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カテゴリ「ワイン フランス ローヌ」の47件の記事 Feed

2015年3月28日 (土)

ジョルジュ・ヴェルネイ フルール・ド・メ2010 ヴァン・ド・ペイ・デ・コリーヌ・ロダニエンヌ

150328fleuresdemaiポカポカ陽気で、気分もすっかり春。桜も一気に開花し、これからはワインも白への傾斜を深めていく季節なのかもしれないが、それでもあえてしっかりめの赤ワインを飲みたくなる時がある。

元々ワインを飲み始めの頃から愛着のある品種シラー。スパイシーな香りを放つそのワインは、ブルゴーニュやボルドーなど、ワインを良く知らなくても名前だけは知っているような頃の自分にとって衝撃的なものだった。赤で言えばシラー、白ならばゲヴュルツ・トラミネール、この二つによって、ブドウ品種がワインにとって大きな要素であることを認識させられた。そして今に至っている。

ジョルジュ・ヴェルネイはコンドリューで有数の作り手として名高いが、コート・ロティ、サン・ジョゼフでシラーによる赤も造っている。このワインは「フルール・ド・メ」、直訳すれば5月の花、英語ではメイフラワー、日本ではサンザシと呼ばれる植物の名を持っている。かつて畑に植えられていたセイヨウサンザシに由来するものだろうか。シラー100%で、7か月の樽熟成を経ている。

色はかなり濃い目の黒味がかったルビー色。香りは黒胡椒が強く放たれ、カシス、スモーク、ベーコン、錆釘のような金属的なニュアンスも感じる。

口に含むと柔らかでピュアなベリーのまろやかな酸味が入りはゆったりと、そしてやがてきれいに立ち上がってくる。角が取れた丸みのあるボディが口腔を撫でるような感覚が心地よく、中盤には浮き立つスパイシー感が複雑さを表現してくる。アルコール感を感じさせない柔らかさが透徹し、野性味と品性が同居するような印象が後半に訪れ、伸びやかな酸味に導かれたコクのある味わいが裾野を広げていく。

余韻はふくよかなベリーの旨味が自然に昇華していき、雑味を残さずあっさりとした切れの良さを感じさせてフィニッシュする。

シラーの個性を全面に感じさせながら、力強さだけで押さずに後半のフィネスにつなげていく展開はお見事。フランスのシラーのお手本をこの価格帯で提供してくれるのはありがたい。久々に満足の低価格シラー、Good JOB!

【R -the wine shop-(ジェロボーム) 2,500円?】

2014年12月29日 (月)

ドメーヌ・デュセニュー クローズ・エルミタージュ ルージュ2013 AOCクローズ・エルミタージュ

141229duseigneurclozesermitage自分が最も思い出深いワインを1本挙げることになれば、ワインにはまるきっかけともなったアラン・グライヨのクローズ・エルミタージュ1990を選ぶことになる。その濃密な果実味と、スパイスやハーブを漬け込んだかのような味わいは、それまでに飲んでいたワインとは全く異なり、当時の印象が今でも鮮烈に蘇ってくるほどのインパクトだった。

そしてそれ以来、そのワインを醸したシラーという品種にも魅かれ、数々のワインを試してきた。しかし、アラン・グライヨでさえも近年は当時に比べるとまろやかな造りに変わってきたように、ワインもまた世代の移り変わりとその時の一般的嗜好によって変わるものなのかもしれない。当時のワインを彷彿とさせる勢いの良さ、パワフルなシラーにはこのところ巡り合っていなかった。

その中で最近かなり近い味わいを思い起こさせてくれたのが、このドゥセーニュという造り手のクローズ・エルミタージュ。設立は1967年のワイナリーで、創立者のジャン氏は元々アルジェリアでブドウを栽培していたという。そしてそれ以来、当時はまだ確立していなかったが、ビオディナミに近い自然農法を実践して畑を開拓、2004年からは完全にビオディナミに移行して今に至っている。そして2007年からは1992年の世界ベストソムリエ、フィリップ・フォルブラ氏が醸造に参画しているとのこと。

色は濃密かつ凝縮度のある黒味の強いダークルビー。香りはスパイスが全面に出て、ジャーキー、生肉の獣香、マッチ箱、漢方薬の香りも感じられる。

口に含むと濃縮されたベリーの果実味と、伸びのある酸味が一挙に勇んで飛び込んでくる。その勢いに伍するタンニンはやや粗削りだが、その量と共に序盤のインパクトを支配。それらの展開がひと段落すると、一転して穏やかな甘みが果実味から引き出され、ベースにやや粉っぽさのある苦みが座りつつ、中盤の落ち着いた味わいへとつながっていく。

余韻は最後まで伸びやかな酸味がビターな苦みと密接に絡み合いつつ、なだらかな収束感を残しながら引いていく。

自分がクローズ・エルミタージュに対して抱いていたやや粗削りな印象、ボリューム感、スパイス感の3つを併せ持ったワインに出会えて、非常に嬉しい。これからの展開が楽しみなワイナリーの一つになった。Good JOB!

【パントリー新大阪店(モトックス) 3,200円?】

2014年8月10日 (日)

フレデリック・コサール ラシラー・ド・タレス(2012?) ヴァン・ド・フランス

140809fredericcossardsyrah_2夏の暑い時期に赤ワインはなかなかチョイスできないけど、このワインに関しては迷わず購入。エティケットを観ればすぐにわかるフレデリック・コサールのシラーとなれば。

ブルゴーニュの自然派の筆頭にも挙げられるであろうフレデリック・コサールがローヌの畑で栽培したブドウを、わざわざブルゴーニュに持ち込んで醸造した変わり種故に、法律的にはヴァン・ド・フランスしか名乗れない。運ぶだけの手間をかけてまで自らのカーヴで醸造するところに彼のこだわりが感じられる。

色は濃密で黒味の強いダークルビー。ディスクは薄めで、粘性も強くない。香りは荒削りの胡椒の香りが強く放たれ、ブラックカラント、カシスリキュール、黒オリーブ、杉材の香りも感じられる。

口に含むと濃密な果実味と、その中でも失われない芯のある酸がエネルギッシュに現れる。濃密だが、節度を失わず無理のない味わいはエレガントな酸が調和を保つ役割を明確に果たしている。タンニンもやや粗さはあるが粒子が細かく、全体の均整さを損なわずに後半に向けた優しいフォルムを形作る役割を果たす。前半のボリューム感に比べて終盤に向けた抜けの良さが印象的。

余韻は熟したベリーの甘みが全体に昇華していく切れの良さを演じつつ、品の良いフィニッシュに至る。

シラーらしいボリューム感を出しながら、フィネスを失わないところにコサール節が感じられる。月並みな表現だけど、ローヌとブルゴーニュの合作を素直に感じさせるワインと言えるだろう。

【エーテルヴァイン岡崎店 3,000円?】

2014年4月10日 (木)

セドリック・パルペット コート・ロティ モンマン2011 AOCコートロティ

140409parpettecedric自分が最も愛するブドウ品種であるシラー、その最高峰と言えるのはエルミタージュと、そしてコート・ロティ。自分は特に後者に魅かれるのだが、それはシラーの時として暴力的とまで思える個性をヴィオニエが優しく包み込む、エネルギーを秘めつつ抑制することを覚えた大人の味わい故だ。

しかし、昨今のコート・ロティはシラー100%で造られることが多くなっているように思える。この聞きなれない作り手のロティもまたシラーによるものだ。セドリック・パルペットは元々ワイン造り農家に生まれたわけではない。義理の父が放棄された畑2.5haを1986年に購入して、しばらくはネゴシアンにブドウを卸していたのを、2003年にセドリックが受け継いで自らワインを醸し、自らの名でワインを世に送り始めた。

ブドウは100%除梗、コンクリートタンクで発酵させ、清澄なしで12から14か月の間異なる年代の228リットル古樽で熟成させる。

色は赤紫が強く感じられる、やや若い色調のルビー。香りはシラーらしい胡椒、焼芋、ビスケット、黒オリーブ、ゴム、プラム。

アタックはピュアで浸透力のある酸味に、スパイシーさを伴った黒味の果実味がバランスよく押し出す。序盤から中盤は一転して優しい整った味わいが広がってくるが、ややおとなしくまとまり過ぎている感じもする。調和かつ洗練された味わいは不満を感じるという性質ではないが、スケール感と掴み取るような迫力を加えれば、より深みと説得力をえるだろうと思えるポテンシャルを期待させる酒質。

余韻はロースト香が満ちつつスパイシーなシラーらしい味わいをしっかりと主張して、フルーティで綺麗な後味を残しながら潔く引いていく。

シラーの特徴を前面に出しつつ、ロティの気品も演出しようとする作り手のコンセプトがよくわかる味わい。ただ、一方で印象に残るかと言えばやや希薄な感じもするので、今後は個性をどれくらい表現できるかだろう。全体的には価格を考えれば良質なコート・ロティと言える。今後のポテンシャルに期待したい。

【Cave de Terre淡路町店 5,000円?】

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2013年9月17日 (火)

ドメーヌ・サラダン シュベイロン1422 2006 ヴァン・ド・ターブル(ローヌ南部)

130910saladinようやく赤ワイン、シラーの季節到来という事で、ワインショップに行っても珍しそうなシラーがないか物色するようになってきた。このワインもその一つ。セパージュがシラー95%、ヴィオニエ5%ということで、所謂コート・ロティタイプの赤だが、AOCに該当せず、テーブルワイン扱い。これはいかに?

このワインが生産されるのは、グルナッシュ優勢のローヌ南部。その北端にあるコート・ド・トリカスタン地区を少し西に行ったアルデッシュ地域にこのドメーヌ・サラダンはある。つまり、この地区では赤品種のシラーに、白品種のヴィオニエを混ぜてワインを作ると、AOCを取得することができない。従って、テーブル・ワインの扱いを甘受することになる。

そんなサラダンだが、歴史的には15世紀までさかのぼることができ、畑は一切化学肥料を使っていないそうだ。今は若い二人の娘さんが、このワイナリーを守っているという。このワインは平均樹齢40年、無農薬有機栽培のブドウを用い、天然酵母によりコンクリートタンクで発酵、その後マロラクティック発酵を経て2,300リットルのオーク樽で9か月間熟成させる。新樽は用いていない。このワインの名前は、公文書に1422年に取得したと記録されるブドウ畑にちなんでいる。

色は黒の色素がしっかりした紫。少し薄曇りの感がある。香りは赤い花、プラム、ワインの木箱、黒胡椒、マッチの香りも感じられ、スパイシーさが前面に出ている。

口に含むと濃密な黒ベリーの果実味が感じられ、その果実味をまとめるように酸味が広がってくる。果実味は北部より、より南部のシラーに感じられる大らかな感覚。若干果実味の厚さ故のざらつきを感じるところがロティとは異なる点か。樽からくる渋みももう少し柔らかいとより好ましく感じる。力強さが出てきそうな果実味をヴィオニエで調和させる試みは成功しているといえるだろう。後半にはスパイシーさと、粉っぽい苦みと共に穏やかな旨味が広がり、豊かな酒質を残す。

余韻はやや渋みとビオの感覚が残るが、穏やかな果実味をたたえつつ、力強さを感じさせながらゆっくり引いていく。

それぞれの個性がまだ昇華しきれず、全体の調和という点では今後に期待したいところだ。しかし、こういうロティタイプ、赤と白の混醸というコンセプトはワインのさらなる世界の拡大として歓迎したいし、ぜひとも成功させてもらいたいと思う。

【Cave de Terre淡路町店 3,500円?】

2013年8月 5日 (月)

ジャン・ルイ・シャーヴ エルミタージュ ファルコネ2007 AOCエルミタージュ

130804hermitage少し暑さも和らいだ感のあるこのところ、最近はビールばかり飲んでいたので、この機に少ししっかり目の赤を飲んでみることに。で、それならとこのローヌの名手、ジャン・ルイ・シャーヴのお手頃なネゴシアンもののエルミタージュを。

エルミタージュと言えば、やはりジャン・ルイ・シャーヴが筆頭に上がるだろう。それ故に、価格も相応するが、このネゴシアンものはやや安価で楽しめる。しかし選ばれたドメーヌとの間で細かな管理のもとに生産されるので、品質は信頼がおけるはず。

色は濃密だが、艶と張りのある鮮やかなダークルビー色。香りは甘いベリー、ラズベリージャム、黒オリーブ、黒胡椒、バックに土の香り。

口に含むと瑞々しい酸味を伴ったベリーの旨味が濃密でインパクトを持って迫る。その酸は高めながら角が取れ、稠密な果実味を包み込む余裕を持っている。ボリューム感自体は中庸でこじんまりとしているが、バランスよくベースにしっかり感じられるスパイシーさがシラーらしい個性を展開する。中盤から後半にかけて広がる繊細なベリーの熟した旨味が心地よく、堅さを感じない酒質も好ましい。

余韻は綺麗で程よい甘みが残る完熟ベリーの旨味がなだらかな水平線のように広がり、穏やかな後味を作りながら、優しくゆったりとビロードのような感覚で引いていく。

全体のまとまりと、緻密な構成を同時に演出したよくできたワインだと思う。シラーらしいスパイシーさと、熟した果実味の調和をここまでネゴシアンとして演出できるのは、さすが盟主ならでは。まだまだ熟成できるポテンシャルがあるけれど、この時点でも十分美味しくいただけました。

【Cave de Terre淡路町店 6,000円?】

2013年5月31日 (金)

ドメーヌ・ベル クローズ・エルミタージュ レ・ピエレル2009 AOCクローズ・エルミタージュ

130531domainebelle夏こそシラー。シラーという品種の個性は、実は夏こそピッタリくると思っている。暑い夏を乗り越えるスタミナを蓄える時はやはり肉なのだが、自分は肉を食べるときにはシンプルに胡椒を利かせて焼くのが好きなので、それに合わせるのはまず第一にスパイシーなシラーという事になる。

シラーに関してはフランスのトラディッショナルなタイプが好きだ。オーストラリアなどの、いわゆるシラーズはスパイシーさよりも果実味の厚みが主体で、品種は同じでもキャラクターはかなり異なる。フランスのシラーでも、よりリーズナブルで胡椒のニュアンスがしっかり出ているのは、クローズ・エルミタージュかもしれない。

ローヌの銘酒、エルミタージュを囲むように広がるクローズ・エルミタージュはローヌ北部の最大生産地区だから、生産者によって質がかなり異なる。このドメーヌ・ベルは1990年から生産者組合から独立し、自社でワインを醸造する。農法はリュット・レゾネ。

色は濃厚で凝縮感のある暗いルビー色。香りは干しプラム、胡椒、焼き芋、バニラ、カステラ。

アタックは柔らかな酸味がしなやかに舌先を包む。温かでほっこりした酸が心地よく、熟して密なベリーの果実味と調和し、上品な味わいを形作る。タンニンは緻密だが若干青さが残るものの、それも気になるほどではなく、むしろこのワインの個性、アクセントとして好ましく働く。中盤から後半にかけて広がる優しい甘みは、チョコレートのデザートを食しているような幸せな感覚を演出する。

余韻は完熟ベリーの、落ち着いた酸味を伴った甘みが広がり、雑味のない綺麗な味わいを残しながら引いていく。

シラーらしい野性味は少し抑え気味で、完熟ベリーの果実味を前面に押し出した印象。最近のローヌ北部のワインはこういうしなやかな印象のワインが多くなっているのも、最近の嗜好に合わせたものかもしれないが、自分としてはゴリゴリ押してくる野性的なシラーがスキかもしれないな。

【阪急百貨店本店 3,000円?】

2013年2月20日 (水)

アラン・グライヨ クローズ・エルミタージュ2008 AOCクローズ・エルミタージュ

130220alain自分にとって最高のワインを問われれば、おそらく迷わずにこのワインを選ぶことになるだろう。アラン・グライヨ、クローズ・エルミタージュ。そのワインはその地においては有数の作り手のワインではあるが、決して一般的には最高という評価ではないだろう。しかし自分にとっては、ワインというものの奥深さ、個性、そして何よりブドウ品種による違いを知るに至った、決定的なワインだった。

それから既に10年以上の月日がたてば、飲む方も造る方も相応に年を取ってくる。飲む方も嗜好が変わるだろうし、まして造る方は代も代わればスタイルも変わる。ワインとは決して不変ではない。アラン・グライヨも毎年飲んではいるが、最初に飲んだころに感じた破壊的なほどの凝縮感は徐々に影をひそめ、より良い修飾語を用いれば洗練性を増している。今回の2008年、ローヌでは平均的な年として評価されているが、どうだろうか。

色は濃く、沼のように奥深いダークルビー。香りは黒胡椒の香りが直線的に立ち、削り節鉛筆の削りかす、枯葉、樽酒のような香りが感じられる。果実の香りは控えめで、焦がした香りが強く感じられる。

口に含むと直線的な若い完熟手前のベリーの酸が突き進んでくる。その酸に溶け込んでいるタンニンは細かだが、存在感があり、高めの酸を落ち着かせる。まだ角があり、やや硬めの酒質だが、口の中に広がるスパイシーかつスモークな香りが大きく膨らみ、懐の深さを感じさせる。後半に座ってくる果実味は均整がとれており、香ばしさと相まってふっくらしたボディを形作る。

余韻は最後まで伸びやかな酸味が口の中を引き締め、強靭な旨味とスモーキーな雰囲気を残しながら長く優しく引いていく。

ここしばらくのヴィンテージは洗練しすぎて物足りない感じを持っていたのだけれど、このワインは繊細さとかつての強いスパイシーな個性がうまく両立してきているように感じた。これも深化だろうか。新しいヴィンテージも試してみないとね。

【Wineshop FUJIMARU 3,200円?】

2013年1月 1日 (火)

ギガル エルミタージュ・ブラン2007 AOCエルミタージュ

130101ermitage2013年が幕を開けた。今年もよろしくお願いします。

新年最初のワインは、実はアンジョリーノ・マウレのサッサイアだったんだけど、家呑み初のワインに選んだのは、ローヌ好きの原点に返っての超大手、ギガルのエルミタージュ、それも白にした。

ギガルは言わずと知れたコート・デュ・ローヌの大手にして盟主。ローヌにあって、オーソドックスなAOCコート・デュ・ローヌから、クローズ・エルミタージュ、エルミタージュ、サン・ジョセフ、ジゴンダス、シャトーヌフ・ド・パプ、コンドリュー、ローヌの最高峰コート・ロティでは村名から単一畑まで、全てにわたって幅広く生産している。しかも品質は高く、自分がワインを飲み始めたころのローヌはこのギガルしか目にすることがなかったので、とてもお世話になった作り手でもある。このエルミタージュ・ブランはマルサンヌ97%、ルーサンヌ3%によるもの。

色はねっとりした質感を持った濃いゴールドイエロー。香りはむせ返るほどの濃密な黄桃シロップ漬、アプリコットジャム、バナナ、パイナップルのトロピカルフルーツのニュアンスが強く出ている。そのバックにオーク、ママレード、ワックスの香りが感じられる。

口に含むと柔らかく包み込まれるように熟したトロピカルフルーツの旨味が広がる。酸味は果実味に隠れてそれほど目立たない。おおらかで厚みのある豊かな味わい。濃くも甘みが過ぎず、中盤にかけて自然にほどけてるように消えて、後に繊細な旨味だけを残す構成が妙。凝縮感はそれほど強くないが決して緩みはない。

余韻は缶詰の果物を食べたときのような甘みが優しく残り、心地よいコクを残しつつ長い味わいを残していく。

新年のリラックスした気分を表現するにはちょうどいいワイン。今年もローヌワインをいろんな場面で味わいたいものだと思うね。

【Wineshop FUJIMARU 5,000円?】

2012年5月18日 (金)

シャプティエ シャトーヌフ・ド・パプ ラ・ベルナルディーヌ2007 AOCシャトーヌフ・ド・パプ

120518chateauneuf自称ローヌ好き、好きなワインと聞かれれば、イタリアを差し置いて迷わず「ローヌ」!と答えるのは、自分をワインに導いてしまった運命のワインがまさにフランス、ローヌの赤であったから。しかし、その時のワインはシラー100%だったので、もう一方のローヌの雄、グルナッシュとは未だに相性が悪い。

実はローヌ好きの人の中でも、グルナッシュの方に軍配を挙げる人が多いような気がする。ほっこりした甘みをたたえた果実味と、豊かなボリューム感が熟成を経るごとにこなれて、絶妙な味わいを醸し出す。熟成を経た味わいは、グルナッシュ苦手の自分が飲んでも確かにうまいと思う。

そんな自分だが、珍しくグルナッシュが飲みたくなったので、このワインを選んでみた。安定感抜群のシャプティエによるグルナッシュ100%のシャトーヌフ・ド・パプ。

シャトーヌフ・ド・パプの赤ワインは13種類の品種をブレンドして醸造できることで有名だが、シャプティエはグルナッシュ単一で作ってくるところに特徴がある。それほど、シャトーヌフ・ド・パプは作り手による違いが大きく、一つのワインを味わって全てを理解したように語ることはできない。

色は黒味の強い、懐の深さと奥行きを感じる落ち着いたルビー色。香りはプラム、バニラ、スミレ、スパイス、天津甘栗、バックには革の鞄のような香りも感じられる。

アタックは穏やかだで細だが緊密な酸と、旨味のある柔らかな果実味が最初から螺旋のように絡み合い、穏やかな酒質とともに体に染みるように入ってくる。ボリューム感は中程度で、若干面白みに欠ける感はあるものの、バランスの良さが心地よく、穏やかな心地を誘う。タンニンは少なく、全体にこじんまりとはしているものの、果実味、スパイシーさ、アルコール感の要素が万遍なくちりばめられ、中盤から広がる優しい甘さもきれいで、くどさはいささかも感じられない。

余韻は少しほろ苦い感覚も残しながら、切れの良い甘さがふんわりと口の中に広がりつつ、緩やかで包容力のある味わいの印象を残しつつ、きれいにゆるやかに引いていく。

ガツンと来るようなインパクトのあるワインではないが、さすが名手のワインと言えるバランスの良さと、後味の潔さを保っているワイン。グルナッシュ苦手な自分もたまにはグルナッシュがいいかな、と思わせてくれるのはさすがだな。

【大丸梅田店 5,250円】

2011年12月24日 (土)

ギガル コート・ロティ ブリュンヌ・エ・ブロンド2002 AOCコート・ロティ

111222rotie_3ワインがそれほど好きじゃない人もラベルくらい見たことのあるワイナリーがあるんじゃないだろうか。フランスならばまずはボージョレーのデュビュッフ、そしてその次はここ、ローヌのギガルが来るような気がする。

ローヌでは名手にして盟主のギガル。ここコート・ロティでも生産本数はダントツで10万本を超えてくる。自社で畑を持つだけでなく、契約農家からブドウ、ワインを買うネゴシアン(酒商)でもある。

コート・ロティは大好きなアペラシオンで、シラー主体だが特別に白ブドウのヴィオニエをまえても良いことになっている珍しい地域。この地域でも最も有名な畑がコート・ブリュンヌとコート・ブロンドで、昔領主が茶髪と金髪の娘に領地を与えたことからこの名がついたという由来がある。その名の通り、ブロンドが軽やかで、ブリュンヌが力強いワインを産むのだそうだ。

色は濃厚で黒味の強い質感のあるルビー色。香りはカシスリキュール、黒こしょう、革、ゴム。

口に含むとしっとりした酸を感じ、その後に熟した黒い果実の甘みがじっくりとしみてくる。タンニンは細かく密。大柄ではないが、求心力と内に詰まった凝縮感がある。中盤はスパイシーな香りが口の中に満ち、干しイモをあぶったような香ばしさも感じられる。力強さはあるが、決して力だけで攻めてこない柔らかな味わいはヴィオニエによるものだろうか。

終盤はまだ少し硬さの残るタンニンの収斂感を感じるものの、熟したベリーの旨味が真の通った柔らかな酸味に絡みつつ、程よい甘みを残しながら長い余韻を形作っていく。

結構今まで飲んでいたんだけど、読み返してみるとこのブログでギガルを取り上げるのは初めてだった。それほど当たり前、定番の作り手だけど、それには理由があるとやはり思わせる充実感のあるワインだった。

【やまや堂島店 5,800円】

2011年12月 5日 (月)

マリー・エ・ピエール・ベネティエール コンドリュー2005 AOCコンドリュー

111203condrieuヴィオニエというブドウ品種は決してメジャーではない。しかし最近流行の品種で、フランス南部、カリフォルニア、オーストラリアなどではよく見かけるようになった。しかし、その最高峰はやはりフランス・ローヌの一地域、この品種を守り続けてきたコンドリューに違いない。

赤ワイン主体の中のローヌ地域の中で、このコンドリューだけがヴィオニエ100%の白ワインを造り続けていることは不思議な話だ。ヴィオニエは栽培が難しい品種で、結実不良が起こりやすく、栽培する農家にとっては厄介な品種だから一時は衰えたが、このブドウの持つ華やかな香りとふくよかな果実味に惹かれて、最近ではニューワールドを中心に栽培面積を伸ばしているようだ。

ベネティエールはこの地で1980年代に生産を始め、野生酵母による発酵、ワインに人工的な添加物を加えずバリック熟成、そして無濾過で瓶詰めされている。

色は茶色がかった艶のある黄金色。香りは干しマンゴー、リンゴ、アプリコット、バターサンドの香り。少し曇ったスモーク香も感じられる。

口に含むとまずはしっとりしたオイリーな感じの質感を感じ、その直後から柑橘の皮のようなほろ苦さのある凝縮した果実味が、柔らかで控えめな酸に導かれて広がる。酸化熟成のニュアンスが少し強く出すぎているような感があるが、ボディはふくよかで厚みが感じられる。ベースの苦みが最後まで味わいを引き締め、グリップを効かせる。

余韻はベースの苦みがしっかり後味を支え、ドライフルーツの食後感のような穏やかな甘みが口の中に膨らみ、そのまま優しくゆったりと引いていく。

ヴィオニエの特徴ともいえるベースのほろ苦さがよく効いているし、コンドリューにしか出せない凝縮した味わいが表現されたワイン。この味わいは好きなんだけど、もっと安く体験できたらいうことないんだけどなぁ。。。

【Cave de Terre 淡路町店 8,000円】

2011年7月 7日 (木)

ドメーヌ・ミシェル・エ・ステファン・オジェ ラ・ロズィーン2007 ヴァン・ド・ペイ・デ・コリーヌ・ロダニエンヌ

110704michelogier暑い夏には熱いもの、ということであれば、暑い夏には濃いローヌワインという組み合わせもあながち間違いとは言えない。いや、時として濃いワインを無性に飲みたくなる時があるのも事実なのだ。

ということで、この週末に開けた赤ワインはローヌの名手としての定評も固まったミシェル・オジェのヴァン・ド・ペイで出されたシラー100%ワイン。

ミシェル・オジェはコート・ロティを本拠とするが、本格的に有名になったのは2000年に入ってからで、息子のステファンがブルゴーニュでワインを学んで本格的に醸造の道に入ってからその評価を高めた。コールド・マセラシオン(低温浸漬)などの技術を導入して造られるワインは、果実味を保ちながら上品さを併せ持つワインとして新たなコート・ロティ像を打ち立てた。

このVDPはロティの畑の南にある急斜面の畑で平均10年から15年の若木のシラーによるワイン。ステンレスタンクでの発酵後、14か月を樽で熟成させ、清澄濾過は行わない。

色は濃密で凝縮感のある、落ち着いたルビー色。香りはシラーらしいスパイスの香りが強く出ており、その中にプルーン、スミレ、タール、スモーク香が感じられる。

口に含むと濃厚な果実味がまず力強く迫ってくる。その果実味に溶け込んだ鮮烈な酸味は少し刺激もあるが勢い良く広がり、口の中を引き締める。濃厚かと思っていた果実味は意外にコンパクトで、鈍重な甘さを感じさせない。全ての要素にエネルギーが感じられるが、そのエネルギーが野放図に発散されることなく、一つの枠の中に収まる構造が飲んでいて感じられる。凝縮度の高さと緻密な構造が両立し、そこでは隠しおおせない粗さもまた魅力の一つとして感じられるほどだ。

余韻はスパイスを漬け込んだようなエキス分の濃い味わいが、重さを感じさせずに口の中にしっかりと残り、最後まで息を切らさないわかめの酸が後を受け継いで堂々とした味わいを締めくくっていく。

それぞれの要素のボリューム感は大きいが、全体の味わいとしてはきっちりと上品さを失わない範囲に仕上げる。則を超えさせない、計算された醸造家の技を感じさせるスーパーVDPといったところかな。Good JOB!

【横浜君島屋 3,500円?】

2010年12月11日 (土)

ドメーヌ・ジャメ コート・ロティ2004 AOCコート・ロティ

101211rotie12月に入り、ボーナスもいただきました。職場が代わった時はどうしようか、と思ったけどなんとか6ヶ月やってこれて幸甚幸甚。

お疲れさんの慰労も兼ねて、少し良さげなワインを開栓。シラーの中でも好きなコート・ロティ。造り手は伝統的なロティを作るドメーヌ・ジャメ。

ローヌ河岸西、南向きの谷に位置するアンピュイ村に本拠を置くこの造り手は、数々の単一畑を持ちながらただ1種類、ブレンドによるコート・ロティを醸す。畑の違いを見極め、その年ごとにブレンドの割合を考慮しているのだそうだ。ロティには白ブドウであるヴィオニエを混醸してもいいことになっているが、この造り手はわざわざシラーの良さを薄めることはしない、と言ってシラー100%にこだわる。

色は凝縮感のある、全体に黒みを帯びた落ち着いたルビー色。香りは焼き芋、黒コショウ、お焦げ、焼きたてパン、バニラの香り。香ばしい焦がした香りが全体に広がる。

口に含むと落ち着いた柔らかく、ボリューム感は控えた酸。その酸の後に凝縮したとろみのある果実味が水平線を這うようにゆったりと迫ってくる。その果実味から放たれるスパイシーな香りとロースト香が口の中に満ち溢れる。タンニンは強くはないが、この繊細な味わいにマッチし細かで優しい。全体の味わいには大きな抑揚こそないが、滋味にあふれた味わい。音楽に例えるならばベートーヴェン第9、第3楽章のような静謐な流れが感じられる。

余韻は最後まできれいな果実の甘みが残り、口の中に全く雑多なものを残さず、ボリュームのみを落としていくかのように、落ち着いた心地を感じさせながらゆっくりと引いていく。

調和と言う言葉がこれほど当てはまるワインも少ないだろう。酸、果実味、タンニン、そして香りといった要素がそれぞれを減じることなく、それでいて一つの味わいを見事に形成している。確かにこれは自分がイメージしたロティの味わいにピタリと当てはまる味わい。最高のお疲れさんワインでした。Excellent JOB!

【カーヴ・ド・ヴァン 7,000円?】

2010年9月29日 (水)

ドメーヌ・デュ・クーレ(マシュー・バレ) コルナス レ・テラス・デュ・セール2002 AOCコルナス

100923cornas(9月23日記)ようやくあの暑かった夏が過ぎ去ったんだろうか。。。

大音響で鳴り響いた雷、そして矢のように降り注ぐ雨。今日はクーラーなしで、窓を開け放しても全然苦にならないほどの涼しい一日だった。そしてそうなれば今までの反動のようにしっかりした赤ワインが飲みたくなる。その筆頭はやはりスパイシーさが売りのシラー。そしてその本家ローヌ。

ローヌの中ではそれほどの知名度がある訳ではないコルナス。ここからはシラー種100%の赤ワインだけが産み出される。そしてこの小さな、決して恵まれた地形ではない場所でビオ・ディナミ農法によるワインを造り続けるマシュー・バレー。2004年までこの地でもワインを作っていたフィリップ・パカレが実は彼のブドウを使ってワインを造っていたという。このワイン、瓶の重たにまずはびっくり。重い瓶のワインって凄く美味しい、って自分の法則なんだけど、だから益々期待大。

色は黒と言ってもいい、重厚で色素が密に詰まった深いルビー色。香りはゴム、すりつぶした直後のスパイス、カシスリキュール。

口に含むと柔らかで包容力のある酸がまずは舌の表面を薄く包み、その直後に厚みのある充実した黒ブドウの果実味が押し寄せる。旨みはたっぷりあるが、糖分、甘みは抑制され、伸びのある酸に支えられ、べたつく感覚は全く感じない。タンニンはしっかりあるが、それぞれの粒子の角がそぎ落とされて、密に詰まっているので舌触りはなめらか。

余韻は黒ブドウの堂々とした果実味と、少し武骨さをあらわにしたタンニンの格闘が心地よく、躍動的な味わいがゆったりと長い時間をかけて減速していく。

シラーほど季節を必要とするブドウはないんじゃないか、と思っているけど、機構が涼しくなってようやくこのブドウと正面で向き合える環境が整ったような気がする。このボリューム感に秘められた色々な要素を掴むには、こちらにも用意が必要だからね。

【MARUYAMA 3,980円】

2010年8月19日 (木)

エルヴェ・スオー サン・ジョセフ2001 ACサン・ジョセフ

100323saintjoseph暑いうちは赤ワインになかなか手が伸びないけど、暑い時は熱いものを食べるということもあるから、たまには無性に飲んでみたくなる時がある。それもとびきり濃そうでパワフルな、古ボディの赤を。

そうなると自分の好みとしてはシラーになる。最近は本場ローヌのシラーも色々なタイプがあって一概には決められないので、造り手を手掛かりに選ぶしかない。

エルヴェ・スオーはローヌの代表的なビオ生産者としての名を高めてきた。SO2無添加、補糖なし、清澄なし、ノンフィルターで、自然なワインを造り続けている。白ワインは試したことがあるが、赤はどうだろう?

色は曇りのある、黒味がかった重めのルビー色。香りはスモーク香、粗引きコショウ、革、ゴム。有機的な香りが強く感じられる。

口に含んだときは穏やかだが、その直後乳酸のようなまろやかだが詰まった酸と、ゴツゴツしたパワフルなタンニンが現れる。スパイシーな香りが口の中から鼻腔に届き、そしてスパイスの味わいもまた舌の表面に充満してくる。

序盤から力強い荒削りな味わいが広がるが、中盤から余韻は落ち着いた角の取れた旨み、きめ細かな果実由来の甘みが薄く伸びてくる。余韻も程よい甘さを残しつつ、終盤まで伸びのあるスパイス感が途切れずに続いていく。

スパイシーさが全面に押し出た、期待にたがわぬパワフルで濃密なワイン。粗っぽさもあるけど、シラーはこれくらいの方が自分にとって嬉しい個性。汗かきながら焼き肉をほうばりつつ、あける夏の赤ワインにふさわしいのかも?

【ワインショップ・リヴゴーシュ 4,000円?】

2010年3月20日 (土)

ルネ・ロスタン コート・ロティ2005 ACコート・ロティ

100319パーカーポイント、それはワイン愛好家にとって無視はできないけど、決して諾、々と従うこともまたできない、不思議な存在。濃厚で凝縮したワインを評価しがちというが、自分はあまり気にしていないのでそれが真実かどうかもわからない。

その濃厚好きらしいパーカーがこの作り手を高く評価しているという。何度か呑んだこともあるこの作り手は、濃厚一辺倒のワインとは対極の位置にあるはずなのに、正直意外だ。

ルネ・ロスタンは元々不動産業で、趣味でワインの道に入ったものの、秘められた才能はこの分野で開花し、今やロティ1,2を争う造り手の評価を得るに至ったと言っても過言じゃないはずだ。何度飲んでもそのしなやかな酒質には驚くばかりだが、2005年のロティはどうだろう?

色は黒味の強い、静まった沼のような深さのある暗いルビー色。香りは黒コショウ、新聞紙、インク、ヨードチンキといった、果実よりもスパイス、薬品的な香りが顕著。

口に含むとまろやかだが伸びのある、意外に若さを感じさせる酸がまずは広がってくるが、その直後に詰まったタンニンと、充実したほろ苦さを伴う甘さがボリューム感を伴って一気に現れてくる。しかし傍若無人な奔放さではない。きれいな酸は張りと包容力をもって、これらの力強い味わいの隙間を埋めて、全体をまとめあげる。

中盤から余韻は一転、静けさのような柔らかな味わいが穏やかに広がり、きれのいい旨みを伴いながら、優しく穏やかに引いていく。

この酸のフレッシュさとは対照的なスパイシーさ、それが見事に調和した複雑な味わいは他にたとえようがない魅力にあふれている。ローヌ好きでこの味わいに魅力を感じない人がいるんだろうか?名手の銘酒、まさにここにあり。Good JOB!

【Cave de Terre淡路町店 8,000円?】

2009年11月 9日 (月)

ドメーヌ・ティエール サン・ペレィ2004 ACサン・ペレィ

0911061本飲んだ時に「この造り手はいい!」と思えば、その違ったワインも飲んでみたいと思うのはワイン好きの性分だろう。このワインもまさにそうした1本だった。ローヌ地方の白、マルサンヌ100%によるワインで造り手はドメーヌ・ティエール。

ローヌ地方でも目立たないが、発泡性のワインを作っている。ローヌ地方でも北部と南部に大きく分かれて、北部はシラーによる赤ワインを主体に生産しているが、このサン・ペレイは白だけしか許されていない。その白も発泡性、非発泡性いずれも造ることができるが、やはり発泡の方が多い。

このワインは非発泡性。オーク樽を使わず、ステンレスタンクで発酵。暖かい場所なので、マロラクティック発酵も行わない。

色は緑の色調が強く出た黄色。すがすがしい若草のような印象を感じる。香りはパイナップル、レモン、ドライフルーツ、杏、消しゴム、カスタードクリームのような香りも感じる。

口に含むと酸は穏やかだが決して弱くなく、芯が通っていて時間がたつと力強く舌の表面にしみ込んでくる。甘味は香りから思ったほど強くはなく、品良くまとまりべたつき感はまったく感じない。その甘みの中に、しっかりした小粒の丸薬のような苦味を感じ、この苦味が味わいをがっしりと引き締め、落ち着きをもたらしている。中盤への膨らみも申し分なく、酸、旨み、渋さが調和している。

余韻もふんわりした適度の浮揚感を漂わせながら、柔らかい程よい甘みを残しながらゆっくりと時間をかけて引いていく。

ローヌワインの白でこの価格でこの旨さはただものじゃない。以前発泡性のワインを飲んだ時の感動をスティルでも体験させてくれた。こんな造り手が潜むサン・ペレィ、恐るべし。そしてこのワインを買った濱田屋さんの店長さんが「常温でいいです」と言ってくれたのは、まさに最適アドバイス。さすが酒飲みは酒の飲み方を知っているね。両方Great JOB!

【濱田屋 3,000円?】

2009年10月24日 (土)

アンドレ・ペレ サン・ジョセフ2006 AOCサン・ジョセフ

091021 シラーの本場、ローヌ地方にあってサン・ジョセフという地域は知名度的に低い地位におかれている感が否めない。その原因はまずAOCを名乗れる面積が他と比べて広大なために作り手の差が大きいことだろう。

しかし、その中には間違いなく素晴らしい生産者があるはずだ。だからこそ、それを見つける案内人が信頼できれば、そのワインは間違いなく信用できるものとなるはず。そして、このワインの案内人たるインポーターはヴァン・パシオン、今の日本で最も信頼の置ける、かつやる気のあるインポーターが見つけたサン・ジョセフだから間違いはないはずだが、さてどうだろう?

色は濃厚で、とろみのある黒々とした紫。香りはスミレ、焼いた干し芋、ヨードチンキ、黒コショウ、鉄の金属的な香りもある。

口にすると、まず甘味を感じる。凝縮したジュースのような甘味の中から、やがてすりつぶした胡椒の香りが立ち上り、ふんわりした苦さが少しずつ前面に出てくる。甘苦い味わいが口に広がるが、中に溶け込んだ丸みのある細かでしっかりした酸がくるんで、まとまりのある味わいにしている。

この酸のおかげで、後味もスパイシーさを残しつつ余韻はとても繊細なものにしている。柔らかいが芯のある、程よい果実味を伴ったブドウらしい旨みのある余韻がとてもきれいだ。

味わいは繊細かつ上品だが、しっかりシラーのキャラクターが感じられる。綺麗な酸が飲み疲れも感じさせない。これからのジビエの季節にはまさにうってつけのワインに違いないだろう。Good JOB!

【Cave de Terre淡路町店 4,200円?】

2009年7月 4日 (土)

アラン・グライヨ クローズ・エルミタージュ ラ・ギロード2004 AOCクローズ・エルミタージュ

090704 赤ワインなんてどれも渋いだけで、味に違いなんかないと思っていた、飲み始めの約12年前。けれどもこの造り手のワインに出会ってしまい、ワインの奥深さ、キャラクターの確固たる違いを知ってしまった。

アラン・グライヨ。この造り手のワインを幾度飲んできたことだろうか。ローヌでも高級とはみなされなかったクローズ・エルミタージュでシラー種によるワインを造っていたこの造り手は、その凝縮感、ボリューム感で、同じ土地の生産者とは一歩も二歩も違っていた。しかし、近年のワイン高騰によってこの造り手のワインもまたその当時とは倍近い価格になり、入手も困難になってしまった。残念至極ではあるが。

このワインはそのアラン・グライヨのクローズ・エルミタージュで作られるワインの上級キュベ。山の斜面の畑で造られるシラー100%のワインということだが、さてその違いは?

色は黒の強い、奥深さのある深遠な湿り気のある暗いルビー色。香りはスモークチップ、粗挽きの黒胡椒、ソーセージ、黒ゴムといった有機系、スパイスの香りが強い。

アタックは予想外に滑らかで自然。若干弱いかとも思うが、時間をおいて柔らかで丸みのある酸に乗る形で薬草系、シソを漬けたような味わいが上品に広がってくる。彼の作るオーソドックスなクローズに比べれば、若干拍子抜けかと思うほどに爆発的な広がりはない。しかし、そうした衝動を抑えながら徐々にアクセルを踏んでいくように、同じような凝縮した味わいを表に出していく。そして最終的には、「あ、やはりこれはアランのワインだ!」と思わせる香草を漬けこんだような独特のコクを演出していく。中盤は味わいの丸さを維持しながら、スパイシーでかつ野性味のあるローヌのシラーらしいキャラクターがどしっと現れる。

余韻は口の中にスモーキーな香りが満ちつつ、太さのある黒いベリーの甘さが強靭に舌の周りに張り付きながら、息の長い旨みを保ちつつ、ゆっくり、ゆっくりと引いていく。

アランの上級キュベということで、力で押していくようなワインを想像したが実際には全く逆で、力強さはそのままにそれをがむしゃらに発散させることなく上品にまとめあげたワインだった。旨いシラーを作り続けてくれるアラン・グライヨ、彼がいる以上自分の好きなワインがローヌだと言い切ることに全く迷いはないな。Good JOB!

【創酒タカムラ 6,000円?】

2009年5月27日 (水)

ベルナール・フォーリィー サン・ジョセフ2005 AOCサン・ジョセフ

090521_3 イタリアの比重が重くなってきて、「イタリアがお好きなんですね?」と聞かれることがあっても、必ず「いえ、好きなのはローヌです。」と答える。やはり一番好きなのはローヌ、それも北部のシラーに違いない。

ワインを飲み始めたころ、いろいろ試す中でこの品種にたどり着いた。すごくスパイシーで、ボルドーやブルゴーニュにない野性味、荒々しさ、余韻の力強さ、すごいインパクトだった。その頃からすれば多くのワインを味わってきたと思うが、やはりローヌのワインが一番収まりがいいし、何故か落ち着きを感じる。

そんなローヌの中でも好きな作り手の一つ、ベルナール・フォーリィ。今はラベルも変わってかなり洗練された雰囲気だが、昔は野暮ったくていかにもローヌの農家って感じだった。昔のラベルの方が好感は持てたが。。。

古くからこの地でワインを造り続ける一家で、今も生産は少なく赤のエルミタージュでもわずかに500ケースほど。あの田崎真也氏もシラーの代表的な作り手としてかつてNHKの番組で取り上げたこともあった。

色は濃縮感のある、暗い色調を帯びたルビー色。香りは樽からくる香り、黒オリーブ、スモークチップ、割りばし、ハモンセラーノ、粒コショウといったスモーキーな香りが強い。

口に含んだ瞬間から充実した果実味。細かく活きのいい酸と、その中に詰まったこれも繊細なタンニンが口の中に勢い良く広がる。少々荒々しすぎて若干の戸惑いも感じるが、これこそが自分がシラーに求めるものだ。中盤はスパイシーな味わい、香りが充満し、まだ粗さが取れないタンニンがそれを引き締める。

余韻は若干粗さと収斂感が残るが、強靭な果実の旨みとスパイシーな感覚がなかなか消え去らずに、最後まで骨太の味わいを感じさせながら、長い時間をかけながら徐々にゆっくりと引いていく。

このスパイシーさ、荒ぶるタンニン、それをまとめあげる太い酸、この三要素が揃ったシラーはやはりローヌでしかお目にかかれない。ラベルは変わっても、この腰の座った味わいは健在だった。この味わいに再び出会えた事がたまらなく嬉しい。

【葡萄酒造ゆはら 5,100円】

2009年2月16日 (月)

イヴ・キュイエロン ヴィオニエ2007 ヴァン・ド・ペイ・デ・コリーヌ・ロダニエンヌ 

090206_2 結構わかりやすい、と自分が思い込んでいる品種ベスト3は、1位ミュスカ。これは独特のマスカットの香りがあるし、おそらく誰でもわかるはず。2位はゲヴュルツ・トラミネール。ライチの香りと、オイリーで甘苦い感覚が独特。そして3位がヴィオニエ、のはずだった。

白い花、華やかな香水系の香りと、よいんにしっかりある苦みの特徴が理解しやすいと思っていたのだが、最近飲み比べでこのヴィオニエを区別できず、これが結構落ち込みの原因に。。。最近はヴィオニエも本拠地ローヌだけでなく、色々な地域で試されているようだが、まだまだ本拠地に打ち勝つだけの物は出てきていないようだ。

そんな本拠地にあって、ヴィオニエに関してはおそらく評価もナンバー1といって過言ではないイヴ・キュイエロンが作るヴァン・ド・ペイのヴィオニエ。コンドリューは安くてもまだ7、8千円ってとこだからそうそう気安く飲めないが、ヴァン・ド・ペイなら?でもさすがにこれも3千円後半だけど。

色は落ち着いたしっとりした感じの黄金色。香りはカスタードクリーム、キャラメル、キンモクセイといった甘さを感じさせる香りが強い。

口に含むと穏やかで控えめな丸みを帯びた酸。その後に締まった苦味を感じて、その直後には香りをかいだ時に予感した充実した甘みがボリューム感を伴ってやってくる。しかしその甘みも最初のインパクトほど強硬に押し進んでくるのではなく、中盤ではアクセルを緩めつつほろ苦さ感を保ちながら、デザートを食べているような程よい甘さをベースにした味わいを続けていく。

余韻も綺麗なデザート感覚の甘さが口の中にふんわりと広がり、長さ自体は中程度であるものの最後まで柔らかく軽やかな旨さをたたえていく。

安いヴィオニエにはお化粧っぽくて、甘さのしつこい物も少なくないだけに、この品種に関してはいくら価格が安くてもなかなか手を出しにくいところがあるが、このワインに関してはそうした所はなく、特徴を保ちつつ上品さも失ってない。これで苦みの深さが加われば、上級のコンドリューにも通じるところがあると思う。さすが名手、よくできたワインでした。

【阪急百貨店梅田店 3,500円?】

2009年2月13日 (金)

ピエール・ガイヤール サン・ジョセフ2007 AOCサン・ジョセフ

090212 いろいろなワイン会に参加する機会があって、その中には持ち込みっていうのも多いんだけど、そんな場合にどうしてもワインの傾向が偏る場合がある。

たとえばイタリア。イタリアはやはり赤ワインが多くなることが多い。赤に比べると白とかは選択に困るんだろう。そんな時はあえて白や泡を持っていった方がカッコいいし、スマートだと思う。イタリアに関しては白も泡も充実しているので、それほど選択には困らない。

フランス、ローヌも赤ワイン中心の地域だが、白も結構あるのでそれほどチョイスには困らないのだが、難点は白ワインを置いてある店が少ないところ。ローヌの白ワインは、酸も穏やかで味わいもなめらか。結構お勧めだと思うんだけど。。。

そんなローヌの白ワインの品種、主要なものはヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌ。この内、ヴィオニエとマルサンヌはフランス以外でも結構栽培されてきているようだが、ルーサンヌだけは未だにローヌの「箱入り娘」状態。それは栽培が難しいし、マルサンヌよりも収量がひくいことに原因があるのだという。やはり同じ畑でたくさん収穫できる方が農家にとっては魅力的だろう。

そんなルーサンヌ100%のワインを造るのは、ローヌの生産者でも評価の高いピエール・ガイヤール。サン・ジョセフの白はマルサンヌ、ルーサンヌで作ることが可能だけど、ガイヤールはあえて栽培が難しいルーサンヌで作るということだけでも、好感が持てるというもの。さて、お味は?

色は黄色の強い、肉つきのよさを感じさせる麦藁色。香りはヨーグルト、バナナ、蜂蜜、若干のセメダイン香。とても甘く柔らかい香りが大きく解き放たれている。

口に含むと直線的で突き刺さるような鋭さのある酸が意表を突かれる。そしてその酸に含まれるミネラリーな味わい、ほのかな苦みの感覚もある。実際にはそれほど甘味自体は強くないと思うのだが、香りにボリューム感があるので飲んでいると実態以上にゆったりとした旨みを感じてしまう。硬質でミネラル感にあふれた酸が味わい全体を引き締めて、このワインの骨格を確固たるものにしている。若干緊張感に過ぎたる所はあるが。。。

余韻は固さを感じる苦み分とともに、すっきりした酸の味わいが最後まで崩されることなく、このワインの繊細さ、緻密さを守りながら、さわやかな感覚を残しつつ引いていく。

ローヌの白らしくない鮮烈で直線的な味わいにはかなり驚かされた。それだけに、ローヌの楽しみという中ではシラーだけでは分からない白ワインもまた重要な要素を占めていることを改めて確認させられた。あとは楽しめるだけの価格がもう少し下がってくればの話なんだけど。

【Cave de Liga 5,000円?】

2009年1月 7日 (水)

ドメーヌ・ド・リセ クローズ・エルミタージュ エキノクス2007 AOCクローズ・エルミタージュ

090106 シラー好きにとって、クローズ・エルミタージュは本場フランスで安く手に入る無視できない存在だ。だからこの産地のワインならば、とりあえず手に取ってしげしげと見てしまう。その中でもこのワインはラベルで魅せられてしまった。なんだ、このエイリアンみたいなものは?このポップな図柄は?さぞかし若い生産者が手掛けているんだろうと思ったが、その予想は半分当たって半分外れ。

このワイン、実はクローズ・エルミタージュの伝説的な作り手、アラン・グライヨの息子、マキシム・グライヨのものだった。彼のスタンダードなワインは以前に飲んでいるが、これもそうとは全く気がつかなかった。ラベルにも書いてないし。http://cesc22.blog.eonet.jp/default/2008/08/post-04e6.html

このワインは以前に飲んだ彼のワインよりも安いし、名前も出ていないから、カジュアル版として生産しているのかもしれないが、詳しいところはよくわからない。さて、味の方は?

色は凝縮感のある黒の強いルビー色。香りはヨーグルト、黒コショウ、インク、鉄錆、マッチ箱の香り。

アタックは少し舌先にチリチリとした刺激を感じ、その後に若い山ブドウのような鮮烈な果実味とジューシーな酸がやってくる。この酸はとても伸びやかで、すっきりとしている。果実味もさわやかで、それにバランスしたタンニンの細かさも気持ちがいい。重量感のある味わいではないが、軽快でそれでいてベースのスパイシーさ、野生味も感じられるので、味にメリハリがはっきりしている。飲んでいて楽しい気分にさせられる。

余韻もがっちりしたタンニンの渋さと伸びのある甘酸っぱいベリーの味わいがはっきり現れて、最後まで小気味の良い味わいが持続する。

若さと不思議な落ち着きが同居する、印象に残るワイン。爽やかな若々しい果実味が主体だが、お父さんのワインと共通したスパイシーさも併せ持っている。やっぱ子は父の背中を少なからず見て育つもんなのかな、とつくづく思ったりする、そんなノスタルジックさも感じさせるワインだ。

【創酒タカムラ 2,500円?】

2009年1月 4日 (日)

ミシェル・エ・ステファン・オジェ コート・ロティ2002 AOCコート・ロティ

090104_2 お正月第一弾の赤ワインは、やはり自分が一番愛しているローヌのシラー、それも最も魅力を感じるコート・ロティを。

このコート・ロティだけは赤ブドウ品種であるシラーに白ブドウ品種であるヴィオニエを混醸することが法律上認められている。コート・ロティ、ローヌ河が北東に蛇行する川沿いの急斜面から生産されるワインは、強い日照にさらされることから強くなりすぎるため、それを和らげるためにヴィオニエを10~15%ブレンドしても良いことになった。

ステファン・オジェはそんなロティの中でも、とても柔らかいブルゴーニュ・タイプのワインを目指しているようだ。ボーヌでブルゴーニュ・ワインの生産、醸造を学び、低温での醸し、攪拌、シュル・リーといった手法を導入している。ヴィオニエを使わないロティの生産者もいるが、オジェはそうしたスタイルもあってか、比較的ヴィオニエを多く使っているようだ。

色は少し曇りのある黒の強い、湿ったルビー色。香りはカシス、粒コショウ、墨、スモークしたハムといった、落ち着き、暗さのある香り。

口に含むんだ時の印象は思いのほかまろやか。その直後スパイシーさを含んだ伸びのあるカシスの果実味と酸味が広がる。その味わいもあまり重量感はなく、タンニンも細か。柔らかだが、若干凝縮感というか膨らみへの期待には反するところもある。中盤も押してくる感じではなく、まとまりのあるしなやかな優美さが展開していく。

余韻は果実の甘さよりも、スモークしたハムを噛んだときの味わいが強く、それが収まるとベースに潜んでいた爽やかな酸が口の粘膜に浸透していくのを感じる。

もう少し「ずうずうしさ」があってもロティらしくていいと思うんだけど、この洗練性はまた違った個性には違いない。コート・ロティというアペラシオンの多様性、シラーの魅力と可能性、そして生産者の思いが十分に詰まったワインと言えそうだ。

【Cave de Terre 淡路町店 7,000円?】

2008年11月26日 (水)

ル・マゼル セ・タンポルタン2007 VdP ラルデッシュ 

081127 イタリアはまさに土着品種の宝庫というべき存在だが、ふらんすもどうしてどうして、まだまだ知らない品種は存在するものだ。有名どころではロワーヌのビオの旗頭、ティエリ・ピュズラがロモランタンなど、ほとんど廃絶しかかった品種を前面に押し立てたワインを生産している。

そしてローヌでもやはりビオの生産者、マゼルが着目したのはポルタンという品種。それをフランス語のフレーズに茶化して、「セ・タンポルタン(重要なのだ)」という名前で売り出したところが、フランス人一流のウイットというものなのだろう。

色は黒の強い濃縮ジュースのような湿り気のあるルビー色。エッジまでどっしりと色素が入っている。香りはつぶした直後の胡椒、ビニル、マッチ箱、火薬、緑青のような錆を思わせる香りも感じる。果実よりも獣的、皮革の香りを感じる。

口に含むと丸い酸と、粒子が粗めな分それを押し隠すかのようなボリュームを持った少し大胆なタンニンを感じる。ゴツゴツ感のあるタンニンに運ばれてくるのは、ほっこりした焼き芋的甘さ。そしてそれらの要素が収まると、口の中にざらつき感と硫黄的な香りが残るのが気にかかる。

余韻もそのゴツゴツ感が残り、なかなか消えない。口に広がる甘さの感覚は悪くないけれども、この粗っぽい粒子感、不自然な人工的香りが強く残り過ぎて引っ張りすぎる。

何か薬品的な感覚が抜けずに、ワインを飲んでいるという心地が感じられなかった。即断はできないものの、品種の特性というよりも、おそらくは造りによるものが大きく影響しているのではないかと思う。昨今ビオワインというだけでもてはやされる風潮があるけど、ビオ=うまいワインという等式が成り立つものではない、そういう事は声を大にして言いたいときがあるし、今がそうした気分であることは確か。

【? 2,000円?】

2008年10月16日 (木)

ル・マゼル キュヴェ・レ・レッシュ NV ヴァン・ド・ペイ・ド・ラルディッシュ 

081016 秋はアートの季節でもあるが、同時にワインの季節でもある。イベントの機会も多くなるし、ジビエも出てくる、そして間もなく最大イベントのボジョレー・ヌーヴォーもやってくる。楽しみが多くなるにつれて、散財の頻度も...

高いワインもいいけど、やっぱこのブログでは比較的安めのところを幅広く扱っていきたいと思っている。決して高いワインが飲めない負け惜しみじゃないから、たぶん。

今日の白ワインは自然派の代表格、マゼルがローヌで作ったブドウから醸したワイン。輸入元のディオニーさんは自然派ワインにこだわりのあるラインナップで、関西でも定評のある会社だから、品質の信頼は十分だ。このワインは大丸梅田店での試飲販売で購入したもの。

マゼルのワインは酸化防止剤であるSO2を使っていない。酵母も自然酵母を用いているそうで、ガチガチの原理主義(?)かと思いきや、温度管理が整ったタンクによって発酵させるなどワイン作りに関しては柔軟思考のようだ。このワインの品種はシャルドネとグルナッシュ・ブランの50%:50%だが、さて?

色は若干薄めで、とても清涼感のある若い麦わら色。香りはアップルパイ、ナシ、カリン、バゲット、甘い香りのバックにはライムのような清涼な香りも控える。

口に含むと、若干舌先をくすぐるピリピリした感覚とやさしくまろやかなリンゴ酸をまず感じる。その後に充実したジャム系の甘さが現れ、しばらくその甘さが膨らんだかと思うと、舌の表面に広がってくるほろ苦さと、スプーンの表面を当てられたかのような金属的な味わいを感じるようになる。それぞれの味わいは異なるのだが、その移行がとてもスムースで自然。

やがて感じる酸化したリンゴのような味わい。そしてそれらが収まった後には、再び酸の余韻をはっきりと感じ、舌の横を引き絞るかのような感覚が長く続いていく。このワインの力の源はこの酸、伸びつつもただ鋭いのではなく、丸みを帯びた酸がこのワインの異なる旨み成分をうまく包含し、その隙間を埋めて一つの味わいにまとめあげている。

自然派が醸したワイン、確かにこの味わいの推移は全く自然、酸の誘いに身を任せてただスルスルと口にしていけばいい、そんなワインといえそうだ。

【大丸梅田店 2,730円】

2008年8月22日 (金)

ドメーヌ・ド・リセ クローズ・エルミタージュ2006

080822_2 急激に涼しくなって、昨日ようやくクーラーをつけずに過ごした。そして今日午後は半休を取って長く伸びた髪をカット。気温以上に体感上は涼しくなった?

これだけ涼しくなれば、少々重めのワインを飲んでも大丈夫だろうと開けたのは、シラー100%のクローズ・エルミタージュ。生産者はドメーヌ・ド・リセ、実はクローズ・エルミタージュの神様、アンリ・グライヨの息子さんのドメーヌだ。

アンリ・グライヨがクローズ・エルミタージュでは別格の存在であることはおそらく異論がないと思う。クローズのステイタスを大きく向上させた功労者だろう。その重厚な作りは時としてアメリカ向け的な批判もあったが、やはり他とは違う凝縮性、薬草のような複雑さを兼ね備えたワインだと思う。今では彼のワインも高くなって、なかなか目にしなくなったのは残念だが。

そんなアンリの息子、マキシムが2003年に畑を購入して始めたドメーヌ。マキシムは父の道を盲目的に踏襲することなく、あくまで彼自身のワインを作り始めている。ビオ農法を実践し、醸造にあっては果実味を大切にした作り方を尊重しているようだ。

色合いは濃厚で凝縮した黒味の強い紫。エッジまで稠密に色素が入り、緊密かつパワーを感じさせる。香りは開けた当初はビオ的な還元香が残るが、黒すぐり、ユーカリ、バジル、黒胡椒、ソースのような香りもある。甘い濃厚な香りが顕著だが、ベースにはシラーらしいスパイスの香りが感じられる。

アタックはまずしっかりとした伸びのある酸を感じる。そしてすぐ後に少しぶっきらぼうなタンニン、それを押しのけるかのような甘みを伴うボリューム感ある果実味がやってくる。こなれていないタンニンはストレスを感じさせるが、酸が外郭をきっちりと形作って奔放さをコントロールしているのでこれもまた個性かな、と思わせてくれる。暴れん坊がおとなしくなった後は、以外にきれいで爽やかな果実の甘さが心地よい。ふくよかな旨みが口の中に広がる。

余韻は粒胡椒を噛んだ時のようなスパイシーな感覚を広げながら、熟した果実の旨みが酸の余韻と共に長く引き続いていく。

まだまだちぐはぐさを感じるところは否めないが、それでもきっちりとした酸を活かしているのは印象的。伝統的な産地の中で、バローロ・ボーイズのような果実味主体のモダンなワインを狙っているのだろうか。そうであれば、彼のワインが真価を発揮するにはもう少し時間が必要なのかもしれない。でも、今でも十分シラーらしい個性が感じられるいいワインだとは思うけどね。

【創酒タカムラ 3,500円?】

2008年7月30日 (水)

レ・シャン・リーブル ラール・デ・ショワ・ブラン2006 ヴァン・ド・ペイ ラルデッシュ

080729 ラベルに魅かれるワイン、それもまた第一歩に違いないと思う。思わず頬を緩めるユニークなラベル、そこに込められた生産者の遊びの心、その中に詰ったワインにも間違いなく普通とは違う個性があるに違いない。

このワインラベルに描かれた眼鏡をかけた針ねずみ、そしてそこに書かれた鼠の漢字。そしてワインの名前もまた土地の名前「アルディッショワ(アルディッシュ人)」をもじった「ラール、デ・ショワ(脂身、その選択)」、そして描かれた豚のシルエット。全てが遊びに繋がる。

ローヌを代表する自然派ワインの生産者、ダール・エ・リボが制約にとらわれず、おいしいものを生産しようと興したレ・シャン・リーブルによる白ワイン。赤は既にシラー、そしてローヌでは破格のガメイによるワインとして有名だが、白は全くデータがない。おそらく日本では今回が初ヴィンテージではないだろうか。赤はピュアで軽快なワインだったが、果たして白は?

色は薄く、レモネードのようなうっすらとした黄色、透明感があり、表面の照りが金属的で、硬質な質感。香りはライム、オレンジピール、青リンゴといった青さ、鮮烈さを感じさせる香りが支配的だ。その奥には控えめな白い花、ビニルのような香りも存在する。

アタックは透き通った伸びの鋭い柑橘系の酸。そこに折り重なってやってくるのはレモンのような青い果実のさわやかさと少し塩っぽいミネラル感覚。膨らみは大きくなく、若くフレッシュな感覚が口に含んだときの印象がそのままのボリューム感を保って口の中に広がる。

そして爽やかさを保ちつつ口の中に広がった清涼感が、そのまま口の中で発散していく。後に残るのは舌の側面に残る収斂感、レモンジュースを飲んだ後のような塩っぽさが残る。

ローヌと聞くと濃さ、重さという印象があるが、このワインに関してはあくまで清涼感重視の軽快な味わい。深さよりも飲んだときに渇きを癒す、疲れた体がミネラルを欲するときに最適な作りとなっているようだ。アルコール度数もローヌとしては低い12%。深さを求める分には物足りないかもしれないしが、ミュスカデの清涼感、濃いミネラル分を備えたワインをローヌで作ろうとする試みに果たしてどれだけの共感が集まるか注目したい。

しかしこれ、品種なんだろう?(マルサンヌかな?)誰か知ってたら教えてください...

【Wineshop FUJIMARU 2,900円】

2008年7月28日 (月)

ポール・ジャブレ・エネ クローズ・エルミタージュ レ・ジャレ2005

080728 これだけ暑いと赤ワインを飲む気力も萎えるんだけど、シラーだけは別。シラーだけは別格なんです。自分にとっては。

最近は世界各地でシラーが造られて、フランスに勝るとも劣らないワインが安く作られている。つい最近ではハンガリーにまでシラーがある事を知った。本当に不思議だ。

しかし自分のシラーとの出会いはやはりフランス、ローヌ地方にある。ここのワインを飲むとき、何故か落ち着いた安息を感じることができる。おそらくそれは今後も変わることはない。。ブルゴーニュでもない、ましてボルドーでもない。自分にとってはやはりローヌだ。

そんなローヌの代表的な大手の生産者といえば、ギガル、シャプティエ、そしてポール・ジャブレ・エネもその一角に挙げて間違いはないだろう。1834年に設立されて以来、ローヌ全域でワインを生産し全てで評価が高いオールマイティのネゴシアンだ。このワインはAOCクローズ・エルミタージュでもちろんシラー100%。

香りは焦がした醤油、黒胡椒、鰹節、ブラックカラント、練り墨の重く沈着な香り。色合いは黒味の強い深さのあるルビー色。エッジまで均等に色素の入った充実感。

アタックは乳酸系のまろやかな酸、そしてそこに閉じ込められていた粒子は細かいが一つ一つにボリューム感のあるタンニンがはじけるようにあふれ出す。すこし強い渋さを感じるが、ちょうど巨峰の実を皮ごと噛んだときのような収斂感がある。

最初からのボリュームに比べると、中盤は比較的冷静。収束も早く、果実の旨みとやわらかなタンニンの渋さが絡みつつ、後味に胡椒を粒ごと噛んだときのスパイシーさとさわやかなブドウの甘さの余韻を漂わせながらゆっくり引いていく。

さすがローヌという場所を知り尽くしている、という印象だ。クローズ・エルミタージュという広範な地域でありながら、シラーの特色、深みのある果実味とスパイシーさの特徴をはっきりと主張しつつ、品格を失わない程良さを保っている。価格も安心できるし、まだまだローヌワインとの相思相愛関係は続いていくようだ。

【Cave d'Orange 2,650円】

2008年5月20日 (火)

ジャブレ・フィリップ・エ・ヴァンサン クローズ・エルミタージュ ラ・ミュティーヌ 2005

J585zpbi やっぱシラーなんだな、自分にサクッと合うのは。いろんなワインを飲んでもやはりそうした思いを強くすることが度々ある。ワインを飲み始めた時は、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ピノ・ノワールといった王道ワインしか目が行かなかった。そんな合間でシラーを飲んだときの衝撃。ワインが単に上品なものでなくて、パワフルな力強いものでもあるということを感じた瞬間だった。

だから今でもシラーには過剰反応してしまう。そんなシラーが最高にその力を発揮するのはやはりフランス・ローヌ地方だ。その確信は今も揺るがない。これに対抗するのは一つ、インドのみ?

今回飲むクローズ・エルミタージュは殆どその情報もない。ローヌにあって比較的安価なワインを提供してくれるクローズ・エルミタージュだけにその品質は造り手に依存するはずだが、さてこのワインは?

色合いは艶やかで落ち着きのある深いルビー色。香りは黒胡椒、ターメリック、ブラックベリージャム、鉄さびの香り。

アタックは詰った果汁の旨みとそこに溶け込んだ酸がしっかり感じられる。その酸が伸びやかで、旨みとのバランスが心地よい。タンニンもしっかり感じられるが、緻密で案外にも滑らかで、酸とのバランスも良い。中盤のスパイシーさと深みのある果実の力強さもうまく調和している。刺々しさを感じないのは見事。

余韻もスモーキー、スパイシー、そしてフルーティーと複雑な要素が絡み合いつつ、しっかりした旨みを感じさせる時間は長く続いていく。

殆ど無名の造り手だが、これは見事なワインを作ったものだ。いろいろクローズ・エルミタージュを飲んできたけど、ここまでシラーらしい野性味をたたえつつ、それでいてワインの気品を失わないワインも今までなかった。やはりワインは奥が深い...Great JOB!

【Cave du Vin 3,000円?】

2008年5月 2日 (金)

ドメーヌ・デュ・ミュリネ クローズ・エルミタージュ キュヴェ・レ・ザマンディエール2006

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買いたい、と思ったときに多少無理しても買っておかないと、あとで後悔することに。そんな事もあって、最近一目ぼれ的なワインは躊躇せずストックしてしまう。あ、もちろん財布と相談の上で無理はしないけど。

このワインもそんなワイン。グラスで飲んでとても魅かれた。ボトルで買おうと思ったが、そんなにすぐなくならんだろ〜と思ってたら、翌週行った時にはもうなかった。それから3ヶ月、特に探してたわけでもない所で見つかった。そのときはまさに感激、そして即購入。

かつてはローヌのシラーでお手ごろ価格のワイン産地だったクローズ・エルミタージュも価格高騰の流れには逆らえない。それでもやはりコストパフォーマンス的には無視できない所だ。

そんな中で最近評価が高まっている造り手がこのミュリネ。
Y_pmrgu3 平坦な畑だが、有機栽培で13haの畑を当主リュック・タルディ氏が殆ど一人で手がける熱の入れよう。クローズらしいフレッシュさを保つために低温発酵、酸化防止剤は殆ど使っていない。


色は濃厚で落ち着きのあるしとやかなルビー色。香辛料の香りが立ち、ブラックカラント、カシス、ベースには鉄サビのような金属香もあり、野趣に富む。

アタックは思いのほか滑らかだが、時間差で活き活きとしたフレッシュな酸、そして緻密で細かなタンニンが追いかけてくる。ボリューム感はそれほど強くはないが、タンニンの滑らかさがとても心地よい。口の中に広がる胡椒、スモーク香と、味わいのスパイシーさがうまくバランスしている。決して野卑にならず、それでいて骨格がしっかりしている。

余韻もほんのり甘酸っぱいフルーティーさ、軽い乳酸系の味わいも感じつつ、最後にはシラーらしい粒胡椒を噛み潰した時のような感覚が残りながら、ゆったりと引いていく。

ボリューム感よりも内容の濃さで勝負といったところか。確かに押しまくるようなワインではないけど、いろいろな要素が抽出できるのはいいワインの証拠。上品かつシラーらしい野性味も感じさせるのはお見事。いいシラーを飲んでまさにご満悦です。

【Wassy’s 3,300円】

2008年4月 1日 (火)

ルーシリエールM.M.V NV イヴ・キュイエロン

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甘口のワイン、最近はあまり人気がないのかもしれないが、デザート的に飲めばやはり魅力がある。甘口と言えばソーテルヌがまず頭に浮かんでくるんだろうけど、探せばいろいろあるんだが、手間隙かかる分やっぱ値段は比較的高価。

そんな中で、たまたまローヌの甘口ワインが目に入った。造り手はローヌの名手、イヴ・キュイエロン。ローヌの白ワインの白眉、ヴィオニエから作られるコンドリューにかけては右に出るものはないと評価も高い。そんな名手の作るリーズナブルな貴腐ワインとなれば試さずにいられる?

この甘口ワインはヴィンテージの記載がない。ローヌの白ワイン品種、ヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌの貴腐で作られるワインだ。

香りは杏、白桃、缶詰シロップの香り。色合いは薄めのアンバー色。

最初は穏やかな甘さで、驚くほどの凝縮さ、濃さはなく案外さらりとした甘さ。だからこそしつこさがないので、するっと飲むことができる。バックにあるかすかなほろ苦さがアクセントとなっている。繊細な感じで、品を失わない甘口といったところだろうか。

甘さのボリューム感よりも、熟したパッションフルーツのジュースを飲んでいる感覚で、案外するするっといけてしまう。余韻も爽やかで、砂糖っぽさはない。

甘口には違いないが、砂糖漬けのようなくどさとは違う、ほのかな酸味とかすかな苦味も残した味わいだ。あまりコテコテの甘さは疲れるので、これくらいがちょうどいいかも?嫌味のない味でさすが名手、リーズナブルに良い仕事しはります。

【創酒タカムラ 3,480円】

2008年3月27日 (木)

イヴ・キュイエロン シラー2006 ヴァン・ド・ペイ・デ・ロダニエンヌ

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ご多分にもれず、ローヌワインもまた高騰傾向。昔は2千円代で手に入ったアラン・グライヨのクローズ・エルミタージュ、今や4千円手前、キュベ物6千円です。セラーに入れていても飲みづらくなってしまった。

でもそんな有名どころも決して高いワインばかり出しているわけではないようだ。最近大阪、土佐堀のタカムラでは廉価版のローヌワインを売り出していた。しかも造り手はピエール・ガイヤール、イヴ・キュイエロンといったピカ一。

このワインはイヴ・キュイエロンがヴァン・ド・ペイのカテゴリーで出したシラー。シラーの本領はやはりローヌだな、と思うのは薬草的な味わい、スパイシーかつ獣的な香りのコンビネーションが感じられたとき。ニューワールドもいいが、果実味重視だからこうしたヒネた感覚は味わえない。いかに優れた造り手でもこの価格帯でそんな表現は果たして可能か?

色合いは黒味の強いルビー色。エッジまで密に色素が入っている。濃縮した果汁といった印象。香りはまず荒びきの胡椒、木材、ロースト香、スモークサーモンの香り。

アタックはまろやかな酸、しかし直後にスパイシーな味わい、そして凝縮した果実の味わいといった異なる感覚の味わいが重層的にやってくる。そしてそのベースには軽やかかつ伸びやかな酸がある。少し堅さ、えぐさも残ることは残るが、パワフルな味わいの中ではそうした欠点もまた好ましく思えるから不思議。

スパイシーかつスモーキーな香りが終始口の中に広がり、鼻腔をくすぐる。この感覚はなかなか消えない。ブドウの力強さを実感させられる。

余韻は収斂感のある程よい渋みと、アニス、薬草系の味わいを感じさせる。その味わいもなかなかに粘り強く、去るを惜しむが如くゆっくりゆっくり引いていく。

このカテゴリーでこれだけ期待するシラーの特質を十二分に味合わせてくれるとは、さすが名手イヴ・キュイエロン!もう完全に脱帽です。この価格でこの品質、ケース買いしても損はしないな、Great JOB!

【創酒タカムラ 2,150円】

2008年3月 2日 (日)

クローズ・エルミタージュ2005 ダール・エ・リボ

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最近イタリアが続いたが、本筋はフランス、ローヌが好みです。だから原点に戻って今日はローヌを。

ローヌの赤といえばシラー。スパイシーさ、獣っぽさ、それでいて果実味の充実とボルドーにもブルゴーニュにもない見魅力に溢れている。シラーの本領はこの土地でこそ発揮されるといっても過言ではないはず。

そして最近この地で注目度が最も高いといってもいいつくり手はダール・エ・リボ。ルネ・ジャン・ダールとフランソワ・リボの2人によるワインだが、あえてガスを残して発泡性ワインにした「プランタン」をはじめ、挑戦的な生産者だ。自然に任せた栽培を心がけ、ブドウも完熟したものを使い、発酵も野生酵母、清澄濾過といった人為的にきれいなワインを作るための工程は行わない。ブドウが持つポテンシャルを信じていればこそだろう。

色合いは黒味の強い、深みと落ち着きを持ったルビー色。香りは華やかでかつ攻撃的。スモーク香、黒胡椒の粗引き、湿った皮、黒すぐり。

最初は伸びやかで緻密な酸。そしてそこに細かだがボリューム感のあるタンニンが満遍なくとけこんでいる。そして何より自然と染み渡ってくる味わい。このやさしい感覚に驚かされる。

雑味がなくピュアな味わい。抜栓した直後は酸が勝っていたが、時間がたつと共にこなれて優しさを増してきた。余韻もほのかな甘さ、複雑でスモーキーな香りが口の中に広がって心地よい。

スパイシーだが優しさが前面に出た味わい、矛盾するようだがそれを表現している本当に素敵なクローズ・エルミタージュ。シラーの魅力がここに満載されている。Good JOB!

【Wineshop FUJIMARU 3,500円】

2008年1月 2日 (水)

コート・ロティ レ・ベカス2003 シャプティエ

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いろいろなワインを飲んだけど、年越しくらいはワイン好きとなった原点、シラーに戻りましょう。ということでローヌのシラー、コート・ロティを。

コート・ロティはローヌでも最北の生産地。「焼けた丘」という名前からも感じられる、焦げた香りが特徴だという。そしてこの地のシラーは、エルミタージュ、サンジョセフ、コルナスなどと違い、白ワイン品種であるヴィオニエを混醸することが許可されている。これは強くなりすぎるワインを和らげるための技術だそうだ。

この「レ・ベカス」はローヌの名門、シャプティエのキュベだが、実はヴィオニエを使わずシラー100%。最大手ながらビオ・ディナミ農法を実践し果実は手摘み、発酵も昔ながらの木製の開放槽で行い、ろ過も行わない。

色合いは紫の色調が濃い深みのあるルビー色。香りは案外おとなしく、オリーブ、鉄サビ、カシスの香りがある。あまりスパイシーさは強くない。焼けた感じも少ない。

アタックはしなやかな酸と繊細なうまみをたたえた丸みのある味わい。タンニンも細かく、酸と旨みのバランスが良い。ただバランスが良すぎてインパクトには欠ける。もう少しシラーらしい野性味があってもよいのに、上品さの中に窮屈さも覚える。

余韻はこれも細く伸びやかで、きれいなコクが長く続いていく。スパイシーな余韻はあまり感じない。まとまりのある上品さが心地よい。

シラー100%でここまで上品さを出すのは並大抵の事ではない。でも品種の特徴を感じたいと思う向きには少々まとまりすぎて物足りなさも否めない。上品を選ぶのか、野性味を選ぶかで、その両方を求めるのはないものねだりって気もするけれど...

【阪神百貨店 7,500円】

2007年12月25日 (火)

ヴァン・ド・ペイ ブゥーシェ・ドゥ・ローヌ2006 マ・ドゥ・プティ・アゼガ 

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最近つとにワインが高くなったナァと思う。特にブルゴーニュ。AOCブルゴーニュでも軒並み3千円台、ユーロ高や運賃高の影響もあるだろうが、聞くと蔵出しの価格も上がっているという。つらいなぁ...

ディリーで飲むなら2千円台くらいにとどめたい。そうなれば別の地域で探すのが手。ローヌはその一策だ。このワインはヴァン・ド・ペイだが、ラベルにはビオ農法で生産しているとある。セパージュはカリニャン50%、カベルネ・ソーヴィニヨン50%だそうだ。カリニャンは最近注目の品種。フランスでは最も多く栽培されている品種で、かつては品質面で低い評価を受けていたが、今は有能な醸造家が注目していいワインを作っているという。

色は黒味の強く凝縮感のあるルビー色。香りはユーカリ、フランボワーズ、粒胡椒の香り。

アタックは柔らかな甘さと伸びやかな酸。タンニンがしっかりあり、ジャムのような甘さとのバランスも良い。粗さは感じられず、ボリューム感もある。

余韻は深みには欠け、若干ゴツゴツした感じはあるが、柔らかな旨みを保ちつつゆっくりと引いていく。

ローヌらしい温かみのある素朴なワインだ。カリニャンの粗さを落ち着かせ、カベルネ・ソーヴィニヨンが品格を加えている。自然にスーッと入ってくるやさしいワインだった。

【橘田酒店 2,500円?】

2007年12月20日 (木)

ヴィヌメンティス アルディッシュ2002 ヤン・ロエル

Avtzpyu9 12月、呑み会多いなぁ。今年は自分の送別会が重なって、例年の倍くらい飲んでるような...あと定例は2回、なんとか乗り切れそう。

で、お疲れの体をいたわるのはやさしい味わいの白ワインしかないでしょ!ってことで、ヴィオニエ主体のこのワインを。

このワインは自然派ワインの醸造コンサルタントヤン・ロエルのネゴシアン・ワイン。自らが信頼する農家からブドウを買い付けた上で醸造している。この白ワインはローヌ地区のアルディッシュのヴァン・ド・ペイに位置づけられるが、この地のポテンシャルの高さは、ルイ・ラトゥールもシャルドネで「アルディッシュ」「グラン・アルディッシュ」を作っていることからもうかがえる。そしてこのワインはヴィオニエ90%、シャルドネ10%のセパージュだが果たして?

色合いは少し濁りを感じさせる、薄めのリンゴジュースといった感じ。ろ過していないのか、中には細かな粒子が漂っているかのようだ。香りはターメリック、カラメル、白バラの香り。

アタックは舌の先端をくすぐるかのような細かな酸。ガスを若干含んでいるかのようだ。先端から表面全体に鮮烈な酸が広がった後でやってくるのは、程よい甘さを伴ったコク、旨み。そしてバックで支える繊細なほろ苦さ。

余韻は深くはないが、みずみずしい幸水ナシを食べた後のような感覚が残る。ピュアな果実ジュースを飲んだ後の心地よさに似ている。

2002年という事で、かなり味わいが練れてきているのだろうか。ヴィオニエの低価格帯ワインにありがちな鈍重さは全く感じない。重厚なワインではないけれど、自然に体に溶け込んでいく、入り込んでいく、そうした感覚を十二分に経験できるピュアなワインだ。

【Wineshop FUJIMARU 2,500円?】

2007年12月19日 (水)

クローズ・エルミタージュ・パピヨン2006 ドメーヌ・ジル・ロバン

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フランスならばジビエの季節。でも家ではそんな料理を気安く食べることも難しいんで、せめてワインはジビエのパートナー、ローヌの赤を。

クローズ・エルミタージュはシラー100%で作るリーズナブルな赤ワインの宝庫だ。宝庫だけに難しい産地でもある。しかし、このワイナリーはこの産地の第一人者、アラン・グライヨが賛辞を惜しまないという。1999年創立とまだまだ若いワイナリーだ。

栽培はビオ・ディナミ。ラベルのパピヨンはもちろん蝶。春を感じさせる可愛いラベルには小さく「レオニーへ」という文字が。これは春に生まれた娘さんへ捧げる言葉だ。とてもほほえましい。そしてこのワインは若いシラーで作られており、娘さんが育ちブドウも成熟する頃にはこのキュベは作らないと言っているのだそうだ。

さて、ワインの色合いは深みのある凝縮感にあふれた黒味の強い紫。香りは湿った銅、胡椒、カルピス、おこげのような香りもある。

アタックは柔らかな酸と甘みのある果実味。そしてコクと旨みを十分持って豊かな膨らみを感じる。粗さはみじんもなく、予想外に細やかなタンニン、スムースな展開。これほど控えめなクローズ・エルミタージュも珍しい。

しかし味わいの中にはシッカリとスパイシーなシラーらしさを備えている。この調和は素晴らしい。

余韻もスパイシーさと繊細な旨みが絡み合い、心地よい味わいが細く長く続いていく。

ローヌのシラーにあるべき特徴を保ちながら、繊細さと上品さを兼ね備えたワインになっている。さすが第一人者が目をかけた醸造家、いい仕事しますね〜

【Wineshop FUJIMARU 3,020円】

2007年9月29日 (土)

クローズ・エルミタージュ レ・メイソニエ 2002 M.シャプティエ

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9月も最後まで暑さが続いてしまったが、クールビズも終わりで来週から背広、ネクタイが3ヶ月ぶりに復活。あわてて長袖のシャツを洗濯にかかった。10月に入ると秋らしくなるだろうか?それともこのまま季節感も無く冬突入?

少しずつ気温も下がってくると、ワインもまた白中心から赤に模様替え。そんな季節の変わり目にはミディアム的な赤ワインを。

M.シャプティエはギガルと並ぶローヌ地方の大手生産者。大手だが、早くからビオ・ロジック農法を取り入れている。

クローズ・エルミタージュは銘酒エルミタージュ周辺地区に広がる平坦な栽培区域で、ローヌのワインとしては比較的軽めの味わいになると一般的には言われている。ただし、一部の生産者のワインはそんな思い入れを覆す、凝縮したヘビー級のワインを産み出している。では大手のワインはいかに?

色合いは黒味は強いが明るめのルビー色。凝縮した重さはあまり感じない。しかしエッジにも十分色は入っている。香りは金属的、鉄サビ、黒胡椒、カシス、杉木材の香り。

アタックは酸がしっかりしていて、最初のボリューム感はあるが、そこから中盤への膨らみはあまりない。最初のインパクトほどミッドの力は強くなく、タンニンも粗め。味わいのベースを形作るほどの力強さはない。なので、引き際もあっさりしすぎており、若干拍子抜けの感は拭えない。

余韻はアルコール感とかすかな甘さを感じるが、それも強くはない。

ローヌ、シラー100%を想像して飲むと肩透かしを食らってしまう。このワイン、違うビンテージも含めて結構飲んでるんだけど、ここまで肩透かし、というか物足りない印象だったのは初めて。もともとクローズ・エルミタージュ自体はそれほど重いワインではないと思うけど、それでもこのインパクトのなさはどうしたものだろう?

【阪神百貨店 2,800円?】

2007年8月13日 (月)

シャソルネィ・デュ・シュッド S NV(2006)

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日本人女性が単身ロワールに乗り込んで、ワイン作りに打ち込んだ。新井順子氏の著書「ブドウ畑で長靴を履いて」はその奮闘の記録だ。そして今や彼女のワインは日本において引っ張りだこ、一つのブランドになっている。

そしてもう一人、ブルゴーニュにおけるビオワインのリーダー、フリップ・パカレと並び称されるのがドメーヌ・ド・シャソルネィを率いるのがフレデリック・コサール。

その2人がローヌの地でグルナッシュとシラーでコラボレーションしたワインが世に出た。それがヴァン・ド・ターブル、テーブルワインのカテゴリーで出された「シャソルネィ・ド・シュッド」。そしてこのワインはシラー100%。

ブランドに任せて結構楽に作ってんちゃうんか?と思っていたが飲んでみてそんな思い込みは全く当てはまらないことを思い知らされた。

色は非常に黒味の強いルビー色。エッジまで色が詰まっており、濃縮ジュースといった感じだ。香りはカシスリキュール、コショウ、ターメリック、金属的な香り、赤錆と複雑だが甘苦さを思わせる熟した香りだ。

アタックは甘みのボリューム感をまず感じ、その後で果実らしい酸がやってきて、そしてジューシーさと少し荒い角のあるタンニンが共に口の中に広がる。重さはあまり感じない。果実味はふんだんだが、けっしてしつこさには繋がっていない。

余韻は短めだが、軽やかな甘さが口の中に残る。果実の旨みが豊かに溶け込んだ味わいだ。

2千円以下のワインながら繊細な作りで、むしろローヌの上級ワイン、コート・ロティのようなニュアンスを帯びた味わいになっているのには感心した。見事な価格パフォーマンス、お見事なコラボレーションです。脱帽。

【創酒タカムラ 1,900円】

2007年6月14日 (木)

クローズ・エルミタージュ2004 ドメーヌ・レ・ブリュイエール

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成城石井の三番街店はお気に入りスポット。阪急の梅田駅真下で少々買い物してもすぐに電車に乗れる。そして店の入り口にはスタンディングのワインカウンター。いろんな種類が安くのめるが、レパートリーがややマンネリ気味なところが少し不満。でもバーじゃないから仕方ないか。

その日はカウンターの品を見回したが、あまり飲みたいのがなかったので、売り場に直行。そして新商品のラベルを探したら、クローズ・エルミタージュの新商品じゃあ〜りませんか。ローヌ好きとしては、これはいっとかなあかんでしょ。

レ・ブリュイエールは最近売り出し中の、これもはやりのビオ・ディナミ製法の作り手だとか。ついに成城石井にもビオの波がやってきたか!ビオ・ディナミ製法に関しては、あまりよくはわからない。オーストリアの思想家、シュタイナーの思想を体系化し、生物の潜在的力と土地の持つ本来の活力を引き出す農法ということだが、占星術的な側面も持っているという。

ワインの香りは甘いベリーの香り、スパイスが心地よい。色は黒味を帯びたルビー色だが、さほど濃いという印象はうけない。

アタックは酸もそこそこ感じるが、スパイシー感が結構ある。若い果実の甘みと程よいスパイシーさがうまくバランスしている。ローヌとはいえ、なかなかしなやかで繊細な作り方だ。果実味を前面に押し出そうとしているのだろうか。

タンニンは中庸で、そのあとはスーッと自然な余韻につながっていく。あまりボリューム感は感じないが、全体にうまくまとまりがあり、きれいな作りで好感が持てた。特にスパイシーさはしっかり出ている。ローヌワインにこれがないと、まずは合格点を出せない。

でもやはり物足りない。あまりにもきれいにまとまりすぎて、印象に残りづらい。全て舌の表面で展開してしまう。旨みが舌の中にしみこんでくる、そんな感覚は全く感じなかった。凝縮感が足らないのだろうか?

クローズ・エルミタージュにそこまで期待するのは酷なのかもしれないが、それでもアラン・グライヨと比べれば、そのポテンシャルは雲泥の差だ。別に農法はどうでもいいから、やはりせっかくのローヌなので、無骨な個性を感じさせて欲しい。まだ若いドメーヌのようだから、今後に期待したいが、さてどう展開しますか?

【成城石井 梅田三番街店 2,590円】

2007年6月 8日 (金)

ドメーヌ・ロマノー・ディストゥゼ ヴァン・ド・ペイ・ド・ラルディシュ 2004

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ローヌの白ではやはりヴィオニエが最高峰だろう。あの甘い白い花の香りと、程よい甘さの中にこれまた程よい苦味が隠れている。そしてもう一つ、ルーサンヌという品種。この品種で作られるワインは残念ながら少ない。しかしすばらしいポテンシャルがあるという。

そしてこのワインはそのヴィオニエとルーサンヌの合作だ。作り手はエルヴェ・スオー。ローヌのビオワイン界の雄、ダール・エ・リボで研修を受け、そしてこれまたビオの代名詞、フィリップ・パカレがワイン作りのコンサルタントを務めているという。まさにビオの王道を行くかのようだ。亜硫酸を使用せず、ノンフィルターで造るワインは徹底している。

香りは華やかで甘い桃缶のシロップ、バラ、ハチミツ、ママレード、ヨーグルト、カリンジャムの香りがある。いずれにしても甘い香りだ。色は麦わらのニュアンスがある黄金色。少しねっとりとした質感がある。清澄していないというが、濁りはそれほどでもない。(最後の1杯を注いだときはすごい濁りが出ました...)

酸はやはり少ない。程よい甘さのボリュームと共に、心地よい苦味が口の中に広がる。甘くやさしい香りが口の中を包み込む。よくローヌの白にあるしつこさは全くない。

余韻も軽やかで繊細な花の香りとコクが豊かな旨みがじわりと続いていく。

トロピカルな味わいだが、決して甘ったるくなくバランスを保っているところが素晴らしい。繊細なヴィオニエの長所が存分に発揮されているし、そこに加わったこのボリューム感はルーサンヌの長所なのだろうか。まさにブレンドの妙だ。

ヴァン・ド・ペイという低いカテゴリーにあるのは、造り手のこだわりだろう。いやぁ、いいワインです。エルヴェ・スオー、当分忘れられないね。

【ワインショップ・ベリエ(神戸店) 3,480円】

2007年5月 8日 (火)

コート・ロティ2001 ドメーヌ・ジャン・ミシェル・ステファン

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久々に上等のローヌを飲みたくなった。で、選択はエルミタージュかコート・ロティで、好みでいけばコート・ロティ。そこでこのお手ごろ価格のロティを選択してみた。

コート・ロティは「焼けた丘」の意味。その名の如く、あまりにも暑い畑から生まれるシラーはそのままでは勢いが強すぎる。ということでここは伝統的に白ワインのヴィオニエを10〜15%混醸することが許されている。だから普通のシラー100%にはない複雑さが生まれることがある。

ワインの作りも伝統的な作りを守っていて、果皮との接触により味を抽出する醸し(マセラシオン)も長め、そして瓶詰めまでの樽熟成も長めに取っている。

さて、このワインはいかがか。色は黒味の強い、深みのある透明感は少ないルビー色。香りはスパイシー、スモーク香が顕著。バックには果実、カシス、ミント的な香りがある。

アタックは思いの外酸が強い。その後で収斂感の強いタンニンがやってくるが、広がりは小さい。舌の中央で展開する感じだ。

ローヌのわりにはボリューム感が乏しい。あまりにもまとまりすぎだ。これであれば力むき出しのヴァン・ド・ペイの方が好ましい。クリーンでスッキリした作り方だが、ロティが飲みたいときに期待する特性、ヤキイモの皮を焦がしたような甘さと焦げのボリューム感は殆ど感じられない。

上品なのかもしれないが、これでロティというのなら少々残念。シンプル過ぎて期待を裏切られてしまった以上、次は定番、信頼感のあるロティを飲まないと埋め合わせはできないなぁ?

【追記】
一日置いて飲んでみたら若干落ち着いて、気になっていた酸が穏やかになってきた。旨みも出てきたが、やはり軽めの感は否めない。もう少しボリュームが欲しいと思うのは変わらず。

【グラシアス(大阪空港店) 5,800円】

2007年4月 1日 (日)

クローズ・エルミタージュ2004 アラン・グライヨ

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アラン・グライヨのクローズ・エルミタージュには一番の思い入れがあるといっても過言じゃないかもしれない。このワインを飲んで、ワインの奥深さを知ったような気がする。

アラン・グライヨがクローズ・エルミタージュ最高の作り手であることは誰も否定できないのではないだろうか。凝縮した種質、パワフルなボディ、シラーの特質を最大限生かしたワイン、それでいて安く価格を抑えた消費者志向の徹底、どれをとってもワインつくりの手本になると思う。

色はベリーをすりつぶしたような、青みを帯びた紫色。濁りというと誤解されるが、そんな感じを持つほどの凝縮感がある。

香りはスモークチップ、燻製の香りが顕著だ。もちろんブラックペッパーの香りも強い。果実香よりも香辛料的な香りが支配的だ。ビーフジャーキーのような獣的香りもある。

アタックはしなやかな酸。2004年のグライヨは凝縮というよりも酸とタンニンのバランスがとれて、非常になめらかかなワインになっている。渋みも以前よりは強くないか?しかし口に含むと果実のボリュームを感じ、ユーカリのような香りとともにうまみが口の中を広がる。

余韻は甘苦い感じが口の中に残る。それほど長くはないが、この渋みの感覚は、ボルドーやブルゴーニュにない感覚だ。

うまいシラーが飲みたくなったとき、やはりアンリ・グライヨに帰ってくる。こういう波止場的ワインを持っているからこそ、いろんなワインに挑戦できるし、安心して飲める、人に薦められるというものだ。

【2,500円 通信販売でまとめ買いしたので忘れましたshock

2007年1月30日 (火)

クローズ・エルミタージュ セ・ル・プランタン2005

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ブドウ品種の中で何が好きか?と問われたとき、だいたい相手は「カベルネ・ソーヴィニヨン」、「ピノ・ノワール」あたりを期待するらしい。でも残念、僕はいつも「シラー」なのだ。メジャー品種なのだが、爆発的代表作がない。「カベルネ」の5大シャトー、「ピノ・ノワール」のロマネ・コンティに匹敵するものがないのだ。洗練さに欠けるかもしれないが、しかしシラーは愛すべきパワフル、スパイシーな品種だ。

価格帯高めのフランスワインの中で、おいしいシラーを飲もうとすれば、どうしてもクローズ・エルミタージュに頼るしかない。ヴァンド・ペイも選択肢にはあるが、当り外れが多い。外れると単に酸っぱくて薄い感じのものになってしまう。

これもクローズ・エルミタージュだが、黒門のFUJIMARUさんで見るまでは知らなかった。「C’est le printemps(春)」とはなかなか心憎いネーミング。ラベルも素朴でかわいらしい版画を見るような感じだ。

香りはそれほど強くはないが上品だ。やはりスパイシー、黒胡椒をすりつぶした時のあの香り、これがないとシラーらしくない。赤錆のような金属香もある。

アタックは思ったほど重々しくない。酸がしっかりしており、そして微妙に口の中をくすぐる感覚。少し発酵の過程でできるガスを残しているようだ。こういう作り方は珍しい。「春」というコンセプトを醸造にわざと活かしているそうだ。シラーにはどうかと思ったが、悪くない。ボリューム感を抑えているので、こういう造りにあうのだろう。

タンニンも強くはないが、バランスが取れている。こういう確信犯的なボークすれすれを投げながら、決してシラーらしい特徴を失っていない。スーットした清涼感を残して軽やかに余韻も消えていく。

これも恐れ入りました。無名の造り手だが、この技はただもんじゃなさそうだ。世界は広い、と改めて思い知らされました。

【購入データ 3,500円? Wineshop FUJIMARU】

2007年1月15日 (月)

ドメーヌ・デ・グランジュ・ド・ミラベル2005

Cyuqmmoy
ローヌ地方ではトップの創り手シャプティエのヴィオニエ。昨年来からワインといえばビオ、とビオワインがもてはやされているが、シャプティエはその先駆者的存在。

ヴィオニエの特徴は花の香りとふくよかなボリューム、そして後味に残る心地よい苦味。ワインとしてはコンドリューが有名だが、いかんせん高い。で、ディリーに楽しもうと思うとヴァン・ド・ペイを選択するしかない。ニューワールドでもヴィオニエは高価格帯のワインとして生産されているからだ。しかし、残念なことに低価格帯のヴァン・ド・ペイのヴィオニエは薄い平板なものが多く、良いものを見つけるのが困難。そこでシャプティエならと今回の登場。

香りはジャスミン、アプリコットの香りがして華やか。酸は少ないがこれはこの品種の特徴だし、ローヌの白は酸がおとなしめなので納得できる。飲んだときのボリューム感は若干少ないが、後味の苦さは感じられる。こじんまりとしているが、品種の特徴は良く出ていると思うし、好感が持てる。

無難にまとまっているし、ワイン、特に白ワイン飲み始めの人には香りも華やかだし、酸も少なめなので喜ばれると思う。「飲みやすい〜」という表現がぴったりくるようなワインだ。あまり褒め言葉になんないのかもしれないが...

【購入データ 1,800円? 阪神百貨店】