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2014年9月

2014年9月28日 (日)

ズラブ・トプリゼ チュハヴェリ・ロゼ2012 グルジア

140928chkaveri2012ワインにおける最近の注目地域といえば、グルジアだろうか。遺跡でさかのぼることができる世界最古のワイン生産地とされているが、その時代から変わらない製法、地中に埋めた甕、クヴェヴリで造られたワインが今脚光を浴びている。

クヴェヴリによるワイン造りは、粘土で作った大型の甕を地中に埋めて、そこにブドウ果汁を入れ、其の後に果皮と種を一緒に漬け込むところにある。白ワインでもこの醸しによって琥珀色のややうす濁りの色調を帯びる。

この独特のワインを支えるのは、その土地に育まれた地ブドウであり、このズラブ・トプリゼのロゼもグルジア独自のブドウ、チュハヴェリによるもの。チュハヴェリは果皮がややピンクを帯びており、短い果皮接触を経ることでロゼになる。

色は全体にグレーのトーンを帯びた、しっかりした赤みのあるロゼ。粘性は中程度で、ディスクは薄め。香りは果実味よりも土っぽさを感じさせ、牛蒡、麦わら、胡椒。

口に含むと柔らかだがじわじわと染み出てくるような酸味と、やや細めの熟す手前のチェリーの味わいを感じる。全体に土の印象を感じさせる素朴な印象で、ワインとしての未成熟さは否めない。中盤からは繊細な酸味を芯として、しっかりしたタンニンの渋みがベースとなり骨格を形成するが、その中間を埋める果実味のボディが弱いので、さらりと流されてしまうような印象を受ける。

余韻はチェリーの酸味が細く伸びつつ、チャーミングで素朴な味わいを最後まで残しながら引いていく。

話題のグルジアワインで面白い個性的な味わいではあるものの、このワインに関してはやや未完成の印象は否めない。しかし、全体に流れる自然に体に浸透するような味わいの基調は保たれている。まだまだ数をこなさないと真価は測りかねる、といったところかな?

【Wineshop FUJIMARU(ラシーヌ) 4,000円?】

2014年9月27日 (土)

カ・サ・パドリナ モンテネグロ2011 DOビニサレム・マヨルカ

140927binissalemmallorcaスペインワインはやはりどこかに「重い」という印象があって、赤ワインを家飲み用に買うことは稀なのだが、このワインに関してはその先入観よりも好奇心が勝った例だろう。

ワインはマヨルカ島のDO、ビニサレム・マヨルカで、ワイナリーの名前も方言で「おばあさんの家」なのだそうだ。島ワインの傾向としては、暑い気候においても常に海風にさらされつつ、熱しにくく冷めにくい海に守られた比較的穏やかな気候になり、その気候から生まれるワインも温かみのあるワインになるようだ。さて、このワインはどうだろう?

このワインの品種はマヨルカ島の地ブドウであるマント・ネグロを中心に、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラー、そしてカジェット。最後のカジェットもマヨルカの方言で「黒」を意味する地ブドウのようだ。

色は赤みの強い柔らかさとしっとしした緞帳のような質感を思わせるルビー色。粘性はそれほど強くなく、ディスクも薄め。香りはアメリカンチェリー、ザクロのような赤い果実の香りに、鉄の香り、スパイスの香りが連なる。香りのボリューム感は控えめ。

口に含むと赤い果実のピュアな酸味が立ち上がり、その直後から熟しつつも重すぎない果実味がややスローペースでじっくりとせり上がってくる。ボディは重すぎず均整なフォルムを保っており、切れの良い糖分の感覚が飲み飽きない味わいを形作る。タンニンもやや少な目で複雑さはそれほど感じないが、南の陽光で熟したであろう果実の美味しさがストレートに伝わり、冷涼さを残した酸味のクリアさと素直な味わいが終盤まで徹底し、潔い。

余韻もきれいに昇華する糖分の感覚が心地よく、爽やかに昇華し後に雑味を残さない。

スペインワインの先入観からすると、良い意味で裏切られた非常に個性的なワイン。南国、海の気候を思い浮かべるには相応しい冷涼な酸が最後まで感じられるところが特徴といえる、島ワインの魅力にあふれた新発見といえそうだ。Good JOB!

【カーブ・ド・テール淡路町店(仙石) 2,500円?】

2014年9月18日 (木)

ジルベール・ピック・エ・セ・フィス シャブリ プルミエ・クリュ ヴォグロ2012 AOCシャブリ 1erクリュ

140918gilbertpicq_chabris_premiercrいろいろな持ち寄りワイン会に出させてもらうが、シャブリを持ってくる人は案外少ない気がする。あまりにも有名すぎて、敬遠されるのだろうか。でも飲むごとに新たな発見がある、複雑さが秘められたワインだと思う。

そのシャブリも、造り手ごとの違いを感じるにはやはり1級畑以上を採りたい。ジルベール・ピックは1級畑としてヴォークパン、ヴォグロを所有しており、いずれもシャブリの中で一般的にトップクラスの評価を受けている畑ではないが、それも数haという小さな区画の中で、所有者も数軒という小ささ故なのかもしれない。

ジルベール・ピックは現在ディディエ、パスカル、マリリンの3兄弟で運営される家族経営で、このヴォグロは有機肥料を用いた畑で栽培されたブドウを手摘みし選果、自然酵母でステンレスタンクで時間をかけて発酵、樽は使わない。

色は緑がかったクリアで張りのあるレモンイエロー。粘性は中程度でディスクはやや薄め。香りはライムの青い柑橘香にバゲット、カシューナッツの乾いた香りが加わり、根昆布水のようなミネラルを感じさせる香りが全体を包む。

口に含むとクリアでややエッジの効いた酸がすくっと立ち上がり、その芯を染みあがってくるように細身の雑味のない果実味がタイトなボディを形成する。余談を挟ませないような無垢な味わいが心地よく広がり、それでいて硬さに偏らないバランスが保たれる。複雑さは中程度で、やや膨らみに物足りなさもあるが、年を経ればそのニュアンスも出てくるだろうか。終盤の程よい苦みのミネラル感も上質。

余韻はふくよかで繊細な滋味が広がり、その旨味が自然に解けるように柔らかくそのボリュームを減じていく。

清涼感とバランス感に満ちた、非常に綺麗なシャブリ。複雑さという意味ではややこじんまりした感覚だが、家族経営のワイナリーらしい全体に目を配らせた緻密さが感じられる。これもシャブリの一つの特徴といえるんだろうな。

【Cave de Terre淡路町店(稲葉) 4,000円】

2014年9月15日 (月)

ジャン・ポール・エ・ブノワ・ドロワン シャブリ プルミエ・クリュ ヴァイヨン2011 AOCシャブリ 1erクリュ

140915chabrispremiervaillon2011jeanブルゴーニュの白ワインは数々あるが、やはり好きなものを一つ上げるとすればシャブリになる。このワインに戻ってくると、ちょうどワインを飲み始めたころ、一つ覚えで飲み連ねた記憶とともに安心に似た子心地が感じられることもあるだろう。

しかし、そのシャブリも相当の造り手がそれぞれの志向と共にしのぎを削る激戦区になっているし、それだけに新たな発見がある地域でもある。この造り手も最近試飲会で気に入った造り手で、オーソドックスなミネラル感を巧く表現していた。

ブノワ・ドロアンは1975年生まれ。ドロワン家としては14代目当主だから、地域では古い造り手で、歴史も17世紀に遡る。ブノワ自身は1999年からワイン造りに参画、除草剤に化学薬品を使わず、シャブリの特質である酸を重視し、樽の風味をつけすぎないバランスを保つことに意を用いている。かつては樽を強く使っていた時代もあったというから、大きな転換だ。プルミエ・クリュのヴァイヨンには4haの畑を持っている。

色はグリーンがかった若々しい薄めのレモンイエロー。粘性、ディスクは中程度。香りはレモン、パッションフルーツ、ナッツ、風船、金属のようなタイトな香りも感じられる複雑さを帯びている。

口に含むと硬質で直線的な酸が鋭く伸び、その直後にミネラル感のある果実味が緊張感を伴って追いついてくる。やや気負いの感じられる味わいだが果実の凝縮度もあり、何よりシャブリらしい酸の主張がしっかりと備わっている。糖分は控えめで、バランスもとれており、後半には粉っぽさ、ややざらつく感じもあるががっしりとしたミネラル感が座り、ワインに複雑さをもたらす。

余韻は苦みのミネラル感がベースとなり、青い柑橘のフレッシュな果実味が昇華するような印象でフィニッシュに至る。

荒削りなところもあるが、最近飲んだシャブリの中では特に印象に強い味わいだった。何よりもシャブリ、と聞いて自分が想像する味わいに近いところを表現していると思う。好みはわかれるかもしれないが、僕は好きだな。

【Cave de Terre淡路町店(稲葉) 4,400円?】

2014年9月 7日 (日)

クロード・ラフォン ルイィ ラ・レ AOCルイィ 

140907claudelafondごくたまに試飲会に呼んでもらって、数十種類を立て続けに呑む機会があるけれど、その中でお気に入りを見つけることもしばしば。その場合、味もさることながらレアな地域に魅かれる場合が多い。

ソーヴィニヨン・ブランの特徴はなんといっても若草、ハーブの清々しい香りで、このワインもフランス、ロワール産ソーヴィニヨン・ブランらしい特質を備えたものだったが、何よりもReuillyというAOCであることに興味を持った。店頭ではほとんど目にすることのない場所で、最初はブルゴーニュのRullyと見間違い、味わってみるとソーヴィニヨンだったので「え?」、と驚いたほどだ。

ルイィの歴史は古く7世紀にさかのぼり、フランク王国メロヴィング朝4代目の王、ダゴベルト1世がその地の畑をサン・ドニ修道院に寄進したことに発するという。しかし現在のAOCは約80haの狭い地域で、その他にヴァン・ド・ペイを生産している地域がある。白はソーヴィニヨン・ブラン、赤はピノ・ノワールだが、珍しいところではピノ・グリで造られるロゼの評価が高い。クロード・ラフォンはこの地域では有力な造り手で、組合の副委員長も務めたことがある。

色は薄めで、グリーンがかったレモンイエロー。香りはライム、パッションフルーツ、レモングラス、バックにややスモーキーサを感じる。粘性は中程度。

アタックはソーヴィニヨンブランらしい青さを持ちつつ、やや控えめのボリュームを保った酸が入ってくる。凝縮感は中程度ながら、整然としたフォルムは余計なものをそぎ落として清楚を保つ北欧の家具にも似ている。スケールは小ぶりだがその分手に取るようにわかるような心地よい味わいを演出し、中盤に至っても緩むことないバランス感を見せつつ、終盤は程よいミネラル感でグリップを効かせる。

終盤は柔らかい浮揚感を感じさせつつ、クリアで切れの良い細身の後味を残してゆるやかに引いていく。

品種の特性をきっちり備えつつ、無駄さのない味わいを構築しているところが気持ちいい。凝縮しすぎると嫌味に映るソーヴィニヨン・ブランというブドウを良く知った造り手の名演を観た心地だった。Good JOB!

【カーブ・ド・テール淡路町店(稲葉) 2,000円?】