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カテゴリ「ワイン フランス ロワール」の35件の記事 Feed

2014年10月26日 (日)

ジョナタン・ディディエ・パビオ プイィ・フュメ2012 AOCプイィ・フュメ

141026pouillyfume20122012年のロワールはヴィンテージ的にはあまり評価が高くないようだ。収穫期に当たる10月に大雨が降った事が理由だが、それも地域差、当然の如く生産者によっては困難を乗り越えて、美味しいワインを造ることができる。それがワインの面白いところだと思う。

困難な2012年にあって、ソーヴィニヨン・ブランの生産地、サンセールとプイィ・フュメは生産量こそ少なくなったものの、品質はその分集中度を増したようだ。今回試すのはプイィ・フュメ、造り手のジョナタン・ディディエ・パビは初顔合わせだが、古い家系ながらドメーヌ設立は約40年前、ジョナタン氏が継承したのは約10年前というから、まだ若いドメーヌと言っても差し支えあるまい。ビオロジックを実践し、生来的にはビオディナミも視野に入れているようだ。

色はグリーンがかった若めの麦わら色。ディスクは中程度。香りはライム、レモングラス、パッションフルーツの青さを感じさせる香りに加えて、バックにややスモーキーさ、真鍮の削り粉のような金属的な香りも感じる。

口に含むと丸みを帯びた酸と、幅広ながらやや硬さを感じさせる青みの果実味が同時に迫ってくる。味わいはストレートで、苦みのアクセントを伴って複雑さも垣間見せるが、全体として余裕に欠ける感じはあり、窮屈さを覚える。もう少し悠々と迫ってくる部分が欲しいところか。しかしピュアな果実味は好感が持て、中盤から後半に感じられる抜けの良さは、冷涼かつ清々しいロワールの気候を想起させるに十分な表現力を持つ。

余韻は透徹する酸味の穏やかさ、清々しさが口の中にフレッシュな感覚を残しつつ、穏やかな浮揚感を見せながら柔らかなフィニッシュに至る。

ピュアでストレートな味わいは買うものの、やや硬さが前面に出ているところは、造り手、飲み手双方にとってもう少し時間が必要、といった感じであろうか。ディディエという名を持つ作り手としては覚えておいて損はない。

【近鉄百貨店阿倍野店(ヌーヴェル・セレクション) 3,200円?】

2014年10月 5日 (日)

クロ・ルジャール ソミュール・シャンピニィ レ・ポワイユ2007 AOCソミュール・シャンピニィ

141005closrougears2007亜硫酸の添加がワイン造りにおける悪徳のように語られる風潮は、あまり好ましくないと思っている。特に自然派にこだわって飲んでいるわけではないが、亜硫酸無添加と銘打っていても味として未熟なものが含まれている事はままあり、それを飲んだときに感じる理屈を口に押し込まれているような不快感は あまりにも耐え難いものがある。

健全なブドウ、丁寧な醸造、極力人為的な添加を排除したところには、自然と美味しいワインが成立する。カベルネ・フランにおいてはロワール最良、世界でも最高水準のワインを産むクロ・ルジャールはまさしくそうしたワインの先駆者に違いない。自分にとって、この人のワインを飲んでカベルネ・フランの世界は大きく変わった。

8代目当主のナディ・フーコー氏が目指すのは、ソミュール・シャンピニィでこそ発揮されるカベルネ・フランの表現。しかし、ナディ氏も既に62歳で、彼の子供はワイン造りには携わっていないという。彼の孤高の世界を引き継いでいける後継者が現れるのかは心配なところだ。

色はやや影のある落ち着いたレッドルビー。粘性は中程度でディスクは薄め。プルーン、スパイス、シナモンの香りに加え、フランらしいインク、青さを感じさせる香りも顔を出す。

口に含むと膨らみのある緻密な果実味と、穏やかだがしなやかで質感のある丸い酸が均等に溶け合い、ふくよかさを演出する。きめの細かなタンニンはシルキーで、緻密な果実味をうまく支えてバランスを保ち、ワインに骨格を与える。全体のボリュームは控えで、ややグリップに物足りなさが残るところもあるが、内に秘めたエネルギーは確かで、中盤から後半にかけての湧き出るような滋味の感覚に少し戸惑うほど。

余韻は細身ながらすっくと立ちあがった果実味が徐々にその裾野を広げていくような俯瞰を見せつつ、その味わいをぶれさせることなくフィニッシュに至る。

ジューシーさと熟成の調和によってもたらされるカベルネ・フランの美徳を余すところなく表現した、一つの芸術品と呼んでも差し支えあるまい。彼のワインを飲まずしてフランを語ることなかれ、と自信をもって言いたい。

【Wineshop FUJIMARU(野村ユニゾン) 6,000円?】

2014年9月 7日 (日)

クロード・ラフォン ルイィ ラ・レ AOCルイィ 

140907claudelafondごくたまに試飲会に呼んでもらって、数十種類を立て続けに呑む機会があるけれど、その中でお気に入りを見つけることもしばしば。その場合、味もさることながらレアな地域に魅かれる場合が多い。

ソーヴィニヨン・ブランの特徴はなんといっても若草、ハーブの清々しい香りで、このワインもフランス、ロワール産ソーヴィニヨン・ブランらしい特質を備えたものだったが、何よりもReuillyというAOCであることに興味を持った。店頭ではほとんど目にすることのない場所で、最初はブルゴーニュのRullyと見間違い、味わってみるとソーヴィニヨンだったので「え?」、と驚いたほどだ。

ルイィの歴史は古く7世紀にさかのぼり、フランク王国メロヴィング朝4代目の王、ダゴベルト1世がその地の畑をサン・ドニ修道院に寄進したことに発するという。しかし現在のAOCは約80haの狭い地域で、その他にヴァン・ド・ペイを生産している地域がある。白はソーヴィニヨン・ブラン、赤はピノ・ノワールだが、珍しいところではピノ・グリで造られるロゼの評価が高い。クロード・ラフォンはこの地域では有力な造り手で、組合の副委員長も務めたことがある。

色は薄めで、グリーンがかったレモンイエロー。香りはライム、パッションフルーツ、レモングラス、バックにややスモーキーサを感じる。粘性は中程度。

アタックはソーヴィニヨンブランらしい青さを持ちつつ、やや控えめのボリュームを保った酸が入ってくる。凝縮感は中程度ながら、整然としたフォルムは余計なものをそぎ落として清楚を保つ北欧の家具にも似ている。スケールは小ぶりだがその分手に取るようにわかるような心地よい味わいを演出し、中盤に至っても緩むことないバランス感を見せつつ、終盤は程よいミネラル感でグリップを効かせる。

終盤は柔らかい浮揚感を感じさせつつ、クリアで切れの良い細身の後味を残してゆるやかに引いていく。

品種の特性をきっちり備えつつ、無駄さのない味わいを構築しているところが気持ちいい。凝縮しすぎると嫌味に映るソーヴィニヨン・ブランというブドウを良く知った造り手の名演を観た心地だった。Good JOB!

【カーブ・ド・テール淡路町店(稲葉) 2,000円?】

2014年1月19日 (日)

レ・カイユ・ドゥ・パラディ(クロード・クルトワ) ラシーヌ・ブラン2010 ヴァン・ド・フランス(ロワール)

140119racinesclaudecourtoisラベル、エティケットはそのワインを現す重要な要素に違いない。それを見た瞬間に買おうか、買うまいかを判断することもある。

その意味でこのラベルはどうだろうか。フランスワインとしては異色と言えるだろう。大地に深く太く根を張る武骨な図柄は、フランスという国が一般に与える洗練された印象とは異なる。しかし、このワインの生まれた環境はまさしくこの絵そのものなのだろう。

クロード・クルトワが醸す白ワインの名前はラシーヌ(根)。植物の根幹をなす、栄養源を大地から吸い上げる部位が植わるのは、ドメーヌの名前に表された「楽園の石灰質土壌」。この地でクロード・クルトワは栽培だけでなく、醸造にも極力人工的な作為を加えないワイン造りを志向する。

1995年からブルゴーニュ出身のクロード・クルトワは、放棄されたロワールの畑を手入れし、本来のポテンシャルを取り戻した。そしてAOC制度に頼らない、自由なワイン造りを貫いている。そして、今はその息子たちも彼の思想を継ぎつつ、ワインを作り始めていて、ジュリアンは彼の三男。http://cesc22.blog.eonet.jp/default/2014/01/2011-2d08.html この白ワインはソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ロモランタン、ムニュ・ピノによるもの。

色は枯れた感じのある薄めのゴールドイエロー。香りは10円玉のような金属的香りをまず感じ、グレープフルーツの果実味が中央に座り、そしてローズマリー、バジルのハーブの香りをバックに感じる。

口に含むと、外郭はやや硬質だが密な酸をまず感じ、その酸と共にハーブの香りが口の中に広がりつつ刺激の少ない熟れた果実味が座り、穏やかな旨味が中盤の印象を形作る。甘みは節度を保ちクリアで、中盤から戻るフレッシュな酸が絡み、味わいを引き締める。

余韻は浮き上がる苦みのミネラル感を感じつつ、最後まで柔らかな果実味を保ちながら穏やかに引いていく。 

無理の少ない優しい味わいで、じっくりと向き合うには相応しいワイン。親子でつながるワインの味わいも感じられ、面白いティスティングのひと時となった。

【エーテルヴァイン岡崎店 4,000円?】

2014年1月18日 (土)

ジュリアン・クルトワ オリジネル2011 ヴァン・ド・フランス(ロワール)

140118juliencourtoisoriginel11土着王国イタリアには譲るのかもしれないが、フランスにも多くの土着品種があり、それを愚直に栽培しワインとして届ける生産者がある。特にロワールはそうした傾向の強い土地柄だと思う。

ジュリアン・クルトワはロワールでも著名な自然派ワインの生産者だが、その彼のワイン、オリジネルはロワールのブドウ品種、ムニュ・ピノから造られる。ムニュ・ピノはアルボワとも呼ばれ、ロワールの土着品種で、自然派による古来からの品種復興の流れで最近は良く目にするようになった。

色は粘質のある、やや薄めのゴールドイエロー。香りは開けた当初はビオ的な香りが鼻に残ったが、時間をやや置いた後にはオレンジ、蜂蜜、黄色の花が漂い、合成のりのような香りもバックに感じられる。

アタックは滑らかで、やがてグレープフルーツのような果実味が細めの純度の高い酸に導かれるように広がってくる。やや堅めの酸だが刺激は少なく、じわじわと染みるような浸透力を持ち、その酸に調和する果実味は程よい甘みが温かみを感じさせ、穏和な後半の印象へと続く。

終盤は優しい甘さが全体にほどけるように昇華し、あと一杯を欲するような渇きを残しつつ、切れ良く引いていく。

旨味はしっかりありつつも、後味の綺麗な飲み飽きのしないワイン。若干シュナン・ブラン二似ているが、それほど甘みに粘りがないところが品種の違いと言えるだろうか。なかなか個性的なワインだったな。

【エーテルヴァイン岡崎店 3,500円?】

2013年9月28日 (土)

エリック・ルイ サンセール2012 AOCサンセール

130928sancerreワインのエチケットは買う際の重要なファクターになる。しかし、どちらかと言えば武骨な売る気の感じられないエチケットの方が、美味しい確率が経験則として多い。エチケットには目もくれず、中身に集中する気概が感じられるからだ。

しかし、やはり綺麗なエチケットは見栄えもするし、多くのワインの中にあってもそれだけで主張する。このエチケットは月の砂漠に一本のブドウの木、なんとも幻想的だが、元々はフランス文学の名作、誰でも一度は触れたことのある「星の王子さま」からインスピレーションを得たものだそうだ。砂漠、夜空、バラのイメージをブドウに託したということだろうか。

エリック・ルイはリュット・レゾネ農法でソーヴィニヨン・ブラン100%のサンセールを醸す。自社畑は勿論、今では各地の農家と契約しネゴシアンも始めたそうだ。このワインは「星の王子さま」のようなピュアな味わいを目指しているという。

色は緑がかった透明感のある、緊張感を帯びたライムイエロー。香りはソーヴィニヨン・ブランの典型的なハーブをまず感じ、若めのパイナップル、パッションフルーツ、バックにスモーク香も感じる。

アタックはエッジが効いて、溌剌とした硬質な酸が伸びやかに広がる。中盤の果実味は程よい甘みを残しつつ凝縮度を感じるが、あまり肩肘を張らない明るさも備わっている味わいに好感が持て、とても明朗な展開。複雑さはないものの、ストレートに迫ってくる味わいと、後半のクリアな中にがっちりした苦みをベースにそれを覆うように広がる甘さの展開が心地よい。

余韻はパイナップルの甘みが残りながら、最後まで快活な酸が口を引き締めつつ、純な味わいを締めくくる。

ソーヴィニヨン・ブランの個性を前面に出して明快だが、ピュアかつ深みという矛盾するような味わいを感じさせるところは巧く出来ていると思う。サンセール飲むときは、こういうのが飲みたいんだよな。

【Cave de Terre淡路町店 3,000円?】

2011年12月31日 (土)

ヴェロニク・ギュンター・シェロー ペルル・フィネ・ドゥ・コワン メトード・トラディショネル・ブリュットNV

111231muscadet_2今年最後の泡は自分も初体験のロワール、ミュスカデで作られたスパークリング。酸味を和らげるためと思えば、ミュスカデの泡もあっておかしくはないんだろうけど、それほど重厚とはいえない味わいのミュスカデで作ると、ボディが弱くなって刺々しさが出てきてしまうように思うのだが、どうだろうか。

しかし作り手は1970年代からこの地で醸造を始めた家族経営のワイナリーで醸造責任者もヴェロニクさんという女性のようだ。女性の作るワインは酸がまろやかで、味わいもとても上品穏やかに仕上げるという共通項があるから、期待は持てそうだ。このワインも収穫を抑えた畑のブドウで、農薬の使用を極力控えるリュット・レゾネによるもの。

色は薄い色調のグリーンイエロー。泡は大きめで、グラスの底全体から勢いよく立ち上る。香りはライム、青野菜、ミネラル、昆布水のような香りも感じられる。

口に含むとまろやかな優しい酸味の中に勢いのある泡が溶け込んでいて、弾けるように舌先を刺激する。ほんのりとした甘みも感じられ、ボディは予想外にふくらみが感じられる。複雑さはないが、余計なものをそぎ落としたようなクリアな味わいに、底支えするほのかな苦みとミネラル感がアクセントを与える。

余韻もクリアで、冷涼な酸味の感覚が口の中を清涼感で満たし、フレッシュさを残しながらゆっくりと引いていく。

これは全く予想外にやられた、という感じ。ミュスカデでこれだけまろやかで充実感のある泡ができるとは。ブルゴーニュやボルドーで作られる泡にありがちな余韻のべたつき、という感覚は全くなく、クリアで引き締まった後味はシャンパーニュに通じるものがある。こういうものを手を抜かずきっちりと作り上げる生産者の努力に頭が下がります。脱帽。Good JOB!

【ワインスタイルズ 2,500円?】

2011年9月19日 (月)

ロゼ・デ・リセィ2005 モレル・ペール・エ・フィス AOCロゼ・デ・リセィ

110917roseフランスワインも大概飲んでる気がするけど、それでもまだまだだなーと思うのはこういうAOCがあるという事を知る時だ。

シャンパーニュ地方の南端、リセィ村は勿論シャンパーニュも産する地域だが、ここではピノ・ノワールからロゼだけを作ることが許させるAOCが存在する。それがロゼ・デ・リセィ。

リセィ村があるコート・デ・バール地区はシャンパーニュの最南端で、その南は既にブルゴーニュ、シャブリになる。シャブリに近い石灰質の土壌に、独特のキンメリジャンという貝の化石を含んだ粘土質土壌が表層を覆っており、ピノ・ノワール主体のシャンパーニュを産み出している。シャンパーニュの方が商品価値が高いだろうに、それにも関わらずロゼを作るという所に生産者の不思議なこだわりを感じるのだが、さて?

色は濃い目でルージュがかった落ち着いた色調のロゼ。香りはイチゴ、フランボワーズ、ザクロ、赤い花、少し粘土質な重めの香りも感じられる。

口に含むと穏やかな酸にしっかりとボリューム感のあるタンニンがどっしりと控える。タンニンの広がりとともに、凝縮感はあるが甘みは抑制の利いた果実味がゆっくりと、しかしじわじわと力強く広がってくる。中盤は心地よい旨みが幅広に広がり、濃さと繊細さを両立させた味わいを表現していく。

余韻は戻ってきたタンニンがベースになり、旨みのしっかり残るフレッシュな果実味がやさしく口の中を漂いつつ、ゆっくりと引いていく。

今まで飲んだロゼの中で、これほどタンニンと旨みがしっかり感じられたワインもない、と思うほど不思議な存在感のあるワインだった。フランスでもまだまだ知らないAOC、ワインがあるんだねぇ。まだまだです、はい。

【ラ・ヴィネ 4,500円】

2010年9月 6日 (月)

サンセール(ルージュ)2006 ドメーヌ・ルマン・プイヨ ACサンセール

100905sancerre9月だというのに、この暑さは何なんだ。。。いつになったらしっかりした赤ワインを楽しめる秋が来るのだろうか?まだまだその日が遠そうな気候だが、それならそれで手はある。赤ワインでも冷涼な雰囲気を漂わせる、そんなきれいなワインを楽しむ術がある。

その気分にぴったりと合いそうなワインがロワール。その中でも久々に赤ワインを取り上げてみた。赤ワインでもピノ・ノワールの産地、サンセール。

かつては薄っぺらいワインとして評価を下げていたサンセールの赤だが、最近は品質が目覚ましく向上、有力な造り手のワインは力強さこそ本場ブルゴーニュには一歩譲るかもしれないが、繊細さと滋味の長さに秀でたワインも多いと聞く。残念ながらレストランでは殆ど見ないだけに、こういうワインは自宅で楽しむしかないか。

ドメーヌ・ルマン・プイヨはビュエ・オン・サンセロワという村で女性一人でワインを作る小さなワイナリー。年間生産量はわずか15,000本。表面は石灰質の礫で覆われているが、中は粘土質の畑で造られるピノ・ノワールとは?

色は明るめの綺麗なルビー色。香りはアメリカン・チェリー、カシス、ザクロ、チューインガム、紫蘇の香り。まず赤い果実系の香りが漂い、バックに腐葉土、ドライフラワーのような枯れ葉の香りが後で感じられる。

口に含むと、舌触りの柔らかな酸。その中に厚みよりも密度で感じさせるしっかりしたタンニンが溶け込んでいる。果実味はまだ熟すには早い、熟れる手前の若々しいベリーの旨み。強くはないが、チャーミングな甘みの感覚が人懐っこく、繊細だが懐の深い味わいを演出する。

余韻は強靭とは言えないものの、程よいあっさりした旨みが舌の表面を覆い、柔らかな飲み心地を残しつつ、爽やかに引いていく。

ブルゴーニュのピノとは全く違うこの個性に向き合うには、落ち着いた雰囲気と時間が必要かもしれない。かつては単に弱い、薄いと形容され、かつ自分もそうした偏見で見ていた時代があったロワールのピノ、しかしようやくこうしたワインを過不足なく楽しめるようになってきたということは、自分も見る目を養ったのだろうか?単に歳とっただけという向きもあるけれど。。。

【恵比寿ワインマート ラ・ヴィネ 3,300円】

2009年10月20日 (火)

ドメーヌ・ル・ブリソー パタポン2006 AOCコトー・デュ・ロワール

090913patapon変なラベル。これがビオ・ワインの雄、クリスチャン・ショサールの似顔絵なんだそうだ。あまりにも純粋にワイン作りを進めたが故に、政府官庁とケンカして、一時は醸造家を止めてしまったショサール。彼がかつて教えていたワイン学校からはティエリ・ピュズラも育っている。

このパタポンはそのユニークさも手伝って、彼のワインで最も著名なものだろう。しかし品種はこの2006年はピノ・ドニス100%。この品種に関しては殆どデータがなく、どんなものかは全くわからない。さて味は?

色は粒子感のある明るいルビー色。グラスを傾けると脚が時間をおいてしっとりと垂れてくる。凝縮性もしっかりあるようだ。香りは鉄錆、バラのエッセンス、ドライフラワー、ピーマン、ビニルゴム、黒コショウ。野性的かつ獣のニュアンスを強く感じる。

口に含むと詰まった粗めのタンニンがまず感じられる。直後、熟した程よい小粒な甘さを伴った果実味がそれに乗っかるようにやってきて、一旦タンニンを覆い隠そうとするが、やはり力のあるタンニンが再び勢いを取り戻し、最後には口の中を腰の座った渋みが支配する。力はあるが、不思議と全体の味わいは滑らかなので、飲んでいても疲れはしない。ベースにある酸はまろやかで、伸びやかかつ力があり、これらの味わいをうまく繋いでいる。

余韻は柔らかさを帯びた黒系ブドウのジャムの甘みが口に広がり、飲んでいた時にはあれほど威力を感じたタンニンも溶けていくような優しさを示してゆっくりと収束していく。

馬力だけで攻めそうだけど、実は案外テクニシャン。そんな特性をうまくワインに表現していると思う。これだけ有名になれば価格に反映してもよさそうだけど、それはしないところがさすがだ。ビオワイン全てが好きという訳じゃないけど、ショサールの姿勢、ワインは確かに魅力にあふれているな。

【? 2,800円?】

2009年8月20日 (木)

フランソワ・シデーヌ レ・テュフォー AOCモンルイ・シュル・ロワール

090627_4 結構メジャー品種ではあるが、イマイチ知名度がないシュナン・ブラン。このブドウから造られるワインは花梨の甘い香りと、粘性を伴ったオイリーな酒質に特徴があると一般的に言われている。こうした、言葉を変えると少し厚ぼったいところが今の潮流からすると若干外れているんだろうか。

でも、やはりこの凝縮した味わいはとても魅力的だ。香りも華やかで、少し冷やし気味にすると甘さが立ち、そこから徐々に温まってきたときの変化を感じる楽しみ方もできる。これが夏流シュナン・ブランの楽しみ方だと自分では思っているのだが。

ロワール川中流のモンルイは、ヴーヴレとはロワール川を挟んで南に位置する。フランソワ・シデーヌはこの地でシュナン・ブランをビオディナミ農法で栽培、収穫量を厳しく制限したワインを造っている。このテュフォーという名前は石灰質の土壌から来ているそうだが、さてワインは?

色は照りのある輝きを帯びた黄色の強い黄金色。ディスクも厚く、グラスを傾けた後に降りてくる脚も太くじっくりと落ちてくる。豊かな粘性を感じさせる。香りはアプリコット、マーマレード、マンゴー、バックにビニルのような化学的香りも感じさせる。トロピカルな甘い香りが強く開いている。

口に含むとねっとりとした、パッションフルーツの強い甘さを持った味わいが入ってくる。その後でリンゴ的な酸が舌の上に薄く柔らかく広がってくる。ほろ苦さも舌の奥に感じられるが、それほど太さはない。前半の甘味が強い割に、中盤は繊細で柔らかな熟したリンゴのような甘さが感じられるが、そこに常に寄り添う品の良い酸味が口の中に清涼感を常に供給する。

余韻はボリューム感は大きくないものの、爽やかな酸味が最後まで息切れすることなく残り、熱帯系の甘さで緩くなった口の中を引き締めるかのように働いて、引き締まった味わいを作っていく。

最初口にした時はかなりの甘さのボリュームで、これは疲れるかな、と思ったが、清冽な酸がうまく発散しそうな味わいを引き締めて爽やかなワインに仕上げている。シュナンのボリュームも感じながら、ワイン全体の味わいもうまくまとめた生産者の力量がよくわかるワインだ。Good JOB!

【Cave de Terre 3,400円?】

2009年8月 1日 (土)

ドメーヌ・ユエ ヴーヴレィ ブリュット1999 AOCヴーヴレィ

090718 ここのところシュナン・ブランに改めて注目している。結構面白いブドウだが、知名度は今一つ。本来の力を発揮するのはフランス・ロワールだけど、南アフリカ、オーストラリアなどニューワールドでも栽培されている。そしてドライな白ワインから、肉厚なワン、甘口デザート、そして泡まで対応できるオールマイティなブドウだから、もっと人気が出てもいいと思うんだが。。。

このワインはそんなシュナン・ブランによる本拠地フランスのヴーブレィで産み出されたヴァン・ムスー(発泡酒)。ヴーヴレィは白だけのAOCだが、辛口の白、甘口、そして泡を産出することができる。作り手のドメーヌ・ユエは当地きっての名家で、1990年代からはビオディナミ農法をすべての畑に展開している。

色は濃い目の少し枯れも感じさせる黄金色。泡は細かく、力強く立ち上がってくる。持続性もあり、立ち上がりも規則正しい。香りは蜂蜜、焼きリンゴ、缶詰シロップ、洋ナシといった甘さ主体の香り。

口に含むと力のある泡が舌先を突いてくる。酸は丸みがあり程よい。残糖分はかなり少なく引き締まったドライな味わいで、そのバックに少し薬的なしっかりした苦みを感じる。凝縮感が強い。序盤から中盤までは細かな酸が口の中を引き締め、あまりアルコールの強さを感じない。

余韻は殆ど甘さを感じさせず、最後まで力を保った酸が口の中を引き締めつつ、レモンジュースを飲んだ後のような感覚が残る。

甘さをほとんど感じさせない、辛口骨太のスパークリング。色の濃さ、焼けた果実の香りはシュナンの特徴を備えているが、味わいは今まで飲んだシュナンとは全然違った鋭さを感じた。やっぱシュナン・ブランは一筋縄ではいかないな。

【Cave de Terre淡路町店 3,380円】

2009年6月13日 (土)

アレクサンドル・バン プイィ・フュメ2007 A0Cプイィ・フュメ

090612_2 夏、暑い夏。暑いのが実は大嫌いな自分としてはほんとうに憂鬱な季節が徐々に近づいてくる。でもそういう暑い季節に、思いっきり運動で汗を流すのも嫌いじゃない。なんか複雑?

暑くなるとやっぱすっきりした味わいが恋しくなる。それはワインも同じ。自然と青さの残るソーヴィニヨン・ブランの選択も増えてくる。

フランスでソーヴィニヨン・ブランを栽培している地域といえばまずロワール。その双璧がサンセールとプイィ・フュメだが、この両者だと高級なプイィ・フュメの方が若干知名度が低いかもしれない。パリの安いレストランなんかであれば、サンセールは置いてあってもフュメはない、ってところが結構あった。フュメの方が少し高め、ってこともあるんだろうけど、サンセールの方が気さくで親しみやすいというイメージがあるようだ。プイィ・フュメってなんか発音も難しいしね。

このアレクサンドル・バン、2007年が初ヴィンテージというホヤホヤの生産者。ティエリ・ピュズラも一目置いて、ブドウを買い付けるとのことだが、さて?

色は黄色の強い力強さ、太さを感じさせる麦藁色。少し薄く曇ったような印象を受ける。グラスの周りには少し泡が付いて、ガスを含んでいるようだ。香りはまず入ってくるのがマンゴー、ライチといった熱帯系の果物、その裏にはソーヴィニヨン・ブランらしい青い香り、青ネギ、ライムの香りも感じられる。

口に含むと一瞬面食らうのがソーヴィニヨン・ブランというよりもアルザスのゲヴュルツに近い香りと味わい。ただゲヴュルツにあるほろ苦い感覚はないのは品種のキャラクターだろうか。しかし、ボリュームのあるトロピカルな果実味、程よい甘さは他のフュメとはかなり異質。ガスは思ったほど強くなく、酸もまろやか。

そうしたトロピカルな味わいがいったん収まると、やはり清涼なハーブの香りがしっかりと感じられる。最初は強く感じた甘味だが、実は中盤に入ると綺麗な旨みに転換し、しつこさを全く残さない。これがニューワールドの肉厚なソーヴィニヨン・ブランとは決定的に違う点だ。

余韻も甘さの切れがよく、涼しい酸が覆うように戻ってきて口の中をさわやかに引き締める。

いわゆるオーソドックスなフュメとは違う、とてもフルーティで暖かさを感じるワインだ。しかしそのバックにはきっちりフュメらしい個性も感じられる、これは新たなフュメの可能性を感じさせるに足るワインだと思う。1瓶で2度美味しい、技ありワインのこれからの動向には注目しよう。Good JOB!

【創酒タカムラ 3,000円?】

2009年5月23日 (土)

ティエリ・ピュズラ ル・ルージュ・エ・ミ VdT(ヴァン・ド・ターブル)

090510_2昔飲んだワインを振り返るとビオ系のワインが多いことに驚く。別にビオワインを選択して飲んでいるわけでもないし、ビオに対して執着しているわけでもないはずなのだが。

農法はさておき、ビオ生産者が畑や環境、醸造に対してより心を配っていることは確かだと思う。そうした結果がワインを豊かなものにしているのだと自分は解釈している。その結果味わってみて旨いと思ったワインが結局ビオだったということは納得できる。

フランスのビオ生産者の筆頭として名前が挙がるのはまずこのティエリ・ピュズラだろう。ロワールでシュナン・ブラン、カベルネ・フランなどメジャー品種以外にも、過去廃れてしまった品種を掘り起こして幅広くワインを造り続け、これだけ人気が出たにもかかわらず価格を低く抑えている点が凄い。このワインはシャンパーニュ地方でしか殆ど使われないピノ・ムニエ100%によるもので、収穫量を極力抑えているとのことだが味は?

色は薄濁りのストロベリージャムのような明るい赤紫。香りは硫黄の香りが強く、そのバックにクランベリー、シソ、ケチャップの香り。

口に含むとまず鮮烈で直線的な鋭い酸を感じ、その直後にその酸に溶け込んでいた若いベリーの凝縮した果実味が広がってくる。タンニンはきめ細かいがボリューム感があり、発散しそうな酸と果実味をうまくまとめる役割を果たしている。果実味は若干硬いが、旨みが豊富でミネラルの味わいも感じさせる。

余韻は甘酸っぱい酸と程よい甘みが絡みつつ、ゆっくりと長く保っていく。

最初はビオ的な硫黄の香りに戸惑い、少々敬遠したが時間とともにそれも収まり、若いベリーの果実味中心の味わいに心地よく酔えるようになった。これがピノ・ムニエの個性なのかは分からないが、凝縮感と軽快さを兼ね備えた面白いワインになっている。これはやり過ぎ?と思うワインも多いピュズラのワインだけど、これは自分の許容範囲に入る楽しいワインだと思った。

【カーヴ・ド・パピーユ(Wineshop FUJIAMRU) 3,780円】

2009年4月 3日 (金)

マルク・ペノ ラ・デジレ2007 ヴァン・ド・ターブル

090402 インポーターはワインを買う商売だと思っていたが、ワイナリーごと買ってしまうとは凄い。。。それほど惚れ込んだということだろうか。

ロワールでもミュスカデは低い地位に甘んじているブドウだ。パリでも場末のレストランなんかにガブ飲み対象で置いてあった。かく言う自分も初めてのパリでのレストランでボトル1本頼んだのがミュスカデ。理由は一番安かったから。

そんなミュスカデで最高の評価を得ていた自然派のマルク・ペノが経営危機に陥り、それを救済するためにインポーターの野村ユニソンが買収した。そんなマルク・ペノのワインを味わうのは初めてだが、低収量かつ発酵初期に温度を低く抑えるニュイタージュという手法を使っているんだという。果たしてワイナリーごと買収させるような力が本当にあるのか?

ボトルの底には大きく平たい澱が残っている。色はレモネードのように、硬質な感じの薄い黄色。グラス周りに細かな泡がついている。香りは甘いヨーグルト、カルピス、白い花、アーモンド、オレンジドロップ、全体に甘い乳酸系の香りを強く感じる。

口に含むとチクチクしたガスのクリスピーな感覚。酸は最初のインパクトではライムのような青さを感じるも、質感はまろやかで鋭さのない丸みを帯びた優しさを感じさせる表情の豊かな酸だ。

その酸に連れられて若々しく瑞々しい青い果実味がやってくる。やがてその上からふんわりやさしく覆いかぶさってくるのは甘い、とまでいかないのだが程よく繊細なやはり甘味としか言いようのない豊かな旨み。そして後に残るのは不思議にもがっしりと下支えするほろ苦さの感覚。ミュスカデでこれほど豊かな苦みを感じたことはなかった。

余韻もこの苦さと、戻りの清冽な酸がうまくマッチして、緩みのないメリハリの利いた味わいを最後まで展開し、収束していく。

濃い味わいとは思わないが、しっかりした苦みが底を支えていて深さ、表現力のある味わいになっている。確かに安いミュスカデとは隔絶した、味わいの深さ、複雑さにあふれている。ミュスカデでこれだけ表現させてくれるのだから、他のブドウだったらいったいどんなワインを作ってくれるんだろうか?確かにこのミュスカデを守ってくれたのは価値がある。インポーターの男気に感謝せずにはいられない。

【葡萄酒造ゆはら 2,550円】

2008年7月27日 (日)

レ・ヴァン・コンテ アリゴテスト2006

080727_4 最近酒屋にアリゴテをよく見かけるようになった。これは最近の質の向上、品種特徴といえる鋭い酸をカバーするような旨みものったアリゴテが見直されていることもあるのだろうが、何よりも輸送費の高騰などによって従来AOCブルゴーニュの価格帯であった2千円台でシャルドネが提供できなくなってきた事情もあるのだろう。

そうした状況にはやはりシャルドネに大きく後れを取るアリゴテ、という品種の地位の低さは否めない。僕もそうした印象を持っていたし、アリゴテワインは単に酸のきついワインという思いを持っていた。しかしいろいろなアリゴテが入ってくる環境が整うにつれて、そうした先入観は覆されつつある。

そしてそんなアリゴテを作る生産者として評価の高いレ・ヴァン・コンテ。手書き風のラベルも好感が持てるが、ロワールでこの品種をビオ栽培で作り続けるこのドメーヌはかつて生産者とお客といった関係の二人で結成(?)された。今でもあまりの仲良しぶりに、二人を近づけすぎるとトラブルの元、とする向きもあるそうだ。

さてこのアリゴテ、グラスに注ぐと異常なほど色が濃い。ねっとりとした粘着質を感じさせる黄金色。しかしグラスを傾けたときの脚の落ち様は意外とあっさり。このチグハグ感はなんなのか?

香りもまったりとしたマロングラッセ、アプリコット、時を置いたリンゴ、セメダイン、タイムの香り、甘さからスパイシーさまでいろいろな要素を掴むことができる。しかしベースにあるのは若干ひねた感じ、酸化のニュアンス。

口に含みとまず舌先をかすかに突くシャープな酸、しかしその酸を押し留めるかのように遣ってくるのは充実した果実味。これがいわゆる「アリゴテ」と違う。普通のアリゴテなら酸が突っ走るのだが、このブレーキ的な要素が入るところが違うのだ。

酸を抑えて広がる旨みと芳香、すりおろしたリンゴ果汁を口に含んだときのような旨みの展開。少し粘着性も感じさせるが、これをプロは「オイリー」と表現するのだろうか?そしてそうした旨みの展開が収まると、押し留められた酸が再び主張を増して、最後まで突っ走るように伸びやかにハイスピードで駆け抜ける。

余韻は突き抜けた酸の印象と共に、再び酸の滑走に追いついた旨みの心地よさが相まって、最後に大きな山を作りつつ引いていく。

味わいの起伏が激しく、ついていくのにはかなりの度量が必要なワイン。トップスピードで走っていくこのワイン、映画で言えば「スピード」級の息つく暇を与えないほどの迫力ある疾走感が持ち味。アリゴテに対する印象感も全く変わるワイン、これを飲むと品種の特徴なんて表現できない絶望感にさいなまれてしまうのかも?

【Wineshop FUJIMARU 2,800円?】

2008年7月21日 (月)

ドメーヌ・ル・ブリソー カラクテール2005 AOCジャスニエ-ル

080721 別にビオを盲信しているつもりはないけど、確かにビオ・ワインには驚かされることも多い。それぞれの作り方はどうあれ、自然に近い農法という試みは共感を覚える。

でもこれだけ宣伝文句に「ビオ」が使われるようになってきた風潮には反感を感じることもある。プロセスに重きを置くことは本末転倒だ。あくまでワインは製品なのだから、その評価は完成品そのものに重点を置くべきだと思う。

このワインはロワールで「幻の醸造家」と呼ばれたクリスティアン・ショサールによるシュナン・ブランのワイン。かつて国の関与に反してワイン作りから足を洗った彼が再びワインの世界に戻ってきて、ジャスニエールの畑を入手して作ったワインがこの「カラクテール(性格)」。土地の持つカラクテールを表したワインを、という思いが不思議と伝わってくるようだ。シュナン・ブラン100%のワインだが、果たして?

色はジャムのように濃厚で粘着性を感じさせる黄金色。ベッコウ飴のようだ。香りも重く甘いアプリコット、ニッキ水、セメダイン、クレヨン、キンモクセイの香り。

最初に口に含むと自然でやさしい甘さがいきなりやってくる。酸は控えめ。その甘さはくどさを全く感じさせないゆるやかさを持っている。この自然さはなんだろうか?甘露とはこういう時に使うべき表現のように思える。

中盤は最初の心地よい甘さがそのまま広がっていく感じ。味わいの変化は乏しく、高揚感もそれほどではないが、甘さへの憧れ、素直さへの共感を感じさせてくれる。デザートほどきつくないやさしい甘さは十分深さもあるが、それでいて口の中で執着することなくさらさらとしている。これが不思議。

余韻もまたそうした繊細な甘さをそのままキープしつつ、やさしく昇華していく。

欠点を言えば変化に乏しく、最初の甘さのボリューム感がそのまま時系列的に収束していくといった点だろうか?それでも甘みの自然さ、透明感、素直さはどうだろう?体に入ればそのまましみとおる感覚、負担感のなさには驚かされる。

きれいな甘さを農作物で表現してしまう手腕はお見事。このワインに関しては、確かにビオワインの持つカラクテールを表現していると言えるのかもしれない。

【グラシアス大阪空港店 3,000円?】

2008年5月11日 (日)

ドメーヌ・デュ・ベレール ブルグイユ レ・ヴァン・リュ・ディ 2005

Cddodt68 フランスワインの中で最も過小評価されているのではないか、と思っているのがロワールのカベルネ・フラン。その最高の産地と評価されいているシノン、ブルグイユでさえそうだ。

カベルネ・フランはカベルネ・ソーヴィニヨンに比べると青さが目立つと言われている。ボルドーでは他の品種とアッサンブラージュされて、そうした若さも一つのアクセントとなるが、単一品種で作られるロワールではそうした特徴がはっきりと出て、しかも気候は涼しいので余計に目立ってくるのかもしれない。フランスにおいて、ここまで酸をたたえたワインはなかなかに珍しく貴重な存在だと思うのだが...

しかし自分は結構好きなワインの一つ。確かに若干青さ、酸の突出を感じる事もあるが、そうした他にはない特徴が産地の個性を感じさせてくれるからだ。北の冷涼な産地で育まれた早熟のブドウから作られるワイン、そしてその味わいはそうしたイメージともよく合致する。

このワインを生み出すドメーヌ・デュ・ベレールの主、ピエール・ゴーティエのワインはこれで2回目。以前は「乾きの日」と題されたワインだった。
http://blog.kansai.com/cesc22/321
一年の殆どを休みなく畑に費やし、完全無農薬栽培、亜硫酸無添加のワインを送り出し、今ではブルグイユ最高の生産者の一つと言われる評価を得た。

色は濃い紫。凝縮した色合いは深さを感じさせる。香りは甘くブルーベリージャム、スミレ、鉛筆の削りかす、ミントの香り。

アタックはまず穏やかに、しかしすぐに伸びのある酸が舌を駆け上がってくる。そしてその後に残されるのは細かいが若干の堅さを感じさせるタンニンと、小粒の実を皮ごとかじったような収斂感のある果実味が感じられる。そうした展開の後に残るのは、やはりブドウの甘さ。熟した果実にある、確固たる旨みがベースにある。

余韻は少しの酸っぱさを感じさせながら、果実の凝縮した旨みがゆっくりと長めに口の中に広がり、そしてじっくりと消えていく。

ロワールらしい酸もしっかりあるし、それでいて若い果実の凝縮感も感じさせる。カベルネ・フランらしい特徴も備わった、個性のあるワインだと思う。しかしロワールでこれだけ濃い目のワインができるんだから、やっぱ地球温暖化って進行しているんだろうか、って気になるな。

【mAAn 2,500円?】

2008年5月 5日 (月)

チェラルティ  シーレ2006 DOCボルゲリ・ロッソ

Lvzzfpqg トスカーナ、芳醇なイタリアを代表する土地。その名前を聞いただけで陶酔してしまう雰囲気を持っている。文化、歴史、そしてワインもまた長い伝統の中で育まれてきたものだ。

しかし伝統だけでは生き残れない。さまざまな変化を受容し、その中で自らの存在価値を見出してきたしたたかな人智があってこそ、今の世にも誇る価値観を作り上げてきたのだろう。そんなトスカーナだけに、伝統的な造り手と新しい生産者が競い合ってワインの質を高めて、今も最高の評価で人をひきつけて止まないんだろう。

チェラルティもまた、トスカーナで最高の産地、ボルゲリにあって新たな潮流を開こうとしている生産者として評価が高まっている。かつてはサッシカイア、オルネライアにブドウを納入していたが、今は自らのワイン元詰めに力を入れつつある。そんな当主バリテル氏の口癖は「挑戦!」だそうだ。このワインはカベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー30%。

色合いは黒く深みのあるルビー色。色素の風合いも緻密で、エッジも厚い。香りはプラム、ユーカリ、セルロイド、バラ、葉巻のような香りもあり、開いた豊かな香りを感じさせる。

口に含むとまずは果実の旨み、そのすぐ後で柔らかなだが伸びのある酸が立ち上がり、それも一段落した後でボリューム感のあるベリーの味わい、細やかだが主張のあるタンニンが続いていく。その後に残るのは、素直なブドウジュースの甘さ。余韻も比較的長く、心地よいブドウ本来の旨みが口の中に広がって、ゆっくりと引いていく。

全体にはピュアな味わいで、複雑さを感じるわけではないが、酸、タンニン、果実の旨みがうまくバランスしている。そしてそれが軽快さではなく、しっかりした落ち着き、重心の低さの中で展開していく事に驚かされた。

この価格帯で落ちついた味わいを楽しめる、トスカーナ、ボルゲリのポテンシャルと生産者の努力を楽しめる一品。

【LIQUAR WORLD 2,380円】

ティエリー・ピュズラ VdT キュヴェ蔵 2007

Ff0rugtg この人の奔放さには参ります。ワイン作りを本当に楽しんでいるというか、遊びの心満載。既存の枠にはとらわれない、数々のワインを矢継ぎ早に送り出している。それは絶滅寸前の伝統品種を用いたワインであったり、AOCのカテゴリーに入らない「異法」ワインだったり。

このワイン、ラベルに漢字で「蔵」とあるがれっきとしたフランスワイン。ピュズラが来日した際に日本の酒蔵を訪れ、そこで受けたインスピレーションに基づいて造られたワインだそうだ。

コンセプトは、「肩肘張らずにガブガブ飲めるワイン」で、出来立て、絞りたての日本酒をイメージしたものだという。品種はガメイ70%、コー(マルベック)30%。

色は明るめのルビー色だが、色素の粒子が粗めで赤ワインのにごり系、といったイメージ。エッジまでしっかり色が入っており、凝縮感がある。香りはシソ、スミレ、セメダイン、たくあんの香りと複雑で、一言では表現できないいろいろな要素が混じっている。

アタックはかなり刺激の強い鋭角的な酸、発酵の途中だろうか、舌先をつつくようなガスの感覚。その後にガメイらしい軽いタンニンを伴ったストロベリーのような味わい。酸はかなり強い。そして味わいが一呼吸した後に感じるのは重厚ではないがボリューム感あるタンニンの渋さ。

余韻は大き目のベリー、巨峰のようなブドウをかじったときのような甘さ、渋さがないまぜになったような果実味が長く続いていく。果汁は濃く、旨みもふんだんで凝縮感は強い。

ガブガブ飲めるワインだというけど、これを飲めるのは相当刺激に強い人。酸が苦手な人は一口飲んで降参しちゃうんじゃないだろうか?ビオワインの特徴がくっきり出ているだけに、売り言葉の如く「軽快」「柔らかい」「誰でも楽しめる」とは思えないんだけど。かなり賛否が分かれるワイン。自分もこれは「否」寄りかな?面白いには違いないけど...

【mAAn 2,000円?】

2008年4月11日 (金)

ニコラ・ジョリィ クロ・ド・ラ・クーレ・ド・セラン2005 

Zl4znlkp 阪急梅田駅の真下の地下2階、成城石井三番街店にはワインのテイスティングカウンターがあって、金曜日はシャンパンナイトで7名限定のシャンパーニュが楽しめる。19:00開栓と聞いていたので、間に合いそうだったので向かうと本日はテタンジェノノクターンが1,700円で供されていた。ま、シャンパーニュが目的だったのでそれを頼もうとしたんだけど、ふと眼に入っものが尋常じゃなかった。

あらら、これニコラ・ジョリィ、しかもクーレ・ド・セランじゃないかいな、なんでここにあんの!かなり興奮モード。

ビオの伝道師といえば、パカレかニコラ・ジョリィかという存在。ロワールの地でシュナン・ブランから複雑味この上ないワインを生み出している、ともはや神格化された感のある存在。

サヴニエールを本拠とする彼だが、クーレ・ド・セランは格別の存在、いやフランスにとってそうなのだ。このワイン自体がAOCに認定されている。これはフランスにあって他にはシャトー・グリエしか知らない。

香りはピュアなリンゴの香りで飲んだときもアルコール15%のボリュームを全く感じず、するっと飲めてしまうジューシーさしか感じなかった。正直な所拍子抜けの感もあった。

しかし時を経るごとに香りも、味わいも変化していく。香りはリンゴからアプリコット、パイナップル、セメダインのような香りが広がっていく。そして最初は感じなかったボリューム感、程よい繊細な甘さ、バックに控えるほどよいほろ苦さ、コクの深い旨み、複雑で凝縮していながら、果実の旨さを失わないストラクチャーが感じられるようになってくる。

そして特筆すべきは余韻の深みと長さ。口の中に残る薄皮のように微妙な旨みがなかなか去っていかない。力強さと柔らかさ、矛盾する味わいを実現しているこの不思議さはなんなのだろう?

時間と共に変わりつつ、深みを帯びる味わいは高級ワインに望むべき特質であり、この白ワインもそうしたキャラクターを備えている。看板に偽りなし。飲みたかったがボトルでは1万超で躊躇したワインがグラスで味わえるとは。。。S口君感謝です。

【成城石井三番街店 1,800円(グラス)】

2008年3月16日 (日)

ジョセ・ド・ニース ロゼ2006 レ・ヴァン・コンテ

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暖かくなってきたので、徐々に赤から白にシフトしていく過程。そんな中、普段は虐げられた存在(?)として主流からは外れた感じのあるロゼも飲んでみよう。

春は一番ロゼが似合う季節だと思う。桜や野の花が色づく雰囲気とこのワインはとてもシンクロする。これからのお花見には本当はいい御供になるはずだが、甘いだけのロゼが多いのがツライ。

そこで少し違う雰囲気のロゼを試すことに。ロワールのネゴシアン、レ・ヴァン・コンテが作るピノ・ドニス100%のロゼ。このワイナリーを主宰するのは元パリのソムリエ、オリヴィエ・ルマッソン氏。ピノ・ドニスはピノとあるけど、ピノ・ノワール・ファミリに非ず、シュナン・ブランに連なる系統でロワールの土着品種で中世の頃は赤ワインの高貴品種と認められていた。そんなある意味衰退した品種を掘り起こす作り手の意欲が感じられるが、され味わいは?

色は少しにごりを感じる、薄めのブラッドオレンジのような色合い。ロゼにしては濃いが、オレンジの色調はあまり感じない。

香りは淡いが紫蘇、リンゴ、グレープフルーツの香り。

アタックは穏やかで酸もまろやか。思いのほか甘さも感じられる。白ワインに比べると刺激が少なくあくまで優しい味わいだが、そこに加わるほどよい苦さ。全てが平穏に展開するので物足りない面はあるが、体に自然と染みとおってくる感じは心地よい。

余韻は柑橘系の果物の食後感のような渋さと酸のすがすがしさ。あくまで穏やかになめらかにゆっくりと消えていく。

重くはないが、しっかり感じられる渋みの要素がこのワインをいわゆる「甘いだけのロゼ」から一線を画す存在にしているようだ。決してインパクトはないけど、十分な味わいが感じられる。これからの季節、キュッと冷やしめで外で楽しみたい、そんなワインだ。

【グラシアス大阪空港店 2,415円】

2007年10月14日 (日)

ロモランタン 2005 ティエリ・ピュズラ

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この土日の山篭りから帰ってた。結構ノドが疲れている。でも飲みたくなってしまう。8時から最終日のビールサミットにも行って来たが、人が多かった〜 フラメンコ見てそそしくさと帰って、やっぱり自宅でゆっくりと。

今日のワインは自然派の巨頭、ティエリー・ピュズラの超ローカル品種ワイン。ロモランタンはロワールでも生産が少ない品種で、この地域以外では全くお目にかからないという。一般にこのブドウから作られるワインはアルコール分が少なく際立った特徴はないが、ヘクタールあたりの生産量は多くとれるという。典型的な安ワイン生産用ブドウにも思えるが、どうか。

色は少しくすんだ黄色。フィルターを通していないのか、清澄の度合いは低く、言葉は悪いが濁りを感じる。香りは金属的、金属をヤスリで削ったときに感じる香りに近い。あとシェリー的な酸化香、青リンゴの香りがある。

アタックは鋭い酸で、舌先を針でつつかれるような鋭角的な酸だ。その後でリンゴジュースのような甘さを感じるが、再び鋭い酸が現れて、その酸が引くと今度は口を引き絞るような渋さが表に出てくる。

余韻は収斂感のある酸の後味がかなり強い。それと共にリンゴを食べたときのような味わいも残る。

ピュズラのロモランタンは樹齢30年から100年の古木ということで、個性が薄いどころか強烈な味わいになっている。

しかしワインとして飲んだとき、これほど強力な酸を持ったワインにあう料理はいったいなんだろう?一口飲むごとに口が閉まってしまい、一瞬味覚マヒになるほどの鋭い酸、これに対抗できるような食材はあるのだろうか?そう考えるとこのワインを飲むシチュエーションが全く想像できない。これはいくらピュズラでもちょっとやりすぎでは、と思えてしまうのだが...良くも悪くもこれはまさしくティエリ・ピュズラ節のワインだった。

【ワイン・グロッサリー 3,500円?】

2007年9月18日 (火)

マリニー・ヌフ ピノ・ノワール2005

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フランスのピノ・ノワールはやはりブルゴーニュでしか楽しめないのだろうか?南フランスやロワールでも生産されているが、ピノらしい酸味と果実味、どちらかが欠けると、この品種の特質が失われ、面白みのない酸っぱいか、甘ったるいワインになってしまう。

ロワールに集う生産者も、どちらかというと白ワイン、ソーヴィニヨン・ブランの可能性に賭ける方が多いようだ。冷涼な地域ではピノ・ノワールの酸が強くなりすぎて、味わいも淡いバランスを欠いたワインになりやすい。

この生産者はロワール、古城で有名なポワティエでビオ農法によるワインを作っている。やはりソーヴィニヨン・ブランも作っているが、若い木から古木まで幅広く栽培している。この「マリニー・ヌフ」は若いブドウから生産したワイン。

香りはプラム、ストロベリー、コショウの香り。色合いは明るめで黒味を帯びたルビー色。エッジは薄めの印象。

アタックはおとなしめの酸。やわらかい果実味は若いイチゴの甘酸っぱさに似ている。タンニンは細かくなめらか、ベースとしては弱いので、ボディの膨らみ感は強くない。

余韻もベリー系の甘さの感覚が細く残るが、それほど長くはない。

全体的にはベリーの味わいを前面に出した、ピュアなワインだと思う。味わい的には特に秀でた印象はないが、やさしいストロベリーの味わいは好感が持てる。ピノ・ノワールをピュアにお酒にしたら案外こんな感じなのかも?

【高島屋大阪店 2,400円?】

2007年9月17日 (月)

ヴァン・ド・ターブル・フランセ(NV)ディディエ・シャファルドン

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フランスで言えばAOC、イタリアならばDOCGかDOC、スペインならばDO、原産地統制呼称法で決まった呼称を使うことで一定の品質を保証する仕組み。その認証を受けるには品種や醸造法などで一定の基準を満たさなければならない。

消費者には品質保証ということで便利かもしれないが、生産者にとっては自分が作りたいワインを自由に作れないということにもなる。イタリアではそのような中でむしろヴィノ・ダ・ターヴォラというテーブルワインのカテゴリーでスーパーワインを作ることが一般化している。

そんな流れがフランスにもやってきているようだ。少数だけどヴァン・ド・ターブルのカテゴリーでワインを作る生産者が現れている。

このワインもその一つ。作り手のディディエ・シャッファルドンはアンジュー地区の若き生産者。カベルネ・フランで作られるこのワインをなぜヴァン・ド・ターブルで作っているのかよくわからない。低収量で丁寧に作られ、タンクで発酵熟成されているとのことだ。このワインに関してはラベルの朴訥な雰囲気に魅かれてしまった。

香りはカベルネ・フランらしい鉛筆のけずりかす、ピーマンの香りがある。ユーカリのようなスーッとする清涼感もある。色合いは濃い目の紫で、エッジもしっかり色が入っているが、少し荒めの質感を感じる。

最初のアタックはかなり鮮烈な酸。その後で粗めのタンニンと酸っぱくまだ若いストロベリーのような味わいがやってくる。酸とタンニンのバランスは良いが、ボディとなる果実味が細いので、あまり大きな膨らみを感じない。おとなしめの味わいだ。

余韻は短めで、ゴツゴツしたタンニンの渋みを感じる。あと酸の余韻が予想以上に引っ張る。ちょうど薄めのカルピスを飲んだ後のような感じに似ている。

品種の特徴がよく出ているワインだと思うが、あまり秀でた特徴は感じない。酸が突出した印象もあるので、万人受けするワインではないが、くっきりした酸もあるのでフルーツソース的な料理に合わせてみると面白いかと思った。やっぱカベルネ・フランは単独では飲みづらいな〜

【高島屋大阪店 2,500円?】

2007年8月 4日 (土)

ブーブレイ2002 ヴィノー・シュブロー

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暑い夏がやってきた。でも今年は今のところいつもよりはマシかな、とも思う。朝出勤、毎日30分以上歩いているが汗だくにはならないし、帰りも同様。

それでもやっぱ帰った時の一杯の快感は変わらない。そして暑い日の疲れた体にはレモン、クエン酸系が欲しくなる、というか体が欲するのだ。そんなときはリースリングか、最近はこのシュナン・ブランを選ぶことが多い。

このワインはロワール地区、ロワール川中流に位置するヴーヴレィ産。ヴーヴレィ自体は辛口から中辛口のワインが中心だが、ごく少量、豊作年に限り極甘口となる貴腐ワインを産している。貴腐ワインまでは飲んだことはないが、そのようなブドウも含まれていると思わせるような甘さのボリュームを感じさせるヴーヴレィには何度かお目にかかったことはある。

この作り手ヴィノー・シュブローはロワールで何世代もワインを作り続けてきた、小さいながらも評価の高い作り手。品質を求めて1995年からビオ。ディナミ農法を採用している。年産は約3万本、作付面積6haだから、確かに大きい生産者とはいえない。あのシャトー・ラトゥールが36万本
だから、その苦労推して知るべし?

色は黄緑のニュアンスを帯びた薄い黄色。若草色のような印象が強い。香りは甘くヨーグルト、白桃、缶詰のシロップ、キャンディの香り。

アタックの酸は結構直線的で、突き刺すように口の中に入ってくる。しかしすぐに甘さのボリューム感が広がり、そして第2陣の酸がやってきて、甘さになじんだ口を引き締めるかのような感覚を覚える。酸の刺激→ボリューム感→酸の清涼感、三段階の構成がしっかりと感じられる。

余韻は中くらいで、酸の収斂感が比較的長く続くが、決していやな感じではない。むしろ次の一杯を求めてしまうような気持ちにさせる。

この時期は冷蔵庫でガンガン冷やせるワインが重宝するが、あまりドライなワインだと酸が強く感じすぎてしまい飲めなくなるが、このようなワインは甘みもしっかりしているので冷やしても酸とのバランスを保っておいしく飲める。リースリングだと酸が勝ちすぎるが、シュナンは甘みもあるので、だからこそこの時期にはオススメワインなのだが、いかんせん知名度が日本では低い。

その点ロワールのシュナン、サヴィニエールやヴーヴレイは価格も低めで楽しめるお得なワインだと思う。もし見つけたら一度試して冷蔵庫でキンキンに冷やしてからどうぞ。レモネードのような感覚で体に入ってくる感覚が楽しめると思います。このヴーヴレィもまさにそんなワインでありました。2千円以下なのがかわいそうなくらいだが...

【新大阪駅のスーパー 2,000円】

2007年7月28日 (土)

ピエール・ブール ロゼ (2005) ナナ・ヴァン・エ・カンパニー

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土着品種のオンパレードはイタリアが本家かもしれないが、フランスにも稀少品種が生きている。そんなワインを見ると飲んでみたくなるのはサガか?

このワインはロワール産だが、ピノ・ドニス100%。ピノというから、シャンパーニュで用いられるピノ・ノワール、ピノ・ムニエと同じ系列か?と思ったが、どうも違った。ピノ・ノワールのつづりはPinot Noir、ピノ・ドニスはPineau d’Aunis。シュナン・ブランの別名はPineau de la Loireなので、むしろコチラの系列であり、かつてはロワール地方で最も高貴なブドウと謳われた品種だそうだ。しかし現在はその地位をカベルネ・フランに取って代わられている。

ヴーヴレでシュナン・ブランを造っていた幻の醸造家クリスチャン・ショサール。あまりにも純粋なワイン作りを志向し、政府当局と衝突してワイン造りから撤退、その彼のネゴシアンワインがこれ。ただし、ブドウ農家との契約解消によりこのワインはこのヴィンテージで消える運命のようである。まさに幻ワインとなりそうだ。

色はロゼというにはあまりに薄い。どちらかというと褐色みのあるタマネギの皮。香りはグレープフルーツ、ミントの香りだが、弱めの香り。

アタックは最初は滑らかだが、舌の先を鋭角的な酸が突く。そのあと若干の渋みを伴った硬質の味わいが舌の表面に広がり、そして渋みの収斂感じがやはり舌を横から引き絞るような感覚に襲われる。酸とタンニンというには淡い微妙な渋みが体感的な旨さを演出する。

余韻はジワーとしたかすかな甘みが薄く広がりやがて消えていく。強いとはいえないが、短くはない。きれいな余韻なので、後を残さずさっぱりと引いていく。

きりっとした酸、やさしい味わい、白ワインに限りなく近いが、やはりロゼらしいかすかな渋みがうまいアクセントとなってこのワインの幅を広げている。これで最後になるようだが、あまりにも惜しい。もう少し妥協できないかと思うが、妥協できないからこういうワインになるんだろう。消費者はただ待つのみしかないか...

【グラシアス 大阪空港店 2,500円?】


2007年6月19日 (火)

ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌ1995 グラン・レゼルヴ ヴィニョーブル・ポワロン・ダバン

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早飲みと思われているワインの古酒があった時、それを手に取るだろうか?まずは「そんなんあかんやろ〜」「売れ残りちゃうか?」と思ってしまって手を出さない。でもそれが確信犯だったらどうなるか?

一般的に若いうちに飲むべきと相場が決まっているミュスカデ。でもこの作り手は10年間熟成させてから蔵出しするという。この「安酒」になぜこれほどの情熱を傾けるのか?

色はかなり黄色く、樽熟をしっかり思わせる。香りはレモン、オレンジの皮といったトロピカルフルーツに近い香り。ミュスカデに特徴的な青い香り、ライム的な香りはあまり感じなかった。

アタックは思いの外酸がしっかりしており、まだ活き活きとした若さを保っている。その後にふんわりとした甘さを感じた。こなれた甘さだ。ブドウ本来の甘さでなく、熟成から来る甘さだと思う。まろやかでやわらかさを感じる。

ただなぜなんだろう、飲んでいて居心地の悪さを払拭できなかった。ピュアな酸、まろやかな味わい、トロピカルな香り、それぞれはいいんだけど、それをつなぐ何かに違和感があった。それが何かを言い当てることはできないんだけど...

ミュスカデは酸がしっかりしているから、長熟のポテンシャルはあると思う。でも若いうちのピュアさを楽しむほうが魅力的な物だってあるのかも。今もセーラー服姿の松田聖子を見るとやっぱ違和感がある、そんな感覚なのかなぁ?

【H19.6.16ワイン会にて cesc22出品】

2007年6月 5日 (火)

ヴーヴレー・セック2004 ティエリー・ピュズラ

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最近ワインショップに行くと「これビオですか?」という質問をよく耳にする。デパートでもビオワインの特集をしているところもあるようだ。ビオ=良いワインという方程式ができつつあるのかもしれない。

ティエリー・ピュズラはそのビオワインの代名詞となっている造り手だ。クロ・デュ・チュエ・ブッフのオーナーを勤めながら、自分でも旧知の農家からブドウを買い取ってネゴシアンとしてのワインを出している。このワインは後者。

化学肥料は用いず、使用が認められている添加物も全く用いない。酸化防止剤である亜硫酸も殆ど使用していないという徹底ぶりだ。

シュナン・ブランで造られるヴーヴレイ、酸が落ち着いていて、果実のうまさがあるワインだが、ピュズラ版はどうか。

香りはリンゴ、カリンジャムの香りがある。少し酸化香もある。色は緑がかった黄色だ。

味わいもリンゴジュースのようなジューシーさだ。甘さのボリュームの中に、さわやかな酸が隠されている。バランスも良く、「とげ」というものを感じない。さわやかなワインだ。余韻もリンゴジュースのような果実のうまさが長く続く。

いきいきとした酸と、旨みにあふれたワイン。そして何よりも有名になった後も低価格でワインを作り続ける心意気。ビオ=良いワイン、という方程式には必ずしも賛同しないが、ピュズラ=良いワインの公式は経験則で当てはまると同意せざるを得ないようだ。ティエリ・ピュズラ、見事です。

【ワインショップ・ベリエ(神戸店) 2,800円?】

2007年6月 2日 (土)

ジュール・ド・ソワフ2005 ブルグイユ ピエール・ゴーティエ

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ラベルでワインを買ってしまうときもある。このワインもそう。ラベルがなんだかミロの絵みたいで、軽やかで気に入った。「ジュール・ド・ソワフ」、渇きの日だったかな?そういう銘柄からも、なんか癒してくれそうで期待を込めて購入。

ブルグイユはロワールにおける赤、カベルネ・フランの生産地。ただし知名度はシノンにかなり譲る。やっぱフランス古城めぐりに必ず出てくるシノンだから、そうした旅行の思い出と共にというシチュエーションにも使えるので無理はないと思う。

ブルグイユはシノンよりも若干北にある。一般にシノンはスミレ、ブルグイユはフランボワーズの香りがするといわれるが、そうなのかどうかは飲み比べしたことがないので×。

香りは甘いストロベリー、アメリカンチェリー、カシスリキュールの香りで、いずれにしても甘い果実の香りが顕著だ。フランにある青臭さ、おがくずのような香りは最初は強くなかった。しかし空気に触れさせていると次第にピーマンの香りもしてきた。

色は黒味のあるルビー色で、深くはないがつややかな色合いだ。周縁部まで色がきっちりと入っていて、凝縮した感じはある。

アタックはとてもジューシー、酸はしっかりしているが、タンニンはあまり強くない。ボディの膨らみは小さい。こじんまりとした感覚で、余韻もそれほど強くなく、サーっと引いていく。ボジョレー的な味わいに似ているだろうか。しかし最後に残る土っぽい印象が決定的に違う。やはり品種の差だろう。

このワインの特徴は最初の酸と果実味だと思う。イタリアンでいうとバルベーラがこれに近い。フランスワインでこういう酸がしっかりして、スルスル飲める赤ワインは貴重で、軽快な料理には合わせやすいと思うのだが、いかんせん知名度が低いので店に置くには難しいんだろう。

しかしこういう繊細かつ軽快な赤ワインは、しつこい料理よりもあっさりした料理のほうがいい夏にかけて、活躍してもらう場は多いと思う。生産者もわざわざ「渇きの日」と銘打つからには、そうしたピュアなうまさで渇きを癒すといった方向性で作っているんだろうし、この微妙な味わいはキライではない。北のワインからこういう繊細さを取ったら何が残るんだろう?ジワジワと楽しめるワインでした。

【グラシアス大阪空港店 3,000円以下?】

2007年5月20日 (日)

レ・カプリアデ・ブラン2004

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今フランスではロワールがヤバイ。地球温暖化の影響も少なからずあるかもしれないが、本当に予想外のワインを次々と送り出している。やる気のある醸造家も集中しているようだ。

ブルゴーニュの畑は高すぎて買えない、でもロワールならば、とこの土地にやってきた有能な醸造家が今までの常識を覆すようなワインを発信している。だからこの地域では今までのAOC、原産地呼称統制法の枠なんか気にしてちゃいけない。そんな旧来の縛りになんか彼らはとらわれていないんだから。

このワインもカテゴリーはヴァン・ド・ペイだ。しかし作り手はあの新井順子さんの ドメーヌ・デ・ボワ・ルカ の醸造長を務めるパスカル・ポテールなのだ。

新井順子さんは自著「ブドウ畑で長靴をはいて」で自らも語るとおり、単身ロワールに乗り込んでブドウ畑と格闘し、ついに自らのキュベを世に送り出したことで、今や日本人醸造家の代表格で、現地でも評価の高い生産者となった。その彼女のドメーヌで醸造長を務めていたのがポテール氏。彼がビオ・ディナミの先駆者ミッシェル・オジェの畑を借りてワインを作り出したのはつい最近。

ついで見ると、まずその色調に驚いた。緑のニュアンスが強いワインにガスが含まれていて、細かな泡が沸き立つ。色は濁っているといったほうが適切で、何もかも予想外。

実はこれはシャルドネで作ったワインのはずなのだが、そんな特徴は殆ど感じられない。ニュートラルなシャルドネではあるが、ここまで変われるものなのか!香りはナッツ、白コショウ、バジルの香りがある。

口に含むとまずはシュワッとしたガスが舌先をくすぐる。そして舌先から舌の根元へと鮮烈な酸と苦味が突きあがってくる感覚だ。口の中にはナッツを食べたときの香ばしい香りが広がるが、舌の表面では旨みと微妙な苦味が広がるという、複雑な展開に少々戸惑う。

甘みは少ないが、決して不足しているわけではない。最初の鮮烈な酸とガスのアタックから、旨みとまろやかな香り、そして後半の苦味とコクがある余韻のつながりは、それぞれのパーツは個性的だがそれらをうまくまとめあげて一つの作品に仕上げている。

これだけ個性的な作り方をしていながら、全体のバランスは本当に素晴らしい。どれかが突出していたら、たぶんキワモノワインとしてしか思わなかったが、これだけの作品に仕上げるとは、さすが醸造家の力量だ。こういう人材が新参の日本人に雇われてしまうところが、まさにフランスワインの奥深さなのだろう。まぁ、これは久々にインパクト特大ワインでありました。

【グラシアス大阪空港店 2,500円?】

2007年5月 8日 (火)

シュベルニー2005 ドメーヌ・フィリップ・テシエ

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帰省していて、近くの酒屋に言ったときもなんか掘り出しものがないか見てしまう。これもサガかなぁ...

実家の近くの量販店だが、なんか面白そうなものはないかと思って目に付いたのがこれ。なんとなく聞いたことのある名前、でついつい買ってしまった。

シュベルニーはフランス北部ロワール地方の比較的新しいAOC。その中でフィリップ・テシエは3代続くこの地の名門。このワインもソーヴィニヨン・ブラン85%、シャルドネ15%のセパージュ。

香りはソーヴィニヨン・ブランの特徴である青いハーブの香り、青草、枝を折ったときの香りがするが、単に青さを感じる香りだけでなくカスタード、バニラの甘さを思わせる香りもある。それが単独で感じられるので、二層的な香りの構造を持っている。

アタックは思いの外柔らかで、そのあと苦味を伴ってアルコールのボリュームが感じられ、口の中を若いハーブの香りが広がっていく。

やはりソーヴィニヨン・ブランの特徴は強く出ているが、単にさわやかさだけでなく、ボリューム感もある。余韻は若干キレが悪い、少ししつこさも感じさせるが、ロワールという地勢を考えると予想を超えた力強さだ。

ちょっと冷やしがたらない中で飲んだが、もう少し冷やしめで飲んだほうが酸も活かしながらボリュームも楽しめてよかったかもしれない。若干酸がボケたかな?

それにしても最近のロワールはボリューム感があるなぁ。やはり地球温暖化の影響もあるんだろうか?

【リカーワールド華(武生) 1,800円】

2007年4月23日 (月)

エルドロー 2005

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ヴァン・ド・ターブルです。でもロワールの革命児、ビオを体現するティエリ・ピュズラがらみとあれば、普通なわけがない。

まずこのワイン。2004年ベースではピノ・ノワール40%、ガメイ60%というセパージュ。AOC(原産地呼称統制)申請が間に合わずフランスワインにおける最下位のカテゴリー、テーブル・ワインになっている。

このワインの原料、ブドウがミシェル・オジェによるものであるそうだ。ロワールでビオワインの代名詞、ニコラ・ジョリィに並ぶミシェル・オジェ。そのオジェが若き改革者ピュズラと組んだワインであれば、尋常なものではないはず。そして今やロワールワインで知らぬものないピュズラもまた、彼の特別なワイン「テスニエール」にはこのオジェのブドウを使っているのだそうだ。

このワインはそのオジェが醸造家の立場から個人消費用に作り始めたのをきっかけに、ついに自らが本格的にワイン作りを始めた成果だ。

色は非常に濃い。濃厚で深みのあるルビー色だ。香りは若くイチゴ、カシス、スミレ、バナナ、セルロイド、金属的な香りもある。

アタックは舌先をチリチリと刺すような感覚がある。発泡しているわけではないが、少しガス分が含まれているのかも。
タンニンは強くはないが酸とのバランスが良い。果実味豊かで甘みもある。甘いジューシーな味のふくらみが感じられる。でもやはりチクチクした刺激が少し強い。飲み干した後もこのチクチク感が結構舌に残る。まだまだ荒いということか?

ガメイの成分が多いので、ニュアンスはクリュ・ボージョレと共通項が多いが、ロワールらしい性格、強く引き締まった酸が顕著だ。旨みも濃いが、味的にはまだこなれていない印象で荒削りだ。この荒さこそがこのワインの持ち味なのかもしれない。

【2,730円 Wineshop FUJIMARU】

シャトー・ド・フェスレ ヴィエイユ・ヴィーニュ2004

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ワインバーでもあまり人気がないのでは、と思えるカベルネ・フラン。独特の青さを感じさせる香りが結構抵抗あるのではと思う。その特徴が特に強く出るロワールなんかだと、特にそうではないだろうか?シノンやブルグイユなんかがデパートの店頭に出ているの殆ど見たことないし。

でもこの青みも結構クセになる要素はある。ロワールの冷涼な気候ではぐくまれると、酸も帯びてフランスワインにない特色を帯びてくる。

このワインは甘口ワイン、ボンヌゾーに本拠を置くシャトーが造るカベルネ・フランの古木から作られる。

色は紫の色調が強いルビー色。青み、インク的な色味も帯びている。特に周縁部にその傾向が強い。香りはおがくず、鉛筆、スパイス、ブルーベリーの香りがある。

アタックはやはり酸が結構鮮烈。そしてロワールらしからぬ収斂性のある強いタンニンがやってきて、口の中がすぼまる感覚だ。しかしボディのふくらみはそれほどでもなく、やはり酸が強い。余韻は酸の強さを特に感じるが後になって古木らしい旨みも感じられるようになってくる。

ワインだけで飲み続けるのはツライかな。バランスは決してよいとは思わないが、ロワールのフランということを考えると、これだけ酸とタンニンの力を併せ持つ、パワーのあるワインを造るとは並ではない作り手のようだ。

ピエモンテのバルベーラと共通項もあるので、トマト料理なんかと合わすと面白いかもしれない。少し残しておいてトマトソースのパスタでも作ってみるか?

【1,800円 橘田酒店】

2007年3月17日 (土)

ソミュール・シャンピニー2000 クロ・ルジャール

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ロワールというと涼しい気候ということで、比較的酸の特徴が顕著なワインが多い。その鋭い酸を和らげるためにシャンパーニュという「技術」が生まれたのだが、最近では地球温暖化の現象かロワールでもその特徴が薄らいできているという。ちょっと心配。

ロワールの赤というと、サンセールのピノ・ノワールやアンジューのガメイもあるが、やはりカベルネ・フランが本命だ。ボルドーでのブレンド品種でもあるカベルネ・フランだが、ロワールでは単一品種で作られる。で、この品種の特徴が知りたければ、ロワールのフランを飲むにしくはない。

クロ・ルジャールはソミュール・シャンピニーでも最良の作り手だ。収穫量を低く抑え、オーガニック農法を採用し、一部はビオディナミを採用している。

開けてすぐフランの特徴といわれる鉛筆削りの香り、青いピーマンの香りがプワーッと広がる。色は明るめの赤紫だが、全体に熟成を感じる褐色味も帯びてきているようだ。

しばらくおいておくと、最初の削りかす的な香りが収束し、バニラ、ミンティーな香りが出てくる。

アタックはおとなしいが、やはり酸が顕著だ。フランスの赤ワインでこういう酸が際立つワインも珍しい。ようやくイタリアのバルベーラが思いつく程度だ。最初の酸から繊細なタンニンに繋がっていく。タンニンは少し荒くボリューム感もそこそこだ。しかし余韻はかなり長い。酸の中に溶け込んだ果実実が口の中をかなり長くくすぐる。

土地と気候を反映した繊細な作りながら、複雑な香り、味を作り上げたのは、やはり作り手のこだわりなのだろう。こういう土地とブドウの特徴を色濃く反映したワインは、味に特徴があってもすごく好感が持てる。けっこうこういうワインに癒される自分は、他からみるとかなり変わってるかな?まわりにカベルネ・フランが好きな人皆無だし...

【通信販売だったので忘れました...価格は4千円くらい?】