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2013年3月

2013年3月30日 (土)

イナマ カルムネール・ピゥ2010 IGT(ヴェネト)

130330inamacarmenereここ数年で最も知名度を高めたブドウ品種、それはカルムネールかもしれない。元々はボルドーで栽培されていたブドウで、カベルネ・フランとグロ・カベルネという品種の自然交配によって生まれた品種だが、ボルドーでは殆ど栽培されなくなった。今やこの品種が本領を発揮する部隊はチリ。

チリで栽培されていたメルローは実はカルムネールだったと言われるようになったのは、そう古い話ではない。しかしそれを逆手に取るように、チリでは今やカルムネールがチリ独自の品種としての評価を確立した。そして元々対コストで品質の高さを謳ったチリワインゆえに、日本でもカジュアルに楽しまれる中でカルムネールの名前も自然と浸透している。

他の国際品種と誤認されるカルムネールだが、実はイタリアのカベルネ・フランは多くのケースでカルムネールなのだという。しかし、このヴェネトの名手、イナマはカルムネールを前面に押し立ててこの赤ワインを世に出した。セパージュはカルムネール60%、メルロー30%、ラボゾ・ヴェロネーゼ10%。

色は深みのある湿った暗いルビー色。香りはカシス、ユーカリ、ローズマリー、鉛筆の削りかす、古樽の香りも感じられる。

アタックはバランスのとれた、丸みのある豊かな果実味。果実味は角の取れた優しい甘みがあり、そこに強さはないが穏やかな酸味が絡み、グミをほうばった時のような弾力性も感じられる。タンニンは控えめだが、このバランスの良い味わいと調和を保つボリューム感を持っている。全体にすべての要素が穏やかで、派手な主張こそしないが、時間とともに染みあがってくる旨味の感覚が心地よい。

余韻は雑味のないクリアなベリーの甘みが旨味へと昇華し、舌を薄く包むように優しく広がる後味が長く残りつつ、ゆったりとした余裕を保って引いていく。

イタリアの赤としては驚くほど抑揚の少ないバランス感を終始保つ。しかし、それは決して悪い意味ではなく、それぞれの要素をしっかりと感じさせつつ、統一を保った味を形作る至難の業を実現しているということ。それを可能にするカルムネールという品種のポテンシャルあってのことなのだろう。

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 3,200円?】

2013年3月28日 (木)

硬軟描き分ける表現力 レーピン展

130323repinロシアの画家というとシャガール、カンディンスキーあたりがまず挙げられるのだろうが、レーピンもまた著名な画家に違いない。しかしその印象は「皇女ソフィア」の怪物のような迫力ある一種際物的な表現、もしくは「ヴォルガの舟曳」のような、貧しく虐げられた人々を描く感傷的な作品で知られることが多い。自分もまさにそうであった。

現在姫路市立美術館で開かれている「国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展」はそうした印象を一変させ、この画家の凄まじいばかりの技術力、その技術に裏打ちされた表現力に圧倒される機会となった。

イリヤ・レーピンは19世紀後半から20世紀前半を代表するロシアの画家だが、当時の美術界は写実主義から印象派、そして抽象的な美術へと新たな美の世界に広がりを見せる時代だった。画家自身にとっても刺激の大きい環境の中で、ピカソのように極端ではないにしろ、それぞれの様式を試しながら独自の表現世界を確立する事が求められた。

レーピンもその例にもれず、祖国ロシアで学んだ後はパリに出て、印象派の世界に身を委ねた。そしてその表現法も会得し、後に描く多くの作品ではまばゆい光を取り入れている。しかり彼の場合、形態までも光に溶けるようなところまではいかず、写実的な表現には踏みとどまった。

パリの先進的な表現を身に着けつつも、彼の表現はそれには留まらない。先の「皇女ソフィア」やコサックを描いた作品には、ヨーロッパになりきれないロシアの風土からくるもの、土着性、そして狂気の匂いが感じられる。しかし、それを描いても決して野卑にならないのが彼の凄味で、印象派の表現、写実、繊細な筆遣いもあれば、叩きつけるような荒々しい筆致と、描く対象に応じて的確に描き分ける力量あってこそのものだろう。彼の一連の作品を通してみれば、そのことが理解できる。

ロシアが生んだこの芸術家の世界を、日本にいながらその生涯を通じて概観する貴重な機会を得られたと実感できる素晴らしい美術展だった。

国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展

姫路市立美術館

2013年2月16日~3月30日

2013年3月27日 (水)

初試合 グナ雀グ鍋会

130309gunaイベント続きで、こちらは久々の自宅パーティ。この日は関西のアーセナルファン、グーナーの精鋭を集めてのグナ雀グ鍋会。とはいうものの、実際は単に自分が久々に麻雀がしたかったので、適当にメンツを集めたというものなんだけど。

自宅の手摘み雀卓も1年ぶりに稼働し、半荘2回ほど遊んだあとは鍋会。この日の鍋は初の試みのタイスキ。

タイスキはタイの人気料理で、スキとあるが実際はしゃぶしゃぶに近い。作り方は簡単で、鍋に薄めのコンソメスープを張って、そこに大根、ニンジンなどをまずは煮て柔らかくなりつつあるところで魚介類、イカ、タコ、エビなどを入れてだしを取る。まずは魚介類でダシをとってから、後は野菜類や肉類を入れていく。この日はむき身のエビの他に、エビを粗くつぶして、片栗粉と卵でつなぐエビ団子も作ってみた。野菜は白菜、チンゲンサイ、エノキ、肉は鶏もも肉、豚ロース、水餃子など。

からめて食べるタレはタイ故に勿論辛い系なのだが、こちらはバンコクのスーパーで1本100円程度で売られているものを持ち帰った。チリソース風味の甘辛系と、ケチャップのような濃くてしっかり辛い、しかもパクチーききまくりのソース2種類用意したが、結構後者のほうが人気あったようだ。パクチー大好きな自分はもちろん後者オンリー。

わりとあっさりした味付けなので楽に食べれるせいか、用意した具はきれいになくなった。構用意したつもりだったのだけど、残るより食べてくれた方が嬉しいのだが、若いゆえに足りなかったのか?

食事終了後は過去のアーセナル戦、無敗優勝決定の試合や、悔しいノースロンドンダービーなどを横目に見つつ、再び雀戦。久々の徹夜戦は、少々勝たせてもらった。

タイスキという美味しいレパートリーが増えたので、またタレを買ってこないとね。

2013年3月26日 (火)

第2弾沖縄会in花いち

Dsc_0071Dsc_0069久々に主催でイベントというか、飲み会をやった。お題は「第2回沖縄会」ということで、店長さんが偶然沖縄出身であることを知ったことから、桜川の「花いち」さんを借り切って、総勢15名での開催となった。

第2回、と言うからには第1回があったのだが、当会名誉会長さんの地元である大正区は、大正駅周辺がまさに沖縄ワールドというくらい、沖縄出身、関係者の色濃い町。その大正の居酒屋で第1回をやった後、この「花いち」さんに自分の行きつけの店の元シェフが移った縁で通った際に、店長さんが沖縄出身だったことを聞いて、その瞬間にこの企画が思いついた。

「花いち」さんは鉄板焼きのお店だから、当然普段のメニューは沖縄的なものもあるけど少数。しかし、この日は最初から最後まで当日特別メニューで、沖縄オンパレード。頑張っていただいた店長さん、スタッフの皆様に感謝です。

貸し切りで他のお客さんを気にせず、ゆっくり楽しめたのは勿論だけど、たまたまこの会で昔のお知り合いと引き合わせの縁を取り持てたことも嬉しいことだった。これが繋がりとなって、後日また新たな食事会にもつながり、さすが酒飲みのコネクションは素晴らしい。

Dsc_0073沖縄会なので泡盛とか、ハブ酒とかに行くのかと思ったけど、結局ワインがかなり空いて、予算を若干オーバーすることに。参加者の皆さんすいませんでした。

次回はホームグラウンドに帰って第3回となるらしいけど、それも期待しつつ、沖縄会のつながりは今後も大事にしたいものです。

2013年3月19日 (火)

ロベルト・ルカレッリ ロコ2010 DOCビアンケッロ・デル・メタウロ

130316bianchello以前ほど熱狂的ではなくなったのかもしれないが、それでも「土着」は自分にとっての主要な探究項目だ。しかしブドウ品種は世界的にざっと数えても1万種類は超すそうで、それを全部飲み尽くすのは不可能に近い。最近出版されて、自分のガイドでもあるワイン品種の泰斗、ジャンシス・ロビンソン著「WIne Grapes」でも、そのうち商業的に一定量のワインを作っているとして1,368種を扱っているに過ぎない。

珍しい土着品種を手っ取り早く探そうと思えば、やはりイタリアになるだろう。このワインもマルケ州の州都であり港町、アンコーナ周辺で作られるビアンカーメ(ビアンケッロ)種によるもの。

ロベルト・ルカレッリはこの地でビアンカーメ種とサンジョヴェーゼに集約した生産を行っており、畑は石灰を含む粘土質だという。マルケ州などアドリア海沿岸は石灰質の土壌が広がり、海側から内陸に少し入ると粘土質の土壌が広がるから、ちょうどその中間といったところだろうか。彼がこの希少品種に賭ける情熱は並大抵のものではないようで、その特質を活かすため、発酵は大樽をつかうものの、熟成はステンレスタンクで行っている。

色はオイリーな質感のあるゴールドイエロー。ディスクも厚い。香りは華やかでオレンジ、アプリコット、黄桃、バニラ、キンモクセイ、鉄粉のような金属的香りもバックに感じられる。

アタックは柔らかで熟れた温かみのある酸と、グレープフルーツのような果実味がボリューム豊かに迫ってくる。果実味はボリュームがあるものの放埓に弾けず、程よい苦みが相まってバランスの良い味わいへと昇華していく。ある程度の粘性は感じられるが、キレの良さと旨味のクリアさが中盤にかけて広がり、落ち着いた豊かな旨味を形作る。後半に広がる苦みのミネラル感が最終盤の味わいを引き締め、複雑さを与える。

余韻はオレンジの甘さをゆったりとたたえつつ、ほのかな苦みがアクセントとなり、クリアな後味を残しながら、さらっと引いていく。

香りと色合いのボリューム感の印象からすれば、味わいは予想外に引き締まって硬質な感じだった。イタリア南部の白にありがちな、後味の引きのもたつきも全く感じず、爽やかな後味が印象的。この品種をこの地で作り続ける生産者の探究の成果をひしひしと感じる味わいだった。

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 2,800円?】

2013年3月18日 (月)

残り10試合、絶対に負けられない スウォンジーvsアーセナル戦

130318arsenalチャンピオンズリーグのベスト16ではバイエルンにあと一歩まで迫りつつ敗退が決まってしまい、今季無冠が確実となった我がアーセナル。もはやリーグ戦しか残されていないが、この日のアウェイ、スウォンジー戦を含めて残り10試合で5位、絶対に今後落とせない試合が続く。とにかく最後の目標は最低限の来季CL出場圏内だ。

しかし、この日の相手スウォンジーはプレミア中堅とはいえ、手堅い守備とFWミチュの得点力でアーセナルが欲しても届かないタイトル、キャピタル・ワン・カップを手に入れてしまった手ごわい相手。先発はGKファビアンスキ、DFモンレアル、コシエルニー、メルテザッカー、ジェンキンスン、MFアルテタ、ディアビ、チェンバレン、カソルラ、ウォルコット、FWジルー。

この日の試合、5分にはチェンバレンがエリア内に侵入して放ったシュートは惜しくもクロスバーに阻まれる。これが決まっていれば楽な展開になったのだが、チェンバレンは41分のシュートもそうだが、最近ツキがないのが残念。lこの後は予想通りスウォンジーのコンパクトな守備に阻まれ、アーセナルのパスもいつの間にかからめ捕られるようにカットされる苦しい展開のまま、前半は0-0の膠着状態。

後半も苦しい展開が続いたが、ようやく74分、カソルラが持ち込んで、パスを渡したジルーがコントロールミスから後ろに逃したボールをモンレアルが捻じ込んで、彼にとって移籍初ゴールが先制点となった。この後虎の子の1点を守ってのアディショナルタイムで、スウォンジーが前がかりになった隙を突いたジルーの縦パスから、右サイドを走ったラムジー、中央に飛び込んできたジェルヴィーニョと渡ってダメ押しの2点目を入れて勝負あり。苦しいアウェイ戦で0-2の勝利を勝ち取った。

この日は移籍初ゴールを大事な試合の先制点で決めたモンレアルを称えたい。移籍以降手堅い守備でギブスの穴を埋めていたが、得点も決めて本人も喜んだことだろう。メルテザッカーも相手FWミチュを詰めるように体を寄せて危険なシュートを打たせなかった。DF陣の手堅さが大きな勝利の原動力になった。アーセナルの守備を褒める機会はそうなかったが、この試合では危ない場面は前半立ち上がり以外は少なかったと思う。

試合後、スパーズが連敗したため4位との差が思いのほか詰まってきて、スパーズが1試合多い中での勝ち点4差となった。残り9試合、エミレーツでのマンU戦以外はすべて下位相手。スパーズは8試合でチェルシー、シティ戦を残している。残り全勝で行けば十分CL圏内に残るチャンスはある。ここからが絶対に負けられない戦いだ。

2013年3月16日 (土)

奥出雲葡萄園 奥出雲ワイン ソーヴィニヨン・ブラン2012 島根県雲南市

130316izumo日本ワインを飲み始めたころ、一番最初に魅かれたワインというと、この奥出雲ワインを挙げることになる。島根県で元々は乳業を営んでいた会社がワイン業を始めたのが1990年というが、自分が出合ったのはそれよりずっと後、2009年頃のはず。日本ワインというものに自分がいかに無関心だったかが改めて思い返される。

この葡萄園は山ぶどうを栽培していた人たちによってワインを醸すために起こされたワイナリーだが、今でも「小公子」という品種のワインが看板商品になっており、少数生産であっという間に売れてしまう。しかし、自分が一番好きなのは「シャルドネ・アンウッデッド」、ステンレスタンクで醸した品種そのものの味わいがクリアに迫ってくる味わいが印象的だった。

その奥出雲葡萄園が自社畑で畝数4列だけ栽培したソーヴィニヨン・ブランを初めて目にした。ソーヴィニヨン・ブランはまだまだ日本では少数のワイナリーでしか生産されていないが、その鮮烈な個性は日本で十分活躍できる素地があると思っているが、どうだろうか。

色は透明に近い、澄んだ張りのある薄いイエロー。青リンゴ、二十一世紀梨、プリンスメロン、ビニルの香り。

口に含むと穏やかな酸はボリュームも控えめで、するりと舌を滑るように入ってくる。口の中に広がる青リンゴの香りが涼しげで、その香りに導かれるように穏やかで清らかな滋味がじんわりと広がる。ボリューム感、複雑さを強くは感じないが、それ故にストレートな果汁の持つ旨味、余計なものを捨てた潔い味わいを感じる。

中盤から後半にかけて、雑味を残さぬ綺麗な味わいが広がり、かすかな苦みが穏やかな旨味をまとめ上げて、柔らかな余韻を形作る。

いわゆるソーヴィニヨン・ブランの鮮烈なハーブ的な個性は若干控えめに、代わりに青い果実の旨味を活かしているといった印象を受けた。これも日本におけるソーヴィニヨン・ブランの可能性の一面なのだろう。欲を言えばもう少し最終盤に切れ上がるグリップ感が欲しいと思うが、まだまだ試行錯誤の過程と思えば、これからの発展形に期待。

【パピーユ・ジャポネーズ 2,500円?】

2013年3月 2日 (土)

山崎ワイナリー ツヴァイゲルト2011 北海道三笠市

130301yamazaki品種改良はワインにおいて必ずしも質を高める、という意味では受け取られていないのかもしれない。それは多くの場合、気候ゆえの病害に耐えるため、より生産量を挙げるための努力の一つとして用いられてきたことは否めない。異なるブドウを掛け合わせた品種が主にドイツで開発されてきたことは、その事を物語る。

ツヴァイゲルト。名前もドイツ語的なこの品種はオーストリアで開発された品種で、ブラオフレンキッシュとザンクト・ローレン(サン・ローラン)を交配することによって、1922年にフリッツ・ツヴァイゲルト氏が産み出した。ザンクト・ローレンはピノ・ノワールと関係があるとされているが、最近はそれを否定する遺伝子学的な主張もあるようで、話は複雑だ。

出自はさておき、この品種自体はオーストリア以外では、最近北海道でその活躍の場を広げつつあるようだ。このワインも北海道では著名な家族経営ワイナリー、山崎ワイナリーによるもの。樽熟成のものもあるようだが、品種の個性を測るうえでも今回はこちらを。全体の一部を除梗破砕するのみで、残りは粒のままステンレスタンクで発酵させている。

色は赤みの強い若々しいルビー色。ディスクは薄め。粘性はさほど強くない。アルコール感はあまり強くない印象。香りはカシス、ダークベリー、インク、黒胡椒、粘土。甘い香りの中に、少し青みのある香りが混じり、後半重い土っぽさのある香りが広がる。

口に含むと熟した丸みのあるエキスを感じ、その直後に柔らかだが芯のある中程度の酸がじわりと進んでくる。導かれる果実味は均整がとれて素直な旨味を伴うが、ボリューム感は意外にあり、肉厚な味わい。その厚みに調和したタンニンは細かだが密で存在感があり、中盤から後半への安定感を演出するが、まだ若い故か、ややえぐみも残る。複雑さはそれほど感じないが、ストレートな果実の旨味、クリアな味わい、そこに落ち着いたタンニンが加わり、しっかりした骨格のワインとなっている。

余韻はピュアなベリーのジャムのような後味が残り、その甘さのキレの良さを感じさせながら爽やかに引いていく。

北海道のワインとわかって飲んでいるから言えるのだが、もし知らなければまずわからないくらいに凝縮した果実味のワイン。タンニンの予想外の強さからも、多分ブラインドだったら日本とは絶対に思わないだろう。ツヴァイゲルトが北海道で最近広まりつつあるのも、そうした個性が日本ワインの多様性に必要だと思われているからなのだろうな。

【パピーユ・ジャポネーズ 3,150円】