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2009年5月

2009年5月31日 (日)

シモン・ビーズ・エ・フィス サヴィニ・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ レ・セルパンティエール2002

090529最近またブルゴーニュを少し攻めてみている。それもどちらかというとコート・ド・ボーヌ地方の赤ワインだ。

元々ボーヌのワインは好きだった。確かにグランクリュが並ぶ北のコート・ド・ニュイ地方の方が格は上かもしれない。複雑さの点でも譲るかもしれない。でも価格も安いし、何よりも柔らかく豊かな果実味が心地よい安心感をもたらしてくれると思う。

さて、そのボーヌを本拠としているシモン・ビーズ・エ・フィスは約170年間の歴史を誇り、この地の特色を最もよく表したワインを造ると定評がある。2002年はボーヌの赤としては中程度の出来だったそうだが、さて?

色は少し紫がかった湿り気のあるルビー色。香りはフランボワーズ、オリーブ、黒いゴム、粘土といった重めの香りを感じる。

口に含むと少し刺激のある強めの酸と、そこに溶け込んだ重心の低い、浸透力のあるタンニンが広がってくる。その後で温和なまとまりのある赤い果実の甘さがやってきて、ゆったりとしたふくらみを感じる。ただ膨らみの規模はそれほど大きくはなく、強いインパクトを与えるまでには至らない。しかしバランスは保たれており、熟した果実の旨みが主体の味わいを形作っていく。

余韻は程よい甘さを持った果実味が薄く伸びて、決して強くはないが心地よい柔らかさを残しつつゆっくりと引いていく。

強靭で複雑なワインというわけではないが、穏やかで柔らかいピノ・ノワールの特性をうまく引き出したワインになっている。それがボーヌに期待するものでもあるし、この優しさは料理と合わせることで真価を発揮するんだろう。フルーツソースのような甘めのソース料理なんかには最高の相性じゃないかな?

【Cave d'Orange 5,310円】 

2009年5月30日 (土)

名ピアニストの世界に酔う...アルゲリッチ

090529とある日にマルビル下のタワーレコードに寄って、何気なく見ていたらふとこのCDが目に入った。7枚組で3千8百円?程度だったと思うが、いつもならこういう安い盤はあまり興味が沸かないんだけど、今回は違った。演奏者はマルタ・アルゲリッチ、文句なく世界最高のピアニストの1人だ。

ピアノのCDって結構好きなんだが、実はその理由はあんまり長くないので飽きずに聞けるってことがある。交響曲のような長い曲は聞く方もある程度の体力、いや耐力が必要だけど、その点ピアノはそんなに苦にならない。それに音色も華やかだし、何よりピアニストによって曲想も全然違うので比べるのが楽しい。

自分が好きなピアニストはルービンシュタイン、ポリーニ、キーシン、ツィマーマン、ユンディ・リー、そしてこのアルゲリッチ。それぞれ違いがあるけど、アルゲリッチは正確だけど型にはまらない奔放さも持ち合わせているので、聞いていて油断が出来ない。

そんなアルゲリッチの世界を7枚組で4千円足らずで楽しめるとは。。。幸い手元になかったCDばかりだったので、速攻で購入。今は夜の酒の肴の一つとして楽しんでいる。良い音楽と良いワイン、これもまた至福の時。

2009年5月29日 (金)

納得の優勝! バルセロナ、欧州クラブ王者に

090527正直予想外だった。しかし予想が外れるのを願っていた。そして予想は見事に外れた。外れたことがなにより嬉しい。

チャンピオンズリーグ決勝、バルセロナとマンチェスター・ユナイテッドの決勝戦は、大方の理論的な予想を覆してバルセロナが2-0で勝利した。前半試合1分でクリスティアーノ・ロナウドのFKから直接狙ったシュートをビクトル・バルデスが弾き、それをパク・チソンが詰めたものの枠の上に外した瞬間、やはりこの試合も総合力で勝るMUのものなのか、と思った。

しかし10分、好調イニエスタの縦のドリブルから、右のエトーにパス。そのままエトーがチェックにきたキャリックをうまく外して放ったシュートが決まり、ワンチャンスを確実に得点に結びつけたバルセロナが先制点を奪った。そこからはバルセロナが落ち着きを取り戻し、MUの攻撃をかわし続ける。

そして後半70分、シャビの柔らかかつ正確無比なクロスがゴール前のメッシに引き寄せられるかのように繋がり、9得点目となるヘディングを決めてバルセロナが2-0と突き放した!美しすぎる得点シーンにしばし唖然。。。

守備のマンチェスター、攻撃のバルセロナという二極対決といった前評判が高かった。しかし、バルセロナがその厚いMUの守備を早々に個人技で打ち破ったことで、試合の流れは全く違ったものになった。本当にサッカーは怖いとつくづく思う。たった1点で今まで万全の試合を続けたチームの流れを変えてしまうのだから。

しかし準決勝、ほとんど負けていた試合をひっくり返した底力がバルセロナにはあったし、あの辛い試合を乗り越えた自信、そしてダニエル・アウベス、アビダルという守備の要を欠いた故のチームの団結がこの勝利を勝ち取ったような気がする。優勝にふさわしいチームの優勝に心から乾杯だ!

2009年5月28日 (木)

鴨、とワイン、とシャンパーニュ Le Caneton 

090525今、谷町筋が熱いらしい。新しい店が次々とできているそうだが、仕事場からは遠いのでなかなか思い切って足をのばすまでには至っていない。ただ、この店には一度足を運んでみたかった。いろいろな場所で名前をよく聞いていたから。

谷町六丁目の駅からすぐ、フレンチビストロの「Le Caneton(ル・カネトン)」。かなり人気があると聞いていたので、このインフルエンザ流行の中を思い切って出掛けたが、やはりお客さんも少なめ。聞けばやはりキャンセルが多かったそうだ。

この日はすでに食事を済ませていたので、いきなりメインの「鴨のあぶり焼き」を選んで、ワインを合わせていくことに。その前にアペリティフとしてシャンパーニュ、英国王室御用達にもなっているというジョセフ・ペリエのキュヴェ・ロワイヤル・ブリュット・ヴィンテージ1999。黄金色で泡も細かく、梨、リンゴの香りがふくよか、バランスのいい味わいだった。

その後、鴨が出てきたのでそれに合わせたのはこれも最近話題に上るニュージーランド、クスダワインのピノ・ノワール。鴨は外側はパリッとしているが、中はさっと火が通っているくらいで柔らかい。この鴨にピノは確かに良く合っていて、鴨を食べつつワインを飲むと、鴨の肉の香ばしさ、ソースの甘さ、焦がした香りがくっきりと立ち上ってきた。

クスダのピノ・ノワールは最初から太く重心の低い酸、ボリューム感のある果実味、細かなタンニンが緻密に絡み合い一体感を構成しバランスがよくとげとげしさが全くない。確かに他のニュージーランドのピノ・ノワールも旨いが、これらとは少し次元の違う凝縮性を感じた。ただ、あまりにも落ちつき過ぎて瑞々しい魅力、中から弾けてくる活力といった感覚は少なかった。ただこれはあくまで好みの話であって、ワインの質とは無関係だとは思う。

料理は時間をかけた調理で力が入っていて、量もしっかりあり見た目も鮮やかだ。ただ金額は強気の価格で、一皿3千円後半くらいが中心。グラスワインもシャンパーニュは1杯2千円で、他のグラスも1千円後半からだし、2,3杯飲むと結構な額になってメインの料理を追い越してしまう。料理もワインもこだわってはいるんだろうけど、この価格ではなかなか友人を誘って気軽に楽しむには少々リスキー、といったところが正直な感想かな。

Le Caneton

大阪市中央区上本町西2-6-23

06-6761-1717

ランチタイム  11:30~14:00 【L.O】
ディナータイム 18:00~22:00 【L.O】
バータイム    22:00~0:00 【L.O】

月曜休

2009年5月27日 (水)

ベルナール・フォーリィー サン・ジョセフ2005 AOCサン・ジョセフ

090521_3 イタリアの比重が重くなってきて、「イタリアがお好きなんですね?」と聞かれることがあっても、必ず「いえ、好きなのはローヌです。」と答える。やはり一番好きなのはローヌ、それも北部のシラーに違いない。

ワインを飲み始めたころ、いろいろ試す中でこの品種にたどり着いた。すごくスパイシーで、ボルドーやブルゴーニュにない野性味、荒々しさ、余韻の力強さ、すごいインパクトだった。その頃からすれば多くのワインを味わってきたと思うが、やはりローヌのワインが一番収まりがいいし、何故か落ち着きを感じる。

そんなローヌの中でも好きな作り手の一つ、ベルナール・フォーリィ。今はラベルも変わってかなり洗練された雰囲気だが、昔は野暮ったくていかにもローヌの農家って感じだった。昔のラベルの方が好感は持てたが。。。

古くからこの地でワインを造り続ける一家で、今も生産は少なく赤のエルミタージュでもわずかに500ケースほど。あの田崎真也氏もシラーの代表的な作り手としてかつてNHKの番組で取り上げたこともあった。

色は濃縮感のある、暗い色調を帯びたルビー色。香りは樽からくる香り、黒オリーブ、スモークチップ、割りばし、ハモンセラーノ、粒コショウといったスモーキーな香りが強い。

口に含んだ瞬間から充実した果実味。細かく活きのいい酸と、その中に詰まったこれも繊細なタンニンが口の中に勢い良く広がる。少々荒々しすぎて若干の戸惑いも感じるが、これこそが自分がシラーに求めるものだ。中盤はスパイシーな味わい、香りが充満し、まだ粗さが取れないタンニンがそれを引き締める。

余韻は若干粗さと収斂感が残るが、強靭な果実の旨みとスパイシーな感覚がなかなか消え去らずに、最後まで骨太の味わいを感じさせながら、長い時間をかけながら徐々にゆっくりと引いていく。

このスパイシーさ、荒ぶるタンニン、それをまとめあげる太い酸、この三要素が揃ったシラーはやはりローヌでしかお目にかかれない。ラベルは変わっても、この腰の座った味わいは健在だった。この味わいに再び出会えた事がたまらなく嬉しい。

【葡萄酒造ゆはら 5,100円】

2009年5月26日 (火)

アーセナル最終戦 ストーク戦と今年の反省?

090525_3アーセナルのプレミア最終戦は、順位争いにも関係しないので去年に引き続き中継なしの寂しい扱い。しかし試合自体は、昇格組ながらプレミアの座を守ったストーク・シティを4-1で破って締めくくった。前半早々にオウンゴールで自滅したストークを、ロビン・ファン・ペルシー2ゴール、アブ・ディアビも1本決めて余裕の試合運びだったようだが、後半得点できなかったのはいささか物足りない。

今季はこれで勝ち点72で4位。中盤ではアストンヴィラに6ポイント差をつけられて、ビッグ4の座を奪われる危機も味わったが、終わってみれば5位に上がったエヴァートンとは9ポイント差で、まだまだ地力の差はあるようだ。ただ、3位チェルシーとの差も11ポイントと大きく水をあけられてしまった。今季はこの上位3チームとの差の開きを随所に感じさせるシーズンとなってしまったが、その大きなものは決定力、得点力不足にある。

今季の稼ぎ頭はRVPの11得点、アデバヨールは10得点、そしてあまり貢献していないような印象のあるベントナーが9得点で、ほぼ同列状態。やはりアデバヨールが負傷による離脱はあるものの、昨季ほど精彩がなかったのは事実だ。それを補う中盤の選手は冬の移籍で加入したアルシャビン、ナスリが6得点、セスクは3得点にとどまった。リヴァプールのジェラードが16得点、チェルシーのランパードは12得点に比べると差は大きい。前線に持ち込まないと得点できないが、しかしその時には守備を固められてしまっていてシュートコースがない、そんな悪循環に陥った試合も多かった。

前半で得点を挙げるシーンも少なかった。若いチームだから早いうちに点を入れて余裕を持った展開で戦いたいはずだが、そうした展開になかなかさせてもらえなかった。後半に追いつかれて引き分けに持ち込まれたゲーム、特に4-4のトッテナム戦、リヴァプール戦などは今思い出してもツラい記憶だ。

シーズン中盤戦でセスクが思わぬ長期不在になったが、この時期は正直よく持ちこたえた方だと思う。そしてこのセスク不在の苦しい期間に今季最長出場となったデニウソン、ディアビ、ソングが大きく存在感を示してくれた。彼らは昨季に比べてポジショニングが断然良くなったと思う。ただ、この中ではデニウソンが来季の争いでは一番厳しいかもしれない。守りの意識が他の2人に比べればまだ足りないと思う。

厳しいシーズンだったが、アルシャビンの加入以降確実に潮目は変わったと思う。彼がこれほど早くチームにフィットするとは予想しなかったが、この補強は大成功だった。今季は右サイドが多かったウォルコットとのコンビがもっとスムースに行けば、相手チームには脅威になる。ウォルコットに足りないのはやはりシュートの精度だろう。チェルシー戦で外し続けたシュートが枠内に入ってくるようになれば、得点力不足も解消されるはず。

決していいシーズンではなかったけれど、明るい兆しも見えてきた今季の終盤戦だった。願わくば移籍の噂される主力がチームに留まってくれて、現有戦力そのままで来季の雪辱が果たせますように。そして来季こそ無冠を脱してタイトル獲得の年にして欲しい

2009年5月25日 (月)

戦争の影を感じて ピカソとクレーの生きた時代展

090525_2 インフルエンザの影響で1週間臨時休業となっていた兵庫県立美術館もようやく再開し、終了も近くなった特別展「20世紀の始まり ピカソとクレーの生きた時代展」に足を運んだ。この日は特別に20時まで閉館時間が延長されたので、遅い時間に出かけたのだが、館内は人もそれほど多くなく、ゆっくりと自分のペースで楽しめた。

ドイツの工業都市、デュッセルドルフ市にあるノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館が改修されているため、その所蔵品で企画された展覧会で、美術館の名前は全く知らなかったが、質の高い作品が多く今年の展覧会でも特色のある優れた展覧会だった。http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_0904/index.html

まずはシャガールの自分の分身を頭に乗せた男を白を基調に描いたユーモラスな作品がとても素敵だった。そしてピカソのキュビスムから始まる作品群、最後に並ぶクレーの色彩と戯れるかのようなパッチワーク的作品も楽しい。

しかし、この展覧会が他のものにない印象深さを感じさせたものは、そうした楽しさ、美しさでなく、そうした作品でさえ感じさせる時代の背景、暗さ、不安、他人や社会への不信といったものが感じられるからだろう。これらの作品は第一次世界大戦前後に描かれており、否応なしに時代の影響を受けずにはいられなかった。中には戦争に志願して命を落としてしまったマルクのような画家もいる。

これらの画家も描く対象は異なる。戦争のもたらす時代への不安を直接描いた作品、それを暗示するような作品、将来の見えない現実社会とは違う世界を描きはじめたマグリットなどのシュルレアリスト達の作品。戦争とは無縁に見えるの明るい色彩で表現されたクレーの作品だが、その作品でさえヒトラーによって退廃芸術の烙印を押されて追放された。

それぞれの作品に言いようのない不安、忍び寄る影のようなものを感じる。しかし、展示の最後に描かれたクレーの作品、色彩が爆発するかのようなカンディンスキーの作品は、そうした闇の部分を克服して美を描く力が確かに宿っていた。闇がなければ光もまた描くことはできないという事実、苦しい時代を経たからこそ産み出される美もあるのだという現実を認識させられた、とても深みのある展覧会だった。

20世紀の始まり ピカソとクレーの生きた時代展 (ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン州美術館所蔵)

兵庫県立美術館

2009年4月10日~5月31日

2009年5月24日 (日)

ドメーヌ・トルトショ マジ・シャンベルタン2002 AOCマジ・シャンベルタン

090528_2 今でこそDRCは高根の花だけど、ワインを飲み始めた頃は少し背伸びすれば手が届く範囲だった。景気が悪くなってもとことん高いワインはやはりステイタスがあるので一向に値段は下がらず高値安定。しかしそうでないワインは徐々に射程圏内に入りつつあるのかも?

で、イタリアワインばかり飲んでいるようだけど、やはり最初はフランスワインから入って、しかもブルゴーニュに惚れ込んだ時期もあった。これはだれしも通る道なのかも。そんな懐かしさもあって、休日ゆったりと楽しむワインはピノ・ノワールをチョイス。

ブルゴーニュワインの最高峰を生み出すジュヴレ・シャンベルタン村。その中のグランクリュの一つ、マジ・シャンベルタンは村の8つのグランクリュ最北に位置し、知名度では他の畑に譲るかもしれない。しかしこの地で何世代もワイン造りに取り組んできたトロショ家は規模こそ小さいものの、リュットレゾネ(低農薬)、樹齢40年以上の古木からのブドウを用い、収穫量制限、厳しい選果を経たブドウによってワインを造っているという。

色は落ち着きのある深みを伴った紅茶のような色調を帯びたルビー色。全体にまだ若く、熟成の色合いは感じさせない。香りは開いた甘いフランボワーズ、ロースト香、ゴム、紅茶、黒コショウの香り。

口に含むと細かく重心の低い酸がボリューム豊かに迫ってくる。果実味は凝縮度はそこそこだが、程よいリッチさがありバニラの甘い香りも漂いつつ口の中にふくよかに広がる。そこのけそこのけ的なパワーは感じないが、全体に神経がいき届いたバランスの良さを感じさせる。酸もまろやかで突出せず、さすがはグランクリュの品の良さが現れている。

中盤に弱さを見せたものの、余韻は盛り返して腰の低い酸と細かなタンニンを伴った甘い果実味が戻り、柔らかな甘さが心地よい陶酔感を残しながら、細く長い余韻を形作っていく。

スケールは大きくないが、息の長さと味わいの要素の稠密さはさすが、グランヴァンらしい特性を備えている。なによりもようやくこのクラスのワインが1万円を切る状況で手に入るようになったのが朗報。少しずつ上質でコスパもあるブルゴーニュが楽しめる環境が戻ってきたこと何よりも嬉しい。

【Cave d'Orange 9,000円?】

2009年5月23日 (土)

ティエリ・ピュズラ ル・ルージュ・エ・ミ VdT(ヴァン・ド・ターブル)

090510_2昔飲んだワインを振り返るとビオ系のワインが多いことに驚く。別にビオワインを選択して飲んでいるわけでもないし、ビオに対して執着しているわけでもないはずなのだが。

農法はさておき、ビオ生産者が畑や環境、醸造に対してより心を配っていることは確かだと思う。そうした結果がワインを豊かなものにしているのだと自分は解釈している。その結果味わってみて旨いと思ったワインが結局ビオだったということは納得できる。

フランスのビオ生産者の筆頭として名前が挙がるのはまずこのティエリ・ピュズラだろう。ロワールでシュナン・ブラン、カベルネ・フランなどメジャー品種以外にも、過去廃れてしまった品種を掘り起こして幅広くワインを造り続け、これだけ人気が出たにもかかわらず価格を低く抑えている点が凄い。このワインはシャンパーニュ地方でしか殆ど使われないピノ・ムニエ100%によるもので、収穫量を極力抑えているとのことだが味は?

色は薄濁りのストロベリージャムのような明るい赤紫。香りは硫黄の香りが強く、そのバックにクランベリー、シソ、ケチャップの香り。

口に含むとまず鮮烈で直線的な鋭い酸を感じ、その直後にその酸に溶け込んでいた若いベリーの凝縮した果実味が広がってくる。タンニンはきめ細かいがボリューム感があり、発散しそうな酸と果実味をうまくまとめる役割を果たしている。果実味は若干硬いが、旨みが豊富でミネラルの味わいも感じさせる。

余韻は甘酸っぱい酸と程よい甘みが絡みつつ、ゆっくりと長く保っていく。

最初はビオ的な硫黄の香りに戸惑い、少々敬遠したが時間とともにそれも収まり、若いベリーの果実味中心の味わいに心地よく酔えるようになった。これがピノ・ムニエの個性なのかは分からないが、凝縮感と軽快さを兼ね備えた面白いワインになっている。これはやり過ぎ?と思うワインも多いピュズラのワインだけど、これは自分の許容範囲に入る楽しいワインだと思った。

【カーヴ・ド・パピーユ(Wineshop FUJIAMRU) 3,780円】

2009年5月21日 (木)

ヴィーニャ・アイ・クリーヴィ ヴェルドゥッツオ・フリウラーノ2001 DOCコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ

090521 大満足に終わった北イタリアワインの会。とりわけ、やはり印象に残ったのはフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のワインだった。赤も白も北らしい酸の清々しさを保ちつつボリューム感を表現できていた。うん、次のワイン会をするなら、やっぱこの州特集で、土着VSメジャー品種だな。

そんな中でかねてから探していたこの品種は他のワインにない個性を示して、主役級の存在感だった。ヴェルドッゥツオ、この発音しづらい白ワイン品種はまさにフリウリの今を表現している。

本来は甘口に作られる。タンニンも豊富で酸もある品種だけに、そのままスティルでは味わいが強くなりすぎてしまう。そうした難点を克服し、辛口のワインに仕上げて評価を得ているワイナリーが徐々に出てきた。

このクリーヴィは樹齢50年以上のブドウから得た果汁をスキンコンタクトを経ずに自然酵母で長時間低温発酵させている。発酵後は澱を引かないシュル・リーで熟成、樽は使わない。

色はべっ甲飴のような粘性を感じさせる艶やかな黄金色。香りは熟れたバナナ、杏、パイナップル、ニッキ水、セメダインのような有機香もあり、熱帯系と工業系が入り混じったような複雑な香り。注いだ時に細かな気泡が散った。

口に含むと酸化熟成の香りと、舌先に微かなガス感を感じる。酸は滑らかで舌先をオイリーな質感が包む。その後でがっしりした渋みを伴い、甘さとはいえないまでの微妙な甘味が口の中に広がってくる。輪郭はかっちりしたものを感じるが、その中は柔らかくほろほろと溶けていくような感覚だ。

余韻までとろみのある旨み、程よい苦味、そしてそれをつなぎとめているまろやかなリンゴ酸が混然となり、力強い味わいを太く長く展開していく。

北のワインでありながら、酸の太さ、コクのある旨み、そしてアクセントなる渋みを十分感じられるものになっている。そしてなによりこのオイリーで滑らかな質感、舌先を滑る感覚が官能的と言ったら言い過ぎか。2001年というヴィンテージがこのワインの硬さをほぐして、よりバランス感を表現しているのかもしれない。

うーん、これだけ語らせてくれるヴェルドゥッツオ、この品種に惚れてしまったかもしれないな。Good JOB!

【エーテルヴァイン 3,750円】

2009年5月20日 (水)

北イタリアの土着品種ワインと料理のマリアージュを探る会 in リット・マーブルトレ

090517 5月17日日曜日、かねてからやりたかった企画が実現した。北イタリアの土着品種によるワインと、その地方の料理を合わせて相性を探りながら楽しもうという企画だ。

この企画をするにはこのレストランしかない、と思ったのは、東心斎橋のリット・マーブルトレ。シェフの北山さんはアルト・アディジェ州で修業した南チロルの料理を得意としている。まさに北イタリアのワイン会にうってつけの料理を作ってくれるに違いない。

そしてこの店の土着品種の充実ぶりは他に例を見ない。なんせリストがすべて土着のブドウ別に分類されている。このリストを食事の際に眺めながら今回の企画を練ったようなものだ。そしてこの日のワインは、事前に当時この店のマネジャーだった土着品種に詳しすぎる佐々木さん(系列店に異動)と相談して決めたもの。

090517_2 090517_4                    

090517_5090517_6090517_7 料理も前菜2品から始まって、ペンネ、メイン、そしてデザートまでたっぷり5品。予算が少ないにもかかわらずこれだけやってくれたシェフの心意気には大感激。

北らしい、味のしっかりした料理で、最初の前菜は玉ねぎの香りとたっぷりの甘み、2皿目はカツオに絡まったとろみのあるソースの中にこれまた味の濃いミネラル分豊かな塩トマトが利いている。

三皿目は牛肉のパスタ、そしてメインは脂がピンクに輝いているバスク豚と、緑が鮮やかでつくしのようなアスパラソバージュ、彩りが綺麗すぎる!そして最後のデザート、コーヒーまでたっぷり楽しませてくれた。これだけの料理を出していただけるとは予想もしていなかっただけに、本当に感激。この席に加わってくださった8人の方々も喜んでくれたはず。

さて、この素晴らしい料理に合わさせていただいた、幸運の土着ワインは。。。

①ブラン・デ・モルジュ エ・デ・ラ・サッレ メトード・クラシコ ブリュット2006

ヴァレ・ダオスタ州の白の代表品種だが、スパークリングに仕立てられたものは初めて。酸が突出していると思いきや、予想外に甘味もあり、旨みも感じられる。オレンジピールのような柑橘の香りも豊か。玉ねぎのソースの香り、甘みが増す。

②ロレダン・ガスパリーニ伯爵家 マンゾーニ・ビアンコ 200?

ヴェネト州で作られる、ドイツ系品種リースリングとピノ・ビアンコの交配品種によるワイン。色は濃く黄金色でとてもオイリー。やはりドイツ、アルザスに通じるが酸はやわらかい。しっとりした粘性を感じ、玉ねぎのコクを強くする。

③テラツィア・レティケ キアヴェンナスカ200?

ロンバルディア州で赤ブドウ品種ネッビオーロから作られる白ワイン。しかし色は薄く、赤ブドウ的なニュアンスはあまり感じられない。アタックから中盤は細みの印象だったが、余韻は意外に長く、ほのかに渋みを感じる。カツオを生臭くさせずに、口の中をリフレッシュしてくれる。

④イソンツォ・デル・フリウリ ヴェルドゥッツオ・フリウラーノ2004

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州で知る人ぞ知るヴェルドゥッツオ。この品種を置いてある店はまずない。色は赤みのある黄金色。石油、セルロイドの個性的な香りが顕著。口に含むと程よい甘さ、ボリューム感、心地よい苦味を感じる。中盤も骨格が太く、余韻まで重心の低い味わい。赤ワインのようなどっしり感があった。

⑤テヌータ・ミリアヴァッカ グリニョリーノ・デル・モンフェラート・カサレーゼ2005

ピエモンテの超マイナー品種。色は薄く、ロゼを少し濃くしたよう。香りはザクロ、かき氷のいちごシロップ。直線的できびきびした酸、濃くはないが程よい旨みと色調以上に強さのあるタンニン。これを絶賛する人が多かったのが驚き。今回のワインでは一番リスキーな品種なのに。。。

⑥トマージ ポッジオ・アル・トゥーフォ アリカンテ2006

トスカーナのキャンティに使われる補助品種、カナイオーロを100%使ったワイン。色は濃く黒の強いルビー色。香りはリキュール、プラムのような湿った香り。最初のデザートワインにも似た甘さに少し驚く。タンニンは中程度。最後はチョコレートのような甘味が再びやってくる。

⑦ジローラモ・ドリゴ スキオペッティーノ2007

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリアで最も注目されている赤ブドウ品種。スパイス、スミレの香りをはっきりと感じる。タンニンは細かいが稠密で厚みがある。ベースとなる酸が硬質でかっちりしていて、フリウリの赤らしい青さ、清々しさを保っている。

7種とも土着の中の土着品種といってもいいほどのマイナー品種。自分もスキオペッティーノtとグリニョリーノ以外は初めて飲んだが、どれも他にない個性を持っていて、なかなか忘れられない味わいだった。これだけの品種を一気に飲める機会は今までなかったから、やはり自分でやろうと思ったんだけど、思い切ってやってみてよかった。

今回の企画を成功させてくれたゲストの方々に感謝。そして何より素晴らしい場所を提供してくれたリット・マーブルトレの方々に大感謝。次回も何か持ち込ませてもらおうかな?

2009年5月19日 (火)

フランツ・ヒルツベルガー ローテス・トール フェーダーシュピール グリューナー・フェルトリーナー2006

090503 オーストリアとオーストラリア、この紛らわしい名前を持つ両国は地理的にも歴史的にもかけ離れた存在だろう。ヨーロッパの中心に位置し、かつてはイスラムとの最前線として歴史の舞台の中心でもあり、ハプスブルク帝国の本拠地でもあったオーストリアだが、つい最近までワインにあっては決して間違えることはなかった。オーストラリアが圧倒的に量では勝っていたからだ。

しかし近年オーストリアワインの日本における評価の向上は本当に目覚ましい。でもそれは最近になって質が向上したというのではなく、ようやくその質を理解できるだけの材料が日本に入ってきたということなのだろう。それを早くから見抜いていたインポーターの方々の努力によって。

そのオーストリアワインの中でも中心となるのは、今やこの国の個性とも言うべき存在となったブドウ品種のグリューナー・フェルトリーナー。そしてオーストリアワインでの有数の作り手と呼ばれるフランツ・ヒルツベルガーも、急峻な畑でこの品種を育てている。

色は少し薄濁りの黄色。エッジは中程度。香りはライム、ビニル、青ネギ、生キャラメルのような甘い香りもバックに感じられる。青さと甘さがうまく絡み合った香りという印象。

口に含むと引き締まった苦味をたたえた旨みと、スレンダーで硬質の引き締まった酸が相まって口の中に広がってくる。ミネラル分も豊かで、決して甘くはないのだがボリュームが豊かなので、甘味を強く感じる。ボディがふくよかで、厚み、浸透力のある味わいだ。中盤もほろ苦さの感覚がきっちりと残りつつ、フレッシュな若く青さの残る柑橘系の味わいが口の中をリフレッシュしていく。

余韻はミネラルの味わい、ライムのフレッシュさが交差し、息の長いフレッシュな酸による爽やかな心地をゆったりと続けていく。

ドライなのに甘味のボリュームを十二分に感じさせてくれて、それでいて酸も活きがいいワインが多いオーストリアのグリューナ・フェルトリーナだが、このワインはそれに加えて深さ、浸透力を強化したような印象だ。このワインの実力を感じるためには冷やすよりも常温で試すべきだろう。だからこそ、常温で放置してもそこそこ大丈夫な今の季節がこのワインの真価を測る絶好の機会だ。Good JOB!

【Cave de Terre淡路町店 3,380円】

2009年5月18日 (月)

フットサルも決定力

090516 土曜日はフットサル。このところ出張やら、連休の暴飲暴食が続いて体重も右肩上がり。この日もやばいかな、と思ってあらかじめ午前中少し走り込んだ上での参戦。この日は自宅からは最も近くて便利な上新庄のフットサルヨコタ。

この日は参加者も多く、1人が交代で休めた。やっぱ、これだと楽でいいな。5人キチキチだと、3チームで回すので7分しか休憩できない。ま、若い人は時間の限り出たいだろうけどね。

この日は若くてうまい子が入ってくれたので、攻撃力も格段にアップ。やっぱ得点力、決定力だな。パスを出せばちゃんと決めてくれるのが素晴らしい。そうなると余裕も出て、久々に自分も1得点させてもらった。ありがとさんです。

で、たまに回ってくるゴレイロ(キーパー)、なぜか上の方で「ウー、ウー」とうなる声が聞こえてくる。その正体は住み着いた鳩の鳴き声。どっから入ってくるんだか?

で、2時間のフットサル、いつもよりはバテずに楽しめました。でもやっぱもう少し体を絞らないと夏はきつそうだ。なんとかしないといけないが、この後そんな不安も忘れて再び暴飲暴食の道に。その模様はまた別途。

2009年5月17日 (日)

王者と再戦、プレミア大詰めのマンチェスター・ユナイテッド戦

090514 プレミアも残すところ2試合。すでに4位が確定したアーセナルはCLで屈辱的な敗戦を喫したマンチェスター・ユナイテッドとの試合を敵地オールド・トラッフォードで迎えた。

この試合引き分け以上で優勝が決まるMU。どうしても目の前での優勝は避けてほしいし、なによりCLの屈辱を晴らすような試合を見せて、来季への希望を持たせてほしいのだが。

今日はCLは出場できず、前節もインフルエンザで欠場したアルシャビンが復帰するだけに期待も持てる。今日は久々にソングがDFに位置してセンターバックを務める。MFはナスリ、セスク、デニウソン、ディアビ、アルシャビンと手厚い。FWはRVPの1トップ、GKはファビアンスキ。

前半の入り方は悪くない。既に順位が決まったアーセナルだが、モチベーションもあるようだ。ただ役者が揃っているMUは、アーセナルのパスをカットするとすぐに攻撃に切り替わり、去就が注目されるテベスを中心にアーセナルゴールに襲い掛かる。そしてクリスティアーノ・ロナウドは相変わらず良く倒れる。そんなにフィジカルで弱い訳ないのに。。。

今日は一段下がっでセンターバックに起用されたソング、久しぶりのDFだったがそつなくこなしていく。ギブスもCLの致命的ミスを挽回しようと必死に守る。彼を使い続ける所がヴェンゲル監督らしい。

前半も時間を経てくると、やはり個人技で上回るMUが攻撃のオプションの多さで徐々にゲームの主導権を握っていく。アーセナルも守りながら攻撃のチャンスをうかがい、13分にはファン・ペルシー、フリーの場面となるが、これは決めきれず枠外に。こうした少ないチャンスを決めきれない場面が多かったのが今季のアーセナル、これを得点につなげてきたのがMU、この差はやはり大きい。44分、ショートコーナーからアルシャビンのパスを受けたナスリが放ったシュートがファン・ペルシーに当たってデフレクト。前半は0-0のまま終了。

後半は選手交代なしでスタート。アーセナルは後半5分までにファン・ペルシー、アルシャビン、セスク、ナスリがイエローを取られてしまう。徐々に雨脚が強まるオールド・トラッフォード。22分にはテベスに代えてパク・チソンが入り、ここまで運動量が豊富だったテベスが交代で正直なところ少し安堵の気持ちになった。

膠着状態の試合を打開し得点する為に、ヴェンゲル監督は後半中盤でアルシャビンからウォルコット、ナスリからべントナー、ギブスをエブエに代えてくる。自分でゴールに持って行けるアルシャビンの交代は正直納得がいかないが。。。

3枚枠を使い切ったアーセナルだが、決定的なチャンスは作れずにMUの攻撃をカットしていくのが精いっぱい。結局試合はこのままスコアレスドローで終了し、目の前でMUに3連覇を決められてしまった。

CLの2ndレグに比べれば、試合内容は悪くなかった。しかしやはり得点力不足、シュートを打つ場面はあったが決めきれない悪さがこの試合でも出てしまった。引き分けだが、おそらく選手たちにはつらく、いろいろ考えさせられる試合になったんじゃないだろうか。この屈辱も来季のバネにして、MU4連覇を再び阻止するチームに成長してくれることを期待したい。

2009年5月16日 (土)

最高のバルバレスコ ピンコ・パリーノ ペリッセロ試飲会

090514_514日の木曜日は、ピンコ・パリーノにイタリアから生産者が訪れるという事でお邪魔した。今回はピエモンテの生産者、ペリッセロ社のオーナー、ジョルジョ・ペリッセロ氏。

ワイン造りは祖父の時代から始めたそうで、彼がその家業を継いだ後に畑を積極的に取得、今では35haの畑を有して、そこでネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェット、フレイザといった赤を中心にブドウを生産している。

かつてピンコ・パリーノのママさんが近辺のレストランで働いていた縁もあり、今回訪問が実現したんだそうで、そうした海外での縁の深さというものに羨ましさも感じる。短期間しかイタリアにいたことがない自分も地方の人たちの人懐っこさ、親切さ、明るさはとても印象深かった。長く住めばなおさらのことだろう。

ワインの方はバルベーラ、バルベーラとネッビオーロの混醸「ロング・ナウ」、そしてバルバレスコと飲ませてもらったが、いずれも香りが開いていて、酸も野太く、その中に甘さの果実味ときめの細かいタンニンが詰まっている。その後の展開は違うものの、それぞれのアタックには共通するものを感じた。やはり畑、風土の力によるものだろうか。

誰かの質問に対して彼は「自分は醸造家ではない、農民なんだ。」「やった事が全て足し算になるわけじゃない。だから土地の力を素直に引き出したいんだ。」といったような主旨のことを語っていた。確かに彼のワインには技巧的なものはさほど感じさせなかったし、複雑なニュアンスもあまり印象として受けなかった。まだ若いヴィンテージだったからかもしれないが、本来の果実が持つ力強さが幅広く押し出してくる、骨太な肉付きのいいワインだった。ネッビオーロは特徴の酸も感じられたが、それ以上に凝縮した果実の甘さが出ていて、今まで飲んだバルバレスコでこれほどの甘さを感じたものはなかったように思える。

090514_6  しかし、これと全く違う印象を受けたのはマグナムボトルの1997年、バルバレスコ「ヴァノトゥ」。南向きの畑で石灰質土壌、しかもバルバレスコ村、トレイゾ村、ネイヴェ村の異なる村にまたがって広がるその畑は、複雑な条件が交錯する。

そしてその環境がうなずけるように、香りからして今までの果実味主体の比較的わかりやすいものとは違う、獣、血のような野性的な香り、枯葉といった風土を感じさせる香りが風のように立ち上ってくる。口に含むと舌の上で柔らかく、抵抗感もなくふんわり、ほろほろと崩れていくような不思議な感覚が舌の上に残り、そしてビターチョコのようなほのかな苦さがある旨みが浮遊感を伴いつつ、なかなか消え去らない。余韻の長さがとても印象的で、まさに最高のバルバレスコといっても過言ではなかった。これは特別にジョルジュ氏が現地から今日のために蔵出しで送ってきたものだという。このような素晴らしいワインを飲めたことが本当に嬉しいし、稀有の体験ができた。

この日もイタリア語の説明を含めて、言葉が絶えることがなかったジョルジュ氏。本当に楽しんでワインを造っていることがよくわかるし、こうした生産者から生み出されるワインが素晴らしくないはずはない。やはりワインは人が作るもの、農作物だということを改めて再認識した。

エアポケット?堂島クロスウォークで蕎麦を食す 土山人

090513朝日放送が福島から移転してきて出来た堂島スカイウォーク。飲食店も結構入っているんだけど、人通りが少ない。。。店にとっては死活問題かもしれないが、こちらとしては逆に狙い目。ゆっくりした雰囲気で食べることができる。

この日はその店の中で蕎麦「土山人」へ。名前もインパクトある(「魯山人」のパクリ?かと思ったがそうじゃないみたい)し、北浜にある店の事を聞いていたので気にはなっていた。

この日は田舎蕎麦で辛み大根のおろしをオーダー。蕎麦は細めでよく磨かれていて透明感がある。この日は奈良の日本酒、鷹長というお酒と一緒に。

蕎麦はかちっとして噛みごたえがある。だしも細身のそばに絡むように濃い目。ただ、なんか香りが物足りない。上品なんだけど、思ったよりはインパクトに欠ける。

ただ蕎麦湯は凄く濃厚で、蕎麦好きにはこれだけ飲んでも楽しめる。まずは蕎麦を食べたあとの出しに入れ、その後は出しだけに入れ、最後は蕎麦湯のみ。3回は楽しむのが自分流。これと日本酒をチビチビやるのがお気に入り。

価格は若干高めで1,100円くらい(辛味大根は高いけど)。こういうお店は量が少ないはずだから、普通じゃ腹いっぱいにはならないので大盛りを頼んだはずだったんだけど、持ってきたのはどうみても普通盛り。これが大盛り?と思ったが勘定は普通盛りの値段だった。単に店員さんの間違いだったようなので、それは一安心。次は大盛りにしてみようか。

土山人 大阪

大阪府大阪市福島区福島1-1-48 ザ・タワーオオサカ1F B1

06-6345-3360

月~土  11:30~14:30(L.O.)
              17:30~23:00(L.O.22:00) 
日・祝    11:30~15:00(L.O.)
              17:30~22:30(L.O.21:30)

2009年5月15日 (金)

ロンコ・デッレ・ベトゥッレ リボッラ・ジャッラ2007 DOCコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ 

090508最近イタリアの白でも注目を浴びる機会が多いフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州。この州の白でも、最もポテンシャルがあると考えられているのは、フリウラーノ、マルヴァジーア、そしてリボッラ・ジャッラのようだ。

特に最後のリボラ・ジャッラはフリウリを代表する白として、消費者からも生産からも最も厚い視線を浴びつつある品種といっても過言ではないだろう。そのリボラも今2つのタイプに分かれつつある。一方はピュアな魅力を生かしたクリアなタイプ、そしてもう一方は皮ごと漬けこんで旨みを引き出した濁り酒タイプ。

このワインは前者のタイプ。1967年にこの地にワイナリーを開いたアダミ家は、フリウリでも東にある丘陵地帯に位置し、17haの畑から年産7万本のワインを生産している。1990年からワイン造りを開始したイヴァナ氏はその土地、太陽、空気からワインが作られると信じている。その言葉からは、醸造法といった人為的な手法よりも、土地が生み出すパワー、自然の力を重視する心が感じられる。

色はクリアで照りのある、少し緑の印象を帯びた黄金色。香りはパイナップル、ミント、消しゴム、メロン、小梅の香り。

口に含むと爽やかで透きとおった酸だが、そのボリュームは控え目で優しい。そして適度なほろ苦さが広がり、その直後に滑らかで柔らかい青いメロンのような甘さが感じられる。ボリュームは大きくないが、コクのある旨み。若干硬さは感じられるが、その硬ささえ魅力のように思える。中盤から余韻に広がるミネラル感、昆布を食べた後に感じられるような旨みが広がってくる。

最後まで味わいを引き締めるミネラルの硬質な味わいが保たれ、このワインのピュア、かつクリアな味わいに複雑さを加えることを忘れない。

甘さはほとんど感じられず、それでいて中心に筋の通ったミネラル感、酸もきっちり感じられる。リボラ・ジャッラという品種と北の冷涼な気候が育んだ、とても清涼感のあるワインだ。この特性は和食にも十分合うポテンシャルを持っていると思うから、こうしたワインと和食の可能性も試すって結構面白いかも。あ、これ次のワイン会のネタになるかも?

【LIQUAR WORLD 2,780円】

2009年5月14日 (木)

モンテヴェルテイーネ モンテヴェルティーネ2004 トスカーナIGT

090513montevertine自称イタリアワイン好きであるにもかかわらず、トスカーナ、そしてサンジョヴェーゼをネタにすることが極端に少ないというのが、致命傷かも。

サンジョヴェーゼは確かに苦手な品種かもしれない。酸もあるし、果実味もあるし、自分が嫌いな要素はないんだけど、あまりアペタイトを感じない。ま、これは他の人の方が断然詳しいし、同じ価格を払って飲むなら他の地域を探す方が量、質的にもヴァラエティがあるので単に興味が向かないだけかもしれない。

でも、たまにはやはり王道に敬意を払って飲まなくては。このワインはトスカーナの雄の一つ、モンテヴェルティーネによるサンジョヴェーゼ、カナイオーロ、そしてコロリーノによるワイン。

モンテヴェルティーネはトスカーナのキャンティ中心部にありながら、キャンティを名乗らない。両年のみ生産される「イル・ソダッチオ」、看板商品でパステル調の女性をラベルにあしらった「レ・ペルゴレ・トルテ」はトスカーナ最高のワインに数えられながら、あえてDOCを捨ててIGTに甘んじている。この地域のスーパータスカンにあるカヴェルネ混醸はせず、あえてイタリア品種のみにこだわっているようだ。このワイン、ヴィンテージは違うかもしれないが京都三条新町のオステリア・コチネッラの森山シェフと話をした時にすすめられたもの。さて味は?

色は少し曇り、湿り気のある質感を伴った暗めのルビー色。エッジまで稠密に色素が入っているが、一様なグラデーション。香りはミント、丁子、赤い花、粒コショウ、ドライフラワーのような枯れた香りも感じられる。

口に含むと冷たさを感じる透きとおった酸を感じ、その後でまだ硬いタンニンを伴いつつも、ピュアな若いイチゴの甘味も乗った活き活きした果実味がやってくる。それぞれに個性、若い印象の味わいだが、それらが一緒になると不思議とバランスを示して後半はビターチョコのようなうま苦い味わいを口に広げながら、ボリューム豊かな味わいを展開する。

余韻は少しこなれないタンニンの苦味もあるが、きれいな果実味が張りのある味わいを作り、やがてそうした味わいが後に譲ろうとするものの、強靭な酸と果実味が一旦口に広がるとなかなか離れない。強靭な粘り腰のある味わいだ。

最初口にしたとき、予想外に甘さを感じた。サンジョヴェーゼでは酸の方が立つのであまり感じなかったが、この印象が少し驚きも感じた。イタリアンシェフお薦めのイタリ王道ワイン。この価格帯であれば十二分に満足できる質の高さを堪能できた。

【エノテカ ハービス店 4,800円?】

2009年5月13日 (水)

まさに玉露 京都煎茶の会

090505 5月3日は毎年恒例行事となっている二条城の市民煎茶の会に出向いた。京都の煎茶六流派が二条城内にある茶室でそれぞれお茶をふるまってくれる。

この会には煎茶の流派の中でも小川流を習っておられる方にいつもお招きいただいている。したがって、毎年小川流のお煎茶は必然的にいただくことになるが、これがいつ飲んでも驚かされるのだ。

お煎茶の茶会はお抹茶と違いあまり作法にうるさくない。もともと普段の生活の中で楽しむところから生まれてきたそうなので、この日も服装はあまりカジュアルではないけどそれほど堅苦しくもない、という感じで参加させてもらった。実際和服を召した人はお客の中にはさほどいなかった。

090505_3

小川流ではお菓子が先に出されるものの、お茶が二煎出されるので、その後でいただくことになっている。お菓子を先に食べてしまうと煎茶の味がわからなくなってしまう、という配慮からだ。

そして最初に出てくるお茶はおそらく初めての人には面食らうであろうほどの小さな御猪口くらいの茶碗に二、三滴くらいだけの量。しかしこれを口に含むと、強靭なグルタミン酸のお茶の旨みが口の中で膨らんで、そして飲み干した後もしっかりと残り、その余韻の力強さを全く減じることなく心地よい清涼感を発し続ける。

ほどなく二煎目が供せられるが、こちらは一煎目より心持ち量は多いが、味わいも一煎目よりタンニンがしっかりあり、腰の据わった落ち着いた旨みを持っている。

このあとお菓子として白皮のおまんじゅうをいただく。この日は鯉のぼりを擬した色付けがされていて、見た目も涼やかで季節の楽しみを満喫させてくれた。

外は新緑の庭園が広がる雰囲気十二分の茶室、こういう所で酒宴を張れたら楽しいだろうな、と不謹慎な考えも自然と浮かんでくる楽しい茶会となった。

しかし昔は一応抹茶の作法も習ったんだけど、今はすっかり忘れてしまった。。。

2009年5月12日 (火)

パルッソ バルベーラ・ダルバ2006 DOCバルベーラ・ダルバ

090426草なぎ剛の事件が世間を賑わしているけど、それほど非難の声が上がらないのはやはり人それぞれ酒の上で失態を経験しているからだろうか?さすがに公衆の面前で素っ裸になったことはないけど、部屋に転がり込んでいつのまにかそういう状態で寝ていた経験はある。自分の場合極度に酔うと寝てしまうので、暴れる心配はないようだが、それでも気をつけないと。

でも、このところの出張続きの生活だから体はワイン欠乏症。ということで週末はこのイタリアらしそうな、王道ピエモンテのワインを。

パルッソはこの地で4世代にわたってワインを造っている古い生産者。夏の間にグリーン・ハーベストを行い収穫量を制限、慎重に選別されたブドウを穏やかにプレス、温度管理と監視の中で発酵を行っている。その醸造法からは優しそうなワインに思えるが、さて実際は?

色は濃い色調の落ち着きがあるルビー色。エッジは薄め。香りはプラム、シナモン、黒コショウ、鉛筆のような香りもある。

口に含んだときは案外穏やかな丸みのある酸。そこに粒子の細かいタンニン、サラサラした感じの糖分がバランスよく溶け込んでいる。安定感は感じるが、バルベーラに求めるような溌剌とした感覚はいささか少ない。カカオのような甘味も充実していて、上品ですごく滑らかなのだが、味わいが小ぶりで膨らみにかけるような気がする。中盤は品の良いビターチョコのような感覚が広がってくる。

余韻は柔らかい甘さが口の中に漂い、穏やかに収束しながら最後までまとまりの良い穏やかなワインという印象を形作っていく。

全体のバランス、滑らかさで言えば良くできたワイン。ただこのワインを飲んで感動できたかといえば?個々に欠点はないけれど、何か物足りなさが残ったのも事実だ。こうして書いていると文句ばかりつけているようだけど、全体の品質はものすごく高いし、バルベーラとしては最高レベルだと思う。それでも。。。と思うのはないものねだりなんだろうか?

【大丸ワイン祭りにて 3,200円?】

2009年5月11日 (月)

ダヴィッド・レクラパール ラマテュール ブラン・ドブラン プルミエ・クリュ エクストラ・ブリュット

090510_3お高いワインが飲めない身分なので、なかなかシャンパーニュまでは手が届かない。でもこの造り手はどうしても一度飲みたかったが、ようやくリーズナブルなシャンパーニュがあったので、今回は迷わず手を出した。

ダヴィッド・レクラパール。実は彼のシャンパーニュを味わう前にピノ・ノワールで作ったスティルワインを飲んだことがあり、その滑らかで柔らかいおいしさに感銘を受けた。持ち込んで一緒に味わった人も同じ感想を抱き絶賛したので、この造り手は凄いと思ってから、長い間味わう機会がなかった。

1996年からこの地でシャンパーニュを作っているダヴィッド・レクラパール氏。ビオ・ディナミ農法を実践し、「ブドウから果実の純粋さを引き出し、土からエネルギーを引き出し、テイスティングの喜びを飲む人に与える。」ことが彼の信条だそうだ。買った店の人いわく「硬い」という表現だったが、さて実際はどうだろう?

色は照りがあり健康的で緑の印象を帯びた薄い黄金色。泡も勢いよく、細かな泡が力強く立ち昇ってくる。香りはカスタード、クロワッサン、バター、タルト、白あんの香り。すごくカスタードの印象が強い。

口に含むと舌先をくすぐる力のある泡。酸はすがすがしいがまろやかで、突き刺すような激しさはない。味わいは硬質で残糖も殆どないドライな味わいだが、自分にとってはブラン・ド・ブランを飲んだときによく感じた刺すような刺激もなく、清冽な透きとおった味わいには好感が持てる。後半に戻ってくる酸とかすかに感じる苦み、そしてベース果汁の繊細な旨みが口の中に薄くふんわりと広がり、飲んだ後の浮揚感を形作る。

余韻は若干粗い収斂味も残るが、若くて青い爽やかな柑橘系の香り、旨みを残して、やさしくゆっくり引いていく。

シャルドネ100%ということでかなり攻撃的だと思ったが、そうした印象はほとんど感じなかった。硬さという点も味わい的に決して弱点にならない。むしろこの硬さがインパクトとなってこのシャンパーニュを他に無い特色あるものにしていると思う。硬派なシャンパーニュ、期待に違わぬいい造りをしていてくれたことに安堵。これはファンになるかな?

【エーテル・ヴァイン 6,000円】

3位決定戦? プレミア、ホームでのチェルシー戦

090511cesc チャンピオンズ・リーグ準決勝で2戦とも不本意な試合で敗れたアーセナル。リーグ戦に戻っての試合は、同じく2ndレグでロスタイムのアウェイゴールでローマ行きを逃したチェルシーとの戦いとなった。残り3試合で6ポイント差がある両チーム、アーセナルは今日勝たなければ4位が確定してしまい、来季のCLは予選からということになるだけにぜひとも勝って可能性を残してもらいたいが

アーセナルはGKファビアンスキ、アデバヨールがベンチスタートで、ファン・ペルシーが1トップ、セスク・ファブレガスがトップ下という布陣。中盤は右ウォルコット、左ディアビ、中にソング、ナスリを置く。DFギブスが先発で、CLのミスを挽回できるか?

前半開始早々1分もたたない間にアーセナルが高速ドリブルでチェルシーゴールに攻め込むが枠外に大きく外す。ウォルコット、契約延長をしてくれて来季も楽しみだ。前半の立ち上がりは積極的に攻めるアーセナルペースで進んでいく

前半10分、チェルシーは初めてアーセナルゴールを脅かすランパードのミドルだったが、これは枠の上を大きく超えていく。しかしこのミドルはやはり驚異だ。アーセナルにもこれだけ威力のあるミドルを打つ選手が欲しい。

ここまでアーセナルペースで進んできたゲームだったが、27分セスクがイエローをもらってしまい、そこからのドログバのFKをアレックスが頭で決めて、チェルシーに先制点を許してしまう。ワンチャンスを得点に結びつける、さすがチェルシー。

31分にはセスクがまたしても後ろからカットに行って、これは2枚目のイエロー必至、と思ったが運良くカードが出なかった。セスク落ち着いてくれ...38分にはアネルカにゴール正面でミドルを決められて2点目。攻めているのはアーセナルだが最後の決定力に欠けて得点できない。対するチェルシーは確実に隙をついて、個人の能力で決めている。これは結構つらい展開だ。前半は引き締まった攻防の中0-2で終了。

後半も48分、アシュリー・コールのシュートをカットしたトゥレだが、そのボールがポストに当たって自陣のゴールに入ってしまいオウンゴールで3点目。直後50分にはアーセナルがファン・ペルシーのフリーというチャンスを得たが、チェフの好守に阻まれまたも得点できず。ゴールチャンスは作るが得点できない悪循環にどんどんハマっていくようなアーセナル。56分にはウォルコットが決定的な場面にまたも枠を外してしまい、これじゃ得点できないな。

59分、ディアビに代えてベントナー。66分にはソングからデニウソン、ウォルコットからアデバヨールにスイッチ。今日は外しまくったウォルコット、シュートの精度が大きな課題として残った。

そして69分、右最奥で粘ったナスリが一旦後ろのサニャに下げて、そこからのクロスにベントナーがヘッドで合わせてようやくアーセナルが1点を取り戻した。クロスの精度が必ずしも高くないサニャから得点につながるようなシーンがここで出るんだからわからない。73分には再びサニャからのクロスにベントナーという場面だったが、これはチェフがキャッチ。82分にもゴール前の混戦をチェフが体を張って止めてアーセナルの得点を防ぐ。

84分、エリア内でアデバヨールがチェフに接触して倒されたように見えたがノーファール。その直後85分、緊張の糸が切れたアーセナルの隙を狙ったチェルシーのカウンターにやられて最後はマルーダが決めて4点目を奪われる。そして試合は1-4でチェルシーが圧勝という結果になった。

これで4位が確定し、CLは予選からの出場が決まったアーセナル。準決勝戦以上に決定力の差が露呈してしまった試合となった。やはり個々の選手の力が大きくモノを言った事は否めない。チャンスは多かったのに、それを活かすことはできなかった。

ホーム、エミレーツでのこの大敗は次節のマンチェスター・ユナイテッド戦にも大きく影響しそうだ。それ以上にシーズン終了後の契約更改にも少なからず影響を与えそうな敗戦になってしまったのが残念。。。

2009年5月10日 (日)

懐かしいキャラとの再会 高橋留美子展

090509京都駅伊勢丹7階で開催されている高橋留美子展。自分が高校時代から読み継いできたが、最高に尊敬する漫画家だ。

代表作はなんといっても少年サンデーに連載された「うる星やつら」だ。この漫画は大好きで、コミックスも持っていた。ラムちゃんや諸星あたる、テンちゃん、そして今だに最高のキャラだと思う錯乱坊(チェリー)、こんなにクセのあるキャラを次々に生み出し、毎週毎週読み切りの作品をしかもギャグで送り出していくことが不思議だし、それぞれの作品は全く違った展開になっているので、本当にこの人の頭の中はどうなっているのかとその想像力の無限さが信じられなかった。

この時期、またジャンルの違うコメディ、めぞん一刻を連載していて、これだけの作品を毎週書き分けていた事も信じられない。今回はそれぞれの作品の原画や下書きも展示されているが、この細かい仕事を毎週長期にわたって書き続けた事がまさに驚異だ。

展覧会の最後には多くの漫画家により描かれたラムちゃんが並んでいて、あだち充、北条司、吉田戦車、そしてなんと「北斗の拳」の原哲夫までが作品を寄せている。実は高橋留美子と原哲夫は同じ小池劇画塾に学んだ先輩後輩という間柄なんだそうだ。そしてもう一つ意外なことに、有名な漫画家ってあんまり逢う機会がないようで、高橋留美子への尊敬のコメントを書きながら「まだお会いしたことがありませんけど」っていうのが結構あった。

観客は結構年代が高いかと思いきや、20代の若い人が多い。そして特に目についたのは外人さんが多いってこと。ヨーロッパは日本のアニメ好きが多いようだけど、高橋ワールドはやはり向こうでも通用してるんだろうか?

前回のムーミンもそうだけど、キャラの魅力がマンガの世界を豊かにし、そして何年たっても忘れられないものにしているんだと思う。懐かしいキャラたちに再会できた事がなんか嬉しいし、久々に言えにある古いコミックを読み返してみたい気持ちになった。

高橋留美子展

美術館「えき」KYOTO

2009年4月25日~5月17日

ochi22に改名しようかな?

いやあ、今年は良い調子だ。20勝一番乗り、大阪であからさまに喜ぶと後ろから刺されそうだが、去年の前半がウソのような快進撃。

もちろん巨人の話。

ここ4試合は華々しい打撃が話題になっているが、中継ぎ、抑えの安定度が増したのが快進撃の理由だろう。その中心は去年後半に引き続き、山口と越智の気迫あふれるピッチングだ。

特に越智はいい。常時140キロを超えるストレート、落差もあるフォーク、カーブもあるし、打者も狙いづらいんだろう。連日バットを折る気迫のピッチング、今日は運悪く1点取られて、2死満塁まで攻め込まれたけど、あとはバッチリ中日打線を抑え込んで、自身3セーブ目となった。

山口、越智のピッチングを見ていると、本当に気持ちがいい。特に越智は自分のフットサルの背番号22と同じ背番号だけに親近感も沸く。

プレミア終了したらしばらくはcesc22改めochi22ってことにしようか?いや、ここんとこ毎日楽しいプロ野球中継です。

2009年5月 9日 (土)

自分が楽しめるワイン会

090509久しぶりに自主企画でワイン会をやってみることにした。自宅で飲むことがかなり多いが、そんなときの肴はありあわせで済ましているので、いわゆるマリアージュ、料理との組み合わせを考える機会は意外と少ない。

今回は好きなイタリア料理の中でも北イタリア、南チロル地方の料理を得意とされるシェフの料理に、その地方に近い北イタリア独特の品種によるワインを合わせてみようという企画を持ち込んだ。なかなか同意していただけないカテゴリーだと思っていたが、幸い賛同していただける人もいて、開催できることになりそうだ。本当に感謝。レストランにも快く受け入れてくださったのがありがたい。

今回のワインは全て店の方にお願いした。その料理に合うワインはその店が一番よく知っていると僕は思っている。利益狙いで料理の価格帯に合わないワインばかり薦めてくるレストランも多いが、それはワインリストと店員の態度を見れば一目瞭然なので、まずリストを見て、そこに並んでいるワインが納得できるものであればまずシェフやソムリエの意見を聞くことにしている。必ずその料理に合ったワインを選択してくれるはずだ。

しかし当然自分の好みもあるので最終的な選択は自分がするわけだが、いろんな意見を聞いてコミュニケーションの中で選んでいく過程が好きだ。最初の予想とは違った結果、そして料理と一緒に試すとまさに驚きに変わることが多いからだ。

今回のセレクトもそうしたプロセスを経て選んだが、自分が当初予想したものとは大きく違ったし、自分が偏見、思い込みで考えていたリストより何倍も楽しめる結果になったと思う。やはり人の意見を聞くって大事だな、とつくづく思った。

さて、久々に企画したが結果はどうだろう?賛同していただいた人の評価もきになるが、もう賽は投げられた!今は楽しんでいただけるように、自分ができる事をしよう。

とりあえず定員オーバーしちゃったので、もう1本何か追加するか?あと、当日用の資料も作らないといけないし。次回は何しようか?いろいろ考えるのが楽しいが、やはり自分も楽しめる会だからこそやる気も起きるというものなんだろうな。

カンティーナ・ジャルディーノ ソフィア2006 カンパーニャ・ビアンコ IGT

090501 暖かくなってきたので、徐々にではあるが嗜好も白ワインにシフト中。ただし、そこはまだまだギンギンに冷やすまでしなくてもいい季節なので、どぶろく系の濃~い白?というか褐色ワインが丁度いいかもしれない。

このワインも輸入元はヴィナイオータだから、まずそうしたワインに違いないし、以前同じ作り手のパスキというワインも飲んだ。

http://cesc22.blog.eonet.jp/default/2009/03/2007-e048.html

コーダ・ディ・ヴォルペという土着品種100%のワインで、ブドウの皮の下についている一番旨みのある部分を凝縮したような味わいがとても面白かった。今回のワインは品種は違ってグレコ40 %、フィアーノ30%、コーダ・ディヴォルペ30%によるもの。6ヶ月間アンフォラで皮ごと発酵、熟成させた後に1年間古樽で再び熟成、瓶詰時の二酸化硫黄は無添加だ。筋金入りの自然派ワインといえそうだが、さて味は?

色は時を置いたリンゴ果汁、梅酒のような赤味のある褐色。エッジは中くらい。香りは砂鉄、キャラメル、ニッキ、合成のり、梅酒。有機的な香りをとても強く感じる。

アタックは酸が来るかと思いきや、いきなり収斂感のある苦味と硫黄的な香りが口の中に広がる。この苦味はかなり強力で、漢方薬を飲んでいるかのようだ。味わいは硬質で、青っぽさ、ブドウの枝を噛んだ時のような味わいが強く出ている。旨み成分はあるのだが細めのため、どうしてもえぐみを強く感じてしまう。全体にギスギスした感じが否めない。

余韻もザラツキのようなものが残り、後味に最後まで青い収斂感を感じてしまう。口の中に残る酵母の香りもあまり心地いいとは思えない。

ワインというよりも薬品的な感覚ばかりが残ってしまった。このワインと合う料理は果たして何か、と考えても戸惑ってしまう。ただ、料理と合わせるといいよりも再びこのワインを飲みたいかと問われれば、今の時点でそうした気持ちは起きないだろうな。

【LIQUAR WORLD 2,980円】

2009年5月 8日 (金)

ジャン・ギングリンガー レザマンディエール ヴァン・ド・ターブル(アルザス)

090506_2アルザス、白ワイン中心のこの産地のブドウ品種はゲヴュルツ・トラミネール、ピノ・グリ、リースリング、シルヴァネール、ミュスカ、ピノ・ブラン、少し譲ってシャスラー、これ以外はないと思っていた。しかしやはりどこにでも例外はあるものだ。

このワインはノン・ヴィンテージでしかもカテゴリーがヴァン・ド・ターブル。ということは、アルザスにおける原産地統制呼称法、AOCの規定に合わないワインということだ。で、何が合わないのかと思ったらやはりブドウ品種が違っていた。実はシャルドネによるワインだという。

アルザスでシャルドネを作ること自体に奇異感はない。やはり同じようなフランス北部シャンパーニュの主要品種としてシャルドネは栽培されている。しかし、アルザスのようなところでわざわざシャルドネでワインを作ろうという生産者は何を目指しているんだろうか。

ジャン・フランソワ・ギングリンガーはアルザスのビオ生産者、ジェラール・シュレールのブルーノ氏の従兄弟にあたる。ギングリンガー家の歴史は古く17世紀からワイン作りに携わり、フランソワ氏が家業を継いだ1998年からビオに移行した。彼のワインはビオディナミ農法によるものとして正式に認証団体デメテルの認証を受けている。

色合いは輝きのある黄金色。ディスクは薄め。黄色が強く、色調からは濃縮感を感じるが、粘性は高くない。香りは青リンゴ、青ネギ、芝草、銅貨といった青さ、金属的な香りを強く感じる。

アタックは鋭角的なリンゴ酸が舌先から中心を一直線に駆け上がるような感覚。青い酸からくる収斂感による苦味が舌の奥に広がる。序盤の鋭い酸が収まった後は、薄く広がるミネラル感、ハーブの香り。全体の酒質は酸以外は控えめな印象でまとまっている。

最後は舌の横側に少し痛さもある酸の感覚を残しつつ、ほのかなミネラルの味わいを感じさせる。余韻の長さとしては中程度。酸っぱめのレモン水を飲んだ後の感覚に似ている。

鮮烈な酸が印象のワイン。感じとしてはピュズラの作るシュナン・ブランに似ていたが、シュナン・ブランにある粘性、アプリコットのような熟した要素を感じさせないのが区別される点だろうか。シャルドネは土地や作り方など外部の影響を受けやすい品種ということが言われているが、このワインを飲むと確かにそうした事を理解できる。これがシャルドネ、とはおそらく思わないだろうなぁ。面白い事は面白いけど、舌の横側が痛い。。。

【カーヴ・デ・パピーユ(Wineshop FUJIMARU) 2,800円?】

胸騒ぎの連続 杉本博司 歴史の歴史展

090505中之島の国際美術館で開催されている「歴史の歴史」展。写真家として認識していた杉本博司氏だが、今回の展覧会では彼の作品は勿論だが、その大部分は彼が収集した化石から石器、能面、書画といったものを通じて彼の歴史観を表現していく。

今回の展示物を見ていて、時として特別なシンパシーを感じるものがあった。その時改めて実感したことがある。自分は突発的な存在などではない、連綿と続いてきた歴史という流れの中で生きているから、こうした古きものを愛おしく感じるのだと。

彼が収集してきたものには須らく何らかの美しさが感じられた。しかしそれは一様に美しさと表現するしかないものでも、美しさを感じる根源は異なっていた。仏画であれば昇華された精神性、能面であれば素朴さと人の内面を表現する技巧、解剖図であれば人体の合理性、そして化石であれば自然の造形の巧みさ、というように違いがあった。

そうした中でも特に心を動かされたのは、化石の美しささだった。博物館で陳列されていたような薄汚さが全くなく、残された形態があまりにも明瞭であるために本当にこれが自然物なのか、と疑念を抱いてしまったが、それはまさしく自然がはぐくんだ歴史の記憶だった。

自然が人を介在せずに歴史を記録する一方で、人もまた歴史の証言となりうる作品を世に残してきた。それらは書画、仏画、能面、建築物、写真といった方法の違いはあれ、その時代の空気を色濃く反映している。

「A級戦犯」という写真では被告となったかつての日本の指導者達の小さな肖像が1枚に並べられて、その上に自筆のサインをさせられた上に、その写真自体がガムテープを張られて粗末な扱いを受けていた。戦後、それまでの権威が失われていた事の証言として、その1枚の写真は確実に歴史を記憶していた。そうした事をこの写真を展示する事で鑑賞者に感じ取らせていく杉本氏の眼と感性の凄さに驚くしかなかった。

展示の後半には放電によって描かれたフラクタル、幾何学的な造形作品がある。一見歴史とは関係のない作品に見えて、その作品が作られるまでの過程には杉本氏の体験、知見が大きな影響を及ぼしているのであり、そうした意味でこの作品もまた歴史の一つの表現といえるかもしれない。しかしそうした理屈を抜きにして、人工的な作業からこのような自然な造形が生み出される不思議さに感動を覚えた。

作品数も多く、見応え充分。繋がりのないように見える物が実は何らかのつながりを持っている、その空間を埋めているものが歴史なのだという事を認識させてくれた面白い展覧会だった。

杉本 博司 歴史の歴史

国立国際美術館

2009年4月14日~2009年6月7日

2009年5月 7日 (木)

バルベーラの魅力をさぐる 第11回BABBIBABBIワイン会

090505 GWに入る直前の日曜日、4月27日はおなじみBABBIBABBIさんでのワイン会。11回目の今回はイタリア・ピエモンテ州の赤ワインバルベーラ6種を飲み比べるという企画だった。

今までもバルベーラは飲んできたつもりだったが、こうして並べてみるとそれぞれに個性があり、違いがあることがわかる。

①アルフレッド・ボッファ バルベーラ・ダスティ ストリカ2004

明るく少し薄めのルビー色。若い印象。さくらんぼ、赤いバラ、シソの香り。活きのいい酸、タンニンは細かくボリュームは控え目。柔らかい口当たりで、ふんわりした余韻。

②ブライダ ラ・モネッラ バルベーラ・デル・モンフェラート2007

紫の強い落ちついたルビー色。周縁までなだらに色素が入っている。スモーク、ハモンセラーノ、プラム、粘土の香り。舌をかすかに刺すガス感があるが、発泡とまではいかない。酸はまろやかだが凝縮感がある。黒いブドウを食べた時の食後の感覚によく似た味わい。果実味主体。

③ブライダ モンテブルーナ バルベーラ・ダスティ2006

黒を強く感じる深みのあるダークルビー色。マッチ、香辛料、ローズマリー、緑の草の香り。酸の中にきめ細かいタンニンが溶け込んでいる。バランスがよく、口の中を水平に広がる懐の深い果実味。旨みが強く、余韻も長い。

④エンゾ・ボリエッティ バルベーラ・ダルバ2007

深さのある濃い目のダークルビー。カシス、バラ、キャラメルの香り。最初は厚みのある太い果実味、その後に落ち着きのある酸。タンニンはまろやかで、黒ブドウを凝縮したような甘味を強く感じる。

⑤ペリッセロ ロング・ナウ ランゲ・ロッソ2004

ネッビオーロ50%、バルベーラ50%。落ち着いた印象のルビー色。鉄、血、硫黄、ダークチェリー、奈良漬の香り。甘味が強いが、中盤にはミントのような清涼感を感じる。少し鋭さのあるタンニン。余韻は意外にさっぱりとしており、甘味に切れが良い。

⑥カーゼ・コリーニ バルラ バルベーラ・ダスティ2003

濃厚で凝縮感の強く、煮詰めたようなルビー色。干しプラム、スパイス、湿り土、カシスリキュールの香り。甘苦さを強く感じ、タンニンの強さをジューシーな酸が和らげている。余韻は息が長く、きれいな甘さが続いていく。

090505_2 バルベーラと一口にいっても、軽やかなものから発泡性、デザートワインに近い甘みを持っているものまでいろいろあり、とても楽しかった。

ここで今回のピエモンテにちなんで、自分も1本持ち込ませてもらったワインを賞味。ピエモンテでは珍しく、シラーによるワイン。その名もシラー「SYRAH」を逆さによんだ「ハリス」。初めて飲むワインだが、果たしてどんなワインなのか予想がつかなかった。皆さんもどんな反応を示すか興味津津。

⑦ジラルディ ハリーズ2003

煮詰めたような凝縮味のある黒味のつよいルビー色。ダークチェリー、スパイス、赤いバラの香り。綺麗な坐りのいい酸とどっしりした果実味。最初は果実味が強くスパイス的なニュアンスは控え目だったが、後半は戻ってきたような胡椒の香りが広がる。

最後のハリーズはシラーの個性よりも、どちらかというとバルベーラに近い感じで、ピエモンテの土地の個性をより強く反映しているように感じた。これがテロワールというものだろうか。少し驚きの結果で、一緒に飲んだ人たちも同じような感覚を抱いていたようだった。

バルベーラ、そしてピエモンテワインの魅力を堪能させてくれた今回のワイン会。次回は何をしてくれるのか、本当に楽しみだ。いつもながら、BABBIBABBI店長さんに感謝。

2009年5月 6日 (水)

王者の戦い CL アーセナルVSマンチェスター・ユナイテッド戦

090506完敗というしかなかった。この日はさすがに眠らず、本町信濃橋の「ULTRA CAFE」にてリアルタイムで観戦させてもらったが、これ程息苦しい時間を過ごすことになるとはさすがに予想もしていなかった。

アウェイでの1stレグを0-1で乗り切ったアーセナルだが、あの試合はあと2、3点は失っていてもおかしくない試合だった。だから運自体がないとは思わなかった。まだやってくれる余地はあると確信していた。しかし、その期待が前半開始早々わずか8分間で失われることになるとは

左サイドからロナウドがドリブルで運び、右から走り込んできたパク・チソンへのパス。そこに詰めようとしたギブスがスリップして、1対1になってしまったパク・チソンに決められた瞬間、大きなため息が会場を包む。この時点でアーセナルが勝ち抜けるには3ゴールが必要になってしまった。

そして時をおかず3分後、FKからロナウドの距離があるにも関わらず直接狙ったキックが鋭い弾道を描いてネットに突き刺さった時、もはや言葉も出なかった。そして後半61分、アーセナルの攻撃をカットしてパク・チソンが中央を走り抜け左で並走したルーニーへパス、最後は右のロナウドに渡してシュート、という教科書にしかないようなカウンターを決められては、現実を直視せざるを得なかった。力が違い過ぎると。

後半にフレッチャーがレッドで一発退場、得たPKをファン・ペルシーが決めて1点を返したものの、もはやどうにもならない。その後の彼の表情、行動が全てを物語っていた。結局連敗で、アーセナルのCL今シーズンはセミファイナルでの敗退となった

1stレグで負けた時点で厳しいことはわかっていた。今のアーセナルの守備陣が無失点で抑えてくれることはまずないだろう。それであれば、アーセナル攻撃陣が3点取れる可能性があるかといえば、最近はほころびもあったとはいえ元々手堅いMU守備陣をかいくぐることは至難の業であることは間違いない。

そしてアーセナルが信条とするのはパスサッカー、早い段階での得点で心理的負担が取り除かれて落ち着きを保ったDFを崩してまで得点することは難しい。彼らを唯一慌てさせる可能性を持っていたウォルコットは完全にケアされて封じられてしまった。そしてアルシャビンはいない。アーセナルには切りたくてもカードが残されていなかった。そして相手が10人になったとしてもアーセナルには何ら有利に働かない。MUがさらに守備を厚くすることがわかっていたから。

1-3という結果はまさに今の現実を明瞭に反映した結果だと思う。アーセナルのパスサッカーはMUに通用せず、そもそもそれ自体をさせてもらえなかった。王者のMUが、挑戦者アーセナルを力を出させずに横綱相撲で抑え込んだ試合だった。

でもアーセナルの選手たちは最後まであきらめていなかった。終了間際まで力を尽くしてくれていた。途中出場のベントナーも、自分に与えられた使命をよく理解して最後のチャンスを作ってくれた。試合終了後も健闘をたたえ合う、なんて事はせずに引き上げていった選手たち。一番悔しく、現実に直面したのは彼らなのだから、その行動は理解できる。

悔しい思いをした選手たち。彼らの悔しさが決してアーセナルというチームの可能性に対するあきらめでなく、来季へのチャレンジにつながることを今は信じたい。このメンバーでここまでやってくれた事を誇りに思うし、月並みだが来季への期待も失ってはいない。今まで苦境をバネにしてきた若いチームだから、この完敗もまた次の糧にしてくれるんじゃないだろうか。

今はお疲れ様、ガナーズ。そして同じ思いを持っているガナーズファン、お疲れ様でした。明日からの(仕事の)ために今はしばし休息を。。。

マカリコ マカリ アリアニコ・デル・ヴルトゥレ2005 アリアニコ・デル・ヴルトゥレDOC

090426_3偏見はない(つもり)とはいうものの、好き嫌いはあるもので、やはり南や熱い地域の濃い系、たっぷり果実味系はファーストチョイスとしては自然と少なくなっているようだ。品種で言うとフランスならグルナッシュ、カリフォルニアのジンファンデル、そして南イタリアならこのアリア二コか。

勿論絶対ダメというわけじゃなく、飲めば素晴らしいワインも数々あるのは知っている。でもそれを他の人と共有できるかというと、これはなかなか難しいと思う。だからボトルで頼む時の選択としてはなかなか選びにくいのが正直なところだ。

でもやはりたまにはそうした自分にとっての難敵とも勝負してみたい。ということで今回はこのデイリー的なアリアニコを。

以前はこのDOCしかなかったバジリカータ州だが、今では3つに増えたとか。イタリアのDOCは昨今代わりすぎてもう覚える気もしない。そんなワインにあってはマイナーなバジリカータ州だが、アリアニコを語る上では絶対に外せない。そして自分にとってはこのヴルトゥーレこそ最良の品質の目印になっている。

このマカリコは2003年が初ヴィンテージという若いワイナリーだが、有機栽培、発行は野生酵母を使用し、圧搾も自然な手動式の昔ながらの器具を用いているそうだ。このワインはステンレスタンクで発酵、熟成は70%を新樽、30%をステンレスタンクで12ヶ月熟成、瓶熟6か月を経て出荷されるとのこと。

色は濃厚で底が見えないほど凝縮感が詰まったルビー色。ディスクは中くらいで、周縁部まで緊密に色素が入っている。香りはブラックチェリー、なつめやし、皮、少しミント的な香りも感じる。

アタックは滑らかだが、直後にどっしりした重心の低いタンニンが現われ、そしてそれにくるまれていたかのように意外に線の細い軽やかなベリーの果実味が表に出てくる。タンニンはベースとして広がるものの厚みはそれほどではなく、意外に軽快な味わいをバランスよく下支えし、このワインに深さを与えている。そして最初はさほど感じなかった酸が中盤に戻ってきて、このワインに抑制を利かせているようだ。

余韻は少しざらつきも残るが、引き締まったタイトな印象を感じさせつつ、最後までゆるみのない味わいを展開して、穏やかな甘さを残しつつゆっくりと引いていく。

ボリュームも感じさせつつ、ちゃんと節度のある範囲で全体の味わいをまとめている。この抑制をうまく効かせるのが生産車の腕の見せ所だと常々思っているのだが、このワインは確かにそうした一つであるようだ。アリアニコの個性、甘い香り、果実味、タンニンの強さをバランスよくまとめている良くできたワインだと思った。

【LIQUAR WORLD 3,680円】

2009年5月 5日 (火)

ハッピー・バースデー、セスク22歳 そして決勝に向けて

090505_3 5月4日はセスク・ファブレガスの誕生日で、ようやく今年で22歳になった訳で。。。いやはや若い。

去年は選手生活初の大ケガで長期リタイアも経験したが、復帰早々存在感を見せつけて、プレミアでチャンピオンズリーグの予選進出権利を得るための4位確保の原動力になってくれた。

右肘にはバルサ仕込みのタトゥーも見せ(これはあまりに合ってないと思うんだけど、これから増やすつもり?)、左肘にはキャプテンマークを巻いてピッチに立つセスク。

誕生日を迎えての第1戦は、今年の総決算といっても過言ではない決勝進出をかけたホーム、エミレーツでの準決勝2ndレグ、マンチェスター・ユナイテッド戦だ。

1stレグでは0-1で敗れているだけに、2点差以上の勝利が必要になる。状況が厳しいことは間違いないが、数々の困難な場面を何とか凌いできたチームだから、絶対に克服してくれると信じている。

運命の試合は明日の早朝3時から。う~ん、自宅で見れないからどこかに遠征するか?

とにかく、華々しく勝ってセスクのバースデー記念になりますように!

伝統に秘められたパワー 妙心寺展

090504_12 京都東山七条、国立博物館で開催されている妙心寺展へ。GWの真っただ中ながら、予想以上にすいていて、待ち時間なし。館内の人も少なめだった。大きな目玉というのは確かにないかもしれないが、日曜美術館でも取り上げられたし少々意外。

しかし鑑賞する方にとってはこういう環境は誠にありがたい。ゆっくりと細部まで、誰にはばかることなく見ることができるのだから。

展示物は派手さはないものの、一品一品珠玉の品が並んでいる。前半に多い天皇の書は、この寺と皇室の縁の深さを感じさせる。特にこの寺を創設した花園天皇、この南北朝初期の天皇は歴代天皇で最も学識深く、君主としての自覚、責任感が強かった人と聞く。他の天皇の書とは一線を画すような厳格で生真面目さ伝わってくる書からはそうした性格が反映されているように思えるが、一転して日記などではやはり力の抜けた柔らかさが感じられる。書いてあることは全く分からないが、筆致から伝わる雰囲気が感じるられることが、所を観賞する上での魅力であると思う。

後半は書画が多く展示されている。目玉は江戸時代、デフォルメされた自由な画風で今や大人気の画僧、白隠の「達磨像」といった禅の雰囲気とは異なる楽しげな作品群に違いない。

しかし自分が最も感動したのは狩野元信の「四季花鳥図」。広い障壁の中に墨による濃淡の表現で一見静謐な画面だが、配置された生物の視線が、それぞれ交錯して迫真の緊張感を生み出している。鶴の視線が右上の燕に、その燕の視線が並行に左の柳に止まる燕に、その柳の枝の先が右下で潜んでいる鴨に、といったように自然に鑑賞者の視線を散らしていく構図の妙、そこに生じる緊迫感が自分の体験として感じられる。この絵の前では暫したたずむしかなかった。

切り立つ山の稜線の描写が鋭い長谷川等伯の「山水人物図襖」、まさに竜虎相撃つという表現がふさわしい狩野山楽の「龍虎図屏風」といった迫力ある作品も後に続き、息つく暇がない。超メジャーという作品は少ない分、それぞれに味がある作品が多く、2時間でも足りないくらいだ。禅という厳しい内向的な世界に育まれた芸術故に、作品と対話する覚悟、時間が必要な、タフさを要求される展覧会だった。5月10日まで。

特別展覧会 妙心寺

京都国立博物館

~5月10日

2009年5月 4日 (月)

烏丸に潜む普段着イタリアン オステリア・コチネッラ

毎年恒例行事の京都煎茶会の後、妙心寺展を見た後で訪れた烏丸通付近、三条新町の小さなイタリアン。以前から興味がありつつもなかなか行けなかったが、久々の京都でもあり思い切って行くことに。 実はこの店、カウンターが主でテーブルが殆どないのは承知していて、4人連れで行くにはかなりリスキーだったのだが、行きたい本能が先に出てしまった。お連れの方々スイマセン。。。

090504_4到着して一番、まずは当然とばかりに泡もの、プロセッコで開始。ハーフボトルで始めたが、このプロセッコがとてもしっかりした造りで、甘みも十分に感じられた。

料理は内臓料理が充実しているようなので、この日は牛の血管の煮込みをチョイス。その他はミンククジラのカルパッチョ、パスタは取り分けしやすいショートパスタからやんばる黒豚の煮込みと、真ダコのラグー、イカスミソースを選んだ。

さて、ボトルワインを頼もうということで皆さんの好みを聞くと、きつい酸とボリューム感のないワインがNGという事で、リストを見ながらいろいろ考えた。南フランスのネグロアマーロあたりを行こうと思っていたが、ここは一回お店の意見も聞こうと思った。なぜならここの森山シェフはワインを物凄く、ハンパなく好きであることは知っていたから、彼のチョイスを聞いてみたかったのだ。

090504_6 そして選んでくれたのが最も意外だったバルベーラ。比較的安い価格帯のバルベーラなので、正直酸も強い感じなのではないかと思って自分にとっては一番の選択範囲外だった。これを薦められて正気戸惑い、かなりリスキーかなとは思ったがここはシェフを信じてこれをいただくことに。

内心ドキドキだったが、予想とは全く違っていた。酸は高めだが、肉付きがよく果実味も詰まっているので突出を抑えている。ボリューム感が予想外に強く、口の中で留まり主張する時間が長い。それでいてダレたところのない締まりのある構造が素敵だと思った。

これを躊躇せず出してきた時点でこのシェフのワインに関する深い造詣が理解できる。やはりその店のワインはその店のシェフに聞くことが一番だ。

090504_10 090504_11 

ショートパスタは黒板に種類が書かれていて、カウンター席の前にサンプルが置いてあるのでどういったものなのかは目で見て確かめられる。

そして器はシェフがガラスに興味があるという事ですべて鮮やかなガラス製の食器に盛られて出てきた。斜めの食器に盛られたパスタはさすがに初めて見たし、ちょうど仏教美術の展覧会を見た後での夕食ということでは蓮台(?)に盛られたパスタは偶然にしてもフィーリングが合っていた。

グラスワインは種類こそ多くないものの、この日もカステラーダのリヴォラ・ジャッラが開いていたのでさぞかしいつも曲者ワインがスタンバイしていることだろう。ワインリストもイタリアワインの素晴らしいものが揃っていて、価格も抑えられている。自分も飲みたいワインが一杯あった。こういうところでワイン会ができれば最高だろう。(やっちゃおうかな?)

お世辞にも広くないし、テーブル席もほとんどないので大人数では使いづらいが、一人二人で思い立ってちょっと一杯、的なレストラン、バーの中間的な感覚で使うには気軽でいい感じだ。京都でふと立ち寄れるオプションが増えたことはGWの収穫かも?

オステリア・コチネッラ

京都市中京区三条新町西入ル釜座町14

075-241-9667

18:00~24:00

月曜休(月一連休あり)

グラーチ クオータ600 2006 DOCエトナ・ロッソ

090430_2 シチリアの土着赤ワイン品種といえば、ネロ・ダーヴォラとネレッロ・マスカレーゼだろう。前者の方が有名だし、リーズナブルな価格帯のワインも多く出ている。しかし自分の好みとしては明らかに後者だ。果実味に裏打ちされつつも、シチリアらしからぬ透きとおったアクティブな酸が、テロワールに打ち勝つだけのブドウのポテンシャルを感じさせる。

テロワール、気候の影響だけを考えれば、シチリアのワインが濃密でアルコールのボリューム感あるワインになりそうだが、ネレッロはそうならない偏屈さと矜持、そしてブドウの強靭さがあるように思える。

このワイナリー、エトナ火山に抱かれた火山質の土壌、そしてこのワインの名前でもある「標高600m」のとおり、高地の寒暖激しい畑ではぐくまれたブドウを用いている。発酵は自然酵母、ステンレスタンクで発酵熟成させていりようだが、そうした作りがネレッロ・マスカレーゼにどのような個性を与えているのか?

色は薄めで明るい紅茶のようなルビー色。エッジはやや薄め。香りはザクロ、野イチゴ、巨峰の皮、ミントのようなすがすがしい清涼感も感じる。全体は若さ、青さを感じさせる印象だ。

口に含むと最初は思いのほか控え目な印象だが、すこし時間をおいて助走を置いていたかのように伸びのある繊細な活きのいい酸が細く素早く伸びてくる。その酸のベースには太くはないが若々しい果実味と、太くはないが繊細な粒子の細かい密度のあるタンニンが感じられる。

余韻はタンニンも収まり、若いピュアなベリーの果実実。少し細さも感じさせるが、その中に詰まった旨みが十分感じられ、このワインのクールな印象を最後まで形作る。

幅広で重厚な味わいとは違う、線は細い印象だが、決して弱くはない。細いなりにその中に詰まった旨みがこのワインに質の高さ、深さをもたらしている。かつて文明の交差路と言われたシチリア、その風土が生み出した複雑さをこのワインも兼ね備えているといえそうだ。

【酒喜屋 5,100円】

得点すべき選手が取った! ポーツマス戦

090503velaチャンピオンズ・リーグの1stレグではマンチェスター・ユナイテッドにいいようにやられつつも最低限の失点で抑えたアーセナル

ホームでの2ndレグ雪辱戦に臨むために、リーグ戦は主力を抑えた体制に。FWはベントナー、カルロス・ヴェラ。CLに出られないアルシャビンがキーになるか。GKはファビアンスキ。相手ポーツマスには長身のクラウチがいるだけに、セットプレーに持ち込まれると危険だ。しかし、この日のアーセナルのサブ、あまりに若手すぎてどういう選手なのかさっぱりわからない面々も。。。彼らが将来アーセナルのトップに上がってくるんだろうけど。

この試合で勝てば4位以内が確定するアーセナル。序盤からアーセナルが主導権を握ってパスを回しつつ得点のチャンスをうかがっていく。

12分、アルシャビンのコーナーキックは一旦ポーツマスのDFによって弾かれるが、そのデフレクトボールが再びアルシャビンの元に転がり、そのクロスを起点としたベントナーのヘッドをポーツマスのGKが捕り損なってアーセナルが早い時点で先制点を手にする。ベントナーは今季7点目だが、久々って印象。

こうなると格下のポーツマス相手であれば優位に立って試合を進めることができる。16分には左サイドから抉ってきたエブエのクロスをゴール間正面のヴェラがゴールポスト上にふかしてしまう。最近出場機会に恵まれていなかったヴェラにはゴールを期待するが。。。

39分にはペナルティ・エリア内でアルシャビンが倒されて得たPK、これをベントナーがアゥエイでのブーイングの嵐の中でも落ち着いて決めてこの試合2得点目をきっちり決めてアーセナルが2-0とする。前半はこのまま2-0でアーセナル優勢で終了。

後半ポーツマスはいきなり2枚の交代枠を使うが、アーセナルは交代なし。そして55分、ゴール前の攻撃の中でアルシャビンのキックの跳ね返りがヴェラの前にこぼれてきて、ヴェラがポーツマスDF包囲網の股間を狙うわずかな隙を見つけて撃ったシュートが見事にネットを揺らし、アーセナルが3点目を奪った。ヴェラはプレミアではこれが初得点だったらしいが、これは少し意外だった。しかしヴェラの得点嗅覚の鋭さ、技術力、精度の高さを感じさせてくれる技ありシュートだった。やがてはアーセナルの屋台骨を背負ってくれるのは彼だと確信しているが、それまで移籍しないでよ~。

結局試合はこの3点によってアーセナルが余裕の勝利となり、4位を確保。得点を考えると予選なしでの出場が可能な3位は難しそうだがリーグ戦での最低限のノルマを果たした。主力も休ませつつ、6日のホームでのマンチェスター・ユナイテッドを迎えうつ体制は整った。セミファイナルに向けて後顧の憂いなくいけるアーセナル、必ずやってくれるだろう!

2009年5月 2日 (土)

酒とサッカーとサングリア ULTRA CAFE(ウルトラ カフェ)

090502ultracafe ワインとサッカー、こういう繋がりのブログは殆どない、というか誰も興味ないやろ~、という思いとは別に偏屈にも2年ほど続けてきた。今ではすっかり自分の中でパターン化してしまったので、もうこれしかない、という感じで自然体でやっている。

最近は日200以上のアクセスも頂戴して右肩上がりで伸びているが、誰が見てくれているんだろう?と思わずにはいられない。この場を借りて読者の方には厚く御礼申し上げます。

でもそうしたニッチなブログに結構共通項を感じるブログもあるわけで、こちらのお店もそうしたブログから知った店。会社からも近い四ツ橋筋、靭公園近くのダイニングバー。

店には大きな50インチ大画面のモニターが2面あって、いつもサッカーの試合が見られる。勿論生ライブの試合も見れるということだ。

2時間の長丁場の試合を見れば、当然御供の酒も進むわけだけど、この店はその点とてもリーズナブル。特にサングリアは450円でお薦め。スコッチも数はそれほど多くはないが安い価格帯でチビチビ飲むにはうってつけ。カルバドスが置いてあるのも、自分は好きなのでとても嬉しいところ。実はアテも充実していて、以前行った時にはタパスがいろいろ揃っていた。まだ試したことはないが、次回行った時は試してみたい。

この日は抽選でチャンピオンズ・リーグの昨年度総集編DVDが当たるクジをひかせてもらった。残念賞だったけど、それでもなかなか格好いいクリアフォルダがもらえたので、かなり嬉しかった。

ほんの一杯のつもりだったけど、試合やら見てたら夜の3時半。やっぱサッカー見てると時間がたつのを忘れるなぁ。

ウルトラカフェ

大阪市西区靱本町1-18-23 ウルトラビル1F

06-6449-8433

月曜~木曜、日曜 18:00~翌2:00(L.O. 25:30)

金曜、土曜 18:00~翌5:00(L.O. 28:00)

お盆・正月 休

2009年5月 1日 (金)

神が救った! CLマンチェスター・ユナイテッド戦

090430終盤に来て、強豪チームとの対戦が続くアーセナル、リーグ戦を含めて最強クラブ、4冠を狙うマンチェスター・ユナイテッドとの試合3つを残す。ただ、やはり狙うはタイトルの可能性があるチャンピオンズ・リーグに違いない。その準決勝はまず敵地、オールド・トラッフォードでのアウェイ戦。

アーセナルはアデバヨールが1トップ、そのトップ下にセスクを置く布陣。MUはテベスが先発、ルーニー、クリスティアーノ・ロナウドという強力FWだけに、最近不安なアーセナルの守備陣がどう防ぐかが課題。

前半の立ち上がりはMUペースで、アーセナルが守勢に立たされる。アーセナルDFも我慢の時間帯だが、中盤からのロングパスに合わせて時折飛び出してくるMUを抑えきれない場面が不安を掻き立てる。アーセナルは11分、ウォルコットが右から抉って初めてチャンスを作ったがこれは活かせない。

そして前半16分、テベス至近距離、真正面からのシュートをアルムニアが左手で神がかり的な反応を見せてナイスセーブ!しかしCKからのゴール前混戦の中で右でフリーにいたオシェイの前にボールが転がり、これをダイレクトで決めてMUに先制点を奪われる

ゴールを奪われて以降も試合の主導権はMUに握られっぱなし。アーセナルは24分、中央のディアビからのパスに右にいたセスクへのパスが通るが、これはルーニーにケアされて打ちきれず。26分ウォルコットから最終セスクといった場面もあったが、厚いMU守備陣の前で決定的とはならない。しかしルーニー、オールマイティでやっぱ凄いわ...

28分、再び攻勢のMUはテベスのクロスからC・ロナウドのヘッドをアルムニアがまたナイスセーブ!そしてそのこぼれ球からロナウドのミドルも正面でがっちりキャッチ。31分にはテベスフリーの展開で絶妙の飛び出しを見せてこれもカット、今日のアルムニア、まさに神だ!前半はMUに先行を許したまま、それでも最少失点に抑えて1-0で終了。

後半はMUが守備に力点を移してきたのかもしれないが、若干アーセナルがボールを保持する局面が増えてきた。しかし決定的なチャンスは作ることができない。1枚上手のチームに出方を試されている、といった雰囲気だ。

再三守備の不安を指摘されているDFギブスだけど、よく考えたら彼はまだ19歳なわけで、この舞台に立っているだけでも物凄いことなんだな。今日はコワモテ対決でキレキレのテベスとも競り合い、ピンチを防いでいく。

60分を終えた時点ですでにシュートは2桁のMUだが、なんとか1点の失点に抑えるアーセナル。66分にはアンデルソン、テベスに代えてギグス、ベルバトフを入れるファーガソン監督。ライアン・ギグスはユナイテッドでの公式戦800試合目、トップチームに出場し続けるギグスには本当に脱帽するしかない。。。

70分、ヴェンゲル監督はウォルコットに代えてベントナーを投入。今日はボールを持つ場面がなかったウォルコット、それよりも一発があるベントナーに賭けるということだろうか?

82分にはアデバヨールに代えてエドゥアルド。今日はチャンスも作れず、いいボールも供給されずに画面に映る機会もなかったアデバヨール、次戦に期待だ。しかしこの交代も局面打開には至らず、結局試合は1-0のままで、MUが貫録でホームでの試合をものにした

MUの層の厚さにやられた感のあるアーセナルは結局MUゴールを殆ど脅かすことができなかった。一方で守護神アルムニアの好セーブ連発で、失点は最小に抑えることができた。今日のMOMは文句なしでアルムニアだ!しかしアウェイを1-0で終えたんだから、まだまだ期待は持てるし、数々のピンチを土壇場で跳ね返してきたアーセナルだけに、次のエミレーツで雪辱を果たしてくれるくとを信じたい