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2015年11月

2015年11月22日 (日)

ドメーヌ・ポンソ サン・ロマン キュヴェ・ド・ラ・メソンジュ2011 AOCサン・ロマン

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ブルゴーニュ有名ドメーヌものがかなりお高く感じられるようになったので、ボトルを購入してまで飲む機会というのは減った気がするが、それでもこういうあまり見ないもので値段も手ごろなのを見つけると、手を伸ばしてしまう。

ドメーヌ・ポンソと言えばモレ・サン・ドニを本拠とし、絶対的に赤ワインで有名な造り手だが、コルトン・シャルルマーニュといた白ワインももちろん手掛けている。最高にレア、といえばアリゴテで唯一のプルミエ・クリュを名乗れるクロ・デ・モン・リュイザンを単一所有している。いつかの機会にはぜひ飲みたいと思っているが、果たして?

このサン・ロマンはヴィラージュものだが、サン・ロマン村自体にプルミエ・クリュはない。コート・ド・ボーヌの村々からはやや西に奥まったところにあり、ムルソーとモンテリーの間、オーセィ・デュレスの村を抜けたところにある。標高が高く約400m、気温は低いが地形が複雑で風の通りを遮り、ブドウの成熟に十分な環境となっている。

色はややグリーンと粘性を感じさせる落ち着いたゴールド。オレンジ、青リンゴ、白い花、ヨーグルト、カスタードといった甘さを感じさせる香りがあるが、やや閉じ気味。

口に含むと溌溂としたスレンダー、かつ冷涼な酸に導かれて、均整の取れたやや細身の果実味が広がってくる。ジューシーでまとまりのある味わいはブルゴーニュらしい品格を備えており、ややドライで後半には辛みさえも感じるミネラリーな味わいが複雑さを感じさせる。

余韻は最後まで息を切らさない酸のフレッシュさを残しつつ、樽のシャルドネらしいリッチなふくよかさが浮遊感をもたらし、その味わいがゆっくりと昇華していく。

全体に過不足なくまとめ上げられた、大手の余裕を感じさせる1本。あまり樽々しいシャルドネよりも僕はおとなしめの味が好みなので、こういうワインのほうが安心して楽しめるし、グラスを重ねる楽しみも生まれる。クセのあるワインも好きだけど、たまには王道で余裕をかましていいですか?

【エノテカ大阪店(エノテカ)6,000円?】

2015年11月17日 (火)

イル・マッロネート ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2008 DOCGブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

151115ilmarronetobrunello今週は特に予定がなかったので、久々に自宅でワインの飲み比べ、というかティスティングの練習。こういう場合は違うものよりも同じ種類のものを比較するほうが、より細かな違いを感じ取るという意味で勉強になる。この日は奮発してブルネッロ2連発。

イル・マッロネートの当主、アレッサンドロ・モーリ氏は元々法曹界の出身で、その父も弁護士のかたわらワイン造りに興味を示したことからこの道に入り、今ではすっかりワイン造りに専念することとなった。その主義はサンジョヴェーゼ1本集中、畑は自然に任せて除草剤の類は一切使用しない。ブドウは圧搾後ステンレスタンクで発酵、その後は2,500リットルの大樽で36か月熟成ののち、瓶熟10か月。

色はやや湿った感じのあるダークルビー。香りは木苺ジャム、カシス、干しブドウの甘さを呼び覚ます香りに加えて、ロシアンティー、ミント、ドライハーブの香りも感じられる。

アタックは瑞々しいストレートなベリーの酸に導かれて、細かなタンニンに満ちた果実味が口の中を弾むように入ってくる。角が取れた純度の高い酸が味わいの中核を成し、その周りに適度な旨み、膨らみが寄り添うように中盤の安定を形作る。濃密だがドライな果実味、滑らかな舌触りの体感が心地よく、全体にバランスの妙を感じさせながら後半の落ち着いたブルネッロらしい余裕の展開へと誘われる。

余韻は凝縮感と甘い果実のデュエットが細く長く続き、次の1杯を躊躇する気持ちにさせるほどの安寧を奏でていく。

前半の抑制を利かせた凝縮感、そこから昇華して後半の長い余韻の安らぎをもたらす展開、ブルネッロに期待する特質を的確に備えたワイン。やっぱブルネッロ、美味しいわー。

【Wineshop FUJIMARU(ラシーヌ)9,000円?】

2015年11月16日 (月)

イル・ボッロ アルパ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2007 DOCGブルネッロ・モンタルチーノ

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人には「サンジョヴェーゼはやや苦手」という割に、結構家では飲んだりしている。その場合は自分が好きそうな感じのものを選んで、1本ゆっくり愉しむ時が多い。そして、その時には勢いブルネッロを選らんだりしてしまう。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、サンジョヴェーゼの最高峰と言えるこのワインの特色は、生き生きとした酸味としっかりした酒質が両立しているところにある。上質のキャンティも同様に言えるが、ブルネッロはより安定感、重量感を伴っているところに自然と惹かれてしまうのだろう。

イル・ボッロはイタリアファッション界の雄、フェラガモ資本によるワイナリー。というか、フェラガモがイル・ボッロ村を含む地域を買収、リゾート地として開発した場所に新たに開いたワイナリーということで、その財力にも驚くが、そこから産み出すワインが軽くブルネッロとして世に出されることにも恐れ入る。ワイナリーとしての初リリースは1999年。

色は深みのあるやや黒味がかったルビー・ルージュ。香りは熟したストロベリー、赤い花、いちじく、ビターチョコ、バックにやや金属的香りも感じられる。

口に含むと熟したベリーの美味しい果実味がストレートに解き放たれる。快活だがしなやかさもある酸味の中庸さが好ましく、優しい序盤から中盤のブルネッロ独特の細かな渋みを伴った厚みのあるボディへと無理なくつながっていく構成が感じられる。中盤の落ち着き、バランス感覚は異論のないところだが、やや巧く流れすぎる感じが否めず、無理をしない安全運転といったところか。後半に至ってもその流れを崩さず、穏やかな時間が過ぎていく印象。

余韻はきびきびした酸味に彩られたしなやかで穏やかな甘さの果実感が舌を薄くくるむように広がり、そして適度な浮遊感とともに昇華していく。

ブルネッロに期待する特徴のすべてを過不足なく備えており、大手が財力をバックに短期間に開発したということを考えると十分な内容だと思う。ただ贅沢な要求だろうか、美味しいのだがやや個性に欠ける面は否めない。流麗すぎて、心に引っかかるもの、後に残るものというところが少ないのが正直なところではある。ワインとしては完成形に近いのだが、難しいところだ。

【エノテカ グランフロント店(エノテカ)6,000円】

2015年11月15日 (日)

ローズ・ド・ジャンヌ コート・ド・ヴァル・ヴィレーヌNV コート・デ・バール

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コート・デ・バール、シャンパーニュでは一段低く見られがちなこの地域は、シャンパーニュの畑の約5分の1を占めるほどの生産地でもある。そのすぐ南にはシャブリも控えており、したがって地質も同じくキンメリジャン、貝の化石を多く含む表土が覆う石灰岩土壌となる。この地のポテンシャルを疑うべくもないが、そこに集中する生産者は長く現れなかった。そして、昨今その先駆者、代表選手として取り上げる生産者の筆頭にセドリック・ブシャールを挙げることに関して異論はないだろう。

初リリースは2000年、「オートクチュールのシャンパーニュ」を唱えて単一区画、単一品種、単一収穫年のシャンパーニュのみを生産している造り手で、自社畑はわずか3.7haだが、個人の目が行き届く範囲としてはこれでも多いくらいなのだろう。ブドウは農薬を抑えたリュット・レゾネ、収量を抑えた上に選果し、圧搾は最初のテート・ド・キュヴェのみ。その後は自然酵母による発酵を経てステンレスタンクで熟成、ノン・ドサージュで瓶詰めし世に送り出す。このシャンパーニュは表面上NVだが、やはり単一年のピノ・ノワール100%によるもの。

色はやや浅くグリーンのニュアンスを帯びつつも、温かみのあるくすみを感じさせるゴールドイエロー。泡は力強く細かに全体から立ち上る。香りはブリオッシュ、クロワッサンに加えて、焦がしたフルーツ、リンゴ、カスタード、バックにやや土、鉄のニュアンスも感じる。

口に含むと優しい細やかな泡の歓迎が収まった後は、意外に静かな展開で戸惑う。自然すぎて物足りなさも一瞬感じるが、それが誤りであったことはその直後に判る。罪人を救うため釈迦が投げた蜘蛛の糸に似た細めの酸に導かれて、中盤は自然かつふくよかな果実の甘さ、豊かさが、ベートーベン交響曲9番第3楽章の導入部のような至福の平穏を奏でる。重厚さとは無縁の極上の浮遊感は、他のシャンパーニュとは一線を画す個性。泡、酸味、果実味、すべてが温かさ、ふくよかさを備えている以上、全体のバランスがどうしてとれないはずがあろうか。

余韻も後半からの豊かなバランス感覚から転じ、その味わいが扇を返すようになだらかに大きく展開して、最後に優しい苦みのアクセントを残して昇華するように散じる。

シャンパーニュを飲んでいるとどこかに技巧、それ故であろうかやや刺々しさをかんじていたのだが、彼のシャンパーニュに関してはそうした印象は皆無すぎて逆に物足りなさ感じたのだが、その直後の芳醇な味わいに逆に圧倒されてしまった。この味わいをノン・ドサージュで作り出すことに脱帽です。Good JOB!

【エノテカ(エノテカ) 9,000円】

2015年11月14日 (土)

オーデックス・ジャパン&トゥルサン・フランス エスプリ 樹(ki)ブラン2014 AOCトゥルサン 

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 バロック、その耳に馴染む響きは美術の世界にあってこそだが、ワインにもその名を持つブドウがある。しかもそれはフランス、そしてそのブドウを主要品種とするAOCを持っている。その地は南フランスのトゥルサン、ここでそのブドウはかつて絶滅の危機に瀕しながら、一人のシェフとの出会いによって、その幸せな知る人ぞ尋ね来る隠者にも似た生活を送る今に至っている。

フランス南西部の温泉町、ウジェーヌ・レ・バンにある三ツ星レストラン、レ・プレ・ド・ウジェニーのシェフ、ミシェル・ゲラールがワイン造りを始めるにあたって着目したのが、この辺りに植わっていた地元品種のバロックだった。19世紀当初は病害に強い品種として栽培されていたが、20世紀に入って衰退し、2008年には112haと50年前に比べて約50分の1にまで落ち込んでしまった。しかしそのブドウに惚れ込んだゲラール氏によって、再び脚光を浴びつつある。このワインはインポーターであるオーデックスが現地企業と組んで生産するもので、2012年のヴィンテージではバロック40%、プティ・マンサン30%、ソーヴィニヨン・ブラン30%。

色は薄めのゴールドイエロー。香りはライム、オレンジの柑橘系の香りが主体的で、それに加えて乳酸、白い花、塩昆布の香りも感じられる。

口に含むとおおらかなアタック感、そこからじわじわと丸みのある好ましい果実味がゆっくりとしたペースで広がる。その果実味から染み出てくる落ち着いた酸味は、南のブドウらしく鷹揚だがしっかりした主張が感じられ、ふくよかな果実味のボディをまとめ上げるに相応しい弾力性をもって下支えする。中盤から後半にかけては複雑さこそ少ないものの、調和のとれた飲み飽きのしない優しい味わいが広がっていく。

余韻は後半からの展開そのままに、なだらかなスキー場の斜面を下るかのように自然な着地点を見出し、自然とフィニッシュする。

一言でいえばバランスの良いワイン、ということになるのだが、そのバランスの中にもしっかりした旨味、酸味の要素が感じられる。プティ・マンサンのボリューム感、ソーヴィニヨン・ブランのフレッシュさ、それを繋ぐバロックといったところだろうか。それでいて自然とグラスを重ねても負担感、飽きが来ないのがなにより。デイリーワインにふさわしい特質を備えたワインということなんだろうな。

【R -the wine shop-(オーデックス) 1,200円?】