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2012年1月28日 (土)

自分にとっての難解さ プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影

111219goya_2自分の中で整理できない画家というものもいる。このゴヤもその一人だ。ナポレオンに蹂躙され、没落の真っただ中にあったスペイン王国に一人文化史上輝きを与えられた、フランシスコ・デ・ゴヤ。

時間を封じ込めるかのように非常に早いタッチで描かれた作品、写実的に入念に描かれた作品、そして後年聴覚を失う悲劇に見舞われた中で描かれた、一連の黒い版画、彼の作品表現は多岐にわたる。

今回は彼の代表作ともいえるマハ2作のうち、「着衣のマハ」がやってくるとあって、プラド美術館を訪れたことのない自分はぜひ見たいと国立西洋美術館で開催されている美術展を訪れた。そして見た。しかし、やはり消化しきれない何かが残るのだ。「この絵は本当に素晴らしいのだろうか?」

動きのあるタッチは画面に躍動感を与えている。そしてこちらを挑発するかのような表情、足を前に出してにじり寄ってくるような姿勢からは、マハが今にも画面から動き出しそうな錯覚を感じる。しかし、正直そこまでなのだ。自分にはこの絵を美しいと感じることができなかった。

ゴヤの絵すべてにそう感じるわけではないのだが、他の画家に比べるとそれほど魅力を感じることができていない。肖像画のいくつかは素晴らしいものがあったが、あるものはあまりに平面的に人物を捉え、滑稽にしか思えないものもある。技巧的に書き分けているのか、それとも彼の描く対象に対する親近感がこの差を形作っているのか。いずれにしても、これほどの受け止め方の激しい落差は他の画家には感じられない。

今回の美術展でも自分の中の疑問は解明されなかった。まだまだゴヤの作品とはじっくりと向き合い、考える時間が必要なようだ。

プラド美術館所蔵 ゴヤ~光と影~

国立西洋美術館

2011年10月22日~2012年1月29日

2012年1月25日 (水)

この緩い守備では。。。アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッド戦

120125arsenalなんと今年初のアーセナル記事だけど、別にみていなかったわけではない。わけではないのだが、気力が失せる試合ばかりだったので、書く意欲も湧かなかった。

しかし、この試合は書かずにはいられない。ホームに2位のマンチェスター・ユナイテッドを迎えた一戦は、アウェイでの屈辱的な8-2の敗戦があっただけに、奮起をk対していた。しかし、そのチームが抱える環境はいつもの怪我人続出のアーセナル劇場。。。この試合は前節に引き続き中盤の要、アルテタと復帰のアンリを欠くとあって不安満載のキックオフだった。先発はGKスチェスニー、DFフェルメーレン、コシエルニー、メルテザッカー、ジュルー、MFソング、ラムジー、チェンバレン、ロシツキー、ウォルコット、FWファン・ペルシー。

前半は拮抗した試合展開で、アーセナルも見せ場を作りアウェイ戦の時のような一方的な展開にはならない。その中ではチェンバレンが周囲との噛み合いが今一つだったが、動き良くチームに新たなアクセントとなってくれた。

しかしチームの状況が根本から変わったわけではなく、前半終了間際、右サイドを狙われてジュルーの甘すぎ、仁王立ち、棒立ちチェックを抜かれて失点を喫して0-1。

後半はさすがにジュルー交代で、初登場のイエナリスが右サイドに入る。その後は締まり、50分直後から惜しいゴールシーン、ファン・ペルシー、ラムジー、チェンバレンと続くが得点に至らない。しかし71分にはチェンバレンが一呼吸外したパスをファン・ペルシーに通して、これを右隅に同点弾を流し込む。

しかし今日の最大の間違いはその直後、ここまで好調だったチェンバレンを下げてアルシャビンを入れたシーン。そのアルシャビンが81分、ヴァレンシアのフェイントに引っかかり、振り切られてからゴールを襲われて2点目が決まってしまい、これが決勝点となってアーセナルがついに3連敗となった。

正直質の低い試合で、まだ失点2に収まったといえるのかもしれない。選手層の薄さは悔しいがマンUに比べていかんともしがたかった。そして両チームミスは多かったが、その中で守備の惨いほどの甘さが勝敗を分けてしまった。ジュルー、アルシャビンのミスはこの両選手の限界を痛いほどさらけ出した。チェンバレンとアルシャビンの交代がなかったらどうなっていたか?と想像せずにはいられないほど、あの交代が大きな分岐点になってしまったというのは結果論だろうか。

痛さも感じた反面若い力、チェンバレンとイエナリスの存在はせめてもの光明かな?いや、そう思わないともうやってけないんです。次の試合こそ、スキッとさせてくれ!

2012年1月21日 (土)

ドメーヌ・タカヒコ ヨイチノボリ キュムラ ピノ・ノワール2009 北海道余市郡余市町

120121kyumura今年も日本ワインからは目が離せない。ここ1、2年で完全に定着したといってもいいほど、どんなショップでも何らかの日本ワインがストックされるようになった。そして普通にイベントなども開かれるようになって、いろんな種類のワインを楽しめるようになったことはありがたい限り。

それにしても、こんなに多くのワイナリーがあったことに今更ながら驚くばかりだ。悩みの種は、それぞれの生産量が少ないため、飲みたいワインがあってもよほどタイミングが合わないと飲めないことだろう。

このドメーヌ・タカヒコもそうしたワイナリーの一つだろう。かつて白ワインを飲んだことがあるが、生産者の曽我貴彦氏はむしろ赤ワイン、ピノ・ノワールに情熱を燃やしている。

http://cesc22.blog.eonet.jp/default/2011/08/2010-98bb.html (ケルナー)

樹齢25年のピノ・ノワールが栽培されるキュムラという区画のみで作られたピノ・ノワールを自然発酵で無濾過瓶詰という手法で生産している。

色は少しうす濁り、曇った感じの明るいガーネット色。香りはアメリカンチェリー、フランボワーズ、紫蘇、スパイスの香り。

口に含むとすがすがしい鮮烈な酸味が直線的に広がり、その直後に角度を広げていく繊細なタンニンを伴った熟した赤い果実の旨味が感じられる。若々しいが、タンニンの存在感があるので、重心が低い落ち着きのある味わいになっている。中盤も穏やかで果実味のゆったりした存在感が備わり、自然な浸透力と相まって優しい心地を感じさせてくれる。

余韻は少し硬さも残るものの、最初から最後まで透徹する若いベリーの酸味が、程よい甘みとともに口の中にゆったりと広がり、好ましい味わいを残しつつ、優しくなだらかに引いていく。

もう少しとげとげしさがあるのかと思っていたが、予想とは違った穏やかな味わい。この地のピノ・ノワールに惚れた生産者が醸したことが納得できる、今までの日本のピノ・ノワールとは少し違いを感じさせてくれたワインだったな。

【3,500円? パピーユ・ジャポネーズ】

2012年1月16日 (月)

ジャン・フィリップ・マルシャン ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエクリュ レ・ブード1996 AOCニュイ・サン・ジョルジュ1er

120114nuits_2今年もたぶんワインを飲み続けるんだろうけど、その主体となるのはピノ・ノワールにどうしてもなってしまいそうだ。シャンパーニュもブラン・ド・ブランより、肉付きとしっかりした酒質のあるブラン・ド・ノワールにより惹かれてしまう。

ピノ・ノワールといえば、やはりブルゴーニュだけど、自分の好きな地域はニュイ・サン・ジョルジュであり、モレ・サン・ドニ。この嗜好もおそらく変わらないんだろうな。

そのニュイの中でもこのワインの畑は一級畑でレ・ブードというが、ニュイ・サン・ジョルジュという地域は町とその中を流れる川を挟んで南北に分かれ、北はヴォーヌ・ロマネ、南はボーヌへとつながる。このレ・ブードは最北端に位置し、その北はすぐヴォーヌ・ロマネの畑になる。ヴォーヌらしい上品な厚みのあるワインになりそうだが、どうだろうか?

色は周縁に熟成感を漂わせた褐色味を帯びたルビー色。香りはカシス、土、バジル、アールグレイの香り。

口に含むと柔和な酸味が広がり、滋味豊かな薬草成分のような味わいが広がる。スモーキーサとスパイシーさが融合し、複雑さが感じられるが、果実味が少し細い感じ。しかし、全体には薬草的な味わいが勝っているため、若干バランスの偏りも感じさせる。若干のざらつき感もある。後半はしなやかな旨味が広がり、隠れていたタンニンの渋みもしっかりと顔を出し、落ち着きを与える。

余韻は繊細な程よい甘みが伸びやかに引き出され、その味わいを保ちながらゆっくりと引いていく。

熟成感もあり、しなやかな酒質もあるが、もう少し味わいの厚みがあればと思う。1996年でこのレベルのワインとしては少しピークも落ち気味なのかもしれないが、

2012年1月15日 (日)

新年第一回のワイン会はコチネッラ!

今年第一発のワイン会は、京都三条新町のイタリアン、オステリア・コチネッラでした。こちらの森山シェフのイタリアワイン、特にトスカーナ、そのまた特にサンジョヴェーゼ、そしてそのまたまた特にモンテヴェルティネを愛する気持ちはおそらく関西一でしょう。

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この日も途中一本、フリウリの白。ヴィトフスカの追加もあいながら都合8本のワインと料理2品がセットで会費9千円。このコストパフォーマンスは最近の価格上昇ワイン会が多い中ではありえないレベル。商売っ気殆どなしの男前な心意気に感謝するしかありません。

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個人的にはヴィトフスカ2品の味の違い、ヴォドピヴェッチのアンフォラのフォルムの柔らかさと旨味の個性、ジダリッチの輪郭がしっかりしつつ、後半はさらっと引いていく味わいの違いが面白かったし、モンテヴェルティーネ1999マグナムの整った果実味と余韻の膨らみの雄大さ、ピエモンテの希少品種、ルケのチャーミングな果実味が印象的だった。特にルケはかなり日本人受けしそうな味わい(問題は価格)。

しかし、この日のとどめはなんといってもカーゼコリーニのラ・バルラ1996、バルベーラだった。若いバルベーラとは隔絶した熟しつつ細やかだがボリューム感のある酸、味わいのバランス、中盤の静謐かつ豊かな酒質、そしてとても長い余韻、今まで飲んだバルベーラとは全く質感が違っていた。これを飲めるのは生涯唯一だったかもしれないな。

120109coti13その後、酒豪のメンバーに量が足りないと思ったかグラスで開放してくれたワイン2本を含めた10種類のワインと、具だくさんミネストローネ、仔羊とともに昼酒の楽しい新年ワイン会になった。森山シェフ、いつもすいませんねぇ。。。本年も引き続きなにとぞよろしくお願いしますorz

2012年1月12日 (木)

遅ればせながら...

120113arsenalもう2週間たってますけど、あけましておめでとうございます。

正月以降サボッてましたが、こちらは例年通りのペースでやってまいります。見てくれている方、どうぞよろしくお付き合いくださいませ。

完全にアーセナル&ワインだけになってますけど。

それでもいいかな、と思ってますのでたぶんこのまま行っちゃいます!

年末年始もドラマを見せてもらいました。今年もこのチームにはハラハラさせられることでしょう。

2011年12月31日 (土)

ヴェロニク・ギュンター・シェロー ペルル・フィネ・ドゥ・コワン メトード・トラディショネル・ブリュットNV

111231muscadet_2今年最後の泡は自分も初体験のロワール、ミュスカデで作られたスパークリング。酸味を和らげるためと思えば、ミュスカデの泡もあっておかしくはないんだろうけど、それほど重厚とはいえない味わいのミュスカデで作ると、ボディが弱くなって刺々しさが出てきてしまうように思うのだが、どうだろうか。

しかし作り手は1970年代からこの地で醸造を始めた家族経営のワイナリーで醸造責任者もヴェロニクさんという女性のようだ。女性の作るワインは酸がまろやかで、味わいもとても上品穏やかに仕上げるという共通項があるから、期待は持てそうだ。このワインも収穫を抑えた畑のブドウで、農薬の使用を極力控えるリュット・レゾネによるもの。

色は薄い色調のグリーンイエロー。泡は大きめで、グラスの底全体から勢いよく立ち上る。香りはライム、青野菜、ミネラル、昆布水のような香りも感じられる。

口に含むとまろやかな優しい酸味の中に勢いのある泡が溶け込んでいて、弾けるように舌先を刺激する。ほんのりとした甘みも感じられ、ボディは予想外にふくらみが感じられる。複雑さはないが、余計なものをそぎ落としたようなクリアな味わいに、底支えするほのかな苦みとミネラル感がアクセントを与える。

余韻もクリアで、冷涼な酸味の感覚が口の中を清涼感で満たし、フレッシュさを残しながらゆっくりと引いていく。

これは全く予想外にやられた、という感じ。ミュスカデでこれだけまろやかで充実感のある泡ができるとは。ブルゴーニュやボルドーで作られる泡にありがちな余韻のべたつき、という感覚は全くなく、クリアで引き締まった後味はシャンパーニュに通じるものがある。こういうものを手を抜かずきっちりと作り上げる生産者の努力に頭が下がります。脱帽。Good JOB!

【ワインスタイルズ 2,500円?】

2011年12月30日 (金)

限りなく負けに近い引き分け アーセナルvsウルヴス戦

111230arsenal_227日ともなれば、もう休みに入ってもおかしくないのに、プレミアはこの日も含めて年末まだ2試合もある、見るほうにはうれしいが、選手にとってはどうなんだろう?しかも2日にはもう新年第一戦だし、選手は本当にお疲れ様です。

この試合勝てば4位に浮上できるアーセナルは、ホーム下位に沈むウルヴス戦。GKスチェスニー、DFフェルメーレン、コシエルニー、メルテザッカー、ジュルー、MFアルテタ、ソング、ベナユン、FWジェルヴィーニョ、ロシツキー、ファン・ペルシー。

試合は終始アーセナルペースだったけど、結果は1-1で引き分けに終わった。前半8分、ジェルヴィーニョが早々に得点を決めたときは、これはいただき、と思ったんだけど、結果はボール支配率は7割超えて、枠内シュートも10本以上放ったもののその1点どまり。後半、ワンチャンスで同点に追いつかれて以降も再三攻め込むが、相手GKのファインセーブ連発でゴールをこじ開けることはできなかった。

運が悪かったとはいえ、原因はいろいろある。まずこの日はサスペンションから復帰のソングが今季一番の不出来。余計なヒールパス、パスミス、集中心を欠いたプレイで攻撃の流れを断ち切ってしまうシーンが目立った。それ以上に大きいのは、やはりサイド攻撃のオプションの欠如。攻めにスピードがないので、相手に容易に守られてしまう。ジュルーがサイドでは全く機能しない。これは早々にサイドの補強が必要だと思うのだが、ヴェンゲル監督は冬の移籍で動くだろうか?

ロシツキーは動きはいいんだけど、どうしてこうも得点に結びつかないのか?彼が入るとテンポは良くなるし、縦への切り込みでチャンスは見せるんだけど、そこまで、という展開が続いている。正直彼から得点が生まれるシーンが最近想像できなくて、ちょとトラウマになりつつある。。。

勝てる試合を落とした、痛い痛い引き分け。チェルシーとの差を詰められず、最後のライブ観戦としては悔いの残る試合だったな。大晦日は帰郷のため見れません!

2011年12月26日 (月)

ベレシュ・エ・フィス エクストラ・ブリュット・レゼルヴNV

111223bereche_3スパークリングワインもいいんだけど、やっぱりシャンパーニュが素敵と思う時が多い。泡の細かさ、酸の繊細さ、余韻のふくよかさがいずれも一日の長がある。ま、わかってるから言えるところもあるとは思うんだけど。

そのシャンパーニュも昔から考えると絶対覚えられないくらいの生産者の味わいを気軽に楽しめるようになったものだと思う。だから最近大手メゾンの品もほとんど飲んでないので、逆にそういうラインナップも飲みたくなってしまう。

このベレシュもまだまだ若いメゾンだけど、最近は若手の代表のように取り上げられている有望株の一人。ラファエル・ベレシュが家業を継いだのは2004年、そこから極力農薬を抑えるリュット・レゾネを実践し、最近は馬での耕作も始めたというから、かなりビオ・ディナミに近い農法を取り入れているようだ。

セパージュはシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエをほぼ等分使っている。このエクストラ・ブリュットは瓶内二次発酵後の糖分添加を全く行わない、いわゆる「ノン・ドサージュ」。かなり辛口に仕上がっていそうだが、さて?

色は張りのある硬質なゴールドイエロー。香りは蜂蜜、ライム、白コショウ、サラミのような肉の香りも感じられる。

口にすると塩辛いほどのドライな印象が直接的にやってきて、口の中がすぼまるほど。泡は繊細だが張りのある細かさ。ライムのような青さのある柑橘類を口に頬張った直後の印象に似ている。硬質な味わいは透徹し、それは個性なのかもしれないがもうすこし柔らかさがあってもいいと思う。飲んでいてゆったりさせる余裕が今少し足りない気がする。研ぎ澄まされたような味わいすぎて、飲む者に緊張感を与えすぎてしまっているような感じがしてならない。

余韻はミネラル感、苦みが腰を据えて、最後まで息を切らさない酸味主体の味わいにアクセントを与えつつドライな味わいを貫徹していく。飲みきった後の乾いた味わいは他にない個性だろうか。

しかし、ここまでドライなシャンパーニュはお目にかかったことがなかった。この味わいにもう少しふくよかさを加味することができればと思うのだけれど、それにはもう少し時間が必要なのかもしれないな。

【創酒タカムラ 4,800円?】

2011年12月25日 (日)

ラエルト・フレール ブリュット・トラディシオン NV

111224laherte最近のシャンパーニュの楽しみは、大手でない造り手のいろいろなシャンパーニュを飲むこと。スタンダードなものであれば4千円台で楽しめるし、さすがにユーロ安の影響も出てきて相対的にお得感も出てきた。

シャンパーニュではちょうど真ん中地域にあたるヴァレ・ド・ラ・マルヌとコート・ド・ブランの間、シャヴォに本拠を置くラエルト・フレールは、シャンパーニュの有力な若手生産者に数えられるオーレリアン・ラエルトが率いている。

シャンパーニュは主にピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネから造られるが、その他にもアルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリからも造ることが認められており、オーレリアン氏はこの古典的な品種にも興味を持っている。これらから造られるシャンパーニュもいつかは飲んでみたいが、このシャンパーニュはオーソドックスに彼が所有する8つの村にわたる畑で栽培されるピノ・ムニエ60%、シャルドネ30%、ピノ・ノワール10%から造られる。このうち40%は小樽で熟成させたヴァン・ド・レゼルヴを使用している。

色はややグレーがかった黄金色。泡は中心から細かく勢いよく立ち上る。香りはリンゴ、ヨーグルト、八朔、ミネラルの香り。

口に含むと柔らかな酸味と細かな泡が感じられ、柑橘系の優しい果実味が徐々にほどけるように広がってくる。渋みは優しく、ソフトな印象。グリップはそれほど強くないが、果実の充実した旨味が中盤にかけてゆったりと広がる。もう少し酸味に深みがあると、味わいにメリハリがついていいのだが。

余韻は最後に現れる甘みが穏やかな心地を演出し、息の長いスマートな味わいを残しつつゆっくり引いていく。

果実味の充実感がありつつ、優しい味わいはピノ・ムニエの特徴がよく出ているのかもしれない。とてもバランスの良いシャンパーニュだったな。

【パピーユ・ジャポネーズ 4,000円?】

2011年12月24日 (土)

ギガル コート・ロティ ブリュンヌ・エ・ブロンド2002 AOCコート・ロティ

111222rotie_3ワインがそれほど好きじゃない人もラベルくらい見たことのあるワイナリーがあるんじゃないだろうか。フランスならばまずはボージョレーのデュビュッフ、そしてその次はここ、ローヌのギガルが来るような気がする。

ローヌでは名手にして盟主のギガル。ここコート・ロティでも生産本数はダントツで10万本を超えてくる。自社で畑を持つだけでなく、契約農家からブドウ、ワインを買うネゴシアン(酒商)でもある。

コート・ロティは大好きなアペラシオンで、シラー主体だが特別に白ブドウのヴィオニエをまえても良いことになっている珍しい地域。この地域でも最も有名な畑がコート・ブリュンヌとコート・ブロンドで、昔領主が茶髪と金髪の娘に領地を与えたことからこの名がついたという由来がある。その名の通り、ブロンドが軽やかで、ブリュンヌが力強いワインを産むのだそうだ。

色は濃厚で黒味の強い質感のあるルビー色。香りはカシスリキュール、黒こしょう、革、ゴム。

口に含むとしっとりした酸を感じ、その後に熟した黒い果実の甘みがじっくりとしみてくる。タンニンは細かく密。大柄ではないが、求心力と内に詰まった凝縮感がある。中盤はスパイシーな香りが口の中に満ち、干しイモをあぶったような香ばしさも感じられる。力強さはあるが、決して力だけで攻めてこない柔らかな味わいはヴィオニエによるものだろうか。

終盤はまだ少し硬さの残るタンニンの収斂感を感じるものの、熟したベリーの旨味が真の通った柔らかな酸味に絡みつつ、程よい甘みを残しながら長い余韻を形作っていく。

結構今まで飲んでいたんだけど、読み返してみるとこのブログでギガルを取り上げるのは初めてだった。それほど当たり前、定番の作り手だけど、それには理由があるとやはり思わせる充実感のあるワインだった。

【やまや堂島店 5,800円】

2011年12月23日 (金)

しぶとく勝ち点3 アストンヴィラvsアーセナル戦

111222arsenal前節シティ戦で敗戦を喫し、ソングもイエロー累積で出場停止、しかもDF選手の負傷が相次ぐ状態のアーセナルはミッドウィークをアウェイ戦、アストンヴィラ戦で迎えた。

ここ数試合見ていると、やはりサイドの本職不在が攻撃のオプションを少なくしているだけに、ギブスの復帰が近いということで期待していたのだが、試合前の情報でまだかかるということで、まだまだ苦難が続きそうだ。この日のスタメンはGKスチェスニー、DFフェルメーレン、コシエルニー、メルテザッカー、コクラン、MFアルテタ、ラムジー、フリンポン、FWジェルビーニョ、ウォルコット、ファン・ペルシー。

試合はホームのアストンヴィラペース。アーセナルはソング不在が大きく影響し、守備と攻撃の切り替えが悪い。中盤もアルテタはいいのだが、ラムジー、フリンポンが軽いプレイで相手にカットされ、流れを断ち切ってしまう。それとパスが単調で、中に入らない。ソングならリスクを冒しても中に入れるのだが、やはり彼の不在がこれほど試合に影響を与えるとは、と思わずにはいられない前半の立ち上がりだった。

それでも前半エリア内でウォルコットが引っ張られるラッキーな相手の軽率ミスに助けられ、ファン・ペルシーが17分にPKを決めてアーセナルが先制。しかしヴィラペースの試合がその後も続いたためいずれ追いつかれるのではと思っていたのだが、後半に入って緊張の糸が切れていたわけではないだろうが54分、ゴールキックからのボール処理を誤りやすやすと追いつかれてしまう。試合の流れからすればいつかは、という予感はあったが。。。

ここから試合は膠着状態。しかしベンゲル監督の今日の動きは素早かった。フリンポンを下げてロシツキー、そしてその後ラムジー、ジェルヴィーニョを替えてアルシャビン、ベナユンを投入する。そしてこの交代がドンピシャに決まり、ボールの流れがよくなったアーセナルはついに85分、右コーナーからのファン・ペルシーのボールにベナユンが頭で合わせて勝ち越しの2点目!ベナユンはチーム加入後初得点となった。それにしても神はアシストも決めるまさに神憑り的決定力。

その後ホームでイライラがつのっていたのか相手チームのハットンが一人で熱くなり、ファン・ペルシーに絡んでイエロー、そして時間を置かず自陣奥深くまで左サイドをえぐってきたフェルメーレンの足を狙う危険プレイで2枚目イエローと退場。結局このゴタゴタで時間も喰ってしまい、アーセナルが逃げ切って勝ち点3を手にした。

後日チェルシー、トッテナムの直接対決が引き分けたため、大きな勝ち点3になった。しかしソング不在がこれほど影響するのか、と思うほど攻守の切り替えがうまくいかず、ボールの支配も完全にアストンヴィラペースで終始した。でも、こういう試合を勝つところがチームの状態が決して悪くないことを物語る。シティ戦の敗戦を引きずらず、リセットしたところに価値がある。

この日の試合はベテランが持ち味を出した。まずはロシツキーが入ったことでテンポが生まれ、ベナユンはしっかりボールを受けて廻す基本に忠実な動きで、次の動きに確実につなげる。この流れからセットプレーでの待望の得点が生まれた。まぁ、コーナー11本も打てば、一点くらい決めてくれないと困るけど。

貴重な勝ち点3を手にしたアーセナル。今年の残り2戦もこの調子で勝って締めくくろう!

2011年12月22日 (木)

人生は醜いからこそ美しい トゥールーズ・ロートレック展

111218lautrec表面上は美しくはないと思えるものに何故か美しいと思える時がある。アートの世界でもそうした場面にはしばしば遭遇する事が多い。そしてその事のほうが後々も自分の中に大きく根を張って忘れられない場合が多い。

歴史的にも古から名を残すフランス名家中の名家の跡取りとして生まれながら、子供のころに得た障害によってハンデとコンプレックスを背負う。しかし、後で見るならばその事が彼を歴史に名を残し、人々の心の中に大きな印象を残すことになった。

鮮やかな光に彩られた印象派の系統に連なる中にあって、ロートレックは異彩を放ち、色調は緑主体で暗い。しかし、単に暗いだけではなく油彩の筆致は軽やかでかつ生気に満ちた勢いがある。暗い表情で踊る踊り子たちだが、それを描くロートレックの筆は、彼女たちの覚悟、鋭気を映すかのように画面を踊るように跳ね回る。

しかしロートレックの芸術の真骨頂はまぎれもなくポスターで見せる浮世絵のような平面性と、対象を極限までそぎ落として真なるものをあられもなく見せつける表現力にある。描かれたイヴェット・ギルヴェールが「私を醜く描かないで」と懇願しても、自らの表現を押し通し、そして醜く描かれた彼女でさえ、その姿を心ならずも認めざるを得なかった事実は、この画家の芸術性の源が真実を見抜き描く事であったことを語っている。

夜ごと欲望の中で蠢くパリの人々。その中にあって彼はすべてを見通し、それでもそこに埋没はしなかった。醜さの中に美はある、それを体現した彼の人生、彼の芸術が今も強烈に人々をひきつけるのは、それこそが芸術に人が惹かれる根源的な理由であることを語っているのだと思う。

三菱一号美術館コレクション トゥールーズ・ロートレック展

三菱一号美術館(東京・丸の内)

2011年10月23日~12月25日

2011年12月21日 (水)

ピエール・モンキュイ ユーグ・ド・クルメ ブラン・ド・ブラン ブリュットNV 

111219moncuit_2ワインに関しては酸がしっかりあるものが好きなのに、シャンパーニュに関してはブラン・ド・ブラン、白ブドウによるものがつい最近まで苦手だった。だからシャンパーニュを選ぶときには「ピノ・ノワール主体のものはありますか?」と聞くことが常だった。最近はそうでもなくなっているのは、ようやく自分の舌がシャンパーニュに慣れ始めた?

このピエール・モンキュイはシャンパーニュ地方でもコート・ド・ブラン地域、その名のとおりシャルドネ主体のシャンパーニュを生産する地域でもル・メニル・シュル・オジェ村を本拠としている。超高級のシャンパーニュ「サロン」を生み出すこの村だが、むしろその鮮烈な酸とミネラル的味わいゆえに、大手生産者のシャンパーニュにアクセントをもたらすブレンド用として重宝されてきた。それだけに自分にとってはかなり鬼門の村のようだが?

全体にグリーンの色調を帯びた明るい薄めのイエロー。金属的な表面の張りが感じられる。香りは甘くグレープフルーツ、カスタードクリーム、アップルパイ、ドライフルーツ、カマンベールチーズ。

口に含むと鮮烈な酸と細かく勢いのいい泡が舌を突く。勢いのよい酸が口の中に広がり、少し厳しめの収斂感があるものの、その直後に広がる青い柑橘系の果実味はふくよかなボリュームを持っていて、酸で引き締められた口の中をほっこりと和らげるように広がる。中盤以降広がるミネラル感、ほろ苦さが味わいの重心を低く保ち、複雑さをもたらす。

余韻は最後まで手綱を緩めない酸が再び戻り、口の中をリフレッシュするように清涼感を漂わせながら、ドライな味わいで締めくくる。

かなり攻めの強い酸が印象的なシャンパーニュだったが、その中にくるまれた果実味が厚みを持たせてバランスを保っている。ブラン・ド・ブランらしい特徴と、土地の個性を色濃く表したシャンパーニュと言っていいんだろうね。

【Cave de Terre 淡路町店 4,800円?】

2011年12月20日 (火)

一点が及ばない マンチェスター・シティvsアーセナル戦

111219emirates111218arsenalチェルシーに敗れたとはいえ首位をひた走るマンチェスター・シティ。選手層の厚さは否定できないが、今の勢いであれば必ず勝てる、そう思ったこの試合は横浜に本拠を移したA君主催の観戦イベント、エミレーツナイトに参戦。この日は若いグーナーが30人も集まる大盛況だった。しかしこの人間力は相変わらずすごいですねー。それとグーナーの結束力、ここ日本?

先発は前節と変わらずGKスチェスニー、DFフェルメーレン、コシエルニー、メルテザッカー、ジュルー、MFソング、ラムジー、アルテタ、FWジェルヴィーニョ、ウォルコット、ファン・ペルシー。

結果的には1-0の手痛い敗戦だった。アーセナルも悪くなく、惜しいシーンもあったが流れを変えるだけの力が相手のほうが上を行っていた感は否めない。選手層は悔しいが相手のほうが上で、ナスリ、シルバも自分で局面を変えられる決定力がある。しかし今のアーセナルには正直その力は不足している。後半シティが1点を守りきる体制になれば、それははっきりと現れた。この相手にウォルコット、ラムジーが表に出なければ、数的にも不利に立ってしまう。

あとサイドの戦力不足が致命的だった。やはり走れるサイドがいないと攻撃的にも相手の驚異たりえない。時間が経過するにつれて単調に流れる攻撃は、かたくなまでに堅守のシティにとって慌てさせるには至らなかった。今が最高潮のGKハートがいればなおのこと。最後の局面も彼に阻まれて、アーセナルの好機が訪れることはなかった。

その中でも良かったのは守備でピンチを防いだソングの気迫と、俊敏な反応で失点を最小限に防いだスチェスニー、中盤で運動量豊富にかつ裁ききったアルテタだった。ただ、ソングはこの試合のイエローで累積、次試合出場停止になる。守備が問題のアーセナルには一試合とはいえ痛い状況だ。

ここで首位を叩き4位以内に食い込みたかったが、状況は厳しいことを思い知らされた痛恨の一戦だった。ここから巻きなおしてもらわないと困るよ、ホント!