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2015年5月

2015年5月11日 (月)

勝沼醸造 甲州テロワール・セレクション 大和2013 山梨県甲州市勝沼

150510いろいろ日本ワインも飲んできたつもりだけれども、残念だが未だにお目にかかったことのない希少ワインもある。生産量が少ないから、発売されても昔からの御贔屓筋に優先的に配られるのか、殆ど幻に近い。それは今後も続くのだろう。

その一つに勝沼醸造のアルガブランカ イセハラがある。1937年から勝沼の地でワイン醸造を開始、長い努力の後に2000年に入ってそのワインは国際的な評価を得て、特にイセハラが2004年のインターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティションで銀賞を獲得した。その後甲州種のポテンシャルを突き詰めて、日本最高のワイナリーの評価を得て今に至っている。

このワインは勝沼よりも標高の高い大和町の畑で収穫された甲州によるワイン。砂礫質の土壌から、標高の高い分酸の高いワインに仕上がるという。

色は透明度の高い張りのある薄めのレモンイエロー。香りはやや控えめながら青い柑橘の香りがフレッシュに漂い、青リンゴ、青バナナ、ヨードのミネラル香もバックに感じられる。

口に含むと鮮烈な酸味とボリューム感のある柑橘の旨味が一挙に広がる。序盤のボリューム感が収まると、豊かな旨味の印象が過度に流されずに繊細な味わいを形作る。複雑さよりもストレートな果実の旨味で迫ってくる中盤から、しっかりした甘みが均整なフォルムを保ちつつなだらかに流れる後半へとつながる展開が心地よい。後半に現れるやや荒っぽいミネラル感もむしろアクセントとして好ましい範囲。

余韻は程よい甘みと香り高い柑橘のアロマが口の中に球体を作るかのように広がりつつ、ふくよかな印象をのこしながら優しいフィニッシュに至る。

甲州の中では味わいの各要素が強めに出ているワインだが、それが突出せずにバランスを保って飲みごたえのある味わいに仕上がっているところが素晴らしい。甲州という品種を知り尽くした造り手の自身に満ち溢れた一本と言えるんじゃないかな。

【R -the wine shop-(勝沼醸造) 2,500円?】

2015年5月10日 (日)

マッテオ・フルラニ シュル・リー・アルピノ2013 トレント(トレンティーノ・アルト・アディジェ州)

150510matteofurlani徐々に陽射しが強くなれば、自宅で消費するワインも徐々に白へと移行する。そしてその白の一部が泡となる。

泡の中で一番好きなのはシャンパーニュなのだけれど、さすがに高値。次の選択肢としてはイタリア各地に広がる珍しげなスプマンテだが、この一本は素朴なエチケットにまず魅かれて購入したもの。

簡素なエティケットだが、データは豊富。この地の古い品種を使用したスプマンテで、パヴァーナ、ヴェッルナッチャ、ラグリノ・ビアンカ、ヴェルデルバーラによる。この中でパヴァーナはヴェネト州パドヴァの名前に由来するブドウ。ラグリノ・ビアンカも北イタリア特有のブドウだが、特にDNA上ラグレインとの直接関係はない。製法は発酵が完了していない時点で瓶詰めを行い、瓶内に炭酸ガスを閉じ込めるアンセストラル法によるもの。栽培法はペルゴレ、標高720mの畑で9月末に収穫、フィルタリング、亜硫酸添加は行っていない。

色はやや濁りの残る、黄緑のニュアンスを帯びた薄い麦わら色。やや還元香を残るが、ライム、グレープフルーツ、バジルの青い清廉な香りが立ちあがる。泡は開けたては勢い良く、その後は仄かに立ち上がる。

アタックは軽やかな泡の優しさ、そしてジェノヴェーゼのソースのような旨味を持った爽やかさが広がる。引き締まったボディの中に青い柑橘の旨味がふくよかに詰っており、決して軽さだけではない質が感じられる。雑味の少ない味わいは中盤から皮の渋みがアクセントとなり、徐々に複雑さの印象を広げていく。

余韻はドライな味わいを見せつつ、爽やかな青い印象を口腔に広げながら優しくフィニッシュに至る。

久々に個性的な味わいのスプマンテに出会ったという感覚。これだけワインに強いバジルの印象を覚えたことは未だかつてなかったかも。今日の夜はジェノヴェーゼを作って合わせてみようかな。きっと合う事間違いなし。

【エーテルヴァイン(テラヴェール) 2,500円?】

2015年5月 4日 (月)

ステファノ・レニャーニ ルー・ガルー2013 サルザーナ(リグーリア州)

150504loupgarouヴィナイオータは日本のワイン業界において大きな影響を与えたインポーターであることは間違いないだろう。今やセレクトショップ的ワインショップで、このインポーターを扱っていない店を見つける方が難しい。特にイタリアワインにおいてはその影響は免れ難い。グラヴナー、ラディコン、サッサイアといった白ワインよりも黄ワインに近いワインを世に送り出し、その価値を認めさせた功績は大きすぎる。

ただし、それらのワインもいざ食事に合わせるとなると、正直なところ躊躇する場合が多い。あまりにワインの印象が強すぎて、料理との調和が保てるかどうか、見極めが難しいように思える。しかし、最近飲んだ中ではこの1本はその境界線を越えずに楽しめるワインだった。

イタリアワインでは主流とは言えないリグーリア州。その州で主要品種であるヴェルメンティーノを用いているこのワインを醸すのは、ステファーノ・レニャーニ。年産わずか4,000本という小規模生産者。1haの畑でヴェルメンティーノをビオ・ディナミ農法で栽培し、そのブドウを圧搾後5日間マセラシオンさせ、ステンレスタンクで発酵熟成、清澄は行わず、亜硫酸添加も最小限にとどめている。

色はややうす濁りで濡れた質感、オイリーさを感じさせる乾いた麦わら色。乾燥マンゴー、枇杷、アプリコットの甘い香りに加えて、ジンジャーの香りも加わる。

口に含むとねっとりした甘味をまず感じ、その直後にスマートで芯のある酸味がボディの中核を成すようにすくっと立ち上がる立体感が印象的。豊かな果実味はくどすぎず清冽さを保ち、芯を成す酸味に密に寄り添いつつ、序盤のオイリーな印象から中盤の清廉な味わいへと自然に展開していく。後半にはハーブの香りと共にやや苦みのあるミネラル感が広がり、複雑さとふくらみを見せていく。

余韻は穏やかな甘みが解けていくとともに苦みがしっかりと立ち上がり、細長い旨味を残しつつフィニッシュに至る。

オイリーな質感からは印象を裏切る、と言ってもいいくらい綺麗な味わい。リグーリアのワインはシンプル、ストレートという印象だが、その先入観を完全に覆してくれたワインだった。Good JOB!

【エーテルヴァイン(ヴィナイオータ) 3,200円?】