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カテゴリ「ワイン フランス ボルドー」の17件の記事 Feed

2015年2月15日 (日)

クロッスリー・デ・ムーシ クロッスリー・デ・ムーシ2012 AOCオー・メドック 

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普段ボルドーワインを飲まない自分だが、決してボルドーが嫌いなわけではない。熟成を経たボルドーの馥郁とした香りと、舌を優しく包む滑らかな酒質は例えようのない豊かな満足感をもたらしてくれる。

しかし、日常のケースで飲む頻度がやはり飲む事は少ない。けれどもこのワインに関してはジャケットの綺麗さもさることながら、わずか1haの畑で女性二人がビオディナミを実践している、という背景が知的好奇心を誘った。

クロッスリー・デ・ムーシの設立は2009年で、ブドウ栽培は殺虫剤や鉱物質肥料を使用しない厳格な有機農法を実践している。2012年ヴィンテージのデータはないが、2011年はカベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー20%、カベルネ・フラン20%のセパージュ。

色は深みのある、落ち着いた黒味を伴ったガーネット。カシス、ブラックベリーの熟した香りが放たれ、そのバックにはインク、ローズマリー、ほんのりとタバコも感じられる。

アタックは滑らかな酸味と熟したベリーの甘みだが、やがてやや硬さの残るタンニンによる渋みが徐々に掘り下げるように深みを演出してくる。非常にシルキーな舌触りが印象的で、複雑さは大きくないものの、ジューシーな果実の旨味と温かみのある酒質が好ましい。中盤から後半はしっかりしたベースも感じられ、安定した味わいを展開する。

余韻は優しい甘みの印象がふっくらとした味わいを残しつつ、前半にはやや硬さの感じられた渋みも昇華するように減じてきれいなフィニッシュに至る。

ボルドーでビオディナミを実践している造り手は少数派なのだろうが、ボルドーの伝統的かつ重厚な味わいとビオの目指す自然な味わいがイメージとしてなかなか相容れないところに、造り手の葛藤も生まれるのではないだろうか。しかしこのワインを飲んでみると、その両立する姿が見えてくるような印象はある。これからの展開が楽しみな造り手だ。

【R -the wine shop-(サンフォニー) 4,200円?】

2014年4月 1日 (火)

シャトー・ル・ゲ マノワール・ド・ゲ2007 AOCポムロール

140331manoirdegayたまにはボルドーも飲むんだが、その場合は比較的柔らかい、やさしめの味わいの方が好ましい。地域で言えばサン・ジュリアン、サンテミリオン、ポムロールあたりか。

ポムロールはボルドー地区のブルゴーニュ、とも言われていたようだが、ボルドーの生産者にとってはブルゴーニュに劣後したような表現は決して褒め言葉とはならないに違いない。シャト・ペトリュスを最高峰に擁し、今でこそボルドー右岸における雄たる存在となったが、かつてはそれほど注目を浴びた地域ではなかった。しかし比較的早く飲めて、それでいてきめ細かで滑らかな質感のワインは、現代人の味覚、感覚にマッチしたかのように一気に広まった。

シャト・ル・ゲはシャトー・ペトリュスの北西に位置し、元々はペトリュスを運営するムエックス社が管理していた。しかし、シャトーの良い部分を売却するなど、決して高い評価を受け続けたとは言えなかったが、最近はミシェル・ロランのコンサルなどを受けて徐々に品質を高めてきている。ただ、やや価格的には高い印象は否めない。このセカンドワインはメルロー100%で、若木の葡萄から造られている。

色は黒味がしっかりと感じられる、凝縮感を伴ったダークルビー。香りはカシス、黒ゴム、ヴァニラ、ビターチョコ、ココナッツオイルのような甘めの香りが支配的。

口に含むと滑らかで整ったベリーの果実味、その果実味に溶け込んだ細かで柔らかなタンニンをストレートに感じる。軽やかでバランスの良い味わいは好ましく感じるものの、同時に過ぎた中庸さという印象にもつながる。若木ゆえかやや苦みもあるが、全体には温かみとふくよかさを持った果実味主体の穏やかさが落ち着いた味わいを導き、後半の無理のない調和に満ちた味わいを形作る。

余韻はさらりとした雑味の少ないベリーの後味がすっと抜けていき、最後まで細身の味わいを残しながら引いていく。

色の濃さからすれば案外あっさりした味わいの印象は、メルローらしい品種の特性なのかもしれないが、全体ではやや起伏に乏しい印象を受けた。しかし過剰さのない均整のとれたボディを伴ったこのワインは、単独で飲むよりも料理と合わせることでより違った表情を見せるかもしれない、そんなポテンシャルを感じさせてくれた。

【成城石井三番街店 3,700円?】

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2012年12月25日 (火)

シャトー・パヴィ エスプリ・ド・パヴィ2008 AOCボルドー

001ワインに関しては国の偏見はない、と思うんだけど。。。偏りはあくまで好みとコストの関係だと思うんだけど。。。

この日は本当はブルゴーニュのピノ・ノワールを飲みたいと思って物色していたはずが、購入したのはボルドー、サンテミリオンのシャトー・パヴィのセカンド。品種はメルロー主体ということで、いかに意志薄弱か、節操がないかが証明されたようなものだった。

シャトー・パヴィは2012年に、サンテミリオンの最高峰、グラン・クリュ・クラッセ特別級Aにこれまで格付けされていたシャトー・オーゾンヌ、シャトー・シュヴァル・ブランと肩を並べる地位にシャトー・アンジェリュスと昇格した。南向きの畑からは他のサンテミリオンよりも力強いワインを産み出すという。そのあまりの濃厚さが、サンテミリオンの土地の個性とは違うとさえ言われ、物議をかもしたこともあった。そのパヴィが10年ごとに格付けを見直す厳しい仕組みのあるサンテミリオンで最高級に遇されたことは、どのように捉えるべきであろうか。

このエスプリ・ド・パヴィはそのシャトーパヴィのセカンドで、2008年が初リリース。セパージュはメルロー65%、カベルネ・フラン20%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%。

色はダークで黒味の強い凝縮感が詰まったルビー色。香りはカシス、焦がした醤油、鉄錆、黒餡、黒糖の香り。

口に含むと圧倒される甘みを伴った密度の濃い果実味に、少し粗めでえぐみの残るタンニンが怒涛の如く口の中に広がる。少々くどい甘さが気になるが、ボリューム感は満点で、メルロー主体とは思えないタンニンの強さが強烈。中盤から広がる香りも、熟したベリー香が強く放たれる。しかりその香りも味わいも、当初のボリューム感ほどには粘らず、さっと引いていく印象は好ましい。ただし、全体には少々構造的に締まりのない印象を感じる。

余韻はベリーの甘みをしっかりと感じさせつつ、ビターチョコの後味を残しながら、じっくりとした味わいをたたえつつ引いていく。

ボルドーらしい重厚さはあるのだけれど、ちょっと甘さが度を過ぎているような感じはしないでもない。温暖化のせいかどうかは知らないが、ボルドー自体が年々甘くなっている気がしているのだけれど、それにしても甘い印象の強いワインではあったな。

【阪急百貨店 梅田本店 4.980円】

2010年11月13日 (土)

シャトー・ソシアンド・マレ2004 AOCオー・メドック

101114sociandoまんべんなく飲んでるつもりだけど、やっぱり抜け落ちはあるもので、肝心要のカベルネ・ソーヴィニヨンが少ないことに気がついた。世界中各地にあるカベルネだけど、やはり飲んでみると別格の奥深さが感じられるのは、フランス・ボルドー。

一級、二級と言ったグレードの高いワインはおいそれとは手が出せないけど、お手頃で質の高いワインは他にもある。このソシアンド・マレは 昔はそういうワインだったけど、評判が上がりすぎて今では二、三級と同等のレベルになってしまった。たまたま割安だな、と思える価格帯で出ていたので何年振りかに購入。

オー・メドックはドルドーニュ川とガロンヌ川が合流し、ジロンド川となる地域一帯に広く広がる地帯で、砂利の多い土壌。ボルドーの雄、マルゴー、ポイヤックなどに比べると知名度も低いが、質の高いシャトーが数多く存在すると評価の高い地域だ。シャトー・ソシアンド・マレはこの地域で最も評価の上がったシャトーで、ワイン批評家がこぞって格付け二級クラス、と評価したことで一気に価格が高騰した。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン55%、メルロー40&、カベルネ・フランとプティ・ヴェルドーで5%。価格が高騰する以前に飲んだだけだが、さて?

色は温かみのある落ち着いた赤みの強いルビー色。香りはカシスリキュール、ロースト香、鉛筆、生肉、腐葉土の香りが感じられる。

アタックは滑らかで柔らかい酸が舌を優しくくるむように、ゆっくりと伸びてくる。果実味は熟し、刺激の少ないしっかりした旨み。タンニンはまだ少し硬さはあるものの、出しゃばらずに味わいに重みを与えている。中盤からは弾力性が感じられる果実味が広がり、酸、旨み、タンニンが調和した味わいを形作る。

余韻は節度を持ちつつ重みのあるタンニンが収まると、熟した果実の甘みが口の中に膨らみ、ゆっくりとその容積を縮めていくようにゆっくりと引いていく。

カベルネ主体だが、思いのほか滑らかで柔らかな味わい。堅苦しくなく、余韻まで息を切らさない熟した果実味が印象的なワイン。誰もが美味しいと思えるワインなんだろうな。

【Cave de Terre淡路町店 5,500円】

2010年7月16日 (金)

クロ・デ・ガルヴェス1985 AC ラランド・ド・ポムロール

100218pomrol好みの傾向は間違いなくピノ・ノワールだけど、ボルドーも好きです。でもどちらかと言えば、肉厚なカベルネよりもしなやかさを感じさせるメルロー主体のワインが好きかも知れない。そうなると、ボルドーの基本として右岸地域のワインにより興味をそそられる。

メルロー主体のワインの最高峰は、サンテミリオンかポムロールということになるだろうが、ポムロールはなかなかに高価。その周りを囲む衛星地区のひとつとしてこのラランド・ド・ポムロールがある。

このクロ・デ・ガルヴェスは歴史も古く18世紀からこの地でワイン生産に携わっている。サンテミリオンにも畑を所有しているというから、メルロの扱いをよく知悉している造り手と言えそうだ。メルロ80%、カベルネ・フラン20%のセパージュのワインは?

色は薄濁りのほんのり赤みがさしたルビー色。エッジにはそれほど熟成感を示すオレンジが現れていない。香りはコーヒー豆、マロングラッセ、焼き栗、ビニル、カシスリキュールの香り。

口に含むとまず熟した果実の甘さを感じる。酸も瑞々しく、それでいて角が取れて柔らかい。タンニンは控えめだが、優しい甘さと柔らかい酸味を包み込むにはちょうどいいしなやかさ。複雑さはそれほどでもないが、20年を経ているとは思えない瑞々しさ、落ち着いた味わいの調和を十二分に感じさせる。

余韻も程よく細く長いしなやかな旨みが、きれいに細く伸びる酸とからみつつ、きれいな後味を演出していく。

重厚と言う訳ではないが、20年以上の時を経ても力を保つワインの素晴らしさを感じずにはいられない。そしてこの熟成ボルドーがこの価格で楽しめてしまう事に、本当に申し訳なさを感じる。作り手の手には一体いくらの収入が入っているのやら。。。Good JOB!

【Cave de Terre淡路町店 3,000円?】

2010年3月17日 (水)

シャトー・サン・ピエール1990 ACポムロール

100315ctsaintpierre ボルドーの中でもメルローの比率の多いサンテミリオン、ポムロールといった右岸地域のワインの方が好みかもしれない。早熟なメルローらしく若い時は若い時なりのつるっとした表面的な滑らかさは感じられるが、それが熟成と共にこなれてくると、覆っていた薄皮が取れたかのように繊細な旨みが前面に出てくるようだ。

このシャトー、同じ名前のシャトーが左岸にもあるけど、こちらはポムロール。当たり年の1990年で、20年を経て飲みごろになっていると思えるのだが、さてどうだろうか?

色はあまり熟成感が表面に出ていない、少し湿った感じの暗いルビー色。香りはプラム、ゴム、粒コショウの香り。

口に含むと穏やかな第一印象から、まだまだ若さを保った黒い果実の酸味が伸びてくる。タンニンがしっかりあるが、まだ固い印象で、すこしえぐみも感じられる。舌触りはなめらかで、粒子は細かい。大きな味わいが収まった後で薄皮のように広がる旨みがとてもきれいに口の中に広がる。

余韻はコクのある、程よい甘さを伴った心地よい旨みがきれいに広がり、そしてゆっくりと引いていく。

大きな味わいのワインではなかったけど、熟成の中でこなれながらも、まだまだポテンシャルを残したワインという印象だった。こういう味わいを楽しめることが、ボルドーワインの魅力でもあるんだろうな。

【Cave de Terre淡路町店 7,800円】

2009年11月13日 (金)

シャトー・グリュオ・ラローズ2004 AOCサン・ジュリアン

091105_2やっぱりボルドーワインは素敵だと思う。香りの複雑さ、舌触りのしなやかさ、味わいの滑らかさ、飲んだ時に思わず陶酔してしまうようなものが確かにある。

一時は高嶺の花的なワインも、価格的に落ち着いてきた。特に今店頭に入荷しているボルドーは、名が通っているものでも結構安くなっているようだ。

このグリュオ・ラローズもボルドーの格付け2級だが、最近はお手頃な価格で目にするようになっている。トップクラスの評価を得ている2級のワインに比べると、一段評価では劣る感じはあるが、決して悪い訳じゃない。ラベルにも「王のワイン、ワインの王」と掲げられている。

色は黒のつよい、濃厚で張りと深さのある暗い紫。香りはカシス、リキュール、下草、ドライフルーツ。土の香りよりも、熟した果実味の方が強く感じる。

アタックは滑らかでフルーティ。タンニンは細かく刺激は少ないが、重心の低さがありボリュームも感じられる。果実味の甘さもしっかりあり、タンニンとの絡み、バランスも品よくまとまる。欲を言えばまとまり過ぎて、高揚感がない。おいしいのだが、そこから抜けて心に残る、湧き立たせるものに欠ける感じは否めない。

しかし余韻まで程よい甘さを切らさない果実味が続き、その後には品の良いコクの深い旨さを舌の上にたっぷりと残して、その旨みが長い時間をかけてゆっくりと引いていく。中盤では控え目だったタンニンも最後の最後で底力を見せてくれる。

アタックから中盤まではまとまり過ぎて不満に感じるところもあったが、余韻の複雑さ、そして長さこそがボルドーの本領とすれば、このワインもまたボルドーワインの特質をしっかり持っていると思う。この余韻の長さ、心地よさ、ボルドーワインの他にはない楽しみはまさにここに違いない。

【Cave d'Orange 5,800円?】

2009年7月29日 (水)

シャトー・フルール・ドゥ・ジャン・ゲ AOCラランド・ドゥ・ポムロール

090726_4 メルローという品種が本領を発揮するのはボルドーを置いて他にはない、これだけは確信に近いと言い切れる。

カベルネ・ソーヴィニヨンとの相思相愛の相性、タンニンによる重心の低さと滑らかな果実味が重なって、一つの個性を形作る。これほど素晴らしい調和を形作るブドウを他には思いつかない。

ボルドーでも右岸の地域ではメルローが主体になる。その筆頭がポムロール、そしてそれに一歩も二歩も譲る評価だが、ラランド・ポムロールという産地がある。ポムロールよりは早熟のようだが、だからこそ魅力もあるはずだ。このワインはメルロー85%、カベルネ・フラン15%によるもので、この地にあっては砂利質の土地から生み出されるワインだということだが、さて?

色は深さと滑らかさが同居した暗く濃密なルビー色。香りはプラムジャム、ビニル、黒コショウ、杉の香り。

口に含むと旨みを含んだ伸びのある若い酸。タンニンは強くはないが細かで、しっかりした主張を感じる。バランスがよく、トマトソースのような甘さ、旨みが含まれていて若々しさがみなぎっている。深さはあまり感じないがこのワインにはそれは必要ないだろう。中盤までピュアな軽く干したフルーツトマトのような味わいが続き、それをバックのほのかな苦みが引き締める。

余韻は最後まで続く優しい酸味と、しっかりある果実味が心地よい後味を形作っていく。

ボルドーとしては若い軽やかなワインの範疇に入るんだろうが、しっかり旨みもあって暑い時期でも楽しめる赤ワインだと思う。メルローの優しさが十分表現されたワインといえそうだ。

【Cave de Terre 2,800円?】

2009年6月25日 (木)

シャトー・プリウレ・リシーヌ1996 AOCマルゴー

090619もともとこのブログは飲んだワインの備忘録、ラベルリストを作る代わりに書いているのが発端。で、昔書いた記事を読み返してみて驚くのは飲み過ぎで「使い過ぎ!」と思うのはいたしかたないとしても、あまりのボルドーワインの少なさ。

ボルドーが嫌いなわけではないが、ボトルで買ってまでという意欲がわかないのも確かだ。エノテカに行けば結構なボルドーをグラスで味わうこともできる。

しかし、たまには1本くらい腰を落ち着けて飲んでみようかという事で、久々にマルゴーを。1996年のボルドー4級、シャトー・プリウリ・レシーヌ。

オーナーが変わるとワインが変わる。それはサッカーでも同じ事でやはり資本力は無視できない。このシャトーも1999年にオーナーが代わって以降、醸造家のデュルノンクールをコンサルタントに迎えてからの評判は高い。では、1996年のワインとは?

色は少し薄曇りで、しっとりとした湿り気のある暗いルビー色。エッジにはオレンジのニュアンスが現われて、熟成した雰囲気を持っている。香りはカシス、ココア、バニラ、革。全体にすっきした柔らかな香りを放つ。

口に含むと直線的で伸びのある若い果実系の酸が入ってくる。そしてその直後に粒子は細かいが全体的に少し角の残るタンニンを感じる。果実味は中程度で、当初予想したような凝縮した味わいは強く感じない。しかしなめらかさと品の良さ、そして後半へとつながる旨みの持続性を持っている。

余韻は最後まで息を切らさない酸と、思いのほか力のあったタンニンが下支えとなって、心地よい果実の甘みを程よく感じさせながらゆるやかに収束していく。

もう少しボリューム感があるのかと思っていたが、線は細めでなめらかなワインだった。昔、飲み始めの頃はこの味わいこそがワインそのもの、という理解だったが他の地方をさんざん経験した今となってはそんな昔には戻れない?しかしたまには戻ることも必要、と思わせてくれるボルドーらしいワインだった。

【Cave de Vin 6,000円?】

2009年1月24日 (土)

シャトー・ベニティ2000 AOCサンテミリオン・グランクリュ

090120自分のワイン遍歴、最初はボルドーから入ったと思う。やはり5大シャトーは有名だったし、ワインといえばシャトーと名がつくと思い込んでいた。その後、もう一方の横綱ブルゴーニュを知り、そしてイタリアやスペイン、その他いろんな地方、いろんな品種を知っていくうちに、なぜかボルドーだけが空白になっていくような感じがした。

その内にボルドーがやたら高くなり、5大シャトーなんかは高嶺の花、格付けワインでさえも。。。って感じになり、ますますボルドーへの興味が薄れていたのは事実。でも最近、なぜかやたらボルドーを飲みたいという気分が増してきた。やっぱこれは年をとったせいなのか?

高くなったボルドーでも、まだまだお得感のある地域はある。ここサンテミリオンもまた、大きな産地だけにシャトーによって品質はまちまちなのかもしれないが、だからこそ自分の好みを探す楽しみもある。わからなければラベル買いでいい。価格3千円で外しても、後悔はさほど残らないはずだ。このシャトーも詳細データはインターネットでさえ不明。一応サンテミリオン生産者協会によるものとあるのだが?

色は色素の濃い凝縮感のある、暗めのルビー色。香りはラズベリーリキュール、ユーカリ、キャラメル、ソーセージといった、甘めの香りが強い。

口に含むと最初からかっちりした硬質のタンニンを伴った、メリハリの利いた酸が広がる。果実味もボリューム感は大きくないものの、よく締まった充実した味わいを持っている。ただ、その直後タンニンのこなれない部分が顔を出し始めて収斂感を引き出し、広がりかけた味わいを一時ブロックしてしまうのが残念。しかし、それを除けば甘みと旨みがよく乗っていて、軽快な味わいを中盤まで楽しませてくれる。

余韻は甘さが勝ち過ぎて上品とは言いがたいものの、それでも力のある旨みが口の中に広がり、なかなか消えない底力は印象的。全体には力強さを感じさせてくれる。

グレート・ヴィンテージと呼ばれる2000年だから、このクラスのワインでも十分な底力を感じさせてくれる。安い価格帯でもそこそこ楽しませてくれる安心感はボルドーならでは。だけど、ボルドーワインも年々甘くなっているような気はするな。昔飲み始めた頃って渋い印象しかないんだけど、これは味覚の変化だけで説明できるのか?

【成城石井三番街店 3,150円】

2008年3月20日 (木)

シャトー・フルカ・オステン2000 AOCリストラック・メドック

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こうして書き溜めてみるとボルドーが少ないなぁ、と思う。上品さよりもパワフルさを求めちゃうんで、勢いイタリアやローヌに目が向きがちだけど、ボルドーも嫌いなわけじゃない。ただやっぱ高くなった...

メドックは大西洋に注ぐジロンド河下流の左岸地区。そこにポイヤックやマルゴーといった最高級地区があるが、それはほんの一部。そこを取り巻くような地区からも最近は質の高いワインが産まれている。

リストラック・メドックはポイヤックやサンジュリアン、マルゴーの中間地帯にある。川沿いでなく若干内陸部に入ったところではカベルネ・ソーヴィニヨンを主体とした比較的早く飲めるタイプのワインが生産されている。このシャトーでも44haの畑はカベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロー40%、カベルネ・フラン10%の栽培となっている。

色合いは深く黒味の強い落ち着いたルビー色。エッジまで緊密に色素が入る。熟成を示す褐色味はまだ帯びてはいない。

香りは枯葉、マロングラッセ、カレー、ミント、バニラの香り。

アタックは柔らかな酸と緻密なタンニンが形作る渋み。穏やかな旨みがそれに続く。突出したものはないが、味わいの要素がうまくバランスしている。安定した落ち着いた味となっている。

余韻はやさしく程よい旨みが微妙な酸の収斂感と共にきれいに流れていく。

ボルドーらしい繊細さ、上品さを兼ね備えていて、充実した果実の旨みも感じられる。飛び抜けたものはないにしろ、全体の調和、やさしい安心感が得られるのはさすがボルドーワイン、ワインの究極の形がここにあるのかも。

【橘田酒店 3,000円】

2007年9月 3日 (月)

シャトー・ランクロ2005 AOCサント・フォワ・ボルドー

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久々のボルドーワイン。しかし有名どころではありません。全く無名。しかもAOCもサント・フォワ・ボルドーとある。正直聞いたこともない。

場所的にはボルドーを流れるガロンヌ河、ドルドーニュ河に挟まれた三角上の地帯、いわゆるアントル・ドゥ・メール地域の一角、北東部にあるAOCで、赤ワインの生産が多い。なぜ聞いたことのないAOCかというと、知名度が無いので名乗っても得が無い、むしろ法律によって生産量が抑えられてしまうので割に合わないといったところかららしい。

このシャトーもどういうところかはインターネットでも出てこない。たいていは引っかかるんだが、こういうことは初めてだ。フランスのガイドによると19世紀からある古いシャトーだとの事。

色は黄緑を帯びた照りのある金色。香りは栗、バニラ、キウイの香りがある。

最初の味わいはまろやかだがしっかりとした酸味、その後でさわやかでほどよい甘さ、若干の苦味も伴った心地よい旨みがある。スーッと入ってくる旨みだ。

余韻は長くない。若干酸の収斂感が口の中に残るが、軽快な後口はこのワインの好ましさをうまく締めくくっている。

無名で安いワインだけど、しっかりとした香りと旨みをそなえたスマートなワインだ。和食にもうまく合いそうなので、どっかで試してみたい。

【mAAn 1,200円?】

2007年6月17日 (日)

シャペル・ドーゾンヌ2001

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始めてオーゾンヌ絡みのワインを飲むことができた。サンテミリオンの格付けで最高峰となるプルミエ・グランクリュ・クラッセAはシュヴァルブランとオーゾンヌだが、どちらか一方となればおそらくはオーゾンヌに軍配があがることだろう。それは飛び抜けた価格に如実に表れている。

シャペル・ドーゾンヌはそんなオーゾンヌのセカンドワイン。セカンドとはいえ、初めて目にするワインだ。セパージュはカベルネフランとメルローが約半々で、年とともに変動があるようだ。低温で3〜4日かけて果皮の旨みを抽出した後に、樽で自然酵母により約1週間発酵。その間デレスタージュと呼ばれる、発酵中の果汁だけを抜き取って果皮や種子を空気中に触れさせるという手法を用いる。こうすると抽出されるタンニンがまろやかになるのだそうだ。なるほど、手間ひまかけている。

色は黒味のあるルビー色で、濃厚というわけではないが深みのある色合いだった。香りはブラックベリー、スパイス、若干鉄の香りもあった。

アタックにのびやかな酸を感じたのは少し意外だった。もっと重厚なのかと思いきや、素直な果実のうまさが先に立つ。
タンニンはきめ細かで、酸と共に伸びやかに口の中を広がっていく。そしてきっちりとした骨格があり、旨みの余韻がワインの味わいをきっちりと締めくくる。

セカンドながら、トップクラスのシャトー物に全く引けをとらない。熟成にも十分耐えるはずだ。これでセカンドなんだから、トップワインはどんなものだろうか?一度ぜひ飲みたいものだけど価格が...

【H19.6.16ワイン会にて A.Mさん持ち寄り】

2007年4月30日 (月)

パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー2004

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近くのビールバーBlissで休日ながらベルギービール飲み比べをさせてくれるという事で、万博でのフットサル帰りに直行。10種のビールを飲み比べたが、途中でわかんなくなってきてしまった。

一通り飲み比べた後でワイン好き、このブログにもコメントをくれたヒロさんのワインをいただく。ピノ好きという彼がセレクトしたのは意外にもボルドーのシャトー・マルゴーのセカンドワイン。

パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴーはカベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー40%のセパージュ。一口にセカンドワインといってもシャトーによってコンセプトが違う。品質向上のためにファーストワインの基準に満たない樹齢の低い果樹、立地条件の悪い畑、樽の状態などで振り分けていく場合であればいいのだが、販売目的で品質の低いワインをセカンドワインとして大量に売る場合もあり注意が必要だ。パヴィヨン・ルージュはシャトー・マルゴーのセカンドワインとして、著名な評論家ジャンシス・ロビンソンはボルドーメドック格付け4級相当に評価している。

色合いは紫の色調が強いルビー色。濃厚で凝縮した感じが強い。しかし香りは若々しく、ベリー、アメリカンチェリー、カカオ、スモーク香があった。

アタックはしなやかで、酸もやわらかく穏やか。フルーティな飲み口で複雑さは感じないが、凝縮した果実の旨みがつまっている。雑味も殆ど感じさせない。

タンニンも酸にうまく溶け込んでおり、細やか。余韻は重厚ではないが、果実の旨みが細く長く続いていく感覚だ。

2004年はまだまだ若いが、今飲んでもその若さゆえの味わいが十分楽しめた。熟成も楽しめるかもしれないが、早めに飲んだほうがこのワインの魅力を味わうことが出来そうだ。そしてセカンドワインの魅力は実はそういうところにあるのかもしれないと思った。

まずはごちそうさまでした!やっぱボルドーいいっすね。

2007年4月13日 (金)

シャトー・ブラネール・デュクリュ2004

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たまには王道のボルドー、シャトーものも飲みます。

このワインはメドックの格付け4級。ラベルがあまりに愛想ないのでメジャーな人気には全く欠けるが品質への評価は高く、現在では3級並の評価を得ているようだ。

メドックの中でもサン・ジュリアンは酸とタンニンのバランスがよく、余韻もきれいだ。五大シャトー、ムートン、ラトゥール、ラフィットを擁するポイヤックはシャトーによる実力がかなり違うし、熟成を経ないとその実力が発揮されない、いわば「人見知り」するワインだが、サン・ジュリアンは若くから楽しめるやさしさにあふれたワインだ。品質も比較的そろっているので、安心して楽しめるところもいい。

香りはチョコレート、ゴム、タバコ、黒胡椒と、甘いながらも「ひねた」香りだ。アタックは優しく甘さも感じたが、その後すぐにやってくるタンニンがかなり強い。もっとバランスしているかと思っていたが、思いの外収斂性のあるタンニンが強い。すこしよごさもある。まだまだ若さゆえの荒々しさだろうか。カベルネの比率が大きい印象だ。(2003年データでカベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー22%、カベルネ・フラン5%、プティ・ヴェルドー3%)

余韻も渋さが勝って、舌の側面を絞られるかのような感覚だ。でもカカオ89%くらいのブラックチョコを食べたときのようなフレーヴァー、口の中に残る香りは心地よい。この余韻を含めた多面性がボルドーワインの持ち味だ。

バランスが持ち味のサン・ジュリアンだが、このワインに限ってはそうともいえなかった。タンニンが勝ちすぎの印象はぬぐえない。2004年のヴィンテージがそうさせるのか?

なかなか定評どおりにいかないのがワインの難しいところであり、面白いところでもある。若干負け惜しみも入ってるかもね。

【阪神百貨店 4,400円?】

PS 一日置いたらエグみもとれてまろやかになりました。
   ボルドーワインと付き合うには気長な時間も必要ということで。

2007年4月 8日 (日)

シャトー・ラ・セール1994

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たまにはボルドーものが飲みたくなる。特に休日の夜、ゆったりしたいときにはやはり余韻の長いボルドータイプがピッタリだ。でも高いので、そうそうグランシャトーは手が出ない。

比較的安くておいしいボルドーを探すとなると、サンテミリオンはまず一番の選択肢だ。まず第一に5大シャトーを擁するメドック地区よりも全体的に価格が安い。第二にメドックに比べると知名度は譲るところがあり、そのため生産者は品質に力を注いでいる場合が多い。そして第三にメルロー主体の産地だから比較的早飲みできるタイプのものが多く出回る。

しかし当然そこはボルドーだから、長期熟成にも耐えられるものが多い。このワインも知名度こそないが1994年で価格もそこそこ。これならハズレてもショックは少ないというものだ。

シャトー・ラ・セールは家族経営、16世紀末の修道院跡に立てられたシャトーで伝統的なスタイルのワインを造ると定評があり、作付面積はメルロー80%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%となっている。

10年を経ており全体に褐色味を帯びてはいるが、それほど熟成が進んでいるとは思えない。深みはあるが明るさのあるルビー色だ。

香りはまずは甘いベリーの香りがする。そのバックには若干血や金属を思わせる香り、樽香も感じられる。メンソール的な香りもするのは、思ったよりカベルネの影響が強い現われか?

飲んでみるとアタックは柔らかいが、酸もタンニンも実はしっかりしている。特にタンニンの収斂性が思いのほか強い。カベルネの影響がやはり強いかと思う。タンニンがしっかりしているので、酸が控えめに感じられるが、バランス的には整っている。ボディの膨らみ、凝縮感には欠けるが、しなやかなメルローをうまくカベルネが補って、全体に骨格のしっかりしたワインを形作っていると思う。

余韻は若干細い印象はあるが、心地よいうまみが口の中に細く長く続く。きれいなフィニッシュ感があるので、飲み飽きない。

サンテミリオンらしい優しさに熟成感もプラスして、好感の持てるワインだった。メドックの重厚さもいいが、サンテミリオンのしなやかなボルドーを飲むと、やはりボルドーワインの懐の深さを感じずにはいられない。

【成城石井梅田三番街店 2,500円?(ハーフボトル)】

2007年1月 8日 (月)

シャトー・フェリエール1997

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メドック格付け3級。ACマルゴーで、メドック地区でも最小の畑で、生産量も4000ケースと少ない。1級のシャトー・マルゴーが約30,000ケースだから、かなり少ないのがわかる。

畑が小さいので、小規模シャトーながら畑に除草剤を使用していないのだそうだ。マルゴーのような1級シャトーは、財力があるのでできるが、通常のシャトーであればなかなかできない。

ワインはなかなか硬質。きれいな酸の中にキメの細かいタンニンが溶け込んでいるので、口にするりと飛び込んでくる。甘い黒すぐりの香りが支配的だが、バックにはハッカ、土を思わせる香りも感じる。

余韻も軽やかであるが長く続く。決して重厚ではないが、ボルドーらしいうまさを備えたワインだと思う。

カベルネソーヴィニヨン85%、メルロー15%(2002年時点)

【購入データ 約2,700円(ハーフボトル)】