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2013年2月

2013年2月27日 (水)

ドメーヌ・ラ・フェルム・ブランシュ2009 AOCカシ

130224cassisワインに関しては南よりも北が好きだ。自分が好む冷涼な酸と、深みのあるミネラル感がより強く感じられる。しかし、だからといって南の温和で、細部に拘らずやさしく包み込む様なワインも決して嫌いではない。

フランスの最南端、地中海に面するカシは、プロヴァンス地区の港町。この周辺で生産されるワインもカシと呼ばれ、赤、白、そしてプロヴァンスでは最も著名なロゼを産出するが、このカシに関しては白がもっとも有名だろう。それはこの地区で獲れる魚料理と合わせる白、というイメージが先行してのものではないか、と勝手に理解し、実は今まで飲んだことがなかった。先日少し安く売っていたので、これを機会に購入してみることに。

このドメーヌはカシでは最も優れた生産者として評価されており、日本で入っているカシのイメージは殆どこのワインではないかと思う。南仏由来のマルサンヌ、クレレット、ユニ・ブランの3種を主体として造られる。

色は粘性のある落ち着いたゴールドイエロー。ディスクも厚い。香りは甘い香りが濃密で、オレンジピールのシロップ漬、黄桃の缶詰、マンゴー、ヨーグルト、キャンディ、ビニルの有機香もバックに感じられる。

口に含むとインパクトは強く感じないが、冷涼で丸みのある穏やかな酸がじっとりと染みあがるように広がる。その後は少し収斂感を伴う苦みを伴いながら、中庸なボディを保った穏やかな果実味が控えめに座る。全体には凹凸のない、悪く言えばインパクトに欠ける展開だが、味わいが平板という事ではなく、ほのかな苦みと後半のミネラル感はしっかりした主張があり、異なる味の要素はつかみやすい。

余韻は穏やかな甘みをもった果実味が滑らかに、すべるようにボリューム感を減じつつ、すっきりした後味で口に中をリセットしながら引いていく。

雑味のないまとまった味わいで、魚料理に限らず他の料理の味の要素を決して邪魔することはないだろう。言い換えると、強い味わいにはすぐ道を譲ってしまうような遠慮がちな性格をこのワインからは感じた。しかし、その中に主張すべきところもしっかり感じさせるところは、ワインに地域性を反映させつつ個性も育む、作り手の意地のようなものもあるんだろうな。

【Cave de Vin 2,200円?】

2013年2月26日 (火)

気軽にポルトガル料理を リシュボア

20130223lisboa1_320130223lisboa220130223lisboa3大阪にポルトガル料理は自分の知ってる限り2軒、一軒はアメリカ総領事館近くの「ポルトガリア」で、もう一軒がこちら、本町通りアパホテル近くの「リシュボア」。

http://lisboa-jp.com/

お店のキャパからすればこちらはスモールサイズで、カウンター8席、後テーブル1席も入れば、ということになるが、気軽さと楽しさで言えばこちらに軍配をあげるだろう。このお店に行く限りは、テーブル席よりも座るなら断然カウンター席だ。一人シェフでお店の料理をすべて作るのは、ポルトガル人のシェフ、ジョゼさん。日本語が達者な彼との会話を交えながら、お任せコースで提供される料理を楽しむ事ができる。

この日は全く食事をしていなかったので、通常の3品コースにごはんを追加したコースにしてもらい、最初はアミューズ的にサラミを使ったスープから始まり、その後はあさり鍋、カリカリ揚げたポテトとしっとりオニオンを添えたマグロ、そして最後はナバナとカマスゴのご飯というコースで、魚メインの料理となった。5品のコースにはこれにしっかり肉も入ってくる。

元々はポルトガルで建築を学んでいたそうだが、子供のころから料理には親しんでいたというジョゼさんは、日本に来たのはボランティア活動で、その時に奥さんと知り合ってその後日本に戻ってきたのだそうだ。お客さんが「なんで日本に来たの?」と問われて「愛の力。」とさらっと答えるところが、いかにもラテンらしい。

ワインもボトル・グラス共にしっかり楽しめる。もちろんワインはオール・ポルトガル産で、たまにイベントも企画してくれる。ポルトガルらしいパンの作り方も教えてくれる企画があり、ポルトガル文化の普及も力を入れているところが素敵だ。大阪でもお勧めして間違いない店の一つなのだけど、いかんせんキャパが小さいので早いうちの予約が不可欠だな。

リシュボア・タシュカ・ポルトゲーザ・本町

大阪市中央区本町4-8-8 篠福ビル一階

06-7494-9592

11:30-13:30、17:30-23:30

火曜休

2013年2月25日 (月)

新たな展開、2号店? 再びボッチォ

130216boccio1130216boccio2_3130216boccio3_316日の土曜日のディナーは友達に誘っていただいて、再び長堀橋のイタリアン、ボッチォへ。

この日も満席状態で、大阪のイタリアン人気店であることに間違いない。それも南の中心から少し隔たった落ち着いた周囲の雰囲気に、洒落たインテリアをさりげなく配置したお店の心地よい空間、そしてご夫婦で切り盛りするこのお店の個性、奥様が作るボリューム感と味わいのしっかりした料理、それに旨く調和したワインを提供する旦那様の調和があってこそだろう。この日もしっかりしたサラダ風の前菜からパスタ、そしてメインまで楽しませていただいた。

しかしこの日は驚きのニュースが。なんとボッチォから旦那さんと男性シェフが店を移動、新町に新たな日本酒メインで創作料理を提供するお店をはじめるのだそうだ。前々から日本酒がやりたかったという事で、これも以前からの既定路線だったのかもしれない。

新町は最近ローザネーラのフォカッチェリア、先に紹介したマンモスカフェなど、カジュアルに楽しめるお店が増えつつある最近注目度が高まっている地点だと思うが、そこで新たな挑戦をされるという旦那様の新展開にもぜひ期待したい。元々自分は日本酒も大好きで、日本酒が気軽に楽しめて、料理も味わえるというお店のコンセプトは大賛成。ただ、ボッチォが今後どう展開するのか、あの的を得たワインをサーブしてくれる人がちゃんと後釜に座ってくれるかどうか?新たなボッチォの展開が楽しみだ。





2013年2月24日 (日)

救世主はマラガコンビ! アーセナルvsアストン・ヴィラ戦

130220arsenalCL決勝トーナメントのファーストレグ、ホームでのバイエルン戦にいいところなく敗れたアーセナル。ヴェンゲル監督の采配を疑問視する声も出てきた中でこの日はリーグ戦に戻って、やはりホーム、アストン・ヴィラ戦。

このところどこかヴェンゲル監督の表情も曇りがち、眉間のしわも深くなりがちな気がするが、この日はスカッと勝ってもらいたいところ。ただ、スタジアムの観客の入りが非常に悪く、空席が目立った。ホーム戦の空席が最近目立つのが、ファンの無言の批判とは思いたくないのだが。

先発はGKスチェスニー、DFモンレアル、フェルメーレン、メルテザッカー、ジェンキンスン、MFアルテタ、ウィルシャー、ディアビ、カソルラ、ウォルコット、FWジルー。

相手が下位、降格圏のチームとあってボールの支配は終始アーセナルペース。待望の先取点は5分、左のエリア内でカソルラが打ったシュートは相手DFに当たって跳ね返されるが、そのボールを奪って、今度はコンパクトな振りでDF2人の股間を抜く美しすぎるシュートが決まった。DFの穴を見つけてそこに精度高く振りぬく、カソルラの十二分に持ち味が出たゴールシーンだった。このシュートでこの試合はカソルラゲームと予感し、それはある意味的中したのだが、ゲーム展開は全く予想しない、ボールは取れても決め手がない、いつもの袋小路状態に陥ってしまう。

アストン・ヴィラも決して悪くはなかった。守備の意識が徹底していて、その苦しさからたまらずアーセナルがパスミスでボールを失った時、素早くカウンターを仕掛けてゴールを狙う。これが後半の同点シーンにも結びついた。

このまま同点なのかと思った85分、左サイドの最奥までえぐったマラガ出身、加入間もないDFモンレアルがマイナスの低いパスをゴール中央に送れば、そこに駆け込んできたのはカソルラ、このボールを落ち着いて転がしネットを揺らした。元マラガ出身の二人の息の合った攻撃が決まりアーセナルが勝ち越し、これを守り切って2-1で勝利した。

130224carsenalカソルラの2得点でアーセナルはとりあえずの危機を脱した。彼がいなければアーセナルはどうなっていたのか、と思うくらいの今季の活躍ぶりだし、好不調の波もそれほど大きくない。1年目だがチームの大黒柱ということをつくづく思い知らされた。

得点こそなかったが、終始豊富な運動量で好守に活躍したウィルシャーも素晴らしかった。彼とアルテタがもう少し攻撃に参加できるチームの厚みがあれば、今季はもっとやれるはずなのだが。アルテタには特に前目で、昨季のようなミドルを打つ機会を狙わせたい。アーセナルに関しては年々ミドルシュートでの得点シーンが減っているような気がする。ディアビは試合勘が戻らないのか、テンポが他の選手と合わず、攻撃のスピードを遅らせて相手に守る余裕を与えてしまう場面があった。彼については徐々に期待感が薄れているのは事実。

とりあえず勝ち点を積んで、次節は敵地でのノースロンドン・ダービー、スパーズ戦だ。相手は4位だけにこれに勝たないとCL圏内は大きく遠のく。次節が本当の正念場かもしれないな。

2013年2月20日 (水)

アラン・グライヨ クローズ・エルミタージュ2008 AOCクローズ・エルミタージュ

130220alain自分にとって最高のワインを問われれば、おそらく迷わずにこのワインを選ぶことになるだろう。アラン・グライヨ、クローズ・エルミタージュ。そのワインはその地においては有数の作り手のワインではあるが、決して一般的には最高という評価ではないだろう。しかし自分にとっては、ワインというものの奥深さ、個性、そして何よりブドウ品種による違いを知るに至った、決定的なワインだった。

それから既に10年以上の月日がたてば、飲む方も造る方も相応に年を取ってくる。飲む方も嗜好が変わるだろうし、まして造る方は代も代わればスタイルも変わる。ワインとは決して不変ではない。アラン・グライヨも毎年飲んではいるが、最初に飲んだころに感じた破壊的なほどの凝縮感は徐々に影をひそめ、より良い修飾語を用いれば洗練性を増している。今回の2008年、ローヌでは平均的な年として評価されているが、どうだろうか。

色は濃く、沼のように奥深いダークルビー。香りは黒胡椒の香りが直線的に立ち、削り節鉛筆の削りかす、枯葉、樽酒のような香りが感じられる。果実の香りは控えめで、焦がした香りが強く感じられる。

口に含むと直線的な若い完熟手前のベリーの酸が突き進んでくる。その酸に溶け込んでいるタンニンは細かだが、存在感があり、高めの酸を落ち着かせる。まだ角があり、やや硬めの酒質だが、口の中に広がるスパイシーかつスモークな香りが大きく膨らみ、懐の深さを感じさせる。後半に座ってくる果実味は均整がとれており、香ばしさと相まってふっくらしたボディを形作る。

余韻は最後まで伸びやかな酸味が口の中を引き締め、強靭な旨味とスモーキーな雰囲気を残しながら長く優しく引いていく。

ここしばらくのヴィンテージは洗練しすぎて物足りない感じを持っていたのだけれど、このワインは繊細さとかつての強いスパイシーな個性がうまく両立してきているように感じた。これも深化だろうか。新しいヴィンテージも試してみないとね。

【Wineshop FUJIMARU 3,200円?】

2013年2月16日 (土)

ヴァルニエ・ファニエール グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン ブリュット・ゼロNV

130213varnierzeroシャンパーニュも最近は多様化しているようで、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ以外の品種に着目したものが徐々に市場にも出てきている。しかし、やはり主力がこの3種であることは間違いない。

自分は以前はシャルドネだけで作られるブラン・ド・ブランは苦手だと思って敬遠していたのだけれど、最近はそうでもない。そうした苦手意識が徐々に変わってきたのは、シャルドネによるふくよかさというものがようやく理解できるようになったからかもしれない。やはり味覚は時に応じて変わるものだと思う。そんな自分が今日選んだのは、以前であればまず選ばないであろう、ブラン・ド・ブランのドサージュゼロ。

ヴァルニエ・ファニエールは堅牢なミネラル感を産み出すアヴィーズ村の作り手。このシャンパーニュはシャルドネのみで作られ、糖分添加を行わないドサージュ・ゼロによるもの。

色は張りのある硬質なゴールドイエロー。泡は底全体から勢いよく立ち上る。香りはライム、クロワッサン、リンゴのタルト、ビスケット。

口に含むと、小粒だが勢いのいい泡の体感と、残糖分をほとんど感じない乾いた味わい。雑味は全く感じずクリアな酒質は個性的で、その序盤の張りつめた印象に戸惑いさえ覚える。ただそのドライな味わいを裏打ちする果実味は厚みがあり、安定しているので感じられ、中盤はふくよかさが広がる。ただし、ドサージュのない味わいは渇きが過ぎて、もう少し柔らかみがあったほうがより複雑さを増すようにも思う。

余韻は乾いた味わいの緊張感を残しながら、最後に現れる苦みを伴ったミネラル感がしっかりと座り全体のボリューム感を減じつていく。

ベースとなる果実味のふくよかさと、後味のキレの良さはさすがにドサージュゼロらしい味わいのシャンパーニュではあるが、これだけドライで緊張感が走ってくると、飲む方に対しても相応の疲れを感じさせることになるかもしれない。シャンパーニュにおけるドサージュという過程の意味も改めて考えさせられる体験だった。

【カーヴ・ド・テール淡路町店 4,980円】

2013年2月15日 (金)

フリードリッヒ・ベッカー シャルドネ クヴァリテーツヴァイン トロッケン2011 ファルツ

130211beckerchardonnayドイツワインも最近は赤が多くなったとはいえ、やはり真っ先に想像するのは白ワイン。しかし、その白ワインでもシャルドネによるワインは殆どお目にかからない。たとえあったとしても著しく高価で、費用対効果を考えると、なかなか試す機会がなかった。しかし、最近このリーズナブルなシャルドネが出てきた。しかも作り手はファルツの名手、ベッカーとくれば、試さない手はない。

元々はファルツの協同組合を率いていた家の跡取りだったフリードリッヒ氏が独立して起こしたワイナリーだが、最初はその酸の高さゆえに理解を得られなかったという。しかし自分の信念にこだわった彼に時代が追いつき、そのこだわりは樽さえも自分が所有する森から産出しているという。

色は硬質の黄緑がかったやや薄めのレモンイエロー。香りはレモン、グレープフルーツ、ヨーグルト、消しゴム。

舌先にかすかなガスを感じ、その直後伸びのある角が取れた酸が突き進んでくる。思いのほか甘みも感じる、充実した若い果実味。味わいは透明感に溢れ、バランスよくまとまる。ボリューム感は控えめで、やや内省的な印象を持つが、後半には程よい塩味のミネラル感が広がり、複雑さと安定感を醸し出す

余韻はミネラルの苦みが舌を引き締め、旨味全体がほろほろとほどけるような感覚でその力を減じていく。

シャルドネだと思って飲んでいるが、もし言われなければ絶対にシャルドネとは思わないだろう。むしろリースリング、彼が醸すジルヴァーナーに近い。味わい自体は価格を考えれば全く文句はないのだが、やっぱりワインて不思議な飲み物だなと思わずにはいられない。

【カーヴ・ド・テール淡路町店 2,300円?】

2013年2月14日 (木)

フランスの至宝に絶句 ヤマザキマザック美術館

130209aichi12月9日、愛知県美術館で開催され、会期末を迎えていた「生誕150年 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」を観に行った。この美術館にはクリムトの名作、「人生は戦いなり(黄金の騎士)」があり、自分にとっても日本で鑑賞できる西洋絵画としては最も好きで、名古屋に行くときは必ず足を運んでいる。

今回の美術展はこの常設作品を中心とした企画展だったので、2003年に神戸で開かれた「1900年ウィーンの美神展」ほどの作品が集まっているという期待は持っていなかったのだが、それでもやはりクリムトの美術展であれば観ておきたいと思って訪れたが、さすがに同じ思いの鑑賞客が集まってか相当の混雑だった。

作品の質的には、「人生は戦いなり」が出色すぎて、後のポスター、素描を中心に構成された美術展はかなり見劣りがした。実物大とはいえ、パネルの展示もあまり良いものとは言えない。人も多かったこともあり、1時間弱で会場を後にすることになった。

130209aichi2_3そしてホテルのチェックインまで余った時間を何してつぶそうか、と考えた時、この直前、名古屋ボストンで見かけたチラシの美術館の事を思い出した。ホテルからも歩いて10分ほどなので行くことにした。その美術館が「ヤマザキマザック美術館」だった。

http://www.mazak-art.com/

関係者の型には本当に申し訳ないのだが、名前が洒落っぽいので殆ど期待はしていなかった。チラシにはフランス美術の珠玉の作品、とあり、印象派以前のオールドマスターの作品もあるようだったが、信じきれなかった。

真新しい駅直結のオフィスビルの5階フロアが美術館で、エレベータを下りるとまずボナールの小品が出迎える。これがこの美術館の創立者で館長でもあり、同時にヤマザキザマックという工作機械の大手企業のオーナーでもある山崎氏がフランス美術を収集するきっかけになった作品なのだ。そして、愛らしい少女の前を通り過ぎて、部屋に入るとそこは素晴らしい珠玉以上、最高品質の絵画が優美な空間に並ぶ、日本とは思えない世界が広がっていた。

凄い。正直これだけの作品が集っているのが信じられなかった。ヴァトー、シャルダン、ルブラン、ブーシェ、ドラクロワの大型の作品がルーブルのような空間に並んでおり、よもや複製ではと思ってしまう。その後にはモネ、ルノワールといった印象派もあるが、より素晴らしいのは後期、スーティンが6作並ぶのも圧巻だし、知る人ぞ知る感じのキース・ヴァンドンゲン、キスリングの作品は自分がこれまで見た中で最も素晴らしいものだった。

絵画で満腹になった後の4階はアールヌーヴォーの家具、調度品が贅沢に並び、最後はガレ、ドームのガラス工芸が所狭しと並んでいる。これほどまで質の高い作品に満ちた私設美術館がこんな近くにあったとは。しかも2010年開館、ということで既に3年を経過している。アート好きと言いながらこれまでこの美術館の存在を全く知らなかった自分の不勉強ぶりに恥ずかしい思いがした。

たった1時間で鑑賞するにはあまりにも時間が足りなかった。しかしそんな事を公開する必要はない。これから名古屋に来るたびにここに足を運ぶはずだから。名古屋に来る時の大きな楽しみが一つ増えたことがとにかく嬉しい。

ヤマザキマザック美術館

愛知県名古屋市東区葵1-19-30(地下鉄東山線新栄町駅直結)

10時から17時

月曜、年末年始休

2013年2月13日 (水)

カ・ヴィオラ ドルチェット・ダルバ ヴィロット2010 DOCドルチェット・ダルバ

130209dolcetto中庸という表現は、往々にして否定的にとらえられないかもしれない。特に味わいの世界において、それは無個性として表現されうる。

ピエモンテにおけるドルチェットは、ブドウ品種において中庸という表現に最も近いものだと自分は理解していた。少なくともワインを知りたての時期にあっては。イタリアの銘酒中の銘酒、バローロを産み出すイタリアの至宝ネッビオーロ、どのワインにもない酸を伴う個性的なバルベーラに比べれば、ドルチェットはその主張はいかにも頼りない印象を持っていた。だから、ドルチェットを飲むことも少なかった、これまでは。

しかし、今や自分にとってドルチェットはそうした印象を払しょくして余りある存在となった。その上で重要な造り手がカ・ヴィオラだ。イタリア屈指のコンサルタント、ジュゼッペ・カヴィオラがピエモンテに設立したワイナリーで、標高約400mの畑から低収量のドルチェットによるワインを醸す。

色は黒味の強い暗めのルビー色。香りはプラム、スミレ、インク、ヴァニラ、香水のアロマティックな香りが強く放たれる。

口に含むと凝縮感のある詰まった果実味が漂い、その直後に内密に詰っているがボリュームは抑制が効き、そして細かだが存在感のあるタンニンが広がり、安定感をもたらす。充実したタンニンは密度はあるが、均整がとれて優しくなめらか。全体のバランスの中に、充実した落ち着いた味わいが詰っており、中盤から後半にかけては穏やかで滑らかな旨味が細く広く伸びてくる。

余韻は若干の硬さが残りつつも、無駄のない均整なボディを保ちつつ、最後まで静謐な印象を保ちながら緩やかに力を減じていく。

総じて穏やかな印象ではあるものの、それに甘んじない内に詰まった要素、それらが混然と調和して全体をまとめる構成の妙がしっかりと感じられる。派手さよりも実のある味わい、それがもっとも感じられる品種と感じられるからこそ、今の自分にとってドルチェットの魅力は増すばかりだ。

【阪神百貨店梅田店 2,980円】

2013年2月12日 (火)

CL決勝進出チーム出陣式? 新町・マンモスカフェ

いよいよ明日から始まるチャンピオンズ・リーグの決勝トーナメント。欧州のトップ16に入るだけでも凄いが、その頂点となればまさに世界最強チームだ。我がアーセナルもこの一角に入って初戦はバイエルン。16強の中では最多得点を誇るこのチームを守るのは、今のアーセナルの完璧とは言えない守備では容易なことではないけれど、まずはホームでの失点を抑えることが必須条件だ。

130211manmos1さて、16強がぶつかり合う前にお互いのチームの健闘を願って(?)と銘打った夕食会に招待いただいた。場所は新町のマンモスカフェ。

こちらはメインのフレンチ・レストラン、ラ・バレンヌの姉妹店で、厨房がつながっているという不思議な構成。レストランとはまた違う、気軽な雰囲気でのフレンチを楽しむコンセプトがとても素敵だと思う。

130211mamos2130211mamos3130211mamos4_3フレンチの姉妹店ということで料理の味は安心できたが、予想外だったのはその量。3千円コースと聞いていたので前菜、タパス的なものの盛り合わせだと思っていた。

もちろんそれも出たのだけれど、他にもコロッケ、キノコのクリームソース、最後にはしっかりお肉のメインも出てきた。この質と量はかなりお値打ち。

130211mamos5この日のワインは8人で5本と量は控えめだったけど、フランスの泡から始まって、白はスペイン、リアス・バイシャス(アルバリーニョ)とフランス・ボルドー(ソーヴィニヨン・ブラン他)、赤はフミージャ(モナストレル、ガルナッチャ、シラー)、サンテミリオン(メルロー他)とフランスに拘らず、いろいろと楽しめた。

さて、応援したチームが勝てばシャンパンを奢ることになったようだけど、我らがアーセナルはどうだろう?シャンパン1本で済むのであれば、ぜひとも勝ちますように。「思い出作り」では終わらないように願いたいものです。

マンモスカフェ

大阪市西区新町1-16-5 橋口ビル1F

06-7501-6433

11:30~22:00LO(日曜~18:00)

月曜、第4日曜休

2013年2月11日 (月)

守護神はスチェスニー、そしてサニャ サンダーランドvsアーセナル

130209arsenal前節ストークシティ戦も1-0で切り抜けて、ヒヤヒヤだったが貴重な勝ち点3を積んだアーセナル。アウェイであっても上位が負けない今とあっては格下相手は絶対負けは許されない。サンダーランド戦の先発はGKスチェスニー、DFモンレアル、メルテザッカー、サニャ、ジェンキンスン、MFウィルシャー、アルテタ、カソルラ、ラムジー、ウォルコット、FWジルー。この日は名古屋に遠征し、愛知近くのパブでグナー4人で観戦。

久々に参戦したジェンキンスンが2枚のイエローで後半62分に退場となった試合だったが、結果は虎の子の1点を守ったアーセナルが貴重な勝ち点3を積み上げた。この日の得点はカソルラの1点のみだったが、ウィルシャーの縦への切り込むドリブルからウォルコット、そして昨年ならば自分で決めに行ってふかすところを落ち着いてカソルラに渡して、そのカソルラが決める今季の決めるパターンでの得点シーンは観ていて鳥肌が立つ素晴らしいシーンだった。

しかし、後半は危ないシーンが目立って、最終の0封が信じられないくらいの展開だった。それもこれも反射神経抜群、GKスチェスニーの神がかり的な反射神経の成せる技。まさに守護神と言わしめるだけの活躍だった。

退場になったジェンキンスンはいただけないが、右サイドが攻められた展開ゆえにそうしたリスクが付きまとっていたことも事実。ラムジーはこの試合は運動量も豊富で存在感を示したが、後半に致命的なミスでピンチを招いてしまったことが、全体的に彼への信頼を損なわせてしまう。まだまだ安定感という意味では足りない。この日CB起用となったサニャはそつなくこなして決定的なミスはなかった事は、DFが手薄な中では嬉しい収穫。得点力では、この日決定的なシーンでまたしてもふかしてしまったジルー、決定力の欠如が後半戦にむけての不安要因になりつつある。

名古屋遠征の夜は苦しみながらも勝利し、出張ったかいがあった。これで5位に浮上、苦しい状況ではあるが、このまま勝ち点を積んでいくことが今のアーセナルには何より重要だな。

2013年2月 7日 (木)

カステッロ・デッラ・サラ(アンティノリ) ブラミート・デル・チェルヴォ シャルドネ 2011 IGT(ウンブリア) 

130206castellodellasala先日このワイナリーのピノ・ノワールを飲んでその落ち着いた味わいが好印象だったけど、では白はどうなんだろうか、ということでシャルドネによるこのワインを選んだ。

このワイナリーにはもう一つ上の白があり、それがいわゆるフラッグシップ(旗艦)ワインなのだが、あえてスタンダードなこのワインを選んだ。自分としてはワイナリーの実力を測るには、フラッグシップよりもむしろその一段、二段下くらいのワインを試す方がいいと思っている。そうしたワインの質を測るほうが財布にも優しいし、ワイナリーの誠実なワイン造りを感じることができると信じるからだ。

このワインはウンブリア州でシャルドネ100%により造られる。発酵はステンレスとオーク樽を併用。

色は金属的な張りのある硬質なレモンイエロー。カスタードクリーム、ヨーグルト、青リンゴ、ユーカリ、バタークッキーの香りで、全体的に乳酸、甘めの香りが強く感じられる。

口に含むと瑞々しいフレッシュな酸が勢い良く伸びてくるが、刺々しさはなく、力はあるもののろやかさも兼ね備えた技巧の冴えを感じる。酸味のインパクトが収まった後は樽によるマロンのような香りと甘さの感覚が広がり、その甘さも均整がとれていて決して出しゃばらないキレの良さを持っているので、後半の味わいに重さを残さず穏やかな心地を演出する。メリハリのある華やかな味わいが楽しい。

余韻は樽からくる程よい苦みも座り、厚みのある味わいをしっかりと残しながら、最後まで幅のある味わいを展開して引いていく。

イタリアのシャルドネは細いか、厚いかのところで自分的にはあまりしっくりくるワインがなかったのだけれど、このワインは両方の良いところを兼ね備えて、全体の緊密な味わいを形成している。これで3千円以下だったら、上質のブルゴーニュよりも十分すぎるコスパだと思うな。Good JOB!

【エノテカ大阪店 2,940円】

2013年2月 6日 (水)

カステッロ・デッラ・サラ(アンティノリ) ピノ・ネロ2010 IGT(ウンブリア)

130206pinotneroイタリアワインの中で自分が興味を持っているのはやはり土着品種と呼ばれる地ブドウ。その多様な世界は、フランス、スペイン、ドイツにはない楽しさに溢れている。

だからと言って、決して国際品種によるイタリアワインの魅力を軽んじているつもりはない。ただし、そうした品種がイタリアで栽培されワインになると、いわゆる「品種の個性」と思っていたものよりも違う強さを感じることが自分にとっては多い。イタリアのカベルネがフランスのカベルネよりもサンジョヴェーゼに近く感じる場合もある。それもまたイタリアワインの魅力の一つなのかもしれないが。

ピノ・ノワールはイタリアではピノ・ネロと呼ばれる。このカステッロ・デッラ・サーラはイタリアでただ一つ海に面しないウンブリア州の標高約500mの土地から生まれる。ウンブリアと言えばオルヴィエートといった気軽な白ワイン、そして対極にあるタンニンの強いモンテファルコ・ディ・サグランティーノのイメージが強いが、この国際品種の赤ワインはどうだろう?このワインは一部の房を除梗せずにそのまま沈め、ステンレスタンクで醸しを行うという方法をとる。

色は紅茶のような赤みのあるしっとりしたルビー色。ラズベリー、干しイチジク、チョコレート、赤い花といった華やかな甘みの感じられる香りがよく出ている。

口に含むと完熟した甘いベリーの果実味を感じ、その中に密に詰まったタンニンが押し出してくるが決して突出しない。どっしりした質感があり、心躍らせるような抑揚は秘められているものの、落ち着きとバランス感で満ちた味わいは上品さを演出する。後半はビターチョコレートのような甘みと渋みの印象が広がる。

余韻は穏やかでまろやかな酸味と細かなタンニンが緩やかに口の中を引き締め、自然な甘みを残しながら、最後まで抑揚を抑えて整った味わいを徹していく。

ブルゴーニュのピノ・ノワールとは酸味の性質が大きく異なるので、飲んだ時の印象はやはり違った感じになるが、この整った酒質とデザートにも似た印象は一つの個性の表れでもある。落ち着いて向き合うことが求められる、ちょっとした気取りのエッセンスも必要なワインかもしれないな。

【エノテカ大阪店 4,935円】