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2012年9月

2012年9月18日 (火)

イル・モンティチェッロ ポッジョ・デイ・マーニ コッリ・ディ・ルーニ ロッソ・リゼルヴァ2008 DOCコッリ・ディ・ルーニ

120915poggioいろいろ飲んだと思っていても、まだまだ新たな発見があるものだ。奥深さとヴァラエティの豊かさ、それと財布への優しさが両立するという点では、イタリアはフランスを遥かに凌駕するといってもいいんじゃないだろうか。

イタリアの中でもリグーリア州は、ワインに関してそれほど知名度があるというわけではない。それ以前にリグーリア州自体が日本にとって馴染みがない。その州都であるジェノヴァの名前のみが、歴史が好きな人ならかつてヴェネツィアと並んだ強国、そうでなければ「母を訪ねて三千里」のマルコの生まれ故郷として描かれたことで知られている程度かもしれない。

そのリグーリア州も、最近では白ワインを目にする機会が増えてきた。海に面した狭い州にあって潮風を受けて育ったブドウは、そのイメージもあって白ワインこそふさわしい。しかし、白ワインがあれば当然赤ワインもある。自明のことだが、それでもリグーリアの赤には久々に好奇心を掻き立てられた。

イル・モンティチェッロはジェノヴァの南東、トスカーナ州境に近いネーリ家による家族経営のワイナリーで、海からは8km、海抜約100mの南向きで粘土質の畑からブドウを栽培している。自然酵母のみを使った発酵でSO2も最低限に抑制し、より自然なワイン造りを志向している。この赤は60%サンジョヴェーゼ、残りはチリエジョーロ、ポッレーラ・ネーロなどリグーリア由来の土着品種によるもの。

色は濃厚で凝縮感のある黒味の強いダークルビー。香りは干しプラム、黒胡椒、ゴム、革、バックにユーカリの清涼感ある香りも感じられる。

口に含むと塊のようなどっしりした濃厚さ、甘さも感じさせるベリーの果実味があり、その後舌先を突くような刺激のある鋭い酸味がやってくる。その酸味も最初の刺激は一時的で、その後はまろやかさを増し、ボリューム感は程よく、しかし密度の高いタンニンと相まって、安定した酒質を形成する。中盤から余韻は前半の攻撃性は影をひそめ、波が引くような穏やかさを演出し、タンニンの渋みが黒いベリーの旨味に深みを与えつつ、ゆったりした果実味主体の味わいを展開する。

余韻はジューシーな酸味が戻り、口の中をリセットしつつ、ベリージャムを食べた後のような甘さの後味を残して、流れるようになだらかに引いていく。

リグーリアの赤ワインということで細身のワインを想像したが、どうしてどうして肉付きの良いどっしりした体格のワインだった。良い意味での想定外、まさに印象深いワインだった。

【エノテカ・イル・ソッフィオーネ 3,200円?】

2012年9月17日 (月)

テレンズオーラ ロザート・トスカーナ カナイオーロ メルラ・ローザ2010 IGT(トスカーナ)

120914canaioloようやく暑さも収まってきたので、徐々に赤ワイン側にシフトしようかと思いつつ、ウォーミングアップも兼ねてのイタリア、ロゼワイン。この日は自分には珍しく王道、トスカーナのロゼ。しかし、惹かれたのはこのワイン、サンジョヴェーゼではなく、メルラ、すなわちカナイオーロ・ロッソ主体で作られている点。

カナイオーロはイタリアの土着品種だが、脇役的存在に甘んじている。キャンティなどサンジョヴェーゼ主体のワインに柔らかさを加える目的で補助品種として用いられていることは多いが、単一、主体的に使われることは極めて稀な品種だ。

このテレンズオーラというワイナリーは、ルイジ・ジュリアーニという人がが大恐慌のさなか、ニューヨークから戻ってこの地に畑を購入したのが始まりだが、その甥にあたるイヴァンがワイン造りを本格化させたのは1993年とのこと。このワインのインポーターも後から見れば「W」。こことはどうも自分の好みの感覚が合っているようだ。

色は赤みの強い暗めの色調のロゼ。香りはプラム、いちじく、ラヴェンダー、鉄さび、濡れた革のしっとりした香りをバックに感じる。全体に落ち着いた湿った感じのある香りが感じられる。

口に含むと湿った安定感のある酸味が感じられ、徐々に細かだが重みのあるタンニンを伴った果実味が存在感を増し、中盤に広がってくる。味わいの外郭がはっきりしており、より赤ワインに近い。滑らかで弾力感のある味わいが中盤から終盤にかけて心地よく座り、充実感を感じさせる。

余韻は果実味とタンニンのバランスが調和し、浸透力のある旨味が行き渡った絶頂を過ぎても最後まで息を抜かない渋さを残しながら、口の中に力づよい膨らみの感覚を残しながら、やさしく穏やかに引いていく。

カナイオーロという品種の特徴がどこにあるのかは未消化だが、ロゼワインとして旨味もしっかり感じられ、より赤ワインに近い存在感が感じられた。しっかりした、充実感のあるロゼというところかな。

【Wineshop FUJIMARU 2,500円?】

2012年9月16日 (日)

聖カソルラ、縦横無尽! アーセナルvsサウサンプトン戦

120915mayaこの2週間が長かった...国際試合週刊明けのリーグ戦再開第1戦は、吉田麻也が加入した昇格組、サウサンプトン戦。ここまで未勝利と結果は残せていないが、評価は高いチームなので油断はできない。日本人がヨーロッパの第一線で戦う場ではつい、ひいき目で見てしまうが、ことアーセナルの相手となれば別。

この日の先発は怪我が癒えたGKスチェスニー、DFギプス、フェルメーレン、メルテザッカー、ジェンキンソン、MFアルテタ、コクラン、チェンバレン、カソルラ、ジェルビーニョ、FWポドルスキー。吉田麻也はベンチスタート。

試合はアーセナルペースで終始、まずは開始11分でポドルスキーから左サイドを駆け上がってきたギプスの鋭いシュートがオウンゴールを誘い先取点。31分にはそのポドルスキーが壁5枚をものともせずFKを直接決めて2点目。38分にはアルテタから吉田の裏を取ったジェルヴィーニョが決めて3点目。45分はギプスの横パスが相手DFに当たって2点目のオウンゴールと、前半で4点を挙げる快勝ペース。ただ、その直後にスチェスニーのハイボールの処理ミスから1点を返され、無失点はここでストップ。

後半もアーセナルの主導権は揺るがず、71分には中盤からのカソルラからのロングをゴール右で拾ったラムジーが放ったシュートが右ポストに弾かれるもジェルビーニョが押し込んで5点目。最後は88分にカソルラから上がってきたフェルメーレン、それをGKが防いだものの、転がったボールを最後はウォルコットが落ち着いて決めて、6-1でアーセナルが勝利、暫定3位に浮上した。

イエローも出ない綺麗な試合だったが、サウサンプトンの攻撃も厳しいとはいえず、アーセナルがスペースを活かして持ち味を十二分に出した試合だった。不安視された連携もうまく機能し、特にいつもは空回りがちだったジェルビーニョがこの試合では有効に機能していた。

120915arsenalそれもやはりこの試合トップ下に座ったサンティ・カソルラの見事さあってのことだろう。要所要所で出すパスの正確さ、すぐ出さずにタイミングをずらす感覚、ゲームをコントロールできる能力はセスクと同等、またはそれ以上の巧さが感じられた。

168cmの小柄な彼がゴール前で相手を出し抜いて、DFの裏をかき、味方の進路にパスを出す場面は見ていて興奮する。6点目の前段となったフェルメーレンへのパスはその最たるもので、DFの足元を抜いて、フェルメーレンが上がってくる足元に運ぶパスはまさに職人芸だった。本当にいい選手がやってきたものだ。早くもアーセナルが彼のチームになりつつある、と言って過言じゃない。ダビド・シルバがシティに行ったときはかなりショックを受けたが、今は我らに聖カソルラあり、そう叫びたい気分だ。

これで2勝2分、大差での快勝で次節はシティ戦。その前にはジルーの古巣、モンペリエとのCLが控えるが、いい感じで乗って行ける、そんな気分の試合だった。

2012年9月15日 (土)

美に耽る病 バーン=ジョーンズ展

120902bahn1120914johnes久々に訪れた兵庫県立美術館、このカエルは健在だった。ピサロ展の時は期間限定の企画と思っていたが、美術館の位置が遠くからでもわかるように、という事も含めた、これもまたオランダのアーティストによる作品とのこと。

この日のお目当ては、待望やまなかったイギリス世紀末美術を飾る画家、エドワード・バーン=ジョーンズの美術展。彼の活躍は大英帝国が絶頂から斜陽へと向かう19世紀末にあてはまる。そして生活に美を取り入れようとしたウィリアム・モリスの一連のアーツ・アンド・クラフツ(美術工芸運動)と相まって、彼独自の象徴的、装飾的な世界観を築き上げた。

正直なところ、彼の絵画を上手いと思ったことはない。むしろ最盛期の絵画に至るまでぎこちなさ、消化しきれない硬さを残していると感じる。明確ではないものの、輪郭線に縁どられたその人物は、初期ルネサンスの絵画を目指したラファエル前派の流れを汲むものだが、彼の作品はラファエロではなく、より以前のボッティチェリに近い。そのことは彼自らも語っている。

しかし、ボッティチェリの明るさは、バーン=ジョーンズの世界には共有されていない。暗い画面の中に視線を一点に定まらせない、はかなげな女性を配置し、対する者に言いようのない不安感を引き起こす。しかし、彼女の視界に自分は入っていない。だからこそ、彼の絵の前に立つと、自分の居場所がない孤独感を強く感じるのだろう。この感覚は、当時の唯美主義、ただ美しいものを自分の創造により描くことに費やした同時期の画家、ロセッティやウォーターハウスにも感じるものだが、よりバーン=ジョーンズに強く感じる感覚だ。

美術展の最後を飾るのは数々の眠りの絵画だ。人は眠るときにこそ全ての桎梏から解き放たれ、あるがままの姿を他者に晒す。その安らぎが貴重であり、その時に見せる姿こそ、神の似姿に作られた人間の最も美しい瞬間なのかもしれない。美に生き、美に耽る画家の世界の集約がこの一連の作品に込められている気がした。

バーン=ジョーンズ展

兵庫県立美術館

2012年9月1日~10月14日

2012年9月12日 (水)

マレ・サレンゴ ノジオラ2009 DOCトレンティーノ

120912nosiola日差しは相変わらず厳しいものの、気温は徐々に低下傾向。少しづつだけど秋の気配を強めつつある感じがする。白ワイン中心から、徐々に赤ワインへとその嗜好も代わるのもまさにこの季節。しかし、まだまだ白ワインに頑張ってもらおう。

今日のワインは久々にイタリア土着品種。トレンティーノ・アルト・アディジェ州で栽培されているノジオラによるワインを。

ノジオラというと、ポイエル・エ・サンドリのものが有名で、良く見かける。自分も試したことがあるが、ストレートでシャープ、鋭角で切り裂くような酸と、はっきりしたミネラルの味わいが印象深かった。今回の作り手は初めてだが、自分の好きなインポーターである「W」が入れているワインということで、期待が高まる。

色は艶やかで光沢のある初秋を思わせる麦わら色。香りはレモン、オレンジのかんきつ系の香りに加えて、白い花、セルロイド、浅漬けのような香りも感じられる。

口に含んだ瞬間はまろやかだが、徐々に浸透力を深め、じわじわと広がってくる細身ではあるが芯のある酸味が豊かに感じられる。ボディは軽めだが、酸味と旨味が緊密に絡み合い、、しっかりした外郭に、神経質に過ぎない味わいの要素がふっくらと収まっている。中盤から後半にかけて、しっかりした苦みのミネラル感がエッジを効かせるようにせり上がり、ワインに安定感をもたらす。

余韻は最後まで息を切らさず広がり続ける爽やかな酸味と、ミネラル感が最後まで感じられ、しっかりした旨味を残しながら、細くなだらかに引いていく。

ノジオラという品種の印象からすると穏やかな印象で、インパクトでは一歩譲るかもしれないが、内に秘めた味わい、旨味、そして北の産地を表現する力では十分なポテンシャルを秘めている。なによりも、この透明感のある味わいは、やはりアルプスに抱かれた清浄な産地の特質を表現して余りある。北イタリアの白ワインらしさに、マイルドさを加えたワインといった感じかな。

【Wineshop FUJIMARU 2,800円?】

2012年9月 4日 (火)

1000年共和国の歴史を辿る ヴェネツィア展

120902venezia大阪も最近は水の都を前面に押し出しているけど、その歴史の深みからすればヴェネツィアにはかなうべくもない。建国は7世紀末、東ローマ帝国から独立した8世紀前半から、ナポレオンによって滅ぼされる18世紀末までの千年を独立国家として存続した。そして、その長い歴史は海とともにあった。海が国家を守り育てた事例として、ヴェネツィア共和国の右に出るものはない。

そのヴェネツィアの歴史を辿る美術展が三条高倉の京都文博で開かれている。

http://www.go-venezia.com/index.html

そのポスターは水のイメージを前面に出し、水面が青くきらめく、誰もが思い描くヴェネツィアのイメージを十二分に表現している。しかし、残念ながら美術展自体がヴェネツィアの美を十分に表現しているとは思えなかった。

まず入ってすぐに目につくのは木彫りの大きな獅子像。ヴェネツィアのシンボルは獅子に守られた福音記者聖マルコであり、サン・マルコ大聖堂は彼に捧げられた教会だ。堂々としたその像、その直後に展示された建物が密集するヴェネツィアの地図は、この都市の当時のエネルギーを感じさせる。

その後もヴェネツィアの経済力を背景に国際通貨となった金貨・銀貨、豊かな装飾に彩られた書籍、航海に用いた道具、地球儀など、ヴェネツィアの歴史を造ってきた品々が並ぶ。これらは小品ではあるものの、興味深いものだった。そして後半はヴェネツィア貴族の衣装、工芸品などが多く陳列される。

1000年の歴史を誇ったヴェネツィアだが、国際政治上の主役の一翼を張ったのは11世紀から16世紀の間で、レパントの海戦でオスマントルコを破ったのを最後に、後はそれまでの富の蓄積を食い潰していくだけの国家でしかなかった。今回の展示にはそのようなヴェネツィアの歴史の盛衰を横糸に描く視点が欠けていて、表面的な展示構成になっている感は否めない。

絵画の質も今一つで、ヴェネツィアらしい風景画も少なく、全体に暗い印象はぬぐえなかった。しかし、その中でも、当時の元首を厳粛な威厳とともに描いベリーニ、カナレット(工房)の水際の風景画は、往時の華麗さが感じられ、印象に残った。

長い歴史を誇るヴェネツィアを一つの美術展で辿ることは不可能に近い。しかし、その深さを感じさせる構成は焦点を絞ることで可能になる。その意味ではこの美術展にはそうした工夫が感じられなかった。

世界遺産 ヴェネツィア展

京都文化博物館

2012年7月28日~9月23日

2012年9月 3日 (月)

プレミア、ついに開幕(笑) リヴァプールvsアーセナル戦

120902arsenalプレミアは開幕したものの、フラストレーションがたまっていたのが実際のところ。なにせアーセナルは開幕から2試合連続のスコアレスドロー、確かに失点がないという事は評価できるのかもしれないが、点をとってこそのアーセナルでしょ!と言いたくなるような、攻撃面では見どころの少ない試合が続いていただけに、アウェイ、敵地アンフィールドでのレッズ戦は正直怖さがあった。

リヴァプールは開幕こそ大コケで3点を失っての完封負けしたものの、前節では昨年の覇者シティと引き分けるだけの力があるだけに、まさに今節が正念場。スタメンはGKマンノーネ、DFギプス、フェルマーレン、メルテザッカー、ジェンキンスン、MFディアビ、アルテタ、チェンバレン、サンティ・カソルラ、FWポドルスキー、ジルー。

序盤はリヴァプールがボールを持つ場面が多かったが、個々の選手の守備意識も高く、決定的なチャンスを与えるまでにはいかなかった。ボールを持たれても、それほど危機的な感じがしなかった中で前半31分、ジェラードからスアレスへのパスをカットした後、そのボールを受けたポドルスキーが一旦カソルラに預けて、その間にポルディが左サイドを快走、並行してドリブルで持ち込んだ中央のカソルラから左に張ったポルディへ繋ぐ速攻、カウンターが決まり、待望の今季初得点となった。初得点がカソルラ→ポルディと繋いでのゴールであった事が嬉しい。

この連携はこれだけではなかった。後半68分、今度は左サイドの崩しからカソルラ→ポドルスキー→カソルラと教科書のようなワンツーでの得点シーンが決まり、カソルラにも初得点が生まれる。GKレイナも反応したが、ボールの勢いが強く脇を突くようにネットを揺らした。この2試合を見てもカソルラのシュートは力があるし、不利な体勢からでも打ちぬける体の切れがあるので、GKにとっても脅威に違いない。この2点を守り切ったアーセナルがようやく今季の勝利をアウェイで勝ち取り、開幕戦(笑)を飾った。

これまでの2戦とは明らかに違った連携のスムースさが見て取れる試合だった。この試合のキーになったのはDFの安定に加えて、不安視されていた守備的MFの位置にディアビがはまっていた点。彼が安定したことで、DFにも余裕が生まれたし、前に動ける選手の自由度も高まった。元々ボールキープ力があるだけに、ゲームをコントロールできる能力は高い。待望する彼の飛躍こそが今季のカギと改めて感じた。

ポルディ、カソルラの得点は時間の問題だと思っていたが、あとはジルーが決めてくれれば、と思う。41分に1対1になる決定的なシーンを外してしまった惜しいシーンはあるが、まだ産みの苦しみ、1点さえ取ればFWは調子にも乗れるもの。彼の得点がチームにさらに勢いを出してくれるものと信じて、その時を待ちたい。

個々の選手のポテンシャルも上がり、かつ連携も高まった今季への不安がある程度払しょくできた試合になった。次節ホームのサウサンプトンで足固めといきたいところだね。