラストに惹かれて試すことに。

シャブリを本拠とするド・ムール夫妻によるドメーヌ、畑はビオ・ロジックで手作業による収穫とブドウに対する情熱は並々ならぬものがある。本人曰く、「友達がいない」ほど他とは違うワインばかり作ろうとしているからだそうだ。

色合いは照りがあってほんのり緑を感じさせる黄金色。香りはオレンジの皮、カスタード、チューインガム、リンゴジュースの香り。

アタックは滑らかで丸みのある酸。かすかに舌先をくすぐるガス感もある。アリゴテとは思えないまろやかさで、攻撃的なところが少しもない。酸が収まると、ライムのような柑橘類の味わいが広がり、そのベースには塩っぽさ、ミネラルが十分にある。

余韻はこの塩っぽさ、旨み感が幅広に感じられ、思いのほか長く口の中に残り続ける。

飲んで感じたのは、まさに「これがアリゴテ?」って感じ。アリゴテの刺激が殆ど感じられず、旨みは平凡なシャルドネなんか太刀打ちできない豊かさ。まさに目からウロコのワインだった。アリゴテという品種にはまだまだ可能性が秘められているのかも。これはシャブリも飲んでみたくなった。ブルゴーニュの2番手アリゴテ、主役に向かって猛スパート?Great JOB!

【創酒タカムラ 2,500円?】

2008年3月 5日 (水)

アルザス エデルツヴィッカー ベルクハイム2004 ドメーヌ・シルヴィー・シュピールマン

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今朝は見事にアーセナルがミランを撃破してくれた。お見事の一言です。今日一日とてもいい気分。まだベスト8なので祝杯は早すぎる。こんな夜はじわじわとした喜びを共に出来るしたワインを。で、アルザスという選択に。

アルザスワインは本来品種単独名を名乗るが、このエデルツヴィッカーは複数の品種をアッサンブラージュしたもの。構成はわからないが、アルザスなんでシルヴァネール、ピノ ブラン、リースリング、ミュスカ、ゲヴュルツトラミネールによるものだろう。

シルヴィー・シュピールマンは女性生産者で、ビオディナミによる栽培を始めたのは「恋人がそうだったから。」ドメーヌのあるベルクハイム地区はカルシウム、ミネラル分が豊富な土壌で、骨太のしっかりしたワインが出来るという評価が高い。アルザスの雄、マルセル・ダイスもこの地に畑を所有しているほどだ。

色は思いのほか濃く、梨の皮のような枯れた感じのある黄色。香りはトロピカルでマンゴー、チューインガム、マスカット、ライチなど甘い果実の香りがふんだんにある。

アタックはなめらか、そして穏やかな甘さ、そしてほろ苦さ。ゲヴュルツのニュアンスに似ているが、それよりも穏やか。中盤のほろ苦さのインパクトが強い。この苦さがトロピカルな味わいをうまく引き締めている。後味に残るほっこりとした旨み、エキス。十分なほど良い余韻を感じさせてくれる。

こうした価格帯にもかかわらず予想以上に甘みが強いのは、貴腐の影響を受けているからだろう。収穫をギリギリまで見極めて完熟したブドウを作ろうとしている、そんな作り手のひたむきさが感じられるワインになっている。この価格でお得な1リットル、これは買いでしょ〜

【Wineshop FUJIMARU 2,280円】

2008年2月21日 (木)

アルザス ピノ・グリ2002 ジェラール・シュレール

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ブドウ品種の中には2面性を持つものがあるようだ。ある場所では重厚に、ある場所では軽やかに振舞うかのように。

そんな品種の代表格がピノ・グリ。イタリアではピノ・グリージョと呼ばれるこのブドウは不思議な品種だ。主にアルザスとイタリア北部で栽培されているが、普通なら重厚になるはずのイタリアでは軽いワインとして生産される。しかしアルザスではスルっと飲めるワインではない、「噛みくだす」ようなワインになるのだ。

ピノ・グリ、ピノ・ノワールの変異種として生まれたこのブドウは、そんな由来からも白ワイン品種に合っては力強いワインを生み出すポテンシャルを有している。

そして造り手はアルザスの名手、自然派の代表格ジェラール・シュレールだ。彼のゲヴュルツは以前飲んだことがあるが、滋味があり伸びやかな酸が印象的だった。
http://blog.kansai.com/cesc22/266

香りはアプリコット、蜂蜜、ライチ、白桃の缶詰のような甘い香り。色合いはねっとりした質感のある黄色。

口に含むと伸びやかな酸をまず感じ、その後で缶詰シロップのような甘さとベースにあるしっかりしたほろ苦さを感じる。甘さはシロップのようなしつこいものではない。凝縮した旨みを含んだ、程よい甘さだ。

余韻もほのかな苦味を感じさせながら、トロピカルフルーツの甘さと香りを残しつつ、時間と共にゆっくりと引いていく。

酸と蜂蜜のような甘さ、そしてほろ苦さ、味わいの要素のそれぞれがはっきりした主張を持っているが、複雑に絡み合って調和している。そして力強いワインとなっている。そのなかでもやはりこのワインのキモは伸びのある酸だ。濃い目の味わいもこの酸が持ち上げてくれるからこそ、おいしくいただけるというものなのだろう。

【Wineshop FUJIMARU 3,000円?】

2007年10月23日 (火)

アルザス シルヴァネール”Z”2004 ポール・キュブラー

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今日はモノホンのワイン。先月の健康診断の結果が出て、尿酸値以外は目だって悪いところがなかった。去年劇的に悪化して3桁に突入したγ−GTPもいきなり30に激減、なんなんだ?飲んだ分は運動もして両立をはかるのがポリシーです。

で、今日は好きなシルヴァネールをアルザス産で。作り手のポール・キュブラーは初めて出会う作り手だが、輸入元HPによると17世紀から続く伝統ある作り手。9haという畑は大きくないが、そこでアルザスの代表的なブドウ、リースリング、ゲヴュルツ・トラミネール、ピノ・グリ、そしてシルヴァネールを作っている。化学肥料は極力押さえたリュット・レゾネを実践している。化学肥料を毛嫌いした極端なビオ農法よりコチラのほうが信頼が置けると個人的にはおもってるんだけど。

この”Z”だが、同じ特級畑(グランクリュ)で作られても先に挙げたブドウの中でシルヴァネールだけがフツーのアルザスワインよりもワンランク上の「アルザス・グラン・クリュ」を名乗れないという法律上の不合理の中で、あえて特級畑で作ったシルヴァネールのワインだ。

色合いはほんのりと緑の色調をたたえた麦わら色。香りは穏やかながら甘いピーチ、石鹸、チューインガム、バター、ヨードの香り。

味わいは最初するっと入ってくるけど、その後でインパクトのある苦味がやってくる。そしてそれにつりあうしっかりした塩味。海水を飲んだ後の口に広がる味に似ている。支える酸も鋭くは無いが、しっかりと感じることが出来るボリュームを持っている。

個性の少ないシルヴァネールの個性はこの「ほろにが」感覚にあると思うけど、このワインはその「ほろにが」をうまく際立たせて、しかも全体の味わいのボリュームは抑えている点。良いところだけを引き立たせて、上品さを失わないところが見事だ。

余韻も強くはないが、ほろ苦い味わいを伴いつつ心地よいアルコール感を持続させて細く長く引いていく。

個性を引き出すために全体のボリューム感を上げてしまっては味わいのバランスが崩してしまう。良いところだけを引き出すことが作り手の腕の見せ所なんだろうけど、それを実現するのは並大抵の努力じゃないはず。それを見事にやりとげるポール・キュブラーという生産者、見事としかいいようがない。脱帽。

【WINE SHOP La-Terre 3,940円】

2007年9月26日 (水)

アルザス ミュスカ・レゼルブ2005 トリンバック

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香ってみて、だいたい品種の想像がつくワイン、まずはライチの香りのゲヴュルツ・トラミネール、刈り取った草のような香りのするソーヴィニヨン・ブラン、そしてここに取り上げるミュスカ。あのマスカットの香りそのままに、甘く人懐っこい香りは結構酒の場では好き嫌いがあるようだが、僕は好きです。

イタリアでは甘さを残してアスティ・スプマンテとして楽しむ。甘い香り、ジュースのような甘さは普通であればしつこさを感じさせてしまうが、発泡性にしてそれを和らげる。

フランスではアルザス地方、そして南フランスで辛口のワインに仕上げられる。作り手のトリンバックはアルザス地方で有数の大規模生産者兼酒商。シンプルなワインを造ることで定評があるが、このクセあるミュスカはどんな味わいと成るか。

香りは思ったほどマスカット香が発散しない。ライム、オレンジの皮、ミントの香りでどちらかというと青さを感じる。色合いは薄めで若干緑の色合いを帯びたレモン果汁のような薄い黄色だ。

アタックは金属的で、舌先に冷たいスプーンを押し当てたような感覚。酸は直線的だが、鋭いというほどではない。その後でほろ苦い味わいと、殆ど残糖を感じさせないアルコール感がやってくる。凝縮さは感じず、アタックから中盤の味わいが平板な感じだ。

余韻もドライだが、旨みに欠ける。酸が引いた後、舌の横っ面を引き絞るような収斂感が残る。この後味の酸味があまり心地よくないので、何杯もいただくには躊躇する。

ミュスカ、レベルのレゼルブという表示からもう少しブドウらしい果実の凝縮した味わいを感じさせてくれるかと思ったが、実はかなり硬質な酸のきいた味わいだった。アルザスワインなんで、こういう造りが正なのかもしれないが、ミュスカらしさは少ないのはちょっと残念。

【阪神百貨店 2,700円】

2007年9月 8日 (土)

アルザス シルヴァネール ツェレンベルグ2001 マルク・テンペ

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まだまだ残暑がきびしい。朝は涼しくなったが、夜は疲れていることもあって、結構こたえる。そこで晩酌は1杯はビール、2杯目以降白ワインということになる。

白ワインもあんまりボリューム感のあるのはいらない。じんわりとした味わいと、体が欲しがる塩分、酸がしっかり感じられるフレッシュなものがいい。

そんな中でシルヴァネールはあまり特徴のある品種とはいえない。中庸さ、おとなしい酸とほのかな塩っぽさが特徴と言えば特徴といえるのかもしれない。

そんな目立たないまじめな品種をマルク・テンペが扱うとどうなるか。

マルク・テンペはアルザスで最も知られたビオ・ディナミ生産者と言っていい。化学肥料や農薬を使わず、無理な収量制限も行わない。

「そんなことすればブドウがショックを受けて、そこから立ち直るのに無駄なエネルギーを使うことになるだろ?」

う〜ん、そういう言い方もできるか。

考え方はさておき、色はしっかりした麦わら色。濃い目の印象だ。リンゴジュースのような色合い。香りは穏やかながら金属系、湿った土、オレンジの皮の香り。

アタックは予想外にシャープな酸。下の先端を突き刺してくるような感覚でその後に放射状に味わいが広がっていく。残糖は少なく、その分塩っぽさとほろ苦さが口の中にほんわりと広がる。

ボリューム感は大きくないので、旨みの余韻自体は短いのだが、この苦味が薄皮一枚の感覚で口の中に残ってなかなか消えていかない。こういう後味感はあまりなかった。

中庸な印象の強いシルヴァネールだが、こんなにキリッとしたシャープなものはなかなかない。酸と後味のバランスがよいので、体に自然と入っていき、それが負担感にならない。

通常のアルザス・シルヴァネールとは少し印象は異なるが、夏に飲む白ワインとしてはよくできている。あまり深く考えずにシャープに楽しめるワインだと思う。これもGOOD JOBかな?

【阪急百貨店 2,100円】

2007年8月10日 (金)

アルザス リースリング2005 ドメーヌ・ストフラー

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巨人、勝ちました。6−1から中日に4点取られてかなり焦ったが、最終回上原で逃げ切った。これで内海は10勝到達。エース決戦で川上憲伸に打ち勝ったのは大きいなぁ。

そんな勝利のオトモはアルザス・リースリング。それも1,600円とかなりお安いリースリングだ。

作り手のストフラー、ビオロジック農法による有機栽培でブドウを生産しているが、規模は小規模で12haの畑を所有する家族的経営のドメーヌだ。日本での知名度は大きくないが、フランスの「アシェット・ドゥ・ヴァン」のガイドでは二つ星の評価。注目されている作り手だ。

色は若草色を帯びている薄い黄色で、クリーンですがすがしい色調だ。香りは強くない。かすかにヨーグルト、青リンゴ、ミツバの香り。

アタックはキリットした酸がまずやってきて、その後苦味を伴いつつ、塩味もあるボリューム感が口に中に広がる。後味は塩味を残しつつ、じんわりと引いていく余韻が心地よい。

強いインパクトあるワインではないが、清涼感ある酸、苦味と塩味、ミメラル感のある中盤の味わい、そして滋味ある余韻と味わいのストラクチャーがしっかり感じられるのは感心する。

これだけ手をかけてこの価格、本当に良心的なドメーヌなんだろう。グラン・クリュもお手ごろ価格なら一度試してみたいものだ。夏の夜の晩酌にはピッタリのお値打ちワインです。

【創酒タカムラ 1,600円?】

2007年6月 2日 (土)

ブルレンベルク2001 マルセル・ダイス

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今日は六甲アイランドから神戸へと散策に。帰りに三ノ宮に寄ったので、久々にワインショップのベリエに。

営業時間が3時から7時に変わったようだ。えらい短くなったなぁ。大阪店も閉めたし、業務店対応にシフトしたんだろうか?そういえば最近あんまり案内も送ってきてくれないし。

無料の試飲も5種ほどしていたが、有料ののティスティングも。見るとマルセル・ダイス。お、しかも赤じゃないか、これは珍しい、千円だけどいっとかなあかんでしょ?

マルセル・ダイスはそれまで「品種」中心で語られていたアルザスを、一気に「テロワール」中心へと変えた革命児として知られている。今でこそ彼のワインは、その凝縮度からアルザスの銘酒として語られているが、今でも彼への批判、人為的なワインとの批判が止んではいないという。

そんな事は飲むほうにとっては関係ない。申し訳ないが、おいしければ何でもいいんだから。そしてこのワインはまさにそうしたおいしさにあふれている。

香りは深いベリーの香りが華やかに広がる。スパイシーさもある。色も深みがあり、予想外に濃い。これがアルザスのピノなのか?予想を裏切ることばかり。

そして飲んだとき、まさに思い込みは覆される。シャープな酸の後にやってくる厚みのあるタンニン。凝縮度は他のアルザス・ピノとは隔絶している。ボリューム感あるボディは口の中に濃い果実のうまさを満たしてくれる。しかしまだまだ硬い。この硬さが北の気候を感じさせてくれる。ブルゴーニュとの違いはわずかにそこにある。しかし知っているから言えるのであって、たぶんブラインドならばブルゴーニュ、ポマールと答えるくらいのポテンシャルだ。

さすがに1本買うには勇気のいるアルザス・ピノ・ノワール。決して安くないから、同価格帯ならブルゴーニュを買ったほうが確実なのは絶対だが、こうしてグラスで飲むとその秘めた実力に驚かされることがしばしばだ。グラスで出てたら、ダメモトで飲んでみるにしくはない。当たれば本当にビックリする出会いが待っている。

【ワインショップ ベリエ(神戸) グラス1,000円】

2007年5月27日 (日)

アルザス ピノ・ノワール2004 ゲシックト

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アルザスワインは品種を前面に出しているので、わかりやすい。僕がワインの楽しさを知ったのも、実はアルザスがきっかけだった。

ゲヴュルツ・トラミネールという白ワインに出会い、ワインなんだけどライチの香りと何ともいえない苦味を併せ持った、特徴あるワインに魅かれたのが始まりだったと思う。そしてそこからまず品種にこだわって、そこからブルゴーニュでピノ・ノワールにこだわって、そこからボルドー、そしてシラー、今は節操無しの何でもこいへと進化(?)したように思う。

だからアルザスワインには思い入れが強い。特に淡い色とか弱ささえも感じさせるピノ・ノワールには官能的な魅力も感じてしまう。

最近アルザスが再び注目を集めるのは、この地の意欲的な生産者がビオディナミとオーガニック農法に取り組んでいるからだ。占星術的な思想を含むビオディナミについては懐疑的な所もあるが、自然の力を最大限引き出そうとする方向性は納得できる。

このフレデリック・ゲシックトはそうしたビオの実践者ではあるが、名はまだまだ通っていない。しかしそうした生産者もがビオに取り組むほど、今のアルザスの生産者達が自分達のブドウの質の向上に取り組んでいるという表れなのだろう。

このピノ・ノワール、香りはシソ、樟脳、イチゴの香りがあるが、それほど強くはない。アタックは酸が活き活きとしており、強力ではないが渋さと酸のバランスが良く、心地よいのみ口だ。酸のほうが若干勝ち気味で、タンニンを持ち上げるような膨らみはないが、果実の旨み、穏やかな甘さが口の中を薄い膜のように包み込んでいく。余韻は渋さと果実由来の甘さとのバランスを欠いた感はあるが、イチゴのさわやかな甘さがふんわりと続く感覚は悪くはない。

複雑さには欠けるが、ピノ・ノワールの持つ酸のさわやかさ、繊細なタンニン、果実実といった特徴は十分備えているし、価格以上のボリューム感がある。まだまだ著名とはいえないが、もう少し年限を経れば、おそらくはアルザスの銘酒としての評価を得る、そんな予感がするワインだと思った。

【大丸梅田店 2,730円】

2007年5月13日 (日)

アルザス ピノ・ノワール2005 オードリー・エ・クリスチャン・ビネール

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週末の北海道旅行からようやく帰ってまいりました。周りの勢いもあってビールばかり飲んでいたんで多少疲れ気味。久々のゆったりした時間のお供には、やさしいワインがいい。ということで思いついたのはアルザスのピノ・ノワール。

フランスで最も北のピノ・ノワール産地ということで、冷涼な気候から予想されるのは、淡い色調と繊細な飲み口だが、最近は全てがそうとはいえない。

この生産者は家族経営の小さなワイナリーながら、1770年とフランス革命以前の古い歴史を誇る。しかしながら生産には非常に手間ひまをかけており、ビオ・ロジック手法での栽培、マセラシオンに時間をかけて果皮の旨みを抽出し、もちろん果実の力に自信を持っているから補糖は一切なしである。

しかし色はやはり薄さは否めない。非常に明るいルビー色でロゼと赤ワインの中間的な感覚だ。香りはピュアでイチゴ、フランボワーズ、赤シソといった酸を感じさせる若い香りで、複雑さはあまり感じない。果実を絞ったそのままの若々しい香りだ。

口に含むと、若干舌先をチリチリとくすぐる感じがある。之は還元の兆候だろうか。タンニンは強くはないが、それでも収斂性を主張するだけのボリュームはある。やはり予想通りの繊細さだ。弱いワインではないが、その旨みを感じ取るには問いかけが必要だ。つまり何かを感じ取ろうとする飲み手の努力が必要だ。劇的なボリュームはないが、心地よい滋味とよぶべきやさしい味わいがふんわりと、ふっくらと口の中に漂ってくる。

余韻はふくらみにこそ欠けるものの、滑らかで淡い果実のさわやかさ、清涼さが長く続く。気候を反映したこの北のピノ・ノワールを飲む意味は繊細さの中にうまさを見出す楽しさであり、それはある意味日本美術の侘びさび的な芸術観に通じるところがあるのではないかと思う。癒しのワインとはあまりにも浅薄な表現かもしれないが、たしかにそのフレーズがピッタリくるワインではないだろうか。ただ、やっぱりか弱い印象はぬぐえないかな?

【グラシアス大阪空港店 3,600円】

2007年5月 1日 (火)

ゲヴュルツトラミネール2003 キュヴェ・パティキュリエ ジェラール・シューレ

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飲んだらわかる、嗅いだらわかるの代表格はアルザスのゲヴュルツ・トラミネール。思えば最初に白ワインがおいしいと感じたのもこの品種だったような気がする。特徴といってもいいライチの香り、そして口に含んだときの甘みと苦味のバランスがいい。酸が苦手な人にも薦められるワインだ。ただ若干香りが強いので、全ての料理に合わせられるわけではない。生春巻きなどエスニックな料理、香辛料やハーブをきかせた料理にはいいと思う。

このジェラール・シューレは最近よく名前を聞くようになった生産者だ。ここでもビオ・ディナミ製法を取り入れているが、アルザスのように冷涼ではブドウの病気によって壊滅的な打撃を受けかねない。そこで彼は最後の手段として殺虫剤を使うことを残すためにビオ・ディナミの申請を行っていない。

ワインの色合いはつややかな黄金色。それほど粘着性は感じない。香りはやはりライチ、ヨーグルト、ハチミツ、マスカット、香木の甘い香りがする。

アタックは控えめな酸でするっと口の中に入るが、その後甘みとともに香りが口の中でふくらみ、苦味が舌を側面から絞るような収斂感がある。一気に飲み下しづらい、噛みこむようなワインだ。

余韻もこの苦味とともにパッションフルーツを食べたときの甘い味覚が柔らかく残る。

香り、味はそれぞれパワフルだが、それがうまく調和している。どちらかが一方的に主張しているわけでもなく、強い熱帯系の味わいも全くしつこさは感じさせない。抑制を効かせてパワーと上品さを調和させた見事なゲヴュルツだと思う。久々にうまいゲヴュルツに会えました。これは感激。

【創酒タカムラ 2,500円?】

2007年1月 6日 (土)

ツェルベルク・レルミタージュ アルザス・シルヴァネール ジュリアン・メイエ

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アルザスワインはフランス北部ということもあり、引き締まった印象がある。シルヴァネールはメジャーな品種ではなく、かつ華やかな特徴にも欠けるが、だからこそ傑出した作り手のものは驚くべき滋味がある。

このワインもシルヴァネールとは思えない面白さがある。通常は酸味が少ないブドウだが、このワインは酸のシャープさと、若干ヒネたような酸化熟成した旨味も備えている。

たとえて言うと山廃純米のような感じかな...

シルヴァネールは良くも悪くも中庸というイメージがあると思うが、こういうワインに会うと作り方、土地の影響ってすごいと改めて考えさせられる。

でもあんまりうまく作りすぎてるんで、期待していた「野暮ったさ」はなかったなぁ。あんまり洗練しすぎてる郷土料理って若干魅力に欠けるところがあるように。