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2014年11月

2014年11月30日 (日)

バラストポイント醸造所 イーヴンキール セッションIPA サンディエゴ(カリフォルニア州、アメリカ合衆国)

141130ballastpointevenkeelビールの世界は全く分からないと言っていいのだが、ビアバーの流行によって最近は各種多様なビールが楽しめるようになった。だから少しずつビールのティスティングも増やしていこうかと思う。

このビールはアメリカ合衆国、サンディエゴにあるバラストポイント醸造所のセッションIPAというタイプのビール。ビールのややとっつきにくいところは、このビールのスタイルを表現する言葉が多いこと。このビールもインディアン・ペールエールという上面発酵のビールに属しつつ、セッションIPAというややアルコール度を低くし飲みやすく作ったビールだという。

バラストポイント醸造所はジャック・ホワイト氏のビール好きが高じて市販のビールでは物足りなくなり、1992年に自家醸造を始めたのがきっかけで、その後同志となるユセフ・チェルニー氏とともに1996年に設立された。

色はやや明るめの琥珀色でややうす濁り。グレープフルーツ、乾燥マンゴー、黒糖の香りとともに、モルトよりもややホップの強さを感じさせる。泡は細かでおとなしい印象。

口当たりは優しく、細かな泡が舌先を柔らかくなでる質感。甘みは控えめでホップの苦みが最初から立ってくる。アルコール感は軽快で、なだらかにのど元を下りていく感覚が心地良い。しかしその後も口の中に根を張るように広がるホップの苦みが広がり、やがてその苦みがようやく収まり始めた頃に、控えめなモルトの旨味が慎重に顔を出してくる。

余韻は苦みの力強さが長く残りなかなか消えず、ボリュームのある後味を残していく。

確かにホップの苦みが全面に出ているが、それを支えるボディがしっかりしているから決して突出した味わいという感じはしない。むしろ苦いビールが好みの自分としては、これはドンピシャのビールだな。

【Craft Beer Base(ナガノトレーディング) 500円(350ml)?】 

2014年11月29日 (土)

エミリオ・ルスタウ パロ・コルタド VORS 30Years Old ヘレス(シェリー)

141129lustaupalocrtado頻繁に飲むわけではないが、シェリーは大好きなワインの一つだ。年月を経ることで醸しだされる旨味、収束に向かう際の馥郁とした香りは、他のどのワインにもない個性と言ってもいい。

先月休暇を取って訪れた国、スペイン。その中で最も行きたかったワイナリー、スペイン語のボデガと言う方が相応しいだろうか、それがエミリオ・ルスタウだった。

エミリオ・ルスタウの設立は1896年、最初は貯蔵熟成だけを行い、出荷はしないアルマセニスタだった。出荷を行わないので商業主義というよりも品質重視、大手のボデガの中にはアルマセニスタのシェリーをブレンドしているところもあるという。ルスタウは今では出荷も行うが、伝統を受け継いで未だにアルマセニスタとして熟成した人の名前を冠したシリーズを販売している。

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パロ・コルタドは「切られた棒線」という意味で、熟成責任者が樽の中のシェリーを味見し、特に繊細さを有したこれこそ、と思ったものにその印をしたことに由来する。オロロソのボディにアモンティリャードの香りを持っている、と形容されるが、その味わいを明確に表現することは難しい。このボトルはそのパロ・コルタドを30年間熟成させたものだという。

色はやや薄曇りで湿った感じのある暗い琥珀色。香りはフレッシュさと古さが同居するような感覚で、やや青さを感じさせる香りの中に焼きリンゴ、ナッツ、スコッチウィスキーの香りがふくよかに広がる。

口に含むとすくっと直線的だが角の取れた酸が走る。鮮烈な酸ゆえに最初に感じるボディはやや細めのように思うが、間髪を入れずにその懐を見せるように膨らみを増していく。そしてその旨味を支えるエッジは厚めの苦みが担い、堂々たる落ち着きを見せたうえで、やがて再び繊細な酸味が顔を出しながら、終盤のリッチな味わいへと導かれる。

余韻は繊細な酸を芯とし、その周りを優しく包むナッティーな味わいが心地よく口の中に漂い、その底力を自ら収めるような気配を見せないほどに力強い印象を残す。

シェリーの豊かな余韻は知っていたつもりだが、それを覆すほどに強い、決して息を切らさない余韻に驚愕。30年の歳月の重さというものを改めて感じさせる体験だった。Great JOB!

【Emilio Lustau(Jerez de la Frontera)】40Euro(500ml)

2014年11月16日 (日)

フリードリッヒ・ベッカー ムッシェルカルク リースリング2012 Q.b.a. トロッケン ファルツ

141116muschelkalkriesling2013白ワインにあって欠かせない特質はやはり酸であろう。しかし一口に酸と言っても、その表現には多くの要素がある。その中で自分が重視するのは酸の高低とスピード感。

酸の高低と言うものの、この場合は酸の量自体を言っているわけではなく、ワインの味わいにおけるストラクチャーの中でどの部分を占めるかということ、と理解している。その意味でスピード感と相関する部分があるが、一過性のものでなくワイン全体に感じる酸の印象があれば、それは重心の低いものとして表現すべきだろう。

そうした酸の印象の典型的な造り手として挙げるならば、まずはこのフリードリッヒ・ベッカーとする。愛らしいキツネのラベルが印象的なドイツの造り手は、いずれのキュヴェにおいても落ち着いた深みのある酸が感じられるワインを醸している。このムッシェルカルクは貝殻石灰岩の土壌から年産3千本の産出によるワイン。

色はやや緑がかった張りのあるレモンイエロー。ディスクは中程度。香りは控えめだがパッションフルーツ、マンゴーの熟した黄色系のフルーツの香りに加えてミント的なハーブ香、スワリングによりリースリング特有の石油系の香りが微かに顔を出す。

口に含んだ直後の印象は意外と丸みを感じさせるが、その直後から細かだがボリューム感のある酸が殆ど残糖分を感じさせないドライな味わいと共に迫る。その後に太さを増して進んでくる酸がしっかりと中盤の骨格を整わせ、そしてその周囲に寄り添ってくるフレッシュな青めの柑橘系の果実味とともにスタイリッシュなボディを形作る。そして後半に感じる重心を低く落ち込ませるようなほろ苦さのミネラル感が、ワインに立体感を加える。

余韻は苦みのミネラル感がベースとなり複雑な印象を広げつつも、最後まで透徹する酸味が過度に重くなり過ぎない解放感を演出して、バランスを保ちつつ収束する。

全体としてはクリーンかつフレッシュなリースリングだけれども、しっかりと品種の個性を備えつつ複雑なニュアンス、しかもドライでありつつふくよかさを演出する名手ならではのワインと言えるだろう。こういうワインに出会うと、ついつい翌日の事を考えずにグラスを重ねてしまうから困りものだ。

【Cave de Terre淡路町店(ヘレンベルガー・ホーフ) 4,500円?】

2014年11月 3日 (月)

サンチェス無双 アーセナルvsバーンリー戦

141101arsenal久しぶりにアーセナル戦の観戦記。この試合を迎えるまでは3勝1敗5分と、負けないという印象よりは勝ちきれない、という方が正しい結果となっていたが、それも相変わらずの負傷者の多さ、特にジルー、ウコルコットの欠場の影響が大きかった。

しかし、この試合でようやくウォルコットがベンチ入りして、少しずつ選手層も厚さを増していきそうだ。そしてこのところ好調を維持している新加入、アレクシス・サンチェスへの期待がどんどん高まっている。この日の相手バーンリーが降格圏で苦しんでいるとあって、大量得点への予感を漂わせていた。

先発はGKスチェスニー、DFギプス、メルテザッカー、モンレアル、チェンバース、MFアルテタ、フラミニ、カソルラ、サンチェス、オクスレイド・チェンバレン、FWウェルベック。

試合は前半から圧倒的にボールを支配するアーセナルペースだが、フィニッシュまで持って行くものの、引き気味の相手DFに弾かれる、相手GKの好セーブに阻まれるなど、思うように点に結びつかない。前半はフラストレーションがたまったまま、0-0で終了。

引き気味の相手に時間がたつにつれて攻めあぐねる、という悪循環にはまる試合を観てきただけにこの日のその深みに落ちそうな雰囲気があったが、それをこじ開けたのはやはりこの男、アレクシス・サンチェスだった。71分、チェンバースからのクロスをサンチェスがDFの合間をかいくぐって頭で合わせて先制、3試合連続のゴールを決める。そしてそこから間を置かずに73分、こんどはカソルラのFKからウェルベックのシュートのこぼれ球をチェンバースが足を延ばして押し込んで2点目を挙げる。

この連続2点が試合を決定した。バーンリーにはカウンターに出る余力もほとんどなく、途中テオ・ウォルコットの9か月ぶりの復帰という嬉しいシーン、サンチェスがウォルコットに得点させようとしたシーンもあったが、最後はサンチェス自身がアディショナルタイムにダメ押し3点目を決めて試合終了、3-0でリーグ戦では初の連勝となった。

正直3-0でもまだ足りない印象はあったが、まず勝てる試合を確実にものにして4位圏内に入ったことが大切。この試合はなんといっても好調を維持したサンチェスがMOM。個人力でなんとか得点まで持っていける、今のアーセナルでは数少ない選手が波に乗っているのだから、心強い限り。ただ他の選手、カソルラ、ラムジー、チェンバレン、ウェルベックがまだ本調子でないので、彼らの状態が上がってくれば、さらに攻撃力に厚みが増すのだが、サンチェス次第というところがやや脆さを思わせる。まだまだ安心できないが、上昇機運に乗っていることが感じられる試合だった。