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2013年10月

2013年10月31日 (木)

ヨーゼフ・マイヤー ラグレイン・リゼルヴァ2006 DOCシュド・ティロル

20131027josephusmayrワインによってはあまりにも大事に思う故に開けるタイミングを失する場合がある。しかし、どんなに残しても自分が飲まねばそれは宝の持ち腐れ。飲みたいときに飲むのもそのタイミング故だろう。

このワインもかなりセラーに残していたのだが、ふと飲みたくなって勢いで開けてしまった。アルト・アディジェの名手、ジョセフ・マイヤーのラグレイン。

ラグレインという品種は北イタリアにしては果実味が強すぎて、あまり好みではなかったのだが、このヨーゼフ・マイヤーのワインはそうしたものを超えたラグレインを産み出すと聞いていた。さて、実際はどうだろう?

色は濃厚な凝縮感の強いダークルビー。香りはシラーにも似たスパイシー感、生肉の印象が強く、プラム、スモーク香、腐葉土の香りが混ざり合うように感じられる。

口に含むと果実味、酸味、タンニンの一体となった濃厚な味わいがずっしりと感じられるが、その味わいは密にして繊細、細かな質感が全く口の中にまとわりつかず、見事に昇華していく。すべてが柔らかく溶け込み、独りよがりに主張しない。それでいて、調和の中にそれぞれの個性が読み取れる味わいが驚き。タンニンの渋みも細か、かつなだらかで、豊かかつ緻密な果実味を抱擁するように細部に染み込む。

余韻は過熟ではないベリーの繊細かつ上品な甘さが口の中に長く残り、その旨味が消えずにたゆたう大河のごときおおらかさで、優しくなだらかな地平線へと下る印象を感じさせながら引いていく。

北イタリアの赤ワインとは思えぬボリューム感と、北イタリアに思う繊細さを両立させた素晴らしいワイン。ラグレインという品種をここまで高貴なものに昇華させた造り手の凄味を感じさせた、久々に衝撃のワイン。開けてしまったことが後悔するほどだから、わかってもらえるだろうか?Great JOB!

【酒喜屋 5,000円?】

2013年10月29日 (火)

ドメーヌ・ダルデュイ ラドワ レ・シャノ2010 AOCラドワ

20131026ブルゴーニュのAOCは難しい。ある村のワインが戦略的に隣の村のワイン名を名乗ったりして、決して地図のとおりの名前でワインを出さないことがある。

ラドワ・セリニィという村もその一つだ。その隣には誰しも名前は聞いたことのあるコルトン、コルトン・シャルルマーニュという特級畑を産むアロース・コルトン村がある。そしてこのラドワ・セリニィ村にもその特級畑があるのだ。だから、ラドワという名前を聞くことも稀と言わざるを得ない。

しかし、だからこそわざわざこの名前のワインを売り出しているところに価値がある。決して時流に流されない、表看板だけに頼らず自分のワインに自信を持っていないとできない、と思えるからだ。ダルデュイ家は2002年にネゴシアン部門を売却し、自社畑の生産に特化した。レ・シャノはモノポールで特級畑のコルトンを生み出す丘のふもと、標高250mのなだらかな南向きの丘に位置する。

色は紫がかった暗めのルビー色。香りはカシス、バラ、黒胡椒、カカオ、墨汁のような太い香りも感じられる。

口に含むと濃密な完熟ベリーの果実味と丸みのある酸味が一体となって感じられる。棘のない柔らかな表面と、稠密な酒質がバランス良くまとまる。複雑さは少ないが、ストレートに迫る果実の程よい甘みが柔らかな酸味と溶け合い、負担感なく染みてくる味わいが心地よい。タンニンも緻密で謙虚。中盤から後半にかけて穏やかに広がるジューシーな旨味も抱擁感があり、ゆったりした心地を演出する。

余韻はきめこまかなタンニンの渋みが土台を為し、滑るようなベリーの甘さとの二層構造が深みを奏でつつ、しっかりした味わいを残しながらなだらかに優しく引いていく。

ラドワというAOC、村名ワインとしての質を超えて、1級ワインとして出てもおかしくない質が感じられた。それでもわざわざ知名度の低い村名で出すところに、生産者の自信と矜持が備わっているというところだろうか。

【伊勢丹大阪店 4,000円?】

2013年10月26日 (土)

テヌータ・イル・パラッジオ キャンティ フェン・ウィー・ダンス2011 DOCGキャンティ

131026whenwedanceこと食品に関しては殆どブランドを信用しないので、最近の阪急阪神の「誤表示」騒ぎにはあまり驚かない。メニューにやたら産地を誇るような表記があると、「ホンマか?」と疑ってかかってしまう。という人間なので、正直このワインに関しても若干の不安視があるのだが。。。

キャンティにしては凄く違和感のあるエティケットなのだが、実はこのワイン、スティングがトスカーナで開いたワイナリーのものだという。そういえば、このワインの名前もスティングの1994年のベストアルバム、Fields of Goldの巻頭を飾っていた曲だ。スティングもポリス解散直後、The Dream of the Blue Turtle、Nothing Like the Sun、Ten Summoners' Talesあたりまでは聴いていたのだが、それ以降は瞑想的な楽曲が多くなり、聴いていても辛くなる感じが深まったので、離れてしまった。彼がワインを作るのであれば、妥協を許さず真剣に向き合ったものを作るはずなのだが、さて?

色は濃厚で湿り気のある、やや暗めのルビー色。香りはプラム、カシスジャムの甘い香りが前面に立ち、ガトーショコラ、ドライトマト、バックに少し山椒のような青いスパイス感も感じられる。

アタックは酸味と果実味のバランスのとれた優しい味わい。主張し過ぎず、さりとて中身はしっかりと感じられる抑制のとれた序盤は好感が持てる。果実味の凝縮感は中程度で、小振りな印象ではあるが、角の取れた静謐な味わいは飲み疲れせず、体に素直に浸透していく。中盤から後半にかけて、穏やかなベリーの旨味が細くなだらかに広がり、素直に美味しい。もう少し締まり、メリハリがあると自分の好みに合うのだが、スティングの音楽を思えばこれもまた造り手の主張によるものか。

余韻はシルキーな舌触り、なだらかに坂道を下るような自然さを感じながら、最後まで穏やかな味わいを残しつつ柔らかく軽やかにフィニッシュする。

スティングの音楽らしく、派手な抑揚を利かさず内に内にとエネルギーを集中させているような感覚のワイン。彼のネームヴァリューなくしても、この穏やかさと静謐さは好感のもてる味わいだった。

【Cave d'Orange 2,500円?】

2013年10月24日 (木)

ドメーヌ・シェヴィヨン・シュゾー ブルゴーニュ・オー・コート・ド・ニュイ2011 AOCブルゴーニュ・オー・コート・ド・ニュイ

131021chevillonchezeauブルゴーニュワインを知るには、地図を共にする必要がある。村々の名前、その地形を想像しながら味わうことで、理解の助けになることがしばしばだ。しかし、それを許さない広域のアペラシオンも存在する。オー・コート・ド・ニュイもそうしたAOCの一つだ。

ブルゴーニュ全体のどの村からのワインでも名乗れるAOCブルゴーニュが最も広域のAOCならば、ブルゴーニュ・オー・コート・ド・ニュイはそれよりも生産地域は絞られる。ヴォーヌ・ロマネからニュイ・サン・ジョルジュの西に広がる幾つかの村々で生産されるワインがその呼称を名乗ることができる。

ドメーヌ・シュヴィヨン・シュゾーはニュイ・サン・ジョルジュを本拠とし、一級畑を5つ所有する本格的造り手。色は淡目だが詰った酒質に定評がある。

色は明るめでやや淡めの自然なルビー色。香りはイチゴ、チェリー、スミレ、赤い花のチャーミングな香りが支配的。

口に含むと瑞々しく、角が取れたピュアな酸味を感じる。自然なベリーの甘さを感じ、味わいは素直でストレート。酒質はミディアムから軽めで、タンニンも優しいボディを支えるには相応しい細かさでやや控えめ。凝縮感で強く主張するわけではないが、全体のバランスがよいので、否定的には感じない。中盤から後半は穏やかな渋みと果実味がきれいに調和し、透明度の高い落ち着いた味わいを展開する。

余韻は滑らかな果実味がすーっと抜ける切れの良い後味を残して引いていく。

決して主張が強いワインではないが、ピノ・ノワールらしい酸味と旨味をしっかり感じさせてくれる。そしてこの色の淡さは、昨今抽出が強すぎて味も濃すぎの濃厚ワインに比べれば、個人的にははるかに好感が持てる。 ピノらしい愛らしさが前面に出たワインと言えようか。

 【伊勢丹梅田店 2,800円?】

2013年10月22日 (火)

ドメーヌ・ルードヴィック・ベラン ペルナン・ヴェルジュレス レ・ベル・フィーユ ヴィエイユ・ヴィーニュ2010 AOCペルナン・ヴェルジュレス

131020ludovic_belin1週間海外出張で、その間はビールばかり飲んでいたので、帰国直後になんとも飲みたくなったのはブルゴーニュでした。

ということで、この日はブルゴーニュでもメジャーとは言えないペルナン・ヴェルジュレスの赤をチョイス。名前が言いにくいので、かなり損をしている地域だが、他の地域とは一線を画す個性的なワインを産みだすので、結構好きなワインだ。

コート・ド・ボーヌの最北端で、「コルトン・シャルルマーニュ」で有名なコルトンの畑の西側に位置するペルナン・ヴェルジュレスは、ピュアな果実味が魅力のボーヌ地区にあっては自分の中で異質な感じがするワインを産する。良く言えば個性的なのだが、不思議な土っぽさ、鄙びたイメージがあるのだ。村名ワインだが、畑名「レ・ベル・フィーユ」の名がつく畑は標高300メートルの丘の東向きの斜面に位置するので、太陽の力をしっかり受けたブドウが育つ環境にあるはずだ。

色は紫の強い暗めのルビー色。色調は濃い。香りはカシス、ブルーベリージャム、グミ、ハーブ、ユーカリのような清涼感も感じられる。

口に含むとしっかりした酸味が鮮烈に走り、その酸味に引っ張られて整ったボリューム感の、若いジューシーなベリーの果実味が広がる。酒質は複雑ではないけれども、スマートでスレンダーな旨味がしっかり感じられる。タンニンは中程度で、果実味とのバランスが取れている。中盤から後半には味わい的に昇華しないえぐみも感じられるが、土の印象を思わせる香りも出てきて、穏やかな心地を演出する。

余韻はタンニンの細かな渋味がしっかり座り、その中でピュアなブルーベリーの果実味がすべるように、なめらかに漂いつつ引いていく。

ペルナン・ヴェルジュレスらしい、酸味と土っぽさが両方備わったワイン。土地の個性をうまく表現したワインは万人受けしないかもしれないが、この個性は他のブルゴーニュでも一線を画すものに違いない。

【伊勢丹京都店 4,500円】

2013年10月20日 (日)

エジル効果、本人にも波及 アーセナルvsノリッチ戦

131020arsenal代表戦なんてなければいいのに、と思うほど好調なアーセナル、その試合が1週間飛ぶだけでこんなにつらい気分になるとは。それほど、チームは波に乗っている。こういう時こそ確実に下位に沈むノリッチも撃破して、勝ち点3を積み上げなければならない。

先発はGKスチェスニー、DFギブス、メルテザッカー、コシエルニー、サニャ、MFフラミニ、アルテタ、ウィルシャー、カソルラ、エジル、FWジルー。連戦出場のラムジーはベンチスタート。そしてケガからカソルラが復帰し先発出場。

序盤からアーセナルが主導権を握り安定した展開で、18分にゴール前、ウィルシャーが起点となって、カソルラ、ウィルシャー、ジルー、ウィルシャーとワンタッチで相手DFを翻弄し続けての先取点。前半はこの美しすぎる得点のみで終える。

後半は58分、カソルラが中央をドリブルで持ち込み右のジルーに開き、そのジルーらからのクロスをエジルが頭で決めて2点目。その後不注意から1点返されるが、83分途中出場のラムジーがDFを2度かわしてのシュートが決まり3点目。そして88分は左からのロシツキーのクロスをラムジーが後方のエジルにダイレクトパスを送り、そのまま押し込んで4-1でアーセナルが快勝となった。

エジルの好調に引っ張られて、ラムジーが今季早くも5得点。9月のプレミア月間MVP初受賞が伊達じゃないことを示した。1アシスト1ゴールのラムジーも見事だが、もちろん2得点のエジルは得点以上にチームの雰囲気を変えたことが素晴らしい。今季は絶対にやってくれるという確信を持たせるに相応しい活躍だった。カソルラも途中交代となったが、2点目のきっかけを作るドリブルは、パス主体のチームの中で異なるアプローチができる選手であることを改めて見せてくれた。攻撃の幅が広がっていることの何よりの証明となった試合だった。

4-1でがっちり首位を固めたアーセナル。まず下位に取りこぼさないことが大事。このままの調子が続きますように!

2013年10月11日 (金)

ドメーヌ・アンヌ・フランソワ・グロ ヴォーヌ・ロマネ クロ・ド・ラ・フォンテーヌ2008 AOCヴォーヌ・ロマネ

131011vosneromanee先々週の気温急変以来体調を崩して、お酒も控えめの状態だった。その後はとある熱帯地区を旅し、その後この日本の暑さ。今回は気温の変化がモロに体調に来た模様。

暑さも続いて缶ビール一杯の生活が続いたが、終末を迎えてようやく赤ワインを飲む余裕も出てきたので、久しぶりにグロ一族の王道ワインを。

ヴォーヌ・ロマネはブルゴーニュでも特級中の特級である6の畑が集う村である。ロマネ・コンティ、ラ・ロマネ、ロマネ・サン・ヴィヴァン、リシュブール、ラ・ラーシュ、ラ・グラン・リュと、そうそうたる面々。こんなワインたちにはそうそうお目にかかることはないだけに、自分にとっては既にその名前からして敬遠してしまう要素になる。しかし、村名でも、名だたる生産者のワインであれば納得できる品質であろう。このブルゴーニュを代表するグロ家の一員、アンヌ・フランソワーズ・グロの「泉」と呼ばれる畑は、村名ながらモノポール。

色は黒味の強い落ち着いたダークルビー。香りはブラックベリー、バラ、鉄、ゴム、ブラックペッパー。

口に含むと凝縮感と軽やかさが両立した、酸味と果実味の密なアンサンブルが感じられる。味わいはシンプルでチャーミングな甘酸っぱいベリーの旨味に満ちており、快活。複雑さ、膨らみの感覚よりも、率直でわかりやすい味で迫ってくるのが潔い。タンニンも、このピュアな果実味を抱擁するには抜群のバランス感、繊細さを備えており、全体の角のない、こなれた丸みのある味わいを形作る。

余韻も程よい渋みとピュアなブドウの甘さが密接に絡み合い、一体となった旨味を残しながら柔らかく軽やかに引いていく。

ブルゴーニュの赤を素直に美味しいと思える、そんなナチュラルかつエレガンスさを表現したワインと言えるのではないだろうか。負担感なくスルスルいけちゃうので、軽く1本開けちゃいそうな、危険な予感。

【Cave d'Orange北新地店 5,800円?】