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2014年8月

2014年8月18日 (月)

フランク・マサール フィンカ・エル・ロメロ2011 DOマンサン(カタルーニャ州)

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店でワインを買いに行くときは、漠然として「今日はこんなワイン」といったものはある事の方が多い。しかし、時として結果が違うことはよくあることだ。普段なら絶対に買わないであろう所に気がいく場合もある。このワインもそうした一本に違いない。

スペイン、カタルーニャのワイン。スペイン好きではあるが、家でスペインワインを嗜むことは少ない自分がこのワインを手に取ったのは、カリニャン100%の自然派というフレーズに興味が湧いたからだった。

フランク・マサールは元々ソムリエ出身で、2004年から自家畑でのワイン造りを開始した。この地では赤ワインと言えばガルナッチャ(グルナッシュ)主体だが、彼のワインは比較的カリニャンのパーセンテージが多い。カリニャンは元来は量主体で栽培されて、低品質の烙印を押されてきたが、最近の自然派による再評価によってその地位は改善されてきている。このワインも珍しくカリニャン100%で、低収量、ステンレスタンクでの自然発酵を経て、樽熟成を行っている。

色は濃密な赤みの強いルビー色。カシス、ベリージャム、バニラの甘い香りが中心で、バックにはローズマリー、ミントのようなハーブ感も漂う。

口に含むと整った熟したベリーの甘みと、その甘みに溶け込んだ柔らかい小ぶりな酸味を感じる。こじんまりとしながら密にまとまった味わいは不思議な内向性を伴い、内へ内へと溶けいるような感覚を覚える。大ぶりではないが、熟した果実味、隙間を埋める酸、細やかなタンニンが調和を成して、丸みのある穏やかな味わいへと昇華していく過程が好ましい。

余韻はタンニンが浮き上がるようにインパクトとなり、それに支えられたベリーの細い甘さが薄い膜を張るように伸びていき、やがて自然と消えていく感覚。

スペインワイン、しかもカリニャンと思って飲むと予想を嬉しい感覚で裏切るほどの品の良さと、しとやかさ。こういうワインもあるのだから、好みばかりに走るという事はかえって自分の視野を狭めることにもなるのだ、と改めて実感。Good JOB!

【エーテルヴァイン岡崎店(ヴァンクール) 2,800円?】

2014年8月17日 (日)

プレミア開幕、新戦力は好発進! アーセナルvsクリスタルパレス戦

140817arsenal_2早いもので、プレミア開幕の季節を迎えた。昨季のFAカップ優勝で、もはや無冠の悪連鎖は断ち切った以上、次は「万年4位」などという評価を脱して、次のタイトルに向けての飛躍の年にしてほしいところ。

開幕を迎えて新たに加わったFWサンチェス、課題のDFにはドビッシュー、チャンバースが先発出場となったチームのスタメンは、GKスチェスニー、DFギプス、コシエルニー、チャンバース、ドビッシュー、MFアルテタ、カソルラ、ウィルシャー、ラムジー、サンチェス、FWサノゴ。

今季もアーセナルが目指すパスで相手を崩すサッカーは健在で、序盤からボールの支配率はアーセナルが圧倒。その中で期待の新戦力となるバルセロナから移籍したサンチェスは個人技があり、相手の出し抜くような動きでエリア内に攻め込んでいく。前半34分に課題のセットプレーからワンチャンスで先制を決められた後の45分のコシエルニーの得点も、サンチェスのFKが起点となった。味方との連携は必ずしも良くなかったが、試合を重ねてフィットするものだろう。

フェルメーレンが去った後のDFがどうなるか、と心配したがドイツ勢の欠場の中でコシエルニー、ドビッシューのフランス勢と若い19歳のチャンバースは手堅い守備を見せた。特にチャンバースは期待以上に冷静な対応を見せていた。ギプスが恒例ともいえる負傷で途中交代となり、モンレアルが入ったが、その後も特に不安な面は感じなかった。しかし本当のところは攻撃的な上位チームとの試合を観てみないとわからない。

試合は後半ロスタイム、エリア内での混戦の中でラムジーが決勝点を挙げて2-1で開幕戦を飾った。彼の負傷以後調子を落としたアーセナルだったが、今季も成長した彼が得点力を発揮し、中軸を担うであろうことを確信した試合になった。幸先の良い勝利にまずは乾杯!今年もよろしくお願いします。

2014年8月16日 (土)

甲斐ワイナリー キュベかざまバルベーラ2012 山梨県甲州市塩山

140816kazamabarbera日本ワインでもヨーロッパ系の品種を目にする機会は多いが、それでもイタリアの土着品種となるとまだまだ少ない。新潟のカーブドッチがサンジョヴェーゼを造っているが、それも味わい的には軽快な造りで、イタリアのそれとはかなり隔たりがある印象だった。

サンジョヴェーゼと同じくイタリアの赤ワイン品種であるバルベーラを造っているのは甲斐ワイナリー。以前に神戸で開催されたメーカーズディナーでも当主の風間氏がその事に触れ、並々ならぬ熱意を示していた。そしてはじめて世に出されたこのワインは完熟したバルベーラを用いてわずかに617本。

色はやや曇った感じのある、暗めのルビー色。ディスクは薄め。香りはストロベリージャム、スミレ、ビニル、バニラ、ミント。

口に含むと滑らかで丸みを帯びた酸を感じるが、その酸が一呼吸置いて伸びやかに立ち上がってくる。その速度に追いついてこようとするように、穏やかな甘みを伴ったストロベリーの果実味が広がってくる。タンニンは少な目で全体では大きな味わいではないが、程よい厚みと澄んだ酸とのバランス感覚が良く、求心力がある。終盤にかけてもまろやかな果実味が品よくまとまり、好感の持てる安定感を保つ。

余韻は細めの甘みが細かなタンニンの渋みと密に絡みあい、そこに最後まで保たれた酸の印象が形を整えつつ、優しいフィニッシュに至る。

イタリアほど鮮烈ではないにしろ、バルベーラの持ち味である酸が日本という場でもキャラクターを示すところが面白い。そしてその個性を引き出しつつ、日本ワインの新たな挑戦をしっかりした形で示している。造り手の品種に込めた熱意が手に取るようにわかる一本には違いない。

【? 3,800円?】

2014年8月13日 (水)

ベナンティ イル・モノヴィティーニョ ネレッロ・カップッチョ 2006 シチリアIGT

140810benantinerellocappuccio最近シチリアの黒ブドウ品種となると、ネレッロ・マスカレーゼが優勢の様だが、このネレッロ・カップッチョは単一で使われることの少ない品種として、むしろネレッロ・マスカレーゼと共にその勢いを和らげるような目的で使われることが多いようだ。

その名前はネッロ(黒)とカップッチョ(頭巾)から成り、カップッチョはカプチーノと同じ語源で、多くの葉によって果実が見えない状況を頭巾のようだ、と形容したものだという。ブドウはネレッロ・マスカレーゼに比べてソフトな味わいで、あるシチリアの醸造家はマスカレーゼとカップッチョの関係を、ボルドーにおけるカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローの関係と表現している。ベナンティは言わずと知れたエトナの造り手。

色は黒味を帯びたやや暗めのルビー色でディスクは薄め。香りはプラム、ザクロ、スモーク香、胡椒、湿った革。

口に含むと柔らかな果実味と穏やかだが若さを失わない酸が同時に迫り、鷹揚で滑らかなフォルムを感じさせる。角の取れた味わいは品格があり、安定感を持っているが、ともすると流麗過ぎてやや刺激に少ない印象。中盤は熟成感のある香りと味わいが座り、優しく細かなタンニンと共に旨味も広がりながら、口の中をなでるような質感を伴いつつ終盤へと走る。

余韻は柔らかいベリーの甘みが均質に広がりつつ、全体のボリュームを減じるように自然な感覚で収束していく。

ネレッロ・マスカレーゼに比べると軽快で優しい印象だが、単一で用いても品格のあるワインに仕上げるところが、土地に根付いた醸造家の腕の見せ所なのだろう。なかなか出会えないワインだけに、ゆっくりと楽しみたい1本。

【Wineshop FUJIMARU 4,200円?】

2014年8月11日 (月)

奥出雲葡萄園 奥出雲ワイン シャルドネアンウッディッド2013 島根県雲南市 

140810okuizumochardonnayunwood今でこそ日本ワインは数多く目にするようになり、選ぶのにも苦労する状況だけれども、3,4年前はまだまだ一般のワイン売り場に並ぶことは少なかった。

だから昔から好きだといえるような日本ワインは正直少ないのだけれど、この奥出雲ワインのシャルドネ、アンウッディッドはその数少ないうちの1本だ。アンウッディッドとあるように、樽を使わずにステンレスタンクで発酵させている。

日本ワインのシャルドネも樽を使う派、使わない派が両立しているが、自分の好みとしては使わない派に挙げる。その分味わいはクリアかつシャープで、やや青さも感じるが、それが他の国のシャルドネにはない個性に感じられるからだ。

色は全体にグリーンを帯びた、若い麦わらを思わせる薄めのイエロー。香りはライム、青リンゴ、バナナ、青い若さを感じさせる香りが顕著。

口に含むとすがすがしいさを感じさせつつ、丸みを帯びた豊かな酸を感じ、その後残糖感は少ないが、エキス分の濃い太さのあるグレープフルーツのような果実味が座る。均整のとれたボディは上品さを演出し、中盤からは落ち着いた味わいの中で口の中に強いハーブの芳香が放たれる。

終盤はしっかりした旨味の余韻が残りつつ、最後までフレッシュな感覚を切らさずになだらかな収束に至る。

ステンレスタンク発酵らしい若い特徴を備えつつ、しっかりした果実味で厚みを演出するところがこの奥出雲アンウッディッドの持ち味。いつ飲んでも変わらぬ充実感がうれしい1本。

【Wineshop FUJIMARU 2,800円?】

2014年8月10日 (日)

フレデリック・コサール ラシラー・ド・タレス(2012?) ヴァン・ド・フランス

140809fredericcossardsyrah_2夏の暑い時期に赤ワインはなかなかチョイスできないけど、このワインに関しては迷わず購入。エティケットを観ればすぐにわかるフレデリック・コサールのシラーとなれば。

ブルゴーニュの自然派の筆頭にも挙げられるであろうフレデリック・コサールがローヌの畑で栽培したブドウを、わざわざブルゴーニュに持ち込んで醸造した変わり種故に、法律的にはヴァン・ド・フランスしか名乗れない。運ぶだけの手間をかけてまで自らのカーヴで醸造するところに彼のこだわりが感じられる。

色は濃密で黒味の強いダークルビー。ディスクは薄めで、粘性も強くない。香りは荒削りの胡椒の香りが強く放たれ、ブラックカラント、カシスリキュール、黒オリーブ、杉材の香りも感じられる。

口に含むと濃密な果実味と、その中でも失われない芯のある酸がエネルギッシュに現れる。濃密だが、節度を失わず無理のない味わいはエレガントな酸が調和を保つ役割を明確に果たしている。タンニンもやや粗さはあるが粒子が細かく、全体の均整さを損なわずに後半に向けた優しいフォルムを形作る役割を果たす。前半のボリューム感に比べて終盤に向けた抜けの良さが印象的。

余韻は熟したベリーの甘みが全体に昇華していく切れの良さを演じつつ、品の良いフィニッシュに至る。

シラーらしいボリューム感を出しながら、フィネスを失わないところにコサール節が感じられる。月並みな表現だけど、ローヌとブルゴーニュの合作を素直に感じさせるワインと言えるだろう。

【エーテルヴァイン岡崎店 3,000円?】

2014年8月 9日 (土)

アジエンダ・アグリコーラ・チレッリ ヴィノ・ロザート2012 アブルッツォ(イタリア)

140809cirellivinorosato台風直撃の恐れで、外出を控えざるを得なくなった週末は、おとなしく普段通りの家呑みタイム。昨日作った山椒をたっぷり効かせたかなりピリ辛風味の麻婆豆腐がまだ残っていたので、それに合わせる形で選んだのはロゼワイン。

イタリア、アブルッツォ州のブドウと言えば、白はトレッビアーノで、赤はモンテプルチアーノが代表格。このロゼもモンテプルチアーノ種によるものだが、造り方が凝っている。

チレッリは最近トレッビアーノの方を飲んで好きになった造り手。ラベルにもあるようにアンフォラ熟成を特徴としているが、それだけでなく、ブドウは厳格なビオロジック、野生酵母を使っているが、白を試した時の飲み口は至ってスムースで、通常のトレッビアーノ・ダブルッツォとは異なる濃いエキス分と滑らかな酒質が印象的だった。

色はクリアでやや濃いめの色調のオニオンスキン。香りはラズベリー、スミレ、鉄のような金属的香りも感じられる。

アタックは落ち着いた酸味と、しっかりしたエキス分を感じ、その後やや甘みを伴ったベリーの果実感がふくらむように広がってくる。大きな味わいではないが、コンパクトにまとまったチャーミングかつ雑味のないすっきりした飲み心地は、中盤から後半にかけても柔らかさを感じさせ、程よいタンニン感が複雑さと味わいに締まりをもたらす。

終盤は細身だが綺麗に伸びるベリーのジューシーさが残りつつ、切れの良いさっぱりした余韻へとつながっていく。

南のロザートらしい甘みもあるが、その甘みがくどすぎず、ピュアさを保って最後まで飲み飽きしない。そして全体を包み込む大らかな空気、雑味感のない自然な飲み心地がゆっくりした休日には相応しい。たまのロゼだが、これはストックに入れてもいいかな。

【エーテルヴァイン岡崎店 2,800円?】

2014年8月 7日 (木)

ディディエ・ジェルベル ジュー・ド・セパージュ2013 ヴィノ・ダ・ターヴォラ(ヴァレ・ダオスタ)

140807didiergerbelle仕事は真剣に取り組むべきものだが、その仕事を続けていく上では、時として自分も楽しむための何かは持っておきたいものだ。その心がいわゆる遊び心だと思う。その心を効かすことで、普通では考えが及ばなかったアイデアも時として浮かんでくる。これは自分の経験からも確かな事だ。

ワインもまさに同じなのだろう。一年間、畑から醸造所まで気の抜けない日々ばかり送ることを強いられれば、そのワインにもそうした雰囲気が現れるのではないだろうか。そうした息抜き、楽しみの中に造られるワインであれば、飲み手にとっても楽しめる要素が詰まっていることだろう。

イタリア北部のヴァレ・ダオスタ州はフランス国境でもあり、フランス語が通じる圏だと聞く。このワインの造り手、Didier Gerbelleもまさにフランス語そのもの。

そしてワインにつけられた名もJeux de Cépages(ブドウたちのあそび)、ゲヴュルツ・トラミネール、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエの3種、フランスでもアロマティックなブドウ3種を掛け合わせる、普通では互いに喧嘩しそうな試みを敢えてするところに面白さがある。まだ若い造り手のようだが、一筋縄ではいかなさそうだ。

色は張りのある、全体に若い麦わらの印象があるやや薄めのゴールドイエロー。香りはアロマティックでライム、ビニル、若草、ジェノヴェーゼソース、キウイといった、若さ、やや青さを想像させる香りが強い。

口に含むと強くはないがしっかりとした主張と芯のある酸がすっくと立ち、その芯をじわじわとにじり登ってくるように青い柑橘系果実のエキスが広がり、整った細身の現代的ボディを形成する。北のワインにありがちな緊張感を伴わず、味わいはなかなか複雑で、苦さ、青さ、華やかさが同時に感じられつつ、全体では適度な立体感を感じさせるバランス感覚を保つ。後半はやや青さのあるほろ苦さを伴った味わいが座り、その上を通り過ぎるようなフレッシュ感が常に口の中を清冽に保ち、飲み飽きないクリアな心地を演出する。

余韻はすっきりした透明度の高い味わいで、角の取れた柔らかい酸味を残しつつ、緩やかに優しく引いていく。

個性の強い品種を戦わせつつ、バランスを失わない一つの作品を造りあげるところが素晴らしい。遊び心による異種格闘戦で生み出された個性的ワインに完敗、Good JOB!

【Wineshop FUJIMARU 3,000円?】

2014年8月 2日 (土)

アンドレアス・J・アダムス リースリング トロッケン2011 ノイマーゲン・ドロン(モーゼル) 

140802afadam_riesling個人的に7月のしんどい時期を乗り切って、ようやくブログを書く余裕も出たが、暑さはそれに逆行して益々増している時期。再開の第一弾はやはりこの時期に欠かすことはできない白ワインの雄、リースリングとしよう。

ドイツワインというと、大阪ではヘレンベルガー・ホーフが輸入元としては第一人者であり、そのラインナップはドイツワインを味わう時は必ず目にすることになるものだが、このワインはラシーヌが輸入元であり、自分も初めて試す造り手になる。情報は少ないが、ブドウ栽培および醸造に至るまで、自然な造りを志向している若い造り手だそうだ。

色は全体にグリーンを帯びた、張りのあるゴールドイエロー。粘性はそれほど強くなく、ディスクは中程度。香りはパッションフルーツ、グレープフルーツ、パイナップルキャンディー。

口に含むと瑞々しくも柔らかい酸味とともに、凝縮感のあるふくよかな味わいが広がる。酸味と残糖分のバランスがよく、贅肉のないまとまったボディ。やや遅摘みを感じさせる果実の甘みが後半に自然にせり上がるように広がり、やがて苦みのミネラル感がきりっと終盤を引き締める。

余韻は苦みをベースにやさしい甘さが弾力感をもって広がり、雑味のない穏やかさを最後まで保って収束する。

酸味と甘みのバランスが整った、辛気くさいことを考えずに素直に美味しいと言えるワイン。上級キュヴェもいつか試してみたいものだ。Good JOB!

【Windeshop FUJIMARU 3,000円?】