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2009年7月

2009年7月31日 (金)

格闘か、もしや性交か? 白髪一雄展

090720 尼崎市総合文化センターで開催されている白髪一雄展に。日本におけるアクションペインティングこの画家が尼崎市で生まれたことを初めて知った。

絵具を叩きつけ、うねるように足を使ってキャンバスに塗りつける手法で有名な画家だが、正直そうしたものを絵画作品として認める事には自分の中で抵抗があった。しかしその作品を直に目の当たりにしてそうした先入観は吹っ飛んだ。

血のような黒さを帯びた絵の具が、激しく鋭角の太い線ので塊のごとく大きなキャンバスに展開していく。荒々しいその画面からは確かに独自の表現、世界を築かんとする画家の苦闘、格闘を連想させる。

しかし、やがてそうした荒さはエネルギーを保ちつつ、柔軟さを帯びてくる。後期の作品は色彩はよりシンプルになり、丸さもところどころに見せながら、全体の調和が感じられるようになる。これは格闘というよりも愛撫の感覚に似ているように思えた。

絵具をぶちまけて描く作品は、射精の快楽の表現だという。この画家にもそうした雰囲気が多分にある。しかし若いころのただ一目散に駆け上がる表現から、晩年は時折慈しむかのように表面を軽やかにさするような表現も併せ持っていて、快楽を極めつつ相手を楽しませる余裕のような怪しげさを感じる。

絵具と筆跡に込められた情念。画家が格闘したものは実はなんだったのか?不思議な感覚に陥った展覧会となった。

白髪一雄展 格闘から生まれた絵画

尼崎市総合文化センター

2009年7月18日~9月6日

2009年7月30日 (木)

代表で結果を出したカルロス・ベラに期待

090730vela アデバヨールに続いて、今度はDFのコロ・トゥレがマンチェスター・シティにひきぬかれてしまった。トゥレ自身、昨季は満足な出場機会が得られなかったので、十分にその可能性はあったが、ついにシティと4年契約にサインしてしまった。

コロ・トゥレとしても、新たにアヤックスからフェルメーレン、そしてミランにレンタルしていたセンデロスが帰ってきたとあって、激戦のDFの中でのポジション争いといったことも影響したんだろう。それでもまたもやシティとは。。。シティがジョン・テリーを狙ってるといった報道もあり、FWの次はDF強化に乗り出していた事はわかっていたが、またアーセナルに狙いを定めてくるとは。

しかし開幕前に引き抜かれて落ち込んでばかりじゃいられない。南米では故国メキシコに帰った若きFW、カルロス・ベラが代表チームに貢献を果たしてゴールド杯でメキシコに5度目の優勝をもたらした。

彼のゴール前に積極的に切り込むドリブル、柔らかいラストパス、自分で持ち込んでGKのタイミングを外して打つシュートは魅力がある。最高にカッコよかったのは昨季、FAカップでのカーディフ戦で大ケガから復帰したエドゥアルドにあげた柔らかいゴール前へのパスだった。

アデバヨールは去ったが、ベラ、エドゥアルド、ベントナー、そしてRVPがいる。ベラには昨季以上の出場機会、チャンスが訪れるはずだ。今季大化けをぜひとも期待したい選手の一人だし、その可能性は十分あるはずだ。彼の出来不出来がアーセナルの今季に大きく左右するといっても過言じゃないだろう。頼むぞ、ベラ!

2009年7月29日 (水)

シャトー・フルール・ドゥ・ジャン・ゲ AOCラランド・ドゥ・ポムロール

090726_4 メルローという品種が本領を発揮するのはボルドーを置いて他にはない、これだけは確信に近いと言い切れる。

カベルネ・ソーヴィニヨンとの相思相愛の相性、タンニンによる重心の低さと滑らかな果実味が重なって、一つの個性を形作る。これほど素晴らしい調和を形作るブドウを他には思いつかない。

ボルドーでも右岸の地域ではメルローが主体になる。その筆頭がポムロール、そしてそれに一歩も二歩も譲る評価だが、ラランド・ポムロールという産地がある。ポムロールよりは早熟のようだが、だからこそ魅力もあるはずだ。このワインはメルロー85%、カベルネ・フラン15%によるもので、この地にあっては砂利質の土地から生み出されるワインだということだが、さて?

色は深さと滑らかさが同居した暗く濃密なルビー色。香りはプラムジャム、ビニル、黒コショウ、杉の香り。

口に含むと旨みを含んだ伸びのある若い酸。タンニンは強くはないが細かで、しっかりした主張を感じる。バランスがよく、トマトソースのような甘さ、旨みが含まれていて若々しさがみなぎっている。深さはあまり感じないがこのワインにはそれは必要ないだろう。中盤までピュアな軽く干したフルーツトマトのような味わいが続き、それをバックのほのかな苦みが引き締める。

余韻は最後まで続く優しい酸味と、しっかりある果実味が心地よい後味を形作っていく。

ボルドーとしては若い軽やかなワインの範疇に入るんだろうが、しっかり旨みもあって暑い時期でも楽しめる赤ワインだと思う。メルローの優しさが十分表現されたワインといえそうだ。

【Cave de Terre 2,800円?】

2009年7月28日 (火)

万能!トマトソースでなんちゃってイタリアン 

090726 最近休日は自宅で料理やってます。それも「なんちゃってイタリアン」。ワインに合わせて、結構はまってる。

なんといっても、楽なのがいい。バジルペースト、トマトソース、アンチョビペースト、あとニンニクスライスがあればなんとなくさまになる。あ、もちろんEXヴァージンオイルとワインヴィネガーも必需品。

この日はラタトゥイユをやってみた。野菜はナス、黄色のパプリカ、タマネギとブナシメジを軽くソテーしてトマトソース、水、白ワインで煮込む。少し冷ましてから冷蔵庫で冷やす。冷やした方が甘くなるのが不思議。

090726_3 具材が余ったので、少し調理法を変えて鶏のモモ肉をトマトソースでじっくり煮込んでみた。鍋にオリーヴオイルを張って、そこに野菜を入れて炒めたのちにトマトソース、白ワイン、塩、乾燥バジルを入れて、しばらく煮込んだ後に軽く塩コショウを振ってフライパンでソテーした三重の朝挽き鶏のモモ肉を入れて30分ほど煮込む。

鶏肉のジューシーさとトマトの甘さが相まって、これは我ながらうまくできた。ただ、少々煮込み過ぎてなべの底が少し焦げ付いちゃったけどね。

トマトソースって本当に便利だ。これがあればなんでもイタリアンになっちゃうから、自分がうまくなったように錯覚してしまうね。

2009年7月27日 (月)

素敵なイタリアンの宝庫、ただかすかな疑問符 アマンジャ

090727_2 少し前だけど、北新地のアマンジャでディナーをいただいた。イタリア好きの友人とともに、イタリアワインを楽しむという事で期待して行った。

堂島アバンザの北側、3階の隠れ家のような雰囲気だが、中は広く落ち着いた雰囲気。カウンター席もあって、一人でのバー使いもできそうだ。

料理も本格派で、このパテもジューシー。噛むほどに甘い肉汁が口の中に染みてくる。味付けは濃くもなく薄くもなく、バランスがいい。

090727_3この日は一番お安いコースをチョイスしてワインを楽しむ。まずはリグーリアのワイン、ピガート。この香りが独特で、汗、もしくは獣っぽい香りを感じた。味わいは全く違うミネラル分豊かな、しっかりした白なんだけど不思議な感覚。

2本目はイタリアでも栽培していることを初めて知ったグリューナー・フェルトリーナー。残糖が少なく、緑のハーブの香り、この品種の個性を感じるが、オーストリアのグリューナーを少しまろやかにした感じだった。

3本目はファルネーゼのモンテプルチアーノ・ダブルツォはビターチョコのように濃密な味わい。ただ若干自分的には重厚過ぎて好きなタイプではなかった。しかし4本目のシチリア、ネレッロ・マスカレーゼはスレンダーできめ細か、かつ伸びのある酸と、若々しい木イチゴのような旨みがあって、この品種の実力が十分発揮されていた。

090727_4 リストに溢れるイタリアワインの数々。料理も本格的だし、とても魅力あふれるお店だと思う。

ただ、どうしても納得いかなかった点があった。時間の経過を楽しむつもりで少しばかり残しておいた白ワインを無造作に片づけられてしまった、あの瞬間。お客も多く忙しい時間帯であったのかもしれないが、もう少し気を使って欲しかったなぁ。いろんな店で飲んだけど、これは初めての経験でした...

アマンジャ

大阪市北区曽根崎新地1-3-1大橋ビル3F

06-6341-1969

17:30~24:00(金曜・土曜 17:30~4:00)

日曜、祝日休

2009年7月26日 (日)

10万アクセス到達 御礼

090726cesc 全然気が付いていませんでしたが、去年の7月19日にeoブログに引っ越して以来、アクセス数が10万回を超えていました。途中yahoo!に取り上げられるアクシデント(?)があり、かなり回数を増やしました。これは特需かな?

今もお越しいただいている皆様には感謝。これからも狭~い範囲で書き綴っていきますが、今後ともよろしくお願いします。どうもありがとうございました。

生者と死者をつなぐもの ルーブル美術館展

090718 大阪中之島で行われているこちらのルーブルは、絵画中心の京都とは違い、博物館的な展示が多いことが特徴のようだ。副題「美の宮殿の子供たち」に表わされているように、子供に焦点を当てた作品がエジプトから近世までの広い時代範囲から選ばれている。

平日の午後だったが、そこそこの観客が訪れていて賑わっていたが、京都よりは若い人、特に小学生など子供が多かったように感じた。

古い時代の作品は小品が多いので、展示に近寄らないと細部までは鑑賞できないから、列ができやすい。遠目では良さが分からないので、普段は並ばない自分もこの日は列に従って鑑賞していく。

まず目を引くのは、古い時代にも数々の子供用のおもちゃが作られていたことだ。台車に乗ったライオンやハリネズミなどは、ちょうどミニカーのように遊んだものだろうか。裕福な家庭の大人が子供たちに与えて、それを操る子供を慈しんで眺めている情景が想像できる。

しかし現実には当時の衛生状況から、子供たちが無事大人に成長する事は難しかった。多くの子供が夭折していく中で、亡くなった子供の姿を残しておきたいと思う両親の心が数々の美術作品を残していく。

その最たるものがエジプトのミイラだ。棺の中に横たわる小さなミイラ、その遺体を包む棺の周りには彼女を死後の世界で迎えるであろうエジプトの神々の姿が描かれている。長い時を経て出会ったものの、自分たちと彼女との間には越え難い一線がある。しばしその意味を考える時間が流れていく。

全ての作品に子供を見つめる時に誰もが抱く優しさが込められている。慈愛の心の結晶ともいえる作品群がとても愛おしく感じた展覧会だった。

ルーブル美術館展 美の宮殿の子供たち

国立国際美術館(大阪・中之島)

2009年6月23日~9月23日 

2009年7月25日 (土)

ドメーヌ・アンリ・グージュ ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ クロ・デ・ポレ1997

090621_2 堂島のサントリー本社1階にあるカーヴ・ド・ヴァン、ここはなんとも行きにくいワインショップだ。まず平日しか開いてない。そしてその営業時間も18時半で閉まってしまう。勤め帰りに行こうと思えば定時ピンポンダッシュしか手がない。

だが、たまに行くと面白い物に出会う確率も多い。イタリアものも充実しているし、木曜日は試飲で2種類ほどのテイスティングもさせてくれる。行きづらいのを無理していくだけの理由があるのだ。

この日はニュイ・サン・ジョルジュの大立者、アンリ・グージュの1997年ものが出ていたので、購入。今でこそ当たり前となった原産地統制呼称制度の導入に力をふるったのが、千代当主アンジェルヴィル男爵アンリ・グージュだった。だからこそ、このドメーヌは土地に根付いたワインを造ることに力を注いできたという。このプルミエ・クリュ、クロ・デ・ポレは単独所有(モノポール)だが、さてワインの味はどうだろうか。

色はほんのりオレンジを帯びた明るめのルビー色。ちょうど刺身のパックの下に染みた血の色に似たような色合い。香りはフランボワーズ、麦チョコ、ゴム、粒コショウの香り。

口に含むと鮮烈で若々しいイチゴの酸味が鋭角に突き進んでくる。その後に穏やかな甘味がやってくる。タンニンは細かいがしっかり詰まっていて舌の表面に広がる包容力がある。ただ全体的には味わいの複雑さが乏しく、膨らみ、高揚感に欠ける感じは否めない。中盤もあくまでピュアで柔らかい果実味主体の味わいを続けていく。

余韻も柔らかな甘酸っぱい酸味とともに、序盤に感じた味わいがそのまま減衰したような感覚が続いていき、そのまま自然にフェードアウトしていく。

10年を経たとは思えない若々しい酸と柔らかな甘さは予想とは違ったものだった。しかし複雑さを備えていたかと問われれば、その点でも予想とは違っていた。果たしてこのワインの実力はこの程度なのか、それとももう少し時を置くべきものだったのか?戸惑いを感じさせるワインだった。

【Cave de Vin 5,800円?】

2009年7月24日 (金)

すがりたい心の歴史 聖遺物崇敬の心性史

090710_2神以外を信仰の対象としないはずのキリスト教だけど、実際には聖母マリアや、数えきれない聖人などが「神への仲介者」として存在している。自分たちと近い存在により親しみを感じる心情は今も昔も変わらないのかもしれない。

そしてその信仰が目の前に存在する実態に向けられることも同じのようだ。キリストやマリア、そして諸聖人に由来する物を競って集め続けた歴史をこの本は語ってくれる。

聖遺物にもいろいろある。聖人の遺体、骨といった断片、かつてまとっていた衣服、触れたものなど、何か由来があればすべてそれは聖なる力が宿ったものとして崇拝の対象となった。中には敬虔な人物が去った時の災難を恐れて、その人物を殺害して聖遺物として祀ろうとした事例もあったという。

それにしてもよく考えたものだ。聖者の骨、爪の破片、キリストの茨の冠の棘、十字架に打ち付けられた釘、そしてそれらを奉納する為に作られた黄金、宝石に彩られた容器。それはまさに想像力の賜物といえるだろう。時折開かれる聖遺物公開のイベント、カタログ類なども、有名人にまつわる者を珍重し、それを高値で取引する今とそれほど変わらないのではないだろうか。

今もヨーロッパ各地の教会で崇拝の対象となっている聖遺物と、そうしたすがる心が産み出し結晶となった芸術品の数々。イメージが形となっていく過程を辿る面白い歴史書だった。

聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形

秋山 聰著

講談社刊(講談社選書メチエ)

1,600円(税別)

2009年7月23日 (木)

イタリアン・スピリッツを堪能? Cave d'Orangeグラッパ試飲会

090722090722_3 グラッパ天国。。。普段はデザート、食後酒として1杯飲めれば良い方のグラッパをこれだけ飲み固めできたのだから、しかも無料。これに来ない人が不思議なくらい。

この日は北新地のCave d'Orangeで行われたフードライナーさん提供のグラッパ、リキュール試飲会にお邪魔した。この日はグラッパ11種類(正確には10種類)、リキュール1種類をずらっと飲み比べ、しかもヴィンテージものまである。

一口にグラッパといっても、産地、ブドウ品種、作り方はまちまちで、白いグラッパから、樽で熟成して琥珀色を得たものまで、いろんな個性が備わっている。ただ、アルコール40度以上という蒸留酒だから、おいそれと飲み比べなんかできない。だからこんな機会はワインの試飲以上に貴重。

090722_4090722_5 飲み比べると、それぞれ香りも味わいも違う事が理解できる。特に好みだったのはベルタ社のロッカニーヴォというバルベーラ・ダルバを使った2001年ヴィンテージのグラッパ。口に含むとローストの香り、樽由来のガッチリした苦みが豪快で、インパクトが大きかった。

それとは対象的だったのは同じくバルベーラとバローロ用のネッビオーロで作られた1989年ヴィンテージのグラッパ。最初はおとなしすぎて少々物足りなく感じたが、時間とともにヴァニラの甘い香り、雑味の全くないまろやかな酒質、そして重心の低いアルコールのボリューム感とそのバックにあるオレンジの清々しい香り、果実味が混然となって老若併せ持つ複雑な味わいを形作っていた。その味わいも時がたつにつれ、また違った表情を見せていく。

グラッパだけに限らないが、良い酒をを楽しむには時間が何より必要だ。そんな時間を共にゆったり楽しめる友人と、ビターチョコレートでもつまみながら楽しめばこれ以上の贅沢はないだろうな。いや~、堪能しました。いい企画に感謝。

2009年7月22日 (水)

やっぱり出ちゃった...ナスリ負傷で開幕アウト

090722nasri 開幕を間近に控えて、やっぱりやってしまったか。。。

サミル・ナスリがオーストリアでの合宿中に足を痛めてしまった。診断は腓骨骨折で、復帰まで3か月近くかかるという。腓骨って膝から足首まで通っている細い骨で、補助的な骨なので繋がってしまえばそれほど心配ないそうだ。

当面はギブス生活で、その間に関節や筋肉が委縮してしまうから、元通りに動けるには適切な時期でのリハビリの開始、ケアが必要だという。

しかし、アーセナルには選手生命を断たれかねないほどのケガを負ったエドゥアルドを見事にカムバックさせてくれた優秀なスタッフがいるから、復帰にはそれほど心配はいらないだろう。時間だけの問題だ。

そうは言っても、やっぱりつらいなぁ。幸先悪ぅ~

老いて永遠を生きる女(ひと) やなぎみわ 婆々娘々(ポーポーニャンヤン)

090718 話題のルーブル展が京都、大阪で開催されている。この展覧会も大阪のルーブル展との併設だが、はっきり言おう。ルーブルよりも凄いと。

やなぎみわ。今年のヴェネツィア・ビエンナーレの日本館で個展を開催した彼女、その作品も展示されているこの展覧会の名前も婆々娘々(ポーポーニャンヤン)!一筋縄ではいかない雰囲気を醸し出している。

ポスターはグロテスクなほどに女性を表現した肉体。一瞬目をそむけたくなるほどの露さだ。暗い空間に大きく掲げられた額の中で全てを解き放つかのように踊り狂っているその肌は大きく荒れてひび割れている。生と性を謳歌しているかのようなその姿にも死の影が迫っているかのようだ。

彼女の作品にはいつも死の影が付きまとっている。彼女の代表作「エレベーターガール」もまた無個性な女性の羅列の中に、やがて時の中で埋没して朽ち果てていくような不安感を掻き立てられる。それが色彩も輪郭も明確な写真故に、余計に現実として直面せざるを得ない。見ていて不愉快な感情を持たずにはいられない。しかしそれでも惹きつけられている自分に気がつく。

しかしそうした中で永遠への希望を感じさせる「マイ・グランドマザーズ」シリーズ。老いて死に向かいつつも変わらず残りゆくもの、年を経てこそ得る美しさが確かにある事を実感させてくれる26点の写真。これまで見てきた写真の中で最高に美しいと思えた瞬間だった。

生を描きながら、そこに潜む死も細やかに配置する二面性、それを見る者に的確に悟らせる事に驚異を感じた。その作品がなかなか脳裏から離れない、戦慄を覚えた展覧会だった。

やなぎみわ 婆々娘々(ポーポーニャンヤン)

大阪国際美術館

2009年6月20日~9月23日  

2009年7月21日 (火)

私的コレクションに脱帽 パリを愛した画家たち

090720 これは参った。この展覧会に見向きもしない関西人は、本当にもったいないオバケがでても責任持てない。

休日の東花園。ラグビーの殿堂の真正面に立っているセンターを訪れる観客は僅か。だからこそ、この珠玉の作品の数々を心ゆくまで楽しめる。全くありがたいほどぜいたくな話だ。

東大阪市民美術センターで開催されているエコール・ド・パリの画家と、その時代に影響を受けた日本画家の作品で20世紀初頭、最も輝いた芸術の都の世界を辿るこの展覧会は大分県佐伯市にある南海病院の所蔵作品によるものだという。今回の展覧会では65点が紹介されているが、実はコレクションは600点にも及ぶのだという。

しかし見ごたえのある展覧会だ。すべて大型で力作ばかり。最近ありがちな素描で点数だけ稼いで水増ししているような展覧会とは全く違う。しかも個人のコレクションとあって、ある審美眼に基づいたものだけに、一点一点揺るぎがない。こんなコレクションが日本にあったとは信じられない。

キスリングの「ミモザ」、ブラマンクの「冬景色」、そしてピカソは晩年の作品だが造形の面白さにあふれた「アンチーブの風景」、厚塗りの迫力が強烈なコスヴォ「ヴェニス・サンマルコ」が面白い。そして藤田嗣治の日本画的な犬の絵、川岸と釣り人を描きながらデフォルメされた形態が面白い牛島憲之の「晴日」、乳白色で柔らかな笠井誠一の「マンドリンのある静物」も魅力があった。

宣伝すればもっと観客が来てもおかしくない展覧会なのに、この鷹揚さはどうしたことだろう?でもそのクエスチョンのおかげで全て雰囲気のある優品の世界を存分に楽しめるのだから、この緩さには感謝するしかないな。

巴里を愛した画家たち Des artistes qui aiment Paris

東大阪市民美術センター

2009年7月1日~7月26日 

2009年7月20日 (月)

先入観を覆せ 無声時代ソビエト映画ポスター展

090718_2 京都近代美術館で開催されているポスターの展覧会。メインの展覧会ではないが、その衝撃は確実に主役を食ってしまった。

ソ連時代のポスターって、画一的でオーバーアクションなイメージがあってあまり面白くないだろうと思っていたが、今回展示されていたポスターは政治色を感じさせない、パワーを感じさせる者ばかりだった。描かれたロシア語のキリル文字がなければ、おそらくはアメリカやヨーロッパのものと思ってしまったことだろう。

ロシア革命の混乱、内戦が落ち着いた1920年後半から1930年代、ソビエトの芸術は束の間の活力を得た。国力の伸びとともに芸術家も活動の自由を得た時代に生み出されたポスターの数々は、対象を大きく前面に据えた大胆な構図によって人々の好奇心を大きく揺り動かす。

しかしやがて芸術を国家が統制する時代が到来し、ポスターは個性を失い、国民を一つの方向、すなわち日々の労働、国家への奉仕に駆り立てるだけの存在になっていく。

国家が力を伸ばした時代、それに合わせて一時花開いた芸術の世界。ソビエトという暗い時代の代名詞、先入観で語られる時代にも例外はあった、その事を実感できる展覧会だった。

無声時代ソビエト映画ポスター《袋一平コレクション》展

京都近代美術館

2009年7月3日~8月23日

2009年7月19日 (日)

ブーイング必至! アデバヨールはシティに移籍

090719adebayorアデバヨールの移籍が決まった 移籍先は同じプレミアのマンチェスター・シティ

正直開いた口がふさがらない。移籍自体は驚かなかった。何度も噂はあったし、いつかはこういうことになるだろうという予感はあった。でも、まさかマンチェスター・シティに行くなんて。

シティが狙っているという事も聞いていたけど、シティに移籍する理由が理解できないのでここだけはないだろうと思っていた。既にカルロス・テヴェス、ロケ・サンタクルズ、そしてロビーニョ、ベンジャニといて、どれだけ前を厚くするつもりなんだ?もういいだろうという思いだった。

契約内容は明らかになっていないが、5年契約で移籍金は2,500万ポンド、約38億円だそうだ。アラブの金持ちオーナーにとっては安いものだろうか?

アデバヨールのコメント。

「このクラブ、そしてファンにとって新たな歴史を築くために僕はやってきた。このことは会長や監督の思いであり、僕自身もスタートを切るのが待ちきれないんだ。」

ミランだったらまだ何となく納得もできようが、シティに行ったのであれば結局お金につられた、としか思えない。来シーズンのエミレーツでのブーイングの嵐が容易に想像できるし、チェルシーのアシュリー・コールの比じゃないかも?

ま、決まってしまったものは仕方ない。いいじゃない、モヤモヤもなくなってこれですっきりしたと思えば。こっちにはRVPも残ってくれた。エドゥアルドもいるし、ウォルコット、アルシャビン、も少し奮起してほしいベントナーもいる。ロシツキーも帰ってきてプレ・マッチにも出場したようだ。現有メンバーで十分戦えるはずだから、アンリ移籍の時のようにこれが再びチームを強くするきっかけとして良い方に作用することを期待しよう。

2009年7月18日 (土)

蒼に映える教会を訪ねて イタリア・ロマネスクの旅

090710教会建築の中では、ロマネスクが好きだ。ゴシック建築の垂直性も嫌いじゃないが、見ていると痛々しくなることがある。

それに比べると過度な装飾はないが、落ちつき、崇高さをより感じることができるロマネスク建築は街の雰囲気とも調和して存在するが故に、時としてそこにあることさえ気付かないこともある。

ヨーロッパの各地に点在するロマネスク建築だが、ルネサンス以降の装飾的かつ洗練された建築にばかり焦点が当たっているイタリアにもまだまだ多くのロマネスク教会が残っていることは少し意外だった。しかしその姿も何故か他の地域のロマネスクよりは洗練されているようにも思う。長い歴史とともに次代の雰囲気に合わせて姿を変えてきているのかもしれない。

イタリア各地に残る24の教会を美しい写真と、歴史とともに訪ねる小旅行。イタリアのまた違った魅力を再発見できた本だった。

イタリア・ロマネスクへの旅

池田健二著

中央公論新社刊(中公新書)

1,000円(税別)

2009年7月17日 (金)

ヴィエ・ディ・ロマンス ディス・クミエリス マルヴァジア・イストリアーナ2006 DOCフリウリ・イソンツォ

090704 北浜と天満橋の中間にあるワインショップ、グローリアスは場所的には難しい地点にある。最寄駅から歩くと10分、て距離は都会の便利さに慣れた人間にとっては結構な障壁だ。

しかしそれを克服すれば素晴らしい世界が待っている。品揃えも豊富で、イタリアワインが特に充実している。平日の夜はカウンターで試飲もできるそうだ。この近辺に勤務している人にとってはさぞかし楽しいスポットだろう。

そしてなんといっても出色なのは、フリウリの最高の作り手、ヴィエ・ディ・ロマンスのワインをほぼ完璧に網羅している点。しかもヴィンテージ違いごとに揃えているのだから恐れ入る。

このマルヴァジア種から作られるワイン、店の人からは開けた当初が一番飲みづらく、二、三日目が丁度いいと教えられた。マルヴァジアは小アジア、今のトルコ原産の最古のブドウ品種で、ギリシアがヨーロッパ各地に植民都市を作って海洋国家として繁栄した時に各地に伝播した品種だが、さて味は?

外観は黄色が強く、張りが強い硬質な印象を与える黄金色。ディスクは厚め。粘性は控え目。香りはホワイトアスパラ、ミント、カスタード、アップルパイ、甘さの中に青い草、ハーブの香りを感じる。

口に含むと、意外におとなしめで粘性もあまり感じない。一呼吸置いて、繊細な苦みとともに涼しげでスレンダーな酸がゆったりと舌の先から上ってくる。そしてそれが通り過ぎた後に残されるじんわりとしたミネラル、コクのある旨み。最初からどっしりした味わいではなく、ゆっくりと時間をかけて現れてくる。線は細く控え目ではあるが、強さは感じられる。

余韻もキメがこまかく息の長い酸が最後まで中心に座りつつ、後味に微妙な甘さを残しながら、細く長く続いていく。

ボリューム感よりも、内向きの繊細な味わいを楽しむワイン。今回は冷やさず、ほぼ常温で楽しんだがおそらく正解だっただろう。いつもの通り冷やせばこのキャラクターは消えてしまったに違いない。ただでさえ涼しい印象を持つ北のワインなのだから、冷やさなくても十二分にそうした気分は味わうことができるのだから。

【グローリアス 4,800円?】

2009年7月15日 (水)

巨匠と言われる理由 ルーブル美術館展 -17世紀ヨーロッパ絵画-

090714_2 岡崎の京都市美術館で開催されているルーブル美術館展。まだ始まったばかりで9月下旬までの長期開催にかかわらず、平日早朝から多くの人が訪れていた。訪れる人もいつもより年齢層が高いような感じがする。さすがルーブル、恐るべし。

人は多いものの、列に並ばないと見られないという程ではない。ただ平日でこれならば、やはり休日はかなり窮屈な思いをすることになるんだろう。平日に来れたのはまだ良かった方といえそうだ。

17世紀はオランダを中心とした風俗画、フランスの王朝趣味を反映したロココ絵画、そして斜陽の時を迎えていたスペインのカトリック的な宗教画が中心を成していた。すでにルネサンスを遠い過去としたイタリアはその主流から外れている。政治的な力を失った彼らには新たな文化を生み出すことはもはやできない。ルーブルの17世紀もそうした時代を色濃く反映しているように感じた。

久々に対面したヨハネス・フェルメールの「レースを編む女」。何度も見ているのにこんなに小さかったのか、と思わせるほどの小品だがやはり魅力のある作品だ。一見いい加減に描かれたか針箱からはみ出た糸がこれほど画面を引き締める役割を果たすとは信じられない。

自分が好きなフランス・ハルスの「リュートを持つ道化師」も近くであれば適当に描いている雑な線が、絵画全体を見れば服の装飾という確固とした位置に納まってしまう。

その他、ヴァン・ダイクの描いた「プファルツ選帝侯の息子たち」はおそらく世界で最も美しく描かれた兄弟であろうし、ル・ナン兄弟の描いた「農民の家族」は暗い色使いからは貧しい生活の苦しさが伝わってくるが、同時に大地に生きる人間の崇高さに対する画家の共感も感じられた。

しかしやはりこの展覧会の圧巻は、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「大工ヨセフ」に違いない。暗い家の中で仕事に打ち込むヨセフ、そして彼を助けるために手元にろうそくの火を近づける幼少のイエス。イエスの手は日に照らされて赤く透きとおるかのようだ。そんなイエスを見つめるヨセフの眼は優しくもなく、厳しくもなく、全てをあるがままに受け入れて眼前の子のために手を休めることなく仕事を続けていく。画面の中に不自然さが全く感じられない。この絵を見た後で他の絵を見た時、多くの絵の中に消化できない作為がどれだけ感じられたことだろうか。

17世紀、数多くの画家たちが作品を世に出したが、やはり名作として語り継がれてきた作品には受け止める者に拒否感を覚えさせない自然さが備わっている。多くはなかったがそうした作品に出会えたし、300年以上の時を隔てて共感できた事がうれしかった。

ルーブル美術館展 -17世紀ヨーロッパ絵画-

京都市美術館

2009年6月30日~9月27日

2009年7月14日 (火)

京都は肉が旨い? はつだ特選和牛弁当

090714 たまにどうしても食べたくなるものがこの弁当。京都のJR伊勢丹の地下2階の売り場で売っているはつだの「特選和牛弁当」だ。夕方になると殆ど売れてしまっていてなかなか買えないので、この日は朝のうちに訪れて昼食用に買い求めた。そのまま伊勢丹の屋上に持ち込んで舌鼓。

ご飯の上に細切りキャベツ、そしてその上に細かく切った炭火焼の牛肉を一面にびっしり並べてある。牛肉は上品なタレに絡んでいて、口に入れると肉汁とともに炭の香ばしい薫りが大きく広がってくる。

このお弁当の凄いところは、冷めても肉が固くならずおいしいところ。だから時間がたっても温めずにそのまま食べた方が、いかにも「弁当」らしい感じが出てなおかつ違った旨さを堪能できる。

この弁当を買うためにわざわざ京都で降りる出張者もいるとか?それも肯ける、今まで食べた中では最高の焼肉弁当だな。

2009年7月13日 (月)

ジェラール・シュレール ヴァン・ド・ターブル PG・デ・ターブル2006(ピノ・グリ)

090713 夏は生野菜がうまい。これをストレートに食べるようなメニューと、それに合うワインがあれば最高だ。

この日は自分が大好きなアボカドをメインにしたサラダを作ってみた。アボカドとクレソン、そして生で食べられる彩り豊かなパプリカのサラダ。ドレッシングはバジルペーストにアンチョビペースト、そして若干オリーブオイルを加えて塩味を整えた。そして仕上げはシチリア産のレモン果汁と、パルミジャーノ・レッジャーノを削ったものと短冊状に切ったものを添えて出来上がり。

ワインはまたしてもアルザス・ピノ・グリ。しかし造り手はアルザスのビオで今や第一人者の評価が高いジェラール・シュレール。そして何故かこのワインはヴァン・ド・ターブルのカテゴリーで出されている不思議なワインだ。

色は日で焼けたようなニュアンスのある藁半紙にも似た枯れた黄金色。香りはシェリーにも似た酸化熟成の香りが顕著。そしてシナモン、銅、焼きたてバタール、アップルパイ、少し焦がした香りが濃厚だ。この若いヴィンテージでこれだけ熟成香が出てくるのは、おそらく樽を使っているからだろう。VDTにカテゴライズされるのもうなずける。一般的なアルザスワインの印象にはない要素だ。

口に含むとまさにシェリーのような酸化熟成の香りが大きく広がってくる。そして香にあった焦がしたアップルの味わいが豊かな甘みを舌の上に堂々と展開してくる。第一印象に感じる甘さはボリューム感を感じさせるが、そのバックにしっかり一本通った酸があるので引き締まった味わいになっている、中盤も熟成香、焦げたニュアンスを持った苦味、煮詰めたジャム、アップルパイといった要素が絡みながら複雑な味わいを形作る。

余韻もふくよかな香りと酸で引き締められた程よい甘さの頻度を保った旨みがバランスを保って、薫り高い味わいを保ちながらゆっくりとフェードアウトしていく。

同じピノ・グリでもこれだけ違うんだから、ブラインドで品種なんか当てられるのはレアケース。それにしてもこんなワインをこの価格で出してしまうんだから、ジェラール・シュレール、まさに良心的な造り手だ。

【創酒タカムラ 2,500円?】

2009年7月12日 (日)

ドメーヌ・メルシオル アルザス・ピノ・グリ2006 AOCアルザス

090711 最近は白ワインばかり飲んでいる。余ったワインの保存はヴァキュバンという瓶の中の空気を抜いておける栓を使って、白は冷蔵庫、赤は台所の下といったところに置いているのだが、この時期は赤ワインは常温だと温まり過ぎるし、冷蔵庫だと冷えすぎてしまう。そうなると、扱いが楽な白ワインの方にどうしてもシフトしてしまう。ま、夏に赤ワインって感じでもないしね。

白ワインで好きな産地はまずアルザス。ワイン飲み始めの頃はここのワインにとても御世話になったものだ。品種別にワインを作っているので、ブドウの違いによる味、香りの違いを認識するのにとても役立った。

このワインはピノ・グリ種によるもの。その当時ピノグリの特徴はオイリーで粘性があり、香りは控え目だが飲んだ時のアルコールのボリュームがしっかりある、と教わった。この造り手の事は一切知らなかった。たまたま価格が安かったから買ってきただけなのだが、さて?

色は少し茶色がかったレモンイエロー。デイスクは中程度。それほど粘性を感じない。香りは控え目で、杏、パイナップル、桃の缶詰、キンモクセイの花の香りをわずかに感じる。

口に含むと酸はまろやか。そして熟したビワ系の甘味が口の中にほどよく広がる。強い甘みではなく、その中にしっかりした苦味が感じられる。よく締まった味わいになっている。ただしボリューム感は強くなく控え目。前半の印象の割には、中盤以降にふくよかさ、味わいが立ちあがってこない。

余韻も序盤の味わいをそのまま減衰させたかのような印象で、ふんわりとした木なりの果実の甘さが中程度の長さで消えていく。

ピノ・グリは「噛むワイン」とも言われるけど、そんな印象はあまり感じられない、とてもさらりとしたワインだった。でも合わせて食べたモッツアレラチーズとの相性はとても良く、甘味が深さを増してとてもおいしくいただけた。アルザスとモッツァレラ、結構合いますのでお試しを。。。

【創酒タカムラ 1,500円?】

2009年7月11日 (土)

もう1個作ってみたぞ せすく亭の酒のアテも初公開

090711dinner 17時からフットサルに行ってきたが、今日は全くいいところなし。でも汗だけはかいたので、水分プラス塩分補給に晩酌。

昼食に続いて晩もありあわせで1品。「豚のバジルトマトソース炒め 加賀太きゅうり添え」ってベタなネーミング。

トマトソースはEXヴァージンオイルに乾燥ニンニクを入れてフライパンで加熱。火が通ってニンニクが色づいたら火を止めて、トマトソースを投入。塩と乾燥バジルを入れて再び火を入れて味を調える。

そして豚肉をやはりEXヴァージンオイルで炒めて、豚肉にほぼ火が通ったところでトマトソースを入れてしばらく炒めていく。

周りに添える加賀太きゅうりは、皮をむいて輪切りにしたものを半分に切って、まわりにならべただけ。食べるときは豚肉をきゅうりにのせるようにしていただくと、トマトの甘さときゅうりのシャキッとした歯ごたえ、そこにやわらかい豚肉がなかなかいい相性で、とてもさっぱりとした味に仕上がった。これは久々に自分としてはうまくできたかな?

昼間に続いて、合わせるのはアルザス。昼間よりも酸がでてきたような感じだ。ワインは時間とともに味が変わるもの。こうして食事と合わせながらそうした時間の経過を感じるのも楽しいもんだ。

初公開? せすく亭のランチセット

090711lunch1 「家で飲むときはなにも食べないの?」とよく聞かれるんだけど、確かに晩酌はワインだけってケースが多いかも。

でも、休日はテキトーに作って食べます。昨日は北新地でおいしいイタリアンを食べて、ワインも飲んだんだけど、やはり気楽に作れるイタリアンはデイリーでも重宝する。だから自分で作る昼食も、いきおい「なんちゃってイタリアン」になるのだ。

今日の昼はこんな感じにしてみた。最近野菜ブームということで、基本ミーハーな自分もその流れに乗ったような献立に。。。090711lunch3 090711lunch2                         

左はマッシュルーム、アスパラ、ナスのジェノベーゼ風サラダ。中央はマッシュルームを市販のジェノベーゼ風ドレッシングとイタリアンパセリをあえただけ。 左右細みのアスパラガスは2分ほど塩ゆでしただけ。ナスにいたっては生のままスティック状に切っただけ。これを適当に盛って、上からEXヴァージンオイルを少量振りかける。好みで少しアンチョビをそえて、塩加減を調節しながら食べるだけ。

右はアラビアータ。これまた市販のソースにサラダで余ったイタリアンパセリを混ぜて使っただけという簡単料理。一応パスタは自分で茹でる、当り前か。。。

090711lunch4 なんちゃってイタリアンだけど、合わせたのはアルザスの白、ジュリアン・メイエのシルヴァネール、ピノ・グリ、リースリング混醸によるワイン。

このワインが香り的にハーブ、タイムのような香りを持っていて、香りの強いおかずに負けない。味わいは硬質で残糖分をあまり感じさせない、シルヴァネールらしい塩っぽさがある。

ということで、せすく亭本日のランチ御紹介でした。

2009年7月 9日 (木)

主力残留! ファン・ペルシー、長期契約更新

090708persie_2 いやぁ、これはいいニュースだ。一番の不安の種が吹っ飛んだ!

昨シーズンはケガも殆どなく、アーセナルの屋台骨を支え続けたロビン・ファン・ペルシー。またしても無冠に終わり、契約期間が満了したこのシーズンは退団もやむなしか、と覚悟していたが契約更新したとの確報が飛び込んできた。来シーズンの挽回に向けてまずは大きなヤマを超えたって感じだ。

「僕の心はアーセナルとともにある。違うユニフォームを着ている自分の未来を描けないんだ。今はまさに想像すらできない。だって自分はこのクラブをとても愛しているからね。」

「この5年間、僕が戦ってきたそれぞれのシーズンを思い起こして欲しい。そしてヴェンゲル監督とクラブが与えてくれたサポート、ファンの応援とチームメイトの支えを思えば、これが正しい決断なんだ。」

「今までに普通とは違う事を成し遂げた選手たちを見れば、彼らの最高の時期は25歳から30歳の間なんだ。アーセナルでプレイするとしても、違う選択は常にあるよ。でも僕の心はアーセナルとともにある。」

最も不安だったファン・ペルシーが残ってくれた。あとの不安はアデバヨールだが、ミランからのコンタクトはどうなのだろうか?カカが抜けたにもかかわらず妙に静かなのが余計に心配だ。

そしてもう一つ、ケガから復帰できずに不本意なシーズンを送ってきたロシツキーもようやく戻ってこれるといったニュースが聞こえてきた。辛抱した甲斐があったと言える来季になりそうな予感?

2009年7月 8日 (水)

ドメーヌ・ドゥ・コロンビエール シャブリ プルミエ・クリュ フルショーム2007 AOCシャブリ プルミエ・クリュ

090604 シャブリ、白ワインの代表格でワインの事をよく知らない時でもこの名前だけは何故か知っていた。日本でもワインブーム以前はシャブリは高級ワインの代名詞的な存在だったと思う。

そんなシャブリだが今や不遇なワインの代名詞と言えるのかもしれない。かつての知名度が仇となり、今や当たり前すぎてワイン好きの間では敬遠されている感もある。それを反映するのか、昔に比べて今の方がグランクリュクラスでも安くなっている。そんな恩恵を受けることができる数少ないワインの一つだ。自分にとっては最初に好きになった白ワインでもあり、今でも思い入れの強いワインでもある。

このドメーヌ・ドゥ・コロンビエールは約130年の歴史を誇る伝統的な作り手。南西向きの日当たりのよい好条件の畑で栽培されたシャルドネ。かつての貝殻などが堆積して形成された石灰質土壌、いわゆるキンメリジャンの畑30haでグラン・クリュ、プルミエ・クリュ、シャブリ、プティ・シャブリといったそれぞれのクラスのシャブリを造っているがさて?

色は少し緑がかった艶のある健康的なレモンイエロー。香りは梨、アプリコット、ヨーグルトといった香りが感じられるが、若干おとなしめ。少しグラスを回すと根昆布水のようなヨードの香りも立ってくる。

口に含むと爽やかな柑橘系の酸と、それに覆いかぶさるようにしっかりしたミネラルの味わい。このミネラル感が舌の奥へと浸透していく力を持っていて、口中に潮の味わい、ニュアンスを大きく広げる。このミネラル感の力強さがインパクトがあり、エッジの利いたはっきりとした味わいを形作っている。そのバックにはライムのような若く青い柑橘系の味わいがあり、酸、ミネラル、旨みのバランスが保たれている。若干難点を言うなら、少し余裕のなさ、少しかちっとし過ぎる味わいかもしれないが、それとても決定的なものではなく、逆に個性と思わせる程度。

余韻も酸の活きの良さ、塩っぽいミネラル感が最後まで持続し、硬質な輪郭を感じさせながらゆっくりと収束していく。

シャブリらしい切れの良さ、ミネラル感を存分に表現している。何よりこれから暑くなる中でこのミネラル感は必ずや体に適度な塩分補給、癒しを与えてくれるはず。シャブリ、これからが旬のワインといえそうだ。

【大丸梅田店 3,500円?】

2009年7月 7日 (火)

隠すひと、隠さないひと アトリエの巨匠に会いに行く

090706久々に凄い本に出会ったと思う。こんな事ができるなんて、それも日本人がやったなんて未だに信じられない。

アーティストは自分の多くを語らないものだと思っていた。彼らにとっては作品こそが全てであり、その過程、苦悩、格闘といったものの痕跡が残る仕事場、アトリエを見せることは本意ではないだろう。事実、この本でも何人かはアトリエを見せることを拒絶した。シャガール、ダリ、キリコ、ビュフェといった画家たちだが、彼らの作品を思えばそうした事も肯けるような気はする。しかしその他の画家たちは気さくにアトリエを公開してくれたようだ。アクセスは難しいが、一旦それを突破すればアーティスト自身はその事に抵抗感を示さない事は意外だ。

アトリエを公開する、しないにしろ、この本からはそれぞれのアーティストの生の声が聞こえてくる。それらは難解な言葉を尽くして語られてる美術書の文章とは全く違うシンプルなものだ。特に絵の具のチューブを踏みつけて作品を作り出すアルマンという画家のスタイル、これを「絵具で射精している」と表現したのは正に真実であろうし、写真を通してアーティストの素顔に触れ続けた筆者だからこそ見通せた事なのだろう。

当たって砕けろで当り続けたカメラマンの30余年にわたる無鉄砲な行動によって、二重三重のフィルターを通さずにアーティストの姿に迫る。すばらしい本に巡り合えたことが嬉しい。

アトリエの巨匠に会いに行く

南川 三治郎著

朝日新聞出版

1,000円(税別)

2009年7月 6日 (月)

安心させる空気に潜むもの ミヒャエル・ゾーヴァ展

090705 京都駅、JR伊勢丹7階の美術館「えき」で開催されている、ドイツの画家ミヒャエル・ゾーヴァ展へ。

絵本の挿絵をてかげているということで、色彩も明るくとても親しみやすい絵だ。動物や小さなキャラクターを可愛らしく描いている。挿絵だけに小さな作品が大きく、やはり細かいところまで見ようと思うと並ばざるを得ない。この日は休日ということもあって、かなりの鑑賞客が入館していたため、予想よりも時間がかかった。しかし、いつもなら並んでまでは見ない自分を並ばせるだけの力がこの作家の絵にはあると思う。

それは細部まで書きこまれた確かな描写力と、絵の中に潜ませた画家の遊び心が少しの皮肉心混じりで伝わってくるからだろう。中盤にある荒れ狂う大海原にポツンと動物を乗せた船が漂う絵などは、背景となる波と黒い雨雲の表現が真に迫っていた。そしてその動の中に動物たちの船だけがエアポケットに入って守られているかのように静寂を保っている。なんとも不思議な感覚だった。

動物達、特に豚のキャラクターが印象的だったが、もう一つ、「受胎告知」と題された絵では小さな翼を持った太っちょのおっさんにしか見えない天使が、空中から地上で畑仕事のマリアに救世主を身ごもることを伝える。その天使らしからぬ物体を怪訝そうに思いつつ、今から自分に起きるであろう事にも不安を感じる心情を、自然な表情で描いていた。同じテーマで数多く描かれてきた絵の中でも印象に残るものだった。

心の中に素直に入ってくる作品群。しかしそれだけではない、ただ通り過ぎずに何か不思議な棘のような感覚が心の中にしっかりと残る。シュルレアリスト的な作品にも通じるところがある、遊び心に満ちた展覧会だった。

ミヒャエル・ゾーヴァ展

2009年6月18日~7月12日

美術館「えき」KYOTO

2009年7月 4日 (土)

アラン・グライヨ クローズ・エルミタージュ ラ・ギロード2004 AOCクローズ・エルミタージュ

090704 赤ワインなんてどれも渋いだけで、味に違いなんかないと思っていた、飲み始めの約12年前。けれどもこの造り手のワインに出会ってしまい、ワインの奥深さ、キャラクターの確固たる違いを知ってしまった。

アラン・グライヨ。この造り手のワインを幾度飲んできたことだろうか。ローヌでも高級とはみなされなかったクローズ・エルミタージュでシラー種によるワインを造っていたこの造り手は、その凝縮感、ボリューム感で、同じ土地の生産者とは一歩も二歩も違っていた。しかし、近年のワイン高騰によってこの造り手のワインもまたその当時とは倍近い価格になり、入手も困難になってしまった。残念至極ではあるが。

このワインはそのアラン・グライヨのクローズ・エルミタージュで作られるワインの上級キュベ。山の斜面の畑で造られるシラー100%のワインということだが、さてその違いは?

色は黒の強い、奥深さのある深遠な湿り気のある暗いルビー色。香りはスモークチップ、粗挽きの黒胡椒、ソーセージ、黒ゴムといった有機系、スパイスの香りが強い。

アタックは予想外に滑らかで自然。若干弱いかとも思うが、時間をおいて柔らかで丸みのある酸に乗る形で薬草系、シソを漬けたような味わいが上品に広がってくる。彼の作るオーソドックスなクローズに比べれば、若干拍子抜けかと思うほどに爆発的な広がりはない。しかし、そうした衝動を抑えながら徐々にアクセルを踏んでいくように、同じような凝縮した味わいを表に出していく。そして最終的には、「あ、やはりこれはアランのワインだ!」と思わせる香草を漬けこんだような独特のコクを演出していく。中盤は味わいの丸さを維持しながら、スパイシーでかつ野性味のあるローヌのシラーらしいキャラクターがどしっと現れる。

余韻は口の中にスモーキーな香りが満ちつつ、太さのある黒いベリーの甘さが強靭に舌の周りに張り付きながら、息の長い旨みを保ちつつ、ゆっくり、ゆっくりと引いていく。

アランの上級キュベということで、力で押していくようなワインを想像したが実際には全く逆で、力強さはそのままにそれをがむしゃらに発散させることなく上品にまとめあげたワインだった。旨いシラーを作り続けてくれるアラン・グライヨ、彼がいる以上自分の好きなワインがローヌだと言い切ることに全く迷いはないな。Good JOB!

【創酒タカムラ 6,000円?】

2009年7月 3日 (金)

ドメーヌ・ド・クルセル ポマール プルミエ・クリュ グラン・クロ・デ・ゼプノ 1997

090619_5最近不思議とヴィンテージ的に古いブルゴーニュを目にする機会が多くなってきたような気がする。それもお手頃な価格帯で、だ。

ブルゴーニュのピノ・ノワール、若くても魅力にあふれているが、やはりある程度の年月を経て熟成を重ねたものを味わいたい。それでも10年という時間はまだまだ短い内に入るのだろう。

ブルゴーニュでも力強く肉厚のワインを生み出すことで定評があるポマール。そしてその1級畑でも最高の評価を得ているのがグラン・クロ・デ・ゼプノ。このド・クルセルはこのポマールを本拠とした優れた造り手だ。

色はしっとりとした中にもぬくもりを感じさせる艶やかなルビー色。熟成の感じはそれほど感じず、外観上はまだまだ若い印象。香りは力強さがあり、焦げた香り、少し埃っぽさもあるが、その中には黒砂糖、プラムジャム、黒ゴム、砂鉄、血、炒ったアーモンド、オロロソシェリーの香りがあり、全体に甘さを感じさせる香りが強い。

口に含むと、最初からガツンとくる濃厚な甘苦さを伴った凝縮した果実味、そしてそこに太いが伸びのある酸、そしてパワフルなタンニンが一気呵成に攻め上がってくる。このインパクトに少々怖じ気づくが、しばらくすると押しの強さから一点、一気に引いて柔らかな味わいに転換する。中盤は黒糖を舐めた時のような複雑味のある甘さが広がり、それを最初の印象とは全く異なる繊細さで滑らかなタンニンが下支えする。

余韻は口の中に広がった甘苦さを息の長い酸が包み込みながら、仄かな焦がした香りを燻らせつつゆっくりと収束していく。

最初パワフル、後繊細、押しどころ、ひきどこををよくわかった、インパクトの強いワイン。これは若いヴィンテージではなかなか出てこない特徴だ。造り手も年月を経て飲まれることを意識した上で作っているに違いない。10年という決して長くはない時間の中で生まれた熟成の産物、その素晴らしさを感じさせてくれるワインだった。Good JOB!

【Cave de Vin 5,600円?】

2009年7月 2日 (木)

酒飲みが黙して食す激旨ナポリピザ Pizzeria Esposito

今日はたまたま知った天満橋駅近くのピッツエリアに呑み助精鋭?6名で襲撃。しかし完全に白旗状態に陥った。今日は能書きはいらない。ただご覧あれ。

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本題ピザに入る前に食べた料理。この中では特に最初の三つ網モッツアレラ、今まで食べていたモッツアレラがウソ としか思えないようにミ ルキーで薫り高かった~。トマトも味が濃い。090701pizza4_3 090701pizza5_2                          090701pizza6_3                               

                             

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ここからピザ5連発。4種チーズのCuatro Formaggi、野生のルッコラが大胆なProsciutto Crudo、定番Margherita、南イタリア産のオレガノの香り全開Marinara、そしてこの日のお薦め、トマト乗せDiavola。これをむさぼるようにあっという間に完食。ピザの生地がもちっとして、味は上品、しかしトマ トの甘さ、コクが効いていて、出てくる言葉はただ一つ、「旨~」。

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いろんなワインがあるけど、この日はお店に敬意を表してカンパーニャ一本!グレコ、フィアーノ、アリアニコと飲み進む。特に白のグレコ、フィアーノは今まで飲んだものと全く違う果実味の濃さに少し驚き。何より驚きはいつも一人1本軽くいく猛者がたった3本でも文句を言わず、食べる方に集中した点。これは正に奇跡だし、ピザの味推して知るべし?

そしてデザートまで完全制覇。自分はバニラのジェラートにエクストラバージンオイルをかけて食べるという今までにない体験。しかしこれが旨すぎ!口にした時、滑らかな舌触りが倍増していて、そして何よりオリーブの鮮烈な青さが口の中に広がっていく。これは凄すぎ!

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この旨すぎPizzaは全て本格的窯から生まれる。店の中に薫る薪の香りも食欲をそそり立たせてくれる。酒飲みを黙らせて食い気に走らせ、しかもデザートまで出てくる言葉は「旨い!」

完全試合、シャットアウト。もう脱帽です。この日は次の店に行こうという気は全く起きませんでした。ナポリ仕込みピザとナポリワインの宴、言うことありません。。。

Pizzeria Esposito

http://www11.ocn.ne.jp/~esposito/

大阪市中央区船越町1-1-11-101

06-6809-2979

昼 11:30~15:00

夜 17:30~22:00

日曜、第3月曜休