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2008年11月

2008年11月30日 (日)

東京の夜はKyoyaで締める

081128kyoya3 怒涛の美術展4軒ハシゴ、10時から始めて上野→六本木→渋谷と渡り歩いて、終わったのは6時半。帰りの新幹線は20時30分予約で、あまり時間はないけど、やはりなんか飲んで帰んないと収まりがつかないので、またまた赤坂のリストランテ、Kyoyaさんに突撃してしまった。

ここの料理は旬の素材を使っていて、ワインとのマリアージュが楽しめる。やはり料理あってのワインだからね。ワインだけだとポテンシャルがなかなかつかめない。その割には家飲みが多いじゃないか!って声が聞こえてきそうだけど、その時もちょっとアテはつまんでるんですよ~

081128kyoya1 まずはエミリア・ロマーニャのマルバジア。琥珀色で少し薄濁り。輸入元はヴィナイオータ。う~ん、納得。こういうのを、今後は利休好みならぬ「太田好み」と呼んでもよさそうなカテゴリーになりつつあるか?もともとは発泡性につくっていたようだけど、そうはならなかったのが、わざわざ裏のラベルの「Frizzante」の文字がマジックで塗りつぶされているのがなんとも几帳面で、思わず笑わせてくれる。

味は色の割に繊細でそれほど濃くはない。素朴な甘みと、自然な浸透力が心地よい、やさしいワイン。

081128kyoya5_3 この後は、ピエモンテのクロアティーナの赤。ピエモンテも最近はネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェット以外の品種にお目にかかるようになった。クロアティーナを前面に出したワインってのはまだまだ珍しい。こんなワインをグラスで用意してくれているから、本当に泣けてきます。さすが東京、受け口が広い。ワインは穏やかで、酸は控えめ。しかしブルーベリーの熟した果実味がとても伸びやかで、後半に現れるしっかり主張のあるきめ細かなタンニンがうまく若い味わいを底ザさえしていた。

081128kyoya7  最後(実は最後じゃなかったんだけど、これはオフレコ)に飲んだのは、スロヴェニアのピノ・グリージョ。フリウリに近くもっと繊細なワインなのかと思ったけど、どうしてどうして、酸化熟成の風味を持って、かなり重厚な味わい。渋さ、ミネラルが密度を持った凝縮した味わいを形成していた。

するっと飲むワインではなくて、口の中で一旦留めておきたい、「噛みこむ」ワイン。いや~、面白いもんです。予想とは全然違うんだもんな。

081128kyoya4 081128kyoya8_2 

なんだかんだ言って、パスタからドルチェまで食べてしまった。肉厚の牡蠣のパスタ、うまかったな。ドルチェもブラッドオレンジを使って、香りもしっかりあって素敵。ワインも飲んで、しっかり食べて、デザートも楽しんで、東京の休日は充実したものになりました。

2008年11月29日 (土)

ファットリア・パラディッソ バルバロッサ イル・ドッソ2003

081129_2 イタリア土着品種好きもここまで来たか...バルバロッサという品種があるなんて全く知らなかった。歴史好きには興味を引く名前だが、この品種手持ちの図鑑にも載っていない。わずかに1行、エミリア・ロマーニャ州の品種と記載があった洋書があったのみ。

バルバロッサは神聖ローマ皇帝フェデリコ(フリードリッヒ)1世のあだ名で、「赤髯王」と称された彼は英雄とも称えられたが、十字軍のさなか謎の溺死を遂げた。

そんな皇帝がかつてエミリア・ロマーニャ州の地を訪れたことから名付けられたこの品種はつい最近まで全くブドウを栽培していなかった畑から見つかった希少品種だとか。そしてこの品種を栽培することが認められているのはこのファットリア・パラディッソ、「天国の農園」社だけなんだそうだ。

ワインはノン・フィルター、18ヶ月を大樽、6ヶ月を小樽で、そしてさらに12ヶ月を瓶内熟成で仕上げたワインだ。

色は深みのある沈着性を持ったルビー色で、液面に粒子を感じる。香りはスミレ、プラム、ミント、ドライフラワー、なめし皮の香り。

口に含んだときは意外に滑らかだが、時間差を置いて荒々しいタンニンと、ボリューム感のある黒ブドウの旨みがふくらんでくる。このタンニンがゴツゴツとしていて、口の中で少々暴れる感じ。しかしそれをなだめるかのように、柔らかなうまみがそれを覆うかのように働いて、一定の収束感を与えてくれる。

余韻もまだ動き足りないタンニンを抱えつつ、包容力のある旨み成分が口の中に広がって、それがなかなかに消えない。最後まで収斂感を持ちつつ、粗い風味の余韻が長く続いていく。

上品とは言えない、野性味のあるワインだろうか。しかしそうでなければ、とっくに廃れた品種を今の世に再び送り出そうという醸造家のやる気を奮い立たせるインセンティブにはなりえないだろう。きれいなものよりも、クセのあるものを好む向きには面白いワインといえそうだ。もちろん自分もその一人なんだけど。

【ラ・カーヴ・ド・リーガ 4,800円】

キャプテン・セスク、船出を飾る!

081127cesccaptain 一軍で200試合を超える出場を誇ろうとも、わずか21歳でイングランドの名門チームのキャプテンマークを巻くことになったプレッシャーはいかばかりのものなんだろう?

セスク・ファブレガスにとって初めてのアーセナル・キャプテンとしての試合はチャンピオンズ・リーグでのディナモ・キエフ戦。ギャラスと違い、大声をあげるタイプでなく、ましてや点を取りに行くタイプでもないセスクだったが、その初の責任はプレイで見事に示した。

0-0でこう着状態だった試合は後半87分、レフリーがケガで試合を止めたところからの再開で、セスクが上げたロングボールをベントナーが腕を使ってコントロールしたように見えたものの、審判はノーホイッスル。そしてこのボールをベントナーが2人のDFを抜いてゴールを決めた。この値千金のゴールでアーセナルは見事に本戦への進出が決定、見事なセスクの新たなステージへの船出となった。

そのセスク率いるアーセナルだが、プレミアではどん底とも言える状態。すでに5敗を喫し、プレミアのタイトルは絶望的な状態だが、セスクはまだまだこれからだと言う。

「目標はトロフィーを抱くことだ。チャンピオンズ・リーグでは最終の16チームの中にも入った。どの試合でも勝機はあるさ。」

「今季プレミアはまだ14試合しか戦っていない。リーグはこれからだし、何も終わったわけじゃない。僕たちは最後まで戦うだけだよ。目標はプレミアに戻って、そして勝つことだ。他の上位チームだって同じように苦労しいるじゃないか。」

「チームとしてまとまった試合をして、そして巧妙で早いパスができればどんなチームが相手だとしても勝利を手にすることができるんだ。アーセナルというチームは引き分けを狙わない。いつだって勝ちに行くんだ。チェルシーも同じだと思う。その証拠にチェルシーと対戦する時はどの試合でも勝つために前へ前へと攻めてくるんだ。」

マンチェスター戦以上に正念場となったチェルシー戦。前節はセスクをイエロー累積出場停止で欠いて全く精彩を欠いたアーセナルだったが、常に土壇場で力を発揮してきたチームだけに、セスクの積極性とチームの若い可能性に期待して、あきらめずに勝利を期待し応援を送りたい。

2008年11月26日 (水)

ヴィルヘルム・ハンマースホイ展

ヴィルヘルム・ハンマースホイ展
デンマークの画家、ヴィルヘルム・ハンマースホイ。日本では無名だった画家の展覧会は当初「北欧のフェルメール」と銘打たれていた。安っぽいコピーに反感を覚えたが、実際に作品の前に立つと確かにそうした宣伝文句も頷けるところがある。ただし、両者の静謐、沈黙の間には越えがたい性質の違いがあった。フェルメールに感じた絶対的な静止、次の瞬間も動くことはないであろう安定、安心感がハンマースホイには希薄で、そのかわりに相対的な静止の感覚、今は止まって見えるが次の瞬間にもはたして同じ情景なのだろうか疑いを抱かせる描写で、油断ならない緊張感が感じられた。

しかしそうした緊張感も曖昧にぼかされた空間描写で意図的に緩和されている。このような感情はマグリットの絵を見た時も感じた。しかしマグリットは現実社会が突如非合理な世界に陥るかもしれない不安をあからさまに提示する事で不安感を扇動したが、ハンマースホイはそれを包み込み、鑑賞者に任せることで同じような感覚を暗示した。果たして心に刻まれてくる物はどちらが強いか?

それにしても、この作者の一貫した芸術世界はどうだろうか。若き頃から晩年に至るまで、その作品は殆ど変化していない。このような作家は今まで見たことがない。そして北欧の湿ったメランコリックな風景を描いて、ここまで美しいと感じたことはなかった。コペンハーゲンの晩秋、クレスチャンスヴォー宮殿を描いた風景画は、今まで見た中で最高のものだったと思う。
そして後半生、ハンマースホイが描き続けた後ろを向いた人物のいる室内、鑑賞者に一定の距離を求めつつ、しかし拒絶することはない。いつの間にか作品との間で接点までの距離の計り合い、居場所探しをしている事に気付く。

その場所が定まったとき、ハンマースホイの風景が自分のものとなって、本当の静謐が手に入る。それまでにはある程度の時間、画家との対話が必要といえそうだ。

ヴイルヘルム・ハンマースホイ〜静かなる詩情〜
国立西洋美術館
〜12月7日

ル・マゼル セ・タンポルタン2007 VdP ラルデッシュ 

081127 イタリアはまさに土着品種の宝庫というべき存在だが、ふらんすもどうしてどうして、まだまだ知らない品種は存在するものだ。有名どころではロワーヌのビオの旗頭、ティエリ・ピュズラがロモランタンなど、ほとんど廃絶しかかった品種を前面に押し立てたワインを生産している。

そしてローヌでもやはりビオの生産者、マゼルが着目したのはポルタンという品種。それをフランス語のフレーズに茶化して、「セ・タンポルタン(重要なのだ)」という名前で売り出したところが、フランス人一流のウイットというものなのだろう。

色は黒の強い濃縮ジュースのような湿り気のあるルビー色。エッジまでどっしりと色素が入っている。香りはつぶした直後の胡椒、ビニル、マッチ箱、火薬、緑青のような錆を思わせる香りも感じる。果実よりも獣的、皮革の香りを感じる。

口に含むと丸い酸と、粒子が粗めな分それを押し隠すかのようなボリュームを持った少し大胆なタンニンを感じる。ゴツゴツ感のあるタンニンに運ばれてくるのは、ほっこりした焼き芋的甘さ。そしてそれらの要素が収まると、口の中にざらつき感と硫黄的な香りが残るのが気にかかる。

余韻もそのゴツゴツ感が残り、なかなか消えない。口に広がる甘さの感覚は悪くないけれども、この粗っぽい粒子感、不自然な人工的香りが強く残り過ぎて引っ張りすぎる。

何か薬品的な感覚が抜けずに、ワインを飲んでいるという心地が感じられなかった。即断はできないものの、品種の特性というよりも、おそらくは造りによるものが大きく影響しているのではないかと思う。昨今ビオワインというだけでもてはやされる風潮があるけど、ビオ=うまいワインという等式が成り立つものではない、そういう事は声を大にして言いたいときがあるし、今がそうした気分であることは確か。

【? 2,000円?】

2008年11月25日 (火)

救世主はこの男しかいなかった! セスクがアーセナルの主将に

081126cescfabregas 土曜日のマンチェスターシティ戦、セスクがイエロー5枚累積で出場停止となったこの試合、帰郷中のためビデオ録画はしていたものの、結果を先に知ってしまったため、見る気も起きずにお蔵入り...のつもりだったが、やはり見なきゃと思いつつ見た。結果はわかっていたけれど、やはり見なければよかったと思うほどのここ数年での最悪の出来だった。

ベントナーは相変わらず結果を出さない。何度も好機を作ってもらいながら、それを生かすことができない彼を使い続けるヴェンゲル監督の忍耐、気持ちはわかるがそんな悠長な事態だろうか。負けるのならいっそ若い選手を試して、積極的な姿勢を示してくれれば苦しいながら納得もできるんだけど、今までの戦い方を繰り返すだけではこのピンチは打開できないのではないだろうか?

ギャラスがチーム内の内紛を暴露する発言でキャプテンを剥奪された。彼の行為はよろしくないとしても、そうした憤りはチームを見守る者の気持ちを代弁したものであることも事実。ピンチでもボールに食らいつくことなく、早々と諦める選手たちを見れば、そうした言葉も吐きたくなる気持ちは理解できなくもない。吐く場所、手段は選ぶべきものだろうが。

そんな中で、ついにアーセナルの立て直しはこの男に多くを負うこととなった。セスク・ファブレガスがウィレム・ギャラスに代わって恒久的なチーム・キャプテンに指名された。ヴェンゲル監督は語る。

「ファブレガスが今後キャプテンを務める。ずっとだ。理由を話す必要はないだろう。キャプテンは外に向かってクラブの声としての役割を担うものだし、チームのリーダー的存在の一人でもある。」

「しかし私はチームの問題を解決するために、ロッカールームで一人の選手だけに信を置くことはない。成功を収めているチームというものは、リーダーとしての責任を選手間で分担しているものだ。だからセスクもリーダーの一人であって、彼一人に負担を負わせるわけではない。」

セスクはかねてからキャプテンに指名された時はそれを受ける、と発言してきたが、ついに名実ともにアーセナルの顔となったことに対してその意欲を語っている。

「世界でも最高のチームの一つであるアーセナルのキャプテンに指名されたことを名誉に思っているよ。今、まさに誇らしい気分だ。責任は重いけど、チームのみんなとやっていく。僕たちには強い気持ちがあるし、再び勝利をもぎ取る意欲、自分たちの可能性を発揮するだけの力があるんだ。」

この水曜日はホームでのチャンピオンズ・リーグでのキエフ戦。キャプテン交替でチーム再生に向けて真の若手中心チームへと不退転の舵を切ったヴェンゲル監督。そしてこのキャプテンシーが、今季は昨季に比べて積極性に欠けていた感のあるセスクのプレイにも好影響を与えることを祈りたい。

静寂の紅葉を楽しむ 智積院

08112_2 京都の紅葉と言えば、東福寺が横綱級なんだけど、人混みが嫌いな自分は、着くまでに酔ってしまうので、とてもとても。

だから、あえて静寂の中で堪能できそうな場所を選んでいくことにしている。今日は東山七条の古刹、智積院へ。ここには長谷川等伯の「楓図」、そしてその息子で若くして亡くなった久蔵の「桜図」の国宝襖絵が残っている。年月を経て金地も当時の輝きを失っているが、だからこそ枯れた雰囲気がなんともいえない情緒、雰囲気を醸し出して、何度見ても飽きない。建物は比較的新しく、訪れる人も多いとはいえないが、だからこそ落ち着いて楽しめる、珠玉のスポットだ。襖絵を観賞して、庭園へと向かう門の傍にも赤く染まった葉が緑青をバックにとても美しかった。

081124庭園も静寂の中で池越しに色づく紅葉が美しい。この日は雨の中、庭の苔、緑が色濃く、黄色、紅に色づいた木々を引き立てていた。そんな色彩の競演にしばしたたずみ、贅沢なひと時を楽しむ。 

庭園を出て、本堂たる金堂に上って振り向くと、境内を歩く舞妓さん(?)の姿。きらびやかな着物姿が雨と紅葉によって艶やかさをさらに加えて、京都の情緒を感じずにはいられなかった。

081124_2絵になる情景とはまさにこのことか。しばしその後ろ姿を追う。尋ねる人少なき寺にこそ、真の京都の心がある、そんな心持にさせられた智積院での贅沢な一時。

2008年11月23日 (日)

ジ・アイリー・ヴィンヤーズ オレゴン ピノ・ノワール2005 

081123 どこのワインが好きかと聞かれることが多いけど、そういう時は「節操がないんで、どこでも」と答えることにしている。結果としてイタリア、ローヌに偏ってはいるんだけど、入り口からあまり制約、縛りを設けることはしたくない。それは人に対しても同じ。人それぞれに考えもあるし、嗜好もあるから、ホームパーティなどでは好きなものを気軽に持ってきてもらうようにしているつもり。自分が選ばないようなものを持ってきてもらって、驚く楽しみのほうが多いから。

今日もそんな気持ちが働いたのか、珍しくこのワインに不思議と目が行った。アメリカ、オレゴン州のピノ・ノワール。普段はあまり手にすることのないカテゴリーだが、だから余計に興味が惹かれたのかもしれない。

ジ・アイリー・ヴィンヤーズはまだオレゴン州がワインの産地として一般的でない1966年から、この地でのピノ・ノワールの可能性に着目してワインづくりを始めた。カリフォルニアの北、オレゴン州ではそれ以来冷涼な気候を生かしたワインづくりをしている。ボリューム感よりも繊細なタイプはフランスを思わせるが、フランスの夏暑く冬寒い気候に比べると、オレゴンは夏は涼しいものの冬はやや穏やか。そうした気候の違いがオレゴンを単にブルゴーニュの模倣とは違う個性的な産地にしているという。そして優良なワイナリーの集合体、ブルゴーニュの大手ネゴシアン、ドルーアンがこの地に進出を決めたのもそうしたワイナリーの品質が決定的な理由だったという。

色合いは深みのある濃い紅茶のようなルビー色で、エッジは中程度までの色素の入り具合。香りはストロベリー、紫の花、スミレ、イチジク、鉄分の香りもある。

アタックは鮮烈で伸びやかだが、まとまりのある酸、そして甘く若い、果実味の詰まった旨さが続く。深さは中庸でタンニンも強くはないが、旨み成分が細かく、酸がその繊細な旨みを均等に舌の表面に広げていく。

まだ若い印象はあるが、それでも安定感は既に感じられ、年とともに旨みを深めていくポテンシャルを期待させる。余韻にはビターカカオの要素、少しオイリーな香りが口の中に広がり、重厚さも感じさせつつ、最後には涼しげな若いベリーの香り、旨みが戻り、ゆっくりと引いていく。

カリフォルニアのピノ・ノワールとは違う個性、涼しげだが深みもある二面性がオレゴンワインの魅力なのかもしれない。たまにはこうした普段飲まないワインを飲むのいいな、と思ってしまうような、とてもチャーミングなワインだった。

【阪神百貨店 5,800円】

2008年11月22日 (土)

夜はシェリーで ヴィネリア・リンコントロ

081121 ボジョレーで高揚した体を抑えきれず、明日は仕事と分かっていてもついつい寄っちゃうワインバー。でもバーというよりもこちらはレストラン的な色彩も強いかな。

淀屋橋から梅田方面に歩いて約5分、いつも厳重な警備に守られているアメリカ領事館の近く、ヴィネリア・ランコントロ voneria l'incontro はこの7月に開店したんだそうだ。隣はいつも満員盛況のポルトガル料理店。ふとした偶然で通りかかった(この道は通勤経路じゃない)時に入って、シェリーが置いてあったのがとても気に入った。しかもマンサニージャがあるじゃない!これは自分のストライクゾーンにズバッと入ってしまった。

シェフがシェリー好きで、マンサニージャの産地、サンルカ・デ・バラメーダまでわざわざ行ったほどのマンサニージャ好きだそうだ。それは筋金入り、恐れ入りました。この日はフィノから入ったけど、いつもなら即、マンサニージャ入りです。

081121_2お得なのは、シェリー1杯にこの料理がつくセット。これで確か1,680円だったと思うんだが、シェリー好きにはたまらない。でも飲んだら飲んだで勢いついて、1杯だけで済まないところが意志の弱い自分にとっては困ったもの。そしてその意思を弱めるだけのグラスワインがこの店には多くあるんだからな~

この日はこの店もボジョレーがメイン。さすがにこれ以上ボジョレーってのもなんなので躊躇していると、若いソムリエの方が「何か開けましょうか?」と言ってくれる。で、さすがに遠慮がちに「じゃ、バルベーラタイプの酸がきれいなやつをお願いします。」と言ったら、本当にバルベーラを持ってきてくれた。これはうれしいね。

081121_3 その後は再びシェリーに戻って、やはりマンサニージャを。この日飲んだマンサニージャは、特徴といわれる塩っぽさも若干控え目で、それでいて後半の旨みのボリューム感がとてもスムースに広がっていく。そしてこの芳香、ふくよかな余韻がシェリーの魅力。何杯飲んでいても、この香りにはただただ陶酔しかない。

この日は飲まなかったが、一番左端はペドロ・ヒメネスの甘口ワインだが、なんとヴィンテージは1927年。さすが、甘口ワイン、これほどの体力を備えつつ、しかも価格はグラスで2千円超えない。シェリーの境遇を何よりも語る現実だけど、呑み助にとっては利点としか言いようがない。仕事場から歩いて15081121_4 分、歩いても帰れる距離だけにまたヤバイ店に出会ってしまったな。夜も2時まで、ぱっくり口を開けて待ってます。

ヴィネリア・リンコントロ vineria l'incontro

大阪市北区西天満4-12-10

06-6311-7007

日曜休

ボジョレー・ヌーヴォーはBABBI BABBIで

081120 11月20日は言わずと知れたボジョレー・ヌーヴォー解禁日。やっぱり初ものは押さえてきたい、でも当日でなくても...という極めてやる気のない自分はこういう日に多いイベントにはほとんど参加したことが今までなかったんだけど、今年は迷わずBABBI BABBIさんのワイン会に参戦!だってラインナップと価格のミスマッチが凄すぎる。このラインナップで3,500円はありえへんやろ~、って感じだったから、珍しく賛同してくれそうな友人に声掛けまくって5人で参加した。そして当日は定員を超える参加者、そして予定を上回る量で、まさに大満足のワイン会となった。しかし今年のボジョレー、天候に恵まれなかったとか、あまりいい声を聞かないのだが、果たして?

081120_2

1.ボジョレー・ヌーヴォー2008 ジョルジュ・デュブッフ

言わずと知れた帝王のワイン。毎年お世話になります。今年はボリューム感よりもやさしく若い果実の旨み、程よい酸で、過熟の年よりも好感は持てる。こじんまりとした小粒の果実をほうばる感覚かな?

2.ボジョレーヴィラージュ・プリムール・レ・ラパン 2008 フレデリック・コサール

ブドウの樹齢は100年、完全無農薬というこだわりのボジョレー。透きとおった酸が印象的。かすかに舌先にガスを感じる。アセロラのようで若いピュアな果実感覚。後半に向かって旨みが伸びてくる、鋭角2等辺三角形のようなフォルム!?

081120_4 3.ボジョレー・ヌーヴォー2008 ルー・デュモン

仲田晃司さんの「天地人」ワイン、ボジョレー版。味の系統はデュビュッフに通じるが、さらに深く、そしてタンニンの懐の深さが際立つ。ガメイの穏やかな酸にマッチした渋さのバランスが良く、ワイン全体の流れがとても自然。

4.ヴァン・ヌーヴォー・ブラン 2008 ティエリー・ピュズラ

ここで少し浮気してロワールのソーヴィニヨン・ブランを。レモネードのような鮮烈な酸にくるまれた充実感のある旨み、塩っぽい感覚。ライム、ハーブの香りが涼やか。余韻もたっぷりのコクを感じる。でもお酒って感覚はないか、これは飲みすぎそうでヤバイ!

081120_5 5.ヴァン・ヌーヴォー・ブラン 2008 ラ・グランド・コリーヌ

こちらも日本人、大岡氏の手によるもの。シャルドネとヴィオニエによる白ワインは、トロピカル・フルーツのような熟した甘さを感じる。それを和らげるリンゴのような酸と、軽いガス。余韻はほのかな苦みが発散しそうな味わいを引き締める。

6.ヴァン・ヌーヴォー・ルージュ 2008 ラ・グランド・コリーヌ

ガメイとシラーによる赤ワインは、落ち着きのあるジャムの味わいと、スパイシーさが同居していて、重みのある落ち着いたワインになっている。熟した旨味が口の中に広がり、それを押しのけるかのような馬力のあるタンニン、この荒っぽい味の展開こそが新酒の醍醐味。

081120_6 7.ボジョレー・ヴァン・ド・プリムール2008 フィリップ・パカレ

まずはボジョレーで人気筆頭のパカレ。でも今年はボトルで4千円超えてるし、異常?飲んでみたら予想外、意外にきちんとしたボジョレー。デュビュッフの系統に似て、それでいてタンニンのボリュームはやはり出色。香りもバナナじゃなくて、もっと混沌としたドライフラワー、タイム、豚骨ラーメンのような混沌とした香り。案外バランスが良かったのは想定外?

8.ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー2008 ドメーヌ・リュエ

ヴィラージュの新酒らしい落ち着きのあるワイン。酸もまろやかで、その中に溶け込んだタンニンがやがて主張を強くしてくるが、それでも一定の則は超えない。ワインとして見た場合でも十分にまとまりのある、バランスのいいワイン。

9.ヴァン・ヌーヴォー・デュ・テュエ・ブッフ2008 クロ・デュ・テュエ・ブッフ

ピュズラ兄弟が所有する畑のドメーヌ・ワイン。最初からガツン!とくる酸とタンニンのガチンコ勝負。序盤の格闘が収まると、一転凪のように穏やかな旨みが広がるメリハリの魔術。でもついていくにはかなりの忍耐力が必要?

10.ア・トワ・ヌ プリムール2008 アンドレア・カルク

ボルタンというワインから産み出されたワイン。ここまでくると、酔いも廻って記憶が定かでない...とてもジューシー、落ち着きのある果実実にあふれたワイン。

11.モルゴン200? マルセル・ラピエール

最後はとっておきのクリュ・ボジョレー。さすがにヌーヴォーとは隔絶した重厚感、厚みがあるワイン。プラム、カシスジャムのような落ち着きのある香りと、まろやかな酸、緻密で骨格のあるタンニンがワイン全体を芯のあるものにしている。酔ってはいても、その酔いを一瞬覚醒させるがごとく、その世界に引き込む存在感。

最後のパスタは、おなかがすいたのでシェアした2皿。このお店ご自慢の犬鳴豚とトマトソースのパスタ、そしてキノコのクリームパスタで腹も満たして、大満足のワイン会となった。これで1人4,200円だからね、間違いなく赤字。店長の心意気に完敗、もとい乾杯!

BABBI BABBI http://r.gnavi.co.jp/c503600/

大阪市中央区博労町3-3-15

06-6252-6355

11:30~14:30 18:00~24:00

月曜休

2008年11月20日 (木)

マキャヴェッリ フォンタッレ キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ2003

081119_2 もう今日はボジョレー解禁日。今頃一斉に乾杯してるのかもしれないな。でもその一杯は今晩にとっておいて、今夜は珍しくトスカーナのサンジョヴェーゼ。

サンジョヴェーゼには大きく分けてトスカーナ型とロマーニョ型に分かれ、そのトスカーナ型も粒の小さいピッコロと大きいグロッソの2つに分けられる。普通キャンティはピッコロ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはグロッソから作られるが、このワイナリーはグロッソからこのキャンティを作っているという。

濃く暗いルビー色で、薄にごりを感じる色合い。香りはプルーン、黒コショウ、トマトのオイル漬、鉄分の香りを感じる。

口に含むとストレートに染みあがってくる若くピュアなベリーの酸。しかしやがて丸みを帯びて、口の中にイチゴの甘い旨みが広がる。タンニンも酸とのバランスがよく、重さを感じさせない。角のないまろやかな味が口の中に収まり、流れるようにゆったりとしたテンポで余韻へとつながっていく。

余韻は嫌みのない、程よい繊細な甘さが心地よく、強靭なわけではないがそれでも細く長く、きれいな酸の後味も感じさせながら弾いていく。

キャンティらしいイチゴをほうばった時に感じるピュアな果実感がよく詰まって、それでいてまろやかさ、落ち着きも感じさせる。とてもチャーミングなワイン。たまにはトスカーナもいいですね~

【大丸梅田店 3,500円?】

2008年11月17日 (月)

ロンコ・セヴェッロ レフォスコ2006 DOCコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ

081117_4 ようやくパソコンが復旧、というか新たにセカンド用でノート型のパソコンを購入。でも古い奴ももうすぐ修理に出しますよ。でも最近調べ物にはインターネットに頼りっぱなしだってことを実感。

で、壊れたパソコンとともに記念写真じゃないけど、今日の御供は北イタリアの土着品種、レフォスコ。これがたぶん初体験。造り手は最近注目のロンコ・セヴェッロ。

ロンコ・セヴェッロはフリウリ州で父の跡を継いでワイン造りを始め、有機栽培、亜硫酸を極力抑えたワインを造り続けて最近の評価も高まる一方。長時間の醸しで、ブドウのうまみを極限まで抽出しようとする造りを志向する。レフォスコも最近フリウリで注目を浴びつつある赤ワイン品種だが、まだまだ一般的とはいえない知る人ぞ知る土着品種だ。

香りはカシス、イチゴジャム、梅干し、ハーブ、粒コショウの香り。色は深く落ち着きのあるルビー色で、エッジまでしっかりと色が入っている。口に含むと、少しざらつきを感じる粒子の粗さを感じるが、ピュアではじけるような活きのいい酸、まさにもぎたての山ブドウのような印象だ。

活発な酸が、勢いを落とさずに終始このワインの味わいを決定づける役割を果たす。ワインの骨格を作る若いが安定感のある酸、その中に深いという感じではないが、葡萄の皮をかじった時のような爽やかな渋さが含まれている。そして余韻もまたこの伸びのある酸が最後まで持久力のあるところを見せて、さわやかな渋さの心地と若干の粗さを感じさせつつ、この独特な品種の個性を締めくくる。

陶酔できるような滑らかさはないので、ワインとして本当に旨いと言えるのか、正直戸惑うところがある。でもこの荒削りさにかえって魅力を感じるのは、自分がかなり偏屈な趣味に陥ってるせいなのかもしれない。でも、そんな趣味を差し引いても、この自然さ、体に染みてくる不思議な感覚には抗いがあい魅力がることは確かだ。

【エーテルヴァイン 3,500円?】

ローヌワインは時が必要 Winebar amphora古酒の会

081117 日曜日は心斎橋のワインバー、アンフォラでの古酒の会。いつもはブルゴーニュが多いこの店では珍しい、ローヌワインで揃えた古酒の会とあっては、行かなければ!

ということで8人での開宴となったが、まずはシャンパーニュから始めるところはこの店らしいなぁ。やはり始まりはシャンパーニュ、これは納得するところ。

081117_2 1.Richard Cheurlin Brut Carte Noire N.V.

アタックはすっきり、伸びのある酸、しかしピノ・ノワール75%らしい、しっかりした旨味を持っている。その後にふくよかなミネラルの味わい、きっちりの張りのあるほろ苦さが余韻を引き締める。

2.Hermitage ”Ex Voto”2001(GUIGAL)【白】

最初は素直で思いの他するりと入ってきたが、時間とともに深みが出てきてニッキ、酸化熟成の香りが膨らんできた。シェリーのような香りと旨みが台頭してきて、最後にはほのかな苦さを感じる。全体の味わいは割にスムース。まだまだ時間を経て変わる要素を秘めている。

3.Gigondas 1998(Ch.de TRIGNON)

すずしい若いベリーの酸が活き活きとし、それでいてやわらかな落ち着きのある味わい。タンニンはまだ硬いところもあり、もう少し熟成も可能なポテンシャルがある。余韻はほっこりした甘さ。ゆったりしたワイン。

4.Cote-Rotie ”Cotes Brune et Blonde”1990 (E.GUIGAL)

湿り気のある香り。埃、スパイス、プラムの香り。なめらかで繊細、かつ柔らかい酸の中に 、スパイシーな張りのある味わいが詰まっている。タンニンは張りがあり、骨太な印象。しかし時間を経ると、少しタンニンが立ってきて、若干際どさも感じられた。

5.Cote-Rotie ”Cotes Brune et Blonde”1980 (E.GUIGAL)

獣のような香りが放たれて、何か怪しい気分に。黒コショウ、ブドウ皮、ドライフラワーのような香り。味わいの角が取れて、流線形のプロポーション。やさしい旨さが乗ってしなやか。余韻へと伸びやかにつながっていくが、あまりに流れるようでそこに戸惑いも。。。

6.Cote Rotie Jumelles 1983(Paul Jaboulet)

金属、粒コショウのような異質の香り。伸びやかな酸、滋味のある旨さがうまく溶け込んでいて、バランスのよさが印象的。まだ少し固さも残るタンニンが、熟成の期待感を高める。

7.Cote Rotie Jumelles 1979(Paul Jaboulet)

土、古い新聞紙の古びた香りが強く放たれる。酸が直線的に立ってきて、その中にまだ若さを感じさせる果実味が含まれる。ただ、その味わいもふくらみ、タメに欠けるのか、記憶をたどるだけの余裕を与えてくれない。短距離ランナー的な展開。

そしてこの後、なんと1949年のヴァン・ドゥ・ナチュレ、バニュルス・グラン・クリュをいただいた。昭和24年とは、いくら甘口でも驚き。そんな古さを感じさせない甘酸っぱさとビターチョコの苦味がうまく共存した味わいに、ローヌワインの底力を感じた。

これだけローヌワインを飲み続ける機会はそうないだろう。特に白のローヌなんかなおのこと。満足な夜となりました。

2008年11月16日 (日)

奈落の底へ?アストン・ヴィラ戦

Venger1 前節でマンチェスター・ユナイテッド相手に2−1で快勝し、優勝争いに生き残ったアーセナル。とはいえ、首位とは6ポイントの差があるだけに、これ以上取りこぼしは許されない。相手は3ポイント差で6位につける難敵アストン・ヴィラ。

布陣は前節と同じだが、守備の意識が強い相手だけに前節のようには思うように攻め込めない。むしろ、攻撃にギアを入れた時のアストン・ヴィラの攻めがすさまじく、再三アーセナルDF陣が破られる。今期失点の多い守備の難点がこの試合でも。。。

そして19分、アーセナル・ゴール前での混戦、一旦クリアしたボールがエリア内に転がって、そこにボールを取りに行ったセスクが相手を倒し、ファウルの上イエローカード!これはアシュリー・ヤングの動きを見ていたアルムニアがドンピシャでPKを防いで事なきを得る。しかしセスクはイエローカード5枚累積で次は出場停止。。。

この試合、完全にアストンペース。アシュリー・ヤングの早い攻めにアーセナル守備が対応できない。なす術なく、シュートを打たれてしまう。シルベストル、ギャラスが全くカット出来なく、デニウソンは簡単に中央に入ってきた相手をノーマークにしてしまう。後ろに不安を抱えていては中盤も攻め上がれない。せっかくの少ないチャンスもベントナーの精度と覇気に欠けるプレイに打ち消されてしまう。

後半も曲面を打開できないアーセナル。もはやアーセナル封じという戦法が相手チームに行き渡っているかのようだ。数で守って、パスを入れさせてくれない。アーセナルはパスを中盤で廻している内に奪われてカウンターを仕掛けられる。

61分にはアデバヨール、67分にはカルロス・ヴェラを投入して攻めを強めるが、その直後69分左からのクロスに対して相手マークについていたクリッシーの頭でのクリアがゴールに入ってしまい、オウンゴールでアストン・ヴィラに先取点が入る。。。

そして79分、前がかりで攻めていたアーセナルの攻めを断ち切り、長いボールを入れたアストン・ヴィラ、これをアグボンラホールがギャラス、シルベストル2人を振りきって追加点を決めて2−0。残り時間で2点を取り返す力は今日のアーセナルにはなく、ホームで無得点のまま、前節の勝ちを台なしにする完敗となった。

とにかく守備がガタガタ。2−1で破られるようで、どうして勝てるだろうか?シルベストルは覇気がなく、ボールに食らいつくような動きが見られない。それをカバー出来ない中盤の底、守備への意識の高さがこの明白な結果に現れた。

負けるべくして負けた試合。早いかも知れないが、こんな試合を繰り返すチームに優勝はないだろう。前節が素晴らしかっただけに、余計諦めとチーム空中分解への不安が大きくよぎる、最悪結果の試合だった。これは週末引きずるなぁ。

2008年11月15日 (土)

サルヴィアーノトゥルロ2005

サルヴィアーノトゥルロ2005
パソコンがいきなり潰れた。今回は予告無しにいきなり異音とともに爆!で、暫くは携帯でのアップとなります。調べ物が不便だな〜
このワイン、いつ何処で買ったか全く思いだせない。イタリアのDOCはラーゴ・ディ・コルバーナ。本で調べてみたら、アルト・アディジェ州のワインで、品種はスキアーヴァ。

正式にはトレンティーノ・アルト・アディジェ州はイタリア最北端で、その北はオーストリアのチロル地方。スキアーヴァはこの辺りが原産とされる固有品種だ。

色は北らしからぬ重量感あるルビー色で、エッジも厚い。香りはトマトのオイル漬、アメリカン・チェリー、工作粘土、バラと、重さ、油性を感じる香り。杉の香りも感じるので樽熟由来だろうか。

アタックは刺激の少ない苺の酸、しかし時間差で細かだか充実下タンニンを内包する鮮烈な酸が立ち上がってくる。このタンニン、ボリュームは小さいが、酸とのマッチングが良いので、飲んでいて落ち着きを感じさせてくれる。

余韻は消化しきれないタンニンの渋さが残り、心地よさを少し打ち消す感じはある。この硬さが取れるにはもう少し時間が必要なのかも知れない。

スキアーヴァってもっと淡い品種だと思っていたけど、どうして肉厚のがっしりしたワインになっている。印象とはかなり違う、面白いワイン体験だった。

【購入?金額?】

自然派図書館?エーテルヴァイン

自然派図書館?エーテルヴァイン
前から気になっていた京都のワインショップにようやくたどり着いた。そして期待通りの質・量に圧倒された。

JR丹波橋から七本松通りを北に上がって、突き当たりを左、右に銭湯が見えた角を入った所にある「エーテルヴァイン」。ただし、見つけるまでが苦労、京都は番地表示がないから、住所がわかっていても探し出すのが結構つらい。
店の中はワインの箱で満載。セラーの中もうず高く段ボール箱が詰まれているけど、両側の棚にはボトルがきれいに並んでいた。段ボール箱がなかったら、さぞ見やすいだろうな。

ワインは自然派のイタリア、フランス満載で、9割を占めるそうだ。特にイタリアは北、ピエモンテ、フリウリ、エミリア・ロマーニャに面白いものが多かった。横で配送準備に追われる店員さんを横目に見ながらセラーにいる事1時間、綺麗でお若い女性スタッフさんの説明を結聞きつつ、結局買ったのはフリウリの赤、レフォスコとエミリア・ロマーニャの澱がたっぷり入った白、マルヴァシア。
本腰入れて1本1本探し出して説明を聞いていたら半日はかかりそう。うん、ここは間違いなく自然派ワインの図書館といえそうだ。
ワインショップ エーテルヴァイン
京都市中京区壬生下溝町36-12
075-314-0305
10時〜19時
日曜休

大山崎美術館青のコレクション

大山崎美術館青のコレクション
大山崎山荘美術館で開催されている『青のコレクション』展。

紅葉の色付きはまだ盛り前といったところだが、それでも既に赤々と葉を染めたモミジが目に入ってくる。

そんな急坂を昇りきっ所にある山荘もまた秋の深まりに彩られていた。しかし山荘の中を彩るのはは催されているのは、涼しげな青の芸術。

今回のお目当てはピカソの「肘をつく女」。青の時代に描かれた作品で、物憂げな青をベースに描かれた女性は、どことなくアニメの骸骨のキャラクターに似ていてユーモラスさも感じさせる。表面をなぞるかのようにさらりと見てしまう青の時代の作品としてはインパクトがある作品だとおもう。最初どこにあるのか気がつかず、探し回ったら実は新館入口の真正面だった。もう少しで警備員に聞いて恥ずかしい思いをするところだったが。

お馴染みの「睡蓮」だが、見る度に表情が違って見える。今日は絡みあう緑が密林のように思え、息苦しさと怪しさを覚えた。疲れているのだろうか?

中央には珍しいルオーのパステル画。キリストの顔を清楚に描き、宗教の圧力を感じさせない。

しかし実は最も素敵な青は、日本人の造った蒼だった。普段はさっと行き過ぎてしまう河井寛次郎の陶芸の数々が、単純に青色と表現できない釉をそれぞれにまとって輝いている。特に海鼠釉と名付けられた灰地に禾目状の群青を散らした作品が、枯れた情感を醸し出していて秋深い山荘の景色によく調和していたと感じる。

青がもたらす情感も違いがあることを再認識できる展覧会だった。
青のコレクション
−ピカソの青 モネの青−
大山崎山荘美術館
〜12月7日

2008年11月14日 (金)

ANTICA OSTERIA Dal POMPIERE

ANTICA OSTERIA Dal POMPIERE
仕事場近く、肥後橋のお堅い金融街を裂くように輝くサイン。いやがおうでも目についてしまう。

大阪イタリアンの雄、ピアノ・ピアーノグループ。1階が今流行りのバールタイプで立ち呑みスペース。当然タパス風のオツマミチョイスができる小皿が目の前にはうず高く詰まれている。

この300円の小皿がなかなか量があって、2皿食べるとお腹が程よく温まる感じだ。

ワインはこの日は泡、赤2種、白2種。泡はプロセッコ。泡の勢いはいいが甘みが重いのが難点だったかな?

白はグレケットとヴェデルカ。赤はモンテプルチアーノ・ダヴルッツィオとアリアニーコ。ここからはヴエデルカにしたか、ふくよかさもそこそこ感じさせてくれて、ちょっと1杯には合っていたかも?

小皿相手に軽く飲むにはいい感じだ。2皿2杯で、しめて1600円。文句はいえません?

ANTICA OSTERIA Dal POMPIERE
大阪市中央区今橋4-5-19
06-4706-1199
11時半〜14時、17時半〜21時半
日曜休

クリスマスまであと。。。

クリスマスまであと。。。
という気分になります。

恒例、スカイビルのドイツクリスマス。今年もやって来ました。まだ始まってはいないようだけど、もう間もなくか?

またソーセージとホットワインの立ち飲み季節になったんだな。

その前に明日はローヌの古酒の会。来週はもちろんボジョレーです。行事多いな〜

2008年11月13日 (木)

会話にスパイスおいしいスペイン語

会話にスパイスおいしいスペイン語
ダラダラですが最近興味を持って勉強しているのはスペイン語。今度海外旅行に行く時はスペインが第一候補。やっぱりその国に行けば、その国の言葉でなりきりたい。あ、あとセスク・ファブレガスが将来バルサに帰った時の対策もあったりして。

スペイン語を話すなら明るく陽気に、短い言葉で恰好よく決めたい。そんなフレーズを勉強するにうってつけの本がラジオ講座の巻末連載をまとめたこの本。

スペイン語がわかんなくても、スペイン人の生活観がよくわかる。スペインの暮らしが決して開けっ広げ一辺倒じゃなくて、細かな心配り、人と付き合う上での葛藤もあるんだって理解できる。当たり前だけど。

短くカッコイイ表現が満載。これを読めばすぐにでも使ってみたくなるのは仕方ないところかな!?
会話にスパイス おいしいスペイン語
森本 祐子著
NHK出版刊
1200円

2008年11月10日 (月)

MU戦の勝利はヴェンゲル監督のために

081110cesc 週末の試合でマンチェスター・ユナイテッドに勝利しタイトル争いに踏みとどまったアーセナル。逆境に強いこの若いチームの本領を発揮した試合だったが、この勝利こそヴェンゲル監督のためのものだとセスク・ファブレガスはSporting Lifeのインタビューの中で語っている。

「監督のために僕達はやったんだ。ヴェンゲル監督は僕たちを信じてくれていた。監督のおかげで今の僕達があるんだから、今度は僕達がそれにピッチ上で応えなければならなかったんだよ。」

「負けたときはみんなが僕達の不出来を批判するけど、MU戦で自分達はいつものように戦ったんだ。そして今度はみんないい試合だったと言ってくれる。」

「チームにとって良いのは、皆が決して失望したこと、自分達を情けなく思ったことはないってことなんだ。僕達は良くなりたい、もっといい試合をしたいと思っている。そして今それを実証したんだ。」

「アーセナルについていろいろ話があった事は知っているよ。『アーセナルはタイトルを獲れるのか?』ってね。でもそんな話に影響されることはなかったし、アーセナルがいいチームだって事は示したんだ。」

「最良のチームに対して最高の内容を示し、しかもプレッシャーの中でさえ勝ったんだ。アーセナルはタイトルを狙えるよ。勝ちたいし、その資格があることを示したのさ。」

「MU戦はお互いのライバル関係と試合の重要性という事で、僕のキャリアでも最高の試合だったよ。辛い時間を戦ってきて、リヴァプールとチェルシーには少し遅れを取ったけど、この試合が本当に重要な試合だった。僕達は、良い結果を想像できなかったんだ。」

ここ数日のマスメディアのヴェンゲル監督への批判に対しても彼は動じず、ヴェンゲル監督への信頼がMUを倒す原動力になったと語っている。

「ヴェンゲル監督への批判は全て公平なものではないよ。シーズンはまだ始まったばかりだし、結論を出すには早すぎるさ。彼は世界で最高の監督の一人だし、彼のためにプレイできるのは本当に名誉なことだよ。」

「多分、僕達はまだリバプール、チェルシー、MUの経験には対抗できないけど、この試合は私たちが昨シーズンとここ数週間の経験で、どれくらい成長できたのかを示す答えになったと思うよ。」

マンチェスタ・ユナイテッドという壁を乗り越えたアーセナル、再来週は2位のリヴァプール戦、そしてその後はチェルシー戦が控えている。セスクのヴェンゲル監督に対する信頼が揺るがない限り、アーセナルのタイトルへの期待はまだまだ諦めるには早いようだ。

2008年11月 9日 (日)

クリストフ・ミニョン エクストラ・ブリュット NV

081109 今日負けたらもうリーグ優勝の芽がなかったアーセナル、どん底状態からマンチェスター・ユナイテッドを破ってなんとか踏みとどまってくれた。ひいきチームがいい試合を見せてくれれば嬉しいし、それが強豪チームならなおのこと。明日の巨人の優勝も祈りつつ、遅い時間から祝杯を。

やはり祝杯にはシャンパーニュ。そして今日は変わったピノ・ムニエ100%のシャンパーニュを。

シャンパーニュの主要品種はシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ。この他にもフロ・モントー、アルバンヌ、プティ・メリエ、アンフュメ、ピノ・ブランが法律上認められている。この8種全部入ったものもあるそうだが、ピノ・ムニエ100%も十分珍しい。

ピノ・ムニエはシャルドネ、ピノ・ノワールよりも一段低く見られているかわいそうな品種で、メゾンの中にはピノ・ムニエを使っていないことを自慢にしている所もあるようだ。ピノ・ノワールよりも収穫量が多く、酸が低くて熟成も早いところが嫌われているようだ。そんな品種を100%使ってシャンパーニュを作るところが、かえって「何かありそう」と思ってしまうところがアマノジャクなところだろうか?

シャンパーニュでもヴァレ・ド・ラ・マルヌはピノ・ムニエの比率が多い地域。そんな中でジャック・セロスとも付き合いのあるクリストフ・ミニョンはビオ・ディナミ栽培で手がけたピノ・ムニエに糖分を加えないノン・ドサージュのシャンパーニュを作り出した。

色調は硬質で金属的な薄黄色。泡の立ち上がりが力強い。香りはアーモンド、粕漬、グレープフルーツの香り。

口に含むと舌先に勢いのよい泡の力を感じる。酸もしっかりしており、切り込んでくるような感じだ。その後に舌の表面に広がる軽快なミネラル的な味わい。ただし味わいはいささか堅く、深く掘り下げてくるような重心の低さはあまり感じない。あくまで酸と泡の強さ、柔らかい旨みのバランスで勝負してくる。しかしミネラル感は終始かなり強く、凝縮した旨みを演出する。

余韻は少しきつさのある苦味、酸の収斂感が残るが、ノン・ドサージュらしい甘みのべたつきのなさは好印象。ただ、やはり舌の表面に存在感が残らないところは少し物足りなさも残るが。

ピノ・ムニエというブドウのポテンシャルを良くも悪くも感じさせてくれるシャンパーニュ。それでもこの豊富なミネラル感と硬質で骨のある味わいはなかなか面白い。異色のシャンパーニュ、この個性は文句をつけつつも結構魅かれているような気がする。

【Cave de Terre淡路町店 5,800円?】

2008年11月 8日 (土)

アーセナル、正念場のマンチェスター・ユナイテッド戦に快勝!

081108nasri ピリッとしないアーセナル。リーグ戦では下位にとりこぼしを続け、既に3敗。チャンピオンズ・リーグでもフェネルバフチェ戦をスコアレス・ドローとし、波に乗れないまま、強豪ビッグ4との戦いを迎えた。まずはホームでのマンチェスター・ユナイテッド戦。

早くも怪我人が多く出ている中で、前節負傷したアデバヨールは欠場。ウォルコットは間に合って、サニャもスタメン、そして鼻を骨折したギャラスも先発出場してきた。アーセナルの布陣はベントナーが1トップで、トップ下ディアビ。右サイドにウォルコット、左はナスリ。中央にデニウソン、セスク、DFはクリッシー、古巣対決シルヴェストル、ギャラス、サニャ、GKはアルムニア。

序盤いきなりアルムニアが味方のバックパスをキャッチするイージーミス。この間接FKはなんとかしのぐ。7分、パクチソンからパスを受けたルーニーのシュートをパンチングセーブしたアルムニア、そのこぼれ球をベルバトフがゴールに押し込むがこれはオフサイド。

立ち上がりはパッとしなかったアーセナルだが、10分以降攻撃を強める。何度かユナイテッド・ゴールに攻め込むが後一歩が届かない。ユナイテッドもチャンスは逃さず、C・ロナウドがドリブルで持ち込んでヒヤリとさせる場面もあり、徐々に緊迫した試合となってきた。

そして21分、サニャのファウルから得た右サイドからのFKをセスクが遠目に蹴り、それをヘッドで逃がしたところをゴール左に詰めていたナスリが拾って放ったシュートが決まりアーセナル先制点!

時間とともにエンジンがかかってきたアーセナル。セスクも気合が入って攻撃に絡んでくる。今日は中央に位置するディアビが好守にうまいポジションを取って、デニウソンの好カバーとともにセスクの攻撃参加を助ける。そして前半は一進一退のままアーセナル・リードで終了。

後半開始早々48分、セスクから中央のナスリに通ってGK1対1に。これはナスリがキッチリ決めて追加点はアーセナル!2-0で2点の先行で、ナスリはプレミアで初の1試合2得点!

66分、コーナーキックをアルムニアが弾いて、その球を獲りにダイブしたところをキャリックの蹴りが入り一時試合中断。キャリックには当然イエローカード。アルムニア、序盤のイージーミス以降は気合の入ったプレイでチームを引き締める。

マンチェスター、63分以降次々と交代枠を使いギグス、テベスを投入して攻撃を強める。アーセナルは78分、ウォルコットとソングを交代、そして接触プレイのあったアルムニアを代えてファビアンスキを投入、守備を固める。

83分、ハイキックを取られてゴール前でのフリーキックに蹴るのはC。ロナウド。当然直接狙ってくるが壁に当たってコーナーへ。ここはチャンスを逃れる。85分、この試合よく働いたディアビに代えてコロ・トゥレを入れてアーセナルも3枚枠を使い切る。

89分、マンチェスターの猛攻が続いた中で、途中交代のラファエル・ダ・シルヴァがボレーで初ゴールを決めて2-1、やはりこのまま終了しなかったユナイテッド。アディショナルタイムは長く6分、つらい時間が続くアーセナルだったが、なんとか守りきって2-1でしっかり締めてナイスゲームを勝ち取った!

ホームでビッグ4を破り、いやなムードを断ち切ったアーセナル。優勝争いにも生き残って、弾みがついた。今日の最高殊勲はやはりナスリ、2ゴール以外にも再三ゴールチャンスを作るパスが決まっていた。やはり逆境には強いアーセナル、いつもながらハラハラさせられる試合だったが、結果よければすべてよし!

ヴェニンガー ケークフランコシュ ショプロン2006

081108_2 Cave de Terre淡路町店でイタリアのノヴェッロを楽しんだ後に購入したのは、ハンガリーの地ワイン。品種はケークフランコシュ。一時は良く見た雄牛のラベルのワイン、「エグリ・ビカベール」の主要品種でもある。

ハンガリーワインのポテンシャルはこの造り手のシラーでも十分堪能した。その造り手がハンガリーの代表赤ワイン品種で醸すワインとは一体どういうものなのか、興味津々。

産地ショプランはハンガリーの北西、オーストリアの国境で赤ワインを主に産出しているが、そのワインとはいかに?

香りはおがくず、プラム、鰹節、黒胡椒、強い凝縮した香りを放つ。色合いは確かに血のような赤みの強い、濃厚なルビー色。

口に含むと若々しいブドウジュースのような直線的酸が入ってくる。そしてその後にはやはり若い、ブドウの果皮を噛んだ時のような渋さがやってくるが、深みはなくベースといった感じのタンニンではない。そのタンニンが比較的短時間で収束すると、コクのある旨み、鰹だしのような味わいがやってくる。

余韻はここまで伸びてくる細長い酸が予想外だったが、その酸に乗っかるように若い果実の旨みが広がって、涼やかな印象を締めくくる。

深さはないけど、なかなか旨みがしっかりしていて面白い味わいだと思った。ハンガリーワインのポテンシャルを十分感じつつ、そして他にはない個性も持っている、印象深いワインだといえる。

【Cave de Terre淡路町店 2,500円】

2008年11月 7日 (金)

一足早いヌーヴォーはイタリアで

081107_2もうすぐ恒例のボジョレー・ヌーヴォー。ガメイは好きなんだけど、アマノジャクな自分はヌーヴォー自体にはそれほど熱狂的ではない。フツーに楽しむし、その年のブドウの出来不出来を知るにはとってもいいイベント。でも価格が高くなりすぎて...

だからここ近年はボジョレーよりもいろんな新酒を楽しむ方に興味が向いている。

で、今日はいつものカーヴ・ド・テール淡路町店さんに寄ったらうまいことイタリア新種の解禁ということでグラスでの提供。最近この店でもイタリアが充実してきた。オーナーさんも若干イタリアを許容するようになってきたのかな?

この日にティスティングに供されたのはファルネーゼのノヴェッロとシチリアの土着品種、ネロ・ダヴォーラによる同じくノヴェッロ。

ファルネーゼのモンテプルチアーノは正直あまり好きではない。強烈なボリューム感を息苦しく感じてしまうのだが、このノヴェッロは予想外にスムース。ただあまりに素直すぎて若干拍子抜け。若くもなく、されど重さもなく、ちょっととりとめないかな?

シチリアのネロ・ダヴォーラもとても品が良く、するっといける。ただ新酒だからもう少し粗いところがあってもいいと思うんだけど、結構この時点でもまとまりがあるのがイタリアらしい。

2、3年前くらいから出てきたイタリアのノヴェッロ。当初はかなり粗い面があって、それが魅力があったんだけど、最近はなんか妙にまとまりすぎているような気がする。やっぱ新種の魅力としてはバナナの香り満載のフツー的なボジョレーに軍配を上げたくなるような?

2008年11月 3日 (月)

一人の僧が成した偉業 三井寺展

一人の僧が成した業三井寺展
天王寺の大阪市立美術館で始まった仏教美術の展覧会。天台仏教の中核として千年以上の歴史を誇る名刹が伝えた寺宝が集う。

休日だがそれほど混雑していない。大きな目玉はないかもしれないが、それだけに珠玉の名品とじっくり向かい会えるというもの。

今年は三井寺を中興した円珍が仏法求道のために渡った唐からの帰国1150年にあたる。まずは円珍の旅にまつわる書の数々、今と違い旅をする事がいかに困難であったかが精緻な文書類から伝わってくる。

そして当の円珍の座像は、特徴ある卵のような頭の形がユーモラスだが、表情は対照的に細いまなこが全てを見通ししているかのようで、対峙する者を独特の緊張感に包んでいく。虚飾を徹底して削ぎ落とした美しさが感じられる。

この展覧会では秘仏とされている仏像が多数展示されているが、不動明王はまだ鮮やかな色をとどめており、かつてはこれらの仏像が想像できないくらいに派手に彩色されていたことを窺わせる。仏師たちはこうした色彩の業も競っていたのかもしれない。

後半は国家鎮護の寺として地位を確立しただけに、絵画や襖の装飾の美が並ぶ。しかし初期の美術ほどは感情を揺さ振るものはなかった。安定が産む余裕が緊張感を失うかのように、表面的には美しいと思うが心に入りこまない。帰国のために綴った一字一字に気迫が伝わる書とは対極にある安定感、これも美には違いないが。

国宝指定の名品が10件以上が一挙に会する展覧会、かつて仏法で国を守ろうとした一人の僧が千年の歴史を越えて日本文化に影響を与え続けた事の凄さを感じずにはいられない。12月14日まで。

国宝三井寺展
智証大師帰朝1150年特別展
大阪市立美術館
〜12月14日

アーセナル今季最悪、ストークス戦で多くを失う...

081103 ベトナム出張中、夜の番組で毎日サッカーの試合を見ていた。彼の国、実はサッカーが凄い人気であり、国内のプロ・リーグはないけどプレミアや代表の試合なんかで普段から盛り上がっている。

そんな中で水曜日のトッテナム戦も見たが、あの4-2からの終了間際の同点劇は悪夢を見ているようだった。負けに等しい試合だっただけに、アーセナルにとっては次の試合が大事なはずだが相手は昇格組で降格圏内のストークス、しかもアウェイ戦。今季は下位相手に力負けを喫しているアーセナル、この試合でも油断は出来ないはずだったが、先発はナスリ、ファン・ペルシーをベンチに置いて、ベントナーとアデバヨールの2トップ。セスクは伸ばしていた髪を短く切って気合を入れ直したのか?

序盤はアーセナルがパスを廻して相手ゴールへの攻めを狙っていくが、当たりの強いストークスの守りに阻まれる。そんな中前半10分、これまでストークの得点をたたき出してきたデラップ脅威のロングスローが40m以上の距離を伸びてきてアーセナルゴール前に、これをトゥレとの競り合いに勝ったジャマイカ代表のフラーが頭で決めて、先制はストークス!またしても追う立場となったアーセナル。。。

デラップのロングスローが決まってしまったため、アーセナルは下手にクリアもできなくなる。クリアしてまたロングスローを入れられれば失点に直接繋がるだけに、DFも窮屈な守備を迫られてしまった。

アーセナル、フィジカル面で押される試合では局面を打開できずにズルズルいくパターンが目立つ。去年の前半ならば、多少相手に引かれてもドリブルやパスで崩して相手ゴールに攻め込むことができていた。しかし今季はそれがない。攻めあぐねて外に弾かれ、攻め手もないままパスを繰り返し、そして相手にカットされてカウンターを食らう。チームの気迫も感じられず、なんかパスを廻してチャンスが転がってくるのを待っているようにしか見えない。そんなイライラがそのまま続いて前半は0-1のまま終了。

後半は選手交代なし。後半49分、アーセナルはチャンスを作るがゴール前でパスを受けたディアビが判断に躊躇して一瞬立ち往生、困ったあげく外にパスを出す。。。これでは得点チャンスもやってくるわけがない。

ストークスは激しいタックルでアーセナル選手に襲い掛かってくる。53分、サニャがタックルで削られて、この後ウォルコットに交代。64分、デニウソンに替えてファン・ペルシーも投入、アーセナルは攻撃の層を厚くしてまずは同点を狙っていくが70分、アデバヨールが相手との空中戦の着地で足を痛めて途中交代でカルロス・ヴェラがイン。

いやな雰囲気が漂うアーセナルに追い討ちをかけたのは72分、またしてもデラップの左からのスローインがアーセナルDFを超えて右にいたオロフィンジャナが押し込んで追加点。アーセナルは2点のビハインドとなってしまった。

そして75分、ファン・ペルシーが何を思ったかGKに蹴りを入れた末に体当たりで一発退場。アデバヨールも欠いてしかも10人の戦いを強いられる。そしてそれだけでは終らず、ロスタイムに入った90分、ウォルコットが倒されてバランスを崩して肩を痛める

そしてロスタイム3分、セスクのFKは横に流して中央のクリッシーに、それをクリッシーがミドルで決めて1-2としたものの、遅きに失してこのまま1-2でアーセナルは3敗目となった。

単に負けただけでなく、試合内容も悪い。しかもサニャ、アデバヨール、ウォルコットを負傷退場で欠き、ファン・ペルシーはレッドカード。次節のマンチェスター・ユナイテッド戦は2トップを欠く苦しい試合に。2トップの一方ベントナー、この試合では殆ど目立たなかっただけに、次節を任せられるのか疑問だ。

シーズン序盤で最低最悪の状況に追い込まれたアーセナル。チャンピオンズ・リーグを挟んでのマンチェスター戦、ここまで来た以上思い切って超若手、ベラ、ラムジーの可能性を信じて負けてもいいから彼ら中心の攻撃サッカーを見てみたい。それにしても、この結果は辛いな。。。

2008年11月 2日 (日)

ヴォドピヴェッチ ヴィトヴスカ1998

081102_2 南のワインもパワフルで好きだけど、やはり北のワインが持つ鮮烈さ、複雑さにも魅かれる。特に少人数でじっくり飲むような機会、そんな雰囲気では味わいの要素が複雑で、少しクセモノ的なワインを味わいたい。

そんなシチュエーションにふさわしいのは北イタリアでもバラエティ豊かなラインナップが揃っているフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州がふさわしいように思える。かつては内陸の帝国、ハプスブルク家のオーストリア・ハンガリー帝国にあって唯一海に向かって開かれていたトリエステを擁するこの地はその歴史からも複雑な表現を演出するにふさわしい土地といえるだろう。

そのようなフリウリにあっても土着品種の極みともいえるのがこのヴィトヴスカ。フリウリでも海辺のトリエステ周辺、隣国スロヴェニアでしか栽培されていないこの品種だが、最近では有数の栽培家によってその秘めたポテンシャルが引き出されて注目品種となっている。

そしてフリウリの生産者でも最も知名度が高いといえるのがこのヴォドピヴェッチ。初ヴィンテージは1997年で、果皮をマセラシオンしながら発酵させる「醸し発酵」でブドウの皮に含まれる旨み成分を最大限引き出している。そして今は樽でない酒壷、アンフォラによる発酵の比率を上げているようだ。若い当主のパオロ氏は昨年のアンブロシアのイベントで会ったことがあるが、男前だからだろうか彼の前には若い女性が集まってしきりに写真を撮っていた。そんな情景にやっかみも感じたが、その時飲んだワインは骨太で重厚な旨みを感じた。今回初めてボトルからじっくり向き合ってみたがさて?

色は落ち着きのある褐色で、若干の濁りがある。香りはバラ、ハチミツ、パイナップル、マーマレード、タイム、粘土、銅といった重みのある複雑な香りを感じさせる。

口に含むとレモンのような鮮烈な酸がワンテンポ置いて駆け上がってくる。最初は鋭角だが徐々に羽根を広げるかのように広がりを見せてくる。そしてそこから放たれるどっしりした骨太の旨みと、それを支える重量感はあるがえぐみのない苦さが口の中に充満してくる。温度が上がってくるとこのボリューム感が勢いを増し、酸もさらに伸びやかに、旨みは太さを増してくる。そしてシェリーの香り、味わいも感じられるようになってくる。それでいて色合いから感じる粘着性は殆ど感じずにさらりとした舌触りなのが不思議だ。

余韻は力のある堅めの酸が口の中に未だに勢いを張りつつも、その中にくるまれた品の良い甘さもまたどっしりと居座り続けてなかなかに席を譲らない。そうした力強い味わいが長く続いていき、やがてしなやかな旨みの心地よさを伴いつつ引いて行く。

鮮烈な若い酸と、熟成した旨さが溶け込んで一体となっている。重量感はあるが、全体の味わいの印象自体はとてもスタイリッシュなのが不思議だ。これが品種の力なのか、生産者の力なのかはわからないが、いずれにしてもフリウリという特殊な土地が産んだどこにもないワインであることは間違いないようだ。

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ポデリ・サングイネート ヴィノ・ダ・ターヴォラ・ビアンコ NV(2007)

081102 ヴェトナムから無事に帰国。気温も予測より低く、それほど苦にならない程度だったが、今まで訪れたアジアの中では一番のパワフルさに圧倒された1週間だった。道を支配するバイク、至る所で声をかけてくる売り子、市場に溢れる人の波、そんなエネルギーにあてられて疲れた体を癒してくれたのは、日本料理に近い味付けのベトナム料理の数々。1週間の滞在でも中国ほどに疲労を感じなかったが、その変わりに2キロの体重増。。。

少しダイエットモードに入りつつも、やっぱりワインは飲みたくなるもので、まずはおとなしめのところからイタリア・トスカーナの白を。

モンテプルチアーノで1997年からワイン造りにたずさわっているフォルソーニ姉妹によるワイナリー。以前にも赤ワインであるロッソ・ディ・モンタルチーノを飲んだ事があるが、果実味の中にしっかりした旨みがのりつつ、強靭な味わいが印象的だった。ブドウは有機栽培、発酵は天然酵母のみという醸造を実践しているそうだが、そのワイナリーから生み出される白ワインははイタリアでの代表的な品種でもあるトレッビアーノによるもの。

色は少し枯れた黄土色で、アップルジュースのような印象。かすかではあるが薄濁りという感じを受ける。香りはアプリコット、焼きリンゴ、カスタード、青いバナナ。甘い香りのバックには少し青さを感じさせる香りが潜んでいる。

アタックの酸は柔らかいが、幅の広く力のある酸。そこにボリューム感は少ないが、程よい旨みを感じる。滑らかな酒質で、舌の表面を滑るように入り込んできて心地よい。そして最後に感じるかちっとした苦味が味わいを引き締めている。

余韻は微妙だが優しさを感じるコクのような旨み、その旨みが口の中に薄く膜を作るように広がり、焼きリンゴの甘い香りが戻ってきてやがてゆっくりと引いて行く。

トレッビアーノは酸が強くて旨みに乏しい品種だと思っていたけれど、やはり造り手次第なんだと改めて思った。決して強靭なワインではないけれど、いろいろな味わいの要素が含まれている複雑さを備えている。何よりもこの優しい伸びやかな酸が体に入り込むときの感覚がチャーミングだ。品種にこだわることも大事だが、それをあまりに妄信してしまって先入観を持てば楽しみの幅を狭めてしまいかねないことを確認させてくれるワインだった。

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