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2009年1月

2009年1月31日 (土)

イタリアンでブルゴーニュ尽くし?BABBI BABBIワイン会

090130_8  水曜日は恒例となっているBABBI BABBIでのワイン会。今回のテーマは自分も殆ど経験のないホリゾンタル、同一生産者の同一ヴィンテージの畑違いを飲み比べようというもの。

生産者はピュリニー・モンラッシェを本拠とし、「ワイナート」47号にも取り上げられていた名門オリヴィエ・ルフレーヴ。そんなワイン6本を、会費4,500円で飲ませてくれる店長の太っ腹。このレベルでここまでやってくれる店を僕は知らない。大阪中探しても、このコスパにはかなわないと断言できる。

さて、そのホリゾンタル・テースティングに供されたワイン。

090130_2 ①ブルゴーニュ・ブラン2006
②ムルソー2006
③ピュリニー・モンラッシェ2006
④シャサーニュ・モンラッシェ2006
⑤ピュリニー・モンラッシェ1stクリュ シャンガン2006
⑥ムルソー1stクリュ シャルム2005

最後のムルソー1erだけは2006年が手に入らなかったんだそうだ。飲み比べるとわかる個性の違い。最初に飲んだAOCブルゴーニュ・ブランでも膨らみのある味わいと、しっかりした苦味、塩っぽいミネラル感があってとても良いワインだと思った。それぞれの畑がどこか?というクイズ形式で出されて、自分はムルソーとピュリニーを間違ってしまった。でも依然感じたムルソーの特徴、ナッツの香 り、こってり感、トロピカルフルーツのような甘さといった印象が全く通じなくなってしまったなという感じだ。これは最近のムルソーを飲むたびにそう思うのだが、確かに嗜好には合わなくな090130_6 ったのかもしれないが、伝統的かつ「意固地」なムルソーも飲んでみたいなと思ってしまった。

ここからはオマケ。店長が追加で開けてくれたのはこの2本。

⑦ドメーヌ・ラモネ シャサーニュ・モンラッシェ・1st・ブードリオット2004
⑧フランソワ・ミクルスキ ムルソー2005

ミクルスキのムルソーもどちらかというと繊細でシャープな今風ムルソー。ミネラリー感を大切にしたすっきりした味わいという感じだった。シャサーニュは白ばかり続いた中でのやはりというか赤ワイン、ピノ・ノワール。涼やかで透明感のある酸と、ストロベリーのような若い果実の甘酸っぱさに、しば漬けの旨みを加えた印象。やっぱピノは旨いですな。

090130_9 そしてこの2本は自分と、このワイン会で圧倒的な味覚の冴えを発揮し続ける「ブルゴーニュ王子」が持ち込んだもの。

⑨エマニュエル・ルジェ ブルゴーニュ・ルージュ2005                        ⑩ジャン・ルイ・ライヤール ブルゴーニュ・ルージュ2005

エマニュエル・ルジェは今ヴォーヌ・ロマネで最も評価の高い生産者といっても言い過ぎではないだろう。アンリ・ジャイエの後継者という評価も得ている彼だが、高い樹齢の木から収穫量を抑えたブドウからできるそのワインは、2005年のAOCレベルでもやはり凝縮感、厚みのある味わいが格段に単なるAOCブルゴーニュとは違うレベルにある。まだまだ置いておけるとは思うが、この時点でも十分おいしく飲めるところが素晴らしい。

一方のジャン・ルイ・ライヤールはDRCで長く働いていた経験を生かして興されたドメーヌ。開けた時点でルジェと共通した果実味のポテンシャル、豊かに広がる懐の深さを感じるが、その底にまだこじ開けられない固さが同居していた。これもまた若いブルゴーニュの魅力には違いない。

001_3 いいワインの御供はもちろんおいしい料理。この日もパテ、パスタも楽しんだが、面白かったのはこのピエモンテ料理。バーニャカウダだったかな?温めたアンチョビの利いたソースに生野菜をつけて食べるというもの。クリーミーなソースにアンチョビが効いていて、とてもコクがあり旨かった。これなら野菜もバクバク食べられる。簡単そうだし、自分で作ってみるかな。白ワインとも合いそうだし、この食器も味があって何か色々使えそうな感じだ。探してみるか?

ワインも満足、料理も満足、最後には日本酒の樽熟成という変わり種も頂いたワイン会。いつものことながら新たな発見、楽しみが見つかる稀有な機会。ここのワイン会に行くと正直ほかに行く気があまりなくなる。それもまた同じ目線で楽しんでもらえる友人あればこそ。この日も14人(ほんとは定員10人だったとか)中7人で押しかけての宴会となった。

店長いつもありがとうございます。次は10回の記念大会だそうなので、マメにブログチェックして乗り遅れないようにないとね~

ロビン、Robin、RVP!エヴァートン戦

090130persieカップ戦も重なり、 徐々にスケジュールが厳しくなる中でのプレミア、今週は週2試合という中でアーセナルは6位のエヴァートンとの対決。4位のアストンヴィラが快走しているだけに、これについていくためにも負けられない一戦。しかし戦力不足の状況は変わらず、このところ3連勝とはいえ内容はあまり良くないだけに、全く安心できない。

エヴァートンも徐々に調子を上げてきた。守備の堅い相手だけに、今季がっちり守られると攻め手がないアーセナルにとっては厳しい試合にならざるを得ない。そして予想通りそうした試合になってしまった。

この日の中盤は左ナスリ、右ディアビ、中央がソングとデニウソン。トップ2はアデバヨールとファン・ペルシー。アデバヨールがこのところ不振というか、あまり効いていないのは中盤からのボールの供給がうまくできていない所があると思う。セスク不在が最も痛いと思っているのは誰よりアデバヨールではないだろうか。

前半は両チーム一進一退の攻防。アーセナルも攻めようとするが、やはり自分から攻め込んでいく選手がいないのが痛い。ここにフレブ、ロシツキー、ウォルコットのような選手がいたら違った展開になると思うのだが。

それとやはり守備。前半10分、左サイドを駆け上がってきた選手に簡単にパスを通して裏を取られてしまう。そこからクロスも簡単に供給されてしまってピンチを招く。これでは前線の選手も安心して押し上げられない。この日はトゥレでなくギャラスが入っていたが、毎試合くるくる変わるようでは、誰が中心となって守備を組み立てるのだろうか。

後半もそんな不安を引きずったまま、今までも見てきたような変わり映えのない試合を見続けていたが、不安が現実となったのは60分、左サイドでボールを回していたエヴァートン、アーセナルのDFの注意がゴール寄りの選手に集まり過ぎていた中で、そこからサイド寄りのベインズにパスが通り、不意を突かれたアーセナルが詰められずにスペースを大きく持った中で精度の高いクロスが上がって、それをゴール前のカーヒルが彼にとって100ゴールとなるヘディングを決められた。先制点を挙げると負けないエヴァートンに得点を許す展開に。。。

点を取られても追いつけないのが今のアーセナル。守備の意識が強いエヴァートン相手では、攻めあぐねて結局横か後ろにパスを出して時間稼ぎしか手がない。その間にエヴァートンは益々守備を厚くしてチャンスは遠のくだけ。徐々に相手フィールドでプレイする時間も少なくなっていく。この試合の前日きっちりと4位アストンヴィラは勝っているだけに、ここで負ければCL出場権のある4位さえ霞んでしまう展開なのだが、今のアーセナルにはこれさえもモチベーションにならないのか。ベントナー、エブエを投入していくも状況は変わらず、もはや負けを覚悟して90分が過ぎてのロスタイム

しかし91分、ゴール中央のディアビからの長いクロスが左サイドを上がっていたロビン・ファン・ペルシーに通って、これを胸トラップで落して素早く左足で振り切ったファン・ペルシーのシュートがエヴァートンゴールにまさに突き刺さった!アーセナルは土壇場で1-1の同点に追いつく。そしてこのまま試合終了、アーセナルはなんとか勝ち点1を拾った

試合内容は完全に負けていたし、結果もほとんど負けに等しかったが、虎の子の1発でなんとか踏みとどまったアーセナル。ファン・ペルシー、彼が救ってくれた試合を今季は何度見たことだろう。いつものような怪我もなく、最も出場試合の多いシーズンになっているが、もし彼さえもいなかったらアーセナルはズルズルと転落していただろう。それとディアビの成長、この試合の精度の高いクロスもファン・ペルシーのシュートとともに今季忘れられないシーンになった。

崖から突き落とされながらも這い上がって生き残ったアーセナル。とにかく負けなかったことをよしとして、ケガ人が帰ってくるまでは辛抱強く上位に食らいついていってもらいたいと思う。

2009年1月29日 (木)

消えた思い出と共に タヴェルナ・デッレ・トレ・ルマーケ

090128_4 有給がたまったので、急遽休暇にして久しぶりにご無沙汰のフレンチ・ビストロに出かけてみたら、様子が変わっている。しかもフランスの国旗からイタリアの国旗。それだけで察しがついてしまった。来ない間に閉店してしまっていたのだ。

この場所は昔「ル・ペガーズ」といって、味の強い食べ応えのあるオーソドックスなフレンチを出してくれていた名店だったはずだった。その昔ワイン好きの友人達と食事した際に、ワインに飢えていた自分たちを見かねたのか、秘蔵のワインから当時でもかなり高かったシュヴァル・ブランを出してくれた太っ腹のシェフだった。そしてその後、この近辺でフランス語を学んでいた1年間ほど、よくランチでも御世話になった思いでの店だったが、理由は分からないがどうも2007年の3月をもって閉店したらしい。この店はいつまでもあると思っていたのだが。。。

090128_2 しかし、その思いでの店も内装はほとんどそのままにイタリアンの店に生まれ変わっていた。しかも驚きだったのは、その店が今や大阪のイタリアンでも雑誌などでは必ず取り上げられるほどに人気の店に生まれ変わった事。

料理は勿論、ワインもイタリア通をうならせるほどのレア系ワインが秘蔵されているとあって、大阪関連のイタリアンの店の特集があれば、かなりの確率で載っているこのタベルナ・デッレ・トレ・ルマーケ。シェフのまんまるい人懐っこそうな顔写真もインパクトがあった。いつかは行きたいと思っていたが、まさかこんな事で訪れることになろうとは思わなかった。

この日は900円のランチをチョイス。サラダ+タコとホタテのミンチ、大阪しろ菜のトマトソース和えタリアテッレをいただいたが、どちらもかなりのボリューム感がある。特にパスタはトマトソースが酸味を抑えて、穏やかな旨みをたたえていた。これはホタテからくる旨みなのだろうか。パスタの量も、普通の店のランチの1.5倍くらいはありそうだ。ソースもパンに浸しつつ、最後の最後まで完食。

090128_5デザートはカカオとヘーゼルナッツのケーキにレンズ豆のジェラートを添えたもの。ケーキに溶けたジェラートを少し絡めつついただくと、少ししっとり感を加えたケーキが口の中でゆっくりと崩れるように溶け、そこにナッツの甘い香りとレンズ豆の少し青い香りがふんわりと上がってくる。最後の最後まで楽しませてくれた。

このときに合わせたワインはバジリカータ州の白、バジリカータ・ビアンコ・ビニアーリ、カンティーナ・ヴェノーザ。何種だかはわからないが、白い花の香り、桃、マシュマロのような甘い香りが柔らかく、酸は穏やかだが南イタリアによくあるもたつき感がない、とても素直なおいしさを感じさせてくれるワインだった。

名店がなくなってしまったのは残念だが、その事から繋がってまた新たに素敵なお店に出会えたと思えることも事実。今度はぜひ夜に訪れたい。その時はかつてのシュヴァルのようにまた驚きのワインとも出会えるだろうか?

taverna delle tre lumache(タヴェルナ・デッレ・トレ・ルマーケ)

大阪市北区西天満5-8-19 白石ビル1階

06-6311-6365

11:30~13:30、17:30~21:30

日曜休

2009年1月28日 (水)

二、三流から生まれる無限 濱田庄司展

090128_6大阪中之島の東洋陶磁美術館で開催されている特別展、濱田庄司展へ。濱田の陶芸作品に魅せられて収集し続けた堀尾幹雄のコレクションはこの美術館にまとまって寄贈されており、今回の展覧会はその約200点で彼の芸術に迫ろうというもの。

濱田庄司は河合寛次郎、バーナード・リーチと親交があり、柳宗悦らと「民藝」運動にも参加した。彼の作品は実際に使うための陶芸品ということで、一定の形の制約を自らに課していた。壷、茶碗、盆、皿、急須といった品々は、その形を芸術性という理由でゆがめさせられることはなく、その枠内で独自の表現、釉や文様で無限の芸術世界を作り上げていった。

090128_7偶然か必然か理解できないほど、一見してこの空間に定まるにはここしかない、と思わせるほど自然かつ安定した釉薬による線。彼はこれをわずかな時間で、柄杓を使い黒の釉薬を白釉の表面に垂らしていったのだという。あまりに短時間で裁いてしまう濱田に対してバーナード・リーチが本当にそれでいいのか、短すぎると疑問を呈すると、濱田が答える。60年の経験プラス15秒と考えればいいではないか、と。これにはリーチも納得せざるを得なかった。

濱田の作品はどれも日本古来の伝統を重視した、朴訥で奇をてらわない陶芸作品という印象があるが、実はイギリスで窯を興し、英語で海外を巡った国際人でもあった。そんな彼がイギリスから帰国する時、一旦すべてをリセットする為に選んだのが栃木の益子だった。

090128_11益子の土は陶芸にとって最上ではないのだという。そして彼に対してもっとよい土を使うべきだと忠告する向きもあった。しかし彼は信念を持っていたのだ。一流の土を使ってもてあますよりも、たとえ二、三流の土であってもそこから一流のものを生み出す、それが自分の芸術の本質であるという確信を持っていた。この言葉は陶芸に限らず、すべてのことに当てはまる重い言葉だと思う。

この言葉に限らず、陶芸に生きた節々で語る彼の言葉は本当に深みにあふれ、考えさせられるものばかりだ。機会があれば彼の著作、随筆といったものもぜひとも読んでみたいと思うが、この美術展の特色はそうした彼の言葉が展示品とともにふんだんにちりばめられている事であり、そうした芸術家の考え方とともに作品を眺めてみると、よりその深層に迫ることができるような気がする。

090128_12最後に最も心に響いた言葉を。

「知識は却って見る目を邪魔することがあるくらいです。自分の眼で物を見られる人は仕合わせです。そういう見方だけでも一つの発見であり、一つの創作でもあるといえましょう。」

濱田のように芸術作品を生み出すことはできない自分だが、せめて物の見方くらいは何にも邪魔されず自分の表現で語れるようになりたいものだ。それを創作と評価してくれる芸術家もいるのだから。

濱田庄司/HAMADA SHOJI-堀尾幹雄コレクション

http://www.moco.or.jp/jp/index_f.html

大阪市立東洋陶磁美術館

~3月22日(日)

コルク・シャンデリアの奏でる空間 ワインと小皿 さんじゅ

090128 淡路町のラ・テールさんと、北新地のカーヴ・ドランジュさん、双方から紹介されたこの店はこの1月に開店したばかり。信頼する両店がお勧めしてくれるのだから、間違いはないはずなんだけど、開店初日は他のお客さんも来ていてバタバタしていたので、早めに撤退。この日は会社の同僚との飲み会を終えて、改めての来店。

この店の他にない特徴は、この中心に据えられたコルク製シャンデリアと北新地らしからぬ明るさ、そしてなんといってもレジャービルの一角とは思えない天井の高さ。この天井の高さが入ってきたときとても気持ちが良くて、なんともいえない開放感を与えてくれる。後で店主さんに聞いたところ、やはりこの場所を選んだのは天井の高さが決め手だったそうだ。

中はカウンターが7席程度と、あと小さなテーブル席が1席くらいの小さなスペースだが、カウンターテーブルも表は木製でぬくもりがあるし、幅も広い。奥が広めに取られていることも、このお店の独特のゆったりした空間演出に一役買っているのだろう。

090128_2 軽い小皿とグラスワイン。勿論頼めばセラーから秘蔵のボトルも出てくるだろう。グラスワインは4種ほど出されているようだが、この日はアルザス・シルヴァネール、シャサーニュ・モンラッシェの白、そしてカオールを選択。700円程度からあるグラスワインは極端に高いものはないけれど、滋味のある柔らかい味わいのものだった。この店のふんわりとした優しい雰囲気によく合っていると思う。この日の小皿は京野菜のピクルスをいただく。

これからどんなワインの方向に進んでいくのか、とても楽しみ。でもそうしたこと抜きで、少し持て余した時間をこの雰囲気をアテにしてワインを楽しむ、そんな選択肢として使えるお店だと思う。勿論遅くまで居つくのもありだろうけどね。

ワインと小皿 さんじゅ

http://www.justmystage.com/home/sanjyu/index.html

大阪市北区堂島1丁目3-34 第二京松ビル4階

06-6345-4330

18時~26時

日祝休

2009年1月26日 (月)

FAカップ4回戦 カーディフ戦は痛いドロー

090124arsenal プレミアはお休みで、FAカップ4回戦アーセナルはウェールズのチームで現在は2部、チャンピオンシップ所属のカーディフ・シティ戦。下部リーグとはいえ、昨シーズンは強豪を倒してFAカップ決勝戦まで進んでいるし、今季は下位に取りこぼしの多いアーセナルにとっては油断の出来ない相手。そして今年加入したMFラムジーにとっては古巣でもある。

2トップはベントナーとファン・ペルシーでアデバヨールはベンチスタート。ラムジーは先発出場となり、そして試合開始からブーイングで迎えられた。このあたり地元のファンはシビアで、ウェールズという土地柄もあるからなのだろうか。

前半は完全にカーディフ・ペース。というかアーセナルはいつものように序盤の動きが鈍く、パス回しも遅い。不安の守備も再三カーディフに破られてシュートまで持っていかれる。ハルに負けたように、今季アーセナルはこういう力攻めで向かってくるチームにはどうも相性が悪い。

あまりいい流れをつかめないアーセナルだが、前半終了に近づくにつれて少しずつ早さも出てきた。39分には右サイド最奥からのベントナーのクロスがゴール左エリア外のナスリに繋がり、中央のファン・ペルシーにパスを出すが、これは決まらず。41分、ゴール前に攻め込んだエブエが相手DFのチェックに合い倒れるが、シミュレーションを取られてイエロー。43分にはゴール前混戦の中からこぼれてきたボールがそのエブエの前に通ったが、追いつかずに得点ならず。その直後ロスタイムに入ってカーディフに急襲され、それをなんとかしのいだアーセナルが逆にカウンターをしかけるが、両者得点には至らず前半は0-0で終了

後半はアーセナル・ボールでスタート。このまま均衡が続けばFAカップは再試合になってしまうだけに、それだけは避けてほしいアーセナル、後半開始早々アデバヨールがアップし始めるが、それもやむを得ないか。

アーセナル、後半も攻めが遅い。攻守の切り替えが遅いので、カーディフに守備を固くされてしまう。そんな中58分、ラムジーに代えてディアビ投入。ラムジーは拍手とブーイングない交ぜの中途中交代だが、良いところはなく少し残念。65分、エブエがアウトでアデバヨールがイン。

74分、ファン・ペルシーからゴール右、フリーのアデバヨールに通るが力のないシュートで決められず。75分、ナスリがエリア外から強いミドルを放つがこれもダメ。残り時間が少なくなってもあまり展開は変わらず、またしてもいつものようにイライラが募る。

85分、トゥレのファウルからカーディフのFKはゴール正面の良い位置。これをダイレクトで狙って、ゴールバーの上に弾かれる。その直後87分、ベントナーを下げてウィルシャーを投入。89分にはアーセナルがコーナーを得るも、ファン・ペルシーのヘッドは枠外。ロスタイムは3分だったが、結局スコアレスのままドロー

試合を通して山場もなく引き分け再試合。カーディフにとっては資金源にもなるエミレーツでの再試合となったが、アーセナルにはスケジュールを厳しくなる中で負担を増やした結果に。どうも相手に合わせ過ぎ、モチベーションの低さを感じてしまう。交代したアデバヨールも殆ど消えていた。守備も問題だが、中盤自分で切り込んで決めようとする選手の不在が痛い。今までの不満が全て噴き出した、典型的な今季のアーセナル的な試合になってしまったのは残念。ただこの試合、点が取れなかった以上に、よく点を取られなかったな、という印象の方が大きかったのが終わってみての正直な気持ち。試合的には質が低い試合だったな。

Ready go! エドゥアルド、復帰待ったなし

090124edurado 一時は命も危ぶまれた大怪我を克服し、いよいよエドゥアルド・ダ・シルヴァのトップチームへの復帰が秒読み段階になった。リザーブチームの試合でフルの90分を戦い、2月11日のクロアチア代表選でのルーマニア戦を経て、いよいよ本格復帰となりそうだ。

「準備はできている。むしろ以前よりも強くなった気がするよ。今は幸せな気分だ。トップチームでいつだって戦えるさ。君たちからも監督に頼んでくれよ。」

2月のケガから1年かかった。ケガの直前はアーセナルにもなじみ、アデバヨールとファン・ペルシーへのアシストや、自分からも精度の高いシュートを放つなど、アーセナル前半快進撃の起点となっていただけに、彼の退場は多くのファン、そして何よりチームメイトにとっても大きな痛手となり、そしてその不安通り後半アーセナルは失速、3位に終わった苦い思い出。

「90分戦えるまでになるまでに多くの時間を要したけど、今はフルタイムで試合を戦えることが確認できてよかったと思っている。12月のポーツマスとのリザーブ戦でも1時間は出るつもりだったんだけど、かすかな痛みがあったので前半で交代したんだ。戦い続けるのはリスクがあったからね。でも良かったよ。45分戦えたのは自分の自信になったんだ。」

「今はとても気分がいいよ。そして毎日厳しいトレーニングに励んでいる。もちろん早く、強くなってトップチームに戻りたいと思っているさ。今は一つ一つの試合が自分にとってトップチーム復帰へのステップなんだ。」

「大雨の中での激しい試合を90分戦えたことがうれしいよ。試合感覚を元に戻すためにはリザーブでの試合経験が必要だったんだ。でもトップチームで戦う準備はできた。あとはチャンスを待つだけだよ。」

すでにプレミアでの舞台復帰を待つだけのドゥドゥだが、ヴェンゲル監督はさすがにその出番を慎重にさぐっているようだ。

「エドゥアルドはFAカップのカーディフ戦のような試合に出すにはまだ2、3試合足りないと思う。でも2、3週間後にはもう大丈夫だろう。もちろん彼にとって今ならどんな試合だって出たいと思う。永い間不満もたまっていたことだろう。」

「でも私はリザーブでもう1試合は必要だと考えている。たぶん2月11日のクロアチアでの代表選、ルーマニアとの試合には彼は間に合うだろう。そしてその試合の直後が彼のアーセナル復帰に違いない。」

すでにスケジュールも見えたエドゥアルドの復帰。徐々に戦列を離れた選手が戻ってくる2月後半以降がアーセナル反攻の時だけに、それまでは今のメンバーが耐えて少なくとも負けない試合を展開してくれることを期待したい。

2009年1月25日 (日)

プロが語るブルゴーニュの法則 ラ・テールのブルゴーニュ・セミナー

090120 21日水曜日は淡路町のラ・テールさんで開かれたブルゴーニュワインのセミナーへ。ワイン輸入元ヴァン・パッシオンの星山さんによる、経験で得た「作る人」と「テロワール」に絞ったブルゴーニュワインをチョイスするためのコツを伝授するワインセミナー。こういうかなり理論的なセミナーに参加するのは本当に久し振り。いつもいいかげんにワインを選んでいる自分だが、さすがプロは違うと思わせることばかり、本当に興味深い内容のセミナーだった。

作り手に関しては多すぎて、プロでさえも知らないような無名の優秀な作り手がまだまだいそうなブルゴーニュ。だから作り手に関する知識はあえて増やそうとは思わない。それは売る人、知っている人に任せればいいし、最近のブルゴーニュは信頼できる店であればほぼ満足できる質のレベルにあると思うから、あまりこだわらなくてもいいんじゃないだろうか。

でも「土地」、フランスではテロワールと表現されていて、今ではニューワールドでもそうした表現で自分たちのワインを語っているようだが、ミクロクリマの話はさておき、マクロな地形が与える影響はやはりその土地のブドウの味わいの大きな要素となっていることはまず間違いない。そうした土地を語る上ではやはり「地図」が何よりの参考になる。

同じ村であっても、標高が高い所は表土が薄くなり、多くの地層から養分を吸収した繊細で複雑味のあるワインができる傾向にある。低地は表土も厚く、繊細さよりも肉付きが勝るパワフルなワインになる。あと水はけの影響も無視できない。低地は水がたまりやすいので、特急畑はどちらかというとその村でも標高の高い畑に集中している。他にも土壌などの要素もあるが、そうした事を地図上で想像すると、その土地のポテンシャルといったものが理解できるようになるのだそうだ。

さて、そうした話を聞きながら実際のワインも試飲してみた。

091020 ①サントーバン1erクリュ オン・レミリー2006 ギレ・ブートン

カキや石灰の香り。まりやかだが伸びのある酸。深みのあるミネラル感、アクセントなる塩味、昆布だしのような旨みが豊かに中盤を作り、それをうまく下支えする主張のしっかりした渋みが厚みをもたらす。若いけれども、よくこなれた印象のある、たぶん万人受けするワイン。

②フィサン ? フィリップ・ナデフ

チョコやカカオ、干しブドウ、カシスの甘い香りが開き、樽からくるバニラの香りも強め。果実味が詰まっていて重量感があるが、若干肉付きの濃さ、タンニンの強靭さがバランスを失している感も。後半は前半に比べると予想外に軽やか。

③ヴォーヌ・ロマネ2006 ファブリス・ヴィゴ

カシスリキュールの甘い濃厚なベリー香とキューちゃん漬けのような漬物系の香りがあり、複雑さを感じる。バランスよく、酸とタンニンの絡みがちょうど良い。流れるようなカーブの輪郭線を感じさせる骨格、その中に細かく詰まった豊かな若いベリーの果実味。

④ニュイ・サン・ジョルジュ 1erクリュ レ・シェニョット1999 ロベール・シュヴィヨン

プラムの熟れた果実味に包含された鉄、紅茶、枯葉の香り。酸の細かさ、緻密さ、そして柔らかさは熟成を感じさせる。そこにやはり稠密で角の取れたタンニンが溶け込んで、やはり粒子の細かい果実味がこれらの要素をしっかりとキャッチして充実した味わいを作っている。流れるような全く角々しさを感じさせない、ブルゴーニュの本領を発揮しているワイン。

最後のニュイ・サンは本当にうまかった。これでも星山さんいわく、「ニュイ・サンって知名度がなくて売れないんですよ~」ってことだった。原油安とユーロ安でこれから入ってくるワインでやっと適正価格で売れるそうだけど、やはりこのところの不況が悩みの種とか。ま、消費者としてはこれから入ってくる分のワインに期待するということで。

一番そそられた駅弁とは?

090124金曜日は久々に日本酒での飲み会。和食にはやっぱり日本酒、ということで酒が進む、進む。。。6時半から11時までどっぷり1軒目で過ごし、その後はスナックでまた飲んで2時まで。

土曜日は会社の英語研修に参加。二日酔い気味の体に鞭打って、付け焼刃の宿題抱えて1日どっぷり英語漬け。その後はジムで汗を流した後、阪神百貨店の駅弁イベントを覗いてみた。

駅弁と全国のうまいもの展ということだけど、7時とあってそれほど混んではいなかった。北海道展となるとすごい人気だけど、他はそうでもないね。余裕であれこれ見ていた中で、一番気になった駅弁がこれ。「新広島名物 幻霜ポークカツレツ弁当」。実は以前「おはよう朝日」で中継していた時もこれが気になっていた。その時に見た豚があまりにきれいな白さで、「いっぺん食べてみたい」と思っていたのだ。

「名物」とか、「幻」とか、ベタな文句を使っていて、本来疑り深い自分はあまりこういうのを信用しないんだけど、実演で作っていたカツはとてもうまそうだった。作りたてを購入し、そのまま自宅に直帰。

食べてみたら、柔らかい肉質と脂身も細かいので、さくっとした食感が楽しめる。トンカツって暖かければまずは何でもうまく感じる、ってのもあるだろうけど、むしろ冷えた時の方が肉の味ってわかるのかもしれない。だって固まった豚の脂身ってネチョネチョして食べれないからね。

トンカツの下には金平のゴボウが敷いてあり、これも柔らかい甘さでおいしい。あと、付け合わせのキャベツ(見た時はショウガかと思った!)のピクルスが結構イケる。というかこれ単独でも旨い。酢の刺激もなくて、これ単品で売ってたら買いそうな感じだった。

ジムに行った分しっかり食べて、体重が変わらないのも当たり前だよね。いや、むしろ今は増加中のヤバさ。食べた後に反省の毎日です。。。

2009年1月24日 (土)

シャトー・ベニティ2000 AOCサンテミリオン・グランクリュ

090120自分のワイン遍歴、最初はボルドーから入ったと思う。やはり5大シャトーは有名だったし、ワインといえばシャトーと名がつくと思い込んでいた。その後、もう一方の横綱ブルゴーニュを知り、そしてイタリアやスペイン、その他いろんな地方、いろんな品種を知っていくうちに、なぜかボルドーだけが空白になっていくような感じがした。

その内にボルドーがやたら高くなり、5大シャトーなんかは高嶺の花、格付けワインでさえも。。。って感じになり、ますますボルドーへの興味が薄れていたのは事実。でも最近、なぜかやたらボルドーを飲みたいという気分が増してきた。やっぱこれは年をとったせいなのか?

高くなったボルドーでも、まだまだお得感のある地域はある。ここサンテミリオンもまた、大きな産地だけにシャトーによって品質はまちまちなのかもしれないが、だからこそ自分の好みを探す楽しみもある。わからなければラベル買いでいい。価格3千円で外しても、後悔はさほど残らないはずだ。このシャトーも詳細データはインターネットでさえ不明。一応サンテミリオン生産者協会によるものとあるのだが?

色は色素の濃い凝縮感のある、暗めのルビー色。香りはラズベリーリキュール、ユーカリ、キャラメル、ソーセージといった、甘めの香りが強い。

口に含むと最初からかっちりした硬質のタンニンを伴った、メリハリの利いた酸が広がる。果実味もボリューム感は大きくないものの、よく締まった充実した味わいを持っている。ただ、その直後タンニンのこなれない部分が顔を出し始めて収斂感を引き出し、広がりかけた味わいを一時ブロックしてしまうのが残念。しかし、それを除けば甘みと旨みがよく乗っていて、軽快な味わいを中盤まで楽しませてくれる。

余韻は甘さが勝ち過ぎて上品とは言いがたいものの、それでも力のある旨みが口の中に広がり、なかなか消えない底力は印象的。全体には力強さを感じさせてくれる。

グレート・ヴィンテージと呼ばれる2000年だから、このクラスのワインでも十分な底力を感じさせてくれる。安い価格帯でもそこそこ楽しませてくれる安心感はボルドーならでは。だけど、ボルドーワインも年々甘くなっているような気はするな。昔飲み始めた頃って渋い印象しかないんだけど、これは味覚の変化だけで説明できるのか?

【成城石井三番街店 3,150円】

2009年1月23日 (金)

アミオ・セルヴィル シャンボール・ミュジニー2002 AOCシャンボール・ミュジニー

090120 恋人にプレゼントするワイン、ベタだけれどボルドーならばハートのラベルのカロン・セギュールに違いない。では、ブルゴーニュならば?やはり筆頭に挙がるのはシャンボール・ミュジニーのプルミエクリュ、レ・ザムルーズ、Les Amoureusesだろう。その名も「恋人たち」。

そんなこともあって、シャンボール・ミュジニーのワインはとても優しく、暖かなワインというイメージを持っているが、いろいろ飲んでみても大枠そうした印象は的を得ていると思っている。上品で繊細、しかし果実味の深さを味わってもらいたいという人にはシャンボール・ミュジニィを勧めたい。

そしてアミオ・セルヴェルはそのシャンボール・ミュジニィ村の栽培者組合理事長を務める、この地を代表する生産者。古木、肥料の抑制、収穫期を遅くし、かつ低収量というブドウ本来の力を信頼する生産方法を志向している。

このワインは村名ワインだが、決して品質が劣るわけではなく特級畑のミュジニーとボンヌ・マールにそれぞれ隣接する畑のブドウをブレンドして作られている。シャンボールの優雅さにボンヌ・マールのたくましさをプラスするというコンセプトの元に作られたものだ。

色合いは濃い紅茶のような明るさも持ちつつ、落ち着きを保ったルビー色。香りはスミレ、黒オリーブ、鉛、チェリーの香り。

アタックはふんわりとした浮遊感を感じる程にゆったり、かつ瑞々しい酸。その直後に緻密で粒子の細かい、凝縮感のあるタンニンがやってくる。そしてそのタンニンに守られていたかのようにバランスの良いまだ若さのあるベリーの果実味が厚みはほどほどだが、ハンモックのような穏やかな流線の輪郭を感じさせつつ口の中に広がる。

余韻も重厚さは中程度なものの、穏やかで棘のない酸の味わいとミネラル感が薄く大きく広がって、心地よい暖かさを演出してくれる。

一言でいえば月並みだけどバランスのいいワイン。しかし単にバランスがいいだけでなく、すべての味わいの要素が確固としたキャラクターを持ちつつ、それが組み合わさっても無理のない一つの味にまとめられている。やはりブルゴーニュは穏やかな時間を過ごすには最適だな。

【Cave d’Orange 5,600円】

2009年1月21日 (水)

レ・ヴィーニェ・ディ・ザーモ イル・レフォスコ2004 DOCコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ

090120_2北イタリアというと、白ワインがやっぱり優勢という印象があるけど、飲んでみたら実は赤の方がインパクトが強いってことが多い。気候から酸は活き活きとしてくるし、そしてこの地で赤ワインを作る以上、努力して果実味、旨みを引き出そうという努力をしてもらえるから、いざ飲んでみると恵まれた地域にはない、鮮烈なキャラクターを持っている。

レフォスコはそんな北イタリアでの土着赤ワイン品種。そしてこのザモ家は1978年からこの地でワインを造り始めた。それ以前は1924年にレストランを始め、今でも本業はキッチンのドアを作る工場なのだという。そうしたいわば余芸で生まれたワイナリーが今ではフリウリ有数の作り手の評価を得ている。このワインは土着品種レフォスコでも樹齢50年以上の古木から作ったワインだと言うが、果たして?

色は底なし沼のように深く、凝縮感に溢れ漆黒といってもいいほどの色。香りは干しブドウ、湿った炭、カカオ、黒糖、カラメル、ポートワインといった甘みの強い詰まった香りが強烈。

口に含むと最初から甘みの強い、凝縮したボリューム感のある味わいが爆発し、その力強さを口にどうしてとどめておけるのか戸惑ってしまうほど。絞りの強い力のある酸とバランスする強靭なタンニンが一歩も譲らず、螺旋階段状に絡み合い稠密な構造を形作る。しかしそれを包み込めるだけの要素がまだ足りない。果実味はまだ若すぎて広がりを持たず、酸とタンニンと伍するだけの深みはまだ持つに至らない。酸とタンニンのボリュームに引っ掻き廻されて、そしてその着地点を得ることができず戸惑う。

酸とタンニンのガチンコ勝負がようやくおさまった後、果実の深い甘さ、アルコール感に満ちた旨みがかちっとした長方形の構造の中で広がって、ポートワイン、マデイラを飲んだ時のような充足感を感じさせてくれる。

味わいの要素それぞれが強すぎて、全体のまとまりが良いとは言えない。しかしそれはワインの罪ではない。そんなワインをこの時点で開けてしまった飲み手の罪なのだろう。しかしあえてその罪を犯しても見えてくる楽しみが確実にある。このワインも間違いなくそんな楽しみに溢れている。おそらくはあと10年で真価が見えるワインに違いない。

【? 4,000円?】

2009年1月20日 (火)

ニコライホーフ グリューナー・フェルトリーナー スマラクト2002

090118 ワイン世界を席巻するビオディナミ。有機農法に加えて、自然の力をさらに取り入れるために、天体の運行に従った農作業、そしてプレパラートと呼ばれる特別に調合した調剤を畑にまいて、星や土壌の力をブドウに引き出そうという、魔術的な要素も感じられる農法だ。

特にプレパラートと呼ばれる調剤は、牛の糞を角に詰めて土中に埋めたものなどをほんの少し畑にまく程度。本当にこれが役に立つのか甚だ疑問だが、実際にこれを真剣に実践している農家が多いことも事実。そしてそんなビオディナミを世界で初めて採用したワイナリーがこのオーストリアのニコライホーフ。

ニコライホーフを主宰するのはクリスティーネ・サース。そしてその妹のイルゼ・マイヤーもまた有機農法を実践している「ガイヤーホーフ」の当主だが、彼女でさえプレパラートには否定的。しかしサース夫人は厳格にビオディナミを実践し、子供にも予防接種を受けさせないほど生活の中に取り込んでいる。まさに彼女はビオディナミの信奉者であって最強の実践家でもあるのだ。そのワインとはいかに?

色はねっとりとした粘着感のある黄色。密度が濃く、安定感がある。香りは干し芋、オレンジの皮の砂糖漬け、伊予柑、カモミール、ママレード、とても甘いねっとりとした香りが強い。

口に含んだときは水のように刺激も少なく拍子ぬけ、といった感じだったがその直後から味わいが急激に膨らみ始める。角は取れているがしっかり芯のある太めの酸がぐっとせり出してきて、やがて裾野を広げつつまろやかな旨みへと変わっていく。その旨みは稠密で粒子の一つ一つが丸さを帯びているかのように刺激のない、口の中を撫でさするような柔らかさ。広がりは勿論、ミネラル感を多く含んでいる旨さが舌の中にも染み渡ってきて、それが長く持続する。少し酸化熟成のニュアンスも加わりつつ、味わいに終始温かみというものを感じるのが特徴的。

余韻は柔らかさと深みのある温かな味わい、そして戻ってきた幅広な酸がそれをゆったりと包む込むような感覚が長く続いていく。

農法の如何は別にして、確かにこのワインの充実した味わい、柔らかさ、ふくよかさはオーストリアのグリューナ・フェルトリーナーとしては出色だと思う。飲んでこれだけゆったりした気分を演出してくれるワインもなかなかない。どんな作り方にしろ、飲む方にとってはおいしければいいんだから、このワインは理屈抜きで確かにおいしいと思います、ハイ。

【Cave de Vin 5,800円の2割引】

2009年1月19日 (月)

オバマを迎える複雑 ドキュメント 底辺のアメリカ人

090818 1月20日、アメリカは歴史的な日、バラク・フセイン・オバマがアメリカ大統領に就任する日を迎えようとしている。黒人、マイノリティ出身初の大統領だ。おそらく2年前くらいまでは彼、いや黒人がこんなに早く大統領になると予想した人は本国でもいなかったのではないだろうか。歴史の展開は早く、一つの演説をきっかけにして40代の若き人物を大舞台に押し上げた。

今回の大統領選挙ほどアメリカ国内のマイノリティに焦点を当てた報道は今までなかったのではないかと思う。特にメキシコなどスペイン語圏からの移民によるヒスパニックの動向が選挙結果に大きな影響を与えるといった論調も多かった。しかし移民の国だったアメリカにはその他にもコリアン、ユダヤ、イタリア、そして日系人といったマイノリティ集団が数多く存在する。もちろん黒人もまた白人に比べればマイノリティ、そしてそうしたマイノリティは比較的に低収入、貧しく定職を持たない層が多いという事実がある。

今回のオバマ当選にはそうした層が現状を変えることを期待して投票した、という理解をしていたのだが、現実にはそんな単純なものではないことがこの本を読むと理解できる。さまざまなマイノリティ集団で生きる人たち全てが現状への不満に一票を投じているわけではない。ある人は確かに自分たちの代表としてオバマに票を投じたが、中には彼さえも自分たちとは対極にある上流階級出身として反感を抱き、かつて健康保険改革に取り組んだ過去、そして経験論からヒラリー・クリントンを支持した人たちがかなりいる。これが今回の予備選の混迷に大きな拍車をかけた一因にもなった。

健康保険、この国では社会保障制度としてはないため。貧困層は病気にかかっても満足な治療を受けられない。民間の保険に加入していても、場合によっては病院との提携がなく適用されないケースもあるという。ヒラリーならそうした事態を変えてくれると思った層がかなりいた。そして、予備選でそんな期待が裏切られると、そうした層は誰に投票していいのかわからなくなり、突如現れたサラ・ペイリンに幻惑されて一旦は共和党のマケインがリードする。しかし最後にはブッシュの流れをくむマケインよりも、少なくとも何かを変えてくれるであろうオバマが支持を集めて最後の勝利を勝ち取った。

底辺から見れば、オバマは決して熱狂的に選ばれた大統領ではない。彼の若さ、経験のなさ、そしてマイノリティ出身故の危険さ、かつてキング牧師が暗殺されたような身の危険を心配する人たちが多いのが事実ではないだろうか。しかしそんな心配よりも何かを変えてほしいと思う声が勝った、それが形になって予想だにしなかった黒人大統領を生み出した今のアメリカの現実は問題がいかに深刻であるのかを物語っているように思う。この本で語っている貧しき人たちの声にどのように答えていくのか、4年後の選挙でこそ彼らの真の声を聞くことができるような気がする。

ドキュメント 底辺のアメリカ人 オバマは彼らの希望となるか

林 壮一著

光文社刊(光文社新書)

760円(税別)

2009年1月18日 (日)

Fリーグ シュライカー大阪対名古屋オーシャンズ

090119_2 足の怪我で最近フットサルはご無沙汰なので、せめて観戦でもと大阪中央体育館で開催されたフットサル・リーグを見に行った。試合は5位のシュライカー大阪と、首位を走る名古屋オーシャンズ。

会場は約2千人の観客で結構にぎわっていた。やっぱ観客は20代前後、それと子供のサッカークラブの集団が多い。格好もフットサルっぽい人が多いから、実際にやっている人が多いんだろうな。

090119_4 試合は前半は一進一退。ホームの利があるのか若干シュライカーがボールのポゼッションは優位に立っていたが、やはり首位を走る名古屋だけに守りが堅い。しかし、後半ゴール前混戦の中で9番の奥田選手がねじ込んで先取点。これは大阪がやるかな?と思ったのも束の間、すぐに名古屋が取り返して1-1に。

その後も息詰まる展開。このあたり、コートの小さいフットサルだけに切り替えが早くて、目を離すといつの間にか攻守所を変えてしまっている。アリーナの前の席なので足技もよく見えるし、フットサルはこの足技の妙が観戦の醍醐味だな。

090119_5 その後名古屋が勝ち越し点を入れて2-1で追いかける展開に。途中1人がイエロー2枚で退場となってしまい、2分間は4人という苦しい時間帯を経た大阪、最後はゴールキーパーも攻めの時は選手交代でフィクソの選手と瞬時に交代して全員攻撃、パワープレイを仕掛ける。何度かは惜しいところもあったが、結局点は入らず残念ながら大阪が1-2で敗れた。

シュライカーの試合を見るのはこれが3度目だけど、だんだん内容が濃くなっているというか、なかなか点数が入らない息詰まる展開が面白かった。今年は名古屋が連覇しそうな勢いだけど、来年は大阪もぜひ優勝争いに割って入るような活躍をしてもらいたいものだ。

雪辱なるのか? アウェイでのハル・シティ戦

090118 苦しみながらもなんとか負けずに来ているアーセナル。セスク不在の今の状況では、あまり多くを期待することはできないし、とりあえず勝てれば万々歳というのが正直なところ。今節はホームで負けを喫して調子を崩すきっかけともなった昇格組ハル・シティとのアウェイ戦。相手のハル・シティは最近調子を落としてきているものの、油断ならない相手。この試合の前に上位マンチェスター、チェルシー、アストン・ヴィラが勝っているだけに、なおさら負けることはできない。

この日の布陣もこのところと同様にファン・ペルシーとアデバヨールの2トップ。サイドを左ナスリ、右エブエが張り、中はデニウソンとソング、DFはギャラス、シルヴェストルをケガで欠き、代わってジュルー、トゥレ、サニャ、クリッシー、GKはアルムニア。ヴェンゲル監督、基本線はなかなか変えてこないが、まずは前半耐えて後半に仕掛けるといういつものパターンか?

まず前半はハルが積極的に仕掛けてくる。最近のアーセナル、立ち上がりが遅いだけにここは辛抱していく展開か。ハルはボールを奪えばジオヴァンニを使って早いカウンターを狙ってくるが、さすがにアーセナルもその辺は前の敗戦で痛いほど分かっているので、DFも集中して守る。しかしこのところのあーせなる

27分、ゴールエリア前でエブエが倒されて得たフリーキック、ファン・ペルシーの強烈なシュートをハルのGKミヒルがわずかに触ってコースを変えてバーの上に、そのデフレクトを押し込もうとするもサイドネットを揺らすだけ。これは惜しかった。

しかし29分、右コーナーキックからの綺麗なクロスをアデバヨールがこれもまた綺麗にヘッドで決めて先制アーセナル!ようやく決めてほしい人が決めてくれた幸先のいい展開。

36分、ナスリからのクロスが右にいたエブエに通って、前にスペースもあったと思うがのだがエブエが雑に蹴ってしまい恰好の得点チャンスを逃す。エブエ、最近の試合でもそうだけれど雑というか無造作なパスで流れを切ってしまう展開が多いのが気になっていはいるが、このプレイにはさすがに失望。。。1点では安心できない今のアーセナルだけに、取れるチャンスは確実に決めてもらいたいのだが。前半は1-0のままアーセナルがリードして終了。

後半は最初からアーセナルペースで攻撃を仕掛けていく。ハルはボールを取れずにアーセナルがうまくパスをつないでいく時間帯が続いていくが、得点を得るには至らない。早い時点でもう1点ほしい展開なのだが。

55分、アーセナルのゴールエリア前で得たハルのフリーキック。アーセナルは後半初のピンチだったが、ここは平凡なキックを難なく壁で防いで事なきを得る。少ないチャンスも今は活かせないハルシティ、やはり調子は落ちているのだろう。

後半も60分を過ぎるとアーセナルの勢いが落ちたというのか、ハルが息を吹き返してきたというのか、見ていても不安な場面が多くなる。そんな不安が的中したのが64分、ゴール前のクザンにボールに入ってそれを的確に決められて同点に追いつかれる。アーセナル、こうなる前に何か手を打てないのか、ヴェンゲル監督辛抱が強すぎる。。。

雨も強くなってくる中で68分、エブエを下げてベントナーを投入。69分、勢いを得たハルはジオヴァンニが左から切り込んでくるが、トゥレが防ぐ。トゥレの守備がこの試合ではよく効いている。70分、クリッシーが犯したファウルからのフリーキックをディアビがクリア。危ない時間と強い雨が不安をさらに強くしていく。早く均衡を破る1点が欲しいのだが。。。75分のファン・ペルシーのフリーキックは枠外。

80分を超えても均衡が破れないイライラが続く展開、それを変えたのは81分、中央のファン・ペルシーから左のナスリに開いて、そのナスリは左から低い弾道の鋭いシュートを決めてアーセナルがようやく勝ち越しの2-1

勝ち越したものの80分台は安心できない今季のアーセナル。83分のハルのコーナーキックもヒヤリとするがこれはクリア。しかし85分、ファン・ペルシーからベントナーにつながっての3点目が決まってようやく安心圏内。ただ、これはオフサイドだったようだが。。。この時点でアデバからソングに交代。そしてこのまま3-1で負けられない試合をアーセナルが勝って上位に食い下がる貴重な勝ち点3をものにした。

この試合も前節に引き続いてファン・ペルシーがキレキレで、3得点すべてに絡む大活躍。自分のシュートにこだわらない姿勢がいい方向に効いているし、チームに貢献しているのが嬉しい。ナスリも細かなテクニックでチャンスを作っていた。アデバヨールもお家芸のヘッドで得点したし、少しずつだがアーセナルの良さが出てきて、ホーム敗戦の雪辱もできた価値ある勝利をもぎ取った試合だった。次は1週あけての来週水曜、侮れないエヴァートン戦だけに、出場しなかったヴェラの姿も見てみたい。

2009年1月17日 (土)

セスク、今はサッカーを忘れて治療に専念

090117 ヒザの怪我で4か月の戦線離脱を強いられているセスク・ファブレガス。彼にとっては初めての長期欠場、復帰は早くて3月ということで、アーセナルの苦境も考えればさぞかし悔しい思いだろう。

しかし彼としては今は故郷バルセロナに帰って復帰に向けた治療に専念し、あくまでこの怪我もポジティブに考えようとしているようだ。

「本当にサッカーの事は考えていないんだ。試合をも見ることも、冬の移籍市場をチェックすることも、他のことも一切考えていない。サッカーに関することはまさに全て忘れてしまっているんだ。」

「ガールフレンドでさえ驚いているんだよ。そんなこと僕にはありえないって。でも正直なところ今の時点でサッカーに関することについては、再び体が動かせるようになるまでは距離を置くよ。」

そんな心境の中でも、アーセナルが苦戦する状況は否応なく彼のもとに届く。やはり彼もその事が一番つらいようだ。

「それが怪我をして一番辛いことなんだ。ここを出てボールを蹴ることができないこと、チームメイトと一緒にいることができない、ってことがね。かなり辛いんだけど、受け入れなくちゃならないってことはわかっている。」

「どんな選手だって、選手生活の中でこうした時期を経験していくはずなんだ。だから今度は僕が経験する番だと思っている。再びプレイできるまではできるだけ前向きな気持ちを保たなくてはだめなんだ。今は可能な限りリラックスして、そし必ず今よりも強くなって戻ってくるよ。」

今はセスク不在で本当に苦しいいアーセナルだが、セスクが戻ってくる3月にはウォルコット、ロシツキー、エドゥアルドといった面々も復帰してきているだろう。そこまでは今のメンバーにすべてを託して、セスク自身は初の本格的な怪我を後に残らないように治療に専念してもらいたいものだ。

プリューレ・ロック ニュイ・アン2004 AOCニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ 

080116 基本的にはミーハーなので、話題に上っているワインというものは一度は試してみたくなる性格。このワインはエジプト的ラベルの印象も大きいが、やはりあのロマネ・コンティの共同経営者が醸すワインという宣伝文句に興味を惹かれたのは事実。

プリューレ・ロックはニュイ・サン・ジョルジュを本拠とし、有機栽培、極力機械を使わず人の手で収穫、破砕も昔ながらの人の足で行うなど、昔からの伝統的な手法を用いている。酸化防止剤としての亜硫酸も用いていない。

色はうっすらともやがかかったような曇りのある、濃くはないが陰影のあるルビー色。香りはアメリカンチェリー、ドライフラワー、カラメル、胡椒の香り。

アタックは最初は穏やかだが、その後で直線的に伸びてくる勢いのある涼やかな酸。その酸に連れられて、硬質のタンニン、小さくまとまった果実の旨みがやってくる。ボリューム感はあまり感じられない。そして後味に少しざらつき感、マッチを擦った後のような香りが口に残るのが気にかかる。

余韻は酸味と硬いタンニンの収斂感が残り、旨みの伸びをブロックしてしまうような印象。流れるようななめらかさとは言い難い。

もう少しボリューム感があるのかと思っていたら、予想外にこじんまりとした印象を受けた。深い凝縮味もそれほど感じず、AOCブルゴーニュよりは幾分強靭さと複雑さはあるものの、一度飲んでもう一度飲みたい、と思うものじゃなかった。もう少し上のランクならまた違ったものだったのかもしれない。でも、期待が大きかっただけに正直拍子抜けの感は否めないな。

【Cave d'Orange 4,800円?】

2009年1月14日 (水)

シーン・サッカリー プレアデスNo.16 オールドヴァインズ NV

090113 久々にカリフォルニアを。なかなか選ぶきっかけがないカリフォルニア、価格もそんなに安いわけではなく、かつ生産者によって内容が全然違ったりするので予測がつかず、自信を持って選べないっていうのもある。かなり苦手な分野。

そんな苦手なカリフォルニアワインだが、このワインは不思議と惹かれるものがあった。Cave de Terre淡路町店の「ワイン博士」、横山さんに勧められたのもあったけど、カリフォルニアらしくない、枯れた印象のラベルも、フツーじゃない雰囲気を醸し出していて、好奇心をくすぐられた。

表ラベルにはヴィンテージ表記はないが、裏ラベルによると2008年1月にボトリングされているらしい。品種はシラー、バルベーラ、カリニャン、プティ・シラー、サンジョヴェーゼ、ヴィオニエといったローヌ+イタリア品種のブレンドによるワインのようだ。いったいどんなワインなのか?

色合いはダージリンのような明るめのルビー色で、色素自体はあまり濃くなく、中心から外縁までのグラデーションがきれいに出る。香りは干しブドウ、油粘土、枯れ葉、胡椒、アニス、甘さと湿った土、そしてスパイシーな香りが絡み合った感じ。

口に含むと、ジューシーな果実味。酸は驚くほどまろやかで、その後に充実した寄付ワインにも似た甘さがやってくる。タンニンはとても細かく控え目で、やさしい味わいを柔らかく、壊れないように軽く支えるような役割を果たしている。口の中で転がしていてもとてもふんわりとしていて、柔らかな質感を持っている。

中盤の膨らみはあまり大きくはなく、序盤の果実味、柔らかな味わいがそのまま余韻に向かって次第に収束していく感覚。そして最後にはデザートワインにも共通する滑らかで熟成した甘さの感覚が口の中に残り、赤ワインを飲んでいたのとは違った感覚に少しとまどう。

南ローヌのワインに似たところはあるが、それよりも繊細。ボリューム感を抑えつつも、果実の旨み、甘さをより引き出したといった感じか。そしてそれに少し古酒の熟成感をプラスさせている。カリフォルニアらしくないこの控え目なワイン、この味わいは誰でも納得して旨いと言ってもらえるような気がする。まったく不思議で得体のしれないワインだ。やっぱカリフォルニアは解らない。。。

【Cave de Terre 淡路町店 3,980円】

2009年1月13日 (火)

残したい物を絵に ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展

090112_2 ウィーン、芸術の都。神聖ローマ帝国皇帝を世襲したハプスブルク家の居城。ヨーロッパ世俗権力の筆頭であり、多くの財宝が集められた街。

その財力を示すコレクションの中には、作品自体が財力の象徴のような物も多く集められた。16世紀から17世紀にかけて多く描かれた静物画というジャンル。そこに描かれたものは狩の獲物、生物、植物、貝殻など、多岐にわたる。しかしそれらの作品群の共通項は、知識欲、虚栄心、そして不滅への憧れとそのようなものなどないという現実への諦念。

16世紀、ヨーロッパ市民階級の経済力が向上し、かつては王侯の独占であった美術品が徐々に裾野を拡大していく。そして他人が持っていない物を所有したいと思う所に市場が生まれ、投機、バブルといったものが発生するのは今も変わらない。

一旦所有すれば、それらを永遠のものとしたいと思うのは自然な感情だ。そして持てないものもまた、せめて絵の中でだけでも自分の手元に置きたいと思うこともまた自然な成り行き。こうして静物画というジャンルが形成された。しかしそうした自然を題材にしつつも、画家達は決してそれをそのまま描くことはしない。パトロンの要望に見合うよう虚構をものともせず、実はどこにもないであろう理想の姿を描いた。

こうした経済的な欲望を満たす反面、それらに対する反発、皮肉的な感情が起こるのもまた自然な思いなのだろう。豪奢な品々の中に潜り込ませた、熟しすぎた果実、もっと直接的な骸骨といったものを配することで、これらの繁栄が決して永遠のものではないことを暗示したのだという。

静物画だから何も語らないのではない。そこには語るべき何かがある。しかしそれは直接提示されることはない。見る人が何か異質な物を見つけたとき、そこに込められた秘密を解き明かす鍵を手に入れる。そんな鍵がなんであるか、そうした事を考えつつ作品を見ていくと、少し単調に思えるこれらの静物画もまた違う世界を表してくれるのだろう。

そして最後を飾るのはスペイン・ハプスブルク家、フェリペ4世の王女マルガリータの幼い肖像画。あどけない表情は王女というよりも、お人形のような印象。早くからオーストリア・ハプスブルク家に嫁ぐことが決まっていた彼女の成長を知らせるため、ベラスケスは彼女を描き続けた。愛らしい彼女の表情からは、両親の愛情を一身に受けて幸せそうな時代を伺わせるが、やがて神聖ローマ皇帝レオポルト1世に嫁いで、わずか21歳で亡くなることが分かっているだけに、なぜか儚い気分にもさせられる。そうした視点から見ればこの絵もまた栄華は長く続かないという教訓も読み取れるが、逆に若くして死んだ彼女は絵の中で永遠の生涯を得たとも言える。だからこそ日本人でさえ、歴史的には何も為さなかった彼女の生涯と存在を知ることができているのだから。

ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展

~3月29日

兵庫県立美術館

2009年1月12日 (月)

朗読者 あるいは 愛を読むひと

090112 ベストセラーになったのは4、5年ほど前だっただろうか。その時は読まなかったのだが、文庫になった直後に読んで題名から想像していた内容とは全く違う世界にショックを受けた。

今再び読もうと思ったのは、間もなくこの本を原作とする映画が公開されようとしているから。邦題は「愛を読むひと」、全米でも出演しているケイト・ウィンスレットの演技が絶賛され、殆ど主役的役割を演じながらアカデミー助演女優賞の有力候補に推されている。

最初は15歳の少年が大人に対する憧れ、性的な衝動、そうした安っぽい話が綴られていくのかと思っていた。少年ミヒャエルがハンナに本を読んで聞かせる場面も、単なるそうした一場面に過ぎないと思った。しかしそうさせる理由があった。そしてハンナは突如少年の前から姿を消す。

そうした心の傷を負ったミヒャエルの前に再びハンナが現われたのは、思いもかけない戦争犯罪法廷の場だった。そこで裁かれたハンナはある一つの事、それはハンナがミヒャエルに朗読をさせていた理由でもあったのだが、それを隠すが故に彼女は重い罪を負うことになる。そして再び彼女は姿を消し去り、時を経て再会した後でミヒャエルはある事実を知る。

戦争犯罪という問題は今でも重い問題だ。国家組織の中で、命令として下された行為による責任を個人に負わせることができるのか、そして負った人間がどのように行動したかは、今でも映画やドラマの主題として投げかけられる。この本がそうした問題を正面から提起しているというわけではないが、しかし後半でミヒャエルがハンナという、当時はその名前と体くらいしか知り得なかった彼女を理解する上での重要な要素となっていく。読み進めていく上でも、やはりこうした問題に時折立ち戻って考えずにはいられなかった。

重いテーマもあるけれど、全体には読みやすく、流れるような文章で語られていく。所々疑問も残るが、一読で忘れ去るような小説でない事は確か。映画がどのようにこの世界を再現するのか、ウィンスレットの演技も楽しみだ。

朗読者

ベルンハルト・シュリンク著(松永 美穂訳)

新潮社刊(新潮文庫)

514円(税別)

さすが人気店 タヴェルナ・ポルチーニ

週末は男ばかりで福島の人気店、タヴェルナ・ポルチーニへ。福島は仕事場からも近いので、飲み会やフツーの食事にも便利だし、歩いて帰れる範囲でもあるからついついゆっくりしてしまう。そんな中でもこの店だけはいつ見ても人が入っているので、なかなか突撃できなかったか、今回は早いうちから予約していてようやく実現。

19時の時点で1階はほぼ満杯。2階に通されたが、開いていたテーブルはきっちり予約で埋まっていた。さすがだね~みんなガヤガヤやってるし、さすがに周りの雰囲気もあったので今回は写真撮影ナシ。

メニューをざっと見た範囲では一皿千円以下と、とてもリーズナブル。最初に頼んだ前菜の盛り合わせも、3人でシェアするには十分な量。その後は一皿の単価が安いこともあるし、空腹揃いの男集団だけにホイホイ注文。プレーン・ピザ、モツのトマト煮、パスタ、フォカッチャ、マグロといった料理をたいらげていく。

ワインも料理に合わせてリーズナブル。安い価格帯のワインがイタリア以外でも揃えてあって、これはこの店にあっていると思った。この日は別にボトルを頼むでなく、ハウスワインをデキャンタで頼んで、グビグビ。

最後は男でもデザートだけは別腹?ドルチェ5種盛を頼んで適当シェア。これも結構食べ応えがあって、満足。

料理はボリューム感があって、コスパはさすがに人気店になるだけのことはあると思う。ただ若干しょっぱいのが気にはなったけど。今回は頼みすぎとワインも飲み過ぎで一人6千円割になったけど、フツーならもっと安く収まるだろうな。帰る頃にも外で入店を待つ人がいたのには脱帽。「イタリア食堂」とはよく言ったもので。

イタリア食堂 タヴェルナ・ポルチーニ

大阪市福島区福島5丁目10-19

06-6451-3700

月~木、土曜 17:00~24:00

金曜 17:00~26:00

日祝休

2009年1月11日 (日)

やっぱ違うわ リオネル・メッシ

090111 最近アーセナルの試合を見るとなんだか欲求不満が募ってしまうので、たまには浮気(?)で別の試合を。

スペインの天皇杯、コパ・デル・レイで6日に相まみえたバルセロナVSアトレティコ・マドリー戦。リーガでは大敗を喫したアトレティコの健闘を期待するが、相手はリーガでダントツ絶好調、向かうところ敵なしのバルセロナ。アトレティコの得点源、アグエロも欠場とあっては、バルセロナ圧倒的優位という感は否めなかった。果たして試合は正に「メッシ・ショー」というべきものだった。

しかし、リオネル・メッシは凄すぎる。まだ21歳、セスクと同い年だが、さすがに彼の前ではセスクも霞んで見えてしまう。すでに若手の枠を超えて、相手DFの厳しいチェックによる宿命ともいえるケガがなければ、既にバロン・ドールを獲っていてもおかしくない。DFがいても、GKが出てきても、それをかわして決めてしまうだけの自信と技術がある。

この試合もメッシの技術が目立った。1点目は右サイドからメッシが持ち込んで、一旦ダニエル・アウベスに預けてのワン・ツーのお手本のようなゴール。2点目は相手がエリア内で犯したファウルによって得たPKを落ち着いて決め、そして3点目は味方クロスをゴール右で受けて、GKをかわして打つだけの余裕をもったシュートで、見事にハットトリック、一人でアトレティコを粉砕してしまった。そしてメッシはお役御免で途中交代、試合自体はバルセロナが3-1でアトレティコを破った。

今季はトレードマークだった長髪を刈って、逞しさも一層増したリオネル・メッシ。世界の至宝、彼がキャリア最高峰と言われる時点はいつで、いったいどのような技を見せてくれるのか、底知れなさを思い知らされた試合だった。やっぱすげ~な、メッシ!

ジュリエット・シュニュ ムルソー・プルミエ・クリュ レ・ジュヌヴリエール2001 A0Cムルソー・プルミエ・クリュ

090111_2 和食に積極的にワインを合わすことはしない。和食に合うのはやはり日本酒だと思っているし、何が何でもワイン、っていうのは窮屈でしかたがないから。でも、このワインなら和食に合わせてもいいんじゃない?と思うことは度々ある。

今回のワインもそうしたものの一つ。ブルゴーニュの女性生産者、ジュリエット・シュニュのムルソー。妹のキャロリーヌが生産を担当し、姉のジュリエットが販売担当をしていドメーヌの「ルイ・シュニュ」と違い、こちらはジュリエットが夫とともに興した生産者と酒商の仲介者、クルティエとして世に出しているワイン。みずからは生産は行わずに農家の実力を評価し、ブドウ、果汁、樽、瓶といった単位で買い付けを行う。それだけに味に対する正しい評価が信用の支えとなっている。

こうしたワインに合わせてみたのはお寿司。にぎりとあなご丼を出前で頼んでのマリアージュも楽しみだが、さて?

色はまったりまではいかないが、落ち着きがあり肉付きの良い黄金色。香りは栗、バター、昆布出汁、藁半紙、焼きリンゴの香り。

口に含むと穏やかな甘み。その後で酸化熟成のニュアンスがあるふくよかな香りが広がり、程よいミネラル感が口の中に緩やかに水平に広がってくる。押しの強さはあまりなく、なめらかで抑制の利いた展開。しかししっかり感じられるミネラルの味わいがこのワインに複雑さを与えている。

余韻はふくよかで柔らかいバター、アーモンドの香りとともに、繊細な旨みが細く長く続いていく。

辛口日本酒にも通じ、その酸化熟成感が古酒の味わいにもつながるものを持っているだけに、寿司にも比較的相性が良かった。ただ、やはり良かったのはマグロ、サーモン、ネギトロといった赤身や脂の乗った魚。イカ、エビに対しては樽が邪魔する感じで、やはり日本酒に勝るものはないといった感じ。アナゴ丼はアナゴ単品はまずまずだったが、甘だれと一緒だとたれの方が強すぎて負けてしまった。

印象に残るようなインパクトには乏しいが、飲んでいて無理なく、負担なく飲めつつ、それでいて程よい樽香の印象、まったりした雰囲気も楽しめるワイン。どんな人にでもこのワインは美味しい、そう思わせることのできるポテンシャルは十分持っていると思う。

【Wineshop FUJIMARU 6,000円?】

2009年のプレミア初戦、アーセナルVSボルトン戦

090110 2008年は思った結果が残せなかったアーセナル。新年最初の公式戦、FAカップではファン・ペルシーがキャプテンとして3得点に絡む活躍で勝利したアーセナルだが、まずはプレミアでこそ勝ちを積んでいってほしい。そんな期待を込めたプレミア初戦は11位とのボルトン戦。

この日ロンドンは氷点下の寒さで、ホーム、エミレーツも若干空席が目立つ。今日は前節で得点を決めたギャラスもケガで欠き、コロ・トゥレがキャプテンマークを巻いてDFに入る。2トップはアデバヨール、ファン・ペルシー。

前半からボール・ポゼッションはアーセナルが圧倒する。しかしボールを持つ割にはなかなか相手ゴール前に切り込めず、中盤でパスを回していくいつもの展開。ただ、時折見せるファン・ペルシーの攻撃、ゴール前での反転からの左足シュート、相手DFをかわしていく動きは好調なんだな、と思わせてくれる。逆に気になるのはアルムニアで、最近影をひそめていた不用意な飛び出しが多く、ゴールが開いてヒヤっとさせられる場面が多い。前半はまたしてもイライラだけが募る展開のままスコアレスで終了

後半開始早々の47分、ファン・ペルシーが右サイド歳奥から細かいドリブルとフェイントでチャンスを作る。得点には至らなかったが、ファン・ペルシーの動きが今日は素晴らしい。他の選手が淡泊過ぎるだけに、余計目立つのか?

時間を追うごとに時折ボルトンの攻撃にヒヤっとさせられる場面も出てきた。それに比べてアーセナルは前半ほどの攻めが見られない。横パスの間に引き気味のボルトンにさらに守られて、攻めのきっかけを失っていく。見ているのがつらい展開。

63分、ついにヴェンゲル監督も動いてディアビに代えてカルロス・ヴェラ。その直後、アデバヨールがフリーになったかと思いきや、相手DFが戻ってこれを阻止。そしてこの頃からアーセナルにエンジンが急にかかりだす。69分、ファン・ペルシーのシュートはゴール右ポストに嫌われて弾かれて、アーセナル得点運に見放されているのか

74分、ここまで不調のエブエに代えてヴェントナーを投入し、前を厚くしていくアーセナル。そしてついに83分、ファン・ペルシーが持ち込んできたボールを右から詰めてきたヴェントナーが蹴り込んでアーセナルがようやく均衡を破った!ヴェンゲル監督の采配が当たった瞬間!

その直後84分、ボルトンのカウンターでゴールを脅かされる瞬間がやってきて、得点には至らなかったがアーセナルの魔の時間が訪れる。86分にはヴェラが左から狙っていくが、これは残念ながらかわされる。ヴェラの積極性は見ていて本当に気持ちがいい

87分、アデバヨールに代えてラムジーを入れて交代枠を使い切ったアーセナル。ボルトンも必死の攻撃を見せるがアーセナルも守備を固くする。92分にはアルムニアがキャッチする場面もあったが、なんとか守りきって1-0でヒヤヒヤものの勝利を手にした

いい試合とは言えなかったが、それでもまずは勝ち点3を手にしたのは大きい。しかし今季のアーセナル、面白い試合が殆どないのが見ていてつらすぎる。ヴェラ投入後にようやく攻めに勢いが出て、ファン・ペルシーの好調さの中からようやく得点が入った。各選手がもう少し点を取る意欲というものを序盤から見せられないものだろうか?新年もあまり変わり映えのしない、面白みのない試合だったのが残念。。。次節はホームで敗れたハル・シティ戦。油断ならない相手にどのような試合を見せてくれるか、楽しみでもあり怖い来週になりそうだ。

2009年1月 9日 (金)

ドメニコ・クレリコ ドルチェット・ランゲ ヴィザディ2005 DOCランゲ

090107 イタリアの2大産地は今でもピエモンテとトスカーナであることは間違いないだろうけど、自分の好みは圧倒的にピエモンテ。トスカーナのワインも旨いんだろうけど、安めのワインにお得感がない。

その点ピエモンテ、バローロで名高い生産者がバルベーラやドルチェットといった品種でリーズナブル、かつ質の高いワインを作ってくれるので、生産者ごとの個性も気軽に楽しむことができるのがうれしいと思っているのだが?

このドメニコ・クレリコはいわゆる「バローロ・ボーイズ」と呼ばれる、新しい果実味に溢れたモダンなバローロを生み出している生産者達の中でも、その先駆者といっていい存在。彼のバローロを飲んだことがあるが、ネッビオーロらしい酸、幅広なタンニンに渡り合うだけの懐の深い果実の旨みがとても印象的だった。そんな彼のドルチェットだけに期待大だが?

香りは干しプラム、ダークチェリー、カカオ、ゴム、かすかにユーカリのようなスーッとする成分も感じる。

口に含むと最初は穏やかだが、その後急激に勢いを増してくる伸びやかな酸、それを追いかけてくる丸みのある果実味、そして最後には若干こなれていない感はあるものの、粒子自体は細かいタンニンがボリューム感を伴ってやってくる。この酸の伸びは、たぶんブラインドだったらバルベーラと間違えてしまうかも。ただタンニンの深みが若干浅いような気はする。

全体にメリハリがあって硬質な印象だ。ただし、味わいに幅広さを感じるが、深みは中程度。ここら辺がネッビオーロとは少し違う感じだ。

余韻はビターチョコのような甘苦さが口に広がり、ベースとなる旨みも滑らか。最後まで充実かつ安定した味わいを保ってくれる。

ドルチェットは落ち着いた中庸な味わいという印象があるが、このワインはボリューム感が際立つ、とても力のあるドルチェットだった。リーズナブルなワインにもその力を抜かない生産車の真摯な努力というものを感じずにはいられない。

【? 2,500円】

2009年1月 7日 (水)

ドメーヌ・ド・リセ クローズ・エルミタージュ エキノクス2007 AOCクローズ・エルミタージュ

090106 シラー好きにとって、クローズ・エルミタージュは本場フランスで安く手に入る無視できない存在だ。だからこの産地のワインならば、とりあえず手に取ってしげしげと見てしまう。その中でもこのワインはラベルで魅せられてしまった。なんだ、このエイリアンみたいなものは?このポップな図柄は?さぞかし若い生産者が手掛けているんだろうと思ったが、その予想は半分当たって半分外れ。

このワイン、実はクローズ・エルミタージュの伝説的な作り手、アラン・グライヨの息子、マキシム・グライヨのものだった。彼のスタンダードなワインは以前に飲んでいるが、これもそうとは全く気がつかなかった。ラベルにも書いてないし。http://cesc22.blog.eonet.jp/default/2008/08/post-04e6.html

このワインは以前に飲んだ彼のワインよりも安いし、名前も出ていないから、カジュアル版として生産しているのかもしれないが、詳しいところはよくわからない。さて、味の方は?

色は凝縮感のある黒の強いルビー色。香りはヨーグルト、黒コショウ、インク、鉄錆、マッチ箱の香り。

アタックは少し舌先にチリチリとした刺激を感じ、その後に若い山ブドウのような鮮烈な果実味とジューシーな酸がやってくる。この酸はとても伸びやかで、すっきりとしている。果実味もさわやかで、それにバランスしたタンニンの細かさも気持ちがいい。重量感のある味わいではないが、軽快でそれでいてベースのスパイシーさ、野生味も感じられるので、味にメリハリがはっきりしている。飲んでいて楽しい気分にさせられる。

余韻もがっちりしたタンニンの渋さと伸びのある甘酸っぱいベリーの味わいがはっきり現れて、最後まで小気味の良い味わいが持続する。

若さと不思議な落ち着きが同居する、印象に残るワイン。爽やかな若々しい果実味が主体だが、お父さんのワインと共通したスパイシーさも併せ持っている。やっぱ子は父の背中を少なからず見て育つもんなのかな、とつくづく思ったりする、そんなノスタルジックさも感じさせるワインだ。

【創酒タカムラ 2,500円?】

2009年1月 5日 (月)

ジャン・ラルマン ヴェルズネィ グラン・クリュ ブリュットNV

090104_3 白、赤ときて、やっぱおめでたい正月だから泡ものも飲み初めしておかないとあかんやろ、と勝手に理屈をこねてシャンパーニュも開けてみた。

自分はあまり繊細さを理解できない鈍感派人間なので、どんなワインでも、それはシャンパーニュでも力強さを求めてしまう。だからシャンパーニュに関してはピノ・ノワールが多い物の方に惹かれるのはもはや習性としか言いようがない。

このシャン・ラルマンはヴェルズネィ村の小規模な生産者で、リュット・レゾネ農法により極力農薬を抑えた自然農法を実践。そしてこの地はグラン・クリュに格付けされる村だから、そのポテンシャルは折り紙つきだから、期待が持てるというもの。このシャンパーニュはピノ・ノワール80%、シャルドネ20%によるもの。

色はかちっとした表面の照り返しが印象的な黄金色。香りは硬質で真鍮の削りかす、白い部分の白菜、石灰、カスタード、幸水梨の香り。

アタックは細かな泡と、柔らかくまろやかな乳酸系の酸。その後に幅の広いふくよかな甘さと、口をキュッと締める底力が感じられる。流線形というよりも、若干の武骨さを思わせるが、それがメリハリになって気持ちいい。中盤の味わいの強さ、コクの深さにも秘めたエネルギーを感じる。

余韻は強めの収斂感に戸惑うところはあるが、充実した味のそれぞれの要素がそのまま減衰したかのような味わいが長く続いていく。

低価格帯のシャンパーニュだけど、とても底力のある強靭な味わいを持っているシャンパーニュ。流れるような味わいとは違うけど、押しのあるメリハリがついたとても好感のもてるシャンパーニュじゃないだろうか。自分の好みにハマるシャンパーニュ、Good JOB!

【Cave de Terre淡路町店 5,000円?】

2009年1月 4日 (日)

ミシェル・エ・ステファン・オジェ コート・ロティ2002 AOCコート・ロティ

090104_2 お正月第一弾の赤ワインは、やはり自分が一番愛しているローヌのシラー、それも最も魅力を感じるコート・ロティを。

このコート・ロティだけは赤ブドウ品種であるシラーに白ブドウ品種であるヴィオニエを混醸することが法律上認められている。コート・ロティ、ローヌ河が北東に蛇行する川沿いの急斜面から生産されるワインは、強い日照にさらされることから強くなりすぎるため、それを和らげるためにヴィオニエを10~15%ブレンドしても良いことになった。

ステファン・オジェはそんなロティの中でも、とても柔らかいブルゴーニュ・タイプのワインを目指しているようだ。ボーヌでブルゴーニュ・ワインの生産、醸造を学び、低温での醸し、攪拌、シュル・リーといった手法を導入している。ヴィオニエを使わないロティの生産者もいるが、オジェはそうしたスタイルもあってか、比較的ヴィオニエを多く使っているようだ。

色は少し曇りのある黒の強い、湿ったルビー色。香りはカシス、粒コショウ、墨、スモークしたハムといった、落ち着き、暗さのある香り。

口に含むんだ時の印象は思いのほかまろやか。その直後スパイシーさを含んだ伸びのあるカシスの果実味と酸味が広がる。その味わいもあまり重量感はなく、タンニンも細か。柔らかだが、若干凝縮感というか膨らみへの期待には反するところもある。中盤も押してくる感じではなく、まとまりのあるしなやかな優美さが展開していく。

余韻は果実の甘さよりも、スモークしたハムを噛んだときの味わいが強く、それが収まるとベースに潜んでいた爽やかな酸が口の粘膜に浸透していくのを感じる。

もう少し「ずうずうしさ」があってもロティらしくていいと思うんだけど、この洗練性はまた違った個性には違いない。コート・ロティというアペラシオンの多様性、シラーの魅力と可能性、そして生産者の思いが十分に詰まったワインと言えそうだ。

【Cave de Terre 淡路町店 7,000円?】

ミアーニ トカイ・フリウラーノ2001 AOCコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ

090104 この道を志す者、ここを通らずして何を語らんや・・・

別に誰が言った事でもないけど、確かにそういう物があるのは事実。そしておよそ北イタリアにハマった、と公言する者として一度は飲まずには済まされないワインがこれだった。

ミアーニ。恐るべき低収量の生産者。畑にブドウがない、とまで言わしめただけに、価格以上に手に入らない。しかしそれを排してでも飲んでみたいものがこのワインにはあった。

高々15haの畑から生み出される7500本のワイン。このトカイもまた5~6haからわずか2,500本のみが生産される。こうしたワインを日本で味わえるだけでも幸運と言えないだろうか。だからこそ2009年の一本目としてはこのワインしか考えられなかった。

色は緑の濃い張りつめた緊張感のある色合い。香りもまた深く、1m先にいた父が「良い香り」と言わしめるほどの深さ。ナッツ、グレープフルーツ、マロングラッセ、擦ったマッチといった甘さ、青さ、そして火薬のような危うさを感じる香りが一体となってふくよかさを演出している。

口に含むと意外におとなしい。しかし直後フルーツの甘さが程よく広がってくる。ここまでなら普通のワインだが、ここからが違った。最初の入り口はあくまで自然、しかし時間を経るごとに大きく膨らみ、そしてどんどんと押し出すかのように味わいの複雑さが増してくる。ポワロ葱のような苦さ、そこにかぶさるかのように上質のプリンスメロンの甘さ、それが混然一体となって迫ってくる。この尻上がりに広がってくる味わいは何なのだろうか?それでいて鮮烈さを保った酸が則を超えさせず、しっかりとした輪郭を保ちながらその中で複雑かつ凝縮した味わいを展開していく。

余韻もまた甘いピスタチオのような甘さ、香りを漂わせつつ、フリウラーノらしい塩っぽさも十分感じさせながら、嫌みのない懐の深さを感じさせる余裕を十分意識させる味わいを保って、長い時間その力量を発揮していく。

厚みはあるのだが、これを厚みといってもいいのだろうか。一言で片づけるにはあまりにも深遠で、底力、それも計り知れない力量を感じさせるワインだ。惚れていけないものもあるはずだけど、この深みに惚れずして何を語るべきなのか?イタリアの最高峰に触れることのできた2009年正月に乾杯!

【Cave d'Orange 12,000円?】

2009年1月 1日 (木)

謹賀新年

謹賀新年
このブログを見てくださっている方々、明けましておめでとうございます。昨年は毎日延べ2百から3百の方に見ていただき、知らない方から突然声をかけられる事もありました。(なんでばれたのか?)

コメントしていただいている常連の方にも特に感謝しています。特にアーセナルを応援するiruyakさん、berg-kampさん、状況は厳しいですが諦めずに見守っていきましょう。エドゥアルドとセスク、ロシツキーに早く戻ってきてほしいです。

今、帰省中でこちらは一日雪となりました。実家で天皇杯を見ましたが、柏VSガンバ大阪、延長最後まで緊迫感のあった、決勝戦に相応しい試合で感動しました。最後はガンバがアジア王者の意地を見せましたが、柏もよく守ったしチャンスもありました。まさに紙一重の結果でしたね。

さて、ブログへの本格復帰は帰阪の3日からです。それでは皆様よい正月を〜