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2014年10月

2014年10月27日 (月)

フィリップ・パカレ シャブリ プルミエ・クリュ ボーロワ AOCシャブリ 1erクリュ

141026chabrispacaletビオワインと聞いてまず思い出される造り手といえば、フィリップ・パカレということになるのだろう。2000年に入る頃から日本でも一気にその名前を知らしめた、今や影響度No.1の造り手になったといっても過言ではない。そしてその忘れがたいシンプルなエチケットは、どこにあってもパカレのワインとしての存在感を放つ。

といいながらも、自分はそれほどパカレのワインを飲む回数が多いわけではない。人気もあり価格も相応にするので、気軽に飲むという観点では難しい相手ということもある。だから、バーとかイベントでグラスで試す機会の方が多くなっている。

しかし、このワインに関してはパカレが醸したシャブリということで購入した。パカレというとエキス分の濃さが想像されて、そのパワフルさがややシャブリの感覚とは合わない感じがあったのだが、実際はどうだろうか?

色は乾いた感じのやや茶色がかったイエロー。ディスクは厚めで粘性が感じられる。香りは乾燥マンゴー、黄桃、リンゴの蜜、ヨード的なミネラル感もある。

アタックはしっかりした密度の濃い熟した果実感が最初から乗って来て、その後にやや舌先にチリチリとした刺激を伴う鋭角の酸味が、先に広がっていた果実味を掬うように底からせり上がってくる。動的な味わいの展開は、やはり他のシャブリとは異なる印象。しかし、中盤から広がってくるミネラリーさと、前半の大ぶりな味わいが収まった後の静寂のバランスがきっちりと着地点に入り、単に濃いワインとは違う側面を見せる。

余韻は前半とは違う穏やかさ、ふくよかさを感じさせつつ、だるさの来ない自然な味わいの昇華を見せながら引いていく。

自分が思うシャブリとは少し異なる味わいではあるが、一つのワインとして考えたときには個性的でありながら終幕の自然さを兼ね備えた、節度のあるワインと言える。パカレだからもっと暴れん坊を予想したのだけれど、これは意外な展開だったかな。

【Wineshop FUJIMARU(テラヴェール) 8,000円?】

2014年10月26日 (日)

ジョナタン・ディディエ・パビオ プイィ・フュメ2012 AOCプイィ・フュメ

141026pouillyfume20122012年のロワールはヴィンテージ的にはあまり評価が高くないようだ。収穫期に当たる10月に大雨が降った事が理由だが、それも地域差、当然の如く生産者によっては困難を乗り越えて、美味しいワインを造ることができる。それがワインの面白いところだと思う。

困難な2012年にあって、ソーヴィニヨン・ブランの生産地、サンセールとプイィ・フュメは生産量こそ少なくなったものの、品質はその分集中度を増したようだ。今回試すのはプイィ・フュメ、造り手のジョナタン・ディディエ・パビは初顔合わせだが、古い家系ながらドメーヌ設立は約40年前、ジョナタン氏が継承したのは約10年前というから、まだ若いドメーヌと言っても差し支えあるまい。ビオロジックを実践し、生来的にはビオディナミも視野に入れているようだ。

色はグリーンがかった若めの麦わら色。ディスクは中程度。香りはライム、レモングラス、パッションフルーツの青さを感じさせる香りに加えて、バックにややスモーキーさ、真鍮の削り粉のような金属的な香りも感じる。

口に含むと丸みを帯びた酸と、幅広ながらやや硬さを感じさせる青みの果実味が同時に迫ってくる。味わいはストレートで、苦みのアクセントを伴って複雑さも垣間見せるが、全体として余裕に欠ける感じはあり、窮屈さを覚える。もう少し悠々と迫ってくる部分が欲しいところか。しかしピュアな果実味は好感が持て、中盤から後半に感じられる抜けの良さは、冷涼かつ清々しいロワールの気候を想起させるに十分な表現力を持つ。

余韻は透徹する酸味の穏やかさ、清々しさが口の中にフレッシュな感覚を残しつつ、穏やかな浮揚感を見せながら柔らかなフィニッシュに至る。

ピュアでストレートな味わいは買うものの、やや硬さが前面に出ているところは、造り手、飲み手双方にとってもう少し時間が必要、といった感じであろうか。ディディエという名を持つ作り手としては覚えておいて損はない。

【近鉄百貨店阿倍野店(ヌーヴェル・セレクション) 3,200円?】

2014年10月 5日 (日)

クロ・ルジャール ソミュール・シャンピニィ レ・ポワイユ2007 AOCソミュール・シャンピニィ

141005closrougears2007亜硫酸の添加がワイン造りにおける悪徳のように語られる風潮は、あまり好ましくないと思っている。特に自然派にこだわって飲んでいるわけではないが、亜硫酸無添加と銘打っていても味として未熟なものが含まれている事はままあり、それを飲んだときに感じる理屈を口に押し込まれているような不快感は あまりにも耐え難いものがある。

健全なブドウ、丁寧な醸造、極力人為的な添加を排除したところには、自然と美味しいワインが成立する。カベルネ・フランにおいてはロワール最良、世界でも最高水準のワインを産むクロ・ルジャールはまさしくそうしたワインの先駆者に違いない。自分にとって、この人のワインを飲んでカベルネ・フランの世界は大きく変わった。

8代目当主のナディ・フーコー氏が目指すのは、ソミュール・シャンピニィでこそ発揮されるカベルネ・フランの表現。しかし、ナディ氏も既に62歳で、彼の子供はワイン造りには携わっていないという。彼の孤高の世界を引き継いでいける後継者が現れるのかは心配なところだ。

色はやや影のある落ち着いたレッドルビー。粘性は中程度でディスクは薄め。プルーン、スパイス、シナモンの香りに加え、フランらしいインク、青さを感じさせる香りも顔を出す。

口に含むと膨らみのある緻密な果実味と、穏やかだがしなやかで質感のある丸い酸が均等に溶け合い、ふくよかさを演出する。きめの細かなタンニンはシルキーで、緻密な果実味をうまく支えてバランスを保ち、ワインに骨格を与える。全体のボリュームは控えで、ややグリップに物足りなさが残るところもあるが、内に秘めたエネルギーは確かで、中盤から後半にかけての湧き出るような滋味の感覚に少し戸惑うほど。

余韻は細身ながらすっくと立ちあがった果実味が徐々にその裾野を広げていくような俯瞰を見せつつ、その味わいをぶれさせることなくフィニッシュに至る。

ジューシーさと熟成の調和によってもたらされるカベルネ・フランの美徳を余すところなく表現した、一つの芸術品と呼んでも差し支えあるまい。彼のワインを飲まずしてフランを語ることなかれ、と自信をもって言いたい。

【Wineshop FUJIMARU(野村ユニゾン) 6,000円?】

2014年10月 4日 (土)

コッレカプレッタ ヴィーニャ・ヴェッキア2012 IGTウンブリア

141004vignavecchia2012トレッビアーノというブドウは有名ではあるが、過小評価されているブドウとも言える。それはおそらく、フランスのユニ・ブラン、今でもコニャックなどの蒸留酒用にフランスで大量生産され、かつては安い酸のきついワインの代名詞のように言われたブドウのイタリアにおけるブドウ名、というところから来ているに違いない。

フランスのユニ・ブランは、イタリアにおけるトレッビアーノ・トスカーノのことであり、トスカーナ原産のこのブドウがイタリアからフランスに移植されて、ユニ・ブランとなって広まっていった。しかし、イタリアに広がるトレッビアーノの名を冠したブドウのそれぞれが必ずしも同族という事ではないようだ。実際、イタリアにはトレッビアといった名を持つ地名が散見され、そうした土地の名前に由来した名前がブドウにつけられていったのだという。

このブドウ、トレッビアーノ・スポレティーノはウンブリア原産の地ブドウで、一旦絶滅しかけたが、ウンブリア州で上質のワインを産みだすポテンシャルのあるブドウとしての注目を集めつつある。そして、ウンブリア注目の造り手、コッレカプレッタもこの品種で白を醸している。以前飲んだ赤は素晴らしい出来だった。

http://cesc22.blog.eonet.jp/default/2014/03/nv2012-e24a.html

コッレカプレッタは自然なワインの造りを志向し、このワインも特別なことはせず、ブドウの完熟を待ち、手作業で選果し腐敗果を取り除き、10日間のマセラシオンを経て自然酵母で発酵させていく。

色はややうす濁りの感があるしっとりした山吹色。粘性は中程度でディスクは白としてはやや厚めの印象。香りは黄桃、乾燥マンゴー、焼芋、マロングラッセ、蜂蜜、焼きリンゴと、炙ったような香ばしさと甘さを感じさせる香り。

口に含むと熟した木なりの柔らかな果実の甘さに、丸みのある細かな質感の酸が後を追うように寄り添う感覚。全体のフォルムが整い、程よい甘さの中に包含されつつしっかりとした芯のある酸が心地よく感じられる。ボリューム感は大きくないが、親しみのもてる穏やかな味わいが素直に体に染みてきて、しかしただ優しいだけに流れず、中盤から現れる程よい苦みが複雑さと重心の低さを与え、深みのある味わいを展開していく。

余韻も柔らかな苦みの印象が安定感をもたらしつつ、切れの良い優しい甘みが長く続き、最後まで穏やかかだが躍動感も見せつつ、フィニッシュに至る。

自然派というカテゴリーには曖昧さもあるものの、このワインに関しては自然派という表現が何より相応しく思える。余計なものを乗せない、それでいて味わいにしっかりとした主張と意味があり、それがなんの負担なく感じられるところに、この造り手の非凡さがあると思う。白もGood JOB!

【エーテルヴァイン岡崎店(テラヴェール) 4,000円?】