フォトアルバム

カテゴリ

最近のトラックバック

お気に入りリンク

« 2007年8月 | メイン | 2007年10月 »

2007年9月

2007年9月30日 (日)

BIWAKOビエンナーレ(2) 喜多利邸

かわらミュージアムに続いて訪れたのはメイン会場の喜多利邸。ここは素直に行けば、バス停、大杉町八幡山ロ−プウェイ口で下車して、そこから八幡堀の方へ降りていって橋を渡らず右に行ったところにある。

9w1fqchq_s築約100年の畳問屋さん。今もこの旧家近くで営業していた。今は今回の企画の主催でもあるNPO法人、エナジーフィールドの活動拠点として利用されているそうだ。


ここでは10人の作家の作品が展示されている。入り口横には高見春恵氏の作品が部屋を覗く方法で展示されている。ここは素材の持つ力を鑑賞する場となっているようだ。

R5qbnkat_s座敷の中に立つ木が蜘蛛の巣のような白い繊維をふんわりと纏う。竹田直樹氏は庭をテーマにした作品、小板橋慶子氏は自然の繊維と人口の色彩の合作による世界を発信している。この作品、説明はないが二人の合作ではないだろうか。幻想的な世界にしばしたたずむ。


She7klis
障子もまた作品。灯篭の明かりが繊維に反射しておぼろげな空間を形作る。

Nhpy7o2u_s金属を加工するということは、人の介在を何よりも雄弁に物語る。それを逆手にとって茶器を作ってしまうという面白さ。こうした形を得ると、なぜか金属も物質的な重さを失ってしまうのは興味深い。田中哲也氏の作品。


Wvvw3laf_s明かりの中に切り絵が怪しく浮き上がる。満田享氏の作品が持つ線の持つ表現力が、そこに光の作用を受けてさらに際立つ。


Cccoaagi_s松尾郁子氏の作品は日本画の画材を用い、微妙な凹凸とそこから生じるかすかな陰影で独特の雰囲気をかもし出す。畳の上に置かれた作品から、何故だろう、淡い気体のようなものが浮き上がっているような感覚を覚える。


8abvl22d_s暗闇の中でうごめく火山灰のような世界。田辺磨由子氏の作品は時とともに成長していくかのようで、前に立つと不意に足を絡め取られてしまうかのような不安に襲われる。


異なる素材が出会うことで、微妙な違和感が生じ、それが空間に伝播してそこに居る者の心を震わせる。その揺れ動きは古民家という濃密な場所ゆえにさらに増幅されるかのようだ。いずれの作品も印象的だった。次は旧伴家住宅。

BIWAKOビエンナーレ開幕(1)

近江八幡市の旧市街を会場としてBIWAKOビエンナーレが9月20日開幕した。
公式HP→http://www.energyfield.org/2007/index.html

初日はあいにくの雨模様だったが、かえって落ち着いた雰囲気の中で美術鑑賞できる機会となった。

この企画は今回で3回目で、2001年に大津市、2004年に近江八幡市、そして2007年再び近江八幡市で開催されたそうだ。自分は初めて鑑賞する機会を得た。こういう企画は昨年の直島以来だ。

チケットはJR駅の北口を降りた観光窓口で購入。当日券で1,500円。前売り購入なら200円ほど安く買える。駅から会場へは徒歩で30分、バスなら長命寺方面行きで7分ほど。バスは約20分毎に出ているので、便利だ。

会場は旧市街に分散している。最初はメイン会場の喜多利邸に行こうと思ったが場所がよくわからなかった。道路にはあまり大きな標識が出ていないので、最後まで結構とまどうことになる。メインではないが、「かわらミュージアム」に入る。
B3urqoqz_sこのミュージアムで展示していたのはジャン・ピエール・テンシンさん。ちょうど作家本人さんが準備に来ていたので、ちょっとした説明もしてもらった。ミニチュアの箱は手に取ってOK。中の明かりをつけると地図や貝殻、グラスといった素材が見えて、何か万華鏡を覗くかのような楽しさを感じる。アート作品を触れて鑑賞するのはやはり楽しい。普段禁止されていることができる、ってこともあるだろう。この方は映像作家でもあり、人形を使ったノスタルジーな映像も上映されていた。
作家さんのHP→http://puppuka.com/

この後メイン会場の喜多利邸に向かうが、場所がよくわからずまごついた。実はこのミュージアムと堀を挟んだ対面する場所だったのだが...このビエンナーレを効率的に廻るには、まずこの喜多利邸等のメイン会場に行って、500円の詳細地図+図録を購入することをオススメする。

次は喜多利邸。

近江牛のすき焼き丼 近江八幡・まるたけ近江西川

Kdmufmej
近江八幡市の旧市街にある牛肉屋さんのレストランで昼食。こういうところでお膳とか定食を頼むと3千円くらいになってしまう。あまり凝った料理よりもストレートに肉を食いたいので、一番安いけどすき焼き丼を選択。

1,365円だったが、結構ボリュームあります。肉を卵でとじて、その上に卵焼きも乗っていた。肉は弾力性があって、噛むとじんわり味が出て来る。味付けも控えめで甘さも程よい。

こういうの食べると、やっぱいつも食べてる吉野家に肉とは違うなと思う。肉だけは高いの食べるときりがないが、やっぱうまいや。あ、でも勿論吉野家の牛丼も好きなんだけど。ご馳走様でした。

まるたけ近江西川
滋賀県近江八幡市仲屋町 中17
0748-32-6494
11:00〜21:00
火曜定休

ヴァン・ド・ペイ デュ・ピュイ ドーム ピノ・ノワール・ブラン(NV)ヴァン・ド・カリエール

7oh464jc
ボルヴィックと言えば絶対思い出すのがミネラルウォーター。スッキリした水で、あまり個性は感じないので僕はあまり飲まない。同じフランスならエヴィアンの方が好き。

そんなボルヴィックで生産されるワインがあった。ボルヴィックはフランス中央部で、ワインの生産地としては著名なところではない。このワインもAOCではなくヴァンドペイだ。しかし品種はなんと白にも関わらずピノ・ノワール。しかも自然派ワインだそうだ。

この生産者はこの地で昔から酪農とともにブドウの生産、醸造も行っていて、酵母は野生のもの、醸造法は難しいことなしの昔からの方法で行っているそうだ。果たしてどんなワインなのか?

色はセピアを帯びた濃い目の薄茶色。香りは花梨、ニッキ水、ハッカキャンディー、幸水ナシ。甘い香りだが、すこし酸化した香りがする。

アタックは柔らかで、酸はあまり強くない。シロップのように舌触りがヌルッとした感じだが、粘着性はない。その後穏やかな甘さとほろ苦さが口の中に広がる。酸が穏やかなため味の焦点が定まらないきらいはあるが、ジワッと広がる素朴な味わいはなかなか他のフランスワインにはないものだ。

余韻はやさしい甘みが口に残るが、酸に乏しい分余韻のキレの良さは若干欠ける点がある。

未開の産地のワインは洗練されたすっきりしたワインでは決してなかった。でも香りも味もなかなか個性的で、たしかに素朴な味わいがしんなりと体にしみこんでくる感覚だった。こんなワインが入ってくるんだから、自然派ブームもたいしたもんだ。

【ワインショップ・グラシアス 2,500円?】

ガッチリ首位堅持 アーセナル

Inygwg2m
ロンドンダービー、アウェイでのウエストハム戦、ここまで首位で5勝1分と負け無しのアーセナルにとってはなかなか手ごわい相手。しかも長年アーセナルで戦った僚友、リュングベリもいるとあっては油断できない。

結果は前半でのロビン・ファン・ペルシーのヘディングによる虎の子の1点を守りきったアーセナルが勝利。勝ち点3を手堅く守って首位をガッチリキープした。この1点を守りきれるのが今のアーセナルの力なのだろう。

今日の試合、前半はアレクサンドル・フレブの動きが目立った。唯一の得点となった1点もアデバヨールが持ち込んで、タメを作ってフレブにパス、フレブからゴール前にいたファン・ペルシーへのパスがドンピシャリで、あとは相手ディフェンスより一段高かったファン・ペルシーがヘッドで決めた。

その後、フレブが相手のアタックで負傷して交代。その後はディアビ、クリッシーが再三サイドから持ち上がってゴールへ攻めかかり、コーナーキックを得る場面があったが得点に至らず。

ウェストハムはリュングベリがGKアルムニアとの一対一の決定的なチャンスを決めたかと思った場面もあったが、不運にもオフサイド。ウエストハムのGKグリーンはアーセナルの攻撃を何度もファインセーブで食い止めたが、結果は攻撃陣がそれに応えることができずに終った。

この試合は両チームともDFがよく守ったといえる。セスク・ファブレガスはこの試合目立つ場面はなかったものの、それでも相手のいない場所にパスを出すところはさすがに冷静だった。

ともあれ、これで6勝1分で勝ち点19。ファン・ペルシーもこれで今季3得点。アデバヨール、セスク、ファン・ペルシーでアーセナルの得点16点中13点をもぎ取っていることになる。

決めるべき選手がきっちり決める、この展開が続く限り、今季のアーセナルの快進撃に今のところ死角は見当たらない。アウェイでの戦いでも勝利をもぎ取った事は今後に向けても意味ある1勝になった。ただし負傷で途中交代したフレブ、アデバヨールの状態が心配だ。でもここまではやっぱ正直イイ感じだね。この調子で頼むよ〜、ガナーズ!smile

2007年9月29日 (土)

ミルコのひかり

S_8iix6q 梅田ガーデンシネマで公開されている「ミルコのひかり」を見に行く。こことシネリーブル梅田は、梅田スカイタワーの中にあるが、自宅から自転車で5分の距離なので気が向いたらすぐ行ける。

遊んでいる最中に銃を暴発させて視力を失ったミルコは、g当時のイタリアの法律によって友人や両親から引き離されて、一人ジェノヴァの盲学校に転校させられる。

従順なほかの生徒と彼は違う感覚を持っていた。彼はやがて音に対して関心を示し、学校の録音機を持ち出していろいろな音を録音する。しかしそんな行動を自分も盲人である校長は気に入らない。盲人に可能性などなく、ただ職業訓練のみに従事するほうが幸せだと固く信じる彼には、規律すなわち自分の考えに従わないミルコの行動は許せない。

しかしそんなミルコにとっての幸運は、彼の周りには理解ある人達が多かったことだった。やがて先生であるジュリオ神父が貸してくれた録音機を使って、音による一つの作品を作り上げていく。そしてその過程で彼の周りに集っていく友人の輪。

劇的なドラマがあるわけでなく、彼らがいかにして音で綴った作品を作り上げていったかをドキュメントタッチで映像にしている。その中で聞こえてくるいろいろな音が、なんだか懐かしく聞こえてくる。こういう音に耳を傾ける機会をいかに失っていることだろう。

ミルコにとっては音はすなわち自分が失った色彩表現なのだろう。生まれつき目が見えない友人フェリーチェが赤ってどんな色と聞いたとき、ミルコは答える。
「赤は血の色で、夕暮れの空の色」
彼の持つ独特の色彩感が、やがて彼の将来を大きく開くことになった。

月並みな言い方になってしまうが、可能性を信じることの大切さ、人間の持つ多様な表現力に感動を覚える一作だった。

パシオン・エ・ナチュール福島店

梅田のジムからの帰り、福島駅高架下のパシオン・エ・ナチュールへ。ビオワインを多く揃えているという評判は聞いていたけど、仕事場からの帰り道にはないので、なかなか遠回りしてまで、という気にならなかったが、たまたま今日はそういう気になった。

8opf4ix_ グラスワインは確かに豊富。メニューには泡物、白、赤合わせて10種以上。カウンターの上の黒板にも何種類かあり、合わせると20種近いかも。価格も安いところを置いてくれているのがカジュアルでいい感じ。ここからはアルザス・ピノブランをいただいた。アテは生ハムのサラダ&ホルモンのトマト煮。どこのだったか忘れてしまったが、このピノ・ブラン、甘みのボリュームがありなかなかイケていた。


3lpmt9vb 赤はこのリストには無いマタッサのコトー・ド・カタラン・ルージュをいただいた。グルナッシュ、カリニャンを主としたブレンドらしい。カタラン(カタルーニャ)というからにはスペイン国境、ピレネーに近いんだろう。ワインは酸もきれいで、こなれた柔らかい味わい。余韻の繊細な甘みも心地よい。ホルモンのトマト煮とも合っていた。


最後はビオの定番、ピュズラのヴァンクゥール・ヴァンキュ・ロゼで締め。ガメイ、コー(マルベック)50:50のしっかりしたボリューム感のあるロゼ。単価も安いし、その気になれば全グラス制覇も狙える?でもそれはやりすぎだろうけどね。

パシオン・エ・ナチュール福島店
大阪市福島区福島6−1
06−6452−1159
昼11:30〜15:00
夜17:30〜 0:00

クローズ・エルミタージュ レ・メイソニエ 2002 M.シャプティエ

1nkjkkan
9月も最後まで暑さが続いてしまったが、クールビズも終わりで来週から背広、ネクタイが3ヶ月ぶりに復活。あわてて長袖のシャツを洗濯にかかった。10月に入ると秋らしくなるだろうか?それともこのまま季節感も無く冬突入?

少しずつ気温も下がってくると、ワインもまた白中心から赤に模様替え。そんな季節の変わり目にはミディアム的な赤ワインを。

M.シャプティエはギガルと並ぶローヌ地方の大手生産者。大手だが、早くからビオ・ロジック農法を取り入れている。

クローズ・エルミタージュは銘酒エルミタージュ周辺地区に広がる平坦な栽培区域で、ローヌのワインとしては比較的軽めの味わいになると一般的には言われている。ただし、一部の生産者のワインはそんな思い入れを覆す、凝縮したヘビー級のワインを産み出している。では大手のワインはいかに?

色合いは黒味は強いが明るめのルビー色。凝縮した重さはあまり感じない。しかしエッジにも十分色は入っている。香りは金属的、鉄サビ、黒胡椒、カシス、杉木材の香り。

アタックは酸がしっかりしていて、最初のボリューム感はあるが、そこから中盤への膨らみはあまりない。最初のインパクトほどミッドの力は強くなく、タンニンも粗め。味わいのベースを形作るほどの力強さはない。なので、引き際もあっさりしすぎており、若干拍子抜けの感は拭えない。

余韻はアルコール感とかすかな甘さを感じるが、それも強くはない。

ローヌ、シラー100%を想像して飲むと肩透かしを食らってしまう。このワイン、違うビンテージも含めて結構飲んでるんだけど、ここまで肩透かし、というか物足りない印象だったのは初めて。もともとクローズ・エルミタージュ自体はそれほど重いワインではないと思うけど、それでもこのインパクトのなさはどうしたものだろう?

【阪神百貨店 2,800円?】

アンリは友人、セスクの思い

6nfmyzja
前回掲載したアンリの存在がチームを萎縮させて、思うようにプレイできなかったようなというコメントに対して、セスクはこれを否定した。

「アンリは僕にとって友人だし、チームメイトなんだ。彼のことを悪く言うのはフェアじゃない。アーセナルというチームの歴史の中で、アンリは最高の選手だったんだ。彼の移籍は大きな損失だよ。彼に対して悪く言ったことは絶対にない。」

「今シーズンの彼の試合は全部見ている。彼は進化しているし、セビージャ戦ではゴールに繋がる素晴らしいパスを出したね。ポストに当たっちゃったけど、いいチャンスだったと思うよ。」

「後方からボールが来たとき、アンリは僕達が知っている能力を発揮し始めているね。直に彼はベストの状態にもどるさ。」

セスクのコメントはコメントとして、チーム状況を見ればアンリの存在はやはり他の選手にとって無意識のうちに「縛り」になっていたことは否定できないと思う。

アンリ不在の中で、セスクは今まで欠けていた決定力、得点力を手にしつつある。イングランドのNo.1セントラルMFの評価を不動のものとするために、土曜日のウェストハム戦でも積極的なミドルシュートを期待したい。

アーセナル首位で巨人もマジック点灯、今週末は理想的な展開だな〜smile

2007年9月28日 (金)

ヨーロッパの味 ガス入りミネラルウォーター ゲロルシュタイナー

S9flzkkm
ヨーロッパに行きたい!特にイギリス、スペイン、イタリア、フランスもいいな〜 でも最近ユーロも高いし、なにより長期休暇が...

向こうに行ってやっぱ味が違うな、と思うのは水。向こうのミネラルウォーターは硬水が多い。初めて飲んだときはビミョーに塩っぽくて、なんかぬるくした温泉の湯みたいで気色悪かったが、何回か行くごとに硬水のミネラルウォーターじゃないと物足りなくなってきた。特にガス入りがいい。でも残念ながら日本にはあんまり入ってきてない。よく見るペリエはシャキっとした味わいなんでちょっと違う。(でもこれはこれで結構好きだけどね。)

で、最近ファミリー・マートで売り出されたドイツのガス入りミネラルウォーター、「ゲロルシュタイナー」はかなりそんな「温泉味」に近い。硬度1,400は他のミネラル・ウォーターに比べてもダントツだ。泡も結構力強い。自分が思っている味わいに近い、ヨーロッパを感じさせる水だ。

でも一般ウケはしないかな?結構売り場から早く撤去される危険性もあるので、今の内に買い占めたろか、とも思っています。

2007年9月27日 (木)

凡庸が美に変わる時... 花に習う

Bj_kflay
花は野生のままの方が美しい。手折って生けた花なんか、人工的な作られた美に過ぎない。切りそろえられた花は確かに美しいが、そこになぜか不自然さ、居心地の悪さを何故か感じる...生花に対する生理的な嫌悪感はそんなところから来るのだろうか。

ネスカフェの宣伝にも出演した川瀬敏郎氏の花、これも大地から切り離された花々を素材にした人工美であることは生花と変わりないのかもしれない。しかし作品を見ていて、なぜか居心地の悪さを感じない。それどころか、素材である花々が逆に引き立って見えるのだから不思議だ。

特に花も地味、枝ぶりも淡白な木々が、なぜか選ばれた器と場に置かれることで水墨画のような枯淡な美をかもし出す。南アジアの素朴な土器に出会って、なぜか単独では素朴で見るべきところも少ない万作の花も、夜の闇に弾ける線香花火のような美しさをかもし出す。

「これらの木は細工しすぎないことが慣用かもしれません。ほら、凡庸な人をいじりまわしてはだめになってしまうというでしょう。それと同じで、小さく切り刻むとかえってつまらなくなってしまいます。」

「なげいれ」、それは花々の持つ美、それは表に出ているものであれ、隠れているものであれ、持っている美を見出し、それが最も生かされる組み合わせ、場所を選ぶ道だ。それは独りよがりでなく、相手を思い相手を生かす心とも通じている。

なるほど、たしかに花から習うことは多そうだ。

花に習う
川瀬敏郎著
平凡社(別冊太陽)
192p
2,600円(税別)

2007年9月26日 (水)

アルザス ミュスカ・レゼルブ2005 トリンバック

Cf9tomr9
香ってみて、だいたい品種の想像がつくワイン、まずはライチの香りのゲヴュルツ・トラミネール、刈り取った草のような香りのするソーヴィニヨン・ブラン、そしてここに取り上げるミュスカ。あのマスカットの香りそのままに、甘く人懐っこい香りは結構酒の場では好き嫌いがあるようだが、僕は好きです。

イタリアでは甘さを残してアスティ・スプマンテとして楽しむ。甘い香り、ジュースのような甘さは普通であればしつこさを感じさせてしまうが、発泡性にしてそれを和らげる。

フランスではアルザス地方、そして南フランスで辛口のワインに仕上げられる。作り手のトリンバックはアルザス地方で有数の大規模生産者兼酒商。シンプルなワインを造ることで定評があるが、このクセあるミュスカはどんな味わいと成るか。

香りは思ったほどマスカット香が発散しない。ライム、オレンジの皮、ミントの香りでどちらかというと青さを感じる。色合いは薄めで若干緑の色合いを帯びたレモン果汁のような薄い黄色だ。

アタックは金属的で、舌先に冷たいスプーンを押し当てたような感覚。酸は直線的だが、鋭いというほどではない。その後でほろ苦い味わいと、殆ど残糖を感じさせないアルコール感がやってくる。凝縮さは感じず、アタックから中盤の味わいが平板な感じだ。

余韻もドライだが、旨みに欠ける。酸が引いた後、舌の横っ面を引き絞るような収斂感が残る。この後味の酸味があまり心地よくないので、何杯もいただくには躊躇する。

ミュスカ、レベルのレゼルブという表示からもう少しブドウらしい果実の凝縮した味わいを感じさせてくれるかと思ったが、実はかなり硬質な酸のきいた味わいだった。アルザスワインなんで、こういう造りが正なのかもしれないが、ミュスカらしさは少ないのはちょっと残念。

【阪神百貨店 2,700円】

2007年9月24日 (月)

止まらぬセスクの快進撃、首位キープ

Bx2fyzlr
シーズンが始まる前、何を悩んでいたんだろうか、と思うほどの快進撃だ。土曜日のダービー戦も5−0の一方的な試合で完勝。これで6戦負けなし、5勝1分で首位をがっちりキープ

4強が徐々に上位を占めつつある中で、チェルシーのモウリーニョ監督解任という、この時点では驚くニュースが飛び込んできた。その直後のマンチェスターU戦はランパードもドログバもいない事もあったが、全くいいところ無く完敗。今後に大きな不安を投げかけた。

そんな中でもアーセナルは安定している。なにより得点力の向上はすごい6試合で既に15得点とダントツだし、ダービー戦でハットトリックを決めたアデバヨールは6得点、今年は昨年外してた安易なキックも確実に決めて、しかも攻守にわたる運動量の豊富さは目を見張る。目を離すといつの間にか後ろに引いて守備に入る。FWも参加する守備の堅さが今季の失点わずか4点に表れている。

そしてアデバの6点に次ぐ4点のセスク。全ての得点に絡み、名実ともにアーセナルはセスクのチームになったと言ってしまっても最早異論はないだろう。もともとコーナーキックの精度は高かったが、それが今季はミドルシュートに確実に表れている。

「10年後もこのチームにいるか、って問われれば現時点ではイエスだね。イギリスサッカーの全てが大好きなんだ。試合展開の速さ、攻撃的なサッカースタイルが気に入ってるんだよ。ストリートでサッカーに興じている子供のような気分さ。」

「アンリの存在は僕達を萎縮させていたんだろうね。彼はすごく偉大な選手だから、彼のそばで一緒にプレイすることは並大抵のことじゃなかったんだ。僕達は心ならずも自分たちのしたい事をせずに、自分たちを抑えてしまっていたんだろうね。アンリがやりたかったこと全てに任せてしまって、それに頼っていたんだよ。」

「誰もがアンリ不在の今年、アーセナルはどうにもならない、また無冠に終るだろうと予想していたね。そして僕達はそれに奮い立ったってわけなんだよ。」

アンリ不在は確実にチームの意識を良いほうに変えた。バルサで必ずしも期待通りの結果を出していないアンリもアーセナルを称えるコメントを出しているが、複雑な気分だろう。この調子で進んで行って、チャンピオンズリーグ決勝、モスクワで両チームが対決する場面も期待したいし、その可能性は十分だ。

ホームレス中学生

Wabosuwg
この本かなり売れてるようで、この連休中大きな本屋に行った際も全く見なかった。ようやくヒルトン5階のジュンク堂に1冊だけ残っていたので、買ってみた。

漫才コンビ、麒麟の田村君の自伝。テレビではダンボールを食べたとか、自動販売機を「宝島」と称して落ちているお金を探し回ったとか、かなり自虐的なネタを飛ばしていたが、不思議と暗い所は全く感じなかった。

彼のキャラもあるんだろうけど、そんな逆境を跳ね除けてプラスに転じて今があるんだろう、元々明るい性格なんだからこうした事もネタにできるんだろう、と思っていた。そしてこの本も自虐ネタ満載のそうした本かと思って読み始めた。

でもそれは皮相的な見方だった。そうしたネタ話はこの本のアクセントに過ぎない。ベースにあるのはお母さんを失い、お父さんも失踪するという逆境の中での兄弟の絆、家を失った兄弟に家を借りてくれる近所の人達の信じられないほどのやさしさ、止むことのないお母さんへの愛情、お父さんへの追慕が、短いけれどストレートな文章の合間合間に深く感じられる。

そして著者も決して明るく振舞うだけではなかった。
「生きてること自体に興味が無いんです。...十五年生きてきていろんなこと経験して、もう十分なんです。...生きてるよりも、お母さんに会えることのほうが幸せなんです。」

「もう嫌なんです。いろんなことを乗り越えるのがしんどいんです。...多分、僕の人生、悲しいことのほうが多いと思います。今のところもそうやし。」

中学生が語るにはあまりにもつらい言葉。間違えば死を選び、事実そうした選択をする子供達も入る中で著者をそうさせなかったのはお母さんへの愛情だった。母に会えるときのためにもっといろんなことを経験しておきたいという思い。

最後の文章、こんな考え方は今殆どできなくなっている。だからこそ新鮮に心に残り、言葉の持つ力に考えさせられた。
「いつか、僕を見て周りの人が、僕ではなく、お母さんのことを褒めてくれるような立派な人間を目指して。」

でもあんまりシリアスに書かれると、漫才聞いたときに笑えなくなっちゃうな。

ホームレス中学生
田村 裕(麒麟)著
ワニブックス刊
192p
1,300円(税別)

愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎

5mhunmhp
ヨーロッパの博物館に行くと奇妙な物に出会うことがある。異形の肖像、得体の知れない生き物の剥製のようなもの、臓器が露出した蝋人形...いったい誰がこんな趣味の悪いものを集めたんだろう?

集めるとすれば当時の王侯貴族くらいしかいない。気品、上品さに生きた彼らが本当にこんなものを集めていたのだろうか。いや、確かに集めていたのだ。かつてはどの城にもこのような収集品をあつめた部屋があったのだ。

この本ではそうした品々をカラーで多く紹介しており、眺めているだけでも楽しい。いずれも殆ど展覧会では見る機会のないものばかりで、正統(?)美術ファンには確実にソッポ物の世界だ。

しかしこれらの収集熱の背景にあるものは、世界の全てをあまねく知りたい、収集したいという純粋な情熱だった。そして当時はそれが可能だと思わせた時代だった。しかし時代とともにそうした全知全能的なアプローチは不可能なほど人類の知の対象は細分化し深みに嵌っていき、門外漢の介入を許さない閉鎖的な世界が数多く出来ていく。

今の時代からこれらの収集品を見れば、なぜこんな珍奇なものを真剣に集めたのか、と否定的に捉えてしまう。自分もそうだった。しかしこの本を読んだ後は少し違って見えてくる。情報の少ない時代に必死に世界の全てを知ろうとした収集家達、そしてそれをよしとした時代の寛容さに一種あこがれを覚えるようになってくるから不思議だ。久しぶりに博物館に行ってみるのも面白そう、そんな気分にさせてくれる異質の世界満載の本だ。

愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎
小宮 正安著
集英社刊(集英社新書ヴィジュアル版)
224p
1,000円(税別)

シュルレアリスム展 謎をめぐる不思議な旅

Ajeesxjn
姫路市立美術館で開催されているシュルレアリスム展へ。
http://www.city.himeji.hyogo.jp/art/kikaku/index.html

この美術館は元々ベルギー美術のコレクションが充実しており、ルネ・マグリットやポール・デルヴォーを収蔵していると聞いていたが、今回初めて訪れた。

シュルレアリスムは理性に縛られた人間を解放し、精神を解き放とうとした運動。精神の深き闇に迫る芸術家達は夢の世界に着目し、夢や無意識の世界を画面に再現することに苦闘した。

この展覧会はジョアン・ミロ、サルバトール・ダリ、ジョルジュ・デ・キリコ、マックス・エルンスト、パブロ・ピカソなど多くの作家の作品によって構成されている。無意識を画面に展開するために、これらの画家は多様な手法を用いた。そうした手法について説明を加えているのもこの展覧会の特色のひとつだ。

特にこの中ではマックス・エルンストのアプローチが興味深い。一人で数多くの手法を用い、偶然性をキャンバスで表現する事に情熱を傾けた画家であることを再認識することができた。

馴染み深いマグリットの作品も多く、特にデルヴォーの「こだま」の神秘的な静謐さは画面の大きさもあって、迫力とともに迫ってきた。作品数130点、現実を越えた怪しき作品群に不安感を揺り動かされる展覧会だった。

シュルレアリスム展 謎をめぐる不思議な旅
姫路市立美術館
9月15日(土)〜10月18日(日)
10時〜17時

ショレイ・レ・ボーヌ2004 ジョセフ・ドルーアン

Wxdqo9tc
秋らしくない秋で、どうも本格的に赤ワインを飲もうという気が起きない。飲んだとしても比較的軽めのワインがいいなぁ。そんな中で、ピノ・ノワールなんかは素直な選択。特に軽めの比較的やさしげなワインだったらなおいい。

そこで選んだのはショレイ・レ・ボーヌ。ブルゴーニュの村の中では知名度が高いとはいえない。むしろ低い。それはこの地には有名畑、一級畑さえもないからか。でもそんな所が結構気に入ってたりする。

このワインはネゴシアン物。ジョセフ・ドルーアンはブルゴーニュで手広くワインを手がける大手の酒商で、自社で多くの畑も所有している。

ショレイ・レ・ボーヌのワインは久しぶり。前回は最近知名度が上がってきているビオの生産者シャトー・ド・ショレイだった。
http://blog.kansai.com/cesc22/256
さて、今回はいかに?

色は薄めのルビー色で、ロゼを強めにしたような明るい色合い。香りは紅茶、お香、ストロベリー、カシス、スモーク香がある。

酸はおとなしくしなやか。若く酸っぱめのイチゴのような味わいを感じる。甘さは程よく、タンニンはしっかりしているが、まだ粗い。

ボリューム感は大きくない。しかし果実味とタンニンが中庸ながらうまくバランスしている。余韻はそれほど強くないものの、ピュアな果実を食べた後のさわやかで軽やかな甘さは細く続いていく。

個性的なワインではない。でも非常にコンパクトにまとまっているのは、さすがネゴシアンの力量か。AOCブルゴーニュにもありそうな味わいだが、それに比べると品のよさ、酸の刺激がない丸みのある味わいはやはり村名を名乗るブルゴーニュの端くれ(?)たるところなんだろう。この価格で飲めるんだったら合格。

【阪神百貨店 2,900円】

2007年9月23日 (日)

ドイツワイン飲み比べ ヘレンベルガー・ホーフのハウスメッセ

ドイツワインやビールの輸入元であるヘレンベルガー・ホーフ社が開催するハウスメッセの秋の会。毎年春秋、恒例の行事で、たったの千円でドイツワイン約40種が好きなだけ(といってもある程度自制は必要)楽しめる。

なんせ40種、中にはとっておきで普段はあまり楽しむ機会のない高額ワインも有料で楽しめる。実はコッチの方がお楽しみ。なにせドイツワイン1本1万は正直結構勇気がいる。さりとてグラスで置いてある店はほぼ皆無。こういうときしか楽しめない!

自分が飲んで、これはと思ったものを順次紹介。
Xgz85x8i ゾンメラッハ(フランケン) エディション セント・バレンタイン2006 ジルヴァーナ クヴァリテーツヴァイン トロッケン
2,415円

キリットした硬質な味わいとシルヴァーナらしい塩っぽさが好印象。熱い今の時期にはこういうスーッと体に入ってくるワインが心地よい。


Pdbrqxms ノルトハイム・ゾンメラッハ(フランケン) インゼルヴァイン シュトラント・ヴァイス2006 リヴァーナ クヴァリテーツヴァイン トロッケン 2,520円

リヴァーナ種という品質から作られるフランケン。(リヴァーナ=ミュラー・トゥルガウだそうです。)キャップがガラスキャップというのも初めて見た。ワインは程よい甘さとオレンジピールのような香り、冷やし気味にするときれいな飲み口でいけそう。


Pkrfqxbj フーバー(バーデン)2006 グラウアーブルグンダー クヴァリテーツヴァイン トロッケン 4,935円

いわゆるピノ・グリ種のワイン。バーデン地方も味わいのあるワインを作り出す注目産地。コクがあり、ベースに程よい隠し味程度の苦味もある、一瞬口の中で噛むような感覚にさせられるワイン。


Pss6qxzo ゲオルグ・ブロイヤー(ラインガウ) リューデスハイム ドゥースベルク「アイネトラウペ」2001 リースリング クヴァリテーツヴァイン トロッケン 6,825円

お馴染みゲオルグ・ブロイヤー、最も信頼できるドイツワインの造り手。大樽で仕込まれた特級畑のリースリング。果汁のポテンシャルが高く、凝縮味と余韻の豪華さ、上品さはすばらしい。キリッとした酸がべーすになって味わいを引き締める。


P0z9xzdw ベルヒャー(バーデン) ブルクハイマー フォイエルベルク2002 シュペートブルグンダー カビネット トロッケン 3,780円

ドイツワインの赤といえばシュペートブルグンダー、つまりピノ・ノワール。今回も何点か試飲できたが、これが一番印象深かった。大樽熟成で、単なる果実味だけでない、深さ、樽由来のスモークの香り、味わいが決してでしゃばることなくいいアクセントになっていた。


Ntrnjy4e S・フレーリッヒェ(ナーエ) ボッケナウアー2003 バッフス クヴァリテーツヴァイン 2,520円

ドイツ特有の品種バッフスは程よい酸を伴った甘さがしっかりしたジュース的なワインを作る。このワインも殆どジュースのような感覚だが、決してしつこくはない。果汁のうまさを感じられるワイン。


3wh69fzl フーバー(バーデン)マルターディンガー ビーネンベルク2005 ムスカテラー カビネット 4,515円

ミュスカの香り満載。華やかさな香りと甘みの凝縮感が感じられ、ミュスカの魅力再認識。ボリュームの豊かなワイン。


Jswvdiet シュタインマン(フランケン) ゾンマーホイザー ライフェンシュタイン1994 ジルヴァーナ ベーレン・アウスレーゼ 3,675円(375ml)

今日の特筆ワイン。フランケン、ジルヴァーナのベーレン・アウスレーゼで超甘口。しかしジルヴァーナなので、甘さは程よく収まり、香りはしかしトロピカル、マンゴーの熱帯系。15年の熟成とは思えない若々しさ。こういうのはここでしか飲めない!(買いたくても、どこにあるのかわからない...)


て、他にもいろいろあったのだが、もういい加減酔いが廻ってきてわかんなくなってしまった。しかし展示されていたワインいずれも味わいのポテンシャルは高いと思った。

有料試飲ではベッカーのシャルドネ(500円、ボトル価格6,300円)と、同じくベッカーのゲヴュルツ・トラミネールのアウスレーゼ(300円、同6,510円-500ml)をいただきました。まさに大満足のドイツワイン三昧でした。

2007年9月22日 (土)

秋なのに真夏のフットサル大会

Xsdvnnhg
今日は朝から吹田市のフットサル教室へ。しかし熱い。9月も下旬というのになんなんだろう?この暑さ!たまらんので半パンで出かけてしまった。

今日の初心者クラスは6チーム出場で、時間の都合上リーグ戦ながら1試合少なくした4試合で勝敗を競う。時間は10分1本勝負。今日のユニフォームはスペイン代表、もちセスク(ただし18番)。

いつもクラスに通っている方と、あとはコーチのスクールに通う助っ人中学生によるチーム。さすがに暑さにへばって自分は中盤を過ぎると交代を頼むが、他はぶっ通しでプレイしてた。やっぱ若い人は体力あるね。特に中学生はさすが動き盛りの体力無尽蔵...

結果は1勝3敗だったが、楽しく遊ばせてもらいました。この大会、参加費が安いんで助かります。あと参加賞(スポンサーのコカ・コーラからアクエリアス1本)も出るんで、お得かな?次は12月22日だそうです。

しかし初心者といいながら、やっぱウマイチームばっかり出てくるんだな?これはどこでも一緒だけど。

生命とは何か? 生物と無生物のあいだ

2foeamuc
一流の科学者は文章を書かせても一流であると感じることがある。寺田寅彦、中谷宇吉郎、ファイマン、湯川秀樹...それは理論一辺倒でなく、示唆的なエピソードを挿入しつつ真理を平易に語っていくその語り口に魅力があるのだと思う。

この本もそうした一冊のようだ。本屋では25万部、というような表示もしていたが、なぜこうした本が売れるのか?よくはわからないがとりあえず手にとってみた。

生物と無生物の間、生物とはなんだろうという定義をさがし、著者の叙述は続く。前半はDNAの全貌が明らかになる経緯を語りながら、その構造の美しさ、二重らせん構造で、それぞれが対になる塩基で結びついており、一方が壊れても対ゆえに複製が可能になるその構造から、生命の定義を「自己複製するシステム」とする。

しかしそれに留まらない。数多くの細胞で成り立っている生命だが、それは常に外乱により変異や崩壊の危険にさらされており、実際にそうした状態に陥っている。しかし外見上はなんら生命の営みに変わりがないのは何故か。それを著者は
「動的平衡」、すなわちそうした攻撃を先回りするように細胞は日々新たに更新を繰り返し、見た目上は全く変わりがないように働いている。しかし個々の細胞は日々失われ、新たな細胞が取って代わっているのだ。そこから再び生命の定義を「動的平衡にある流れ」とする

しかしそうした定義を超えるかのような生命の神秘に時として翻弄される科学者の姿もある。あるタンパク質を持たない生物がどうなるかを実験しようとしたが何も起こらない。しかし部分的に欠けた生物は明らかな異常を示す。持たざる場合は初めからそれに合わせた機構を形作る、人智を超えた生命の修復力、という現実が簡単な生命の定義を否定する。

所々やはり難しい箇所はあるが、別に読み飛ばしてもいいと思う。事実専門的な箇所は少々読み飛ばしてしまった。でもこの本の魅力は失われない。ここにあるのは生命の真理に迫った科学者たちの生の姿と、それを取り巻く環境、そしてミクロレベルで語られる生命の節理が綾なすドキュメントだ。

生物と無生物のあいだ
講談社刊(講談社現代新書)
福岡伸一著
288p
740円(税別)

大河ドラマ候補? 名君の碑

Fhyg1ocx
今年は風林火山で武田、来年は天璋院篤姫で幕末、と題材は違えど...の感じがする大河ドラマ。長いことやってネタ切れなのはわかるが、誰かいないものだろうか?

ここに紹介する人物は決して知名度が大きいとは言えないが、十分主役を張れるエピソードはあると思う。中村彰彦の小説、「名君の碑(いしぶみ)」は三代将軍家光の異母弟、保科正之を扱った時代小説だ。

保科正之は恐妻家、二代将軍秀忠が正室お江与の方以外に産ませた子で、幸松と名づけて尼寺に預け、後に譜代の高遠三万石、保科家に秘かに養子に出される。しかしやがて将軍家光に弟と認められ、その高潔な人柄から大きな信任を与えられて山形20万石、会津23万石へと駆け上り、やがて家光死後は幼少の四代将軍家綱の補佐役となる。

その間島原の乱、由比小雪の幕府転覆の企て、幼君の補佐など、幕府の危機に私を捨てて立ち向かう姿が描かれる。それを支えたのは兄、将軍家光への忠誠心、幕府への奉公の心だった。そしてそれは面々と受け継がれ、幕末の会津藩の悲劇へとつながっていく。

小説はあまり難しいところが無くドラマティックな展開で、時代劇を見ているかのようだ。劇的過ぎる感じがなくはないが、それでも一気に楽しめるのは確かだ。自分単純なんで、小説はわかりやすいこういう方がいいです。巷で評判のドストエフスキーなんかとてもとても...

名君の碑
文藝春秋刊(文春文庫)
中村彰彦著
704p
857円(税別)

饒舌、ヤング・アーセナル

Pjofesll
案ずるより産むが易し、とは今のアーセナルのためにある言葉かもしれない。プレミア首位に立った余勢を駆って、チャンピオンズ・リーグの予選でセビージャを3−0で破り、最高のスタートを切った。

それだけにチームメンバーは自信にあふれたメッセージを発ししている。まずは移籍希望から一転、残留したフラミニ。
「退団寸前だったのは事実だ。昨シーズンは出場機会に恵まれなかったからね。だからコーチと話し合って、お互い良い話し合いができたんだ。だから僕はいまここにいるんだ。アーセナルでプレイしていることがとても幸せなんだよ。」

次は最近セスク、アデバの影に隠れた感のあるロビン・ファン・ペルシー。
「全員が喜びを共有しながら戦っているってことが最高なんだ。僕達は若いチームだけど、実力は計り知れないと思うよ。このチームの連帯感は信じられないものだよ。皆がお互い協力しあってプレイし、戦い、お互いを支えあおうとするんだ。ヨーロッパでも他にはないチームだね。オランダでも言ったんだけど、それぞれの選手が同じ目標に向かって進んでいるって感じなんだ。」

そして好調のアデバヨール。ストライカーとしての自覚を語っている。
「大事なのはチームなんだ。もし僕が100ゴール決めてもチームが勝たなきゃなんにもならない。僕が10ゴールを決めて、チームが多くのものを勝ち取るってことの方が良くないかな。」

「アンリがチームを去ったとき、僕とファン・ペルシーがピッチに立ち続けることになるだろうって事がわかった。だから僕達の集中は別の方向に向かったんだ。アンリがいたら30ゴールは挙げてくれただろう。でも今は30点も取ってくれるような選手が自分たちのチームにいないことは明らかだから、試合に全力を投入して最大限の力を発揮しないとね。」

そして最後はもはや押しも押されぬガナーズの司令塔、かつ快進撃の原動力、セスク・ファブレガス。
「一歩一歩確実に進んでいかなければならないんだ。今はまさにそんな戦い方をして、それがうまく機能していると思うよ。このチームは未来を目指しているんだ。」

ヤング・ガナーズ、まずは土曜日のダービー戦を確実に勝ち抜いてもらい、首位をがっちりキープして10月末からの強豪との戦いに向かって欲しい。

2007年9月21日 (金)

ユンディ・リ/プロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番 

Rwbgcuhs
中国人ピアニスト、ユンディ・リ(李雲迪)にとって2枚目の協奏曲は、かなり変わった選曲になった。ベルリン・フィルとの初共演に選んだのはプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番。

殆ど演奏されないこの協奏曲、このCDで初めて聴いたが、なにかサスペンスというか、映画音楽のような劇的な音楽で、攻撃的な内容だ。曲に合わせて、ユンディ・リのピアノもいつになく激しく、一音一音が鍵盤を叩きつけるかのような迫力にあふれている。それでいて音色は冷涼でクリアだ。

特に第一楽章、序奏部の高音で金属的なピアノの音色がやがて渦巻くように激しさを増していく。聞いていると不安や焦りの感情が吹き込まれていくようだ。そしてどこか田園に抜け出たような穏やかな音楽に変わったかと思うと、奇妙なロンドが鳴り響き、何か魔術にかかっていくような気持ちにさせられる。例えるならファンタジーものの映画音楽の世界に似た雰囲気だ。

再び静けさがやってきて、序奏部の主題が繰り返される。そして次第に最初よりもスケールの大きなうねりのようなピアノの旋律とともにんどん渦の中へと巻き込まれ、ついにオーケストラの大音響が全てを飲み込む。そしてそれも潰えると、再び静かな序奏に立ち戻る。

協奏曲といいながら、第一楽章は殆どピアノの独奏で、ピアノが全てを語り、支配する。劇場的な音楽は舞台晴れすることだろう。ユンディ・リが晴れ舞台でこの曲を選んだのも聞いてみてなるほど、うなずけた。

新しい録音で音もクリア。透徹な音色と劇的な音楽との奇妙なミスマッチを楽しめるCDだ。


プロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番
ラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調

ユンディ・リ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:小沢征爾
 

阪急・九州物産大会 「か乃う」のアオリイカ丼

Xrqbcyym
帰り道、阪急百貨店7階で開催している九州物産大会に寄ってきた。そこのイートイン、長崎の「か乃う」という店が出ていて、五島海鮮丼、五島マグロ丼、五島海鮮上にぎり(9貫)が1,575円、アオリイカ丼が1,050円。この日はマグロ丼はなかったが、それには関係なくアオリイカ丼を選択。

厚切りのイカの上に青ジソを敷き、生卵の黄身とワサビを置く。ご飯は程よい酢めし。ここにタレをかけていただく。

イカはかなり歯ごたえがある。甘さもほどよい。上品な味。イートインの丼って高いんだけど、これは千円で食べることが出来るので、結構いいんでは?

あご(飛魚)スープがついている。焙った香りが豊かで、スープの中にはだし粉がタップリと入っていた。味はしっかり、けど少々塩が利きすぎてる気はしました。

2007年9月20日 (木)

ラ・ゴヤ マンサニーリャ デルガド・スレタ

Yewghxm1
辛口ワインで過小評価されている観のあるシェリー。一口にシェリーと言ってもいろいろあって、フィノ、マンサニーリャ、アモンティリャード、オロロソ、パロ・コルタドとある。

フィノは最も繊細なシェリー、そしてそのフィノと作り方は同じだが熟成される場所が違うのがマンサニーリャ。

マンサニーリャはシェリーの主生産地ヘレス・デ・ラ・フロンテーラから北東の海岸部、サンルカ・デ・バラメーダで作られる。海の影響を受けて若干の酸っぱさ、潮の香りがすると言われている。

このデルガド・ルスタ社のマンサニーリャは、一般のものが3〜4年の熟成なのに対し、7〜8年の長期熟成になっているというが、はたしてどうか?

色は淡く薄い黄色。かすかな緑を感じる。香りは芝、白菜、若く青い草の香り、ミントの香りも感じる。

味わいはふくよかな苦味、その後で塩っぽさとかすかな苦さを感じ、それに続いてふくよかな香りが口いっぱいに広がる。中盤の味わいは塩味とアルコール分のボリューム感だ。

余韻はなんといっても華やかで鼻腔いっぱいに広がる若々しい芝草のような清冽な香りを伴う塩味だ。

長い熟成の割には重厚な味わい、厚みというものはあまり感じなかった。しかし香りの広がり、塩味の深さは十分感じることができた。暑い時期にはミネラル、塩分を体が欲するように、たしかに今の時期こういうワインが自然に体に入ってくる気がする。

【グラシアス(大阪空港店) 2,800円?】

2007年9月19日 (水)

セスク&アデバヨール 首位での決意

Npbujqra
土曜日のトッテナム戦に3−1で快勝、ついに首位に立ったアーセナル。しかし次節土曜日の相手ダービーはニューカッスルを破り最下位を脱出した。アーセナルには水曜日にはチャンピオンズリーグのセビージャ戦がある。続く土曜日の試合は厳しいが、気を抜かず確実に勝ち点3をものにしてほしい。

土曜日のトッテナム戦で2得点を挙げたエマニュエル・アデバヨール。2点目のボレーキックは見事だった。決まるはずのゴールを決めずにああいうのを決めてしまうのは、まだ信頼感に欠けるが、とにかく結果は出ている。アデバヨールのインタビューから。

「僕達は今の状態に満足しているし、自信を持っている。今後もこの状態をキープしかないとね。」

「出場する試合の一つ一つが実験だと言われているし、僕達もそう感じている。でも一番大事なことはその時の一試合を勝ち抜いていくことなんだ。」

「僕達のチームが今も成長し続けているってことは皆もわかっているだろう?どの選手も90分をどうやって戦っていけばよいかを理解しているんだ。でも今はタイトルのことを口にしたくはないな。今はただこの調子をキープすることだけさ。」

「僕達は今もテクニックを身につけながら、それでいていいサッカーが出来ていると思うよ。これが続けられればシーズン終了後には結果がおのずとついてくるさ。」

2点目のミドルシュートを決めたセスク・ファブレガスもプレミアでは既に3得点、CLを含めれば既に5得点と得点力の向上には目を見張る。アンリ移籍で最も良い影響を受けたのはセスクに違いない。昨年までならパスでつないでいく場面でも、今季は積極的にシュートを狙う。その結果は確実に自らの得点とアーセナルの首位という結果に出ている。セスクもその手ごたえを語っている。

「昨シーズンも同じようなチャンスは何度もあったんだ。でも得点はできなかった。今年は少ないチャンスをものにできているよ。」

「勝ち続けることが必要だ。それがこの2シーズンに亘って自分たちに欠けていたものだと思っている。序盤戦で手に入ったはずの多くの勝ち点を落とし、そこから挽回しなければならなかったんだ。でもトップにいるチームは全然星を落としてくれなかったから、それも難しくなってしまったんだよ。」

「今はうまくやってるけど、これは単にこの1試合の事なんだから、続けていかないとね。シーズンはまさに今始まったばかりなんだから。」

アデバヨールもセスクも言うとおり、1試合1試合勝ち抜いていけば結果はついてくるはずだ。先は長い。タイトルよりもまずは次の試合に集中して勝ち点3を確実に手にして欲しい。ただセビージャ戦も大事なんだけど...

2007年9月18日 (火)

マリニー・ヌフ ピノ・ノワール2005

Aabya33b
フランスのピノ・ノワールはやはりブルゴーニュでしか楽しめないのだろうか?南フランスやロワールでも生産されているが、ピノらしい酸味と果実味、どちらかが欠けると、この品種の特質が失われ、面白みのない酸っぱいか、甘ったるいワインになってしまう。

ロワールに集う生産者も、どちらかというと白ワイン、ソーヴィニヨン・ブランの可能性に賭ける方が多いようだ。冷涼な地域ではピノ・ノワールの酸が強くなりすぎて、味わいも淡いバランスを欠いたワインになりやすい。

この生産者はロワール、古城で有名なポワティエでビオ農法によるワインを作っている。やはりソーヴィニヨン・ブランも作っているが、若い木から古木まで幅広く栽培している。この「マリニー・ヌフ」は若いブドウから生産したワイン。

香りはプラム、ストロベリー、コショウの香り。色合いは明るめで黒味を帯びたルビー色。エッジは薄めの印象。

アタックはおとなしめの酸。やわらかい果実味は若いイチゴの甘酸っぱさに似ている。タンニンは細かくなめらか、ベースとしては弱いので、ボディの膨らみ感は強くない。

余韻もベリー系の甘さの感覚が細く残るが、それほど長くはない。

全体的にはベリーの味わいを前面に出した、ピュアなワインだと思う。味わい的には特に秀でた印象はないが、やさしいストロベリーの味わいは好感が持てる。ピノ・ノワールをピュアにお酒にしたら案外こんな感じなのかも?

【高島屋大阪店 2,400円?】

2007年9月17日 (月)

ヴァン・ド・ターブル・フランセ(NV)ディディエ・シャファルドン

_tdrqfhz
フランスで言えばAOC、イタリアならばDOCGかDOC、スペインならばDO、原産地統制呼称法で決まった呼称を使うことで一定の品質を保証する仕組み。その認証を受けるには品種や醸造法などで一定の基準を満たさなければならない。

消費者には品質保証ということで便利かもしれないが、生産者にとっては自分が作りたいワインを自由に作れないということにもなる。イタリアではそのような中でむしろヴィノ・ダ・ターヴォラというテーブルワインのカテゴリーでスーパーワインを作ることが一般化している。

そんな流れがフランスにもやってきているようだ。少数だけどヴァン・ド・ターブルのカテゴリーでワインを作る生産者が現れている。

このワインもその一つ。作り手のディディエ・シャッファルドンはアンジュー地区の若き生産者。カベルネ・フランで作られるこのワインをなぜヴァン・ド・ターブルで作っているのかよくわからない。低収量で丁寧に作られ、タンクで発酵熟成されているとのことだ。このワインに関してはラベルの朴訥な雰囲気に魅かれてしまった。

香りはカベルネ・フランらしい鉛筆のけずりかす、ピーマンの香りがある。ユーカリのようなスーッとする清涼感もある。色合いは濃い目の紫で、エッジもしっかり色が入っているが、少し荒めの質感を感じる。

最初のアタックはかなり鮮烈な酸。その後で粗めのタンニンと酸っぱくまだ若いストロベリーのような味わいがやってくる。酸とタンニンのバランスは良いが、ボディとなる果実味が細いので、あまり大きな膨らみを感じない。おとなしめの味わいだ。

余韻は短めで、ゴツゴツしたタンニンの渋みを感じる。あと酸の余韻が予想以上に引っ張る。ちょうど薄めのカルピスを飲んだ後のような感じに似ている。

品種の特徴がよく出ているワインだと思うが、あまり秀でた特徴は感じない。酸が突出した印象もあるので、万人受けするワインではないが、くっきりした酸もあるのでフルーツソース的な料理に合わせてみると面白いかと思った。やっぱカベルネ・フランは単独では飲みづらいな〜

【高島屋大阪店 2,500円?】

華やぐ終焉 堀文子展

D8xsocgv
昨日の日曜美術館で紹介されていた日本画家、堀文子の回顧展。89歳で現在も活躍しているこの画家の作品をテーマ、「花」「生物」「人物」「風景」に分けて展示している。

回顧展なのに時代順に配列していないが、ある程度鑑賞が進めばその理由はおのずからわかってくる。この画家には年代に応じた画風の変化が感じられないのだ。ピカソのように「青の時代」「バラ色の時代」「キュビズム」といった明確なものでないにしろ、普通の作家にはそうした画風の変化が感じられる時がある。しかしこの画家にはない。

初期の絵画は植物を扱いながら現実感が希薄で、シュルレアリスム的、かつオキーフの花の絵のような艶かしさも感じられる。しかし同時に伝統的な日本画的な花を描いてもみせる。一品一品でその画風は変化し、年代順に記憶にとどめようとするのは至難の業だ。その理由を画家自身が明確に語っている。

「繰り返すことを避けたのは心の停滞が絵から生気をなくすためです。」

「新しい仕事には常に不安と恐れ、失敗がつきまといます。その緊張が私を集中させました。いつも不安でいる状態が私の創造の道標であり、それが私が一定の画風を作れなかった理由だと思います。」

0crivs2w それでも今年89歳の画家の目は、より小さきものへの慈しみ、ふと目にした小さな生命の営みへの共感に向かっているようだ。顕微鏡の中のミジンコにも美を捉えることができるその感性、それは長い年月の中で多くの自然を表現してきた故の到達点だろう。


「私、5ミリでもいいから、昇りながら死にたいです。描いたことのないものをふるえるように描きたいと思います。」

すでに画家は近い将来の死を意識している。しかし恐れる様子はない。土から出て土に帰る、幾たびも繰り返されてきた生命の摂理を受け止めているからだろう。表題作「華やぐ終焉」は枯れ朽ちた落ち葉とともに新たな実りを金地に散らし、生命の交錯する世界を楽しんでいるような作品だ。

作品の中に2007年作の牡丹の絵があった。金地の中から太く短い茎が立ち上がり、大輪の牡丹の花が咲く。それは周囲のエネルギー全てを華に吸収して咲き誇っているが、やがてその重みに耐えかねて根元からプツッと折れそうな緊張感に包まれていた。しかしこの華やかな牡丹はそうした終幕を迎えるのがふさわしいだろう。絶頂の中で終焉を迎える、それがこの画家の本意であるはずだから。

堀文子展〜画業70年 自然と共に生きて〜
高島屋大阪店(なんば)7階 
〜9月24日(月)
10時〜20時

首位アーセナル!巨人も奪首

D4q4dwav 土曜日のアーセナルは対トッテナム戦。先制を許したもののその後はアデバヨールの2点、そしてセスク・ファブレガスのミドルが決まって3−1で勝利。リヴァプールが引き分けたため、アーセナルが5試合で4勝1分で首位に立った。まさに最高のスタートを切った。

セスク・ファブレガスとエマニュエル・アデバヨールはともに3得点で得点ランキングも2位に並んだ。アンリ不在で心配された得点力も今のところは結果が出ている。ただしどうも先行される試合が多いのは、いつものアーセナルのクセか?

セスクはこれで5試合で昨シーズンの得点(2得点)を越えた。今季の得点力アップは目を見張るようだ。今までならパスしていた場面でも自分できめに行く。今季はまさに未知の領域へと足を踏み入れ、飛躍の年になりそうだ。順調に行けば9月のMVPにも名前が挙がってくるだろう。

Olrllm4r アデバヨールもこの試合の後半はまさに絶好調。同点ヘッドも良かったが3点目のボレーは絵に描いたようなゴールシーン!アンリの後継は自分、といわんばかりにストライカーの役割を果たしてくれた。


しかし逆に心配なのはトッテナム。シーズン前はアーセナルよりも上に行く、という予想もあったが蓋を開ければ1勝1分4敗と大ブレーキ。この試合でも決定的チャンスを外していた。マルティン・ヨル監督の解任もかなり現実味をおびてきた。今季監督解任の第1号となってしまうか?

セスクもスタートダッシュにかなりの手ごたえを感じているようだ。試合後のインタビューから。

「いい試合が出来たと思う。この調子を続けていかないとね。大事な試合に勝つことができた。リヴァプールが引き分けて首位に立つことができたんだから。このまま突っ走りたいね。」

次週は最下位のダービー戦。リヴァプール戦では0−6の大差で敗れている。今のアーセナルの状態からすればよもやとりこぼしはすまいと思うが...気を引き締めて大差で勝ちにいってもらいたい。もちろんセスクもゴール量産体勢で。

巨人も勝って首位を奪ったし、スポーツに関してはいい週末になったな〜smileあ、阪神ファンが多い関西どっとコムでは禁句?

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第1番

0ummr_rj 少し前、9月1日に西宮にある兵庫県立芸術文化センターでピアノのコンサートがあった。ピアニストは阿部真理子さん。自分が所属する合唱団の伴奏をしてくださっている。いつも的確に音取りで欲しい音を出してくださる、指導者としてもすばらしい方だ。このときのコンサートは20周年記念で、ロシア音楽をとりあげられていた。

・ショスタコーヴィチ チェロソナタ ニ短調 作品40
・ラフマニノフ ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 作品1

ラフマニノフのピアノ協奏曲は当然オーケストラと演奏されるものだが、ここではピアノ2台での演奏だった。オーケストラ伴奏を妹さんの阿部信子さんが担当、息のあった演奏を聞かせてくれた。

ラフマニノフのピアノ協奏曲は2番が圧倒的な人気で、次が3番、1番は殆ど演奏されることがない。4番に至っては失敗作の烙印を押されているようだ。僕自身も2番は大好きで、たぶんベルレクに次いで最もCDを聞いた曲だ。しかし1番もダイナミックでなかなか良かった。帰り際に買って聞いてみようかと思ったが、よくよく考えるとCDを持っている事に気がついた。

T4jiciw7_s指揮は小澤征爾、ピアニストはツィマーマン。ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番&第2番のカップリング。2番を聞くために買ったので、すっかり忘れていた。哀感漂い聞いていると苦しくなってくるような2番に比べると1番は勢いに任せた疾走感がある。このCDの2番はあまりにも淡々とした演奏で情感に乏しく好きになれなかったが、むしろ1番は子気味良いテンポで演奏されていて、ストレートなこの曲に合っている感じがした。


自信もピアノ弾きだったラフマニノフ。ピアノ演奏家にとっては思い入れのある作曲家であろうし、そんな作品を演奏できることは羨ましい限りだ。遅ればせながら阿部先生、お疲れ様でした。今後はまた合唱でのご指導よろしくお願いします。

2007年9月16日 (日)

アルフォンス・ミュシャの殿堂 堺市立文化館

Ztm6b344
JR堺市駅に直結している堺市立文化館の中、アルフォンス・ミュシャのコレクションを集めた展示室がある。堺市とミュシャの関わりは、堺市で生まれた歌人、与謝野晶子が活躍した「明星」誌の挿絵にミュシャが取り入れられていたことからだそうだが、ミュシャの展示室が4階、その下3階は与謝野晶子文芸館になっている。

コレクションは「カメラのドイ」の社長土井氏が寄贈したものから成っている。大きな装飾ミラー、アールヌーボー装飾満載の精巧なアクセサリー、そしてポスター、挿絵などミュシャの世界が満載。これだけまとまってミュシャ作品を見ることが出来る場所は、おそらく日本でもここくらいではないだろうか。

チェコ出身のミュシャだけに、華やかな装飾芸術ではあるがどこか暗い雰囲気、陰鬱さを帯びている。そしてそうした事が彼の作品から受ける印象を単なる表面的な美しさに留まらせず、日本人の心の琴線に触れる深いものにしているのだろう。

阪堺電車に乗って

Tvvkphvz_s堺まで出かけることにしたが、フツーに行くのもなんなので、天王寺まで地下鉄で出て、そこから阪堺電車に乗ることに。堺は昔10年ほど住んでいたが、阪堺電車に乗る機会はなかった。天王寺駅前を出てしばらくは路面電車の路線。


Wsurklox_s堺方面に行くには、住吉駅で乗り換える。住吉が近づくと高い建物が少なくなり、住宅地らしい情景に変わってくる。


Jfcsnuye_s住吉駅で上町線(天王寺駅前〜住吉公園)と阪堺線(恵美須町〜浜寺公園)が交差する。こちらの我孫子道行きの電車は赤と黒のデザインで、なかなかスタイリッシュでかっこいい。


Oxmpvpft_sこちらは天王寺駅前行き。祭りのイラストがかわいらしい。そういえば、堺では今日はふとん太鼓の行列が町に繰り出していた。暑い中大変だろうなぁ。今日も秋に似合わず蒸し暑い一日でした。特に堺は大阪に比べて暑く感じたがなんでだろう?

2007年9月15日 (土)

サウナでフットサル もうバテバテ

Jx6luaqu
今日は2ヶ月ぶりに万博でフットサル。15時からだったが、その10分ほど前から急に豪雨。約15分ほど降り続いて、雨が上がったらグラウンドは蒸し風呂状態。9月も中盤だというのに、この暑さはなんなんだ!話によると、エル・ニーニョが発生してことしは秋の涼しさを通り越して冬に向かうというが...

今日はホント足が上がらなかった。暑さのせいにはできないけど動かなかった。出来はサッパリ。まぁいつものことなんだけど、今日はひどかった。

11月にハーフマラソンにエントリーしたので、週末は練習も兼ねて15キロほど走るようにしているが、今日の11時頃から走り始めて、やっぱ厳しい暑さにクラクラした。淀川のコースは車も無くてジャマされずに走れるけど、欠点は給水ポイントが皆無なこと。思わず堤防から降りて、最寄の自販機を探しまわってしまった...

午前中ジョギング、昼フットサルはちょっと無謀だったかなぁ?トシを考えてホドホドにしとこうと反省。ただ体重は1日で2キロ減。まぁビールやらで水分補給して翌日には戻るんだけどね。

チロ・ロッソ・クラッシコ2005 サンタ・ヴェネーレ

35ujnsay
ラベルを見ると、ある程度は味わいの予想をする。そして実際に飲んでみてその想像がうまく裏切られたとき、そのワインが印象深いものになる。

しかし全く想像できないものもある。このワインもそうだ。カラブリア州は南イタリアだから割合甘さを感じるゆったりした味わいのワインであると予想する。しかし次、品種はガリオッポ、全く聞いた事も飲んだこともない品種だからそれ以上の想像はつかない。だったら飲んで試すしかない。

カラブリア州はギリシャ時代からワイン作りをしていたといわれている。そしてこのガリオッポもギリシャ由来の世界でも最古のブドウ品種だそうだ。さて味わいは。

色合いは明るめのルビー色で、グラスを傾けたときの周縁部は若干薄め。香りはブラックチェリー、甘草、カラメル、湿り土、ユーカリの香り。

アタックは程よい甘さを感じ、酸は控えめだが、その後渋さとともにジャープな酸が広がる。深さを感じる渋さではなく、苦さという表現のほうが近い。薬の苦さに近いか?

ベースの果実実はまずまず。程よい甘みと明確な酸がこのワインの味わいの骨格を形作る。そしてタンニンの渋みはこのワインでは味わいのベースとして働くのではなく、いわゆるアクセントとして機能している。ボルドーワインはタンニンが下支えとなって、酸味や果実の旨みを押し上げる格好になっていると思うけど、このワインはそうじゃない。酸、旨み、渋みが並列して存在しているような感覚だ。

だから余韻も非常に軽やかで、ほんのりした甘さの余韻が比較的長く続く。渋みの収斂感が強すぎるきらいはあるが。

なかなか野性味のある面白い味わいだった。普段のワインの味になれたときの隠し玉として出すと結構受けるかも。でも飲み続けるにはこの苦さ、結構つらいかな。

【グラシアス(大阪空港店) 2,100円】

時代に逆行? 「命令違反」が組織を伸ばす

486uuzfu
まず単刀直入にこの本は久々に面白く読ませてもらった格別の1冊になった。(ので長くなります。)

驚きだったのは、まず題名。このCSR、ルール遵守第一の風潮が強い中で「命令違反」を肯定的にとらえていること。ただし全ての命令違反を著者は是としているわけではないが。

次にこのようなショッキングな題材ながら、単に精神論で言っているのではなく、経済学の手法を取り入れた分析による解説を行っている点。しかもその事例として太平洋戦争を中心とした日本陸軍を用いている点にも驚く。

最も命令違反を忌避する軍にあって、日本陸軍は度々現地の指揮官による暴走を起こし、最後は精神論のみでやみくもに太平洋戦争に突入し、多くの人命を失わせた、と思っていた。

しかし、そんな中でも冷静に現場の実態を見つめ、命令がふさわしくないと判断して敢然と命令違反を犯し、少しでも事態をよい方向へ変えようと努力した指揮官がいた。

よい方向と言っても、戦いである以上多くが死んでいくことに変わりは無いし、それになんの意味があるのかと思ってしまう。しかしそれは自分たちが今の時代背景で物事を考えてしまうからであり、戦地にある人達にとってはそうではなかった。死は避けられないとしても、その死は無駄死にではない、兵士が兵士として死んでいける状況を作ることに指揮官は最後の努力を傾けた。

本部からの迎撃命令を拒否し、ペリリュー島で執拗な洞窟ゲリラ作戦を展開してアメリカ軍を恐怖に陥れ、陸軍の幹部達に戦略の転換を迫った中川州男大佐の事例は驚くべきものだった。そして映画「硫黄島の手紙」で栗林忠道中将が絶望的な状況でも戦い抜くあの姿勢があのときは理解できなかったが、この事例を読んで少なからず理解できた。

この本を読んでいくと当時の状況は時代の狂気の中で突発的に起こった極端なものではなく、現代においてもありうる正常な判断の元で起こったものであったかもしれないことに驚く。自分たちが歴史を判断するとき忘れがちなことは、人間は完全なものでないという事、常に正しい判断を下すものではない、という事だ。今を基準に判断しても歴史の本当のところは何もわからない。

完全ではないゆえに判断の間にはずれが生じ、そのずれによって不条理が発生する。その不条理を是正するのは組織にあっては「命令違反」という著者の主張、普段の仕事にあってもそうした場面はよく出くわす。CSR、ルール遵守も結構だが、そうした規範が社会的なものとそぐわなくなる場合が往々としてある。そういうときにそれを改善する契機は残念ながら外側、一般社会からの糾弾によるものが大半だ。そうしたことにならないためにも、著者の言う命令違反をあえて受け入れることのできる弾力性が組織には確かに必要だと思う。

しかしながらつまるところそれは管理者の許容範囲に依存せざるをえないのではないだろうか。組織を考えながらも人の資質に行き着いてしまったジレンマを感じずにはいられないが、久々に知的好奇心と組織論の両面で考えさせられる本だった。

「命令違反」が組織を伸ばす(光文社新書312)
菊澤研宗(けんしゅう)著
光文社刊
272p
760円(税別)

淀川お散歩ガイド 淀川かわあるき

Fianeor5
自宅が淀川沿いなもんで、よく自転車やジョギングで河川敷を通るんだけれど、いろんな石碑やら、橋やら、興味を惹かれる場所がある。そんな時のうってつけのおトモになるのがこのガイドブック、「淀川かわあるき」

淀川、と呼ばれるのは今の淀のあたりで桂川、宇治川、木津川の三川が合流するから。北陸の産物が琵琶湖を経由し、淀川から大阪の地にもたらされ、古来から関西発展の大動脈として機能したこの川だが、幾たびも氾濫し多くの人の命や財産も飲み込んできたことだろう。川のあちこちに「..切れ」「..改修碑」といった石碑があるのも、そんな治水に苦闘した昔の人達の労苦を忍ばせる。

この本では淀川流域を河口から中流の枚方、そして三川合流の地淀、宇治川の上流までを10ポイントに分けてそれぞれ約20のポイントを簡潔な解説付きで紹介。後ろには川の用語解説も載っている。パーツパーツに分けて歩いて訪ねるもよし、自転車に乗ってザーッと行くもよし。ただ景色を見るだけじゃない淀川の楽しみ方がこの本にあると思う。

淀川かわあるき(淀川ガイドマップ)
淀川ガイドブック編集委員会編
廣済堂出版刊
112p
700円(税別)

2007年9月14日 (金)

関西フィル モーツァルトの演奏会

Ke6taxc0 関西フィルの演奏会に行ってきた。指揮は宮本文昭氏。元々オーボエ奏者で、演奏家としての経歴にピリオドを打って指揮者をはじめ、音楽プロデューサー、後進の指導と新たな道を求めたとのこと。指揮者としては関西初登場。


Podvcfjk 開場は京橋、OBPにあるいずみホール。ここに来るのは初めてだ。シンフォニーよりは小さいが、その分雰囲気が和やかで重々しさを感じない。室内楽、ピアノ演奏会などにはこうした規模の会場のほうが好ましい。あといすのすわり心地がやわらかで気持ちがいい。シンフォニーホールはどうも堅いので、長い演奏会だと結構しんどくなる気がするのは僕だけか?


今日の演目(アンコール除く)は全てモーツアルトだった。
・歌劇「フィガロの結婚」序曲 K.492
・ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271「ジュノム」
・交響曲第40番 ト短調K.550
(アンコール)
・シューマン 「子供の情景」op.15よりトロイメライ
・モーツアルト 交響曲第40番 第3楽章

フィガロの序曲はおなじみで、何時聞いてもわくわくする軽快な内容で、これを最初に持ってくるのはまさに指揮者の観客に対する明快なメッセージだ。「堅くならないで、楽しみましょうよ。」そういえば、演奏の前、10分間は指揮者に直接インタビュー形式で今日の演奏に対する思いを話してもらうコーナーがあった。

ピアノ協奏曲は若いピアニスト松本和将氏との共演。この曲を聴くのは初めてだが、若々しくチャーミング、かつロマンティックな曲だ。指揮者もピアニストもどうやらこういうロマンティックな曲が得意と見える。ピアノのタッチも軽く滑らかだった。

交響曲もおなじみの40番。やはり名曲だと思う。演奏は若干早めで、もうすこしたっぷりと演奏してもいいんじゃないかと思ったが、音の輪郭はしっかりしており、引き締まったスタイリッシュな演奏だった。

Vdkudlhz ピアノとオーケストラのアンコールそれぞれ1曲を含めて、非常に力の入った満足できる演奏会だった。拍手も非常に多く、いずみホールの観客の皆さんはマナーも素敵でいい雰囲気のコンサートだった。12月はこの関西フィルとヴェルレクで共演できるので、非常に楽しみ。

ブルゴーニュ・アリゴテ2004 フランソワ・ミクルスキ

9ts3pmzu
以前ニコラ・マイエのアリゴテで、アリゴテのやさしい味わいもあることを知ったので、他のも試してみることにした。
http://blog.kansai.com/cesc22/484

今回のアリゴテはムルソーで今最も畑の個性を表すワインを造ると評判のフランソワ・ミクルスキのアリゴテ。

ミクルスキはAOCシャルドネで経験済み。
http://blog.kansai.com/cesc22/444
ハツラツとした酸、後でジワっとくる味わいが印象的だったが、さてアリゴテではどうか。

香りは控えめで、乳酸、杏仁豆腐、セロリの香り。シャルドネよりも青さを感じる。色は緑がかった黄色。

やはりアタックの酸はシャープで鮮烈。その後で塩っぽさと若干の苦味をともなった味わいがやってくるが、厚みはそれほど大きくはない。舌の前面で展開するような感覚で、口全体に広がるものではない。

前に飲んだアリゴテに比べると酸がはっきりしていて、少々痛い思う感じもある。冷蔵庫で冷やしすぎたからかもしれない。後半の味わいは酸も落ち着いて、じんわりとしたかすかな甘さも感じられる。余韻は中くらいで、酸からくる収斂感が舌の横を引き締める感覚が残る。

しっかりした酸の主張はアリゴテに持つ印象を裏付ける。そこにほどよい厚みを加えた骨格は、夏のワインとして使えるだろう。でもやっぱこの酸、体調が万全でないと結構キツイかな。少し時間を置くと練れてくるんだけど...

【大丸百貨店 2,400円】

2007年9月13日 (木)

ディンドリ リザーブ・シラーズ2006 スラ・ヴィンヤーズ

_ijqpxcc
自分の中で最近イチオシはインドワイン、暑い地域なんで甘さベッタリのワインと思いきや、全く逆。さわやかな酸はしっかりあり、香りも複雑さをたたえている。赤も白もオススメだが、特に白、ソーヴィニヨン・ブランは本拠フランス・ロワールにある鮮烈かつ涼しげな味わいを持っている。

そのインドワインの雄、スラ・ヴィンヤーズのシラーズの上級キュベがこのディンドリだそうだ。この生産者が所有する畑でも最もよい区画から産出されるシラーズ。通常のキュベでも十分スパイシーさと漢方薬系の複雑さを持っていた。それはクローズ・エルミタージュのトップ、アラン・グライヨの味わいにクロスするものだった。

香りにまずガツンとくる。黒コショウを荒削りした香り、救急箱、古びた本にあるような香り、薬品系の香りがズンと鼻腔に入ってくる。獣的な香りもあるし、正直この香りに拒否感を覚える人も多いだろう。でも僕は大好き。オークの樽に由来するヴァニラの香りも顕著。若干付けすぎの感もしないではないが?

色は黒味の強い紫。重厚というか濃厚すぎて、底は全く見えない。エッジまで濃密に色が入っている。

味わいのアタックは思いのほかしなやかだが、すぐにスパイシーな味わいが口の中に広がっていく。しかし濃厚な味わいではない。果実味もまとまりがあり、野放図にただただ押しまくるようなことにならないのが不思議だ。タンニンもしとやかで、酸とのバランスも絶妙。この味わいはまさしくコート・ロティに共通する味わいだ。石焼イモの少しこげた皮を食べたときの感覚によく似ているなぁ。甘さと苦さのハーモニー、そしてスモーキーな香りが加わって、このワインの複雑な味わいを形作っている。

余韻も繊細な甘みとスモークの香りが微妙に絡み合い、長くふんわりと続く。

こんなワインをいとも簡単に低価格で作ってしまうとは...インドという国の潜在力には本当にまいってしまう。そしてその力を見出したオーナー、ラジブ・サマント氏の先見の明。素晴らしいとしかいえない。Great JOB!

【創酒タカムラ 2,800円】

5分間クルーズ 天保山の渡し

Ypchdpyj_s天保山のサントリーミュージアムに向かう。暑さもさほどではなかったので、自転車で淀川の河川敷を下り、ユニバーサルスタジオを通過して桜島から天保山の渡しに。ここを利用するのは初めて。だいたい30分に1本、無料で対岸に渡らせてくれる。


Dsjdr34v_s運営は大阪市。今、大阪市に残る渡しは8箇所だそうだ。この天保山の渡しは安治川最下流の渡し。此花区桜島3丁目と港区港湾3丁目を船でつなぐ。


Muyhymil_s乗船し出発。短い船旅ながら、なんかウキウキする。子どもと変わらんな〜!


8fhnovhh_s船から大阪湾を臨む。大阪市が水の街、港町だってことを改めて実感しました。

醜さに美を追うロートレック展

Lus13wj_
天保山のサントリーミュージアムで開かれているロートレック展へ。ここは元々ロートレックのポスターコレクションを持っているから、それらを中心とした企画展。
http://www.suntory.co.jp/culture/smt/gallery/index.html

油絵もあるが、早描きのような仕上がりのものが多い。ロートレックの油絵はタッチも大胆で流れるような捌き、一見するとパステルと見違えてしまう。

ロートレックの作品を見る時、必ず画家が送った人生、パリの華やかさ、その影に存在する醜悪さ、そうしたないまぜの背景と切り離せずに見ていることに気がつく。他の印象派の画家とは違う点がここにあると思う。だから余計に惹かれてしまうのだ。

ある歌手(イヴェット・ギルベール)はあまりに醜く描かれたロートレックのポスターを見て、その完成を拒んだ。しかし今見れば、他のどのポスターよりもロートレックの物が彼女の魅力を表現していることは疑いない。

『醜さの中に美しさがある。それを見出だした時に私はときめく。』

彼の作品の魅力はまさにここにある。醜く描かれ、永遠にパリの歴史に名を留めることになった芸人達、写真と共に見比べるのも愉しみだ。11月4日まで。

ANDO 安藤忠雄の世界に浸ろう

Xminsphj
今、日本で最も有名な建築家は安藤忠雄なんだろうな。コンクリート打ちっぱなしの建築がフツーに氾濫する現状を見るとまさにそう思う。

そんな安藤忠雄の世界を概観できるのが、美術書でおなじみのたTASCHENから出版された。発刊が遅れていた日本語版で、しかもコンパクト版。ようやく出ました、という感じだ。

安藤忠雄の建築はコルビュジェとは対照的なコンクリートの厚みのある建築だが、なぜか重々しさは感じない。空間を上から下へと圧迫するかのような灰色のコンクリートの塊の建築が、なぜそのようなことを感じさせずに魅力を放ち続けるのか?

つややかな大理石のように表面を磨いたコンクリートという素材がもたらす影響、すなわちそこから生まれる反射光の具合、質感もあるだろうが、垂直方向へと伸びる外郭線の印象が物理的な重さを感じさせていないのかもしれない。

難しいことはわからないが、コンクリートという素材を日本の風土と協調させるために格闘し続けたこの稀代の建築家の作品はこの本に十分反映されている。文章は読まなくても、その写真を眺めるだけでも十分楽しい。むしろ難解な説明はかえってその魅力を減じてしまうかもしれない。

ANDO
古山正雄著 
TASCHEN刊



2007年9月12日 (水)

マッサ・ヴェッキア ヴィノ・ダ・ターヴォラ・ロッソ(NV)

Hjp7yemd
最近イタリアワイン、ミョ〜に手書きラベルが多い。でもこれがクセモノ、凄いワインが多いんだな。

マッサ・ヴェッキア、ここのワインも目にすることはあったんだけど、なかなか買うまでには至らなかった。というか少量生産で、殆ど出回ることが無いというか、あっても目ざといツワモノさんが押さえてしまって、自分の様な無節操愛好家には廻ってこなかったのだ。たまたま今回は手に入れることが出来たというだけの話。

マッサ・ヴェッキア、自然に任せたワイン作りをつめようとする生産者。ビオ農法は勿論、昔ながらの木製発酵樽、野生酵母で醸造するその姿勢は言葉は悪いが「狂信的」といえるかもしれない。このワインはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローを50:50でブレンドしたものだそうだが、果たしてそこから生み出されるワインは?

香りはカカオ、プラム、くろすぐりジャム、ゴム、ユーカリ、甘草、コショウといろいろな香りが感じ取れる。色合いは深みのあるルビー色で、エッジまでしっかりと色が入っている。

味わいはシャープな酸に一瞬驚かされる。その後に凝縮した果実の味わいとボリューム感のある酸、キメは粗いが決して暴力的ではない力強いタンニンが同時にズカン、とやってくる。そして凝縮していた果実のパワーがその酸とタンニンに下支えされてドカンと破裂する。ミッドの膨らみ、ボリューム感にしばし圧倒される。

しかし余韻はなぜかしなやか、いさぎよい引き際を心得ているかのようにスーっと引いて行く。しかし後に残るコク、ポートワインを飲んだときのような心地よい甘さの感覚は長く残り、しばし次の一杯を口に運ぶのをためらわせる。

感傷的な表現だが、圧倒的なこのパワーは一瓶にこめた作り手の想いの結晶なのだろう。こうしたワインを産み出すイタリアという土地、そしてそれを引き出すのはやはり人間の力ということを改めて感じさせてくれるワイン。もうカンベンしてください...

【Wineshop FUJIMARU 4,200円】

ル・コルビュジェを見る

Dh3vumf6_s


おそらく20世紀で最も著名かつ影響の大きな建築家がル・コルビュジェであることに異論はないんじゃないだろうか。あの安藤忠雄氏も愛した飼い犬にその名前をつけるほどだし。でも何がすごいんだろうか、さっぱりわからなかった。そんな疑問に答えてくれる本がこの新書。

彼の凄さは本来大地に立つべき建築物をそこから切り離し、空間の中で完結した建築を自然と作り出したことだという。それは壁を構造体として用いる工法から、柱で支える構造への転換が可能にし、壁の中に大きな窓を取り込むことで、空間に浮遊する感覚を生み出すことが可能になったのだ。

6s7_ijrv 彼の代表作サヴォワ邸がまさに一つの到達点だ。たしかにこの建築物は大地と切り離され、重力とは無縁の生活環境を呈してくれるかのような感覚だ。重さを殆ど感じさせない。ただあまりに先進的過ぎて、技術が追いつかず漏水が激しい欠陥住宅だったのだそうだが。


N64wpqg7 そして最後の到達点がロンシャン教会堂。幾何学的な構造からはかなり離れて、サヴォワ邸からは対極にあるようだが、それでもこの形態、いささかも重さを感じないのはなぜだろう?天空に向かって自然に伸びていく流線型、ここにはコルビュジェが生涯持ち続け大地から芽吹く樹木のイメージがあるという。確かに樹木は根元は太いが、大きく上に向かうその姿から重々しさは感じない。


この本を読んで、ル・コルビュジェがなぜ革新的で、こんなにも多くの建築家に影響を与えたのかが少しわかった気がする。建築物が空間を演出できるその可能性に道を開いた偉人の業績を平易に解説してくれる本がなかなかなかっただけに、ようやくの感で一気に読めた充実の新書だ。

ル・コルビュジェを見る
〜20世紀最高の建築家、想像の軌跡〜
越後島研一著
中央公論新社刊(中公新書1909)
214p
760円(税別)

ブルゴーニュ・ヴェズレイ ラ・シャトレーヌ2005 ドメーヌ・デ・ラ・カデット

Tgngbsd3
ビオでなくてもいい、なんて自分では言ってたけどこうして振り返ってみるとビオワインが多くなってるナァ。ビオ人気で店頭に並んでいる機会も多くなっているのもあるが、確かに自然なおいしさってものを感じるし、思いがけないパワーにビックリさせられる。同じ価格ならパワーのあるほうが好きな、上品繊細がわからない者でして...

このブルゴーニュ白もやはりビオ。しかもその大家、フィリップ・パカレに指導を受けているという折り紙つきの生産者。

シャブリとコート・ドールの中間にあるヴェズレイ地区で元々は協同組合の組合長だったジャン・モンタネ氏が開いたドメーヌ。ビオ農法はもちろん、手積み収穫、天然酵母、SO2も可能な限り抑えた作り。栽培から醸造まで全てに目を光らせる熱の入れようだ。

香りは淡くおとなしいが、ライム、白い花、ヨーグルト、オレンジピールの香り。色は薄めの麦わら色で緑の印象は少ない。

アタックは上品な酸で、そのあと苦味と共に程よい甘さを伴った若々しい果実味がじんわりと広がる。立体的でなく、どちらかというと舌の表面を広がる平面的な感覚で広がっていく。中盤の膨らみはあまり感じないが、塩っぽさとミネラル的な味わい、コクが印象的。決して強くはないが、やさしい旨み、昆布だしがしみてくるような感じに似て、口の表面をさらっていく味わいだ。

余韻は程よい旨みが細く長く続く。あまりボリューム感はなく、もう少し酸が欲しい気もするが、まとまりのある味わいで、しみじみチビチビと飲むワインになっている。

シャブリのような鋭角的な酸にとまどう向きにはいいワインになっている。ただ若干こじんまりしすぎて、ビックリするような味わいとまではいかないかな。

【大丸百貨店 2,300円?】

2007年9月10日 (月)

IGT コッリ・デラ・トスカーナ・チェントラーレ2005ラ・サーラ

K0ut8jlz
アリゴテに続いて苦手な品種に挑戦します。生産量から言えばフランス第1位だっただろうか?フランスではユニ・ブラン、イタリアではトレッビアーノ。

イタリアでは広く栽培されており、ドライで水のようにガブガブ飲める、あまり個性のないワインを造る、という定評(?)があるようだ。確かに旨みに乏しい、いわゆる「飲みやすい」イタリアワインって呼ばれるワインには、ほぼこのトレッビアーノ種によるものであることが多い。ワインに関して「飲みやすい」というのは褒め言葉になってないと自分は思ってます。

このラ・サーラ社はキャンティ・クラッシコ地区、つまり古くからあるキャンティの畑を所有しており古くからの生産者だという。地域名、コッリ・デラ・トスカーナ・チェントラーレは「中央トスカーナの丘陵地帯」といった意味だ。

色は緑がかった薄い黄色。黄緑といったほうがいいかもしれない。香りは控えめであまり強くない。オレンジ、乳酸飲料、白い花の香り。

アタックは割合なめらかで酸のインパクトは控えめ。その後やはりシャープな酸が伸びてきて、若干の苦味をたたえつつ、口の中にライムのような味わいが広がる。ボディの膨らみは小さい。ボディが弱いのか、少し水っぽさも感じる。

余韻はやはり短めで、飲んだ後に収斂感が残る。しっかりめの料理を食べた後に口の中を洗い流すには格好のワインかもしれないが、単独で飲んだ場合はパワー不足感は否めない。

それでもなぜかこの季節に飲むには案外気持ちいいワインなのでは、という気がする。味わいを気にせず、思い切り冷やして渇きを癒すには複雑さはかえって不要かも?事実冷蔵庫でギンギンに冷やしたときの爽快さはなかなか快感でした。

【阪神百貨店 1,500円?】

大黒柱ジェラード、イングランド代表に喝!

Ggtfci_m
今週は欧州選手権のためプレミアは休み。イングランドはグループEでもっかクロアチア、ロシアに次いで3位。思いの外苦戦を強いられている。土曜日は上位2チームがそろって勝利、イングランドもイスラエルを3−0で破って、いよいよ来週12日にロシアとの対戦だ。

イスラエルに快勝したイングランドだが、決して楽観は出来ない。代表の要、スティーヴン・ジェラードもチームを引き締めるコメントを出した。

「ウェンブリーでのロシア戦で勝ち点3を取るのは容易なことじゃないさ。相手だってこの土曜日に攻撃的なすばらしい試合をしたんだから。誰だって次のロシア戦でいい結果を出して波に乗っていきたいと思っているし、自信を持ちたいんだよ。でも大事なのは慢心しないこと、ロシアを過小評価しないことなんだ。」

「ロシアはすばらしいチームだから、僕達イングランド代表がイスラエル戦のような試合ができなければ、いや、それ以上の試合展開ができなければ、勝ち点3を奪うのは至難の業だろうね。」

「こう言ったらイスラエルに対して失礼になるかもしれないけど、ロシア戦はあの試合よりも厳しい戦いになると思っている。相手はより強く、組織力もあるし、テクニックもあるチームだから、勝つためには自分たちのペースに持ち込んでいくことが重要なんだ。」

「自分たちが持っている力からすれば、このグループEでの残り試合全てに必ず勝って、最後には首位で勝ち抜くことができるはずだ。僕達はその自信があるんだよ。」

下馬評では首位は間違いなし、といわれていたイングランドだがクロアチアの敗戦、マケドニアとの引き分けでもたついた。まずは2位ロシアに勝って、決勝進出圏内の2位を奪うことが先決。この水曜日、イングランド代表はホームで正念場を迎える。

2007年9月 9日 (日)

ブルゴーニュ・アリゴテ2005 ニコラ・マイエ

V_4mrqgt
今日は昼から軽めのジョギング。秋のハーフマラソンに向けての練習も兼ねてだけど、まだまだ暑さが身にこたえる。こんなとき終了後にクーッと飲みたいのはシャープなワイン。

ブルゴーニュの白ワインはもちろんシャルドネが圧倒的だが、その影で細々と作られているのがアリゴテ。この品種鋭い酸が特徴的だが、あまりにシャープ過ぎて僕は苦手だった。ワイン飲み始めの時に飲んで、あまりの鋭い酸にまいってしまい、そこから飲まず嫌い。しかし最近よく目にするようになってきたので、ちょっと怖いものみたさもあり、FUJIMARUさんに行ったときに聞いてみてこれを選んでもらった。

ニコラ・マイエはマコンで評価急上昇中の作り手。伝統的なブルゴーニュの土地が高騰している中でマコンにはロワールのようにヤル気のある生産者が集まってきている、まさに注目の土地だ。

色は薄めの麦わら色。軽いグリーンの色調を帯びている。香りは思いのほかミルキー。乳酸飲料、ライム、バターの香り。

アタックは穏やかな酸で自然と入ってくる。そしてやはりミルキー、乳酸のおだやかな味わいが印象的。ボディの膨らみは小さいが、旨みも繊細かつ細やか、かすかな苦味がアクセントになり、コンパクトながらも深さもたたえた味わいになっている。

余韻は苦味と乳酸の味わいが細く長く続く。全体にやさしく、おだやかな飲み心地。

いや〜、アリゴテってこんなに旨みのあるワインだったんだ。飲まず嫌いで損してたなぁ。でもこの旨み、アリゴテの品種よりも実は作り方、醸造法に原因がありそうだ。そうであれば品種の個性っていったい何なのか?そういう疑問も生まれてくる。

【Wineshop FUJIMARU 2,400円】

裁判官の爆笑お言葉集

Zd4ud7zf
笑いというものが最も似つかわしくない、というか最も排除された場所は裁判所ではないだろうか。しかしその場所でも時において思わず首をかしげるような場面はあるらしい。

この裁判所がもうすぐ自分にとっても身近な現実になるかもしれない。裁判員制度が平成21年5月から始まる予定だが、この制度では対象の事件は死刑、無期懲役に相当する重大な事件、故意に人を死亡させた事件が対象になる。かなり重い判断に対する責任を裁判官と共に担うことになるようだ。

法の下に厳正に判決を下していく裁判官だけど、この本を読んでいくとやはり人が人を裁く以上、裁判官もまた本音を漏らすことがある。特に印象に残ったのは、死刑判決を言い渡した後のある裁判官の言葉、

「控訴し、別の裁判所の判断を仰ぐことを勧める」

やはり裁判官も人の命を奪う刑を言い渡すときは相当の重圧と呵責があるのだ。

こうした重い内容以外に、裁判官が漏らした本音、シャレの効いた言葉、被告を諭す言葉と、ロボット的で融通の利かないといった印象のある裁判官の世界がよく見えてくる。

しかし、この本を読んで裁判員制度というものに対する不安は増してきた。裁判官の判断にも感情が入るのであれば、裁判員として参加する自分たちの判断基準はどこに置けばいいのか?裁判員として何をさせられるのか説明もないまま導入の日を迎えるのだろうか?

裁判官の爆笑お言葉集(幻冬舎新書)
長嶺 超輝著
幻冬舎刊
234p
720円(税別)